JPH08285067A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JPH08285067A
JPH08285067A JP10714395A JP10714395A JPH08285067A JP H08285067 A JPH08285067 A JP H08285067A JP 10714395 A JP10714395 A JP 10714395A JP 10714395 A JP10714395 A JP 10714395A JP H08285067 A JPH08285067 A JP H08285067A
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valve
pressure
hydraulic
supply
modulator
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JP10714395A
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Mamoru Kurosawa
守 黒沢
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Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動変速機の油圧制御装置におけるコースト
モジュレータバルブ数を削減し、小型化とコストダウン
を図る。 【構成】 油圧制御装置は、1本のモジュレータバルブ
32にて減圧された油圧(PM )を、変速レンジに応じ
て切り換わる切換手段33,38で振り分け、いずれか
の供給オリフィス34,35を経て、係合圧(PB 1 ,
B 3 )の立ち上がりを調整しつつ、各エンジンブレー
キ用摩擦係合要素B1,B3の油圧サーボ(B−1,B
−3)へ選択的に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の油圧制御
装置に関し、特に該油圧制御装置によるエンジンブレー
キ用摩擦係合要素の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機において、エンジンブレーキ
を必要とする場合に係合される摩擦係合要素のトルク容
量は、エンジン駆動時に係合させる摩擦係合要素のトル
ク容量に対して小さいため、同様の高い油圧を供給する
と、シフト時に摩擦係合要素の係合により生じるシフト
ショックが大きくなる。そこで、従来、エンジンブレー
キ用摩擦係合要素の油圧サーボには、コーストモジュレ
ータバルブにより本来の変速レンジ圧より減圧した油圧
が供給されるようにしている。さらに、例えば、前進4
速の変速機の場合、エンジンブレーキ時の“S”レンジ
第2速で係合する摩擦係合要素と、“L”レンジ第1速
で係合する摩擦係合要素とでもトルク容量が異なるた
め、マニュアルバルブを経て供給されるレンジ圧は、
“S”レンジ専用のセカンドコーストモジュレータバル
ブと“L”レンジ専用のローコーストモジュレータバル
ブとでそれぞれ別個にトルク容量に応じた所定の油圧に
減圧され、係合圧の立ち上がりを制御する各個別の供給
オリフィスを経て、それぞれの摩擦係合要素の油圧サー
ボへ供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらのモ
ジュレータバルブは、そのバルブスプールの受圧面に作
用させるフィードバック油圧と、それに対抗するスプリ
ング負荷との荷重の釣合いによる微妙なバランスで減圧
を行う構成とされているため、切換バルブやオンオフバ
ルブに比べて高い精度を必要とし、こうした高精度のバ
ルブを複数個設けることはコストアップとなる。また、
自動変速機の油圧制御装置における各バルブ類は、共通
のバルブボディ内に並列に配設されるが、上記のように
摩擦係合要素に応じて個々にモジュレータバルブを設け
る回路構成では、バルブボディに配設するバルブ列数が
多くなり、油圧制御装置の小型化、コストダウン、部品
