JPH08284675A - ターボチャージャのオイル洩れ防止構造 - Google Patents

ターボチャージャのオイル洩れ防止構造

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JPH08284675A
JPH08284675A JP7086969A JP8696995A JPH08284675A JP H08284675 A JPH08284675 A JP H08284675A JP 7086969 A JP7086969 A JP 7086969A JP 8696995 A JP8696995 A JP 8696995A JP H08284675 A JPH08284675 A JP H08284675A
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ring
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turbine wheel
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑オイルのシールリング方向への流入を防
止し、オイル消費量の増大、オイル浸入による触媒装置
の劣化促進等を防止する。 【構成】 排気ガスのガス流によって、タービンホイー
ル17を回転させ、エンジン出力の増大を図るターボチ
ャージャ10のオイルシール構造であって、シャフト1
2の付け根部27に形成されたスリンガ溝28のタービ
ンホイール17側に、遠心力によって拡開するゴム状の
しゃへい板32を設け、前記付け根部27に形成される
リング状溝29内に潤滑オイルが流入するのを防止する
構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハウジング内の潤滑オ
イルが外部に流出するのを抑制する、ターボチャージャ
のオイル洩れ防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用ターボチャージャは、排気ガスの
ガス流によってタービンホイールを回転させ、これと同
軸の先端についたコンプレッサーホイールを回転するこ
とによって所定量以上の吸入空気を圧縮してエンジンの
シリンダ内に取り込み、エンジン出力の増大を図るもの
である。このタービンホイール及びコンプレッサーホイ
ールをつなぐシャフトは高速回転するため、センターハ
ウジングの軸受部においてベアリングを介して軸支され
るとともに、該ベアリングに潤滑オイルを供給して、前
記ハウジング軸受部及びシャフトの磨耗、発熱等を低減
し、円滑な回転を図っている。
【0003】しかしながらエンジン回転数が増し、排気
ガスが多量に排出されることによってタービンホイール
の回転が速くなると、該タービンホイールの背面部はセ
ンターハウジング内に比べて低圧になる可能性があるた
め、ハウジング内の潤滑オイルが低圧側に吸い出され、
外部に流出する恐れがある。上記のようにハウジング外
部に流出した潤滑オイルが排気管内に吸い込まれると、
オイル消費量が増大するとともに触媒装置の劣化促進等
がおこりかねないため、センターハウジングとシャフト
の間にシールリングを配設し、オイルのハウジング外部
への流出を抑制するとともに、オイル流出抑制効果を高
めるために例えば実開平3−6029号公報に開示され
るオイル洩れ防止構造を設けることが知られている。
【0004】上記従来技術として挙げられるオイル洩れ
防止構造は、図8に示すように、センターハウジング4
0にフルフロートベアリング41を介して回転可能に軸
支されるシャフト42の前記ベアリング41よりもター
ビンホイール43側に位置して、シャフト42の外径よ
り大きく、かつラジアルベアリング41の外径より小さ
い外径からなる小径部44と、該小径部44よりタービ
ンホイール43方向に向かって減少するテーパ面を有す
るテーパ部45と、前記小径部44の外径より大きい外
径からなる大径部46とから構成されている。(以下、
小径部44、テーパ部45、大径部46から形成される
シャフト42の窪みをスリンガ溝Aとする。)また、大
径部46には、センターハウジング40外部へのオイル
流出を抑制するシールリング47を配設するために、上
