JPH08285719A - 空気圧機器の空気漏れ判定装置 - Google Patents

空気圧機器の空気漏れ判定装置

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JPH08285719A
JPH08285719A JP8582195A JP8582195A JPH08285719A JP H08285719 A JPH08285719 A JP H08285719A JP 8582195 A JP8582195 A JP 8582195A JP 8582195 A JP8582195 A JP 8582195A JP H08285719 A JPH08285719 A JP H08285719A
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JP
Japan
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pressure
air
leak
pneumatic cylinder
pneumatic
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JP8582195A
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English (en)
Inventor
Kenichi Shibayama
柴山  賢一
Kazutoshi Nakane
和敏 中根
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡素な構造で、しかも容易に空気圧シリンダ
2のシリンダチューブ6の内壁面とゴム製のOリングと
の間の空気漏れを判定することを可能にし、且つ空気圧
シリンダ2の交換時期または修理時期を判定することが
容易な空気圧シリンダ用空気漏れ判定装置1を提供す
る。 【構成】 リーク圧力測定器3を、空気圧シリンダ2の
一方の空気出入口4を介して一方側圧力室7内に一定の
1次空気圧を加える1次空気供給回路31と、空気圧シ
リンダ2の他方の空気出入口5を閉鎖し、一方側圧力室
7とピストン9により区画される他方側圧力室8のリー
ク圧力を計測するリーク圧力計44と、リーク圧力の測
定時間を設定するタイマー回路46と、リーク圧力と判
定値とを比較して、空気圧シリンダ2の良否を判定する
比較回路47と、リーク圧力の判定値に温度補正を加え
る温度補正回路49とから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、少なくとも2つ以上
の空気出入口を持ち空気圧により作動する空気圧機器の
空気漏れを判定する空気漏れ判定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気圧機器、例えば空気圧シ
リンダ100は、図12に示したように、2個の空気出
入口101、102を持つシリンダチューブ103、こ
のシリンダチューブ103の内部空間を2個の圧力室1
04、105に区画するピストン106、およびこのピ
ストン106と結合されたピストンロッド107等から
構成されている。
【0003】なお、ピストン106は、シリンダチュー
ブ103の内壁面にゴム製のシール材(図示せず)を介
して摺動自在に支持されている。また、ピストンロッド
107は、シリンダチューブ103の支持部108の内
壁面にゴム製のシール材(図示せず)を介して摺動自在
に支持されている。そして、シリンダチューブ103の
内壁面とシール材との摺動部、および支持部108の内
周面とシール材との摺動部には、その気密性の確保と摺
動時の摩耗防止のために潤滑剤が塗布されている。
【0004】ここで、空気圧シリンダ100は、長期間
使用すると、ピストン106およびピストンロッド10
7の動作速度が遅くなったり、ピストン106およびピ
ストンロッド107が動作しなくなったりする等の動作
異常を起こすため、定期的に空気圧シリンダ100を交
換したり、修理したりする必要性がある。ところが、空
気圧シリンダ100は、工作機械や工具の多くに使用さ
