JPH08289903A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JPH08289903A
JPH08289903A JP8018422A JP1842296A JPH08289903A JP H08289903 A JPH08289903 A JP H08289903A JP 8018422 A JP8018422 A JP 8018422A JP 1842296 A JP1842296 A JP 1842296A JP H08289903 A JPH08289903 A JP H08289903A
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慎吾 向田
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和彦 井口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿潤時の形体保持性に優れ、且つ被吸収液の
浸透性や拡散性が良好であり、よって、吸収後の表面ド
ライ感に優れ、モレの低減された、長時間にわたって快
適に使用できる吸収性物品を得る。 【解決手段】 液透過性の表面シート、液非透過性の裏
面シートおよび両シートの間に設けられた吸収体層を有
する吸収性物品であり、該吸収体層が、水に膨潤しない
合成繊維(a)および吸水性樹脂(c)からなる吸収体
層であるか、または該合成繊維(a)、セルロース系繊
維(b)および吸水性樹脂(c)からなる吸収体層であ
り、(a)と(b)との比が、重量基準で(100〜2
0):(0〜80)であり、(c)の量が、(a)、
(b)および(c)の合計重量に対して25〜75重量
%であり、且つ該吸収体層が、ポリオキシアルキレン変
性シリコーン系界面活性剤(d1)および/またはHL
Bが8〜14の非シリコーン系界面活性剤(d2)から
選ばれる界面活性剤(d)で処理されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、一般に使い捨ての、例
えば紙おむつ、生理用ナプキン、失禁者用パッド等の吸
収性物品に関する。更に詳しくは、吸収体層における被
吸収液の浸透性と拡散性に優れ、ドライ感が良好で、モ
レの発生が少ない、使用者に快適な吸収性物品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、吸収性物品の性能向上、例え
ば、尿や血液などの吸収速度の向上、吸収後のドライ感
の向上、モレの低減などを目的として種々の改善提案が
なされている。これらの提案の大部分は、液透過性の表
面シートや表面不織布の改質(特開昭58−60068
号公報、特開平1−148879号公報、特開平2−1
69774号公報など)、ある特定の性能や物性を有す
る吸水性樹脂の使用、吸収体層内における吸水性樹脂の
配置の仕方、不織布や吸水紙等の素材からなる親水性拡
散層の使用、吸収体層のエンボス加工方法などに関する
ものであり、吸水性樹脂を含有した吸収体層そのもの改
質に着目した改善提案はほとんど見あたらない。その理
由は、従来の紙おむつが、フラッフパルプ、吸収紙およ
び吸水性樹脂といった親水性の高い素材で吸収体層を形
成しているからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、使い捨て紙おむ
つや生理用ナプキン等の吸収性物品の性能向上に伴って
長時間着用される傾向にある。更に、使い捨ておむつの
場合、薄型化に伴って吸水性樹脂/繊維基材の比率が大
きくなる傾向にある。これらの傾向に対して、従来のセ
ルロース繊維(例えば、フラッフパルプ、吸水紙など)
と吸水性樹脂とから成る吸収体層では、吸水性樹脂の適
用の仕方がパルプ層や吸収紙の間に挟む方法、あるいは
パルプと混合する方法のいずれにおいても、十分満足し
うる湿潤時の形体保持性および吸水性樹脂/繊維状基材
の一体性が得られなくなってきた。すなわち、物理的な
毛細管現象で液(尿や血液など)を吸収・保持する親水
性のセルロース繊維は、吸収時あるいは吸収後の湿潤状
態で、着用者の動きなどによる外力が加わると容易に変
形し、吸水性樹脂/繊維基材との一体性が損なわれ、モ
レの発生やドライ感の低下につなるという問題点があっ
た。吸収体層の湿潤時の変形を防止する提案、すなわ
ち、吸収体層に外力が加わって圧縮されたり、よじれた
りしても、もとの形に復元できる弾性機能を吸収体層に
付与する提案がなされている。例えば、合成繊維からな
るシート状物の間に吸水性樹脂を挟んで吸収体層とする
試みがある。この方法により湿潤時の形体保持性はある
程度改善することができるが、吸水性樹脂の量が多くと
なると、繊維シート状物の間に挟まれている吸水性樹脂
が吸収後にゲル層を形成し、このゲル層が外力によって
ズレを生じ、吸水性樹脂ゲル/繊維基材との一体性が損
なわれてモレの発生につながるといった問題が生じる。
更に、合成繊維が親水性に乏しいことから、液の浸透性
や拡散性が低下するという問題がある。また、熱融着性
の合成繊維とフラッフパルプを併用した繊維基材内部に
吸水性樹脂を混合・分散させ、加熱処理して吸収体層の
形体保持性を向上させる試みもある。しかしながら、こ
の方法によって形体保持性の向上は認められるものの、
合成繊維の比率が多くなるにつれて吸収体層の親水性が
