JPH08280784A - 揮発装置 - Google Patents

揮発装置

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JPH08280784A
JPH08280784A JP7115250A JP11525095A JPH08280784A JP H08280784 A JPH08280784 A JP H08280784A JP 7115250 A JP7115250 A JP 7115250A JP 11525095 A JP11525095 A JP 11525095A JP H08280784 A JPH08280784 A JP H08280784A
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JP
Japan
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volatile liquid
liquid
container
solution phase
volatile
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JP7115250A
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English (en)
Inventor
Hayato Hosokawa
隼人 細川
Shoichi Kobayashi
昭一 小林
Hiroshi Miyashina
弘 宮階
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OGAWA KORYO KK
Original Assignee
OGAWA KORYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 揮発性液体の各成分が同時に蒸散し、容器内
部に残留することのないようにする。 【構成】 容器6内を浸透膜4で溶液相3と純溶媒相2
とに仕切ると共に、溶液相3側に芳香剤または消臭剤な
どの揮発性液体1を溶液相3と混ざらないように分離さ
せて収容させ、揮発性液体1が収容されている側の容器
6の外に揮発性液体1を吸収して蒸散させる保液部材8
を配置し、浸透圧により揮発性液体1が保液部材8に染
み出て極性や分子量にかかわりなく各成分が同時に蒸散
するようにしている。したがって、蒸散初期と後期とで
香りの質が変化することがなく、調合された通りの均質
な香りを蒸散させ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香剤または消臭剤な
どの揮発性液体を収容して長期間に亙って蒸散させる揮
発装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の揮発装置としては、従来、図9
に示すように、気体も液体も通さないガラスやプラスチ
ックの容器101に揮発性液体102を収容し、容器底
部まで伸びる長い芯103を使って容器上部に設けられ
たろ紙などの広い蒸散面104まで容器101内の揮発
性液体102を吸い上げて蒸散させるようにしたもの
(実公昭56−16968号)が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
液体芳香剤などの揮発性液体は、香料と水とアルコール
の3成分系から成る混合溶液であり、これを界面活性剤
で1液としている。このため、実公昭56−16968
号のタイプの揮発装置の場合、芯103によって吸い上
げられる揮発性液体102が芯103の内部でクロマト
グラフ吸着現象によって分子量の軽い成分と重い成分と
が分離を起こすため、蒸散初期の香りと蒸散後期の香り
の質が変化する上に軽い分子量の香料だけが先に蒸散し
て蒸散し難い重い芳香剤成分や蒸散しない界面活性剤が
容器内に残ってしまう問題がある。したがって、芳香剤
として効き目がかなり薄れていたり、あるいはほとんど
無くなっているにも拘らずまだ使えると錯覚を与えてし
まう問題が生じていた。更に容器機構が複雑で部品が多
くコスト高につくことと、倒すと液漏れを起こすなどの
欠点がある。
【0004】本発明は、揮発性液体の各成分が同時に蒸