れており、使用により徐々に動作速度が遅くなるため交
換時期または修理時期の判定が困難であった。このた
め、使用中に動作しなくなったり、何らかの動作異常が
起こった時点で急遽設備を停止して空気圧シリンダ10
0の交換または修理を行わなければならなかった。
【0005】そして、空気圧シリンダ100の動作異常
はシール材のゴムが劣化、あるいはシリンダチューブ1
03の内壁面の摩耗のため、空気漏れが生じるためであ
り、その原因の多くは、圧力室104、105内に供給
される空気中の水分や、動作中のピストンロッド107
に付着した水分がシリンダチューブ103内に滞留し、
シール材に塗布された潤滑剤を流し去ってしまい上記の
現象を早めることが判っている。
【0006】そこで、従来より、空気圧シリンダ100
の空気漏れを判定する空気漏れ判定装置110が存在す
る。この従来の空気漏れ判定装置110は、図12に示
したように、空気圧力源111に接続される空気供給口
112を有している。この空気供給口112より下流側
には、供給圧力の変動がある場合に影響を受け難いよう
測定用の空気圧を設定するためのレギュレータ(圧力制
御弁)113が接続されている。
【0007】このレギュレータ113よりも下流側には
1次空気圧力計114が接続され、その1次空気圧力計
114よりも下流側にはセレクター115が接続されて
いる。セレクター115には、2種類の絞り量を持つ絞
り孔(オリフィスリング)116、117が接続されて
いる。そして、絞り孔116、117よりも下流側には
2次空気圧力計118が接続され、その2次空気圧力計
118よりも下流側には空気圧シリンダ100の一方の
空気出入口101に接続するための配管口119が接続
されている。
【0008】従来の空気漏れ判定装置110の原理は、
流体が流れている時その流れている途中に、その流れて
いる配管より細い部分、つまり絞り孔を設けると、絞り
孔の前後の圧力をP1 、P2 、流速をv1 、v2 とする
と、P1 >P2 、流速がv1<v2 なる関係が発生する
といった流体の特性を利用したものである。これは、一
般にベルヌイの式と呼ばれる流体でのエネルギー保存の
法則を述べた理論により証明されており、位置のエネル
ギーと圧力のエネルギーと運動のエネルギーの和は常に
一定であるといったものである。
【0009】つまり、この場合、位置のエネルギーは無
視でき、絞り孔により圧力が降下し圧力のエネルギーの
減少する分、流速が上昇し運動エネルギーが増加する。
また、圧力の降下量をΔP、絞り孔を流れる空気の量
(流量)をQ、絞り孔の流体が通過することのできる開
口面積をSとすると、容易に推測できるようにQが一定
の時、ΔPはSが大きくなると小さくなり、逆にSが小
さくなるとΔPは大きくなる。
【0010】以上を従来の空気漏れ判定装置110に当
てはめて考えてみる。図12に示したように、空気供給
口112に空気圧力源111を、配管口119に空気圧
シリンダ100の空気出入口101を接続する。その後
に、セレクター115をいずれか一方に作動させると、
絞り孔116、117のどちらか一方の絞り孔を通って
空気圧シリンダ100内に空気が供給される。これによ
り、空気圧シリンダ100は内部ストッパーにあたるま
で作動する。この時、空気圧シリンダ100内で空気漏
れが生じている場合、空気圧シリンダ100の開放され
ている空気出入口102から空気が流出し、空気回路内
を空気が流れる事になる。つまり、絞り孔116、11
7のどちらか一方の絞り孔にも空気が流れ、上述した原
理により1次空気圧力計114で計測される1次空気圧
と2次空気圧力計118で計測される2次空気圧に差圧
が生じ、これにより空気漏れが検出できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに、1次空気圧と2次空気圧との差圧は空気の漏れ量
が一定の場合、絞り孔の流体が通過することのできる開
口面積により変化し、空気の漏れ量に合わせて最適な絞
り孔を用いないと圧力差が明確に発生しない場合も有り
得る。これは、圧力計の計測精度にもよるが、空気圧の
