JPH08291174A - 金属イオンを配位した錯体結晶 - Google Patents

金属イオンを配位した錯体結晶

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JPH08291174A
JPH08291174A JP7090979A JP9097995A JPH08291174A JP H08291174 A JPH08291174 A JP H08291174A JP 7090979 A JP7090979 A JP 7090979A JP 9097995 A JP9097995 A JP 9097995A JP H08291174 A JPH08291174 A JP H08291174A
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complex crystal
crystal
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heterocyclic compound
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Hisato Takeuchi
久人 竹内
Azusa Tsukigase
あずさ 月ケ瀬
Arimitsu Usuki
有光 臼杵
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】調光材料として紫外線に強く、耐久性がより一
層優れ偏光粒子として使用できる錯体結晶を提供するこ
とを目的とする。 【構成】少なくとも1つの窒素原子を有する多環型含窒
素芳香族複素環化合物の陽イオンと、三沃素陰イオン
と、金属イオンとから構成されていることを特徴とする
金属イオンを配位した錯体結晶。この金属イオンが配位
した錯体結晶は、金属イオンを含まない錯体結晶が示す
特性を保持し、錯体結晶に耐候性などの新たな特性を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光バルブや調光ガラス
に使用される調光素子用の偏光粒子として有用な、分子
内に窒素原子を有する多環型含窒素芳香族複素環化合物
の陽イオンと、沃素陰イオンと金属イオンとから構成さ
れている金属イオンを配位した錯体結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、分極性の偏光粒子を分散媒体に分
散させて、この分散媒体に電場を負荷して偏光粒子を配
向させたり、ランダム化して分散媒体の光学的特性(透
過、遮光)を制御する調光素子が知られている。この偏
光粒子として、例えばジヒドロシンコニジン過ヨウ素化
物(特開昭53−144893号)が提案されている。
この偏光粒子を調光素子として使用する際には、偏光粒
子を分散媒体中に分散させた分散媒体を、対向面側にそ
れぞれ透明電極を形成した一対の基板の間に配置した
り、調光素子の光学的性能や安全性を向上させるために
用いられる微小セル中に保持するなどして使用される。
【0003】この偏光粒子を分散させる分散媒体には、
水分が含まれていることが多い。このため従来の偏光粒
子は、錯体イオンが形成している包接構造が、水分子に
より破壊されることがあり、その結果、偏光性能が失わ
れる場合がある。現在知られている偏光粒子は、耐水性
が充分でないものが多い。そこで調光素子の耐久性や安
定性を保持するためには、偏光粒子が耐水性であること
が求められる。
【0004】また、自動車の高級化にともない、ウイン
ドガラスに遮光機能を付与することが望まれている。そ
こで、上記の偏光粒子を使用した遮光ガラスの製造が考
えられる。この場合、上記の偏光粒子を用いて遮光ガラ
スを形成するには、合わせガラスの製造工程の途中段階
で、合わせガラスに偏光粒子を含む分散媒体を封入する
必要がある。ところが上記の偏光粒子は、100℃以上
の温度にさらされると、分解や劣化が生じることがわか
っている。そのため通常130℃以上の高温で処理され
て製造される自動車用合わせガラスには、上記の偏光粒
子は使用することができないという不具合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、自動車の
外回り部品や住宅の外側材に調光素子を用いる場合は、