低下するため、セルロース繊維単独から成る従来の吸収
体層に比べて液の浸透性や拡散性が低下するという問題
が生じてくる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、湿潤時の
形体保持性や吸水性樹脂/繊維基材との一体性に優れ、
且つ液の浸透性や拡散性も良好で、吸収後の表面ドライ
感に優れ、モレの低減された、長時間にわたって快適に
使用できる吸収性物品を得るべく鋭意検討を重ねた結
果、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、液透過性の表面シー
ト、液非透過性の裏面シートおよび両シートの間に設け
られた吸収体層を有する吸収性物品において、 該吸収体層が、水に膨潤しない合成繊維(a)および
吸水性樹脂(c)からなる吸収体層であるか、または該
合成繊維(a)、セルロース系繊維(b)および吸水性
樹脂(c)からなる吸収体層であり、 (a)と(b)との比が重量基準で(100〜2
0):(0〜80)であり、 (c)の量が(a)、(b)および(c)の合計重量
に対して25〜75重量%であり、且つ 該吸収体層が、ポリオキシアルキレン変性シリコーン
系界面活性剤(d1)および/またはHLBが8〜14
の非シリコーン系界面活性剤(d2)から選ばれる界面
活性剤(d)で処理されてなる吸収性物品である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において水に膨潤しない合
成繊維(a)の例としては、ポリオレフィン系繊維(例
えば、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポ
リエチレン・ポリプロピレン複合繊維など)、ポリエス
テル系繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート繊
維、ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレンイソフ
タレート共重合体複合繊維など)、ポリオレフィン・ポ
リエステル複合繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロ
ニトリル系繊維などの熱可塑性繊維が挙げられる。これ
らの合成繊維のうち好ましいものは、ポリオレフィン系
繊維、ポリエステル系繊維およびこれらが複合繊維であ
り、さらに好ましくは、使い捨ておむつ等に適用して液
吸収後の形体保持性に優れるという点で、鞘芯型、偏芯
型、並列型などの複合化された熱融着性のポリオレフィ
ン系繊維である。上記合成繊維の長さ、太さについては
特に限定されず、通常長さは1〜200mm、太さは
0.1〜100デニールの範囲であれば好適に使用でき
る。形状についても繊維状であれば特に限定されず、ウ
ェブ状、細い円筒状、裁断されたスプリットヤーン状、
ステープル状、フィラメント状などが例示される。
【0007】必要により使用されるセルロース系繊維
(b)としては、通常のフラッフパルプや綿状パルプな
ど、従来から吸収性物品に使用されているものが挙げら
れる。(b)の原料(針葉樹、広葉樹など)、製造方法
(ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、CTMPな
ど)、漂白方法などについては特に限定されない。
【0008】(a)と(b)との比は、重量基準で通常
(100〜20):(0〜80)であり、好ましくは
(100〜25):(0〜75)、更に好ましくは(1
00〜30):(0〜70)である。(a)の量が20
重量%未満の場合、吸収体層の形体保持性が低下する。
その結果、液の吸収時あるいは吸収後に着用者の動きに
よって外力が加わり、吸収体層が圧縮されたり、よじれ
たりすると、モレの発生やドライ感の低下の原因とな
る。
【0009】本発明において吸水性樹脂(c)として
は、例えば、デンプンーアクリル酸塩共重合体架橋物、
ポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸
塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物の
ケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋
物、ポリスルホン酸塩架橋物、変性セルロース誘導体、
架橋ポリエチレンオキシドなどが挙げられる。好ましく
は、イオン浸透圧により多量の液を吸収・保持すること
ができ、荷重や外力が加わっても離水の少ないアクリル
酸塩および/またはアクリル酸を重合体の主単量体成分
とする親水性架橋高分子である。塩の種類については特
に限定はないが、通常ナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属塩である。また、粒子状の吸水性樹脂の表面近
傍をさらに表面架橋した樹脂は本発明により好適に使用
することができる。尚、吸水性樹脂は水溶性樹脂とは異
なり、水に不溶性であり、水膨潤性である。
【0010】吸水性樹脂(c)は、生理食塩水に対する
常圧吸収量が40g/g以上、加圧吸収量が20g/g
以上で、ゲル弾性率が20,000ダイン/cm2以上
のものが好ましく、より好ましくは常圧吸収量が45〜
75g/g、加圧吸収量が25〜50g/g、ゲル弾性
率が30,000〜200,000ダイン/cm2、特
