JPH08284089A - 電気化学方法 - Google Patents

電気化学方法

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JPH08284089A
JPH08284089A JP8108723A JP10872396A JPH08284089A JP H08284089 A JPH08284089 A JP H08284089A JP 8108723 A JP8108723 A JP 8108723A JP 10872396 A JP10872396 A JP 10872396A JP H08284089 A JPH08284089 A JP H08284089A
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alkali metal
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    • D21C11/00Regeneration of pulp liquors or effluent waste waters
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫化物を酸化するための蒸解液の電気化学処
理を伴うセルロースパルプを製造する改良方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明はアルカリ金属硫化物及びアルカ
リ金属炭酸塩を含む緑液を生成する工程を含むパルプの
製造方法に関する。更に、その方法は緑液を電気化学的
に処理してその中の硫化物の少なくとも一部を酸化する
工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は緑液を電気化学処理
してその中の硫化物を酸化することを特徴とするパルプ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パルプの製造は蒸解薬品の回復を通常伴
う。アルカリ蒸解、特に硫酸プロセスにおいて、蒸解か
らの黒液が蒸発により濃縮され、回収ボイラー中で燃焼
され、その中で多量の硫黄およびナトリウムが主として
炭酸ナトリウムおよび硫化ナトリウムからなる緑液の形
態で回復される。緑液が水酸化ナトリウムの生成および
炭酸カルシウムの沈殿を伴う消石灰による処理(かせい
化)により白液に変換される。次いで白液はダイジェス
タ中で木材を蒸解するのに使用される。また、緑液は漂
白流出液の燃焼により得ることもできる。
【0003】アルカリパルプ蒸解からの木材の収率は、
白液が多硫化物を含む場合に改良し得ることがE.Venema
rk, “多硫化物パルプ化に関する幾つかのアイデア", S
vensk Papperstidning 5号, 1964年3月15日により開示
されていた。国際公開第 WO 95/00701 号明細書は多硫
化物への硫化物の酸化だけでなくアルカリ金属水酸化物
の製造を伴う白液の電気化学処理を記載している。国際
公開第 WO 94/12720 号明細書は、水酸化ナトリウムが
漂白流出液の燃焼から得られた緑液の電気分解により製
造し得ることを開示している。しかしながら、緑液中に
存在するいずれの硫化物も電気分解の前に空気で酸化さ
れるべきであることが記載されている。このように、そ
の方法は硫化物の電気化学酸化を伴わないし、また多硫
化物の生成を伴わない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硫化
物を酸化するための蒸解液の電気化学処理を伴うセルロ
ースパルプを製造する改良方法を提供することである。
別の目的は、パルプ工場で入手し得る原料からアルカリ
金属水酸化物を製造する有効な方法を提供することであ
る。更に別の目的は、多硫化物を含む蒸解液を得る改良
方法を提供することである。更に別の目的は、パルプ工
場における使用のための、硫化物を含まない液体を得る
方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はアルカリ金属硫
化物およびアルカリ金属炭酸塩を含む緑液を生成する工
程を含むパルプの製造方法に関する。その方法は、好ま