性格上いくら圧力計の精度を上げても供給圧力は必ず微
妙に変動するため、この影響を避けられるような差圧に
なるような絞り孔を用いる必要がある。
【0012】つまり、供給圧力の変動よりも大きな差圧
になるように絞り孔の開口面積が最適となるように絞り
孔を選択する必要がある。すなわち、空気圧シリンダ1
00内の空気漏れ量が大きい場合には開口面積の大きい
絞り孔にて供給圧力の変動よりも大きな差圧になるが、
空気圧シリンダ100内の空気漏れ量が微少の場合には
余程開口面積の小さい絞り孔を用いないと供給圧力の変
動よりも大きな差圧にならない。このため、従来の空気
漏れ判定装置110ではセレクター115により絞り孔
116、117を切替える機構が必要となり、また供給
圧力を空気の漏れ量に換算する場合、換算表を実験より
得たデータから作成し、それに当てはめるのであるが絞
り孔116、117の数量分だけ換算表が必要となり、
機構が複雑で測定が煩雑となっていた。
【0013】この発明の目的は、簡素な構造で、しかも
容易に空気圧機器の良否を判定することが可能な空気圧
機器の空気漏れ判定装置を提供することにあり、且つ、
空気圧機器の交換時期または修理時期を判定することが
容易な空気圧機器の空気漏れ判定装置を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、少なくとも2個の空気出入口を持つシリンダチュー
ブ、およびこのシリンダチューブ内を前記少なくとも2
個の空気出入口のうちの一方の空気出入口に連通する一
方側圧力室と他方の空気出入口に連通する他方側圧力室
とに区画するピストンを有する空気圧機器と、前記一方
の空気出入口を介して前記一方側圧力室内に空気圧を加
える空気供給手段と、前記他方の空気出入口を閉鎖した
状態で、前記他方側圧力室内の空気圧を計測する圧力計
測手段と、この圧力計測手段で計測した前記他方側圧力
室内の空気圧に基づいて前記空気圧機器の空気漏れを判
定する判定手段とを備えた技術手段を採用した。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の空気圧機器の空気漏れ判定装置に加えて、前記判定手
段は、前記圧力計測手段で計測される前記他方側圧力室
内の空気圧の測定時間を制限するタイマー回路を有する
ことを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の空気圧機器の空気漏れ判定装置
に加えて、前記空気圧機器は、前記シリンダチューブと
前記ピストンとの摺動部分にゴム製のシール材を有し、
前記判定手段は、前記圧力計測手段で計測した前記他方
側圧力室内の空気圧と前記空気圧機器の良否を判定する
基準値とを比較する比較回路、および基準値に温度補正
を加える温度補正回路を有することを特徴とする。
【0016】
【発明の作用および効果】請求項1に記載の発明によれ
ば、空気漏れが発生している空気圧機器のシリンダチュ
ーブの一方の空気出入口から一方側圧力室内に空気圧を
加えると、シリンダチューブとピストンとの間を通り一
方側圧力室から他方側圧力室内に漏れた空気が他方の空
気出入口から排気されることに着目し、排気される空気
出入口を閉鎖し、他方側圧力室内の空気圧の上昇を圧力
計測手段にて計測することにより、空気漏れを判断す
る。このため、空気圧機器内の空気の漏れが多い場合だ
けでなく、空気の漏れが微少な場合でも時間をかければ
他方側圧力室内の空気圧は必ず上昇するため空気圧機器
内の空気の漏れが測定できる。よって、簡素な構造であ
りながらも、他方側圧力室内の空気圧に基づいて空気圧
機器内の空気漏れを容易に判定することができる。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、タイマー
回路により圧力計測手段で計測される他方側圧力室内の
空気圧の測定時間を制限しているので、他方側圧力室内
の空気圧が一方側圧力室内に加える空気圧と同一になる
ことを防止できるので、空気圧機器内の空気漏れを正確
に判定することができる。請求項3に記載の発明によれ
ば、シリンダチューブとピストンとの摺動部分の気密性