に好ましくは常圧吸収量が50〜75g/g、加圧吸収
量が30〜50g/g、ゲル弾性率が35,000〜2
00,000ダイン/cm2のものである。常圧吸収量
が40g/g以上の吸水性樹脂を使用することにより、
吸水性樹脂を極めて小量使用するだけで必要な吸収特性
を達成でき、経済的である。また加圧吸収量が20g/
g以上の吸水性樹脂を用いることによって、吸水性樹脂
を少量使用するだけで必要な吸収特性を達成でき、経済
的である。またゲル弾性率が20,000ダイン/cm
2以上の吸水性樹脂を用いると、吸液した膨潤ゲルが柔
らかすぎることがなく、荷重や外力によって膨潤ゲルが
変形しにくく、膨潤ゲル同士が接着してブロッキングを
生じたり、液の浸透や拡散を妨げる恐れがなく好まし
い。尚、生理食塩水に対する常圧吸収量、加圧吸収量、
ゲル弾性率は次の方法によって測定される値である。 常圧吸収量:250メッシュのナイロン網で作成した1
0cm×20cmの大きさのティーバッグに吸水性樹脂
1gを入れ、過剰の生理食塩水(濃度0.9重量%の塩
化ナトリウム水溶液)中に30分間浸漬した後、垂直に
引き上げて15分間水切りし、増加重量を求め、この値
を常圧吸収量とした。 加圧吸収量:250メッシュのナイロン網を底面に貼っ
た円筒型プラスチックチューブ(内径30mm、高さ6
0mm)内に吸水性樹脂0.1gを入れて均一に広げ、
この上に20g/cm2の荷重となるように外径30m
mの分銅を乗せる。これをナイロン網側を下面にして生
理食塩水60mlの入ったシャーレ(直径:12cm)
の中に浸漬する。30分間浸漬後の増加重量の10倍値
を加圧吸収量とした。 ゲル弾性率:吸水性樹脂1gに人工尿40mlを加えて
40倍吸収ゲルを作成する。ゲル0.1gをクリープメ
ーター(山電(株)製)の支持テーブル中央に置く。次
いで 上部からシリンダーを下降させて0.3mmの厚
さまでゲルを圧縮する。圧縮 時の応力(F)および圧
縮されたゲルの断面積(S)を測定して、次式により
単位面積当たりの圧縮時の応力を計算し、この値をゲル
弾性率とした。 ゲル弾性率(ダイン/cm2)=(F×980)/S
【0011】吸水性樹脂(c)の形状については特に限
定はなく、粒子状もしくは繊維状のいずれもが好適に使
用できる。好ましくは粒子状(例えば、粒状、顆粒状、
造粒状、リン片状、塊状、パール状など)である。吸水
性樹脂が粒子状の場合の粒径としては平均粒径が150
〜700μm程度である。好ましくは200〜600μ
m、特に250〜500μmである。平均粒径が150
μm以上の吸水性樹脂の粒子は、液と接触した際にゲル
ブロッキングを生じる恐れが少なく好ましい。更に、吸
収体層からの吸水性樹脂の抜けという問題も生じにくく
好ましい。一方、平均粒径が700μmを越えると、吸
収速度が極端に遅くなるので700μm以下が好まし
い。また、平均粒径が700μm以下であると、紙おむ
つ表面を触った時に、粗い粒子による異物感を感じるこ
とはなく、裏面シートを粗い粒子が突き破るという問題
も生じることもなく、好ましい。
【0012】吸水性樹脂(c)の量は、(a)、(b)
および(c)の合計重量に対して通常25〜75重量
%、好ましくは30〜70重量%、特に35〜70重量
%である。(c)の量が25重量%未満では、合成繊維
(a)が吸水膨潤する性能がないため、必要な吸収容量
を確保するためには吸収体層を厚くする必要があり薄型
化できなくなる。一方、75重量%を越える(c)の量
では、吸水性樹脂と繊維基材との一体性が得られなく保
形性に問題が生じる。
【0013】吸収性物品1枚あたりの吸水性樹脂(c)
の量については特に限定はなく、例えば使い捨て紙おむ
つの場合、通常5〜20gである。薄型おむつと言われ
る場合、通常7〜20g、好ましくは8〜20gであ
る。20gを越えると、吸水性樹脂と繊維基材との一体
性を確保するためには多量の繊維基材を使用しなければ
ならず、非経済的である。尚、上記は使い捨て紙おむつ
の例であるが、吸収性物品が生理用ナプキンや失禁者用
パッド等の場合は、物品の使用目的、大きさ等によって
上記量よりも少ない量とすることができる。
【0014】該界面活性剤(d)のうち、ポリオキシア
ルキレン変性シリコーン系界面活性剤(d1)として
は、例えば、 ・ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン、 ・ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンのブロッ
クあるいはランダム共重合体変性ジメシルポリシロキサ
ン、 ・末端に炭素数1〜12のアルキル基を有するポリオキ
シエチレンで変性されたジメチルポリシロキサン、 ・末端に炭素数1〜12のアルキル基を有するポリオキ
シエチレン・ポリオキシプロピレンのブロックあるいは
ランダム共重合体で変性されたジメチルポリシロキサ
ン、 ・ジメチルポリシロキサンの末端および/または分子内
部にアミノ基、エポキシ基などを有したジメチルポリシ
ロキサン誘導体の上記ポリオキシアルキレン変性物 などが挙げられる。好ましいものは、ポリオキシエチレ
ン変性ジメチルポリシロキサン、ポリオキシエチレン・
ポリオキシプロピレンのブロックあるいはランダム共重
合体変性ジメシルポリシロキサンであり、更に好ましい
ものは工業的に安価に入手しうると言う点でポリオキシ
エチレン変性ジメチルポリシロキサンである。ポリオキ
