JPH08280716A - 歯科用作業カプセル - Google Patents

歯科用作業カプセル

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JPH08280716A
JPH08280716A JP11792295A JP11792295A JPH08280716A JP H08280716 A JPH08280716 A JP H08280716A JP 11792295 A JP11792295 A JP 11792295A JP 11792295 A JP11792295 A JP 11792295A JP H08280716 A JPH08280716 A JP H08280716A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自然体で容易に作業を行うことができ、研磨粉
や切削屑をケースの外部へ飛散するのを確実に防止して
効率的に排出でき、作業者の手やワークに付着した粉や
屑なども除去できる歯科用作業カプセルを提供する。 【構成】ケース1に作業者の両手の手首から先が入る閉
塞された作業室4を形成する。ケース1の上壁8は透明
で前下がりに傾斜させる。ケース1の前壁9に両手を差
し込む一対の差込み口17を形成する。それぞれの差込
み口17に、手首と差込み口17周縁との隙間を覆い、
手により押されて内外方向に揺動して手が差込み口17
を通過するのを許すシール部材18を装着する。作業室
4内の前底部にエアノズル22を配置して、このエアノ
ズル22から作業室4の後方の加工領域4aへ向かって
空気を吹き付ける。ケース1の後部に空気排出口27を
設けて、この空気排出口27を排気装置に接続して作業
室4内の排気を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として義歯などの研
磨作業や切削作業を行うに際して研磨粉や切削屑が飛散
するのを防止する目的で使用する歯科用作業カプセルに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯科技工士は、歯形の模型または鋳造品
のようなワークをエアーグラインダ(ハンドピース)な
どの工具で研磨や切削を行うが、この作業時に研磨粉や
切削屑が発生する。このような研磨粉や切削屑の飛散を
防止しながら作業を行えるものとして、歯科用作業カプ
セルが知られている(実開平4−3254号公報参
照)。この歯科用作業カプセルは、前面を透明に形成し
て内部を透視できるようになったケースの両側面に、手
を挿入するための円形の挿入口が開設され、内方後部に
吸気口を設けた構成になっている。使用に際しては、両
手をケースの両側の挿入口から差し込んでケース内で研
磨や切削作業を行い、作業に伴って生じる粉や屑を吸気
口に接続した吸気ホ−スで吸引して排出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記歯科用作
業カプセルは、ケースの両側面の挿入口から両方の手を
挿入して作業を行うようになっているので、両腕が肘を
外側にして開き気味になる不自然な作業姿勢となり、し
かも、手首から先だけを動かすことで作業しなければな
らない。そのため、作業性が悪い上に、不自然な姿勢を
続けるために疲労し易い。
【0004】また、ケースの両側から指をいれて、こぶ
しを円形の挿入口に望ませた状態で手首を動かしながら
作業を行うから、手首と挿入口との間の隙間が大きくな
って、挿入口から粉や屑がケースの外部へ飛び出すの
で、これを防止するために、手首と挿入口との間隙をゴ
ム製の回転可能な塞ぎ板で閉塞している。これにより、
作業者の手首の位置や手首の動きに対応して塞ぎ板を回
転させて、手を挿入口内で自由に動かせるようにしてい
る。ところが、作業に伴い手首を動かしたときに、ゴム
製の塞ぎ板が擦れて不快感を受ける。一方、研磨や切削
により発生してケース底面に落下した粉や屑は吸気ホー
スにより排出できるが、作業者の手や義歯などに付着し
た粉や屑は、吸気のみでは落とすことができないので、
手や義歯に付着した粉や屑がカプセルの外部へ持ち出さ
