JPH08290186A - 家庭排水の高度処理装置 - Google Patents

家庭排水の高度処理装置

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JPH08290186A
JPH08290186A JP12317895A JP12317895A JPH08290186A JP H08290186 A JPH08290186 A JP H08290186A JP 12317895 A JP12317895 A JP 12317895A JP 12317895 A JP12317895 A JP 12317895A JP H08290186 A JPH08290186 A JP H08290186A
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JP
Japan
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septic tank
back chamber
contact
inflow
filtration membrane
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Application number
JP12317895A
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English (en)
Inventor
Kimio Shibata
公雄 柴田
Keiko Shibata
啓子 柴田
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S T KENKYUSHO KK
Original Assignee
S T KENKYUSHO KK
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で、省エネルギーかつ省スペースの家庭
排水の高度処理装置を提供すること。 【構成】 浄化槽本体1の中央部に、上部より流入汚水
を導入する流入筒2を配し、その外側に筒形網状濾過膜
4を配する。流入筒2の内側は破砕バッキ室3に、流入
筒2と筒形網状濾過膜4との間は接触バッキ室5に、筒
形網状濾過膜4と浄化槽本体1の周側壁との間は放流ピ
ットに、それぞれする。流入筒2の下端には移流口2
a、2a…を開口し、破砕バッキ室3及び接触バッキ室
5の下部には散気管7、7…を配設し、接触バッキ室5
には網体を積層したマット型小片である接触材を10、
10…を充填する。浄化槽本体1の周側壁上部には、流
入筒2の上端より低い位置に、浄化処理水を放流するた
めの流出管9を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、個々の家庭又は小規模
の集合住宅等に於ける少人数のし尿、台所排水及び/又
は洗濯排水等の生活排水を浄化処理する家庭排水の高度
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの湖沼や河川等に於いて、現在、水
質汚濁は耐え難いものとなり、それらの浄化は緊急の課
題となっている地域が多い。またそこまでいっていなく
ても放置すれば、いずれそのような事態にまで進行する
のは時間の問題である湖沼等も少なくはない。そしてこ
れらの河川や湖沼の汚染源としては、工場排水等も含め
て種々の原因が上げられるが、個々のそれはそれ程大き
くはないが、全体としては、比較的大きな割合を占めて
いるのが家庭生活排水であり、既に、その直接の放流は
許されるべきでなく、適切に浄化処理された上で放流さ
れるべきものである。そしてその旨の行政による規制も
厳しくなりつつある。
【0003】しかして各家庭では、その生活排水につい
て必要な浄化処理を施して放流する必要があり、そのた
めには、個々の家庭の生活排水を浄化するのに適する小
規模の設備装置が必要になる。しかし現時点では、その
ような小規模で効率よく浄化を行なうことのできる小型
の装置は存在していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
に鑑みてなされたものであって、単一の槽内で、必要な
処理を経済的かつスピーディに行ない得るようにするこ
とにより、小型で、個々の家庭又は小規模な集合住宅等