シアルキレン変性シリコーン系界面活性剤(d1)の分
子量については特に限定はないが、通常500〜10,
000、好ましくは500〜5,000、特に500〜
3,000である。分子量が500以上であると、吸収
体層での良好な液の浸透性および拡散性を実現するのに
それほど多量の(d1)を用いて処理しなければならな
いこともなく経済的である。また分子量が10,000
以下であると、粘度が高くなりすぎず均一な処理が易し
くなる。従って(d1)を適当な粘度に調整するため極
端に多量の溶剤が必要になる恐れもなく、溶剤を除去す
る工程も特に必要とせず、効率的である。またポリオキ
シアルキレン変性シリコーン系界面活性剤(d1)のポ
リオキシエチレン基の含有量については、要望される親
水性の度合いに応じて種々変化させることができるが、
通常25〜75重量%、好ましくは30〜70重量%、
特に40〜60重量%である。オキシエチレン基とオキ
シプロピレン基の比率は、ポリオキシエチレン基の含有
量が上記の範囲であれば特に限定はないが、通常(10
0〜50):(0〜50)、好ましくは(100〜6
0):(0〜40)である。ポリオキシエチレン基の含
有量が25重量%以上であると、親水性の低下がなく、
吸収体層を処理した場合に良好な液の浸透性および拡散
性が得られて好ましい。また、ポリオキシエチレン基の
含有量が75重量%以下であると、水溶性が強くなりす
ぎず、数回の吸液に対する液の透液性及び拡散性の持続
効果が維持できるので好ましい。
【0015】HLBが8〜14の非シリコーン系界面活
性剤(d2)としては、例えば ・高級アルコールのエチレンオキサイド付加物(ポリオ
キシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセ
チルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルな
ど)、 ・アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物(ポ
リエチレンノニルフェニルエーテルなど)、 ・ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル(ポリオキシ
エチレンモノオレート、ポリオキシエチレンモノステア
レート、ポリオキシエチレンモノラウレートなど)、 ・ポリエチレングリコールジエステル(ポリオキシエチ
レンジオレート、ポリオキシエチレンジステアレート、
ポリオキシエチレンジラウレートなど)、 ・多価アルコール脂肪酸部分エステルのエチレンオキサ
イド付加物(モノオレイン酸ソルビタン(EO5モ
ル)、モノステアリン酸ソルビタン(EO4モル)、
モノラウリン酸ソルビタン(EO4モル)など)、 ・モノラウリン酸ソルビタン などが挙げられる。ここでEOとはエチレンオキサイド
を意味し、( )内のモル数はEO付加モル数を意味し
ている。また、これらの混合物も使用できる。非シリコ
ーン系界面活性剤(d2)のうち好ましいものは、HL
Bが9〜13の非イオン性界面活性剤である。ここで、
HLBとは界面活性剤の親水性と親油性とのつり合いで
あり、エチレンオキサイドの付加モル数やポリエチレン
グリコールの分子量でコントロールすることができる。
界面活性剤(d)は(d1)および/または(d2)か
ら選ばれるものであり、(d1)と(d2)は併用でき
る。
【0016】界面活性剤(d)の処理量は、(a)と
(b)の比率、(a)の種類、(c)の吸収特性などに
応じて種々変化させることができるが、通常0.01〜
5重量%、好ましくは0.02〜2重量%、特に0.0
3〜1重量%である。処理量が0.01重量%以上とす
ることにより、液の浸透性と拡散性の向上効果が優れて
おり好ましい。また、5重量%を超える量で処理して
も、0.01〜5重量%の範囲で処理した場合と性能的
に変わらないことから、経済的な観点で5重量%以下が
好ましい。5重量%以下であるとベトツキ感も生じるこ
となく好ましい。
【0017】合成繊維(a)と必要に応じて用いるセル
ロース系繊維(b)とからなる繊維基材に吸水性樹脂
(c)を適用して吸収体層を得る方法としては、(1)
(a)、(b)および(c)を同時に混合する方法、
(2)(a)と(b)とをあらかじめ混合しておき、次
いで(c)を混合する方法、(3)(a)に、(b)と
(c)の混合物を混合する方法、(4)(b)に、
(a)と(c)の混合物を混合する方法、(5)(a)
に、(b)と(c)とを別々に混合する方法、(6)
(a)と(b)との混合物を積層し、その上に(c)を
散布し、さらに(a)と(b)との混合物を積層してサ
ンドイッチする方法などが挙げられる。これらの方法に
おいて(b)は必要に応じて用いられる任意成分であ
る。好ましい方法は(1)、(2)および(5)の方法
である。これらの方法に使用される装置については特に
限定はなく、通常の装置が使用できる。
【0018】このようにして作成された吸収体層は加熱
処理して、湿潤時の形体保形性に優れた吸収体層に仕上
げられる。加熱処理の方法については特に限定はなく、
例えば熱風で処理する方法、加熱ロールを通過させる方
法、赤外線を照射する方法などが挙げられる。加熱処理
の温度および時間は、(a)が接着力を発現してお互い
に接着し合う条件を選択すればよく、(a)の種類、
(a)の使用量、紙おむつの生産速度などを考慮して任
意に選択することができる。通常、加熱処理の温度は8