れてしまい、作業する室内を汚す問題もある。
【0005】そこで、本発明は、自然体で容易に作業を
行うことができ、研磨粉や切削屑をケースの外部へ飛散
するのを確実に防止して効率的に排出でき、作業者の手
やワークに付着した粉や屑などもケース内で除去できる
歯科用作業カプセルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る歯科用作業カプセルは、作
業者の両手の手首から先が入る閉塞された作業室を形成
するケースを有し、このケースの上壁は透明で前下がり
に傾斜しており、前記ケースの前壁に両手を差し込む一
対の差込み口が形成され、それぞれの差込み口に、手首
と差込み口周縁との隙間を覆い、手により押されて内外
方向に揺動して手が差込み口を通過するのを許すシール
部材が装着され、さらに、前記作業室内の前底部に配置
されて後方の加工領域へ向かって空気を吹き付けるエア
ノズルと、排気装置に接続されて、前記作業室の後部か
ら作業室内の排気を行う空気排出口とを有している。
【0007】また、請求項2に係る歯科用作業カプセル
は、請求項1における前記ケースの上壁の一部もしくは
全部が、開閉自在な蓋板で形成されている。さらに、請
求項3に係る歯科用作業カプセルは、請求項1または2
における前記ケースの後部に、上方へ向かって開口する
前記空気排出口が形成されている。また、請求項4に係
る歯科用作業カプセルは、請求項1〜3のいずれかにお
ける前記エアノズルが前記一対の差込み口の中間位置に
配置されている。
【0008】また、請求項5に係る歯科用作業カプセル
は、請求項1〜4のいずれかにおける前記ケースの上壁
の上面に、拡大鏡が装着されている。また、請求項6に
係る歯科用作業カプセルは、請求項5における前記ケー
スの上壁の一部もしくは全部が、開閉自在な蓋板で形成
され、この蓋板は後部において前記ケースに回動自在に
連結され、前記蓋板の前部に開閉操作用のつまみが設け
られ、このつまみに前記拡大鏡が回動自在および蓋板の
上面に沿ってスライド自在に支持されている。
【0009】
【作用および効果】請求項1の作業カプセルによれば、
作業者は、エアノズルから空気を吹き出させた状態にお
いて、ワークと工具をそれぞれ持った両方の手をケース
の前壁の一対の差込み口からケース内の作業室に挿入
し、かつ両方の手の手首から先を作業室内後方の加工領
域まで入れて、ケースの前下がりに傾斜した透明な上壁
を通して作業室内の作業状況を見ながら、工具でワーク
の研磨や切削作業を行う。このとき発生する研磨粉や切
削屑は、エアノズルから吹き付けられる空気によりケー
スの後方に吹き飛ばされるとともに、空気排出口から外
部に排出される。
【0010】上述の研磨または切削の作業に際しては、
ケースの前壁の差込み口から手をケース内に挿入するの
で、作業者が両手を自身の前方に延ばした自然な姿勢を
とることができる。しかも、従来カプセルのような手の
指だけでなく手首から先を作業室内に挿入できるととも
に、両腕の開き角が小さくなることから、従来カプセル
の場合と異なり、手首をほとんど動かすことなく研磨や
切削を行える。したがって、研磨や切削作業を疲労の少
ない楽な姿勢で容易に行える。また、作業室の前底部に
配置されたエアノズルから噴出された空気は、作業室後
部の排気通路に向かって直線的に円滑に流れるので、研
磨屑や切削屑を吹き飛ばしながら、これらと共に排出さ
れる。
【0011】しかも、手首と差込み口周縁との隙間が、
手の動きに対応して内外方向に揺動するシール部材によ
って作業に支障のない状態で覆われるから、作業室内を
充分閉塞して効果的に排気を行うことができる。さら
に、ケースにおける前壁の手の差込み口の近傍にあるエ
アノズルから作業室の後方に向け空気を吹き付けてい
る。これらにより、研磨粉や切削屑が手の差込み口から
ケースの外部へ飛散するのを完全に防止することができ
る。
【0012】ここで、上記エアノズルによる空気の吹き
付けを行わない場合でも、研磨粉や切削屑のケース外部
への飛散を充分防止できる。つまり、シール部材によっ
て手首と差込み口周縁との隙間が小さくなっているか