点数の減少、重量の削減等の妨げとなる。
【0004】そこで、本発明は、複数のエンジンブレー
キ用摩擦係合要素への油圧の供給を、それらの係合特性
を変えることなく、単一のモジュレータバルブにより行
えるようにした自動変速機の油圧制御装置を提供するこ
とを第1の目的とする。
【0005】また、従来の油圧制御装置は、選択された
それぞれの変速レンジにおいて、車速とスロットル開度
に応じて、電子制御装置からソレノイドバルブに出力さ
れる変速信号により、各変速段間でシフトバルブの切り
換えによる変速段の切り換えを行っている関係で、これ
らの信号やソレノイドの電気的フェールに備えて、機械
的なレンジの切り換えにより、各変速レンジについて、
油圧により所定の変速段を達成する位置にシフトバルブ
をロックする回路構成とされている。例えば、セカンド
コーストモジュレータバルブとローコーストモジュレー
タバルブ双方に油圧を供給する第2−3速間で切り換わ
る2−3シフトバルブについてみれば、そのスプールの
一端に、変速信号の欠如によるソレノイド圧が印加され
て、第3、4速状態となるような場合でも、第1、2速
側にスプールを固定すべく、反対側のスプール端にマニ
ュアル弁からローコーストモジュレータバルブに供給さ
れる供給圧が印加されるようにしている。こうした機能
は、上記のような単一のモジュレータバルブによる複数
のエンジンブレーキ用摩擦係合要素への油圧の供給に際
しても維持することが望ましい。
【0006】そこで、本発明は、単一のモジュレータバ
ルブによる複数のエンジンブレーキ用摩擦係合要素への
油圧の供給を可能としながら、さらに、上記のような、
変速レンジごとに油圧による所定の変速段を達成するフ
ェールセーフ機能をも維持することができる自動変速機
の油圧制御装置を提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、それぞれ異なる変速レンジにおいてエン
ジンブレーキ達成のために係合される複数の摩擦係合要
素の油圧サーボと、各変速レンジに対応して油圧を出力
するマニュアルバルブと、該マニュアルバルブがエンジ
ンブレーキを必要とするレンジにおいて出力する油圧を
前記油圧サーボへの供給圧に減圧するモジュレータバル
ブと、該モジュレータバルブにより減圧された供給圧を
各前記油圧サーボのいずれかに選択的に供給する切換手
段と、各前記油圧サーボごとに設けられた供給オリフィ
スとを備えることを特徴とする。
【0008】また、上記第2の目的を達成するため、前
記油圧制御装置は、ソレノイド信号圧により切り換わっ
て、前記マニュアルバルブがエンジンブレーキを必要と
するレンジにおいて出力する油圧を前記モジュレータバ
ルブへ供給するシフトバルブを備え、前記切換手段は、
前記モジュレータバルブの出力する減圧された供給圧の
各油圧サーボへの供給を選択する切換バルブと、前記マ
ニュアルバルブがエンジンブレーキを必要とするレンジ
において出力する油圧により前記モジュレータバルブの
出力する減圧された供給圧を各油圧サーボのいずれかに
前記切換バルブを経由して供給する圧力応答バルブとか
らなり、前記圧力応答バルブは、前記シフトバルブと同
軸に直列に配置され、前記圧力応答バルブの弁体は、ス
プリングを挟んで前記シフトバルブの弁体に対向して配
設された構成が採られる。
【0009】
【発明の作用及び効果】上記本発明の構成では、1つの
モジュレータバルブからの減圧された供給圧が切換手段
により切り換えられ、それぞれの供給オリフィスを介し
て圧力の立ち上がりを調整されつつ摩擦係合要素の油圧
サーボへ供給される。これにより、エンジンブレーキ時
に係合するそれぞれの摩擦係合要素のトルク容量に適合
した係合圧を供給することができるので、従来、各摩擦
係合要素の油圧サーボごとに設けられていた複数のモジ
ュレータバルブを1つにすることができ、エンジンブレ
ーキ時のショックの発生を、各摩擦係合要素に対応させ
て個々にモジュレータバルブを設けた場合と同様に防止
しながら、モジュレータバルブ数の削減によるコストダ
ウンが可能となる。
【0010】また、特に請求項2に記載の構成では、ソ