を確保するシール材がゴム製のため温度変化によりシー
ル材の収縮量が異なり、一方側圧力室内から他方側圧力
室内への空気の漏れ量が変化するが、比較回路の基準値
に温度補正を加える温度補正回路を設けているので、空
気圧機器の周囲の環境温度によらず、空気圧機器内の空
気漏れを正確に判定することができる。
【0018】
【実施例】
〔実施例の構成〕次に、この発明の空気圧機器の空気漏
れ判定装置を、空気圧シリンダ用空気漏れ判定装置に適
用した実施例に基づいて説明する。図1は空気圧シリン
ダ用空気漏れ判定装置を示した図である。空気圧シリン
ダ用空気漏れ判定装置1は、空気圧を受けると作動する
空気圧シリンダ2と、この空気圧シリンダ2のリーク圧
力を測定するリーク圧力測定器3とを備えている。
【0019】ここで、空気圧シリンダ2を図2に基づい
て簡単に説明する。この空気圧シリンダ2は、本発明の
空気圧機器であって、アクチュエータとして工作機械ま
たは工具に組み込まれ、シリンダ力が有効断面積および
差圧に比例するような直線運動を行う空気圧作動機器
(片ロッド型空気圧シリンダ)である。
【0020】そして、空気圧シリンダ2は、2個の空気
出入口4、5を持つシリンダチューブ6、このシリンダ
チューブ6内を一方側圧力室7と他方側圧力室8とに区
画するピストン9、およびこのピストン9と結合してそ
の運動をシリンダチューブ6の外部に伝達する伝達手段
としての棒状のピストンロッド10等から構成されてい
る。
【0021】シリンダチューブ6は、ピストン9を摺動
自在に支持する円筒体である。このシリンダチューブ6
は、シリンダチューブ6の一方の開口端には、空気出入
口4を持ちヘッドカバー11が装着されている。また、
シリンダチューブ6の他方の開口端には、空気出入口5
およびピストンロッド10を摺動自在に支持する支持部
としての円筒状部12を持つロッドカバー13が装着さ
れている。
【0022】このロッドカバー13の円筒状部12の内
周面には、ピストンロッド10の外周面に接触するゴム
製のロッドパッキン14が装着されている。なお、ヘッ
ドカバー11の内側面は、ピストン9の図示上方向の移
動を規制するストッパー面15として機能する。また、
ロッドカバー13の内側面は、ピストン9の図示下方向
の移動を規制するストッパー面16として機能する。
【0023】ピストン9は、一方側圧力室7内の空気圧
と他方側圧力室8内の空気圧との差圧に応じて、シリン
ダチューブ6内を往復運動するもので、外周面にシリン
ダチューブ6の内壁面に接触するゴム製のOリング17
を装着している。そして、ピストン9の一方側圧力室7
内に突出した一方側軸状部18の外周面には、ヘッドカ
バー11の内壁面に接触するゴム製のOリング19が装
着されている。また、ピストン9の他方側圧力室8内に
突出した他方側軸状部21の外周面には、ロッドカバー
13の内壁面に接触するゴム製のOリング22が装着さ
れている。
【0024】この実施例の空気圧シリンダ2では、シリ
ンダチューブ6とOリング17との接触部(空気漏れ
部)、およびロッドパッキン14とピストンロッド10
との接触部(空気漏れ部)の気密性確保と摺動時の摩耗
防止のため、シリンダチューブ6、ヘッドカバー11お
よびロッドカバー13の内周面に潤滑剤(例えばグリー
ス)が塗布されている。
【0025】空気圧シリンダ2を作動させる場合には、
どちらか一方の空気出入口4、5に空気圧を加えると、
シリンダチューブ6とピストン9とはOリング17によ
ってシールされているため、ピストン9は一方側圧力室
7内の空気圧と他方側圧力室8内の空気圧との差圧を受
け、ヘッドカバー11側またはロッドカバー13側へ動
き始め、ヘッドカバー11のストッパー面15またはロ
ッドカバー13のストッパー面16に当たる所で停止す
る。この時、一般に他方の空気出入口5、4は大気に開
放されている。
【0026】リーク圧力測定器3は、空気漏れを測定す
る空気圧シリンダ2の一方の空気出入口4に一定の供給
圧力(1次空気圧力と言う:例えば3.5kg/cm2 )を
供給する1次空気供給回路31、空気圧シリンダ2の良
否を判定する判定制御装置32、およびこれらを収納す
るハウジング33等から構成されている。ハウジング3