散し、容器内部に残留することのない揮発装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の揮発装置は、容器内を浸透膜で溶液相と純
溶媒相とに仕切ると共に、溶液相側に芳香剤または消臭
剤などの揮発性液体を溶液相と混ざらないように分離さ
せて収容させ、揮発性液体が収容されている側の容器の
外に揮発性液体を吸収して蒸散させる保液部材を配置す
るようにしている。ここで、浸透膜としては、例えば酢
酸セルロース系、ポリカーボネート系、アクリロニトリ
ル系、ポリオレフィン系、ポリフッ化ビニリデン系など
の使用が可能であり、中でも酢酸セルロース系の浸透膜
の使用が好ましい。また、純溶媒としては、水などの使
用が好ましい。また、溶液としては、食塩の他、塩化カ
ルシウム、塩化マグネシウム、過塩素酸カルシウムなど
の無機物及び1.2−エタンジスルフォン酸およびm−
ベンゼンジスルフォン酸酪酸ナトリウムなどの使用が可
能であり、中でも安価でかつ安全な食塩の使用が好まし
い。更に、揮発性液体としては、液体の芳香剤や消臭剤
の他、防臭剤、殺菌剤、防錆剤、防かび剤、誘引剤、忌
避剤、害虫防除剤、香水などの揮発性物質を含む液体が
挙げられる。この揮発性液体としては、油性、水性の双
方とも分離形態を変えることによって使用可能である。
例えば、油性の香料の場合には、境界膜を使用しなくと
も2層に分離できるが、水性の場合には分離膜の使用に
よって分離される。
【0006】また、本発明の揮発装置において、溶液相
と揮発性液体とは伸縮性のある境界膜で分離されること
が好ましい。
【0007】更に、本発明の揮発装置において、揮発性
液体は外圧によって圧潰する袋に収容されて溶液相の中
に浸漬され、袋の開口部を容器の外に配置して保液部材
を装着するようにし、より好ましくは揮発性液体を収容
する袋を複数設けてそれぞれに成分の異なる揮発性液体
を収容するようにしている。
【0008】また、本発明の揮発装置は、容器が二重筒
から成り、内側の筒の底部に浸透膜を形成すると共に内
側の筒あるいは外側の筒のいずれか一方に純溶媒相を収
容し、他方に溶液相と揮発性液体を収容しかつ溶液相の
上に揮発性液体が混ざらないように分離して2層を形成
し、揮発性液体が収容されている側の筒の上に揮発性液
体を吸収して蒸散させる保液部材を配置するようにして
いる。
【0009】また、本発明の揮発装置は、溶液相および
揮発性液体を収容する容器内空間並びに該空間と連通す
る保液部材が浸透膜と直交する方向に2分され、成分の
異なる揮発性液体をそれぞれ収容するようにしている。
【0010】更に、本発明の揮発装置は、溶液相が揮発
性液体と異なる色に着色されている。
【0011】
【作用】したがって、容器内の液体芳香剤などの揮発性
液体は浸透膜によって仕切られた溶液相と純溶媒相との
間に生ずる浸透圧によって、純溶媒相から溶液相へ溶媒
分子が移行し溶液相の体積が増加する。このため、溶液
相と同じ側に収容されている揮発性液体が保液部材側へ
押されて染み出し蒸散を起こす。保液部材での蒸散は、
クロマトグラフ吸着現象を伴わないため、分子量の軽重
に関係なく均一に起こり、蒸散初期と後期とで香りの質
が変化することがない。また、蒸散しない極めて微量の
界面活性剤などは保液部材に残留し、容器内には残らな
い。
【0012】また、請求項2の発明のように伸縮性のあ
る分離膜で、あるいは請求項3の発明のように圧潰可能
な袋で溶液相と揮発性液体とを分離すれば、揮発性液体
が水溶性であっても、溶液相と混じり合うことがなく、
揮発性液体だけを蒸散させ得る。しかも、請求項3の袋
によると、揮発性液体を蒸散させる方向に制約を受けな
い。
【0013】また、請求項5の発明によると、揮発性液
体の蒸散速度が浸透圧の影響だけでなく、重力の影響も
受けるので、選択する浸透膜、純溶媒、溶液の組み合わ
せによっては十分な浸透圧が得られない場合、あるいは
浸透圧が過剰となる場合に、揮発性液体を内筒側へ収容
するか外筒側へ収容するかによって蒸散速度を調整する
ことができる。
【0014】更に、請求項4の発明のように複数の袋を
設ける場合、あるいは請求項5の発明のように複数の空
間を設ける場合には、成分の異なる揮発性液体をそれぞ
れ収容することができ、芳香剤と消臭剤といった2種類
あるいはそれ以上の揮発性液体を組み合わせて同時に蒸