レノイドフェール時のフェールセーフのため、又は特定
のレンジでの走行時に変速段を固定するために、該レン
ジ圧が供給されるシフトバルブに、圧力応答バルブをシ
フトバルブと同軸に直列に配置し、圧力応答バルブの弁
体をスプリングを挟んでシフトバルブの弁体に対向して
配設したので、従来のフェールセーフやシフトバルブの
固定機能を維持することができ、バルブ列数を増加する
ことなく圧力応答バルブを設けることができる。よっ
て、油圧制御装置の大型化やコストアップ、部品点数の
増加、重量の増大を防止することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明をフロントエンジンフロントド
ライブ車用の前進4速後進1速のギヤトレインを備える
自動変速機に適用した実施例を図面を参照しながら説明
する。図3に概念的に示すように、自動変速機Tは、ロ
ックアップクラッチ11を有するトルクコンバータ12
と、主変速ユニット14とアンダドライブプラネタリギ
ヤユニット15からなる2軸構成のギヤトレインと、ギ
ヤトレインとロックアップクラッチ11を制御する油圧
制御装置3と、油圧制御装置3を制御する電子制御装置
(ECU)2と、差動装置16とから構成されている。
【0012】なお、図において、符号Eはエンジン、C
はそのクランク軸、SN1はエンジンEのスロットル開
度θを検出するスロットルセンサ、SN2はエンジンE
の回転数NE を検出するエンジン回転センサ、SN3は
自動変速機Tの入力回転数Ninを検出する入力回転セ
ンサ、SN4は同じく出力回転数Noutを検出する出
力回転センサ、SN5は自動変速機作動油温度TA を検
出する油温センサを示す。自動変速機制御のための電子
制御装置(ECU)2は、中央演算処理装置(CP
U)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオン
リーメモリ(ROM)を備える制御コンピュータとさ
れ、車速と車両負荷(この例では、スロットル開度θ)
を検出するための上記各センサからの情報に基づき、組
込まれたプログラムに従い、油圧制御装置3の各オンオ
フソレノイドバルブ及びリニアソレノイドバルブに制御
信号を発する。
【0013】さらに各部について、詳細に説明すると、
自動変速機Tのギヤトレインは、2つのプラネタリギヤ
ユニットを組合わせた主変速ユニット14と、アンダド
ライブプラネタリギヤユニット15とから構成されてい
る。そして、主変速ユニット14の両サンギヤ141,
144は、相互に連結され、ブレーキB1を介して変速
機ケース100に固定可能に、また、直列するワンウェ
イクラッチF1とブレーキB2を介して同ケース100
に固定可能とされている。前段のリングギヤ143はク
ラッチC1を介して、また、サンギヤ141はクラッチ
C2を介して、それぞれタービン軸に連結する入力軸1
01に連結されている。前段のキャリア142と後段の
リングギヤ146とは出力軸102に連結されている。
後段のキャリア145は、並列するブレーキB3とワン
ウェイクラッチF2を介して変速機ケース100に固定
可能とされている。
【0014】これに対して、アンダドライブプラネタリ
ギヤユニット15のリングギヤ153は、主変速ユニッ
ト14にカウンタ軸103及びカウンタギヤ149,1
50を介して連結する入力要素とされ、キャリア152
とサンギヤ151は、クラッチC3を介して連結され、
サンギヤ151は、並列するワンウェイクラッチF3及
びブレーキB4を介して変速機ケース100に固定可能
とされ、キャリア152は、ディファレンシャルギヤ1
6への出力ギヤ154に連結されている。
【0015】上記構成より成るギヤトレインでは、アン
ダドライブプラネタリギヤユニット15のクラッチC3
を解放し、ブレーキB4を係合したアンダドライブ回転
下で、主変速ユニット14のクラッチC1の係合でリン
グギヤ143に入った入力が、ワンウェイクラッチF2
の係合によるキャリア145の反力支持でリングギヤ1
46の回転として出力されて第1速、ブレーキB2の係
