JPH08278209A - 微小力測定装置および微小力測定方法 - Google Patents

微小力測定装置および微小力測定方法

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JPH08278209A
JPH08278209A JP8241795A JP8241795A JPH08278209A JP H08278209 A JPH08278209 A JP H08278209A JP 8241795 A JP8241795 A JP 8241795A JP 8241795 A JP8241795 A JP 8241795A JP H08278209 A JPH08278209 A JP H08278209A
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JP
Japan
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force
electromagnet
displacement
micro
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JP8241795A
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English (en)
Inventor
Naotaka Komatsu
直隆 小松
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微小力を簡単な校正により精度よく求める。 【構成】 可動片3と固定片1との間には流体4が封入
されており、可動片3をX軸プラス方向に移動すると流
体4が変形して固定片1が変位する。固定片1の変位は
変位計5a〜5dにより検出される。この変位が零とな
るように、固定片1を吸引する電磁石6a〜6dに流す
電流値を制御する。吸引により固定片1の変位が零とな
ったときの、電磁石6a〜6dに流している電流値から
微小力(摩擦力)を推定・検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微小力測定装置および微
小力測定方法に関し、例えば2枚のプレート間の隙間
(ミクロンオーダの隙間)に液体(水など)が入ってい
る状態で、プレートが相対移動したときに液体とプレー
トとの間に生じる微小力(微小な剪断力や摩擦力)や、
一定押付け力で物体に押し付けられる針の先端と物体と
の間に生じる微小な摩擦力を精度よく測定できるように
したものである。
【0002】
【従来の技術】図4に従来の技術による、微小摩擦力を
測定することを目的とした測定器の要部を示す。同図に
示すように固定片101と可動片102の間の微小な隙
間には流体(例えば水や油)103が封入されており、
微動ステージ104に乗った可動片102がX軸方向に
移動すると、液体103の剪断力により固定片101も
X軸方向に移動する。このとき、固定片101は箔10
5により上方より懸架されており、剪断力に伴う固定片
101の微小な位置・姿勢変化は静電容量型変位計10
6a,106b,106c,106dにより検出され
る。
【0003】図5に図4の変位計まわりの拡大図を示
す。図5において、変位計106a,106bは、剪断
力に伴う固定片101のZ軸方向の並進位置変化および
Y軸まわりの回転角変化を検出するよう配置されてい
る。一方、変位計106c,106dは、剪断力に伴う
固定片101のX軸方向の並進位置変化およびZ軸まわ
りの回転角変化を検出するよう配置されている。
【0004】したがって、並進力あるいはモーメントと
位置・姿勢変化の関係が予め分かっていれば、変位計1
06a〜106dによって検出される位置・姿勢変化か
ら固定片101に作用する摩擦力が推定できる。なお固
定片101のうち下面101aに摩擦力(剪断力)が作
用する。
【0005】また、図6は、摩擦力を測定する従来の測
定器の他の一例である。この例では供試体204をX軸
方向に摺動させ、このときティップ206に生じる摩擦
力を平行ばね201の弾性変形として検出する。すなわ