に設置して、その生活排水を浄化するのに適する、省エ
ネルギーかつ省スペースの家庭排水の高度処理装置を提
供することを解決の課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の構成の要旨とす
るところは、浄化槽本体中に、その中央部には上部より
流入汚水を導入する流入筒を、該流入筒の周囲にはこれ
を囲む筒形網状濾過膜を、それぞれ配して、流入筒の内
側を破砕バッキ室に、流入筒と筒形網状濾過膜との間を
接触バッキ室に、筒形網状濾過膜と浄化槽本体の周側壁
との間を放流ピットに、それぞれ構成し、前記流入筒の
下部には前記破砕バッキ室と前記接触バッキ室とを連通
する移流口を開口し、前記接触バッキ室内には水より比
重の小さな合成樹脂の積層網小塊状の接触材を自由に動
き回れる隙間を残して充填し、更に前記破砕バッキ室及
び前記接触バッキ室内の下部に散気管を配し、加えて、
浄化槽本体の周側壁上部に浄化処理水を放流するための
流出管を接続した家庭排水の高度処理装置であり、これ
によって前記課題を解決することができる。
【0006】前記浄化槽本体は、特定の材質のそれに限
定される訳ではないが、FRP製とするのが、低廉かつ
強度の充分なそれを構成し得るので適当である。そのサ
イズは、個々の家庭又はアパート等での生活排水の単位
時間当たりの発生量と処理量との関係で適当に定める。
例えば、一般的な家庭(例えば、5人家族を基準とした
場合)では、浄化槽本体は、概ね600リットル程度の
容量のものを採用すれば充分である。アパート等の集合
住宅では、その戸数に応じてサイズを決定すれば良いで
あろう。
【0007】前記流入筒は、概ね円筒状の部材を前記浄
化槽本体内の中央部に立設するもので、云うまでもな
く、その上端は、前記流出管の接続部より上方に位置す
べきものである。また前記移流口は、流入筒の下部に、
平面から見て定角度間隔になるように、2〜4箇所程度
開口するのが適当である。更にまた上記流入筒の上部開
口部には、家庭排水の流入管の吐出口を臨ませ、順次流
入筒内に家庭排水を導入できるようにしておく。より具
体的には、前記浄化槽本体の上部に、側方から排水の流
入管を引き込み、その吐出口を前記流入筒の上部開口部
に臨ませる構成とすることができる。
【0008】前記筒形網状濾過膜は、目開き1mm前後の
目の細かい布状とも云える部材で、流入筒の外周と浄化
槽本体の周側壁との間を二つに区分して、前記したよう
に、内側を前記接触バッキ室に、外側を放流ピットに構
成するものである。また前記筒形網状濾過膜は、その内
面側に生物膜を生成させる支持体でもあり、内側の接触
バッキ室内で接触バッキされ、浄化された処理水のみを
通過させる濾過膜ともなるものである。即ち、活性汚泥
のSSは通過させないものであるので、放流ピットには
処理水のみを浸出させることとなる。それ故、放流ピッ
ト側には、BOD値、COD値、SS値、N−Hex値
が極めて小さい優良な処理水を確保維持できるものであ
る。
【0009】前記筒形網状濾過膜は、以上のようなもの
であるが、上端を、前記浄化槽本体の上部開口部に沿っ
た位置に結合し、上下方向途中を、前記浄化槽本体の周
側壁から延長した複数の支持アームの先端で支持し、更
に下端を、前記浄化槽本体の底部に結合して支持するの
が適当である。上端を前記浄化槽本体の開口部付近に結
合し、下端を底部に結合するだけでも良い場合もある
が、上記のようにすることにより、その上下方向途中を
浄化槽本体の周側壁方向に膨らませて接触バッキ室を広
げることができる。
【0010】前記接触材は、前記したように、水より比
重の小さな合成樹脂の積層網小塊状のそれである必要が
あり、更に、水中に於いて浮遊分散状態になって、流動
接触炉床が得られること、空隙率が大きく、かつ広い接
触面積を有すること、水中で相互に絡んで一体化するこ
とがないこと、表面が滑り易く、肥大した粒子は離脱し
易いが、逆にSSは付着し易いこと、肥厚した生物膜は
剥離し易く、少し撹拌するかエアばっ気することにより
洗浄可能であること、等の条件が満足できることが好ま
しい。
【0011】前記接触材は、前記のように、合成樹脂の
積層網小塊状のそれであるが、より好ましくは、カーボ
ンブラックを添加したポリエチレン素線で構成した目開
き3〜8mmの複数枚の網体を、積層熱溶着してマット型