合によるサンギヤ141の固定でキャリア142の回転
として出力されて第2速、クラッチC2の追加係合によ
るリングギヤ143とサンギヤ141の同速回転による
主変速ユニット14の直結状態で、入力回転がそのまま
キャリア142から出力されて第3速、クラッチC3の
係合によるアンダドライブプラネタリギヤユニット15
の直結状態で第4速を達成し、クラッチC2係合、ブレ
ーキB3係合により、サンギヤ144入力、キャリア1
45固定によるリングギヤ146の逆回転でリバースを
達成する。
【0016】図4に各シフトポジションにおける上記各
クラッチ及びブレーキ並びにワンウェイクラッチ(図に
OWCと略記)の作動と、それにより達成される変速ギ
ヤ段第1速(1st)〜第4速(4th)の関係を纏め
て図表化して示す。図において、“P”はパーギング、
“R”はリバース、“N”はニュートラル、“D”はド
ライブ、“2”はセカンド、“L”はローの各シフトポ
ジションを表す。
【0017】図4を参照して明らかなように、“2”レ
ンジ、“L”レンジの第2速及び“L”レンジの第1速
において、“D”レンジと異なり、ブレーキB1及びブ
レーキB3が係合する。これらの係合が、本発明に係る
エンジンブレーキ用摩擦係合要素の係合時にあたり、第
2速では、エンジン駆動時と異なり、ブレーキB2の係
合による図3に示すサンギヤ141の固定が、ワンウェ
イクラッチF1のロック解除で解放されるため、代わっ
てブレーキB1によるサンギヤ141の固定が行われ
る。この結果、エンジンコースト時は、出力軸102か
らキャリア142に伝達される逆駆動入力が、リングギ
ヤ143、クラッチC1経由でトルクコンバータ12を
介してエンジンEに戻される。また、第1速では、ワン
ウェイクラッチF2のロック解除でキャリア145の反
力支持が解放されるので、これに代えてワンウェイクラ
ッチF2と並列するブレーキB3を係合させることで、
リングギヤ146の逆駆動入力が、キャリア145の固
定によるサンギヤ144の出力として、クラッチC1経
由でトルクコンバータ12を介してエンジンEに戻され
る。
【0018】こうした構成のギヤトレインを制御する油
圧回路は、従来の油圧制御装置の油圧回路と同様に、変
速機構中に組み込まれてオイルポンプを油圧源とし、そ
の吐出圧を前記車速とスロットル開度に応じた所定の安
定したライン圧に調圧し、セカンダリ圧を出力するプラ
イマリレギュレータバルブ、セカンダリ圧をさらに低圧
にしてトルクコンバータ供給圧に調圧し、さらに残圧を
潤滑圧として出力するセカンダリレギュレータバルブ
等、各種の調圧バルブ、マニュアルバルブ、各種ソレノ
イドバルブ、各種シフトバルブ、それらを連結する油路
中に介挿されたチェックバルブ、オリフィス等を備え
る。
【0019】図1は、上記油圧回路中の、本発明の主題
に係る部分のみを示す回路図であって、それぞれ異なる
変速レンジ(本例において、“2”レンジ及び“L”レ
ンジ)においてエンジンブレーキ達成のために係合させ
る複数の摩擦係合要素(同じく、ブレーキB1及びブレ
ーキB3)の油圧サーボ(B−1,B−3)と、各変速
レンジに対応して油圧を出力するマニュアルバルブ31
と、マニュアルバルブ31がエンジンブレーキを必要と
するレンジにおいて出力する油圧(同じく、“2”レン
ジ圧及び“L”レンジ圧)を油圧サーボ(B−1,B−
3)への供給圧(PM )(以下、実施例の説明におい
て、これをモジュレータ圧という)に減圧するモジュレ
ータバルブ32と、モジュレータバルブ32により減圧
されたモジュレータ圧(PM )を各油圧サーボ(B−
1,B−3)のいずれかに選択的に供給する切換手段
(本例において、1−2シフトバルブ38及び圧力応答
バルブ33)と、各エンジンブレーキ用摩擦係合要素B
1,B3の油圧サーボ(B−1,B−3)ごとに設けら
れた供給オリフィス34,35とを備える。
【0020】この油圧回路には、図2に拡大して詳細を
示すように、ソレノイド信号圧により切り換わって、マ
ニュアルバルブ31がエンジンブレーキを必要とするレ
ンジにおいて出力する油圧をモジュレータバルブ32へ
