JPH082867B2 - フェニル クロロチオホルメイト類の製造法 - Google Patents

フェニル クロロチオホルメイト類の製造法

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JPH082867B2
JPH082867B2 JP13007288A JP13007288A JPH082867B2 JP H082867 B2 JPH082867 B2 JP H082867B2 JP 13007288 A JP13007288 A JP 13007288A JP 13007288 A JP13007288 A JP 13007288A JP H082867 B2 JPH082867 B2 JP H082867B2
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chlorothioformates
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はフェニル クロロチオホルメイト類の製造法
に関する。フェニル クロロチオホルメイト類は医薬、
農薬の合成中間体として重要なものである。
<従来技術> 有機溶媒−水混合溶媒中、脱ハロゲン化水素試剤存在
下、フェノール類とチオホスゲンの反応によりフェニル
クロロチオホルメイト類を製造し、次いで蒸留するこ
とにより製造する方法が公知である(特開昭60−61562
号公報)。
<従来技術の問題点> 従来技術の製造法は、反応終了後の粗製フェニル ク
ロロチオホルメイト類を蒸留することにより製造してい
るが、蒸留収率が95%以下と低く、蒸留中にジフェニル
チオカーボネート類等の分解物を生成している。
また、不純物として混在するフェノール類は、蒸留に
よるフェニル クロロチオホルメイト類との分離が比較
的困難であり、精密蒸留が必要である。
<本発明が解決する手段> 本発明者らは、フェニル クロロチオホルメイト類の
製造法について鋭意検討した結果、蒸留収率の低下を引
起こす不純物が、原料フェノール類であることを見出
し、また、該不純物は、反応条件の制御によっても、な
おかつ、反応終了後の反応液にアルカリを添加した後に
分液する操作によっても除去が困難であることを見出し
た。
さらには、反応終了後、分液した粗製フェニル クロ
ロチオホルメイト類の有機溶液を再度、アルカリ水溶液
により洗浄することにより、該化合物が容易に除去可能
であり、次いで、蒸留することにより蒸留収率が95%以
上の高収率で製造可能であることを見出だし、本発明を
完成させるに至った。
即ち、本発明は、有機溶媒−水混合溶媒中、脱ハロゲ
ン化水素剤存在下、フェノール類とチオホスゲンの反応
により製造した粗製フェニル クロロチオホルメイト類
の溶液を分液後、該溶液をアルカリ水溶液により洗浄
し、次いで蒸留することを特徴とするフェニル クロロ
チオホルメイト類の製造法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に適用できるフェニル クロロチオホルメイト
類のフェノール類としては、無置換のフェノール、メチ
ルフェノール、エチルフェノール、tert−ブチルフェノ
ール等のアルキル置換フェノール、β−ナフトール、
5、6、7、8−テトラヒドロ−2−ナフトール等の縮
合フェノールを用いることができる。
本発明に用いる有機溶媒としてはあらゆるものが使用
可能であるが、好ましくはジクロロメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、並びにベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素である。
反応に使用するアルカリ量は、フェノール類に対して
1当量以上であれば良いが、3倍当量以上の使用は何等
利益をもたらず、収率の低下を引起こす場合がある。濃
度としてはあらゆる濃度での使用が可能であるが、反応
で副生する無機塩が充分溶解する水量であれば何等問題
なく、通常は5〜30wt%のアルカリ水溶液を使用する。
反応並びに分液後の操作で使用するアルカリとしては
例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム、水酸化ルビウム、水酸化セシウム、水酸化ベリ
リウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸
化ストロンチウム、水酸化バリウム等の水酸化物を揚げ
ることができ、炭酸塩または炭酸水素塩としては、上記
のアルカリ金属または、アルカリ土類金属塩を揚げるこ
とが出来る。好ましくは、経済性の面で水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリ
ウムである。
分液後の操作に用いるアルカリ水溶液の使用量は、粗
製フェニル クロロチオホルメイト溶液に対して、分液
操作が容易な範囲での溶液量で良く、また、アルカリ存
在量は、不純物として含有しているフェノール類に対し
て、理論的には当量以上であれば良いが好ましくは、フ
ェノール類に対して1.05当量以上である。また、10.0当
量以上の使用は、何等利益はもたらさず、生成したフェ
ニル クロロチオホルメイトの分解を引起こす場合があ
り好ましくない。アルカリ濃度としてはあらゆる濃度で
の使用が可能であるが、1〜30wt%及び/または該アル
カリの溶解度以下であれば何等支障はない。
洗浄方法としては、種々の方法を用いうるが、粗製フ
ェニル クロロチオホルメイトの溶液にアルカリ水溶液
を添加し、攪拌し次いで静定、分液することで充分であ
る。
蒸留方法としては、フェニル クロロチオチオホルメ
イトの種類により、常圧蒸留、減圧蒸留のいずれの方法
でも可能である。
<発明の効果> 本発明により、フェニル クロロチオホルメイト類の
精製、蒸留収率の向上が達成出来、工業的規模での製造
法が確立された。
<実施例> 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発