しくはアノード液として緑液を用いて少なくとも二つの
区画を含む電解槽を運転することにより、緑液を電気化
学的に処理してその中の硫化物の少なくとも一部を酸化
する工程を更に含む。電気化学処理はまた、好ましくは
カソード液として水または水性アルカリ金属水酸化物を
用いて少なくとも二つの区画を含む電解槽を運転するこ
とによる、アルカリ金属水酸化物の製造も適宜に含む。
【0006】
【発明の実施の形態】通常、緑液はセルロースパルプ、
例えば、硫酸パルプまたはクラフトパルプのアルカリ蒸
解方法で得られる。処理すべき緑液は、通常、濃縮黒液
が還元雰囲気中で燃焼される回収ボイラー中で蒸解流出
液の熱処理により得られる。しかしながら、緑液はまた
漂白流出液の熱処理によっても得られ、その処理は国際
公開第WO 94/12720 号明細書に既に記載されたような濃
縮および燃焼を伴い得る。緑液の主成分は通常アルカリ
金属の炭酸塩、硫化物および水酸化物であり、これらの
濃度は0から飽和までであり得る。典型的には、蒸解流
出液から得られた緑液は約0.2 〜約3モル/リットル、
好ましくは約0.5 〜約1.5 モル/リットルのアルカリ金
属炭酸塩、0〜約2モル/リットル、好ましくは0〜約
1モル/リットルのアルカリ金属硫化物、0〜約2モル
/リットル、好ましくは0〜約1モル/リットルのアル
カリ金属水酸化物、および0〜約0.3 モル/リットルの
アルカリ金属塩化物を含む。漂白流出液から得られた緑
液は一般に同様の組成を有するが、その硫化物含量は通
常その特定の範囲の下方の領域内である。アルカリ金属
は通常ナトリウム、カリウムまたはこれらの混合物であ
る。典型的な系において、アルカリ金属イオンの約90〜
約97%がナトリウムであり、残部が実質的にカリウムで
ある。しかしながら、実質的にカリウムをベースとし、
非常に少量のナトリウムを含む系がまたあり得る。
【0007】好ましい実施態様において、緑液は部分透
過性のバリヤー、好ましくは陽イオン選択膜により分離
された分離アノード区画およびカソード区画を含む電解
槽中で処理される。好ましい処理は、緑液をアノード区
画に導入する工程、水および好ましくはアルカリ金属水
酸化物をカソード区画に導入する工程、アノード区画中
で硫化物を電気化学的に酸化する工程、カソード区画中
で水酸化物イオンを生成する工程、そしてアノード区画
からのアルカリ金属イオンをカソード区画に通す工程を
含む。
【0008】アノード電位は、酸化生成物が実質的に多
硫化物、即ち、S 2- 2、S 2- 3、S 2- 4、およびS 2- 5
等からなるように維持されることが好ましい。アノード
電位の正確な限度は過電圧の大きさに依存する。しかし
ながら、通常、アノード電位は約-0.6V(これは多硫化
物の生成を可能にする理論上の下限である)から酸素が
通常約+0.6Vで発生し始めるレベルまでの範囲に維持さ
れることが好適である。アノード電位は約-0.6Vから約
+0.5Vまでの範囲、特に約-0.2Vから約+0.4Vまでの範
囲に維持されることが好ましい。アノード電位を若干高
いが、好ましくは依然として酸素生成の電位より下に保
つことにより、硫化物の酸化が実質的に硫酸塩および/
またはチオ硫酸塩を生じる。アノード電位を特定の限度
内に保つことにより、塩素の生成を実質的に避けること
がまた可能である。
【0009】カソード電位は、水酸化物イオンは別にし
て、主に水素ガスが生成するように維持されることが好
ましく、これは実際には通常約-0.9Vから約-1.2Vまで
の範囲で起こる。生成された水素ガスはエネルギーの環
境にふさわしい源として、またはその他の化学プロセス
の原料として使用し得る。運転の別の様式において、カ
ソード電位は約+0.3Vから-0.9Vまでの範囲に維持され
ると同時に、酸素含有ガス、例えば、空気がガス拡散電
極の形態のカソードに供給されて、酸素の還元および過
酸化水素および/または水酸化物イオンの生成をもたら
す。酸素の存在下で、電解槽を燃料電池として運転させ
て、電力の発生をもたらすことがまた可能である。 電
極電位、アノード電位並びにカソード電位を示す全ての
数値は、25℃の1MのNaOH中のHg/HgOの基準電極に対して
測定された電位に相当する。限度は正確な値として定め
られない。何となれば、或る電位における結果は夫々特