散させることができる。
【0015】更に、請求項7の発明によると、容器内か
ら揮発性液体がなくなったことを残留する液体の色から
判断でき、取り替え時期を明確にできる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0017】図1及び図2に本発明の揮発装置の一実施
例を示す。この実施例の揮発装置は、蒸散速度への重力
の影響をなくしたタイプのもので、揮発性液体1と純溶
媒相2と溶液相3とを収容する容器6と、この容器6の
内の純溶媒相2と溶液相3とを仕切る浸透膜4と、溶液
相3と揮発性液体1とを混じり合わないように分離する
境界膜5とから構成されている。容器6の純溶媒相2が
収容された部分の上面には空気穴7が設けられ、純溶媒
相2に大気圧がかけられている。尚、この空気穴7は、
使用開始までは密封フィルム10によって塞がれてい
る。また、揮発性液体1が収容されている部位の側面に
は、受皿15に収容されて保液部材8が設置され、該保
液部材8と容器6内の揮発性液体1が収容されている部
位とは連通孔9によって連通されている。更に、受皿1
5にも連通孔9が容器6側の連通孔9と一致するように
設けられている。
【0018】ここで、揮発性液体1としては、液体の芳
香剤や消臭剤の他、防臭剤、殺菌剤、防錆剤、防かび
剤、誘引剤、忌避剤、害虫防除剤、医薬品、香水などの
揮発性物質を含む液体が挙げられる。本実施例では、香
料と水とアルコールの3成分を界面活性剤で1液とした
混合溶液を対象としている。更に、揮発性液体1として
は、油性、水性に限られず双方とも使用可能である。な
お、この揮発性液体1は、好ましくは溶液相3とは異な
る色に着色され、色で識別しうるように設けられる。例
えば、溶液相3として無色透明の塩水が使用される場合
には、揮発性液体1はどのような色でも識別可能とな
る。
【0019】また、保液部材8としては、例えばフェル
トやろ紙のような液体吸収性の良好な素材から形成され
る。
【0020】容器6は、気体も液体も通さない素材、例
えばガラスやプラスチック、セラミックス(陶器)、金
属などで構成されている。
【0021】浸透膜4としては、例えば酢酸セルロース
系、ポリカーボネート系、アクリロニトリル系、ポリオ
レフィン系、ポリフッ化ビニリデン系などが挙げられ、
中でも酢酸セルロース系の浸透膜の使用が好ましい。
【0022】境界膜5としては、例えば天然ゴムラテッ
クス、シリコーンゴム、プロピレン−エチレンポリマー
の薄膜あるいはポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、ポリ塩化ビニールフィルムなどが挙げられ、
中でも天然ゴムラテックスの薄膜あるいはポリエチレン
フィルムの使用が好ましい。本実施例の場合、揮発性液
体1を充填した際の弛みによってほぼ垂直の壁を形成す
るような大きな弛みをもたせてほとんど伸縮しない樹脂
フィルム例えばポリエチレンフィルムを容器6の内側に
斜めに接着し、それを溶液相3の増量によって逆の斜め
上方へ向けて移動させ(破線で示すように)、揮発性液
体1を連通孔9側へ押し出すように設けても良い。
【0023】また、純溶媒としては水などの使用が好ま
しく。更に、溶液としては、食塩の他、塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウム、過塩素酸カルシウムなどの無機
物及び1.2−エタンジスルフォン酸およびm−ベンゼ
ンジスルフォン酸酪酸ナトリウムなどが挙げられ、安価
で安全な食塩の使用が好ましい。
【0024】以上のように構成された揮発装置による
と、次のように蒸散作用を行う。
【0025】まず、容器6の純水が収容されている室に
連通する空気穴7を塞いでいるもの、例えば密封フィル
ム10を剥がして使用可能とする。密封フィルム10は
本発明の揮発装置が流通過程におかれたときに溶媒相
(純水)2と溶液相(塩水)3との間に浸透圧がかから
ないようにしている。このため、密封フィルム10を剥
がして空気穴7を解放するまでは揮発性液体が蒸散する
ことはない。しかし、密封フィルム10を剥がすことに
よって、容器6の純水・純溶媒相2に大気圧をかける。
すると、浸透圧がかかって純溶媒相2の溶媒分子が浸透
膜4を通って溶液相3側へ移行し溶液相3の体積を増加