小片に構成したものであるのが好ましい。細部が次のよ
うなものであることが更に好ましい。即ち、このマット
形の接触材の網材の素線径は0.2〜8mm、サイズは、
5mm角で、10〜15mm厚、重量は1.5〜2.5g、
比重は0.95〜0.98、容積は18000〜220
00個/m3、表面積は350〜600m2/m3、空隙率は
95〜97%であるのが好ましい。
【0012】前記散気管は、前記浄化槽本体の底部に配
設し、前記破砕バッキ室及び接触バッキ室に空気を噴出
するものである。ブロワよりの圧縮空気を主送気管を通
じて浄化槽本体の上部に導き、ここから垂直に配した複
数の支分送気管を分岐させ、それらの下端を散気管に接
続して送気することとするのが適当である。もっとも他
の送気手段を構成するのも自由である。
【0013】前記流入筒には、その上部の開口部から生
活排水を流入する手段を構成する必要があるが、その具
体的構成は自由である。例えば、前記浄化槽本体の上部
に、側方から生活排水の流入管を引き込み、その吐出口
を前記流入筒の上部開口部に臨ませた構成を採用するこ
とができる。
【0014】
【作用】本発明は、以上のように構成したので、し尿、
台所の排水、洗濯排水等の家庭排水である汚水を能率的
に小さな設備で浄化することができる。上記の汚水は、
先ず、流入筒の上部の開口部から、その内部の破砕バッ
キ室内に導入される。破砕バッキ室内は、前記散気管を
通じて底部から散気される導入空気による強い上向流に
よって撹拌され、導入された汚水中の固形分は破砕さ
れ、膨潤して可溶化される。
【0015】上記のように固形分が破砕され、膨潤可溶
化された汚水は、流入筒の上部の開口部から引き続いて
汚水が導入されるのにともなって、それに相当する量が
流入筒の下部に開口した移流口を通じて接触バッキ室に
移流することになる。こうして流入筒内の破砕バッキ室
では、接触バッキ室に於ける水質の変動を少なくする役
割を果たすこととなるものである。前記のように破砕バ
ッキ室で、固形分が破砕され、膨潤可溶化された汚水
は、移流された接触バッキ室内で底部の散気管から散気
される空気によって接触バッキを受けることとなる。
【0016】前記接触材が、前記したように、水より比
重の小さな合成樹脂の積層網小塊状のそれであり、水中
に於いて浮遊分散状態になって、流動接触炉床が得られ
ること、空隙率が大きく、かつ広い接触面積を有するこ
と、水中で相互に絡んで一体化することがないこと、表
面が滑り易く、肥大した粒子は離脱し易いが、逆にSS
は付着し易いこと、肥厚した生物膜は剥離し易く、少し
撹拌するかエアばっ気することにより洗浄可能であるこ
と、等の条件を満足するものであれば、食物連鎖による
各種の微生物の保持量が膨大なものとなり、汚水中の有
機物の分解作用がスピーディに行なわれ、高度処理が維
持でき、更に余剰汚泥の発生量が極めて少ないものとな
る。
【0017】接触材として、前記したポリエチレンの積
層網小塊を用いた場合は、油分に対する親和性が高いた
め、対象汚水が厨房排水等で油脂分(動植物油)が多く
含まれている場合でも、吸着分解処理効果が大である。
しかして汚水中の有機物は、以上のように、混合→吸着
→酸化の反応を経て徐々に浄化が進行する。
【0018】この接触バッキ室は、その外周側を構成す
る筒形網状濾過膜が、浄水は通過させるが汚泥は通さな
いものである。その内側面には生物膜を構成して高度な
濾過膜となっている。しかして高度に浄化された浄水の
みが前記筒形網状濾過膜を通過して放流ピットに通過移
動し、浄化槽本体の周側壁の上部に接続した流出管を通
じて放流されることとなる。このとき、上記浄水は、水
洗トイレの洗浄水として用いるのに全く不都合ない程度
には浄化されている。
【0019】なお前記接触材は、比重が小さく汚水中に
浮遊するものであるから、接触バッキ室の下部は、接触
材の存在しない空所を形成することになり、汚泥の枕澱
箇所となる。接触材に厚く付着した生物膜は剥離し易
く、エアバッキすることにより洗浄され、逆洗しなくて
も汚泥の抜き取りが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は、本発明の家庭排水の高度処理
装置の一実施例を示す概略断面説明図である。
【0021】縦形の浄化槽本体1の中央部に、上部より
流入汚水を導入する流入筒2を挿入して、その下端を底