定の場合における過電圧の大きさに依存するからであ
る。
【0010】アノード区画に導入された緑液は0からほ
ぼ100 %までの循環度を有し得る。循環された緑液は、
存在する場合、1リットル当たり約0.2 モルから約1.5
モルの硫化物、好ましくは1リットル当たり約1モルか
ら約1.5 モルの硫化物を含んでいてもよい。例えば、硫
化物の転化率は約0.5 %から100 %までであってもよ
い。カソード区画に導入された溶液は実質的に水および
アルカリ金属水酸化物、特にナトリウム、カリウムまた
はこれらの混合物の水酸化物からなることが好ましい。
アルカリ金属水酸化物の濃度は重要ではなく、例えば、
約0.1 モル/lから約15モル/lまで、好ましくは約1モル
/lから約10モル/lまでであってもよい。好適と見なされ
る上限は一般にアノード区画とカソード区画を分離する
バリヤーの性質により決められる。何となれば、バリヤ
ーを通じた水酸化物イオンのあまりに多い漏出は電流効
率を低下するからである。
【0011】電解槽を充分に使用するために、その方法
は約0.5 kA/m2を越え、特に約2kA/m2を越える電流密度
で行われることが好ましい。過度の電流密度では、アノ
ードが次第に大きく侵食され、酸素の如き望ましくない
副生物のリスクが増大される。多硫化物が所望の主生成
物である場合、硫酸塩およびチオ硫酸塩の生成を避ける
ことがまた所望される。通常、約20kA/m2を越えず、特
に約15kA/m2を越えない電流密度が好ましい。副生物の
生成はまたアノード区画の温度を充分に高く、適当には
約60℃から沸点(これは通常約110 〜120 ℃である)ま
での範囲に保つことにより減少される。実際に、温度上
限は、特にバリヤーがポリマーをベースとする膜でつく
られている場合に、電解槽の材料に依存し、その理由の
ために特に好ましい温度は約80℃から約100 ℃までの範
囲である。実用上の理由のために、カソード区画の温度
はアノード区画の温度に実質的に等しいことが好まし
い。また、アノード液の流れが充分に高い場合に、副生
物の量が減少されることがわかった。アノード区画中の
流れは乱流であることが好ましく、平均線速度が約0.5m
/s より高いことが好適である。カソード液の流れは重
要ではなく、実際には、発生ガスのリフティング力の大
きさにより都合よく決定される。別に、ポンプが使用さ
れてもよい。
【0012】アノードにおける硫黄の沈殿は好適な材料
の選択により避けられることがわかった。特定の理論に
関係なく、硫化物の酸化は、硫黄原子がアノード表面に
結合される中間段階を伴うことが推定される。この結合
があまりに強すぎると、硫黄は更には反応せず、硫黄の
一部がアノード表面に留まり、そこで不動態化表面層を
形成するであろう。本発明によれば、高度に耐アルカリ
性のキャリヤー材料、例えば、チタン、ジルコニウム、
ハフニウム、ニオブおよびこれらの合金、または炭素、
ニッケルもしくはニッケル合金からつくられているアノ
ードを使用することが有利であり、そのキャリヤー材料
はルテニウム、イリジウム、白金およびパラジウムの一
種以上の酸化物で表面被覆されている。好適な材料から
つくられ、好適な表面被覆物を有する電極、例えば、い
わゆるDSA(商標)電極(寸法安定アノード)が市販され
ている。酸素または塩素ガス発生に設計されたDSA(商
標)電極、例えば、商品名ON201 、ON120 およびON101
として販売される電極が本発明に使用するのに適してい
ることがわかった。
【0013】アノードが大きい表面を有し、また全表面
への硫化物輸送が良好に機能することが有利である。こ
のように、好適に使用されるアノードは例えば、三次元
のメッシュ電極、ワイヤのボール、ワイヤマットの層、
粒子床または金属フォームのような三次元のスルー−フ
ロー(through-flow)電極である。例えば、スポット溶接
により連続にされた、エキスパンデッド金属の複数の層
を含む三次元のメッシュ電極を使用することが特に好ま
しい。
【0014】カソード材料は重要ではなく、鋼、ステン
レス鋼、ニッケルおよびルテニウム被覆ニッケルの如き
普通の耐アルカリ性材料が使用し得る。カソードは平ら
なプレート、メッシュの一つ以上の層、またはアノード