0〜250℃であり、好ましくは90〜200℃、更に
好ましくは100〜180℃である。加熱処理温度を8
0℃以上とする事により、加熱時間を長くする必要がな
く、従って大型の加熱装置を使用しなくても十分加熱処
理ができ経済的である。また、吸収性物品の生産速度も
低下せず好ましい。また、加熱処理温度が250℃以上
とする事により、(b)や(c)の熱劣化が生じる恐れ
がなく好ましい。加熱時間についても、(a)が接着力
を発現してお互いに接着し合う条件を選択すればよく、
(a)の種類、(a)の使用量、吸収性物品の生産速度
などを考慮して任意に選択することができる。接着性と
吸収性物品の生産速度を考慮すると、通常0.5秒〜3
分、好ましくは1秒〜1分である。
【0019】本発明において吸収体層を該界面活性剤
(d)で処理するに当たっては、均一に付着するように
すれば良く、例えば通常濃度約1〜10重量%程度の希
釈溶液にして吸収体層を処理する。吸収体層を形成させ
た後に(d)で処理することによって、該界面活性剤
(d)が(a)、(b)および(c)に均等に処理され
るため、優れた液の浸透性と拡散性が得られる。界面活
性剤(d)であらかじめ処理された合成繊維(a)を使
用したのでは、十分な効果は得られない。この処理は、
吸収体層を加熱処理する前、あるいは加熱処理した後の
いずれであってもよい。加熱処理した後に処理する場
合、通常は処理後に乾燥する。吸収体層を加熱処理する
前に処理する場合は乾燥工程は不要である。
【0020】吸収体層を(d)で処理する方法および処
理する装置については特別な制限はない。例えば、
(d)の溶液中に吸収体層を浸漬し、必要に応じてマン
グルなどで絞る方法、(d)の溶液を吸収体層にスプレ
ーする方法、(d)の溶液を付着させたオイリングロー
ルで吸収体層に処理する方法などが挙げられる。
【0021】本発明の効果を損なわない範囲内で、他の
化合物、例えば帯電防止剤としてのアルキルホスフェー
ト型アニオン界面活性剤、第4級アンモニウム塩型また
はアルキルイミダゾリニウム塩型カチオン界面活性剤、
乳化剤、平滑剤、集束剤としてのその他の非イオン界面
活性剤やその他の変性シリコーン系界面活性剤、抗菌
剤、芳香料、消臭剤等を、本発明で用いる前記界面活性
剤(d)の溶液に適宜含有させて処理することができ
る。
【0022】上記のようにして界面活性剤(d)で処理
された吸収体層は、単層あるいは複数層とし、必要に応
じて吸水紙や綿状パルプの層を重ね、これらの表面に液
透過性の表面シートあるいは不織布を配置し、裏面に液
非透過性の裏面シートを配置し、さらにギャザーや人体
への装着用テープなどを装備して紙おむつ等の吸収性物
品に仕上げられる。液透過性の表面シート、液非透過性
の裏面シート、ギャザーや装着用テープ等の材質および
種類、吸収性物品の製造方法については特に限定され
ず、従来の吸収性物品に用いられている公知のものが使
用できる。
【0023】本発明で用いる液透過性の表面シートとし
ては、目的とする最終製品によっても異なるが、例え
ば、肌触りの良い、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リエステル、レーヨン等の不織布やこれらの有孔フィル
ムが用いられる。不織布の製造方法としては、公知の製
造方法を採用することが出来るが、好適には乾式法、ス
パンボンド法、メルトブローン法、スパンレース法等の
手段を挙げることができる。また、不織布としては、例
えば6d以下のものを使用するのが好ましく、坪量は目
付けで、20〜90g/m2とするのが好ましい。ま
た、素材の違うものの2層構造、素材を混合させたもの
の2層構造のものを用いることも可能である。 また、
本発明で用いる液非透過性の裏面シートとしては、目的
とする最終製品によっても異なるがポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステ
ル、レーヨン等を、延伸などをし微小開孔処理をし通気
性をもたせた不透性フィルムや撥水処理した不織布が用
いられる。通気性フィルムとしては20〜60μmの厚
みとするのが好ましい。また、肌触り、通気、防水性を
満足するために不織布と上記フィルムを積層し、2層構
造とする事が好ましく、さらに好ましくは、吸収体側に
非透水性のフィルムを積層し、3層構造とするものはよ
り好ましい。
【0024】
【実施例】以下、実施例と比較例により本発明の有用性
を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。以下の実施例および比較例においては、使い捨て紙
おむつを例に挙げて具体的に説明するが、生理用ナプキ
ンや失禁者用パッドなどの吸収性物品においても同様で
あり、本発明は使い捨て紙おむつに限定されるものでは
ない。尚、紙おむつの吸収速度、拡散面積、表面ドライ
ネス、形体保持性の評価は下記の方法で測定した。以下
特に定めない限り%は重量%を示す。
【0025】吸収速度:シリンダー(内径:3cm)を
中心に備えた、紙おむつ面積と同じ大きさのアクリル板
(重量0.5kg)を紙おむつの上に置き、アクリル板
の上に4.5kgの荷重を乗せる(合計荷重:5K
g)。なお、アクリル板はその中央部に前記シリンダー
ないの液体を紙おむつ上に排出するための穴を備えてあ
る。シリンダーに80mlの人工尿(青インキで着色)
を注ぎ紙おむつに吸収させる。30分後に更に80ml
