JPH08277120A - ガラスゴブの製造方法 - Google Patents

ガラスゴブの製造方法

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JPH08277120A
JPH08277120A JP8113195A JP8113195A JPH08277120A JP H08277120 A JPH08277120 A JP H08277120A JP 8113195 A JP8113195 A JP 8113195A JP 8113195 A JP8113195 A JP 8113195A JP H08277120 A JPH08277120 A JP H08277120A
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JP
Japan
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glass
nozzle
temperature
drop
devitrification
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Application number
JP8113195A
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English (en)
Inventor
Osamu Ikeuchi
収 池内
Takeshi Yamashita
武 山下
Futoshi Ishida
太 石田
Naoko Oka
直子 岡
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 いかなる種類の硝種であっても特に高失透性
低粘性ガラスにおいて、失透、脈理およびしわ等がな
く、しかも重量安定性のあるガラスゴブを製造する方法
を提供すること。 【構成】 ノズルから溶融ガラスを滴下させたのち、該
ノズルの先端部に支持部材上に溶融ガラス一滴または複
数滴分を滞留させ、前記支持部材を高速降下させること
でガラスを表面張力で分離・切断し、冷却、固化して得
るガラスゴブの製造方法において、ノズル先端の内径が
φ0.1mm以上φ1mm以下かつノズル外径がφ2m
m以上φ15mm以下であることを特徴とするガラスゴ
ブの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス滴の自然落下を
利用するシャーマーク(切弾痕)のないガラスゴブの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】精密ガラスプレスレンズの再加熱形成方
法ではプリフォーム(成形用材料)はコスト面から研磨
品より無研磨品に対する要望が高い。無研磨品の製造方
法としては、ノズル先端から溶融ガラスを滴下し、滴下
ガラス滴を下金型で受けてプレス成形する方法がレンズ
の表面に傷、砂目、シャーマーク等の欠陥のないレンズ
を得るための優れた方法として知られている(例えば特
開平5−147949号公報、特開平5−85743号
公報、特開平2−14839号公報および特開平2−3
4525号公報等)。
【0003】しかし従来のガラスゴブの製造方法におい
ては溶融温度、粘性、液相温度(結晶が成長する温度領
域の上限)により使用できる硝種に制約が課せられてお
り、このため失透領域のない高粘性ガラスが主に使用さ
れており、高失透性低粘性ガラスには適用できなかっ
た。より具体的には従来の自然落下を利用したガラスゴ
ブの製造方法においては高失透性低粘性ガラスを使用し
た場合、溶融ガラスは液相温度以上ではガラス粘性が低
く、例えば20ポアズ以下の粘性に対してノズル先端内
径がφ1mmより大きいときにはガラス表面張力よりも
流出するガラスが勝って層流になるのでガラス滴は得ら
れなかった。ノズル先端で滴を形成するためにはノズル
温度を下げて、流下ガラスの粘性を20ポアズ〜50ポ
アズまで高くして表面張力を大きくすることが必要であ
るが、ノズル温度を下げると使用ガラスの失透温度領域
(結晶が成長する温度領域)内に入り失透(ガラスの結
晶化)により滴下が停止したり不連続になったりする。
ガラス滴の滴間隔、重量が不安定になるばかりでなく、
得られるガラスゴブは失透、脈理を生じたりする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであり、いかなる種類の硝種であって
も、特に低粘性高失透性ガラスについて失透、脈理およ
びしわ等がなく、しかも重量安定性のあるガラスゴブを
製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ノズ
ル外径・内径を考慮してノズルから溶融ガラスを滴下さ
せたのち、該ノズルの先端部に支持部材上に溶融ガラス
一滴または複数滴分を滞留させ、前記支持部材を高速降
下させることでガラスを表面張力によって切断し、冷
却、固化して得るガラスゴブの製造方法において、ノズ
ル先端の内径がφ0.1mm以上φ1mm以下かつノズ
ル外径がφ2mm以上φ15mm以下であることを特徴
とするガラスゴブの製造方法に関する。