に使用される電極と同様の三次元のスルー−フロー電極
からなっていてもよい。酸素含有ガスがカソード区画に
吹き込まれる場合、酸素還元カソードが使用されるべき
であり、この場合、グラファイト−フェルト電極が好都
合である。このような電極が市販されており、例えば、
燃料電池に一般に使用される。酸素還元カソードは、過
酸化水素の量に関係して生成される水酸化物イオンの量
を増加するために、白金の如き触媒で被覆されてもよ
い。酸素還元により、セルロースパルプを漂白するのに
そのまま使用し得るアルカリ性過酸化水素溶液を製造す
ることが可能である。また、カソード区画中の過酸化水
素の存在は、得られる生成物が完全に硫化物を含まない
ことに貢献する。何となれば、アノード区画から漏出す
る硫化物が過酸化物により硫酸塩へとすぐに酸化される
からである。
【0015】隣接しているアノード区画およびカソード
区画を有する2区画電解槽が使用されることが好ましい
が、3個以上の区画を有する電解槽がまた使用されても
よく、この場合、緑液はアノード区画に導入されてもよ
いだけでなく、アノード区画とカソード区画の間に配置
された一つ以上の区画に導入されてもよい。通常アノー
ド区画とカソード区画の間に見られる、電解槽の区画を
分離するバリヤーは、アルカリ金属陽イオンをアノード
区画からカソード区画に通すべきであるが、硫化物およ
び多硫化物の通過そして好ましくは同様にその他の陰イ
オンの通過を最大の可能な程度に防止することが好まし
い。また、水酸化物イオンは、たとえその一部が通過さ
せられ得るとしても、バリヤーにより阻止されることが
好ましい。アルカリ金属陽イオンに対し透過性である
が、硫化物および多硫化物に対し実質的に不透過性であ
る陽イオン選択膜が使用されることが好ましい。電解槽
が二つより多い区画を有する場合、陰イオン選択膜およ
び陽イオン選択膜の異なる組み合わせが電解槽の異なる
区画を分離するのに使用し得る。また更に、一つ以上の
多孔質隔膜が、必要により一つ以上のイオン選択膜と組
み合わせて、バリヤーとして使用し得る。適当な膜は、
例えば、ペルフッ素化ポリマー、スルホン化ポリマーま
たはテフロンをベースとするポリマー、あるいはセラミ
ックからつくられていてもよい。また、ポリスチレンを
ベースとする膜またはポリマーもしくはセラミックの隔
膜も使用し得る。ナフィオン(商標)のような使用に適
した幾つかの市販の膜がある。
【0016】複数の電解槽が単極様式と同じように双極
様式で配置し得る。電気化学的に処理された緑液はかせ
い化工程に移すことができ、そこで消石灰(水酸化カル
シウム)が添加され、炭酸塩を水酸化物に変換する。緑
液が多硫化物を含む場合、これらは得られる白液中に存
在し、次いでこれは蒸解に使用し得る。緑液が硫化物お
よび多硫化物を実質的に含まない場合、かせい化から得
られた液体は漂白に使用し得る。電気化学的に処理され
た緑液はまた更に電気化学的にも処理されて二酸化炭素
の形態で炭酸塩を除去し、同時にアルカリ金属水酸化物
を生成する。
【0017】アルカリパルプ方法を運転する好ましい様
式において、蒸解流出液から得られた緑液は、それがか
せい化プロセスに供給される前に、その多硫化物の含量
が増大されるように処理される。次いで、緑液の全量
が、緑液中に存在する硫化物を基準として、例えば、約
0.5 %から約1%までの範囲の低い転化率で処理でき、
または一部の流れが、緑液中に存在する硫化物を基準と
して、例えば、約10%から100 %までの範囲、好ましく
は約60%から約95%までの範囲の高い転化率で処理し得
る。カソード液は特別な回路で都合よく循環され、一部
の流れを生成物として回収することにより定常状態が維
持され、その生成物が、例えば、蒸解プロセスもしくは
漂白プロセスに使用でき、またはパルプ工場の系から完
全に除去し得る。
【0018】運転の別の様式において、緑液の一部の流
れは、多量の硫化物が好ましくは約70〜100 %で多硫化
物に変換されるように処理され、その後、多硫化物が、
例えば、冷却結晶化により、硫黄または或る種の固体硫
黄化合物に変換され、そして系から除去される。運転の
この様式は、過剰の量の硫黄化合物が原料とともにその
プロセスに供給される工場での使用に適している。カソ
ード液は上記の運転の様式と同様に処理し得る。
