JPH08288263A - ドライエッチング方法およびドライエッチング装置 - Google Patents

ドライエッチング方法およびドライエッチング装置

Info

Publication number
JPH08288263A
JPH08288263A JP10906295A JP10906295A JPH08288263A JP H08288263 A JPH08288263 A JP H08288263A JP 10906295 A JP10906295 A JP 10906295A JP 10906295 A JP10906295 A JP 10906295A JP H08288263 A JPH08288263 A JP H08288263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon film
etching
gas
substrate
hard carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10906295A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuuki Nakamura
有希 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP10906295A priority Critical patent/JPH08288263A/ja
Publication of JPH08288263A publication Critical patent/JPH08288263A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素膜のエッチング中に基板温度が上昇する
のを抑えて、炭素膜,特に硬質炭素膜を高精度かつ高速
にエッチングできる。 【構成】 真空中でプラズマを生成し、前記プラズマに
よって硬質炭素膜21をドライエッチングする場合に、
所定の希釈ガス(冷却用ガス)を5%以上含むエッチング
ガスを用いて硬質炭素膜21をエッチングする。上記希
釈ガス(冷却用ガス)としては、熱伝導率が0.04W/
m・K以上の気体が用いられる。好ましくは、熱伝導率
が0.04W/m・K以上のH2(0.18)、He(0.
14)、Ne(0.046)及びそれらの同位体または混
合ガスを用いるのが良い。例えばエッチングガスの総流
量の80%以下のHeでエッチングガスを希釈すること
により、基板温度を数10℃低下させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エッチングマスクや絶
縁性膜などとして用いられる炭素膜を真空中でプラズマ
によりエッチングするドライエッチング方法およびドラ
イエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体集積回路の製造等の分野に
おいて、レジストパターンをマスクとして用い、基板上
の膜を微細に加工する一つの方法として、プラズマを用
いた反応性イオンエッチング(リアクティブイオンエッ
チング)技術が幅広く用いられている。この方法では、
例えば一対の平行平板を備えた真空容器内に加工しよう
とする基板を電極台上に載置し、容器内を真空にした
後、ハロゲン等の元素を含有する反応性のガスを真空容
器内に導入し、高周波電力を電極に印加することによっ
て放電を誘起させ、ガスをプラズマ化し、発生したプラ
ズマを用いて基板上の膜をドライエッチングするように
している。
【0003】このドライエッチング方法によれば、電極
近くに発生するイオンシースの直流電界によってプラズ
マ内のイオンが加速され、基板に衝突し、イオンアシス
トによる化学反応を起こす。このため、エッチングは、
イオンの入射方向に進み、アンダーカットのない異方性
のエッチングが可能となる。
【0004】しかしながら、このイオンスパッタによっ
てあらゆる材料が活性化され、CDE(ケミカルドライ
エッチング)のようなラジカルのみを利用するエッチン
グに比べると、レジストと下地加工膜のエッチング速度
の差,すなわち対レジスト選択比を大きくとることが困
難な場合が多かった。
【0005】例えば、半導体基板上に積層されたAl膜
を、レジストパターンをマスクとして用いて、所定のパ
ターンにエッチングする場合、Alの反応性イオンエッ
チングでは、レジストのエッチング速度が大きいため、
エッチング中のレジストの後退により、パターン変換差
が大きく高精度にパターンを形成できなかった。さら
に、多層配線のような構造では、段差によってレジスト
の膜厚が薄くなるために、Al配線部分がエッチングさ
れて配線切れが生ずる等の問題が生じていた。
【0006】また、マスク材料として、レジストのかわ
りにSiO2等の絶縁性膜を用いた場合、反応性イオン
エッチング時にプラズマ中のイオンや電子が基板に入射