ち、図6において供試体204をアクチュエータ205
によりZ方向に一定押付け力でX軸+方向に摺動させ
る。このときティップ206にはX軸+方向に摩擦力が
作用する。ティップ206は図7に示すように、平行ば
ね201による支持されている。平行ばね201は、x
軸方向に作用する微小力によりx軸方向に弾性変形し易
いように設計されている。なお図7の矢印Aと図6の矢
印Aの向きは同じ向きを表しており、図7は図6のティ
ップ206まわりの詳細図である。ティップ206が摩
擦力による平行ばね201の弾性変形によりX軸+方向
に移動すると、オプティカルヘッド202により検出さ
れる。この移動量はオプティカルヘッド202から電磁
石203の吸引力を制御するコントローラにフィードバ
ックされ、電磁石203に対し、上記移動量を相殺する
様電流が流れ、吸引力がティップ206に対し発生す
る。したがって電磁石203の吸引力が予め判っていれ
ば、ティップ206に作用する摩擦力が判る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで図4および図
5に示した検出法では、並進力あるいはモーメントと位
置・姿勢変化の関係が分かっていることが力検出をする
上での前提条件になっている。
【0007】並進力あるいはモーメントと位置・姿勢変
化の関係を求める校正作業においては、既知の力を固定
片に加えたときの位置・姿勢変化を検出して行ってい
る。しかし、校正時に、この力の作用線が固定片の重心
を通っていない場合には、重心まわりにモーメントが発
生し、校正データにこの影響が出る等、校正精度に問題
があると言える。
【0008】また、図6に示した例では、摺動方向の力
(=摩擦力)のみを検出するためには、摺動方向以外に
発生する弾性変形を摺動方向のそれに比べ無視できる程
度に十分小さく抑える必要があり、力検出部の剛性設計
が不適切な場合、測定結果に摺動方向以外の力の成分の
影響が出てくる可能性があり、測定精度の点で問題があ
ると言える。なお図6に示す技術は、Journal of Micro
scopy Vol.152 Pt. 2Nov.1988 P363 〜P369に示されて
いる。
【0009】本発明は、上記従来技術に鑑み、精度よく
微小力を検出することのできる微小力測定装置および微
小力測定方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の微小力測定装置は、微小力によって微小力検出部に
発生する弾性変形を検出し、微小力検出部に作用する微
小力を推定する微小力測定装置において、微小力によっ
て微小力検出部に生じる弾性変形量を検出する変位計
と、この変位計により検出された弾性変形量を目標値に
保つよう、微小力検出部に対して、微小力による弾性変
形を相殺する向きに吸引力を発生する電磁石と、この電
磁石に流れるコイル電流を検出する電流検出器と、上記
変位計により検出される微小力検出部の弾性変形量と、
微小力検出部の弾性変形量の目標値とを比較し、両者の
差である電流指令を出力する第1の比較器と、上記電流
指令と上記電流検出器により検出されたコイル電流とを
比較し、両者の差である偏差信号を出力する第2の比較
器と、第2の比較器の偏差信号に応じた値の電圧を上記
電磁石に印加する電圧発生器と、上記コイル電流を記録
する記録計と、を具備することを特徴とする。
【0011】また本発明の微小力測定方法は、微小力測
定装置を複数用いて、各々の微小力測定装置を直交する
軸上に設置し、これら軸の交点位置に微小力検出部を設
置して微小力を計測することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明によれば微小力によって微小力検出部に
発生する弾性変形は変位計によって検出される。検出さ
れた変位は比較器にフィードバックされ、変形量の目標
値(微小力が作用していないときの変位を基準とし、通
常は0)と比較され、検出値と目標値とが一致するよ
う、電磁石に流す電流値(実際には電磁石に対する印加
電圧)を示す電流指令が決められる。さらに、次段の比
較器では、上記電流値(電流指令)と、電流検出器によ