させる。即ち、塩水の量を増やすことによって境界膜5
を膨らませて揮発性液体1を保液部材8側へ押し出して
保液部材8へ染み込ませる。揮発性液体1は浸透圧に比
例して保液部材8に押し出される。
【0026】保液部材8に染み込んだ揮発性液体1は保
液部材8中に広がり、大気に向けて蒸散する。保液部材
8での蒸散は、クロマトグラフ吸着現象を伴わないた
め、分子量の軽重に関係なく均一に起こり、蒸散初期と
後期とで香りの質が変化することがない。また、蒸散し
ない極めて微量の界面活性剤などは保液部材に残留し、
容器6内には残らない。蒸散が進むに従ってその分だけ
揮発性液体1が保液部材8に染み込む。尚、蒸散量すな
わち香りの強さは保液部材8の開放面積に比例する。
【0027】本実施例の揮発装置の浸透膜としては酢酸
セルロース系浸透膜を用いて、容器に次のような芳香剤
溶液を収容した。 <処方> 香料 5(重量部) エチルアルコール 35 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2 ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル 3 水 55 (合計) 100
【0028】このような組成の揮発性液体を収容した揮
発装置を使用テストしたところ、1日当たりの蒸散量が
ほぼ均一であり、経時的な香質の変化もなく蒸散可能な
内容物がすべて無くなることが観察できた。また、浸透
膜4の面積の広狭並びに浸透圧の大きさなどによって蒸
散量が変わることが判った。香りの強さは嗜好と密接に
関係することから、浸透圧の大きさを調整することによ
って、過度な芳香を抑えたり、また微弱な香りしか発散
しないようなことがないようにして適度な芳香を得るこ
とができる。
【0029】図3および図4に本発明の揮発装置の第2
の実施例を示す。この揮発装置は、容器6を立てて使用
するもので、浸透圧と同時に重力の影響をも受けて蒸散
させるようにしたものである。容器6は底で連通する内
筒11と外筒12との2重筒構造から成り、内筒11の
底部開口13を浸透膜4で塞がれている。また、外筒1
2の上端面には空気穴7が開けられている。内筒11の
上端には揮発性液体を流出させる連通孔9と、保液部材
8を支持する受皿15とが設けられている。そして、内
筒11には揮発性液体1と溶液相3とが収容されてい
る。溶液相3と揮発性液体1とは境界膜5を用いずに比
重によって分離されている。この場合における揮発性液
体1はオイルに香料などを混合させた油性のものであ
る。勿論、境界膜を用いて内筒11の中を溶液相3と揮
発性液体1との2層に分離するようにしても良い。
【0030】この揮発装置の場合、外筒12の上端の空
気穴7を塞いでいる密封フィルム10を剥がすことによ
って、外筒12の純水・溶媒相2と内筒11の塩水・溶
液相3との間に浸透圧をかけ、揮発性液体1を塩水3で
押し上げる。この場合、内筒11側で直径が大きくなっ
た揮発性液体1に対する重力の影響が比較的大きいの
で、揮発性液体1の押し上げスピードが遅くなる。
【0031】また、図5および図6に第3の実施例を示
す。この実施例は図3および図4の実施例の変形で、2
重筒の内筒11側に純水(溶媒相)2を収容し、外筒1
2側に塩水(溶液相)3と揮発性液体1とを収容してい
る。更に、内筒11と外筒12との間の空間には、該空
間を2分する鉛直方向の仕切壁16が設けられ、塩水3
及び揮発性液体1が2分されると共に浸透膜4を通過す
る溶媒分子も2分されて各塩水3側へ移行し、2つの空
間内の揮発性液体1を同時に押し上げる。この場合、2
つの空間に分けられて収容される揮発性液体1は、例え
ば芳香剤と消臭剤などといった異なる性状のものの組み
合わせが可能である。この実施例の場合、保液部材8は
環状の受皿15に収められて外筒12の上端に配置さ
れ、外筒12の上端および受皿15に設けられた連通孔
9によって外筒12と内筒11との間の空間と大気とが
繋がれている。また、保液部材8も仕切壁14で仕切ら
れて2分される。仕切壁14,16で2分された各外筒
12内空間と保液部材8とは連通孔9,9によって各々
連通されている。尚、仕切壁16,14をなくして、単
一の空間とし、単一の揮発性液体1を蒸散させるように
しても良い。
【0032】また、図7および図8に第4の実施例を示
す。この実施例は、容器6内を浸透膜4で左右に2分す