し、これらが持つ電荷によって、膜はある電位にチャー
ジアップされる。これにより、例えば、マスクパターン
に対して電子が斜めに入射すると、片側の壁のみに電子
が照射されるから、左右のマスクパターンの壁に蓄積さ
れる電荷が異なることになる。その電荷の非対称は壁の
左右方向に新たな電界分布を生じさせ、その結果、イオ
ンは基板に対し垂直に入射することが妨げられ、異方性
形状を得ることが困難となり、微細なパターンを高精度
で形成することが困難であった。
【0007】これらの問題を解決するために、炭素を主
成分とした膜(以下単に炭素膜と称す)をドライエッチン
グのマスクとして用いる方法が近年、提案されている。
この方法は、例えばAl膜上にあらかじめエッチング耐
性の優れた炭素膜を形成し、次に、炭素膜上にレジスト
パターンを形成した後、酸素または水素ガスないしはA
r等の希ガス等でドライエッチングを行ない、炭素膜を
レジストパターンに沿ってパターニングし、炭素膜によ
るマスクを形成し、さらに前記炭素膜マスクでAl膜を
ドライエッチングし、配線パターンを形成する方法であ
る。
【0008】炭素膜をエッチングマスクとして使用する
ことにより、(1)Alとの選択比が高くなって、エッチ
ングの形状制御性,精度が向上する。(2)マスク厚を薄
くすることが可能となり、実効的なアスペクト比(パタ
ーン幅に対するエッチング深さ:マスク上面からエッチ
ングが進行している面までの距離)が低下する。具体的
には、現在、レジストは1.5μm程度の膜厚がある
が、炭素膜をマスクに使用すると、レジストの膜厚を
0.3μm以下にすることができる。
【0009】その結果、パターン幅に対してエッチング
の速度や形状が変化するというパターン依存性を大幅に
低減することができる。また、Al膜加工に使用した場
合、マスクに付着し残留する塩素等が低減するため、エ
ッチング後のAl配線の腐食を防止することもできる。
その他の材料においても、上記(1),(2)は全く同様に
作用する。また、エッチング後のマスク剥離後に残る
“残さ”が低減する効果が認められている。
【0010】ところで、炭素膜をエッチングマスクなど
として使用するときに重要なことは、マスク自体を高精
度にかつ高速に加工(パターニング)することである。そ
の形成技術として従来、例えば特開平6−37058号
に示されているような技術が提案されている。この技術
では、少なくともフッ素と酸素とを3対7乃至99対1
の比率で含む混合ガスの雰囲気においてプラズマを生成
し、該プラズマによって炭素膜をドライエッチングする
ようにしている。
【0011】具体的に、第1の例では、炭素膜のドライ
エッチング(反応性イオンエッチング)のエッチング条件
として、CF4ガスおよび酸素ガスの流量の比率を99
対1〜3対7、望ましくは5対5(全流量が50scc
m〜300sccm)とし、エッチング室の圧力を10
mTorr〜500mTorr,高周波電力を100W
から1kW、電極温度を−100℃〜80℃として、エ
ッチングを行なっている。
【0012】また、第2の例では、炭素膜のRIEのエ
ッチング条件として、CHF3ガスおよび酸素ガスの流
量の比率を9対1〜25対75(全流量が50sccm
〜300sccm)とし、エッチング室の圧力を10m
Torr〜500mTorr,高周波電力を100Wか
ら1kW、電極温度を−100℃〜80℃として、エッ
チングを行なっている。
【0013】このようなエッチング方法によって、炭素
膜をドライエッチングする際に、炭素膜上のレジストパ
ターンの寸法どおりに炭素膜を異方性形状にかつ高速に
エッチングし、これにより、高精度の炭素膜のマスクパ
ターン形成を可能とすることを意図している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のドライエッチング方法では、炭素膜のエッチン
グを高速に行なうために、高パワー密度の高周波を電極
に印加することにより、高周波が印加される電極に近接
させて、あるいは電極と接触させて配置されている基板
の温度が上昇し、例えばフォトレジストが変形,変質し
てしまうなどの問題があった。
【0015】本発明は、炭素膜のエッチング中に基板温
度が上昇するのを抑えて、炭素膜,特に硬質炭素膜を高
精度かつ高速にエッチングすることの可能なドライエッ
チング方法およびドライエッチング装置を提供すること
を目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段および作用】硬質炭素膜
は、炭素および水素原子を主要な組織形成元素として、
非晶質および微結晶の少なくとも一方を含む硬質炭素膜
(i−C膜、ダイヤモンド状炭素膜、アモルファスダイ
ヤモンド膜、ダイヤモンド薄膜とも呼ばれる)からなっ
ている。硬質炭素膜の一つの特徴は、これが気相成長膜
であることによって、後述のように、その諸物性を成膜