り検出された電磁石を実際に流れる電流値とが比較され
て偏差信号が決定され、電圧発生器は偏差信号に応じた
値の電圧を電磁石に印加する。電磁石は、微小力による
変形方向とは逆の方向に吸引力を発生するよう設置され
ているため、電圧を印加すると微小力による変形量が相
殺される向きに微小力検出部が変形する。このとき微小
力による変形量と電磁石による吸引力とが釣り合い、変
形量が0になったときの電流値を記録計で記録する。一
般に電磁石の電流値と吸引力は比例関係にあるため、予
め比例係数が分かっていれば、電流値から微小力の大き
さが推定できる。
【0013】また本発明の微小力測定装置を、力検出部
が有する自由度に相当する数だけ複数個装備すれば、微
小力検出部の位置・姿勢を決定する力およびモーメント
の検出が適宜可能となる。例えば、微小力検出部が6自
由度を有する場合、並進力3力およびこれら力によるモ
ーメント3力の計6つの力の釣合いによって微小力検出
部の位置・姿勢が決まる。このとき、本発明では、微小
力検出部が自由度の数だけ微小力測定装置を有している
ため、未知数(上記6つの力および力によるモーメン
ト)6個に対し、力と力によるモーメントの釣合の式が
6個となり、これらを連立して解くことですべての未知
数を求めることができる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。
【0015】図1は本発明の第1実施例を示す。第1実
施例のメカ機構(変位計や電磁石や制御回路を除く部
分)は、図4に示す従来技術と同じである。即ち、固定
片1は箔2により上方から懸架されており、可動片3は
微動ステージ(図示省略)に乗っておりX軸方向に移動
できる。固定片1と可動片3との間には微小な隙間(ミ
クロンオーダの隙間)があり、この隙間に流体4が封入
されている。そして固定片1の下面1aが摺動面となっ
ている。本実施例では、可動片3が、X軸プラス方向に
微小移動すると流体4が弾性変形し、流体4との摩擦力
により固定片1も移動する。
【0016】更に本実施例では、固定片1及び可動片3
を間にして、上方に変位計5a,5bが、下方に電磁石
6a,6bが、対向配置されている。また固定片1を間
にして、右方に変位計5c,5dが、左方に電磁石6
c,6dが、対向配置されている。電磁石6a,6bは
励磁されると固定片1を下方(Z軸マイナス方向)に吸
引し、電磁石6c,6dは励磁されると固定片1を左方
(X軸プラス方向)に吸引する。また各電磁石6a,6
b,6c,6dのコイルに流れるコイル電流を検出する
電流検出器7a,7b,7c,7d(図2参照)が備え
られている。
【0017】図2は第1実施例の制御系を示している。
同図に示すように、この制御系は4つの変位計5a〜5
dに対応した4つの制御ユニットにより構成されてい
る。つまり各制御ユニットは、変位計5a〜5dと、電
磁石6a〜6dと、電流検出器7a〜7cと、電源部8
a〜8dと、記録計9a〜9dとで構成されている。
【0018】電磁石6a〜6dはコイル6a−1〜6d
−1を有しており、電源部8a〜8dから印加された電
圧の電圧値に応じたコイル電流が流れ、コイル電流に応
じた(比例した)吸引力fa 〜fd を発生する。この場
合では電磁石6a,6bは固定片1をZ軸マイナス方向
に吸引し、電磁石6c,6dは固定片1をX軸プラス方
向に吸引する。
【0019】変位計5a,5b,5c,5dは固定片1
の変位Δa,Δb,Δc,Δdを検出し、これら変位を
示す変位信号Sa ,Sb ,Sc ,Sd を出力する。電流
検出器7a〜7bはコイル6a−1〜コイル6d−1に
流れるコイル電流値を検出してコイル電流検出信号Da
〜Dd を出力する。また記録計9a〜9dは、コイル6
a−1〜コイル6d−1に流れるコイル電流の値を記録
する。
【0020】電源部8a〜8dは、第1の比較器8a−
1〜8d−1と、第2の比較器8a−2〜8d−2と、
電圧発生器8a−3〜8d−3を有している。各比較器
8a−1〜8d−1には、変位信号Sa 〜Sd 及び変位
量の目標値Oa 〜Od が入力される。変位量の目標値O
a 〜Od としては、通常は零を設定している。