記スリンガ溝Aとタービンホイール43との間に位置し
てリング状溝48が刻設されている。尚、このシールリ
ング47は、センターハウジング40側にシールリング
47のバネ力によって固定され、シャフト42の回転抵
抗を小さくすべく該シャフト42には非接触の状態にな
っている。更に、スリンガ溝A近傍におけるセンターハ
ウジング40には、凹部49が形成されている。
【0005】上記構成によると、ベアリング41から噴
出され、小径部44をつたってテーパ部45に流入した
潤滑オイルは、シャフト42の回転による遠心力が作用
して凹部49へと飛散するが、大径部46のテーパ部4
5側端面は、シャフト42の軸線に対して垂直になって
いるため、オイルの飛散方向はシャフト42の軸方向に
対して垂直方向Fa となる。このように、シールリング
47方向に向かって噴出される潤滑オイルの流れる方向
をスリンガ溝Aによってシャフト42の軸方向に対して
垂直方向Fa に変えることで、タービンホイール43方
向へ流れるオイル量を低減し、オイル流出抑制効果を高
めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にター
ボチャージャにおけるタービンホイールは、定常状態に
おいてエンジン高回転時には高回転で回転し、低回転時
には低回転で回転する。しかしながら減速状態でエンジ
ン、タービンホイールともに低回転のときにアクセルを
急激に踏み込むとエンジン回転数は高くなるが、タービ
ンホイールは瞬時に高回転にならない。所謂、ターボラ
グが存在する。
【0007】また、シャフトを潤滑する潤滑オイルは、
エンジン内を潤滑するエンジンオイルを使用しており、
エンジン回転数が高くなるとオイルポンプによってター
ボチャージャ内に供給されるオイル量も多くなることに
なり、ベアリングから噴出されるオイル量も多くなる。
【0008】つまり、上記従来の構成においては、例え
ばターボラグ発生時において、エンジンが高回転まで立
ち上がったにもかかわらずタービンホイール43が低回
転状態にあると、スリンガ溝Aにおけるオイル飛散能力
はまだ低い状態にあることになる。この状態でフルフロ
ートベアリング41から多量の潤滑オイルが噴出され、
スリンガ溝A内に流入すると、図9に示すように、
(1)多量に噴出される潤滑オイルをスリンガ溝Aで飛
散しきれず、オイルはスリンガ溝Aを乗り越えてシール
リング47方向に流れていくことになる。また、(2)
凹部49に飛散された後、その内壁をつたって大径部4
6上に落下したオイルが大径部46上に溜まると、前述
したようにタービンホイール43側がハウジング40内
に比して低圧になった時に吸い出され、シールリング4
7方向へ向かうことになる。更には、(3)エンジンが
高回転で維持され、オイルが多量に噴出され続けると、
オイル噴出量がオイル排出量に増して多くなり、凹部4
9及びオイルパンへとつながる排油通路内にオイルが充
満してしまい、スリンガ溝Aでオイルを飛散することが
できなくなる。すると、行き場の無くなったオイルはシ
ールリング47方向へ流れていくことになる。上述のよ
うに、3つの経路からベアリング41から噴出される潤
滑オイルがシールリング47方向へ流れ、リング状溝4
8内には多量のオイルが流入することとなる。
【0009】ところで、シールリング47によるシール
構造は、シャフト42に対して非接触の状態にあるシー
ルリング47とリング状溝48との隙を狭く、迷路状に
することでオイルをハウジング40外部へ到達しにくく
するものであり、リング状溝48内に流入するオイルが
少量であれば図示しない排気管内に浸入するオイルはほ
とんどないが、上述のように多量に流入すると、シール
リング47のみではシールしきれなくなって排気管内に
浸入してしまい、結果としてオイル消費量の増大、オイ
ル浸入による触媒装置の劣化促進等を招くという問題が
生じることになる。
【0010】従って、上述した従来のオイル洩れ防止構
造では、噴出されるオイルが多量のときに潤滑オイルが
ハウジング外部に流出してしまうことになり、十分なオ
イル洩れ防止構造であるとはいえない。
【0011】そこで、噴出されるオイル量が多くなって
もシャフト回転数によらずシールリング内へ流入するオ
イル量を低減できるように、コンプレッサーホイール側