使用条件が厳しくなり従来よりもさらに耐久性に優れた
偏光粒子が必要とされる。そこで耐熱性が高く、長寿命
の調光素子を形成するためには、従来以上に耐水性、耐
熱性、耐溶媒性の優れた偏光粒子が求められる。
【0006】上記の条件を満たす赤色系の偏光粒子とし
て使用できる錯体結晶として、本発明者等は先に耐熱性
ヘラパタイト類を出願した(特願平3−169915
号、特願平3−213839号)。さらに多色化の要求
に基づき、青色系の錯体結晶として分子内に窒素原子を
有する3環性の縮合環式化合物であるフェナントロリン
系化合物を出願した(特願平3−329115号、特願
平4−325592号、特願平4−187020号)。
このフェナントロリン系化合物の錯体結晶は、赤色系の
ヘラパタイト類とほぼ同程度の性能を有している。しか
し、さらに耐久性、耐熱性が求められる場合には上記の
錯体結晶の偏光粒子では耐久性および耐候性が必ずしも
充分ではなかった。
【0007】そこで本発明は、調光材料として紫外線に
強く、耐久性がより一層優れ偏光粒子として使用できる
錯体結晶を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の金属イオンを配
位した錯体結晶は、少なくとも1つの窒素原子を有する
多環型含窒素芳香族複素環化合物の陽イオンと三沃素陰
イオンと金属イオンとから構成されていることを特徴と
する。この錯体結晶は、紫外線などにも安定で強い偏光
性を有し耐熱性、耐水性、耐溶媒性に優れた偏光粒子と
して利用できる。
【0009】上記の錯体結晶を形成するには、たとえ
ば、三沃素イオンを含み金属硫酸塩を溶解した溶液と、
多環型含窒素芳香族複素環化合物を酸で中和した溶液を
一度に混合し、析出した沈殿結晶を濾別することにより
得られる。得られた析出結晶は電荷移動を示し多環型含
窒素芳香族複素環化合物イオンに金属イオンと三沃素イ
オンとが配位して一体となった錯体結晶が形成できる。
【0010】この錯体結晶の構造は、多環型含窒素芳香
族複素環化合物イオンと三沃素化物イオンの電荷移動錯
体中に、金属イオンが多環型含窒素芳香族複素環化合物
の一部に配位して錯体結晶を形成していると推測され
る。この錯体結晶中の金属イオンの量は上記の混合溶液
中の金属イオンの量により調整することができる。錯体
結晶中の金属イオンの含有量は0.01〜15重量%、
望ましくは0.1〜5重量%であることが好ましい。
【0011】この金属イオンが配位した錯体結晶は、金
属イオンを含まない錯体結晶が示す特性を保持し、さら
に錯体結晶に耐候性などの新たな特性を付与することが
できる。錯体結晶に配位しうる金属イオンとしては、遷
移金属特に銅、鉄、ニッケルなどが好ましい。
【0012】多環型含窒素芳香族複素環化合物の多環型
とは、複数の芳香族環が辺を共有して一体化しているも
のをいう。たとえば、2つのベンゼン環が縮合して形成
されるナフタレンのような構造式のものである。本発明
にかかる多環型含窒素芳香族複素環化合物は、このナフ
タレンよりもさらに縮合環数の多いもの、すなわち、少
なくとも3以上の環が縮合している多環型含窒素芳香族
複素環化合物が好ましい。さらにこの多環型含窒素芳香
族複素環化合物は、分子中に少なくとも1つの窒素原子
を有するのが好ましい。この窒素原子は、前記複素環を
構成する骨格原子(例えばピリジン環やピラジン環)と
して含まれていてもよいし、あるいは多環型含窒素芳香
族複素環化合物の側鎖に置換基として結合していてもよ
いが、前者の場合がより好ましい。なぜなら、芳香環で
受けた光エネルギーを金属イオンで熱エネルギーに変換
する際、より効率が良いからである。
【0013】なお、前記複素環には、窒素原子を含むも
ののほか、硫黄原子、酸素原子等を含んでもよい。本発
明にかかる多環型含窒素芳香族複素環化合物を構成する
環の縮合数は、少なくとも3以上の3環式、4環式、5
環式化合物が好ましく、共役系が長く、分子量も大き
い。また、芳香環の縮合数が増えると分子構造が剛直に
なるとともに炭素以外の原子が環内に取り込まれた複素
環では極性が高まり分散媒体であるフタル酸ジトリデシ
ルのような低極性溶媒に対する溶解性が低下すると考え
られる。この多環型含窒素芳香族複素環化合物で形成さ
れる錯体結晶は、多環型含窒素芳香族複素環化合物の大
きな広がりが錯体を形成している沃素陰イオンを覆い、