条件によって広範囲に制御できることである。具体的に
は、その抵抗値を半絶縁体から絶縁体までの広い領域で
制御できる。
【0017】なお、この硬質炭素膜中には、さらに物性
制御範囲を広げるために、構成元素の1つとして、少な
くとも周期律表第III属元素を全構成元素に対し5原子
%以下の量で、または、少なくとも第IV属元素を35原
子%以下の量で、または、少なくとも第V属元素を5原
子%以下の量で、または、少なくともアルカリ土類金属
元素を5原子%以下の量で、または、少なくともアルカ
リ金属元素を5原子%以下の量で、または、少なくとも
窒素原子を5原子%以下の量で、または、少なくとも酸
素原子を5原子%以下の量で、または、少なくともカル
コゲン元素を35原子%以下の量で、または、少なくと
もハロゲン元素を35原子%以下の量で、含有させても
良い。これら元素または原子の量は、例えばオージェ分
析などの元素分析法によって測定することができる。ま
たは、これら元素または原子の量の多少は、原料ガスに
含まれる他の化合物の量や成膜条件に応じて調節可能で
ある。
【0018】このような硬質炭素膜を形成するために
は、有機化合物ガス,特に炭化水素ガスが用いられる。
これら原料における相状態は、常温常圧において必ずし
も気相である必要はなく、加熱あるいは減圧等により溶
融,蒸発,昇華を経て気化しうるものであれば、液相で
も固相でも使用可能である。
【0019】原料ガスとしての炭化水素ガスについて
は、例えばCH4,C38,C410等のパラフィン系炭
化水素、C24等のオレフィン系炭化水素、ジオレフィ
ン系炭化水素、アセチレン系炭化水素、さらには芳香族
炭化水素など、全ての炭化水素を少なくとも含むガスが
使用可能である。
【0020】硬質炭素膜の形成方法としては、成膜活性
種が、直流,低周波,高周波,あるいはマイクロ波等を
用いたプラズマ法により生成されるプラズマ状態を経て
形成される方法が好ましいが、より大面積化,均一性向
上および/または低温成膜の目的で低圧下で堆積を行な
わせるのには、磁界効果を利用する方法がさらに好まし
い。また、高温における熱分解によっても活性種を形成
できる。その他にも、イオン化蒸着法、あるいはイオン
ビーム蒸着法等により生成されるイオン状態を経て形成
されても良いし、真空蒸着法あるいはスパッタリング法
等により生成される中性粒子から形成されても良いし、
さらには、これらの組合せにより形成されても良い。
【0021】このようにして作製される硬質炭素膜の堆
積条件の一例は、プラズマCVD(高周波放電プラズマ
CVD)の場合、概ね次の通りである。 RF出力(高周波出力):0.01〜50W/cm2 圧 力:0.1〜1000Pa 堆積温度:室温〜950℃、好ましくは室温〜300℃
【0022】このプラズマの状態により原料ガスがラジ
カルとイオンに分解され反応することによって、基板上
に炭素原子Cと水素原子Hとからなるアモルファス(非
晶質)及び微結晶(結晶の大きさは数nmから数μm)の
少なくとも一方を含む硬質炭素膜が堆積する。硬質炭素
膜の諸特性を次表(表1)に示す。
【0023】
【表1】
【0024】なお、諸特性の測定法として、比抵抗(ρ)
については、コプレナー型セルによる電流(I)−電圧
(V)特性より求めることができる。
【0025】また、光学的バンドギャップ(Egopt)に
ついては、分光特性から吸収係数(α)を求め、この吸収
係数(α)を用いて次式の関係より決定することができ
る。
【0026】
【数1】(αhν)1/2=β(hν−Egopt)
【0027】また、膜中水素量〔C(H)〕については、
次式のように、赤外吸収スペクトルから2900cm-1
付近のピークを積分し、この積分値に吸収断面積Aを乗
算して求めることができる。
【0028】
【数2】〔C(H)〕=A・∫α(ν)/ν・dν
【0029】また、SP3/SP2比については、赤外吸
収スペクトルをSP3,SP2にそれぞれ帰属されるガウ
ス関数に分解し、その面積比より求めることができる。
【0030】また、ビッカース硬度(H)については、マ
イクロビッカース計により測定し、また、屈折率(n)に
ついては、エリプソメーターにより測定し、また、欠陥
密度については、ESRにより測定して、それぞれ求め
ることができる。
【0031】このようにして形成される硬質炭素膜は、
IR吸収法およびラマン分光法による分析の結果、それ
ぞれ図1および図2に示すように、炭素原子がSP3
混成軌道とSP2の混成軌道とを形成した原子間結合が
混在していることが明らかになっている。SP3結合と
SP2結合との比率は、図2に示すようなIRスペクト
ルをピーク分離することで概ね推定できる。すなわち、
IRスペクトルには、2800〜3150cm-1の波数
範囲に多くのモードのスペクトルが重なって測定される
が、それぞれの波数に対応するピークの帰属は明らかに