【0021】上記構成となっている第1実施例におい
て、可動片1を微小距離だけX軸プラス方向に移動させ
ると、これに伴い流体4が弾性変形し、固定片1の下面
1aには流体4の剪断力による微小力が作用して、固定
片1の位置が変位する。この変位は変位計5a〜5dに
より検出される。
【0022】電源部8c,8dの第1の比較器8c−
1,8d−1では、それぞれ変位信号Sc ,Sd と変位
量目標値Oc ,Od (通常は値が零)とを比較して電流
指令C c1(=Oc −Sc ),Cd1(=Od −Sd )を出
力する。この電流指令Cc1,C d1は、変位Δc,Δdが
大きいほど大きく変位Δc,Δdが小さくなると小さく
なる。第2の比較器8c−2,8d−2では、電流指令
c1,Cd1とコイル電流検出信号Dc ,Dd とを比較し
て偏差信号Cc2(=Cc1−Dc ),Cd2(=Cd1
d )を出力する。偏差信号Cc2,Cd2は、コイル電流
検出信号Dc ,Dd と電流指令Cc1,Cd1の差が大きい
ほど大きく差が小さくなって検出信号Dc ,D d が指令
c1,Cd1に近づくと小さくなる。電圧発生器8c−
3,8d−3は偏差信号Cc2,Cd2に応じた値の電圧V
c ,Vd をコイル6c−1,6d−1に印加する。これ
によりコイル6c−1,6d−1に電流が流れ、電磁石
6c,6dにより固定片1をX軸プラス方向に吸引す
る。つまり比較器8c−1,8d−1により位置(変
位)フィードバック制御が行なわれ、比較器8c−2,
8d−2により電流フィードバック制御が行なわれ固定
片1には、流体4の変形量を相殺する向きに吸引力が作
用し、最終的には、X軸方向に関し、流体4の変形がな
くなる位置にまで固定片1がX軸プラス方向に移動す
る。
【0023】流体4の変形がなくなる位置にまで固定片
1が変位したときのコイル6c−1,6d−1に流れる
コイル電流値から、電磁石6c,6dの取り付け位置に
おける力が推定される。これらの力の合力がX軸方向の
並進力であり、各々の電磁石6c,6dの取付け位置と
固定片1の重心との距離と、並進力との積から、各々の
電磁石6c,6dの吸引力によるZ軸まわりの力のモー
メントが分かる。
【0024】一方電源部8a,8bの第1の比較器8a
−1,8b−1では、それぞれ変位信号Sa ,Sb と変
位量目標値Oa ,Ob (通常は値が零)とを比較して電
流指令Ca1(=Oa −Sa ),Cb1(=Ob −Sb )を
出力する。この電流指令Ca1,Cb1は、変位Δa,Δb
が大きいほど大きく変位Δa,Δbが小さくなると小さ
くなる。第2の比較器8a−2,8a−2では、電流指
令Ca1,Cb1とコイル電流検出信号Da ,Db とを比較
して偏差信号Ca2(=Ca1−Da ),Cb2(=Cb1−D
b )を出力する。偏差信号Ca2,Cb2は、コイル電流検
出信号Da ,D b と電流指令Ca1,Cb1の差が大きいほ
ど大きく差が小さくなって検出信号Da,Db が指令C
a1,Cb1に近づくと小さくなる。電圧発生器8a−3,
8b−3は偏差信号Ca2,Cb2に応じた値の電圧Va
b をコイル6a−1,6b−1に印加する。これによ
りコイル6a−1,6b−1に電流が流れ、電磁石6
a,6bにより固定片1をZ軸マイナス方向に吸引す
る。つまり比較器8a−1,8b−1により位置(変
位)フィードバック制御が行なわれ、比較器8a−2,
8b−2により電流フィードバック制御が行なわれ固定
片1には、流体4の変形量を相殺する向きに吸引力が作
用し、最終的には、Z軸方向に関し、流体4の変形がな
くなる位置にまで固定片1が吸引される。
【0025】流体4の変形がなくなる位置にまで固定片
1が変位したときのコイル6a−1,6b−1に流れる
コイル電流値から、電磁石6a,6bの取り付け位置に
おける力が推定される。これらの力の合成がZ軸方向の
並進力であり、各々の電磁石6a,6bの取り付け位置
と固定片1の重心との距離と、並進力の積から、各々の
電磁石6a,6bの吸引力によるY軸まわりの力のモー
メントがわかる。
【0026】このように、電磁石6a〜6dに流れる電
流値と吸引力の関係を求めるという比較的簡単な校正に
より微小力の推定・検出が簡単且つ正確にできる。