供給する2−3シフトバルブ36が設けられ、切換手段
は、モジュレータバルブ32の出力する減圧されたモジ
ュレータ圧(PM )を各油圧サーボ(B−1,B−3)
のいずれかに供給する切換バルブ(本例において1−2
シフトバルブ38)と、マニュアルバルブ31がエンジ
ンブレーキを必要とするレンジにおいて出力する油圧に
より、モジュレータバルブ32の出力する減圧されたモ
ジュレータ圧(PM )を各油圧サーボ(B−1,B−
3)のいずれかに切換バルブ(本例において1−2シフ
トバルブ38)を経由して供給する圧力応答バルブ33
とからなり、圧力応答バルブ33は、2−3シフトバル
ブ36と同軸に直列に配置され、圧力応答バルブ33の
弁体すなわちスプール33aは、スプリング39を挟ん
で2−3シフトバルブ36の弁体36aに対向して配設
されている。なお、図3において、符号37は2−3シ
フトバルブ36のスプール端に信号オフ状態でソレノイ
ド圧(PS )を印加する常閉形のソレノイドバルブを示
す。また、両シフトバルブにおいて、それの中心線を挟
んで左右に振り分けて描かれた弁体位置は、両バルブの
上方に同様に振り分けて記載された各変速段を表す数字
と対応している。
【0021】マニュアルバルブ31の“D”レンジ圧出
力ポートP2は、油路R2を介して2−3シフトバルブ
36のスプール端の油室に接続され、“2”レンジ圧出
力ポートP3は、油路R3を介して2−3シフトバルブ
36の入力ポート361に接続され、“L”レンジ圧出
力ポートP4は、油路R4を介して圧力応答バルブ33
のスプール端の油室に通じるポート330に接続されて
いる。さらに、2−3シフトバルブ36の出力ポート3
62は、油路R5を介してモジュレータバルブ32の入
力ポート321に接続されており、モジュレータバルブ
32の出力ポート322は、油路R6及びその先で分岐
した一方の油路R7を介して圧力応答バルブ33の入力
ポート331に接続され、分岐した他方の油路R8は、
1−2シフトバルブ38の一方の入力ポート381に接
続されている。また、圧力応答バルブ33の出力ポート
332は、油路R9を介して1−2シフトバルブ38の
他方の入力ポート383に接続されている。圧力応答バ
ルブ33の弁体33aは、入力ポート331を出力ポー
ト332に連通させる周溝を挟み両端にランド333,
334を有するスプールとされており、一端のランド3
33がポート330から印加される“L”レンジ圧(P
L )の受圧面とされ、他端のランド334は、スプリン
グ39の当接面とされている。最後に、1−2シフトバ
ルブ38の一方の出力ポート382は、油路R10及び
供給オリフィス34を介してブレーキB1の油圧サーボ
(B−1)に接続され、1−2シフトバルブ38の他方
の出力ポート384は、油路R11及び供給オリフィス
35を介してブレーキB3の油圧サーボ(B−3)に接
続されている。
【0022】ところで、オリフィスを通る流れは、流量
をQ、オリフィス径をd、流量係数をc、重力の加速度
をg、自動変速機作動油(ATF)比重量をγ、オリフ
ィス前後の差圧を△Pとして、一般に Q=(π/4)・d2 ・c√{(2g/γ)・ΔP} で表すことができる。そこで、共通のモジュレータ圧を
使用したうえで、各々のブレーキB1,B3の油圧サー
ボ(B−1,B−3)に至る供給油路R10,R11中
に介挿された供給オリフィス34,35の径で係合圧
(モジュレータ圧の立ち上がり)の違いを生じさせる本
例では、モジュレータ圧(PM )は、従来のセカンドコ
ーストモジュレータバルブの出力圧と同等とし、低いモ
ジュレータ圧の係合要素すなわちブレーキB3の供給オ
リフィスは、その径をd3 として、 d'3 2√ΔP' M 3 ≒d3 2 √ΔP' M 1 の関係が成り立つように設定する。ここに、d’3 は従
来の低圧側のオリフィス径、ΔP' M 3 は従来の低モジ
ュレータ圧によるオリフィス前後の差圧、ΔP'M 1
従来の高モジュレータ圧によるオリフィス前後の差圧と
する。
【0023】このように構成された図1に示す油圧回路
では、“D”レンジ圧出力ポートP2のみがライン圧供