水や酸素および溶媒などの攻撃から錯体構造を守るとと
もに、分子全体を立体化学的に安定させている。このた
め生成された錯体結晶は、安定性、耐熱性、耐水性、耐
溶媒性が向上する。また多環型含窒素芳香族複素環化合
物に存在する窒素原子は、錯体結晶を形成するための活
性点となっている。
【0014】この窒素原子を含む多環型含窒素芳香族複
素環化合物としては、たとえば、1,10−フェナント
ロリン(化1式)、ピラジノフェナントロリン(化2
式)、ジピリドフェナジン(化3式)、5−メトキシフ
ェナントロリン(化4式)、5−アミノフェナントロリ
ン(化5式)、ジフェニルフェナントロリン(化6
式)、1,10−フェナントロリン誘導体(置換基にア
ミノ基、メトキシ基、ジフェニル基などの少なくとも1
種を有する)などが挙げられる。前記の含窒素官能とし
ては、アミノ基の他に、アミド基、ヒドラジド基、イミ
ノ基、グアニジル基などがあり得る。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】さらに多環型含窒素芳香族複素環化合物に
は、上記の誘導体としてハロゲン置換基、炭素数10以
下の脂肪族あるいは芳香族炭化水素置換基を有するも
の、あるいはこれらが硫黄、酸素原子を介して結合した
ものも含まれる。硫黄、酸素原子を介して結合した置換
基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、フェ
ノキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ
基などが挙げられる。
【0022】この置換基は炭素数が10を超えると、生
成する錯体結晶の安定性が低下し、耐熱性や耐水性が低
下するので好ましくない。形成された錯体結晶は、分子
中に窒素原子をもつ多環型含窒素芳香族複素環化合物が
正の電荷(陽イオン)に帯電し、沃素は負の電荷(陰イ
オン)に帯電していると考えられる。このため、多環型
含窒素芳香族複素環化合物に特に電子供与性の置換基が
結合していると、正の電荷を帯電した多環型含窒素芳香
族複素環化合物がより安定化され耐熱性が向上する。
【0023】多環型含窒素芳香族複素環化合物の陽イオ
ンを形成するには、酸が必須である。かかる陽イオンを
形成する酸としては、多環型含窒素芳香族複素環化合物
の分子中に含まれる窒素原子に起因する塩基性を中和し
て、中性塩を形成するもので、たとえば、プロトン、塩
酸、硫酸、燐酸、沃化水素酸などの無機酸、カルボン
酸、スルホン酸などの有機酸が利用できる。有機酸とし
ては、たとえば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸などのスルホン酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、バレイン酸、トリフルオル酢酸、安息
香酸などのモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、マレ
イン酸、フマル酸、フタル酸などのジカルボン酸などが
挙げられる。
【0024】本発明の錯体結晶は、酸アニオン(陰イオ
ン)が構成成分として入る場合がある。なお、偏光粒子
として好ましい錯体結晶を形成するのに好ましい酸イオ
ンは、スルホン酸イオン、ジカルボン酸イオンである。
沃素は、イオン化(I3 - )して多環型含窒素芳香族複
素環化合物の不飽和系および窒素原子との間で錯体結晶
を形成する。本発明にかかる錯体結晶の主な構造は、多
環型含窒素芳香族複素環化合物と、沃素原子鎖とが、交
互に整然と並んだ構造を有している。多環型含窒素芳香
族複素環化合物の分子面は、沃素原子鎖を介して互いに
平行な構造をとっている場合もある。また、沃素原子鎖
を包接するような包接体となっている場合もある。
【0025】偏光粒子とは、光バルブや、調光ガラスに
用いられる遮光特性や偏光特性のある粒子であり、電圧
等の印加により、遮光量や偏光特性を、調整できるもの
をいう。本発明にかかる偏光粒子は分極性があり、たと
えば外部電場の作用により配向することが可能である。
また、この偏光粒子は、針状や板状の結晶形体であり、
ランダムな分散状態で光を遮蔽し、配向状態で光を透過
させる機能を有する。
【0026】本発明にかかる錯体結晶の偏光性は、この