ら、作業室内の排気に伴ってこの小さな隙間から作業室
内に吸引される空気は、その流速が大きくなるので、円
滑に作業室後方に向かって流れ、加工領域を通って研磨
粉や切削屑を取り込んだのち、そのまま作業室後部の排
出口から排出される。したがって、研磨粉や切削屑が手
の差込み口からケース外部へ飛散するのが防止される。
【0013】さらに、ワークの作業箇所にエアノズルか
ら空気を吹き付けることにより、以下のような種々の効
果が得られる。すなわち、作業に伴い発生する粉や屑が
空気により吹き飛ばされて、ワークの研磨面や切削面
が、粉や屑の付着しない状態に保持されるので、研磨や
切削状況を視覚で正確に把握して作業を容易にかつ正確
に行える。しかも、金歯などの金属製鋳造物のスプール
カットやインレー研磨工程、あるいはコバルトクロム合
金やチタンなどの研磨工程においては、空気による冷却
効果によって研磨に伴う発熱を抑制できるので、ワーク
の物性または形態の変化を防止できる。さらに、作業終
了時に、ワークや作業者の手は、ケースの内部において
空気により粉や塵を吹き飛ばして清掃できるから、粉や
塵がワークや手に付着してケース外部へ持ち出されるお
それがない。したがって前述の作業時の粉や屑のケース
外部への飛散防止と併せて、作業室内を清潔に保つこと
ができる。また、このことから、集塵設備の整った特別
な部屋を必要とせず、診療室などの任意の場所に設置し
て研磨や切削作業を行える。
【0014】また、請求項2の作業カプセルによれば、
ケースの上壁の一部もしくは全部が開閉自在な蓋板で形
成されているから、蓋板を開放することによって、ケー
ス内部の作業室の清掃を簡単に行えるとともに、差込み
口から挿入が困難な大きなワークも上方から作業室内に
容易に挿入できる。請求項3の作業カプセルによれば、
集塵効果を高めるために空気排出口をケースの下方に設
けても、この空気排出口が上方に向かって開口している
ので、この空気排出口に接続される排気ホースが外れに
くい利点がある。つまり、空気排気口を水平に向けた場
合、作業カプセルを机の上面で水平に移動させる際、そ
の移動方向が空気排出口の突出方向に合致すると、空気
排出口から排気ホースが脱落するおそれがある。これに
対し、本請求項の作業カプセルでは、空気排出口が上方
を向いているので、このようなおそれがない。
【0015】請求項4の作業カプセルによれば、エアノ
ズルが一対の差込み口の中間位置に配置されているの
で、エアノズルは、両差込み口から手を挿入する際の邪
魔にならず、作業時の邪魔にもならない。請求項5の作
業カプセルによれば、ケースの上壁の上面に装着されて
いる拡大鏡により作業室内の作業箇所を拡大して見るこ
とができるので、研磨または切削作業をさらに正確にか
つ容易に行うことができる。
【0016】また、請求項6の作業カプセルによれば、
蓋板の上面に、これの開閉操作用のつまみを兼用して拡
大鏡が回動自在およびスライド自在に支持されているの
で、構成を簡素化できる。また、拡大鏡は蓋板の上面に
沿って回動並びにスライドさせることができるので、作
業者が右利きか左利きかの別や作業者の体格などに応じ
て拡大鏡を所要の位置に変位させて設定することができ
る。さらに、蓋板をつまみを持って後方に回動させるよ
う持ち上げて開放すれば、ケースの内面を拭くなどの簡
単な清掃を行うことができる他に、寸法の大きなワーク
を上方から容易に挿入できる。蓋板の開放時、拡大鏡は
後方へ開放され蓋板における前部、つまり上方部でつま
みで支持されていることから、倒れたりすることなく蓋
板の上面に接した状態で安定に保持される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照しながら詳述する。図1ないし図5はそれぞれ本
発明の一実施例に係る歯科用作業カプセルを示す平面
図、正面図、右側面図、底面図および背面図である。左
側面図は図3の右側面図と対称にあらわれる。また、図
6は中央部での切断右側面図、図7は斜視図、図8は要
部の拡大図、図9は使用状態における切断平面図、図1
0は空気の流れを示す切断右側面図である。
【0018】上記実施例の構成について主に図6および