に設けられる円周方向に突出する円盤状の遮蔽板をシャ
フトのスリンガ溝よりタービンシャフト側に位置して設
けることが考えられる。しかしながら、タービンホイー
ル側は、高温の排気ガスが通過するため、コンプレッサ
ーホイール側に比べ高温に熱せられる状態にある。従っ
て、シャフト及び遮蔽板においてもタービンホイール側
はコンプレッサーホイール側に比べて高温に熱せられる
状態にあり、潤滑オイルの噴出量が多ければシャフト及
び遮蔽板は油冷されるが、噴出量が少ないと油冷効果が
得られにくく、逆にオイルを熱劣化しやすくしている。
また、このように設けられる遮蔽板は、エンジン停止直
後においてもハウジングとの間の隙が狭い状態にあるた
め、その隙に浸入したオイルは粘性によって排出される
ことなく遮蔽板とハウジングとの間に溜まることにな
る。従って、このオイルが高温状態にある遮蔽板及びハ
ウジングの熱影響を受けてコーキング、炭化を発生する
と、遮蔽板とハウジングとの間で摩擦が増大し、応答性
を悪化しかねないため、コンプレッサーホイール側にみ
られるような遮蔽板をタービンホイール側に用いること
はできない。
【0012】本発明の目的は、オイル噴出量及びターボ
チャージャのシャフト回転数によらず、潤滑オイルが流
れる方向のシールリング方向成分を低減し、かつオイル
の劣化を促進させることなく、潤滑オイルのリング状溝
内へのオイル流入量を低減し、オイル消費量の増大、オ
イル浸入による触媒装置の劣化促進等を抑制することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、ハウジングにベアリングを介して軸支さ
れ、両端に第1、第2の翼車が設けられるシャフトと、
該シャフトに前記ベアリングより前記翼車側に位置して
リング状溝を形成し、該リング状溝内にシールリングを
嵌挿すると共に、前記シャフトに前記ベアリングと前記
リング状溝との間に位置して凹状溝を形成し、前記ベア
リングから前記翼車方向に噴出する潤滑オイルをシャフ
トの回転によって円周方向に飛散させて前記ハウジング
内の潤滑オイルの洩れを防止するターボチャージャのオ
イル洩れ防止構造において、前記凹状溝の前記翼車側に
前記シャフトの回転数に応じて拡開する遮蔽板を設けた
ことを特徴とする。
【0014】
【作用】翼車の回転とともにシャフトが回転することに
よって、ベアリングから噴出されてシャフトをつたう潤
滑オイルには遠心力が作用し、凹状溝で円周方向に飛散
することになる。この飛散されたオイルは、シャフト低
回転時においては若干拡がった状態にある遮蔽板に衝突
し、該遮蔽板をつたってシールリングよりさらに遠ざか
った位置から飛散する。また、シャフトの回転数が増し
ていくことで遮蔽板はより拡がった状態となり、ベアリ
ングから続いて噴出するオイルを許容しながら遮蔽板の
外形端よりオイルを飛散する。更に、シャフト高回転時
においては、遮蔽板が完全に拡がった状態となり、多量
に噴出されるオイルは前記遮蔽板によって堰き止められ
ることから、リング状溝内へのオイルの流入を効果的に
抑制することになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明によるターボチャージャのオイ
ル洩れ防止構造を図面に基づいて説明する。図1は、本
発明のオイル洩れ防止構造を適用した車両用ターボチャ
ージャ10の断面図を示し、図2は、図1の要部拡大図
を示す。
【0016】センターハウジング11内にはシャフト1
2を軸支する軸受部13が形成され、また前記センター
ハウジング11の両側には図示を省略したコンプレッサ
ハウジングとタービンハウジングが設けられる。シャフ
ト12には一端に第1の翼車としてのコンプレッサホイ
ール16、他端に第2の翼車としてのタービンホイール
17がそれぞれ設けられ、コンプレッサホイール16は
コンプレッサハウジング内に、タービンホイール17は
タービンハウジング内にそれぞれ収容される。シャフト
12は、センターハウジング11の軸受部13に、該軸
受部13及びシャフト12の摩耗、発熱等を防止するた
めに介装されるベアリングとしてのフルフロートベアリ
ング18a,18bによって2箇所で軸支されている。
このフルフロートベアリング18a,18bは、径方向
にオイル孔19a,19bが穿設され、シャフト12お