3には、コンプレッサ等の空気圧力源34より空気圧が
供給される空気供給口35、空気圧シリンダ2へ空気圧
を加えるための空気出力口36、および空気圧シリンダ
2のリーク圧力を入力させる空気入力口37が形成され
ている。これらの空気供給口35、空気圧出力口36お
よび空気入力口37には、円管形状の接続配管38〜4
0が接続される。
【0027】1次空気供給回路31は、レギュレータ4
1、1次空気圧力計42および切替スイッチ43を接続
している。レギュレータ41は、空気圧力源34からの
供給圧力に変動がある場合にその影響を受け難いよう測
定用の空気圧(例えば3.5kg/cm2 )を設定するため
の圧力制御弁である。1次空気圧力計42は、測定用の
空気圧を測定するための圧力測定手段である。切替スイ
ッチ43は、空気圧シリンダ2への1次空気圧力の供給
および遮断を切り替える切替制御弁である。
【0028】判定制御装置32は、本発明の判定手段で
あって、空気圧シリンダ2の他方側圧力室8内の2次側
空気圧力(リーク圧力)を計測するための2次空気圧力
計測手段としてのリーク圧力計44、および空気圧シリ
ンダ2の周囲の温度(測定環境温度)を検出する温度検
出手段としての温度センサ45を有している。そして、
判定制御装置32は、タイマー回路46、比較回路4
7、表示回路48および温度補正回路49とを備えてい
る。リーク圧力計44は、ハウジング33の空気入力口
37に閉塞配管51を介して接続されている。なお、接
続配管40および閉塞配管51を接続した配管は、他方
の空気出入口5からリーク圧力計44までの配管長さが
例えば750mmで、配管内径がφ4mmである。
【0029】タイマー回路46は、空気圧シリンダ2の
リーク圧力の測定時間を設定する測定時間設定手段であ
る。比較回路47は、リーク圧力計44で計測されたリ
ーク圧力と予め設定されたリーク圧力の判断値との比較
結果に基づいて、空気圧シリンダ2の良否を判定する判
定手段である。
【0030】本例では、リーク圧力の判断値は、空気圧
シリンダ2の内径がφ40、1次空気圧力を3.5kg/
cm2 とした時に、2.7kg/cm2 に設定している。な
お、空気圧シリンダ2の内径がφ40より大きい場合に
はリーク圧力の判断値を2.7kg/cm2 より上げ、内径
がφ40より小さい場合にはリーク圧力の判断値を2.
7kg/cm2 より下げるようにすると、リーク圧力と判断
値との比較がより正確となる。
【0031】表示回路48は、リーク圧力計44で計測
されたリーク圧力を表示すると共に、比較回路47の比
較結果、つまり空気圧シリンダ2の良否判定を表示する
表示手段である。なお、空気圧シリンダ2内に空気漏れ
が発生し、修理時期または交換時期と判定される場合に
ブザー等の表示手段により知らせるようにしても良い。
温度補正回路49は、温度センサ45で検出した温度に
基づいてリーク圧力の判断値に温度補正を加えるための
温度補正手段である。
【0032】〔実施例の測定方法〕次に、この実施例の
空気の漏れ具合の測定方法を図1ないし図5に基づいて
簡単に説明する。
【0033】リーク圧力測定器3の空気供給口35に接
続配管38を介して空気圧力源34を接続する。空気圧
力源34から空気供給口35を通ってリーク圧力測定器
3の1次空気供給回路31内に供給された空気は、レギ
ュレータ41によって供給圧力の変動の影響を受け難く
するため供給圧力より減圧させられ、測定用の1次空気
圧力(例えば3.5kg/cm2 )に設定される。この時、
切替スイッチ43は閉じておき、1次空気圧力計42に
示される1次空気圧力を確認する。
【0034】次に、空気の漏れ具合を測定する空気圧シ
リンダ2とリーク圧力測定器3との接続を行う。すなわ
ち、空気出力口36に接続配管39を介して、空気圧シ
リンダ2の一方の空気出入口4を接続する。
【0035】次に、切替スイッチ43を空気圧シリンダ
2内へ空気が供給されるように切り替えると、測定用の
1次空気圧力が一方の空気出入口4を通って一方側圧力
室7内に供給され、ピストン9が動作し内部のストッパ
ー面16に係止される。ここで、空気圧シリンダ2内で