錯体中に取り込まれた沃素により発現される。また、錯
体結晶の分極性は、多環型含窒素芳香族複素環化合物
と、沃素との相互作用により発現される。このため、光
バルブ、調光ガラス、防眩ミラー、表示素子等の調光素
子用の粒子として使用することができる。
【0027】
【作用】この錯体結晶は、多環型含窒素芳香族複素環化
合物の分子中の窒素原子が酸により中和され、窒素原子
にプロトンが付加してイオン化した多環型含窒素芳香族
複素環化合物に、沃素−沃化カリウムに基づく沃素イオ
ンが陰イオンとして付加した錯体結晶中に、前記多環型
含窒素芳香族複素環化合物の一部に金属イオンが配位し
て一体の錯体結晶が形成されている。
【0028】含窒素芳香族複素環化合物と金属イオンと
で形成される金属錯体は、たとえば図1の模式図に示す
ように紫外線を吸収し、その吸収したエネルギーが中心
の金属イオンに集中して、熱エネルギーとして外部に放
出することで紫外線に対して安定であるとされている。
本発明の錯体結晶は、図2に示すように多環型含窒素芳
香族複素環化合物と沃素イオンとで構成される結晶A
は、柱状に並列して形成された電荷移動錯体Bの中に、
金属イオン(M)が多環型含窒素芳香族複素環化合物の
一部にに配位して金属錯体状Cとなって存在していると
考えられる。このためこの金属イオンの配位した錯体結
晶は、照射された紫外線を熱に変換されることが可能と
なる。この際母材となる錯体結晶は熱的に安定であり、
変換された熱エネルギーで特性が劣化することはない。
【0029】また、この電荷移動錯体は、金属イオンが
錯体結晶中に配位していてもその特性を低下させること
がない。このため、耐熱性、耐水性、耐溶媒性にすぐれ
た調光素子用粒子が得られる。本発明にかかる錯体結晶
は、平面構造の多環型含窒素芳香族複素環化合物の陽イ
オンと、三沃素陰イオンが規則正しく配列した構造をと
っている。このため錯体結晶は、多環型含窒素芳香族複
素環化合物と三沃素陰イオンの配列によって偏光性を示
す。
【0030】また、錯体結晶中の多環型含窒素芳香族複
素環化合物陽イオンと、三沃素陰イオンとの相互作用に
より、錯体結晶ユニット上の電子が動きやすい電荷移動
錯体が形成される。このため、錯体結晶の分極性が大き
くなり、錯体結晶全体の分極性も大となる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)フェナントロリン(化1式)1.01g
(5.6ミリモル)を水21g,濃硫酸0.137gの
混合溶液に加え、攪拌して均一溶液にした(A液)。ヨ
ウ素0.711g、ヨウ化カリウム0.465g,硫酸
銅8.9mg(フェナントロリンに対して1モル%)を
水15.0g,エタノール3.5gの混合溶液に加え攪
拌して均一な溶液にした(B液)。このA液とB液を一
度に混合して1時間攪拌する。攪拌終了後、混合液中に
生成した沈殿結晶を濾過して、真空乾燥させると金属イ
オンが配位した錯体結晶が得られた。この結晶中には金
属イオンの銅が0.18重量%含まれていることを高周
波プラズマ発光分光分析法で確認した。また、この結晶
は、フェナントロリンと3沃素陰イオンと銅イオンとか
なる錯体結晶であることを、X線回折(図3に示す)、
元素分析、ラマンスペクトルおよび赤外線吸収スペクト
ルで確認した。さらに、多環型含窒素芳香族複素環化合
物陽イオンのフェナントロリン:三沃素陰イオン:金属
イオンの組成比が7:3:0.06であることを確認し
た。
【0032】得られた錯体結晶0.1gとニトロセルロ
ース0.1gをアセトン7g、エタノール10gの混合
溶媒に加えて溶解させた。この溶液にフタル酸ジトリデ
シル(DTDP)10gを加え、アセトンとエタノール
を減圧留去して液をDTDPに置換して、錯体の微結晶
をDTDP中に析出させる。このDTDP液を超音波洗
浄器において10時間処理した後減圧下で残存するアセ
トンとエタノールを除去し、遠心分離(18000rp
m.20min)処理により十分に微細化されなかった
粒子を沈降させて除去して青色の錯体結晶のDTDP分
散液を得た。
【0033】この青色分散液は、ギャップ100μmの
ガラスセルに封入し、サンシャインウェザ−オ−メータ
ーによる240時間の耐候性試験をおこなったが青色お
よび分散状態に変化が認められなかった。 (実施例2)ピラジノフェナントロリン(化2式)1.