部1bに固定する。上記浄化槽本体1は、FRPにより
成形したほぼ壺型の部材であり、上部に開口部1aを有
する。容量は600リットルである。また前記流入筒2
は上方に向かって徐々に径が大きくなる円筒形に構成し
てあり、その下端には平面から見て90度の角度間隔で
移流口2a、2a…が切り欠いて構成されている。前記
流入筒2の内側を破砕バッキ室3とし、該流入筒2と後
述する筒形網状濾過膜4との間を接触バッキ室5とする
ので、前記移流口2a、2a…は、その間を連通する開
口部となる。
【0022】前記流入筒2の外側には、以上のように、
前記筒形網状濾過膜4を配する。この筒形網状濾過膜4
は、上端は浄化槽本体1の開口部1aの縁に沿って結合
し、下端は、前記流入筒2の下端外周から若干の間隔を
あけて、底部1bに固定する。またこの網状濾過膜4の
上下方向途中は、浄化槽本体1の周側壁から伸びる複数
の支持アーム1c、1c…で支持し、途中が外方に膨ら
んだ状態にする。この例では、図1に示すように、上下
方向二箇所で、周方向に定角度間隔に並んだ複数の支持
アーム1c、1c…で筒形網状濾過膜4の上下方向途中
を支持したものである。
【0023】前記筒形網状濾過膜4は、ポリエチレン系
の素線を用いて構成した目開き1mm前後の筒形網状部材
で、その内面側に生物膜を生成させる支持体でもあり、
内側の接触バッキ室5内で接触バッキされ、浄化された
処理水のみを通過させる濾過膜ともなるものである。し
かして上記筒形網状濾過膜4と前記浄化槽本体1との間
は放流ピット6となるものである。
【0024】前記浄化槽本体1の底部1bには、接触バ
ッキ室5及び破砕バッキ室3に散気する共通の散気管
7、7…を配する。これらの散気管7、7…には、それ
ぞれに接続して立上る支分送気管7a、7a…を配し、
これらを接続管を介して主送気管7bに接続する。主送
気管7bは図外のブロワからの圧縮空気を導くものであ
る。
【0025】前記流入筒2の上部の開口部には、汚水、
即ち、この場合は、家庭排水を流入する流入管8を浄化
槽本体1の上部側方から引き込み、かつその吐出口8a
を臨ませ、該流入筒2内の破砕バッキ室3に家庭排水を
導入できるようにする。また前記放流ピット6には、こ
れを構成する浄化槽本体1の周側壁の上部であって、前
記流入筒2の上端より低い位置に、浄化処理水を放流す
るための流出管9を接続する。
【0026】前記接触バッキ室5内には、マット型小片
状の接触材を10、10…を充填する。この実施例で用
いた接触材10は、網体を積層してマット型小片に構成
したもので、詳細は次の通りである。 網体を構成する素線の材質 ポリエチレン(カーボンブラック添加) 形状 方形の網体を重ね合わせ熱融着したマット型 寸法 50mm角、10〜15mm厚 網体を構成する素線の径 0.2〜0.5mm 網体の目開き 3〜8mm 重量 1.5〜2.5g 比重 0.95〜0.98 カサ比重 約40kg/m3 容積 18000〜22000個/m3 表面積 350〜600m2/m3 空隙率 95〜97%
【0027】この実施例では、以上のように構成したの
で、し尿、台所の排水、洗濯排水等の家庭排水である汚
水を能率的に小さな設備で浄化することができる。なお
前記流入管8は、予め、対象の家庭等のし尿や台所排水
及び洗濯排水等の汚水を受け入れるように接続しておく
ものとする。しかしてそれらの汚水は、発生すると、す
ぐに該流入管8を通じて、浄化槽本体1の上部まで導入
され、その吐出口8aから、先ず、流入筒2内の破砕バ
ッキ室3内に流下される。
【0028】上記破砕バッキ室1内では、図外のブロワ
から主送気管7b及び支分送気管7a、7a…等を通じ
て導入された圧縮空気が、前記散気管7、7…から散気
され、これによって生じる導入空気による強い上向流に
よって撹拌されており、ここに流下されて来る汚水中に
含まれている固形分は、それらの撹拌動作によって破砕
され、膨潤可溶化される。
【0029】以上のように固形分が破砕され、膨潤可溶
化された破砕バッキ室3中の汚水は、更に前記流入管8
を通じて汚水が導入されると、それに相当する量が流入
筒2の下部に開口した移流口2a、2a…を通じて接触
バッキ室5内に移流することになる。こうして破砕バッ
キ室3では、汚水を受け入れ、以上のような処理をして
次の段の接触バッキ室5に送り込むので、該接触バッキ
室5於ける水質の変動を少なくする役割を果たすもので