なっており、図3に示すように、ガウス分布によってピ
ーク分離を行ない、それぞれのピーク面積を算出し、そ
の比率を求めれば、SP3結合とSP2結合との比率SP
3/SP2を知ることができる。
【0032】また、上記の硬質炭素膜は、X線及び電子
線回折分析によれば、アモルファス状態(a−C:H)、
および/または数nm〜数百nm程度の微結晶粒を含む
アモルファス状態にあることがわかる。
【0033】一般に量産に適しているプラズマCVD法
の場合には、RF出力(高周波出力)が小さい程、硬質炭
素膜の比抵抗値及び硬度が増加し、また、低圧力な程、
活性種の寿命が増加するので、基板温度の低温化,大面
積での均一化が図られ、かつ比抵抗,硬度が増加する傾
向にある。さらに、低圧力ではプラズマ密度が減少する
ため、磁場閉じ込め効果を利用する方法は、比抵抗の増
加には特に効果的である。さらに、プラズマCVD法は
常温〜150℃程度の比較的低い温度条件でも良質の硬
質炭素膜を形成できるという特徴を有しているため、例
えば薄膜二端子素子などの製造プロセスの低温化には最
適である。従って、使用する基板材料の選択自由度を高
めることができ、基板温度をコントロールしやすいため
に均一な膜が得られるという特徴をもっている。
【0034】換言すれば、硬質炭素膜は、プラズマCV
D法等の気相合成法で作製される場合、成膜条件によっ
て、その物性値(誘電率εや比抵抗ρ)を広範囲に制御で
き、従って、デバイス設計の自由度を高めることがで
き、また、硬質炭素膜は、室温付近の低温においても良
質な膜を形成できるので、基板材質に制約がなく、さら
に、硬質炭素膜は、硬質でしかも膜厚にできるため、機
械的損傷を受けにくく、また厚膜化によるピンホールの
減少も期待できる。
【0035】さらに、硬質炭素膜は、膜厚,膜質の均一
性に優れているため、膜厚デバイス用として適してお
り、また、硬質炭素膜は、誘電率(ε)が低いので、高度
の微細加工技術を必要とせず、従って素子の大面積化に
有利である。これらの種々の特徴を有している硬質炭素
膜は、前述のように例えば半導体基板上に所定の素子パ
ターンを形成するためのエッチングマスクとして用いる
こともできるし、あるいは、薄膜二端子素子(例えば液
晶表示用スイッチング素子)などにも好適に用いられ
る。
【0036】ところで、このような特徴を持つ硬質炭素
膜は、化学的に非常に安定で、酸,アルカリ,有機溶媒
等に侵されないために、ウェットエッチングはできな
い。従って、硬質炭素膜のパターンを形成するために
は、真空放電により生成されたプラズマ中で、高いエネ
ルギーを持ったラジカルやイオンを利用したドライエッ
チングを行なう必要がある。
【0037】すなわち、硬質炭素膜のエッチングには、
ハロゲン系ガス,O2,H2,CO,CO2及びそれらの
混合ガスを用いたプラズマエッチング,反応性イオンエ
ッチング、またはHe,Ne,Ar等不活性ガスを用い
たスパッタエッチング、さらに反応性ガスと不活性ガス
の混合ガスによる反応とスパッタ両方を用いたエッチン
グ方法が用いられている。
【0038】例えば、反応性イオンエッチングでは、真
空排気した反応室内に1Pa乃至百数十Paの圧力で反
応ガスを導入する。ここで、反応ガスとしては、C
4,CCl4,CCl22,CBrF3,CHF3,SF
6,Cl2,SiCl4などのハロゲン原子含有化合物の
単体及び混合ガス、あるいは上記ハロゲン系ガスと
2,N2,Arなどの混合ガスが一般に用いられる。次
いで、高周波放電などにより反応室内にプラズマを発生
させる。反応性イオンエッチングでは、基板は高周波電
極の表面または高周波電極表面のごく近傍に設置される
ため、基板には電極表面に生じるイオンシースで加速さ
れたイオンが入射し、拡散により基板表面に吸着したラ
ジカルは、基板表面原子との反応の活性化エネルギーが
低い場合にエッチングが生じる。これに対し、活性化エ
ネルギーが高い場合は、高い運動エネルギーを持ったイ
オンが基板に入射することにより反応が進行し、この場
合、エッチングが進行し続けるためには、反応生成物の
蒸気圧が高く、かつ、揮発しやすいことが必要である。
蒸気圧が低く、化学的作用によるドライエッチングが難
しい場合は、イオンのスパッタリング作用により物理的
にエッチングするスパッタエッチング法が効果的であ
る。
【0039】このようなドライエッチング方法を硬質炭
素膜のエッチングに適用する場合、前述の従来技術(特
開平6−37058)に示されているように、フッ素を
含むガスと酸素ガスとを特定の比率で含有するガスでプ
ラズマを生成して、硬質炭素膜をドライエッチングする
ことが可能であるが、この方法では、高パワー密度の高
周波を電極に印加することにより、電極に近接させて、
あるいは電極に接触させて配置されている基板の温度が
上昇し、例えばフォトレジストなどが変形,変質してし
まうという問題があった。
【0040】この問題を解決するため、請求項1,請求