給ポートP1に連通する“D”レンジの第2速及び第1
速においては、常閉ソレノイドバルブ37のソレノイド
信号オンによるソレノイド圧(PS )の解放で、2−3
シフトバルブ36のスプール36aが上方に変位した状
態に置かれている。したがって、2−3シフトバルブ3
6下流側の回路には、油圧の供給がなされず、両ブレー
キB1,B3の油圧サーボ(B−1,B−3)への油圧
の供給はなされない。
【0024】これに対して、マニュアルバルブ31が
“2”レンジ位置に切り換えられると、“2”レンジ圧
出力ポートP3もライン圧供給ポートP1に連通する。
この結果、2−3シフトバルブ36を経て油圧がモジュ
レータバルブ32に供給されるようになる。モジュレー
タバルブ32で所定のモジュレータ圧(PM )に減圧さ
れた油圧は、1−2シフトバルブ38経由で、B−1供
給オリフィス34を経て所定の上昇率で上昇する油圧
(PB 1 )としてブレーキB1の油圧サーボ(B−1)
に供給される。
【0025】次に、マニュアルバルブ31が“L”レン
ジ位置に切り換えられると、“L”レンジ圧出力ポート
P4もライン圧供給ポートP1に連通する。この結果、
圧力応答バルブ33のスプール33a端にポート330
から油圧が印加され、スプール33aはスプリング39
を圧縮して上方に変位する。これによりモジュレータバ
ルブ32で減圧されたモジュレータ圧(PM )は、圧力
応答バルブ33経由で、1−2シフトバルブ38に供給
されるようになり、別途ソレノイド信号圧でスプール3
85を下方変位した1−2シフトバルブ38経由で、今
度はB−3供給オリフィス35を経た所定のより緩やか
な上昇率で上昇する油圧(PB 3 )としてブレーキB3
の油圧サーボ(B−3)に供給される。一方、ブレーキ
B1の油圧サーボ(B−1)に供給されていた油圧は、
1−2シフトバルブ38のドレーン連通で排出される。
【0026】図5及び図6は、上記のように調圧される
油圧の特性を、従来の個々のモジュレータバルブにより
調圧した場合との比較において示しており、より高い係
合圧(PB 1 )を必要とするブレーキB1について、従
来の場合と同様の特性が維持される。これに対して、ブ
レーキB3については、所定の時間t1 に対する圧力上
昇の割合は、B−3供給オリフィス35による調圧作用
で、従来の場合と同様となるが、最終的な油圧は、同じ
モジュレータバルブ32のモジュレータ圧(PM )を用
いているところから、ブレーキB1に対するモジュレー
タ圧(PM )と同様となる。しかしながら、エンジンブ
レーキ用摩擦係合要素に対する油圧供給において、ショ
ックを生じさせるかどうかは、その係合過程における圧
力上昇の割合に関わるだけであるから、最終的な油圧の
高低は特に問題とならない。
【0027】以上、要するに、上記実施例では、1つの
モジュレータバルブ32からのモジュレータ圧(PM
を切換手段により切り換え、それぞれの供給オリフィス
34,35を介することによりエンジンブレーキ時に係
合する摩擦係合要素B1,B3のトルク容量に適合した
係合圧(PB 1 , B 3 )として供給することができる
ので、2つのモジュレータバルブを1つにすることがで
き、コストダウンを図りながら、エンジンブレーキ時の
ショックを防止することができる。さらに、切換手段に
ついては、その一方の圧力応答バルブ33を2−3シフ
トバルブ36と直列に設け、他方を1−2シフトバルブ
38を利用した構成としているので、切換手段を設けた
ことによるバルブ列数の増加を避けることができる。さ
らに、ソレノイドフェール時のフェールセーフのため、
又は“L”レンジ時に変速段を固定するために“L”レ
ンジ圧が供給される2−3シフトバルブ36に、圧力応
答バルブ33を該シフトバルブ36に配設されるスプリ
ング39を挟んで対向して設けたので、従来のフェール
セーフ機能やシフトバルブの固定機能を維持をすること
ができる。さらに具体的にいえば、バルブの列数1列の
削減と、バルブ、スプリング各1つの削減が可能とな
る。したがって、油圧制御装置の小型化やコストダウ