よび軸受部13に対し相対回転可能となっている。
【0017】図示しないエンジンのオイルパン内から吸
い上げられたエンジンオイルは、エンジン内を潤滑する
とともに、ターボチャージャ10内にも供給され、セン
ターハウジング11に形成された供給孔14を通ってフ
ルフロートベアリング18a,18bの周囲に供給さ
れ、オイル孔19a,19bを介してシャフト12の周
囲に流入し潤滑する。ターボチャージャ10内でフルフ
ロートベアリング18a,18b及びシャフト12を潤
滑したオイルは排油通路20からオイルパン内へと回収
されるとともに、一部はフルフロートベアリング18b
からタービンホイール17側に向けて噴出される。
【0018】コンプレッサホイール16の背面部にはシ
ールプレート21がセンターハウジング11に一体的に
設けられ、シャフト12上には、スラストブッシュ22
及び23が嵌合されている。スラストブッシュ23のコ
ンプレッサホイール16側端部にはリング状溝23aが
刻設され、該リング状溝23a内にシールリング24を
配設することで、センターハウジング11のコンプレッ
サホイール16側からのオイル流出を抑制している。ス
ラストベアリング25は、その内周部がスラストブッシ
ュ22及び23により挟持され、その外周部はセンター
ハウジング11及びシールプレート21により挟持され
ている。更に、シールプレート21にはシールリングプ
レート26が配設されている。
【0019】一方、タービンホイール17側において
は、シャフト12にフルフロートベアリング18bと前
記タービンホイール17の背面部との間に位置して、本
発明のオイル洩れ防止構造が構成されている。
【0020】図2(a)に示すように、シャフト12の
タービンホイール17との付け根部27は、前記シャフ
ト12の外径より大径の外径にて形成され、前記付け根
部27にはその全周に渡って円弧状に窪む凹状溝として
のスリンガ溝28と、該スリンガ溝28とタービンホイ
ール17の背面部との間に位置してリング状溝29が設
けられている。また、前記スリンガ溝28近傍のセンタ
ーハウジング11には、凹部30が形成され、前記リン
グ状溝29内にはシールリング31が、そのバネ力によ
ってセンターハウジング11の内周面に固定され、リン
グ状溝29には非接触の状態で収容されている。更に、
前記スリンガ溝28のタービンホイール17側には、シ
ャフト12の回転による遠心力によって拡開する遮蔽板
32が設けられている。この遮蔽板32は、例えばフロ
ロシリコン等のフッ素系の耐熱ゴムから外径方向に向か
って肉薄になるよう成形され、外径側の張力が小さくさ
れている。従って、遮蔽板32に作用する遠心力が小さ
くても、該遮蔽板32は凹部30内で円周方向及びシャ
フト12から離れる方向に拡開する。
【0021】次に、上記した遮蔽板32の形状及びその
取り付け方法について図3を用いて詳細に説明する。遮
蔽板32は、上述したように例えばフロロシリコン等か
らなるフッ素系の耐熱ゴムから帯板状に成形され、長辺
側の一辺32aを固定端、他辺32bを自由端とし、前
記固定端側から自由端側に向かうほど肉薄になってい
る。ここで、シャフト12のスリンガ溝28の幅を実際
にスリンガ溝28として働く幅に対してあらかじめ広く
成形加工しておき、上記した遮蔽板32を広く成形され
た前記スリンガ溝28内に巻付け、遮蔽板32の短辺側
32c,32dを接着し、筒状とした状態で取り付けら
れる。更に、遮蔽板32の固定端32aをクランプタイ
プのリング33によって広く成形されたスリンガ溝28
のリング状溝29側に位置して確実に固定する。従っ
て、シャフト12の回転によって遮蔽板32に遠心力が
作用すると、遮蔽板32はリング33付近で折れ曲がり
円盤状に拡開していくことになる。
【0022】上記のように構成されるオイル洩れ防止構
造は、定常状態においてエンジン回転数が低く、潤滑オ
イルの噴出量が少ないとき、すなわちシャフト12の回
転数も低いときには、図2(b)に示すように、シャフ
ト12をつたってスリンガ溝28内に流入し、該スリン
ガ溝28によって円周方向に飛散されるオイルのベクト
ルを遮蔽板32によってさらにシールリング31から遠
ざける方向に向かせ、シールリング31から離れて位置
する遮蔽板32の外径端から飛散させる。ここで、遮蔽