【0006】本発明によりノズル内径をφ0.1mm以
上φ1mm以下かつノズル外径がφ2mm以上φ15m
m以下にすることにより、いかなる溶融温度、粘性ある
いは液相温度(失透領域温度の上限)を有する硝種であ
っても、例えば20ポアズ以下の高失透性低粘性ガラス
についてもノズル温度を常に液相温度以上に設定し、1
秒から20秒の範囲で任意の滴下間隔が安定して得ら
れ、失透あるいは脈理等内部品質不良のない、重量安定
性に優れたガラスコブを得ることができる。ノズル内径
が小さすぎると流出するガラスより表面張力が勝って、
得られるガラス滴下間隔が長くなりガラスゴブ作製の際
の滞留時間が長くなり好ましくない。ノズル内径をこれ
以上大きくするとガラスの表面張力よりも流出するガラ
スが勝って層流になるのでガラス滴は得られない。
【0007】ノズル径を上記範囲とした場合、0.2g
〜1.5gのガラス滴が得られる。ノズル外径が小さす
ぎると得られるガラス滴が小さくなりガラスゴブ作製の
際の滞留時間が長くなり好ましくない。ノズル外径をこ
れ以上大きくしてもガラスの表面張力を利用しているた
め自然滴下で得られるガラス滴重量の増加はほとんどみ
られない。
【0008】本発明のガラスゴブの製造方法をさらに実
施例に基づいて具体的に説明する。
【実施例】図1に本発明の製造方法を実施するための装
置の概要図を示す。図2にガラスゴブ製造機構の概略図
を示してある。
【0009】本発明は基本的にはガラスを溶融するルツ
ボ(1)、溶融したガラスを外部に導くノズル(3a)
および(3b)、ノズル先端部で形成されるガラス滴
(6a)の落下を抑制し、滞留させる支持部材(10)
を備えたガラス滞留機構(図示せず)からなる。
【0010】ルツボ(1)は溶融ガラス(2)を均質化
するため撹拌棒(4)を備えている。溶融ガラス種は失
透領域のない高粘性低溶融温度ガラス、例えばSF5
7、SF6、SF9等、失透領域のない高粘性高溶融温
度ガラス、例えばSK5、SK14、SK16等、高失
透性高粘性高溶融温度ガラス、例えばPKS1等、高失
透性低粘性高溶融温度ガラス、例えばLaK10、La
K59、LaF71等、または高失透性低粘性低溶融温
度ガラス、例えばFKS51、FKS53等いずれの硝
種でも適用可能である。本発明においては従来ガラスゴ
ブの製造方法には使用できなかった高失透性低粘性高溶
融温度ガラスおよび高失透性低粘性低溶融温度ガラスを
も使用できる。
【0011】ルツボおよびノズルの温度は加熱ヒーター
(5a)〜(5d)により所定の温度に保持される。ル
ツボおよびノズルの温度は液相温度領域以外で、ガラス
の性質および得ようとするガラス滴の大きさに応じて設
定すればよく、通常500〜1400℃の範囲内であ
る。特に、ノズルの下方部(3b)の温度を高く、上方
部(3a)の温度を低く設定すると、ガラス滴(6a)
の滴下を容易にすることができる。好ましくは下方部を
上方部より50〜200℃程度高くするとよい。
【0012】このときガラスの滴下間隔は概ね一定であ
るが、発光部(7)と受光部(8)を備えた滴下センサ
ーによる信号を制御部(9)に送り、加熱ヒーターにフ
ィードバックさせることによりさらに正確な滴下間隔制
御が可能となる。なお、滴下間隔は加熱ヒーター(5
a)〜(5d)のバランスにより任意に設定できる。安
定な滴下のためには1〜20秒間隔程度が好ましい。
【0013】1個のガラス滴の重量はノズル(3b)の
先端部の形状により決定される。失透がなく、内部品質
が良好で、安定した重量のガラス滴を得るためにはノズ
ル先端(3b)の内径φ0.1mm以上φ1mm以下、
好ましくはφ0.3mm〜φ0.8mmであり、外径がφ
2mm〜φ15mm、好ましくはφ5mm〜φ15mm
であることが望ましい。この範囲のノズル径とした場合
0.2〜1.5gのガラス滴が得られる。ノズル内径が小
さすぎると得られるガラス滴下間隔が長くなりガラスゴ
ブ作製の際の滞留時間が長くなり好ましくない。ノズル
内径をこれ以上大きくするとガラスの表面張力よりも流
出するガラスが勝って層流になるのでガラス滴は得られ
ない。ノズル外径が小さすぎると得られるガラス滴が小
さくなりガラスゴブ作製の際の滞留時間が長くなり好ま
しくない。ノズル外径をこれ以上大きくするとしてもガ
ラスの表面張力を利用しているため自然落下で得られる
ガラス滴の重量の増加はほとんどみられない。
【0014】上記実施例においてはルツボおよびノズル
の加熱にヒーターを用いた例を説明したが、別の加熱手
段、例えば高周波コイルあるいは赤外線ランプ等を用い
ることもできる。特に、1000℃以上の高温の場合に
は高周波加熱が有効である。
【0015】以上のように厳密に温度制御された条件下
でノズル先端部にガラス滴を形成させ、これを所定の重
量のガラス滴となるまで支持部材(10)上に滞留させ
る。ガラスの滞留機構について図2を用いて説明する。
【0016】図2においてはガラスを外部に導くノズル
部より下方部が示されている。図中、(3b)はノズル
先端部、(11)はノズル先端加熱用コイルである。
(10)はガラスを滞留させるための支持部材である。
またノズル下方部にはガラス滞留中の支持部材を高温に
保つ加熱コイル(12)を備えている。
【0017】支持部材の温度は室温であってもよく、特