図7を参照しながら説明する。図7において、合成樹脂
からなるケース1は、ベース2上にケース本体3が嵌め
込まれて、その内部に閉塞された作業室4を設けた構成
になっており、ベース2とケース本体3とは、図6のベ
ース2の上端周囲に沿って形成された係合溝41にケー
ス本体3の係合条部42を嵌め込んで溶着されている。
ベース2は作業室4の底壁7を形成し、ケース本体3
は、作業室4の上壁8、前壁9、後壁10および側壁1
1を形成する。上壁8は、前下がりに傾斜し、かつほぼ
全面にわたる大きな開口部40を設けて枠形状になって
おり、上記開口部40にはこれを開閉する蓋板12が設
けられている。上記側壁11は、図9に明示されている
ように、前半部が前後方向に直線的に延び、後半部が、
作業室4の左右幅の1/3程度の大きな曲率半径で内側
へ進入するように湾曲して、平らな後壁10に滑らかに
連続している。上壁8、前壁9、後壁10および側壁1
1は、図7に斜め三本線で図示するように、半透明素材
で形成されており、蓋板12は、図7に斜め二本線で図
示するように、透明素材で構成されている。
【0019】図6に明示するように、蓋板12の後部中
央には回動用の連結片14がねじ13で固着されてお
り、連結片14の断面半球状となった回動軸部14aが
上壁8の開口部に向け弧状に突出した受け片8aに嵌め
込まれて、蓋板12が上壁8に回動自在に支持されてい
る。なお、回動軸部14aは、連結片14の左右両側か
ら突出した係合片(図1の14b)が上壁8に設けた水
平な保持孔(図1の8b)に嵌め込まれることで、上壁
8に回動自在に保持されている。
【0020】ケース1の前壁9およびベース2の前部に
は、図7に示すように、左右両側における対向箇所にそ
れぞれの差込み口17を形成するための矩形状の切欠き
9a,2aが、前方へ若干突出した窓枠42に囲まれて
形成されており、前壁9の切欠き9aの上辺部にはシー
ル部材18が揺動自在に取り付けられている。シール部
材18は、下辺が弧状となっており、その上部に、図8
(a)〜(c)に示すように、前後方向(図8(b)の
左右方向)に突出した厚肉の取付部18aが形成され、
この取付部18aの左右両端に短い円柱状の軸部18b
が突出して形成されている。
【0021】他方、前壁9の窓枠42の左右の隅にはヒ
ンジ部43が一体形成され、上辺部42aに、上方から
上記ヒンジ部43に達する有底の支持孔20が形成され
ている。この支持孔20は、図8(a)に示すように、
ヒンジ部43に位置する下半部がシール部材18の取付
部18a側へ向かって開口しており、この開口から軸部
18bが支持孔20内へ強くこじ入れるようにして差し
込まれて支持されることにより、シール部材18がヒン
ジ部43に図8(c)に矢印で示す内外方向へ揺動自在
に装着されている。シール部材18は、手により押され
たときに内外方向に揺動して、手が差込み口17を容易
に通過するのを、あるいは作業を容易に行えるのを許容
する。
【0022】図6に示すベース2の底壁7には、前縁近
傍における一対の差込み口17の中間位置に取付孔21
が形成され、この取付孔21に、エア調節バルブ19を
備えた空気導入管23が貫通固定されている。空気導入
管23の空気導入側には空気供給管24が接続され、か
つ空気導入管23の空気噴出側にはエアノズル22が連
結されている。エアノズル22は、複数の小さなノズル
キャップを多関節状に嵌め込むことにより、自在に屈曲
して空気の噴出方向を調節できる形態になっており、通
常時には図示のように作業室4の後方の加工領域4aに
空気を噴出する向きに設定されている。また、ケース本
体3の後端部であって作業室4の外部箇所に、上方に向
かって開口した管状の空気排出口27が一体形成されて
おり、この空気排出口27は、排気ホース28を介して
排気装置(図示せず)に接続される。また、空気排出口
27内に空気を円滑に導くために、ケース本体3の後壁
10の下部に、空気導入ガイド部29が形成され、ベー
ス2の底壁7の後部に、後方に向け上がり勾配に緩やか
に傾斜した空気ガイド面30が形成されている。
【0023】図7に示す蓋板12の上面には、たとえば