空気漏れが発生している場合、ピストン9とシリンダチ
ューブ6の接触部、つまりOリング17とシリンダチュ
ーブ6の内壁面との間を通して空気が漏れる。また、ピ
ストンロッド10とロッドカバー13の接触部、つまり
ロッドパッキン14とピストンロッド10の外周面との
間を通して空気が漏れる。
【0036】次に、空気圧シリンダ2の他方の空気出入
口5の閉鎖を行うと同時に、判定制御装置32のタイマ
ー回路46を作動させ、予め設定された設定時間(例え
ば1分間)が経過した後のリーク圧力をリーク圧力計4
4で計測する。このリーク圧力計44で計測されたリー
ク圧力は表示回路48にて表示される。この時、比較回
路47にて良否判定基準に従って、リーク圧力計44に
より計測されたリーク圧力を良否判定し、その判定結果
が表示回路48にて表示される。
【0037】この良否判定基準とは、ある所定の1次空
気圧力(例えば3.5kg/cm2 )の時、ある設定時間
(例えば1分間)が経過した後のリーク圧力計44で計
測されたリーク圧力がある判断値以上になると、空気圧
シリンダ2内の空気漏れ量が多く、空気圧シリンダ2の
修理または交換が必要であるといったリーク圧力の判断
値(例えば2.7kg/cm2 )のことである。このリーク
圧力の判断値は、下述するように、予め実験により1次
空気圧力と漏れ量との関係、温度と漏れ量との関係およ
び配管の容積(配管長さと断面積)と漏れ量を求めてお
き、これに従い、温度補正回路49により温度補正をか
けたものである。
【0038】また、上述した空気圧シリンダ2のロッド
パッキン14から外部へ空気が漏れる場合は非常に稀で
あるが、本装置では切替スイッチ43を閉じている時
と、開けた時とで1次空気圧力に差がある場合はピスト
ンロッド10とロッドカバー13との接触部から空気が
漏れていると判定することができる。
【0039】〔実験例〕次に、1次空気圧力を変化させ
て、空気圧シリンダ2の漏れ量がどのように変化するか
調査した実験について説明する。第1の実験は、リーク
圧力測定器3のレギュレータ41により空気圧シリンダ
2の一方側圧力室7内に供給される測定用の空気圧(1
次空気圧力)を2.5kg/cm2 〜4.5kg/cm2 まで
0.5kg/cm2 ずつ変化させて、空気圧シリンダ2の他
方側圧力室7内のリーク圧力(1分間の累積値)を調査
したもので、その実験結果を図3のグラフに示した。こ
の図3のグラフからも分かるように、1次空気圧力が上
昇するに従ってリーク圧力も上昇し、1次空気圧力が下
降するに従ってリーク圧力も下降する。
【0040】第2の実験は、気温が17℃〜20℃の
時、1次空気圧力を3.5kg/cm2 に設定して空気圧シ
リンダ2の他方側圧力室8内のリーク圧力(1分間の累
積値)を変化させて、空気圧シリンダ2内の漏れ量(リ
ーク量)を水没テストにより調査したもので、その実験
結果を図4のグラフに示した。この図4のグラフからも
分かるように、リーク圧力が上昇するに従ってリーク量
が増加し、リーク圧力が下降するに従ってリーク量も減
少する。したがって、空気圧シリンダ2の良否判定基準
であるリーク圧力の判断値は、1次空気圧力を大きくし
た場合には大きい値に設定し、1次空気圧力を小さくし
た場合は小さい値に設定する必要がある。
【0041】次に、リーク圧力測定器3の判定制御装置
32に温度補正回路49を設ける理由を簡単に説明す
る。空気圧シリンダ2の空気漏れ部(シール材)として
のOリング17およびロッドパッキン14は一般にゴム
製のため、空気圧シリンダ2の環境温度が低下すると収
縮し、環境温度が上昇すると膨張する。
【0042】ここで、空気圧シリンダ2の環境温度を変
化させながらリーク圧力(1分間の累積値)を調査した
実験について説明する。この実験は、温度センサとして
サーミスタ温度計を用い、約0℃まで冷却してから15
℃まで自然放置して昇温し、以降は電気ヒータで昇温し
て3℃毎のリーク圧力(1分間の累積値)を調査したも
ので、その調査結果を図5のグラフに表した。
【0043】この図5のグラフからも明らかなように、
空気圧シリンダ2の環境温度が低下するとリーク圧力が