板32の外径端から飛散したオイルは、そのまま排油通
路20から図示しないオイルパン内へと排出されるが、
一部のオイルが凹部30に飛散し、前記凹部30の周壁
をつたって付け根部27上に落下することがある。しか
しながら、シャフト12全体(シャフト12、付け根部
27及び遮蔽板32を示す。)が油膜で覆われているた
め、付け根部27上に落下したオイルはその粘性によっ
てより遠心力の大きい遮蔽板32の外径端方向に再び向
かい、外径端から飛散することでシールリング31方向
へ行くことはない。従って、リング状溝29内へのオイ
ル流入が抑制されることになる。
【0023】また、徐々に高くなるエンジン回転数に追
従してシャフト12の回転数も徐々に高くなり、遮蔽板
32は低回転時に比べて大きな遠心力を作用され、徐々
に拡がっていくことになる。この時、噴出されるオイル
量が徐々に多くなることで、スリンガ溝28によるオイ
ル飛散能力が低下しはじめるが、上述のようにシャフト
12の回転数の増加にともなって拡がる遮蔽板32が、
続いて噴出されるオイルを許容する壁になるとともに、
シャフト低回転時に比べ排油通路20へのオイル逃げ空
間を広くすることでオイルの排出量を多くし、リング状
溝29内へのオイル流入を抑制する。
【0024】定常状態でエンジン回転数が高く、シャフ
ト12の回転数も高いときには、図2(a)に示すよう
に、遮蔽板32に作用する遠心力はより大きくなり、シ
ールリング31方向へのオイル流入通路を狭くすべく完
全に拡がった状態となる。エンジン回転数を高回転に維
持すると、フルフロートベアリング18bから多量の潤
滑オイルが続いて噴出され、凹部30、排油通路20が
オイルで充満した状態になるが、上記したように遮蔽板
32が円周方向及びシャフト12から離れる方向に完全
に拡がった状態にあるため、このオイルはリング状溝2
9内に流入することなく堰き止められ、充満したオイル
を押し出しながらオイルパンへと排出されることにな
る。更にこの時、ハウジング11と遮蔽板32との隙に
浸入した潤滑オイルは、遠心力によって外方に吸い出さ
れるとともに、リング状溝29内に流入したオイルをも
その粘性によってつられて吸い出されることになる。従
って、リング状溝29内へのオイル流入を抑制すること
ができる。
【0025】ターボラグ発生時、つまりエンジン回転数
が高いわりにシャフト12の回転数が低い状態でオイル
が多量に噴出されたときには、スリンガ溝28でのオイ
ル飛散能力に対して該スリンガ溝28に流入するオイル
量が多いため、オイルを飛散しきれなくなるが、シャフ
ト12が低回転であっても遮蔽板32は若干ながら拡が
った状態にあるため、噴出されたオイルの一部を堰き止
めることができる。更に続いて噴出されるオイルは、遮
蔽板32をも乗り越えようとするが、噴出されるオイル
の勢いが遮蔽板32が拡がる方向、すなわちシャフト1
2から離れる方向に作用するため、遮蔽板32の拡開が
早められる。従って、拡がった遮蔽板32が続いて噴出
されるオイルを遮蔽板32を乗り越えることなく許容す
るとともに、シャフト12が高回転に立ち上がるまでの
時間を確保するため、リング状溝29内へのオイル流入
を抑制することができる。
【0026】上述のように、シャフト回転数、オイル噴
出量によらずリング状溝29内へのオイル流入を抑制す
ることができるため、リング状溝29からハウジング1
1外部へ流出するオイル量が確実に低減され、オイル消
費量を低減し、オイル浸入による触媒装置の劣化促進等
を抑制することができる。
【0027】更に、本発明における遮蔽板32はシャフ
ト12の回転による遠心力が作用することによって拡が
る構造であるため、エンジン停止時においては閉じた状
態にあり、遮蔽板32とセンターハウジング11との間
の隙が広く確保されることになる。従って、潤滑オイル
は溜まることなく排出され、オイルのコーキング、炭化
を抑制することができる。
【0028】また、遮蔽板32を閉じた状態で組付ける
ことで、シャフト12をセンターハウジング11内に挿
入する際、シャフト12の外径とセンターハウジング1
1のボア径との間隙を通過させることができる。従っ
て、この遮蔽板32がセンターハウジング11のボア径
より大径であってもシャフト12と一体に挿入すること
ができ、組付けを容易に行うことができる。