項3記載の発明は、真空中でプラズマを生成し、前記プ
ラズマによって炭素膜,特に硬質炭素膜をドライエッチ
ングする場合に、所定の希釈ガス(冷却用ガス)を5%以
上含むエッチングガスを用いて硬質炭素膜をエッチング
するようにしている。
【0041】上記希釈ガス(冷却用ガス)としては、熱伝
導率が0.04W/m・K以上の気体が用いられる。好
ましくは、熱伝導率が0.04W/m・K以上のH
2(0.18)、He(0.14)、Ne(0.046)及び
それらの同位体または混合ガスを用いるのが良い。例え
ばエッチングガスの総流量の80%以下のHeでエッチ
ングガスを希釈することにより、基板温度を数10℃低
下させることができる。なお、これ以上He流量を増加
させると、硬質炭素膜とレジストの選択比が低下し実用
的ではない。また基板温度低下の効果が顕著に現れるの
は、ガス種や放電条件にも依存するが、流量比が5%乃
至10%以上の場合である。
【0042】このように上記希釈ガスを5%以上含むエ
ッチングガスを用いることにより、基板の温度を低下さ
せることができ、高パワー密度の高周波電力を高周波電
極に印加する場合にも、高周波電極に近接させて、ある
いは高周波電極と接触させて配置されている基板の温度
の上昇を抑え、例えばフォトレジストなどが変形,変質
するのを有効に防止できる。
【0043】すなわち、本発明によれば、高精度のパタ
ーンを形成し、レジスト変質を防止することができる。
さらに、硬質炭素膜を用いた薄膜素子の作製プロセスに
おいて微細加工の精度が向上し、低コストで素子を作製
できる。
【0044】なお、上記のような気体によってエッチン
グガスを希釈するとともに、基板を15℃以下の冷却水
または液体窒素などの寒剤、あるいは低温のガスなどを
循環させた電極に押しつけて冷却することにより、基板
温度をさらに低下させることができる。
【0045】また、請求項2,請求項4記載の発明は、
高周波電力が印加される電極の少なくとも一部が多孔質
材料で形成されており、該電極の多孔質材料部分の微細
な孔から冷却用ガスを導入して基板に差し向けた状態
で、硬質炭素膜をエッチングするようにしている。
【0046】ここで、電極の少なくとも一部に用いられ
る多孔質材料は、一般に、金属粒子やセラミック粒子と
バインダーの混合物を焼成することによって作成され
る。すなわち、金属粒子やセラミック粒子とバインダー
の混合物を焼成することによってバインダーが溶融,蒸
発し、金属やセラミックのみの固まりが得られ、粒子,
バインダーそれぞれの大きさや形状あるいは混合比を変
えることにより、焼成後の構造,すなわち多孔質材料の
微細な孔の大きさや形状等を制御することができる。本
発明においては、ステンレスやアルミニウム合金などの
金属を多孔質ブロックに加工し、少なくとも基板裏面に
あたる電極表面に用いることが好ましい。
【0047】このように、高周波電力が印加される電極
の少なくとも一部を多孔質材料で形成し、この多孔質材
料の微細な孔から上述したような希釈ガスを基板に差し
向けることによって、基板の温度をさらに低下させるこ
とができる。
【0048】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図4は本発明に係るドライエッチング装置の構成
例を示す図である。
【0049】図4を参照すると、このドライエッチング
装置は、容器10内に、所定の距離を隔てて対向してい
る一対の電極1a,1bが設けられている。ここで、一
方の電極1aは、接地電極として機能し、また、他方の
電極1bは、これに高周波電源2からの高周波電力が印
加される高周波電極として機能するようになっている。
【0050】また、高周波電極1bに近接させてあるい
は高周波電極1bと接触させて、硬質炭素膜21,フォ
トレジスト22が堆積された基板3が配置されるように
なっている。
【0051】また、高周波電極1bに高周波電力が印加
されることにより高周波電極1bが高温になるのを抑え
るため、高周波電極1bには、冷却源4からの例えば冷
却水が供給されるようになっている。
【0052】また、容器10内は、真空排気源5によっ
て真空排気され、また、容器10内には、プロセスガス
源6からのプロセスガス(エッチングガスなど)が供給さ
れるようになっている。
【0053】なお、容器10本体および接地電極1a
は、接地電位に保持されており、高周波電力が印加され
る高周波電極1bと接地電位に保持される容器10本体
とを電気的に隔絶するため、これらの間には、絶縁体部
材7が設けられている。
【0054】このような構成のドライエッチング装置で
は、基板3上に硬質炭素膜21を堆積し、さらにこの硬
質炭素膜21上にフォトレジスト22を形成した後、こ
のフォトレジスト22をマスクとして硬質炭素膜21を
エッチング加工しようとするとき、この基板3を容器1
0内の高周波電極1bに近接させて、あるいは高周波電