ると共に一方の空間に純水から成る純溶媒相2を、他方
の空間に塩水から成る溶液相3をそれぞれ形成してい
る。更に、溶液相3を収容する空間には、例えば芳香剤
を収納した袋17と、例えば消臭剤を収納した袋18を
配置している。各袋17,18は、外圧が加わったとき
に潰れる圧潰可能な材料で構成され、その開口部が容器
6の外の保液部材8と連通されている。例えば、本実施
例の場合、各袋17,18は、その開口部が容器6の上
面を貫通する受皿15の筒部19に接続されて受皿15
に収容される保液部材8,8とそれぞれ連通され、各々
の袋17,18内に収容した揮発性液体1,1を蒸散さ
せるように設けられている。各袋17,18は、例えば
受皿15の筒部19によって構成される連通孔9と保液
部材8,8とを通じてのみ袋17,18の内側と容器6
の外とを連通させるようにしている。また、容器6は純
溶媒相2を収容する部分の上面に通気穴7を設けて大気
圧がかかるようにしている。
【0033】この実施例の揮発装置の場合、純溶媒相2
側の通気穴7を塞ぐ密封フィルム10の剥離によって通
気穴7を開放して大気圧をかけると、浸透圧が作用して
純溶媒分子が溶液相3側へ浸透膜4を抜けて移行し、溶
液相3の体積を増加させる。これに伴って溶液相3内の
各袋17,18が押しつぶされて袋17,18内の揮発
性液体を保液部材8,8へ押し出し、保液部材8,8か
ら大気中へ蒸散させる。複数の袋17,18を収容して
いる場合には、成分の異なる複数の揮発性液体例えば芳
香剤と消臭剤とを同時に蒸散させ得る。
【0034】なお、上述の実施例は本発明の好適な実施
の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、本実施例では芳香剤あるいは芳香剤と消臭
剤を揮発性液体として取り扱う場合について主に説明し
たが、これに特に限定されるものではなく、殺虫剤や殺
菌剤、防かび剤などの薬剤を揮発性液体として取り扱う
場合もある。また、本実施例では揮発性液体のみを着色
した場合について説明しているが、これに特に限定され
るものではなく、溶液あるいは純溶媒若しくは双方とも
任意の色で着色しても良い。
【0035】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の揮発装置は、容器内を浸透膜で溶液相と純溶媒相とに
仕切ると共に、溶液相側に芳香剤または消臭剤などの揮
発性液体を溶液相と混ざらないように分離させて収容さ
せ、揮発性液体が収容されている側の容器の外に揮発性
液体を吸収して蒸散させる保液部材を配置しているの
で、浸透圧により揮発性液体が保液部材に染み出て極性
や分子量にかかわりなく各成分が同時に蒸散する。した
がって、蒸散初期と後期とで香りの質が変化することが
なく、調合された通りの均質な香りを蒸散させ得る。し
かも、蒸散しない極めて微量の界面活性剤を保液部材に
残して揮発性液体の全量を揮散させ得るので、純溶媒相
と溶液相のみが容器内に残り、その終了を明確に知るこ
とができる。
【0036】特に、溶液相の色が揮発性液体の色と異な
るようにした場合には、容器内の揮発性液体が全量容器
外へ流出し、蒸散しない界面活性材なども保液部材に溜
まるので、容器内から揮発性液体がなくなったことを残
留する液体の色から判断でき、取り替え時期を明確にで
きる。
【0037】また、請求項2の発明のように伸縮性のあ
る分離膜で、あるいは請求項3の発明のように圧潰可能
な袋で溶液相と揮発性液体とを分離すれば、揮発性液体
が水溶性であっても、溶液相と混じり合うことがなく、
揮発性液体だけを蒸散させ得る。しかも、請求項3の袋
によると、揮発性液体を蒸散させる方向に制約を受けな
い。
【0038】更に、袋を複数収容する場合あるいは溶液
相および揮発性液体を収容する容器内空間並びに該空間
と連通する保液部材を浸透膜と直交する方向に2分する
場合には、成分の異なる揮発性液体を同時に収容できる
ので、成分の異なる揮発性液体例えば芳香剤と消臭剤と
を同時に蒸散させることができる。
【0039】また、容器を2重筒で構成し、内側の筒の
底部に浸透膜を形成すると共に内側の筒あるいは外側の
筒のいずれか一方に純溶媒相を収容し、他方に溶液相と
揮発性液体を収容しかつ溶液相の上に揮発性液体が混ざ
らないように分離して2層を形成し、揮発性液体が収容