の2回目の人工尿を注入する。同様にして30分後に8
0mlの3回目の人工尿を注入し、この時の吸収時間を
測定して吸収速度とした。 拡散面積:3回目の人工尿を注入して吸収速度を測定し
た後に、人工尿が吸収されて広がった面積(青色に着
色)を測定し、拡散面積とした。 表面ドライネス:拡散面積を測定した後、紙おむつ表面
(人工尿を注入した場所)のドライ感を10人のパネラ
ーで指触判定し、次の4段階で評価した。この平均を表
面ドライネスとした。 ◎:ドライ感良好 ○:わずかに湿っぽいが、満足できるレベルのドライ感 △:ドライ感が乏しく、湿っぽい状態 ×:ドライ感なく、濡れた状態 形体保持性:3回目の人工尿を注入して30分後に紙お
むつを手でよじり、5分後の形体保持性を目視判定し、
次の3段階で評価した。 ◎:元の形体に復元している ○:ほぼ元の形体に復元しており、満足できるレベル ×:形体が崩れている
【0026】吸収体層(A) ポリプロピレンを芯成分としポリエチレンを鞘成分とす
る鞘芯型複合繊維(チッソ(株)製「ES繊維EA
C」;低融点成分融点110℃)30重量部、フラッフ
パルプ70重量部および架橋ポリアクリル酸ナトリウム
系吸水性樹脂(常圧吸収量50g/g、加圧吸収量28
g/g、ゲル弾性率92,000ダイン/cm2、平均
粒径480μm)50部とを気流型混合装置で混合した
混合物を坪量約400g/m2となるように均一に積層
し、5kg/cm2の圧力で90秒間プレスした。次い
で、吸収体層を14cm×36cmの長方形に裁断し、
ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン(三洋
化成工業(株)製「サンシリコンM−84」;平均分子
量約1,000、ポリオキシエチレン基の含量約50
%)の1%水溶液を10部スプレーした後、130℃で
3分間熱風処理して本発明の吸収体層(A)を得た。
【0027】吸収体層(B)および(C) 吸収体層(A)において、複合繊維、フラッフパルプお
よび吸水性樹脂の比率(重量比)を下記のように変化さ
せる以外は吸収体層(A)と同様にして吸収体層(B)
および吸収体層(C)を得た。 吸収体層(B):複合繊維/フラッフパルプ/吸水性樹
脂=50/50/70 吸収体層(C):複合繊維/フラッフパルプ/吸水性樹
脂=100/0/100
【0028】吸収体層(D) 吸収体層(A)において、ポリオキシエチレン変性ジメ
チルポリシロキサンの1%水溶液10重量部に代えて、
25重量部スプレーする以外は吸収体層(A)と同様に
して吸収体層(D)を得た。
【0029】吸収体層(E)および(F) 吸収体層(A)および(D)において、ポリオキシエチ
レン変性ジメチルポリシロキサンに代えて、ポリオキシ
エチレン・ポリオキシプロピレンのランダム共重合体
(共重合モル比:オキシエチレン/オキシプロピレン=
75/25)変性ジメシルポリシロキサン(平均分子量
約2,500、ポリオキシエチレン基の含量約40%)
を使用する以外は吸収体層(A)または(D)と同様に
して吸収体層(E)および吸収体層(F)を得た。
【0030】吸収体層(G) 吸収体層(A)において、鞘芯型複合繊維(チッソ
(株)製「ES繊維EAC」;低融点成分融点110
℃)に代えて、ポリプロピレンを芯成分としポリエチレ
ンを鞘成分とする偏心鞘芯型複合繊維(チッソ(株)製
「ES繊維EA」;低融点成分融点110℃)を同量使
用する以外は吸収体層(A)と同様にして吸収体層
(G)を得た。
【0031】吸収体層(H) 吸収体層(A)において、架橋ポリアクリル酸ナトリウ
ム系吸水性樹脂(常圧吸収量50g/g、加圧吸収量2
8g/g、ゲル弾性率92,000ダイン/cm2、平
均粒径480μm)に代えて、デンプンーアクリル酸ナ
トリウム共重合体系吸水性樹脂粒子の表面架橋物(常圧
吸収量58g/g、加圧吸収量36g/g、ゲル弾性率
105,000ダイン/cm2、平均粒径350μm)
を同量使用する以外は吸収体層(A)と同様にして吸収
体層(H)を得た。
【0032】比較の吸収体層(f) 吸収体層(A)において、ポリオキシエチレン変性ジメ
チルポリシロキサンを吸収体層にスプレーしない以外は
吸収体層(A)と同様にして比較の吸収体層(f)を得
た。
【0033】比較の吸収体層(g) 比較の吸収体層(f)において、複合繊維/フラッフパ
ルプ/吸水性樹脂の重量比率=30/70/50に代え
て、複合繊維/フラッフパルプ/吸水性樹脂の比率=1
00/0/100とする以外は比較の吸収体層(f)と
同様にして比較の吸収体層(g)を得た。
【0034】比較の吸収体層(h)〜(j) 本発明の吸収体層(f)において、複合繊維/フラッフ
パルプ/吸水性樹脂の比重量率=30/70/50に代
えて、複合繊維/フラッフパルプ/吸水性樹脂の重量比
率を下記のように変化させる以外は吸収体層(A)と同
様にして比較の吸収体層(h)〜(j)を得た。 比較の吸収体層(h):複合繊維/フラッフパルプ/吸
水性樹脂=0/100/50 比較の吸収体層(i):複合繊維/フラッフパルプ/吸
水性樹脂=10/90/50 比較の吸収体層(j):複合繊維/フラッフパルプ/吸
水性樹脂=50/50/350
【0035】比較の吸収体層(k) 本発明の吸収体層(A)において、ポリオキシエチレン
変性ジメチルポリシロキサンに代えて、ポリオキシエチ
レン変性ジメシルポリシロキサン(平均分子量約1,0