【0029】尚、本実施例における遮蔽板32の形状
を、第二実施例として例えば図4に示すように、固定端
32a側から自由端32b側に向かって肉薄にするとと
もに自由端32b側の縁を太くし、重量を増すことで遠
心力で拡がりやすくすることもできる。更には、第三実
施例として図5に示すように、自由端32b側にスリッ
トを入れて拡がる際の円周方向の張力を無くし、さらに
拡がりやすくする。このときは、スリットの一部がリン
グ33内に入り込むように固定し、拡がった際に遮蔽板
32が裂けないようにする。また、第四実施例として図
6に示すように、自由端32b側の斜線部を蛇腹状に形
成し、拡がる際の円周方向の張力を小さくすることで、
拡がりやすくすることもできる。第五実施例として図7
に示すように、遮蔽板32を扇状に形成し、固定端32
a側になる小径側を広く成形されたスリンガ溝28のタ
ービンホイール17側の側面に接触させ、リング33で
固定することで、シャフト12に取り付けた際に遮蔽板
32があらかじめ若干開いた状態となり、シャフト12
低回転時のオイル許容量をより多くすることもできる。
【0030】更に、遮蔽板32が拡がることによって、
該遮蔽板32とセンターハウジング11との隙が狭くな
るため、シールリング31とリング溝29との間を通過
した排気ガスがセンターハウジング11内に到達しにく
く、潤滑オイル(エンジンオイル)との接触が少なくな
りオイルの劣化を遅らせることができる。
【0031】尚、本実施例のオイル洩れ防止構造は、タ
ービンホイール17側のみに限定されることはなく、コ
ンプレッサホイール16側にも用いれば、従来の構成に
対して比較的簡素な構造とすることができるとともに、
回転体の質量が軽減され応答性を向上することができ
る。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、シャフト回転数に応じ
て拡開する遮蔽板を設けることで、シャフト回転数及び
オイル噴出量によらずリング状溝内へのオイル流入を抑
制し、オイル消費量を減少させ、オイル浸入による触媒
装置の劣化促進等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本実施例におけるターボチャージャの断
面図である。
【図2】図2(a)は本実施例におけるオイル洩れ防止
構造の要部拡大図であり、シャフト高回転時を示し、
(b)はシャフト低回転時を示す。
【図3】図3は本実施例における遮蔽板取付け時の断面
図である。
【図4】図4は第二実施例における遮蔽板の平面図及び
断面図である。
【図5】図5は第三実施例における遮蔽板の平面図及び
断面図である。
【図6】図6は第四実施例における遮蔽板の平面図及び
断面図である。
【図7】図7は第五実施例における遮蔽板の平面図及び
断面図である。
【図8】図8は従来技術におけるターボチャージャのオ
イル洩れ防止構造の要部拡大図である。
【図9】図9は従来技術のオイル洩れ防止構造における
オイルの流れを示す図である。
【符号の説明】
10・・ターボチャージャ 12・・シャフト 17・・タービンホイール 18a,18b・・フルフロートベアリング 28・・スリンガ溝 29・・リング状溝 30・・凹部 31・・シールリング 32・・遮蔽板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングにベアリングを介して軸支さ
    れ、両端に第1、第2の翼車が設けられるシャフトと、
    該シャフトに前記ベアリングより前記翼車側に位置して
    リング状溝を形成し、該リング状溝内にシールリングを
    嵌挿すると共に、前記シャフトに前記ベアリングと前記
    リング状溝との間に位置して凹状溝を形成し、前記ベア
    リングから前記翼車方向に噴出する潤滑オイルをシャフ
    トの回転によって円周方向に飛散させて前記ハウジング
    内の潤滑オイルの洩れを防止するターボチャージャのオ
    イル洩れ防止構造において、 前記凹状溝の前記翼車側に前記シャフトの回転数に応じ
    て拡開する遮蔽板を設けたことを特徴とするターボチャ
    ージャのオイル洩れ防止構造。
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