【0027】なお上述した微小力測定装置を、複数個配
置することにより、固定片1の剛性は未知であっても、
力や、力によるモーメントの検出が可能になる。例え
ば、図1ではX軸方向には電磁石6c,6dの2個装着
されている。摩擦力による固定片1の移動を相殺する様
電磁石の吸引力を制御するとき、電磁石6c,6dの吸
引力の和がX軸方向に作用する摩擦力に等しくなるはず
である。一方、これら2つの電磁石6c,6dの取付け
位置と固定片1の重心との各々の距離が判っていれば、
Z軸まわりのモーメント荷重が判る。すなわち、電磁石
6c,6dの吸引力を各々F6C,F6d、各々の電磁石中
心軸と固定片重心との距離をl6c,l6dとすれば、電磁
石の吸引力による固定片1のZ軸まわりのモーメントM
Z は次式で表される。 MZ =−F6C×l6c+F6d×l6d (正負の向きは図1に示す) したがって、摺動により固定片1に作用するモーメント
力は、この反力となっていることから、2つの電磁石に
より、X軸方向の摩擦力とZ軸まわりのモーメントの2
力が判ることになる。
【0028】図3は本発明の第2実施例を示す。第2実
施例ではZ軸マイナス向きに一定荷重で針10を微動ス
テージ13の表面に押し付けながら、微動ステージ13
をX軸プラス方向に移動させたときに、針10に作用す
る摩擦力を測定するようにしたものである。
【0029】針10は、ガイド穴11により図の上下方
向の並進のみ動作が拘束されつつ保持されている。針1
0には吸引環10a,10bが形成されている。電磁石
12aは針10に環装されてZ軸方向の吸引力を発生
し、電磁石12bはX軸方向の吸引力を発生し、電磁石
12cはY軸方向の吸引力を発生するように配置されて
いる。変位計11bは針10を間にして電磁石12bに
対向する状態で配置され、変位計11cは針10を間に
して電磁石12cに対向する状態で配置されている。
【0030】前記電磁石12aには、押付力制御回路2
0から電圧が印加される。この押付力制御回路20は、
電圧発生器21と電流検出器22と比較器23と記録計
24を有している。電圧発生器21により電磁石12a
に電圧を印加すると、電磁石12aのコイルに電流が流
れ、電磁石12aは吸引環10aを上方に吸引する。電
流検出器22は電磁石12aに流れるコイル電流を検出
する。比較器23は、検出されたコイル電流と吸引力の
目標値との偏差を求め、電圧発生器21は前記偏差に応
じた値の電圧を出力する。
【0031】電磁石12aに電流が流れていないときに
は、ガイド穴11と針10との摩擦を無視すれば、針1
0の自重が微動ステージ13の表面に対する押し付け力
になる。このとき、電磁石12aに電圧をかけると電磁
石12aのコイルに電流が流れ、吸引環10aに対して
吸引力が発生する。すなわち、押し付け力は針10の自
重から電磁石12aによる吸引力を差し引いた値に等し
くなる。結局、電磁石12aのコイルに流れる電流を制
御することにより押し付け力の制御が可能となる。
【0032】また電磁石12bには、摩擦力検出回路3
0により電圧Vb が印加され、変位計11bにより検出
した変位Δbは摩擦力検出回路30に送られる。この摩
擦力検出回路30は、電圧発生器31と電流検出器32
と変位計33と比較器34,35と記録計36を有して
いる。詳細は後述するが、微動ステージ13がX軸プラ
ス方向に微小移動したときに、摩擦力によって生じるX
軸方向の針10のたわみを常に零にするように電磁石1
2bの吸引力を制御し、このときの電磁石12bに流れ
る電流値を記録計36で記録することで、摩擦力の推定
が可能になる。
【0033】計測時の動作を更に説明すると、押付力制
御回路20の吸引力目標値を調整することにより針10
による押し付け力を調整しておく。そこで微動ステージ
13をX軸プラス方向に微小距離移動させると摩擦力に
より針10はX軸プラス方向に微小量だけたわむ。この
ときの電圧発生器31により電圧Vb を電磁石12bに
印加すると電磁石12bに電流が流れ、針10がX軸マ
イナス方向に吸引されると共に、電流値が電流検出器3
2で検出される。変位計33は変位Δbに応じた変位信
号Sb を出力し、電流検出器32はコイル電流値を示す