されている側の筒の上に揮発性液体を吸収して蒸散させ
る保液部材を配置する場合には、揮発性液体の蒸散速度
が浸透圧の影響だけでなく重力の影響も受けるので、選
択する浸透膜、純溶媒、溶液の組み合わせによっては十
分な浸透圧が得られない場合あるいは浸透圧が過剰とな
る場合でも、蒸散速度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の揮発装置の第一の実施例を示す縦断面
図である。
【図2】図1の揮発装置の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の揮発装置の第二の実施例を示す縦断面
図である。
【図4】図3の揮発装置の外観を示す斜視図である。
【図5】本発明の揮発装置の第三の実施例を示す縦断面
図である。
【図6】図5の揮発装置のVI−VI線に沿って示す断面図
である。
【図7】本発明の第四の実施例を示す縦断面図である。
【図8】図7の揮発装置の外観を示す平面図である。
【図9】一般的な従来の揮発装置の一例を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1 揮発性液体 2 純溶媒相 3 溶液相 4 浸透膜 5 境界膜 6 容器 7 空気穴 8 保液部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内を浸透膜で溶液相と純溶媒相とに
    仕切ると共に、前記溶液相側に芳香剤または消臭剤など
    の揮発性液体を前記溶液相と混ざらないように分離させ
    て収容させ、前記揮発性液体が収容されている側の容器
    の外に揮発性液体を吸収して蒸散させる保液部材を配置
    したことを特徴とする揮発装置。
  2. 【請求項2】 前記溶液相と揮発性液体とは伸縮性のあ
    る境界膜で分離されていることを特徴とする請求項1記
    載の揮発装置。
  3. 【請求項3】 前記揮発性液体は外圧によって圧潰する
    袋に収容されて前記溶液相の中に浸漬され、前記袋の開
    口部を容器の外に配置して保液部材を装着してなること
    を特徴とする請求項1記載の揮発装置。
  4. 【請求項4】 前記揮発性液体を収容する袋を複数設け
    それぞれに成分の異なる揮発性液体を収容したことを特
    徴とする請求項3記載の揮発装置。
  5. 【請求項5】 前記容器は二重筒から成り、内側の筒の
    底部に浸透膜を形成すると共に内側の筒あるいは外側の
    筒のいずれか一方に純溶媒相を収容し、他方に溶液相と
    揮発性液体を収容しかつ前記溶液相の上に揮発性液体が
    混ざらないように分離して2層を形成し、前記揮発性液
    体が収容されている側の筒の上に揮発性液体を吸収して
    蒸散させる保液部材を配置したことを特徴とする請求項
    1記載の揮発装置。
  6. 【請求項6】 前記溶液相および揮発性液体を収容する
    容器内空間並びに該空間と連通する保液部材が前記浸透
    膜と直交する方向に2分され、成分の異なる揮発性液体
    をそれぞれ収容することを特徴とする請求項5記載の揮
    発装置。
  7. 【請求項7】 前記溶液相は揮発性液体と異なる色に着
    色されていることを特徴とする請求項1から6のいずれ
    かに記載の揮発装置。
JP7115250A 1995-04-18 1995-04-18 揮発装置 Pending JPH08280784A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100729506B1 (ko) * 2000-12-20 2007-06-15 주식회사 엘지생활건강 다층으로 구분되는 액상의 방향, 소취 조성물 및 이의휘산을 위한 휘산기구

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KR100729506B1 (ko) * 2000-12-20 2007-06-15 주식회사 엘지생활건강 다층으로 구분되는 액상의 방향, 소취 조성물 및 이의휘산을 위한 휘산기구

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