極1bに接触させて、容器10内に配置し、しかる後、
容器10内を真空排気源5により真空排気し、次いで、
プロセスガス源6から所定流量のプロセスガス(エッチ
ングガス)を容器10内に導入し、高周波電極1bに高
周波電源2からの高周波電力を印加することによって、
硬質炭素膜21のエッチングを行なうことができる。
【0055】この際、高周波電極1bには、冷却源4か
ら例えば冷却水が供給され、これにより、高周波電極1
bに印加される高周波電力によって高周波電極2bが高
温になるのを抑え、基板3の温度が高温になるのを抑え
ているが、冷却水だけの冷却では、基板3の温度を、フ
ォトレジスト22等が変形,変質しないような温度まで
抑えるには不充分である。このため、本実施例では、さ
らに、上記エッチングガスとして、所定の冷却用ガス
(例えば、熱伝導率が0.04W/m・k以上の気体)を
5%以上含むエッチングガスを用いる。
【0056】このようなガスを用いることにより、基板
3の温度を、フォトレジスト22等が変形,変質しない
ような温度まで、低下させることが可能となり、硬質炭
素膜を高精度かつ高速にエッチングすることができる。
【0057】図5は本発明に係るドライエッチング装置
の他の構成例を示す図である。図5のドライエッチング
装置では、図4のドライエッチング装置において、さら
に、高周波電極1bの少なくとも一部11が多孔質材料
で形成されており、冷却用ガス源8からの冷却用ガスを
高周波電極1bの多孔質材料部分11の微細孔から基板
3に差し向けることが可能な構造のものとなっている。
【0058】このような構成のドライエッチング装置で
は、硬質炭素膜のエッチングを行なうために、容器10
内にエッチングガス(例えば、熱伝導率が0.04W/
m・k以上の気体を5%以上含むエッチングガス)を導
入し、高周波電極1bに高周波電力を印加するときに、
さらに、冷却用ガス源8からの冷却用ガスを高周波電極
1bの多孔質材料部分11の微細孔から基板3に差し向
けることにより、基板3の温度をより一層低下させ、フ
ォトレジスト等が変形,変質するといった事態をより一
層有効に防止し、硬質炭素膜をより一層精度良くかつ高
速にエッチング加工することが可能となる。
【0059】本願の発明者は、実際に、図4のドライエ
ッチング装置を用いて、基板3上の硬質炭素膜のエッチ
ング加工を行なった。すなわち、基板3として、パイレ
ックスガラスを用い、このパイレックスガラス基板3上
にRFプラズマCVD法により硬質炭素膜を300nm
堆積させた。しかる後、この硬質炭素膜上に通常のフォ
トリソグラフィ法により所定のレジストパターンを形成
した。このように硬質炭素膜,レジストパターンが形成
された基板3を図4に示したドライエッチング装置の容
器10内の所定位置(基板ステージ)に置き、容器10内
を真空排気源(真空ポンプ)5により10-3Paまで真空
排気した。
【0060】次に、マスフローコントローラで制御しな
がら、プロセスガス源6から、プロセスガス(エッチン
グガス;反応ガス)として、Ar/COを総流量200
sccm導入した。また、スロットルバルブで圧力を1
3Paに維持しながら、Heを0乃至50sccm導入
し(すなわち、エッチングガスとしてのAr/COに、
Heを含ませ)、高周波電極1bに高周波電源2から1
3.56MHZの高周波電力を0.5W/cm2印加し
た。なお、この際、冷却源4からの冷却水を高周波電極
1bに供給して、これを冷却した。
【0061】図6はHeを0乃至50sccm導入した
ときの基板温度の変化を示す図である。図6から、He
流量を増すと、基板温度は低下し、He流量が10sc
cm(5%)以上では140℃以下となることがわかる。
実際、He流量を10sccm(5%)以上にしたとこ
ろ、硬質炭素膜上のフォトレジストの変形がなく、硬質
炭素膜を高精度にエッチング加工をすることができた。
さらに、He流量を30sccm(15%)以上にする
と、基板温度は120℃以下となり、エッチング後のレ
ジスト剥離が容易であった。
【0062】また、本願の発明者は、図5に示したドラ
イエッチング装置を用いて、基板3上の硬質炭素膜のエ
ッチング加工を行なった。すなわち、高周波電極1bと
して、さらに多孔質金属をはめ込んだ金属高周波電極を
用いて、これを冷却源4からの冷却水によって冷却する
とともに、この多孔質部分11の微細な孔から基板3の
裏面に向けてさらに20sccmのHeを流し、図4に
示したドライエッチング装置を用いて行なったときと同
じ放電条件で(同じエッチングガス等を用いて)エッチン
グしたところ、冷却源4からの冷却水によって水冷した
電極の基板冷却効果が熱伝導度の大きいHeによってよ
り一層高まり、基板温度は、図6に示したものからさら
に20℃乃至30℃低下した。従って、図5のドライエ
ッチング装置を用い、上述のようにしてエッチングを行
なう場合、高周波電力を2倍にし、エッチングレードが