00、ポリオキシエチレン基の含量約20%)を使用す
る以外は吸収体層(A)と同様にして比較の吸収体層
(k)を得た。
【0036】実施例1〜8 本発明の吸収体層(A)〜(H)を14cm×36cm
の長方形に裁断し、各々の上下に吸収体層と同じ大きさ
の吸水紙を配置し、更に通常の紙おむつに使用されてい
る延伸し微小孔を持つ、厚さ40μmの通気性非透水性
ポリプロピレンフィルムを裏面に、乾式法により製造し
た坪量60g/m2のポリエステル不織布を表面に配置
することによりモデル紙おむつを作成した。これらのモ
デル紙おむつの吸収速度、拡散面積、表面ドライネス、
形体保持性を評価した結果を表1に示す。
【0037】比較例1〜6 比較の吸収体層(f)〜(k)を使用し、実施例と同様
にして比較のモデル紙おむつ作成した。これらのモデル
紙おむつの吸収速度、拡散面積、表面ドライネス、形体
保持性を評価した結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】吸収体層(I) ポリプロピレンを芯成分としポリエチレンを鞘成分とす
る鞘芯型複合繊維(チッソ(株)製「ES繊維EA
C」;低融点成分融点110℃)30重量部、フラッフ
パルプ70重量部および架橋ポリアクリル酸ナトリウム
系吸水性樹脂(常圧吸収量50g/g、加圧吸収量28
g/g、ゲル弾性率92,000ダイン/cm2、平均
粒径480μm)50重量部とを気流型混合装置で混合
した混合物を坪量約400g/m2となるように均一に
積層し、5kg/cm2の圧力で90秒間プレスした。
次いで、吸収体層を14cm×36cmの長方形に裁断
し、非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレンオレ
イル・セチルエーテル(三洋化成工業(株)製「エマル
ミン60」;HLB10.3)の1%水溶液を10部ス
プレーした後、130℃で3分間熱風処理して本発明の
吸収体層(A)を得た。
【0040】吸収体層(J)および(K) 吸収体層(I)において、複合繊維、フラッフパルプお
よび吸水性樹脂の重量比率を下記のように変化させる以
外は吸収体層(I)と同様にして吸収体層(J)および
吸収体層(K)を得た。 吸収体層(J):複合繊維/フラッフパルプ/吸水性樹
脂=50/50/70 吸収体層(K):複合繊維/フラッフパルプ/吸水性樹
脂=100/0/100
【0041】吸収体層(L) 吸収体層(I)において、ポリオキシエチレンオレイル
・セチルエーテルの1%水溶液10重量部に代えて、2
5重量部スプレーする以外は吸収体層(I)と同様にし
て吸収体層(L)を得た。
【0042】吸収体層(M)〜(P) 吸収体層(I)において、ポリオキシエチレンオレイル
・セチルエーテルに代えて、下記の界面活性剤を使用す
る以外は吸収体層(I)と同様にして吸収体層(M)〜
(P)を得た。 吸収体層(M):ポリオキシエチレンオレイル・セチル
エーテル(三洋化成工業(株)製非イオン系界面活性剤
「エマルミン40」;HLB8.0) 吸収体層(N):ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル(三洋化成工業(株)製非イオン系界面活性剤
「ノニポール40」;HLB8.9)吸収体層(O):
モノラウリン酸ソルビタン・EO4モル(HLB8.
6) 吸収体層(P):ポリオキシエチレンラウリル・ミリス
チルエーテル(三洋化成工業(株)製非イオン系界面活
性剤「ノニポールソフトSS−50」;HLB10.
6)
【0043】吸収体層(Q) 吸収体層(I)において、鞘芯型複合繊維(チッソ
(株)製「ES繊維EAC」;低融点成分融点110
℃)に代えて、ポリプロピレンを芯成分としポリエチレ
ンを鞘成分とする偏心鞘芯型複合繊維(チッソ(株)製
「ES繊維EA」;低融点成分融点110℃)を同量使
用する以外は吸収体層(I)と同様にして吸収体層
(Q)を得た。
【0044】吸収体層(R) 吸収体層(I)において、架橋ポリアクリル酸ナトリウ
ム系吸水性樹脂(常圧吸収量50g/g、加圧吸収量2
8g/g、ゲル弾性率92,000ダイン/cm2、平
均粒径480μm)に代えて、デンプンーアクリル酸ナ
トリウム共重合体系吸水性樹脂粒子の表面架橋物(常圧
吸収量58g/g、加圧吸収量36g/g、ゲル弾性率
105,000ダイン/cm2、平均粒径350μm)
を同量使用する以外は吸収体層(I)と同様にして吸収
体層(R)を得た。
【0045】比較の吸収体層(m) 吸収体層(I)において、ポリオキシエチレンオレイル
・セチルエーテルを吸収体層にスプレーしない以外は、
吸収体層(I)と同様にして比較の吸収体層(m)を得
た。
【0046】比較の吸収体層(n) 比較の吸収体層(I)において、複合繊維/フラッフパ
ルプ/吸水性樹脂の重量比率=30/70/50に代え
て、複合繊維/フラッフパルプ/吸水性樹脂の重量比率
=100/0/100とする以外は比較の吸収体層
(m)と同様にして比較の吸収体層(n)を得た。
【0047】比較の吸収体層(o)〜(q) 本発明の吸収体層(I)において、複合繊維/フラッフ
パルプ/吸水性樹脂の重量比率=30/70/50に代
えて、複合繊維/フラッフパルプ/吸水性樹脂の重量比
率を下記のように変化させる以外は吸収体層(I)と同
様にして比較の吸収体層(o)〜(q)を得た。 比較の吸収体層(o):複合繊維/フラッフパルプ/吸
水性樹脂=0/100/50 比較の吸収体層(p):複合繊維/フラッフパルプ/吸