ある。前記接触バッキ室5内では、以上のようにして移
流された汚水は、前記のようにして、破砕バッキ室3に
於けると同様に、その下部の散気管7、7…から散気さ
れる空気によって接触バッキを受けることとなる。
【0030】接触バッキ室5内では、前記接触材10
は、前記したような構成であるから、水中に於いて浮遊
分散状態になって、流動接触炉床が得られる。扁平な形
状であるため、水中では自然に水平に点接触で積み重な
り、相互に絡んで一体化することがない。また空隙率が
大きいが(接触バッキ室5への充填時の空隙率は95%
以上)、広い接触面積を有する。前記のような材質であ
るため、表面が滑り易く、肥大した粒子は離脱し易い
が、逆にSSは付着し易い。肥厚した生物膜は剥離し易
く、少し撹拌するかエアバッキすることにより洗浄可能
である。しかして高濃度汚水処理時にも閉塞障害は起こ
らない。また食物連鎖による各種の微生物の保持量が膨
大なものとなり、処理時間が速く高度処理が維持でき、
更に余剰汚泥の発生量が極めて少ないものとなる。更に
最近は、厨房排水等では、油脂分(動植物油)が多く、
処理に支障を生じているが、この接触材10では、その
材質との関係から、油分との親和性が高いため、吸着分
解処理効果が大である。
【0031】しかして汚水中の有機物は、混合→吸着→
酸化の反応を経て徐々に浄化が進行する。
【0032】ところで、この接触バッキ室5は、その外
周側を構成する筒形網状濾過膜4が、浄水は通過させる
が汚泥は通さないものである。そしてその内側面には生
物膜を構成して高度な濾過膜となる。しかして高度に浄
化された浄水のみが前記筒形網状濾過膜4を通過して放
流ピット6に通過移動し、浄化槽本体1の周側壁上部に
接続した流出管9を通じて放流されることとなる。この
とき、上記浄水は、水洗トイレの洗浄水として用いるの
に全く不都合ない程度には浄化されている。
【0033】なお前記接触材10は、比重が小さく汚水
中に浮遊するものであるから、接触バッキ室5の下部
は、接触材10の存在しない空所を形成することにな
り、汚泥の枕澱箇所となる。接触材10に厚く付着した
生物膜は剥離し易く、エアバッキすることにより洗浄さ
れ、逆洗しなくても汚泥の抜き取りが可能となってい
る。
【0034】次のこの実施例の家庭排水の高度処理装置
を用いて浄化した例を略述する。 例1 これは一般家庭の単独浄化槽として用いた例である。以
下の表1に示すのが原水の水質であり、表2に示すのが
浄化後の放流水の水質である。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1及び表2の試験検査の方法は、いずれ
も環境庁告示第64号(昭和49年)による。表2に示
すように、放流水は充分に浄化されている。
【0038】ところでこの実施例の装置では、8時間の
処理時間で1m3の量の汚水を処理することができるの
で、浄化槽本体1の容量が600リットルと比較的小さ
なものであっても、一戸の住宅の全ての生活排水の処理
には充分である。
【0039】例2 これは集合住宅の併合処理槽として用いた例である。以
下の表3に示すのが原水の水質であり、表4に示すのが
浄化後の放流水の水質である。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表3及び表4の試験検査の方法は、いずれ
も環境庁告示第64号(昭和49年)による。表4に示
すように、放流水は充分に浄化されている。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、前記破砕バッキ室の作
用により、次段の接触バッキ室に於ける水質の変動を少
なくすることができるので、能率的に汚水中の有機物の
分解処理作用を行なうことができるものである。
【0044】また接触バッキ室に於ては、水より比重の
小さな合成樹脂の積層網小塊状の接触材を自由に動き回
れる隙間を残して充填してあるので、水中に於いて浮遊
分散状態になって、流動接触炉床が得られる。また食物
連鎖による各種の微生物の保持量が膨大なものとなり、
処理時間が速く高度処理が維持でき、更に余剰汚泥の発
生量が極めて少ないものとなる。高濃度汚水処理時にも
閉塞障害は起こらない。
【0045】また前記接触材として、カーボンブラック
を添加したポリエチレン素線で構成した目開き3〜8mm