増加し、環境温度が上昇するとリーク圧力が減少する。
したがって、この実施例では、温度変化によってリーク
圧力が変化するため実験により求められた温度補正を加
えるようにしている。
【0044】次に、リーク圧力測定器3の判定制御装置
32にタイマー回路46を設ける理由を簡単に説明す
る。空気圧シリンダ2内に空気漏れが発生している場合
には、リーク圧力が時間を無制限とすると最終的には1
次空気圧力と同一になるため、空気の漏れ具合を判定す
るために、ある所定の時間でのリーク圧力で判定する必
要があり、そのリーク圧力の測定時間を設定するために
タイマー回路46が必要となる。
【0045】ここで、接続配管40および閉塞配管51
の配管長さを変化させた時の設定リーク圧力への到達時
間がどのように変化するかについて調べた実験について
説明する。実験は、配管の内径をφ4に固定し、配管長
さを1m、1.5m、2m、2.5m、3mのように変
化させて、設定リーク圧力への到達時間を調査したもの
で、その実験結果を図6のグラフ〜図11のグラフに示
す。なお、設定リーク圧力は、図6では0.5kg/c
m2 、図7では1.0kg/cm2 、図8では1.5kg/cm
2 、図9では2.0kg/cm2 、図10では2.5kg/cm
2 、図11では3.0kg/cm2 である。また、図6のグ
ラフ〜図11のグラフにおいて、○は配管長さ1m、●
は配管長さ1.5m、△は配管長さ2m、▲は配管長さ
2.5m、■は配管長さ3mの時の値である。
【0046】これらのグラフから分かるように、空気圧
シリンダ2の他方の空気出入口5からリーク圧力計44
までの配管の容積(=配管長さ×配管の断面積)によ
り、リーク圧力が設定リーク圧力に到達するまでの到達
時間が変化するので、これを基に必要測定時間を算出す
る。したがって、1次空気圧力を一定の圧力(例えば
3.5kg/cm2 )とした場合でも、接続配管40および
閉塞配管51の容積(=配管長さ×断面積)によってあ
る設定リーク圧力(例えば2.7kg/cm2 )にリーク圧
力が到達するまでの時間が異なる。このため、タイマー
回路46で設定されるリーク圧力の測定時間は、接続配
管40および閉塞配管51の容積(=配管長さ×断面
積)の違いによっても変化させる必要がある。
【0047】〔実施例の効果〕以上のように、空気圧シ
リンダ用空気漏れ判定装置1は、空気圧シリンダ2の2
個の空気出入口4、5の一方の空気出入口に一定の1次
空気圧力を加え、他方の空気出入口を閉鎖し、この他方
の空気出入口に連通する圧力室内の空気圧の上昇によ
り、空気圧シリンダ2内部で空気漏れが発生しているか
否かを容易に判断することができる。また、微少な空気
漏れであっても、リーク圧力の測定時間を長くすること
により、空気が漏れている限り、必ず他方側圧力室内の
圧力は上昇するため、微少な空気の漏れの発生も判定す
ることができる。
【0048】さらに、リーク圧力測定器3の判定制御装
置32にタイマー回路46を追加することにより、リー
ク圧力が上昇し始めてから、任意の時間でのリーク圧力
の測定が可能となり、予め実験により、その空気圧シリ
ンダ2に使用する空気に関する使用限界を求めておけ
ば、その空気圧シリンダ2が使用可能か否かの判定が可
能となる。また、空気圧シリンダ2の通常の使用期間中
にある一定期間(例えば1週間)毎のリーク圧力をリー
ク圧力測定器3で測定して、リーク圧力の判断値以上に
空気圧シリンダ2のリーク圧力が到達する時期を予測す
ることができる。
【0049】これにより、空気圧シリンダ2をアクチュ
エータとして用いる工作機械や工具等を空気圧シリンダ
2の動作異常により突然停止させて、空気圧シリンダ2
を交換または修理するのではなく、事前に空気圧シリン
ダ2の交換時期または修理時期を予測することにより計
画的に工作機械や工具等を停止させることができる。す
なわち、工作機械や工具等の稼働率を向上することがで
きる。
【0050】〔変形例〕この実施例では、空気圧シリン
ダ(片ロッド型空気圧シリンダ)の空気漏れを判定した
が、空気圧機器として両ロッド型空気圧シリンダ、クッ
ション付空気圧シリンダ、可変行程空気圧シリンダ、デ
ュアル行程空気圧シリンダ、タンデム型空気圧シリン