コイル電流検出信号Db を出力する。第1の比較器34
は変位信号Sb と変位量目標値Ob との差に応じた電流
指令Cb1を出力し、第2の比較器35は電流指令Cb1
コイル電流検出信号Db との差に応じた偏差信号Cb2
出力し、電圧発生器31は偏差信号Cb2に応じた電圧V
b を印加する。このため針10は電磁石12bにより吸
引されたわみがなくなる。このときコイル電流検出値D
b を記録計36により検出・記録することにより、X軸
方向の摩擦力が推定できる。
【0034】またY軸方向に設置された電磁石12c及
び変位計11cに対しても、摩擦力検出回路を備えるこ
とによりY軸方向の成分の力つまり摩擦力の作用方向以
外の成分の力も検出できる。このような摩擦力作用方向
以外の力も考慮することにより、測定誤差を低減するこ
とができる。
【0035】
【発明の効果】以上実施例と共に具体的に説明したよう
に本発明によれば、電磁石に流れる電流値と吸引力の関
係を求めるという比較的簡単な校正により微小力の推定
・検出が簡単にできる。また複数の微小力測定装置を直
交する軸上に設置することにより、力検出部の剛性は未
知であっても力やモーメントの検出が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の機構を示す構成図。
【図2】本発明の第1実施例の制御系を示すブロック構
成図。
【図3】本発明の第2実施例を示す構成図。
【図4】第1の従来技術を示す構成図。
【図5】第1の従来技術のセンサ系を示す構成図。
【図6】第2の従来技術を示す構成図。
【図7】図6におけるティップまわりの詳細を示す構成
図。
【符号の説明】
1 固定片 2 箔 3 可動片 4 流体 5a,5b,5c,5d 変位計 6a,6b,6c,6d 電磁石 7a,7b,7c,7d 電流検出器 8a,8b,8c,8d 電源部 8a−1,8b−1,8c−1,8d−1 比較器 8a−2,8b−2,8c−2,8d−2 比較器 8a−3,8b−3,8c−3,8d−3 電圧発生器 9a,9b,9c,9d 記録計 10 針 11 ガイド穴 12 ロッド 20 押付力制御回路 30 摩擦力検出回路 31 電圧発生器 32 電流検出器 33 変位計 34,35 比較器 36 記録計 101 固定片 102 可動片 103 流体 104 微動ステージ 105 箔 106a,106b,106c,106d 変位計 201 平行ばね 202 オプティカルヘッド 203 電磁石 204 供試体 205 アクチュエータ 206 ティップ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微小力によって微小力検出部に発生する
    弾性変形を検出し、微小力検出部に作用する微小力を推
    定する微小力測定装置において、 微小力によって微小力検出部に生じる弾性変形量を検出
    する変位計と、 この変位計により検出された弾性変形量を目標値に保つ
    よう、微小力検出部に対して、微小力による弾性変形を
    相殺する向きに吸引力を発生する電磁石と、 この電磁石に流れるコイル電流を検出する電流検出器
    と、 上記変位計により検出される微小力検出部の弾性変形量
    と、微小力検出部の弾性変形量の目標値とを比較し、両
    者の差である電流指令を出力する第1の比較器と、 上記電流指令と上記電流検出器により検出されたコイル
    電流とを比較し、両者の差である偏差信号を出力する第
    2の比較器と、 第2の比較器の偏差信号に応じた値の電圧を上記電磁石
    に印加する電圧発生器と、 上記コイル電流を記録する記録計と、 を具備することを特徴とする微小力測定装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の微小力測定装置を
    複数用いて、各々の微小力測定装置を直交する軸上に設
    置し、これら軸の交点位置に微小力検出部を設置して微
    小力を計測することを特徴とする微小力測定方法。
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