【0019】運転の更に別の様式において、緑液の一部
の流れは、硫化物が硫酸塩および/またはチオ硫酸塩に
酸化されるように処理される。そうである場合、処理さ
れたアノード液は、パルプ工場で実質的に硫化物を含ま
ない液体として、例えば、漂白におけるpH調節剤として
使用し得る。また、実質的に硫化物を含まない緑液は消
石灰でかせい化されて炭酸塩を水酸化物に変換でき、次
いで酸素脱リグニン化工程またはアルカリ漂白工程に使
用し得る。別の実施態様において、電気化学的に処理さ
れ、好ましくは実質的に硫化物を含まない緑液は、更に
電気化学的に処理されて炭酸塩を二酸化炭素の形態で除
去し、同時にアルカリ金属水酸化物を生成する。このよ
うな処理は、好ましくは実質的に硫化物を含まない緑液
を、好ましくは硫酸塩を含む、酸アノード水溶液と混合
して、二酸化炭素および最初の緑液よりも少ない炭酸塩
を含む酸アノード液の生成をもたらし、その酸アノード
液から二酸化炭素を除去し、その酸アノード液を電解槽
のアノード区画に導入し、水および好ましくはアルカリ
金属水酸化物を前記電解槽のカソード区画に導入し、ア
ノード液中でプロトンを電気化学的に生成し、カソード
液中で水酸化物イオンを電気化学的に生成し、アノード
液からのアルカリ金属イオンをセパレータ、好ましくは
陽イオン選択膜によりカソード液に通し、そして酸濃縮
アノード液の一部を新しい緑液と混合することにより行
われることが好ましい。通常、酸素および/または塩素
もまたアノード液中で生成し、こうして緑液からの塩化
物の除去を可能にする。
【0020】本発明は、望ましくない副生物を生成しな
いで、また酸素または空気による緑液の前処理を何ら必
要としないで、パルプ工場で入手し得る原料をもとにア
ルカリの製造を可能にする。硫化物酸化に必要とされる
比較的低いアノード電位のために、アルカリ製造は非常
にエネルギー効率が良い。製造されたアルカリ金属水酸
化物がパルプ方法の密閉部分において使用されない場
合、カリウム濃度を増大するリスクを減少し、こうして
過剰のカリウム含量でソーダ回収ユニットで生じ得る問
題を回避することもまた可能である。パルプの製造にお
ける木材の歩留りは、処理緑液をかせい化することによ
り得られた白液の多硫化物含量を増大することにより増
強し得る。漂白に使用するための実質的に硫化物を含ま
ない液体を得ることがまた可能である。こうして、蒸解
することにより得られた本発明の緑液により、流出液
は、個々のパルプ工場の物質収支に応じて、漂白に有益
であるように処理でき、またその逆も可能である。緑液
の電気化学処理はまた通常アルカリ金属陽イオンおよび
若干の水の除去も伴うので、かせい化プラントの負荷は
相当する処理が白液に対し行われる場合よりも低い。緑
液を処理することの別の利点は、かせい化において添加
されるカルシウムが電解槽膜の寿命を短縮することであ
る。
【0021】本発明が図面を参考にして以下に詳しく説
明される。図1は電解槽の略図である。図2(a)およ
び(b)は三次元メッシュ電極の図であり、そして図3
は、本発明がセルロースパルプの製造に適用し得る方法
を説明するフローチャート図である。
【0022】本発明は示された実施態様に限定されず、
特許請求の範囲により特定される。図1に示された電解
槽1はアノード4として利用できる三次元スルー−フロ
ー電極を備えたアノード区画2を含む。好ましくは三次
元カソード5を備えたカソード区画3は陽イオン選択膜
6によりアノード区画2から分離される。アノード4お
よびカソード5は直流電源(図示されていない)に接続
される。アノード区画2はアノード液の入口7および出
口8を有する。カソード区画3はカソード液およびガス
生成物の入口9および出口10を有し、ガスの出口12およ
び液体の出口11を有するガスセパレータ13に延びてい
る。電解槽1が運転中である時、緑液が入口7を通って
アノード区画2に導入される。こうして、硫化物が多硫
化物に酸化され、そしてアルカリ金属陽イオンが膜6を
通じてカソード区画3に輸送される。多硫化物濃縮緑液
が出口8を通って排出される。アルカリ金属水酸化物の
水溶液が入口9を通じてカソード区画3に導入され、そ
して水が水素ガスおよび水酸化物イオンに分解される。
水素ガスが、アルカリ金属水酸化物に関して濃縮された