明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 攪拌機、温度計、300mlの滴下ロートを備えた1の
3つ口丸底フラスコにフェノール43.0g、ベンゼン150
g、そしてチオホスゲン55.0gを計り取りフラスコを水冷
した。
次いで、滴下ロートに12wt%の水酸化カリウム水溶液
240mlを入れ、フラスコ内を攪拌しながら、温度を20〜4
0℃に保ちつつ、水酸化カリウム水溶液を1時間で滴下
した。水酸化カリウム水溶液滴下終了後、さらに室温で
3時間攪拌した。
反応終了後、反応液を1の分液ロートに移しベンゼ
ン相を分取し、粗製フェニル クロロチオホルメイト溶
液を230gを得た。ガスクロマトグラフィーで分析の結
果、粗製フェニル クロロチオホルメイト含有量77.3
g、フェノール含有量0.86gであった。
得られた、粗製フェニル クロロチオホルメイト溶液
を再度分液ロートに移し、該溶液に対して10wt%水酸化
カリウム水溶液15mlを添加し、1分間振とうし、静定し
た。分液の後、得られた液をガスクロマトグラフィーで
分析の結果、フェニル クロロチオホルメイト含有量7
7.0g、フェノール含有量0.01g以下であった。
さらに、該溶液を濃縮し、次いで減圧蒸留することに
より、精製フェニル クロロチオホルメイト76.0gを得
た。ガスクロマトグラフィーで分析の結果、収率96.3
%、蒸留収率98.7%、純度99.6%で、留出物中にはフェ
ノールは存在しなかった。
実施例2 実施例1と同様の装置に、m−tert−ブチルフェノー
ル68.2g、四塩化炭素150g、チオホスゲン55.0gを計りと
りフラスコを冷却した。
次いで、適下ロートに11wt%の水酸化ナトリウム水溶
液240mlを入れ、実施例1と同様の条件下、1時間で滴
下し、さらに、室温で3時間攪拌した。
反応終了後、を1の分液ロートに移し四塩化炭素相
を分取し、粗製m−tert−ブチルフェニル クロロチオ
ホルメイト溶液を255g得た。ガラスクロマトグラフィー
で分析の結果、m−tert−ブチルフェニル クロロチオ
ホルメイト含有量100.8g、m−tert−ブチルフェノール
含有量2.05gであった。
得られた粗製m−tert−ブチルフェニル クロロチオ
ホルメイト溶液を再度分液ロートに移し、該溶液に対し
て、5wt%水酸化ナトリウム水溶液20mlを添加し、2分
間振とうし、静定した。
分液の後、得られた溶液をガスクロマトグラフィーで
分析の結果、m−tert−ブチルフェニル クロロチオホ
ルメイト含有量100.5g、m−tert−ブチルフェノール含
有量0.01g以下であった。
さらに、該溶液を濃縮し、次いで蒸留することによ
り、精製m−tert−ブチルフェニル クロロチオホルメ
イト98.9gを得た。ガスクロマトグラフィーで分析の結
果、収率95.2%、蒸留収率98.4%、純度99.4%であり、
m−tert−ブチルフェノールは含有していなかった。
比較例1 実施例1と同様の装置で、フェノール42.9g、チオホ
スゲン55.0g、ベンゼン150g、11wt%の水酸化ナトリウ
ム水溶液240mlを用い同様に反応を行った。得られた反
応液を分離し、粗製フェニル クロロチオホルメイト溶
液232gを得た。ガスクロマトグラフィーにより分析した
ところ、フェニル クロロチオホルメイト77.0g、フェ
ノール0.92gを含有していた。
この反応液を濃縮し減圧蒸留することにより、精製フ
ェニル クロロチオホルメイト70.8gを得た。ガスクロ
マトグラフィーで分析の結果、収率88.7%、蒸留収率9
1.2%、純度98.0%、フェノール含有率1.5%であった。
比較例2 実施例1と同様の装置で、m−tert−ブチルフェノー
ル67.0g、四塩化炭素150g、チオホスゲン55.0g、11wt%
の水酸化ナトリウム水溶液240gにより同様に反応を行っ
た。
反応終了後、水−四塩化炭素混合反応液を1の分液
ロートに移し、これに10wt%水酸化ナトリウム水溶液10
0gを添加し、1分間振とうし、静定した。
分液の後、粗製m−tert−ブチルフェニルクロロチオ
ホルメイト溶液253gを得た。ガスクロマトグラフィーで
分析の結果、m−tert−ブチルフェニル クロロチオホ
ルメイト99.7g、m−tert−ブチルフェノール1.35gを含
有していた。
得られた、粗製m−tert−ブチルフェニルクロロチオ
ホルメイト溶液を濃縮の後、減圧蒸留することにより精
製m−tert−ブチルフェニル クロロチオホルメイト9
2.3gを得た。ガスクロマトグラフィーで分析の結果、m
−tert−ブチルフェニル クロロチオホルメイト収率8
8.5%、蒸留収率90.5%、純度97.8%、m−tert−ブチ
ルフェノール含有率1.1%であった。
比較例3 冷却コンデンサーを備えた、200mlのナス型フラスコ
に、m−tert−ブチルフェニル クロロチオホルメイト
100g、m−tert−ブチルフェノール20gを入れ、攪拌し
ながら150℃で8時間保持した。冷却後、ガスクロマト
グラフィーで分析の結果、m−tert−ブチルフェニル
クロロチオホルメイト77.5g、m−tert−フェノール4.5
gであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機溶媒−水混合溶媒中、脱ハロゲン化水
    素試剤存在下、フェノール類とチオホスゲンの反応によ
    り製造した粗製フェニル クロロチオホルメイト類の溶
    液を分液後、該溶液をアルカリ水溶液により洗浄し、次
    いで蒸流することを特徴とするフェニル クロロチオホ
    ルメイト類の製造法。
JP13007288A 1988-05-30 1988-05-30 フェニル クロロチオホルメイト類の製造法 Expired - Lifetime JPH082867B2 (ja)

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