水性樹脂=10/90/50 比較の吸収体層(q):複合繊維/フラッフパルプ/吸
水性樹脂=50/50/350
【0048】比較の吸収体層(r)および(s) 本発明の吸収体層(I)において、HLB10.3のポ
リオキシエチレンオレイル・セチルエーテルに代えて、
下記のHLBを有する界面活性剤を使用する以外は吸収
体層(I)と同様にして比較の吸収体層(r)および
(s)を得た。 比較の吸収体層(r):ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル(三洋化成工業(株)製非イオン系界面活
性剤「ノニポール20」;HLB5.7) 比較の吸収体層(s):ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル(三洋化成工業(株)製非イオン系界面活
性剤「ノニポール120」;HLB14.8)
【0049】実施例9〜18 本発明の吸収体層(I)〜(R)を14cm×36cm
の長方形に裁断し、各々の上下に吸収体層と同じ大きさ
の吸水紙を配置し、更に通常の紙おむつに使用されてい
る延伸し微小孔を持つ、厚さ40μmの通気性非透水性
ポリプロピレンフィルムを裏面に、乾式法により製造し
た坪量60g/m2のポリエステル不織布を表面に配置
することによりモデル紙おむつを作成した。これらのモ
デル紙おむつの吸収速度、拡散面積、表面ドライネス、
形体保持性を評価した結果を表2に示す。
【0050】比較例7〜13 比較の吸収体層(m)〜(s)を使用し、実施例と同様
にして比較のモデル紙おむつ作成した。これらのモデル
紙おむつの吸収速度、拡散面積、表面ドライネス、形体
保持性を評価した結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の吸収性物品は次のような特長お
よび効果を有する。 繰り返しの吸収に対しても、優れた吸収性能と吸収速
度を示す。 液の拡散性が良好であり、吸収後の表面のドライ感に
優れる。 被吸収液のモレが低減される。 湿潤状態での着用者の動きによる剪断や圧縮、よれな
どの外力に対しても、優れた形体保持性を示す。 吸水性樹脂と繊維基材との一体性に優れる。
【0053】上記効果を奏することから、本発明の吸収
性物品は、使い捨て紙おむつ(子供用および大人用の紙
おむつ)に好適である。特に吸水性樹脂/繊維基材の比
率が大きい薄型の使い捨て紙おむつに最適である。ま
た、その他の衛生材料(生理用ナプキン、失禁者用パッ
ド、母乳パッド、手術用アンダーパッド、産褥マット、
創傷保護用ドレッシング材、ペットシートなど)や、各
種の吸収性シート(鮮度保持シート、ドリップ吸収シー
ト、結露防止シート、水稲育苗シート、コンクリート養
生シート、油水分離シート、消火用シートなど)にも好
適に使用することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液透過性の表面シート、液非透過性の裏
    面シートおよび両シートの間に設けられた吸収体層を有
    する吸収性物品において、 該吸収体層が、水に膨潤しない合成繊維(a)および
    吸水性樹脂(c)からなる吸収体層であるか、または該
    合成繊維(a)、セルロース系繊維(b)および吸水性
    樹脂(c)からなる吸収体層であり、 (a)と(b)との比が重量基準で(100〜2
    0):(0〜80)であり、 (c)の量が(a)、(b)および(c)の合計重量
    に対して25〜75重量%であり、且つ 該吸収体層が、ポリオキシアルキレン変性シリコーン
    系界面活性剤(d1)および/またはHLBが8〜14
    の非シリコーン系界面活性剤(d2)から選ばれる界面
    活性剤(d)で処理されてなる吸収性物品。
  2. 【請求項2】 合成繊維(a)が、ポリオレフィン系繊
    維、ポリエステル系繊維およびこれらの複合繊維からな
    る群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の
    吸収性物品。
  3. 【請求項3】 吸水性樹脂(c)が、アクリル酸塩およ
    び/またはアクリル酸を重合体の主単量体成分とする粒
    子状の親水性架橋高分子である請求項1または2記載の
    吸収性物品。
  4. 【請求項4】 吸水性樹脂(c)が、生理食塩水に対す
    る常圧吸収量が45〜75g/g、加圧吸収量が25〜
    50g/g、且つゲル弾性率が30、000〜200,
    000ダイン/cm2である請求項1〜3のいずれかに
    記載の吸収性物品。
  5. 【請求項5】 界面活性剤(d)の処理量が、(a)、
    (b)および(c)の合計重量に対して0.01〜5重
    量%である請求項1〜4のいずれかに記載の吸収性物
    品。
  6. 【請求項6】 界面活性剤(d)が、分子量500〜1
    0、000、ポリオキシエチレン基の含有量が40〜6
    0重量%のポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキ
    サン及び/またはHLB9〜13の非イオン性界面活性
    剤である請求項1〜5のいずれか記載の吸収性物品。
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