30g(5.6ミリモル)を水36g,濃硫酸0.13
gの混合溶液に加え、攪拌して均一溶液にした(A
液)。ヨウ素0.711g、ヨウ化カリウム0.465
g,硫酸鉄8.5mg(ピラジノフェナントロリンに対
して1モル%)を水15.0g,エタノール3.5gの
混合溶液に加え攪拌して均一な溶液にした(B液)。こ
のA液とB液を一度に混合し、1時間攪拌した。攪拌終
了後、混合液中に生成した沈殿結晶を濾過して真空乾燥
させると金属イオンが配位した錯体結晶が得られた。こ
の結晶中には金属イオンの鉄が0.17重量%含まれて
いることを高周波プラズマ発光分光分析法確認した。
また、この結晶は、ピラジノフェナントロリンと三沃素
陰イオンと鉄イオンとかなる錯体結晶であることをX線
回折(図4に示す)で確認した。さらに、多環型含窒素
芳香族複素環化合物陽イオンのピラジノフェナントロリ
ン:三沃素陰イオン:金属イオンの組成比が2:1:
0.026であることを確認した。
【0034】得られた錯体結晶0.1gとニトロセルロ
ース0.1gをアセトン7g、エタノール10gの混合
溶媒に加えて錯体結晶を溶解させた。この溶液にDTD
P10gを加え、アセトンとエタノールを減圧留去して
液をDTDPに置換して、錯体の微結晶をDTDP中に
析出させた。このDTDP液を超音波洗浄器において1
0時間処理した後、減圧下で残存するアセトンとエタノ
ールを除去し、遠心分離(18000rpm.20mi
n)処理することにより紫色の錯体結晶のDTDP分散
液を得た。
【0035】この紫色分散液をギャップ100μmのガ
ラスセルに封入し、サンシャインウェザ−オ−メーター
による240時間の耐候性試験をおこなったが紫色およ
び分散状態に変化が認められなかった。 (実施例3)ピラジノフェナントロリン(化2式)1.
30g(5.6ミリモル)を水36g,濃硫酸0.13
gの混合溶液に加え、攪拌して均一溶液にした(A
液)。ヨウ素0.711g、ヨウ化カリウム0.465
g,硫酸銅26.8mg(ピラジノフェナントロリンに
対して3モル%)を水15.0g,エタノール3.5g
の混合溶液に加え攪拌して均一な溶液にした(B液)。
このA液とB液を一度に混合し、1時間攪拌する。攪拌
終了後、混合液中に生成した沈殿結晶を濾過して真空乾
燥すると金属イオンが配位した錯体結晶が得られた。こ
の結晶中には金属イオンの銅が0.43重量%含まれて
いることを高周波プラズマ発光分光分析法で確認した。
また、この結晶は、ピラジノフェナントロリンと三沃素
陰イオンと銅イオンとかなる錯体結晶であることをX線
回折(図5に示す)で確認した。組成比は、ピラジノフ
ェナントロリン:三沃素陰イオン:金属イオン=2:
1:0.023であることを確認した。
【0036】得られた錯体結晶0.1gとニトロセルロ
ース0.1gをアセトン7g、エタノール10gの混合
溶媒に加えて錯体結晶を溶解させた。この溶液にDTD
P10gを加え、アセトンとエタノールを減圧留去して
液をDTDPに置換して、錯体の微結晶をDTDP中に
析出させた。このDTDP液を超音波洗浄器において1
0時間処理して減圧下で残存するアセトンとエタノール
を除去し、遠心分離(18000rpm.20min)
処理することにより紫色の錯体結晶のDTDP分散液を
得た。
【0037】この紫色分散液をギャップ100μmのガ
ラスセルに封入し、サンシャインウェザ−オ−メーター
による240時間の耐候性試験をおこなったが青色およ
び分散状態に変化が認められなかった。 (実施例4)ピラジノフェナントロリン(化2式)1.
30g(5.6ミリモル)を水36g,濃硫酸0.13
gの混合溶液に加え、攪拌して均一溶液にした(A
液)。ヨウ素0.711g、ヨウ化カリウム0.465
g,硫酸ニッケル26.0mg(ピラジノフェナントロ
リンに対して3モル%)を水15.0g,エタノール
3.5gの混合溶液に加え攪拌して均一な溶液にした
(B液)。このA液とB液を一度に混合し、1時間攪拌
した。攪拌終了後、混合液中に生成した沈殿結晶を濾過
して真空乾燥させると金属イオンが配位した錯体結晶が
得られた。この結晶中の金属イオンのニッケルが0.4
4重量%含まれていることを高周波プラズマ発光分光分
析法で確認した。また、この結晶は、ピラジノフェナン
トロリンと3沃素陰イオンとニッケルイオンとかなる錯
体結晶であることをX線回折(図6に示す)で確認し
た。組成比は、ピラジノフェナントロリン:三沃素陰イ
オン:金属イオン=2:1:0.064であることを確
認した。
【0038】得られた錯体結晶0.1gとニトロセルロ
ース0.1gをアセトン7g、エタノール10gの混合
溶媒に加えて錯体結晶を溶解させた。この溶液にDTD