ン、部品点数の減少、重量の削減が可能となる。また、
一般に、“L”レンジの第1速(1st)へのシフト
は、“2”レンジの第2速(2nd)のエンジンブレー
キ状態からのシフトの場合が多いので、“L”レンジの
第1速(1st)へのシフト時には、すでに安定した調
圧状態にあるモジュレータバルブ32から油圧サーボ
(B−3)への油圧供給となるため、“L”レンジシフ
ト時のエンジンブレーキの効きの応答性が向上し、バラ
ツキが減少する利点を得られる。
【0028】以上、本発明を1つの実施例に基づき詳説
したが、本発明は、特許請求の範囲に記載の事項の範囲
内で種々に細部の具体的な構成を変更して実施すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る自動変速機の油圧制御装
置の回路図である。
【図2】上記油圧制御装置のシフトバルブと切換バルブ
の拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る自動変速機の全体構成を
機構部をスケルトンで示すブロック図である。
【図4】上記自動変速機の作動図表である。
【図5】従来のモジュレータバルブによるエンジンブレ
ーキ用摩擦係合要素への供給油圧の特性図である。
【図6】本発明の実施例に係るモジュレータバルブによ
るエンジンブレーキ用摩擦係合要素への供給油圧の特性
図である。
【符号の説明】
T 自動変速機 B1,B3 ブレーキ(摩擦係合要素) B−1,B−3 油圧サーボ 31 マニュアルバルブ 32 モジュレータバルブ 33 圧力応答バルブ 33a スプール(弁体) 34,35 供給オリフィス 36 2−3シフトバルブ(シフトバルブ) 36a スプール(弁体) 38 1−2シフトバルブ(切換バルブ) 39 スプリング
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ異なる変速レンジにおいてエン
    ジンブレーキ達成のために係合される複数の摩擦係合要
    素の油圧サーボと、 各変速レンジに対応して油圧を出力するマニュアルバル
    ブと、 該マニュアルバルブがエンジンブレーキを必要とするレ
    ンジにおいて出力する油圧を前記油圧サーボへの供給圧
    に減圧するモジュレータバルブと、 該モジュレータバルブにより減圧された供給圧を各前記
    油圧サーボのいずれかに選択的に供給する切換手段と、 各前記油圧サーボごとに設けられた供給オリフィスとを
    備えることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記油圧制御装置は、ソレノイド信号圧
    により切り換わって、前記マニュアルバルブがエンジン
    ブレーキを必要とするレンジにおいて出力する油圧を前
    記モジュレータバルブへ供給するシフトバルブを備え、 前記切換手段は、 前記モジュレータバルブの出力する減圧された供給圧の
    各油圧サーボへの供給を選択する切換バルブと、 前記マニュアルバルブがエンジンブレーキを必要とする
    レンジにおいて出力する油圧により前記モジュレータバ
    ルブの出力する減圧された供給圧を各油圧サーボのいず
    れかに前記切換バルブを経由して供給する圧力応答バル
    ブとからなり、 前記圧力応答バルブは、前記シフトバルブと同軸に直列
    に配置され、 前記圧力応答バルブの弁体は、スプリングを挟んで前記
    シフトバルブの弁体に対向して配設された請求項1記載
    の自動変速機の油圧制御装置。
JP10714395A 1995-04-07 1995-04-07 自動変速機の油圧制御装置 Pending JPH08285067A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100666860B1 (ko) * 2005-08-29 2007-01-10 현대자동차주식회사 차량용 자동 변속기의 유압 제어시스템

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