水溶液と一緒に、出口10を通じて排出される。ガスセパ
レータ13中で、水素ガス12がアルカリ金属水酸化物11か
ら分離される。
【0023】図2(a)および2(b)は夫々上方から、また前
方から三次元メッシュ電極を示す。示された電極は、ス
ポット溶接により、金属ストリップ41の形態の電源に接
続されるエキスパンデッド金属40の4つのネットを含
む。
【0024】図3は、図1に示された型の電解槽1が硫
酸パルプの如きセルロースパルプのアルカリ製造に使用
し得る方法を示す。明瞭化の理由のために、唯一の電解
槽1が示されるが、あらゆる数、例えば、2〜数百の電
解槽が平行または直列に相互接続し得ることは当業者に
明らかである。運転の好ましい様式が今説明される。ダ
イジェスタ20に白液21だけでなく、必要とされる木材お
よびその他の薬品22、例えば、アルカリ金属水酸化物が
供給される。蒸解および洗浄(図示されていない)が緑
液を得るために異なる処理段階25を受けているパルプ23
および黒液24をもたらし、これらの段階はパルプ製造の
分野の当業者に公知であり、通常、蒸発、補給薬品、例
えば、硫酸ナトリウムの添加、および還元雰囲気中の燃
焼を含む。黒液の処理は緑液26を生じ、これは通常0〜
約0.4 モル/lの硫化物、約0.7 〜約1.2 モル/lの炭酸イ
オン、0〜約0.6 モル/lの水酸化物イオン、および約0.
7〜約2.5 モル/lのアルカリ金属陽イオンを含み、その
約90%〜約97%が通常ナトリウムであり、残部が実質的
にカリウムである。緑液の一部27、例えば、約1%〜約
30%が多硫化物含有緑液を保持するタンク30に導かれ
る。多硫化物含量が電気分解中に増加し、例えば、硫化
物の約65%〜約95%が多硫化物に変換されるように増加
する緑液がタンク30と電解槽1のアノード区画2の間を
循環する。多硫化物に富む緑液31がタンク30から抜き取
られて主流26と混合され、その結果、目的とされる多硫
化物含量、例えば、約0.5 重量%〜約1.5 重量%が得ら
れ、その後、得られた混合物がかせい化装置50に供給さ
れ、その中で消石灰が添加され、白液21が生成する。白
液21が蒸解用のダイジェスタ20に移される。例えば、1
リットル当たり約2モル〜約15モルのアルカリ金属水酸
化物を含むアルカリ金属水酸化物溶液がガスセパレータ
13を介して電解槽1のカソード区画3とタンク35の間を
循環する。ガスセパレータ13からのアルカリ金属水酸化
物溶液11の一部が生成物36として抜き取られ、例えば、
パルプの製造、または全く異なるプロセスに使用し得
る。水37がタンク35に供給され、それにより容積および
濃度を実質的に一定に保つ。
【0025】運転の特別な様式において、硫黄酸化をタ
ンク30中の多硫化物の高含量、好ましくは緑液中の硫化
物を基準として、70%を越える転化率まで行うことによ
り硫黄がその系から排除し得る。タンク30からの緑液
は、次いで、硫黄が、例えば、冷却結晶化により沈殿さ
れるように処理し得る。これは、多硫化物に富む緑液を
タンク30と沈殿した硫黄が除去される結晶化装置(図示
されていない)の間を循環させることによりもたらさ
れ、その母液がタンク30に循環される。
【0026】運転の別の様式において、緑液中の硫化物
が硫酸塩および/またはチオ硫酸塩へと大きな程度に酸
化されるが、これはタンク30に緑液を満たすことにより
行うことができ、次いでこれがアノード区画2を通って
循環させられ、実質的に全量の硫化物が硫酸塩またはチ
オ硫酸塩に変換されるまで、緑液は循環系を出ない。得
られた硫酸塩に富み、実質的に硫化物を含まない緑液
が、その後、必要によりアルカリ金属水酸化物を得るた
めのかせい化または更なる電気化学処理後に、パルプ工
場、特に漂白に使用し得る。
【0027】本発明が下記の実施例により更に詳しく説
明される。
【0028】
【実施例】実験を、ナフィオン(商標)324 陽イオン選
択膜により分離されたアノード区画およびカソード区画
からなるミクロ−フロー電解槽中で行った。アノードは
DSA (商標)ON201 メッシュ電極であり、カソードは平
らなステンレス鋼電極であった。膜の表面積および電極
の突出面積は10cm2であった。1.4Mの炭酸ナトリウムお
よび1.275Mの硫化ナトリウムの水溶液からなる合成緑液