P10gを加え、アセトンとエタノールを減圧留去して
液をDTDPに置換して、錯体の微結晶をDTDP中に
析出させた。このDTDP液を超音波洗浄器において1
0時間処理した後、減圧下で残存するアセトンとエタノ
ールを除去し、遠心分離(18000rpm.20mi
n)処理することにより紫色の錯体結晶の分散液を得
た。
【0039】この紫色分散液はギャップ100μmのガ
ラスセルに封入し、サンシャインウェザ−オ−メーター
による240時間の耐候性試験をおこなっても紫色およ
び分散状態に変化が認められなかった。 (比較例)フュナントロリン1.01g(5.6ミリモ
ル)を水21g,濃硫酸0.137gの混合溶液に加
え、攪拌して均一溶液にした(A液)。ヨウ素0.71
1g、ヨウ化カリウム0.465g,水14.0g,エ
タノール3.5gの混合溶液に加え攪拌して均一な溶液
にした(B液)。このA液とB液を一度に混合し、1時
間攪拌した。攪拌終了後、混合液中に生成した沈殿結晶
を濾過して真空乾燥すると錯体結晶が得られた。
【0040】得られた錯体結晶0.1gとニトロセルロ
ース0.1gをアセトン7g、エタノール10gの混合
溶媒に加えて錯体結晶を溶解させた。この溶液にDTD
P10gを加え、アセトンとエタノールを減圧留去して
液をDTDPに置換して、錯体の微結晶をDTDP中に
析出させた。このDTDP液を超音波洗浄器において1
0時間処理した後、減圧下で残存するアセトンとエタノ
ールを除去し、遠心分離(18000rpm.20mi
n)処理することにより青色の錯体結晶のDTDP分散
液を得た。この結晶は、フェナントロリンと3沃素陰イ
オンとかなる錯体結晶であることをX線回折(図7に示
す)で確認した。組成比は、フェナントロリン:三沃素
陰イオン=7:3であることを確認した。
【0041】この青色分散液は、金属イオンが配位され
ていないので、ギャップ100μmのガラスセルに封入
し100時間のサンシャインウェザ−オ−メーターによ
る耐候性試験では上記の実施例品に比べて著しく退色し
ていた。
【0042】
【発明の効果】本発明では、多環型含窒素芳香族複素環
化合物と過沃素化物の錯体結晶中に、金属イオンが多環
型含窒素芳香族複素環化合物に配位して形成されている
錯体結晶である。この錯体結晶は、多環型含窒素芳香族
複素環化合物と過沃素化物の錯体結晶と同様に、電荷移
動錯体が形成され、分極性が発現し偏光粒子としての特
性を有する。そしてこの錯体結晶は、金属錯体域で紫外
線などの光を吸収して熱に変換し放出することにより光
による劣化を受けにくい。また、熱安定性が高いことか
ら金属錯体域でも熱が放出される近傍の結晶は熱劣化を
受けることはない。その結果、錯体結晶は、耐熱性のみ
ならず耐候性を向上させることができる。
【0043】この錯体結晶で形成される調光粒子は紫外
線による劣化が減少し、耐候性が向上する。その結果、
紫外線による分散液中の粒子の凝固や変色を防ぐことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属イオン配位錯体が光を熱に変換することを
説明する模式図である。
【図2】本発明の金属イオンが配位した錯体結晶の模式
図である。
【図3】本発明の実施例1の錯体結晶のX線チャートで
ある。
【図4】本発明の実施例2の錯体結晶のX線チャートで
ある。
【図5】本発明の実施例3の錯体結晶のX線チャートで
ある。
【図6】本発明の実施例4の錯体結晶のX線チャートで
ある。
【図7】比較例の錯体結晶のX線チャートである。
【符号の説明】
A:金属イオンが配位した錯体結晶 B:多環型含窒素芳香族複素環と3沃素イオンとの錯体
の並び C:錯体の一部の多環型含窒素芳香族複素環に配位して
いる金属イオン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの窒素原子を有する多環
    型含窒素芳香族複素環化合物の陽イオンと三沃素陰イオ
    ンと金属イオンとから構成されていることを特徴とする
    金属イオンを配位した錯体結晶。
  2. 【請求項2】 該多環型含窒素芳香族複素環化合物は、
    少なくとも3つの芳香族環が縮合した化合物であること
    を特徴とする請求項1に記載の金属イオンを配位した錯
    体結晶。
  3. 【請求項3】 該多環型含窒素芳香族複素環化合物に配
    位する金属イオンの含有量は、該錯体結晶中に0.01
    〜15重量%であることを特徴とする請求項1および請
    求項2に記載の金属イオンを配位した錯体結晶。
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