の、複数枚の網体を、積層熱溶着してマット型小片に構
成した場合には、扁平な形状であるため、水中では自然
に水平に点接触で積み重なり、相互に絡んで一体化する
ことがない。また空隙率が大きいが(接触バッキ室への
充填時の空隙率は95%以上)、広い接触面積を有す
る。前記のような材質であるため、表面が滑り易く、肥
大した粒子は離脱し易いが、逆にSSは付着し易い。肥
厚した生物膜は剥離し易く、少し撹拌するかエアバッキ
することにより洗浄可能である。更に最近は、厨房排水
等では、油脂分(動植物油)が多く、処理に支障を生じ
ているが、この接触材では、その材質との関係から、油
分との親和性が高いため、吸着分解処理効果が大であ
る。
【0046】前記接触バッキ室は、その外周側を構成す
る筒形網状濾過膜が、浄水は通過させるが汚泥は通さな
い網目をもったものである。またその内側面には生物膜
を構成して高度な濾過膜となるものである。それ故、高
度に浄化された浄水のみが前記筒形網状濾過膜を通過し
て放流ピットに通過移動し、浄化槽本体の周側壁の上部
に接続した流出管を通じて放流されることとなる。
【0047】なお前記接触材は、比重が小さく汚水中に
浮遊するものであるから、接触バッキ室の下部は、接触
材の存在しない空所を形成することになり、汚泥の枕澱
箇所となる。接触材に厚く付着した生物膜は剥離し易
く、エアバッキすることにより洗浄され、逆洗しなくて
も汚泥の抜き取りが可能となっている。
【0048】浄化槽本体の内側に、内側から順に、破砕
バッキ室、接触バッキ室、放流ピットを設けたため、流
入汚水の流入変動によるショックに対しても問題なく高
度な処理を維持できる。しかも短時間で浄化処理を完了
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】家庭排水の高度処理装置の概略断面説明図。
【符号の説明】
1 浄化槽本体 1a 開口部 1b 底部 1c 支持アーム 2 流入筒 3 破砕バッキ室 4 筒形網状濾過膜 5 接触バッキ室 6 放水ピット 7 散気管 7a 支分送気管 7b 主送気管 8 流入管 8a 吐出口 9 流出管 10 接触材 11 散気管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄化槽本体中に、その中央部には上部よ
    り流入汚水を導入する流入筒を、該流入筒の周囲にはこ
    れを囲む筒形網状濾過膜を、それぞれ配して、流入筒の
    内側を破砕バッキ室に、流入筒と筒形網状濾過膜との間
    を接触バッキ室に、筒形網状濾過膜と浄化槽本体の周側
    壁との間を放流ピットに、それぞれ構成し、 前記流入筒の下部には前記破砕バッキ室と前記接触バッ
    キ室とを連通する移流口を開口し、 前記接触バッキ室内には水より比重の小さな合成樹脂の
    積層網小塊状の接触材を自由に動き回れる隙間を残して
    充填し、 更に前記破砕バッキ室及び前記接触バッキ室内の下部に
    散気管を配し、 加えて、浄化槽本体の周側壁上部に浄化処理水を放流す
    るための流出管を接続した家庭排水の高度処理装置。
  2. 【請求項2】 前記接触材として、カーボンブラックを
    添加したポリエチレン素線で構成した目開き3〜8mmの
    複数枚の網体を、積層熱溶着してマット型小片に構成し
    た請求項1の家庭排水の高度処理装置。
  3. 【請求項3】 前記筒形網状濾過膜は、上端を、前記浄
    化槽本体の上部開口部に沿った位置で、上下方向途中
    を、前記浄化槽本体の内壁から延長した複数の支持アー
    ムの先端で、下端を、前記浄化槽本体の底部で、それぞ
    れ支持した請求項1の家庭排水の高度処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014046230A (ja) * 2012-08-29 2014-03-17 Housetec Inc 水処理装置および汚水浄化槽

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JP2014046230A (ja) * 2012-08-29 2014-03-17 Housetec Inc 水処理装置および汚水浄化槽

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