さらに高い条件でも、硬質炭素膜のエッチングを高精度
に行なうことができた。
【0063】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1,請求
項3記載の発明によれば、真空中でプラズマを生成し、
前記プラズマによって硬質炭素膜をエッチングするドラ
イエッチングにおいて、所定の冷却用ガスを5%以上含
むエッチングガスを用いて硬質炭素膜をエッチングする
ので、硬質炭素膜のドライエッチングにおいて、エッチ
ング中の基板の温度上昇を低減し、熱によるフォトレジ
ストの変形を防ぎ、パターン精度を向上させることがで
きる。また、レジストの変質も防ぐため、レジスト剥離
時の製造マージンを大きくすることができる。さらに冷
却効果を高めることにより、高速エッチングが可能にな
り、スループットが向上し、生産性を高めることができ
る。
【0064】また、請求項2,請求項4記載の発明によ
れば、真空中でプラズマを生成し、前記プラズマによっ
て基板上の硬質炭素膜をエッチングするドライエッチン
グにおいて、高周波電力が印加される電極の少なくとも
一部を多孔質材料で形成し、前記電極の多孔質材料部分
の微細な孔から所定の冷却用ガスを導入して前記基板に
差し向けた状態で、硬質炭素膜をエッチングするので、
基板の温度をさらに低下させることが可能となり、硬質
炭素膜をより一層精度良くかつ高速にエッチング加工す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬質炭素膜をラマン分光法で分析した結果を示
す図である。
【図2】硬質炭素膜をIR吸収法で分析した結果を示す
図である。
【図3】硬質炭素膜のIRスペクトルをガウス関数で分
解した結果を示す図である。
【図4】本発明のドライエッチング装置の一構成例を示
す図である。
【図5】本発明のドライエッチング装置の他の構成例を
示す図である。
【図6】Heを0乃至50sccm導入したときの基板
温度の変化を示す図である。
【符号の説明】
1a 接地電極 1b 高周波電極 2 高周波電源 3 基板 4 冷却源 5 真空排気源 6 プロセスガス源 7 絶縁体部材 8 冷却用ガス源 10 容器 11 多孔質材料部分 21 硬質炭素膜 22 フォトレジスト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空中でプラズマを生成し、前記プラズ
    マによって基板上の硬質炭素膜をエッチングするドライ
    エッチング方法において、所定の冷却用ガスを5%以上
    含むエッチングガスを用いて硬質炭素膜をエッチングす
    ることを特徴とするドライエッチング方法。
  2. 【請求項2】 真空中でプラズマを生成し、前記プラズ
    マによって基板上の硬質炭素膜をエッチングするドライ
    エッチング方法において、高周波電力が印加される電極
    の少なくとも一部を多孔質材料で形成し、前記電極の多
    孔質材料部分の微細な孔から所定の冷却用ガスを導入し
    て前記基板に差し向けた状態で、硬質炭素膜をエッチン
    グすることを特徴とするドライエッチング方法。
  3. 【請求項3】 高周波電力が印加される高周波電極が容
    器内に配置され、硬質炭素膜およびレジストパターンが
    堆積された基板を前記高周波電極に近接させて、あるい
    は高周波電極と接触させて配置して、容器内に真空中で
    所定のエッチングガスを導入し、前記高周波電極に高周
    波電力を印加することで前記エッチングガスをプラズマ
    化し、前記プラズマによって基板上の硬質炭素膜を所定
    パターンにエッチングするドライエッチング装置におい
    て、前記エッチングガスとして、所定の冷却用ガスを5
    %以上含むエッチングガスが用いられることを特徴とす
    るドライエッチング装置。
  4. 【請求項4】 高周波電力が印加される高周波電極が容
    器内に配置され、硬質炭素膜およびレジストパターンが
    堆積された基板を前記高周波電極に近接させて、あるい
    は高周波電極と接触させて配置して、容器内に真空中で
    所定のエッチングガスを導入し、前記高周波電極に高周
    波電力を印加することで前記エッチングガスをプラズマ
    化し、前記プラズマによって基板上の硬質炭素膜を所定
    パターンにエッチングするドライエッチング装置におい
    て、前記高周波電極の少なくとも一部が多孔質材料で形
    成されており、前記電極の多孔質材料部分の微細な孔か
    ら所定の冷却用ガスを導入して前記基板に差し向けた状
    態で、硬質炭素膜をエッチングすることを特徴とするド
    ライエッチング装置。