ダ、真空シリンダ、負圧ブレーキブースタ等の空気圧作
動機器の空気漏れを判定しても良い。また、圧縮機、送
風機等の空気圧発生機器等の空気圧機器の空気漏れを判
定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気圧シリンダ用空気漏れ判定装置を示した構
成図である(実施例)。
【図2】空気圧シリンダを示した断面図である(実施
例)。
【図3】1次空気圧力とリーク圧力との関係を示したグ
ラフである(実験例)。
【図4】リーク圧力とリーク量との関係を示したグラフ
である(実験例)。
【図5】環境温度とリーク圧力との関係を示したグラフ
である(実験例)。
【図6】到達時間とリーク圧力との関係を示したグラフ
である(実験例)。
【図7】到達時間とリーク圧力との関係を示したグラフ
である(実験例)。
【図8】到達時間とリーク圧力との関係を示したグラフ
である(実験例)。
【図9】到達時間とリーク圧力との関係を示したグラフ
である(実験例)。
【図10】到達時間とリーク圧力との関係を示したグラ
フである(実験例)。
【図11】到達時間とリーク圧力との関係を示したグラ
フである(実験例)。
【図12】空気圧シリンダ用空気漏れ判定装置を示した
構成図である(従来例)。
【符号の説明】
1 空気圧シリンダ用空気漏れ判定装置 2 空気圧シリンダ(空気圧機器) 3 リーク圧力測定器 4 空気出入口 5 空気出入口 6 シリンダチューブ 7 一方側圧力室 8 他方側圧力室 9 ピストン 10 ピストンロッド 14 ロッドパッキン 17 Oリング(シール材) 32 判定制御装置(判定手段) 44 リーク圧力計(圧力計測手段) 46 タイマー回路 47 比較回路 49 温度補正回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)少なくとも2個の空気出入口を持つ
    シリンダチューブ、およびこのシリンダチューブ内を前
    記少なくとも2個の空気出入口のうちの一方の空気出入
    口に連通する一方側圧力室と他方の空気出入口に連通す
    る他方側圧力室とに区画するピストンを有する空気圧機
    器と、 (b)前記一方の空気出入口を介して前記一方側圧力室
    内に空気圧を加える空気供給手段と、 (c)前記他方の空気出入口を閉鎖した状態で、前記他
    方側圧力室内の空気圧を計測する圧力計測手段と、 (d)この圧力計測手段で計測した前記他方側圧力室内
    の空気圧に基づいて前記空気圧機器の空気漏れを判定す
    る判定手段とを備えた空気圧機器の空気漏れ判定装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の空気圧機器の空気漏れ判
    定装置において、 前記判定手段は、前記圧力計測手段で計測される前記他
    方側圧力室内の空気圧の測定時間を制限するタイマー回
    路を有することを特徴とする空気圧機器の空気漏れ判定
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の空気圧機
    器の空気漏れ判定装置において、 前記空気圧機器は、前記シリンダチューブと前記ピスト
    ンとの摺動部分にゴム製のシール材を有し、 前記判定手段は、前記圧力計測手段で計測した前記他方
    側圧力室内の空気圧と前記空気圧機器の良否を判定する
    基準値とを比較する比較回路、および基準値に温度補正
    を加える温度補正回路を有することを特徴とする空気圧
    機器の空気漏れ判定装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104236817A (zh) * 2014-09-24 2014-12-24 吉林大学 一种柱塞缸套动密封性能测试方法和装置
CN105606318A (zh) * 2015-11-26 2016-05-25 上海市计量测试技术研究院 一种气密检漏仪的校准方法及校准装置
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