倍率2倍の大口径平凸レンズからなる拡大鏡31が装着
されている。拡大鏡31は、その周縁部をリング状の保
持枠32により保持され、保持枠32の突出部32aに
長孔状の位置調整孔33が形成されている。蓋板12の
開閉操作用のつまみ34が、位置調整孔33を挿通し
て、蓋板12の前端部分の内側に固定されたナット35
にねじ結合されており、拡大鏡31はつまみ34を利用
して固定されている。したがって、拡大鏡31は、つま
み34を締め付けたときに、つまみ34に取り付けたリ
ング体37が保持枠32を蓋板12に押し付けることに
より固定される。一方、つまみ34を緩めたときには、
拡大鏡31を、つまみ34と位置調整孔33との係合範
囲内において回動または蓋板12の上面に沿ってスライ
ドさせて位置を変更できる。
【0024】つぎに、上記実施例の使用方法ならびに作
用について、説明する。作業者は、先ず、図7の差込み
口17から右手の指を入れてエア調節バルブ19を操作
し、エアノズル22から空気を噴出させる。このとき、
エア調節ノズル22の回転角度により所望のエア噴出量
に調整する。なお、図6はエア噴出量を最大に設定した
場合のバルブ19の回転位置を示している。また、拡大
鏡31は、図7のつまみ34を緩めて作業者の体格や利
き腕に応じた所望の位置に移動させたのちに、つまみ3
4を締め付けて固定する。つぎに、図9に示すように、
義歯などのワークWと小型グラインダなどの工具Gをそ
れぞれ持った両方の手を、一対の差込み口17からケー
ス1内の作業室4の後方の加工領域4aに挿入する。こ
の手を差込み口17から挿入する際に、シール部材18
が内方(後方)に向け揺動することにより、ワークWや
工具Gを持ったままで手を容易に差込み口17に通過さ
せることができる。なお、大きなワークWの場合には、
図10に2点鎖線で示すように、蓋板12を開放するこ
とにより上方から作業室4内に挿入する。
【0025】そして、ケース1の前下がりに傾斜した透
明な蓋板12および拡大鏡31を通して作業室4内の作
業状況を見ながら、駆動させた工具GでワークWの研磨
や切削を行う。このとき発生する研磨粉や切削屑は、図
9および図10に示すように、エアノズル22から吹き
付けられる空気Eにより後方に吹き飛ばされるととも
に、排気装置の駆動により空気排出口27および排気ホ
ース28を通じて行われる作業室4内の排気によって、
外部に排出される。
【0026】上記歯科用作業カプセルを使用してワーク
Wの研磨または切削作業を行う場合には、ケース1の前
面側から作業室4内に両手を挿入するので、作業者は両
手を自身の前方に延ばした自然な姿勢をとることができ
る。また、手の手首から先を作業室内に挿入できるとと
もに、両腕の開き角が小さくなることから、手を必然的
に前後方向に動かすことで研磨や切削を行うことにな
り、手首をほとんど動かすことなく作業を行える。それ
により、研磨や切削の作業を少ない疲労で容易に行え
る。また、蓋板12の上面に装着されている拡大鏡31
により作業状況を拡大して見ることができるとともに、
作業に伴い発生する粉や屑が空気により即座に吹き飛ば
されて、ワークWの研磨面や切削面が常に粉や屑が付着
しない露呈状態に保持されるから、研磨または切削作業
を正確に、かつ容易に行える。さらに、エアノズル22
は、一対の差込み口17の中間位置に配置されているの
で、手を両差込み口17から挿入する場合だけでなく、
作業を行う際にも邪魔にならない。
【0027】一方、作業室4の前底部に配置されたエア
ノズル22から噴出された空気Eは、図10に示すよう
に、作業室4の後方の排気通路27に向かって直線的に
円滑に流れるので、研磨屑や切削屑を吹き飛ばしなが
ら、これらと共に排出される。しかも、図9に示すよう
に、手首と差込み口17周縁との隙間が、手の動きに対
応して内外方向に揺動するシール部材18によって作業
に支障のない状態で覆われているから、作業室4を十分
閉塞できる結果、効果的な排気を行って吸塵効果が高め
られる。さらに、作業室4の前方部から後方部に向けて
空気を吹き付けているから、ケース1の前面部にある差
込み口17からの塵埃の漏れを確実に防止できる。それ