JP10906295A 1995-04-10 1995-04-10 ドライエッチング方法およびドライエッチング装置 Pending JPH08288263A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10906295A JPH08288263A (ja) 1995-04-10 1995-04-10 ドライエッチング方法およびドライエッチング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10906295A JPH08288263A (ja) 1995-04-10 1995-04-10 ドライエッチング方法およびドライエッチング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08288263A true JPH08288263A (ja) 1996-11-01

Family

ID=14500639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10906295A Pending JPH08288263A (ja) 1995-04-10 1995-04-10 ドライエッチング方法およびドライエッチング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08288263A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990082844A (ko) * 1998-04-02 1999-11-25 가네꼬 히사시 반도체웨이퍼를 어닐링하기 위한 램프어닐링장치 및 방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990082844A (ko) * 1998-04-02 1999-11-25 가네꼬 히사시 반도체웨이퍼를 어닐링하기 위한 램프어닐링장치 및 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6927173B2 (en) Plasma processing method
US6069092A (en) Dry etching method and semiconductor device fabrication method
JP2669460B2 (ja) エツチング方法
JPH05308062A (ja) ドライエッチング方法
JP2006049817A (ja) プラズマ処理方法およびプラズマエッチング方法
JPH01172572A (ja) 基板上に超硬金属の層を付着させる方法及び装置
JPH0336300B2 (ja)
EP0596593B1 (en) Plasma etch process
US6177147B1 (en) Process and apparatus for treating a substrate
JP5131436B2 (ja) エッチング方法
Yoon et al. Discharge physics and atomic layer etching in Ar/C4F6 inductively coupled plasmas with a radio frequency bias
US6770332B2 (en) Method for forming film by plasma
WO2018089587A1 (en) Self-limiting cyclic etch method for carbon-based films
JP2004111779A (ja) 有機系絶縁膜のエッチング方法及び半導体装置の製造方法
WO2001024230A2 (en) Techniques for improving etching in a plasma processing chamber
US20210111033A1 (en) Isotropic silicon nitride removal
EP1035569B1 (en) Method for forming plasma films
Antonelli et al. Patterning with amorphous carbon thin films
US20150140232A1 (en) Ultrahigh Vacuum Process For The Deposition Of Nanotubes And Nanowires
JPH08288263A (ja) ドライエッチング方法およびドライエッチング装置
WO2022055900A1 (en) Systems and methods for selective metal compound removal
JPH04137532A (ja) 表面処理方法及びその装置
JPH0458176B2 (ja)
JP2002511953A (ja) 表面にシリコン層を形成する方法
JP3038984B2 (ja) ドライエッチング方法