をアノード液として使用し、2.633Mの水酸化ナトリウム
をカソード液として使用した。アノード液125 mlおよび
カソード液125 mlを別個の容器に入れ、次いで160 ml/
分の流量で電解槽中を循環させた。電解槽の電圧は約1.
3 Vであり、その温度は約90℃であった。64分後に、カ
ソード液中の水酸化ナトリウム濃度は2.8Mであり、また
アノード液中の硫化物濃度は1.0Mであった。水酸化物製
造の電流効率は60%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電解槽の略図である。
【図2】 (a)は上方から(b)は前方から見た三次
元メッシュ電極の図である。
【図3】 本発明がセルロースパルプの製造に適用し得
る方法を説明するフローチャート図である。
【符号の説明】
1:電解槽、2:アノード区画、3:カソード区画、
4:アノード、5:カソード、 6:陽イオン選択膜、
7:アノード液の入口、8:アノード液の出口、9:カ
ソード液の入口、10:カソード液の出口、11:液体の出
口、12:ガスの出口、13:ガスセパレータ、20:ダイジ
ェスタ、21:白液、22:薬品、23:パルプ、24:黒液、
25:異なる処理段階、26:緑液、27:緑液の一部、30、
35:タンク、37:水、40:エキスパンデッド金属、41:
金属ストリップ、50:かせい化装置。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属硫化物およびアルカリ金属
    炭酸塩を含む緑液を生成する工程を含むパルプの製造方
    法であって、その方法が緑液を電気化学処理してその中
    の硫化物の少なくとも一部を酸化する工程を更に含むこ
    とを特徴とするパルプの製造方法。
  2. 【請求項2】 緑液をアノード液として用いて少なくと
    も二つの区画を含む電解槽を運転することにより緑液を
    処理することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 緑液の電気化学処理がまたアルカリ金属
    水酸化物の製造を含む請求項1〜2のいずれか一項に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 緑液を部分透過性バリヤーにより分離さ
    れた分離アノード区画およびカソード区画を含む電解槽
    中で処理し、その処理が緑液をアノード区画に導入する
    工程、水性アルカリ金属水酸化物をカソード区画に導入
    する工程、硫化物をアノード区画中で電気化学的に酸化
    する工程、カソード区画中で水酸化物イオンを生成する
    工程、そしてアノード区画からのアルカリ金属イオンを
    カソード区画に通す工程を含むことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 硫化物を酸化して多硫化物を実質的に得
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 硫化物を酸化して硫酸塩および/または
    チオ硫酸塩を実質的に得ることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 電気化学処理した緑液を更に電気化学的
    に処理して二酸化炭素の形態で炭酸塩を除去すると同時
    にアルカリ金属水酸化物を生成することを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 漂白流出液の熱処理により得られた緑液
    を電気化学的に処理して硫化物を酸化することを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 蒸解流出液の熱処理により得られた緑液
    を電気化学的に処理して硫化物を酸化することを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 電気化学的に処理された緑液をかせい
    化工程に移すことを特徴とする請求項1〜9のいずれか
    一項に記載の方法。
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