らにより、研磨粉や切削屑がケース1の外部へ飛散する
のをほぼ完全に防止できる。
【0028】ここで、上記エアノズル22による空気の
吹き付けを行わない場合でも、ワークWの研磨粉や切削
屑のケース外部への飛散を充分防止できる。つまり、シ
ール部材18に存在により、手首と差込み口17の周縁
との隙間が小さくなるから、作業室4内の排気に伴って
この小さな隙間から作業室4内に吸引される空気E1
は、その流速が大きくなるので、円滑に作業室後方に向
かって流れ、加工領域4aを通って研磨粉や切削屑を取
り込んだのち、そのまま作業室後部の空気排出口27か
ら排出される。これにより、研磨粉や切削屑が手の差込
み口17からケース1の外部へ飛散するのが防止され
る。
【0029】このとき、ケース1の側壁11の後半部
が、大きな曲率半径で内側へ進入するように湾曲して、
平らな後壁10に滑らかに連続しているので、差込み口
17から進入した空気E1は、側壁11に沿って後部へ
円滑に導かれ、空気排出口27から排出される。したが
って、この空気E1の流れが大きく乱れて差込み口17
からケース外部へ逆流するおそれはない。
【0030】ところで、義歯の金属床のような金属鋳造
物のスプールカットやインレー研磨工程、あるいはコバ
ルトクロム合金やチタンなどの研磨工程を行う場合に
は、図10に2点鎖線で示すように、つまみ34を持っ
て蓋板12を開放させたのちに、研磨された金粉などの
回収用トレー38をケース1内に上方から挿入してベー
ス2の底壁7上に載置するとともに、排気装置の駆動を
停止する。そして、エアノズル22からの噴出空気Eを
研磨部分に吹き付けることにより、ワークWの研磨に伴
う発熱を、防塵用の空気を利用した冷却効果で抑制し
て、ワークWの物性または形態の変化を防止できるとと
もに、切削された高価な金粉などは、排気装置の駆動停
止によって空気排出口27に吸引されるのを防止して、
トレー38内に落下させて回収できる。このように排気
装置の駆動を停止した場合でも、作業室4はシール部材
18によって外部からシールされているから、研磨粉や
切削屑の外部への飛散を防止する防塵効果が得られる。
【0031】なお、エアノズル22の噴出空気量はワー
クWや作業に応じてエア調節バルブ19により任意に調
節できる。
【0032】作業終了時には、ワークWや作業者の手を
空気により粉や塵を吹き飛ばして清掃してからケース1
の外部に引き出すようにすれば、塵埃で作業室を汚すこ
とがない。したがって、研磨粉や石削屑がケース1の外
部へ飛散するのをほぼ完全に防止できることと併せて、
研磨や切削作業を行っても室内を汚すことがないので、
集塵設備の整った特別な作業室を必要とせずに、診療室
などの任意の部屋で作業できる。
【0033】蓋板12を開放すれば、ケース1の内部を
拭き取るなどの簡単な清掃を即座にかつ容易に行える。
この蓋板12を後方に持ち上げ回動させて開放したと
き、拡大鏡31は、蓋板12の前部、つまり開放状態に
おける上部で、つまみ34により支持されることになる
から、倒れたりすることなく蓋板12の上面に接した状
態で安定に保持される。
【0034】また、上記歯科用作業カプセルでは、拡大
鏡31を、蓋板12の開閉操作用のつまみ34を兼用し
て蓋板12の上面に回動自在およびスライド自在に支持
することにより、構成が簡素化されている。さらに、集
塵効果を高めるために空気排出口27がケース1の下部
に設けられているが、上記空気排出口27が上方に向か
って開口しているので、この空気排出口27に接続され
る排気ホース28が外れにくい利点がある。つまり、空
気排出口を前後方向に向けた場合、作業カプセルを机の
上面で水平に移動させる際、その移動方向が空気排出口
の突出方向に合致していると、空気排出口から排気ホー
スが脱落するおそれがある。これに対し、図10の作業
カプセルでは、空気排出口27が上方を向いているの
で、作業カプセルを机の上面で水平に移動させた際で
も、空気排出口27から脱落するおそれがない。
【0035】また、作業状況を透視するための蓋板12
は、傷がつきにくい表面特殊効果処理を施したアクリル
板などで形成するのが好ましいが、長期の使用によって
損傷や汚損した場合には、ビス13を外して蓋板12を
連結片14から取り外すか、または、蓋板12を連結片
14と一緒に上壁8から取り外すことにより、容易に取
り替えることができる。
【0036】さらに、本願発明の作業カプセルは、歯科
用のみでなく、他の用途、例えば、指輪のような宝飾関
係の物品の研磨や切削用にも使えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る歯科用作業カプセルを
示す平面図である。
【図2】同上の正面図である。
【図3】同上の右側面図である。
【図4】同上の底面図である。
【図5】同上の背面図である。
【図6】同上の左右方向の中央線での切断右側面図であ
る。
【図7】同上の斜視図である。
【図8】(a)はシール部材の取付構造を示す拡大正面
図、(b)は(a)のb−b線断面図、(c)は(a)
のc−c線断面図である。
【図9】同上の使用状態を示す切断平面図である。
【図10】同上の空気の流れを示す切断右側面図であ
る。
【符号の説明】
1…ケース、2…ベース、3…ベース本体、4…作業
室、7…底壁、8…上壁、9…前壁、10…後壁、11
…側壁、17…差込み口、18…シール部材、22…エ
アノズル、27…空気排出口、28…接続ホース、31
…拡大鏡、34…つまみ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業者の両手の手首から先が入る閉塞さ
    れた作業室を形成するケースを有し、 このケースの上壁は透明で前下がりに傾斜しており、 前記ケースの前壁に両手を差し込む一対の差込み口が形
    成され、 それぞれの差込み口に、手首と差込み口周縁との隙間を
    覆い、手により押されて内外方向に揺動して手が差込み
    口を通過するのを許すシール部材が装着され、 さらに、前記作業室内の前底部に配置されて、後方の加
    工領域へ向かって空気を吹き付けるエアノズルと、 排気装置に接続されて、前記作業室の後部から作業室内
    の排気を行う空気排出口とを有している歯科用作業カプ
    セル。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ケースの上壁の
    一部もしくは全部が、開閉自在な蓋板で形成されている
    歯科用作業カプセル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記ケース
    の後部に、上方へ向かって開口する前記空気排出口が形
    成されている歯科用作業カプセル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記
    エアノズルが前記一対の差込み口の中間位置に配置され
    ている歯科用作業カプセル。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
    ケースの上壁の上面に、拡大鏡が装着されている歯科用
    作業カプセル。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記ケースの上壁の
    一部もしくは全部が、開閉自在な蓋板で形成され、 この蓋板は後部において前記ケースに回動自在に連結さ
    れ、 前記蓋板の前部に開閉操作用のつまみが設けられ、 このつまみに前記拡大鏡が回動自在および蓋板の上面に
    沿ってスライド自在に支持されている歯科用作業カプセ
    ル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010062672A1 (en) * 2008-11-03 2010-06-03 3M Innovative Properties Company A method and device for making a dental workpiece
KR200464680Y1 (ko) * 2012-09-28 2013-01-14 김사빈 기공작업용 챔버장치
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