に温度制御を要しない。しかしながら、支持部材の温度
が低すぎる場合にはガラスにシワが発生しやすくなるた
め、加熱コイル(12)による高温制御が有効である。
具体的には溶融ガラスとの反応を防止するためガラス転
移点(Tg)付近で制御を行う。またノズル先端部を窒
素、アルゴン等の非酸化性ガスで満たした密閉部とすれ
ば、ガラスと支持部材との反応は減少し、さらに高温で
の制御が可能となる。
【0018】支持部材(10)は、セラミック、超硬合
金、カーボン、金属等で形成可能であるが、熱伝導率が
よくガラスとの反応性が低い点を考慮するとカーボン、
セラミックが好ましい。
【0019】支持部材(10)はノズルより10〜50
cm下方部にて待機し、ガラス(6b)の滴下タイミン
グを待つ(図2(a))。
【0020】ガラスの滴下タイミングになると、支持部
材(10)をノズル先端部まで上昇させる。支持部材
(10)は次々に出てくるガラス滴が分離しないように
連続して滞留できる位置まで上昇させる。ガラス滴の重
量にもよるがノズル先端(3b)から3〜10mm下方
まで上昇させる(図2(b))。
【0021】ノズル先端とガラス液面(6d)の高さが
概ね一定になるように支持部材(10)を徐々に下げな
がら、ガラス滴を連続して滞留させる。支持部材を徐々
に下げるスピードはガラス滴の重量、滴下間隔によって
異なる(図2(c)〜(e))。
【0022】ガラスの滞留が終了したら支持部材(1
0)を高速降下させ、ガラス滴の連続流を切断する。こ
のステップでの降下はガラスの切断のためにのみ行わ
れ、その降下距離はガラス連続流を表面張力でガラス滴
に分離・切断できる距離(例えば10mm)であれば十
分である。このとき、ガラス切断部に糸(6e)が発生
するが、支持部材はなおノズルに近い位置にあるので、
ノズル(3b)からの輻射熱によって容易にガラスゴブ
(6c)内に吸い込まれる(図2(f))。
【0023】支持部材をさらに下方(待機位置)まで降
下させる。こうしてシャーマーク(切断痕)および脈理・
失透がなく、しかも重量安定性のあるガラスゴブ(6
c)が得られる(図2(g))。
【0024】図3に上記の各ガラスコブ作製工程(図2
(a)〜(g))でのノズル先端に対する支持部材の距
離をグラフ形式で表したものを示した。
【0025】以上のようにして得られたガラスコブは冷
却固化後にガラスコブの上面を所望の金型にてプレス成
形してもよいし、ガラスコブが冷却固化する前にプレス
成形してもよい。
【0026】本発明に従い複数のガラス滴を支持部材上
に互いに界面が生じないように滞留させることにより、
任意の大きさのガラスゴブを得ることができ、より大口
径のレンズの製造が可能となる。
【0027】またノズル温度が液相温度領域以外のと
き、ガラスコブに失透は見られず、内部品質は良好であ
った。
【0028】さらにガラス滞留中に支持部材を徐々に引
き下げ、ガラスの液面を概ね一定に保つことにより、安
定したガラスの切断が行われ、得られるガラスコブの重
量ばらつきも小さくなる。
【0029】実施例1 図4にガラスLaK10における溶融温度と失透・滴下
間隔の関係を示した。本実施例において、以下の条件
(カッコ内の数字は図1と同じものを示す(以下同様で
ある)); ・ガラス(2):LaK10(Tg:629℃、At
(ガラス屈伏点):669℃、Tl(液相温度):77
0℃〜1100℃) ・加熱ヒーター温度:(5a)1350℃ (5b)(5c)1200℃ (5d)1250℃ ・ガラス粘性5ポアズ ・ノズル先端(3b)内径:φ0.5mm、外径:φ1
0mm でガラス滴を作製したところ、0.4gのガラス滴が2
秒間隔で得られた。(図4:滴下可能領域)
【0030】まず、支持部材(10)をノズルからの距
離5mmの高さまで上昇させ、ガラスを1滴滞留させた
のち、一気に10mmの距離を高速で引き下げた。支持
部材をさらに20cm下方に引き下げたのち冷却を行
い、0.4gのガラスゴブを得た。得られたガラスゴブ
にシャーマーク(切断痕)は認められなかった。内部品
質は失透脈理は見られず良好であった。
【0031】実施例2 LaK10ガラス滴が2秒間隔で得られる実施例1と同
様の条件を使用した。支持部材(10)をノズルからの
距離5mmの高さまで上昇させ、ガラスを10秒間滞留
させた。このガラスを滞留させている10秒間の間に、
支持部材を徐々に(0.625mm/秒の速度で)5m
mだけ引き下げた。そしてガラス滞留が終了すると一気
に10mmの距離を高速で引き下げ、ガラスを表面張力
で分離・切断した。さらに支持部材を20cm下方に引
き下げたのち冷却を行い、2gのガラスゴブを得た。得
られたガラスゴブにシャーマーク(切断痕)は認められ
なかった。内部品質は失透脈理は見られず良好であっ
た。
【0032】比較例1 ノズル先端径をφ0.5mmからφ2mmに変えた以外
実施例1の条件を適用したところ、ガラス粘性(5ポア
ズ)に対してノズル内径が大きすぎるため、表面張力よ
りも流出するガラスが勝って層流になるのでガラスは連
続流となり、滴にならなかった。(図4:ガラス流出領
域)
【0033】比較例2 ・ガラス(2):LaK10(Tg:629℃、At:
669℃、Tl:770℃〜1100℃) ・加熱ヒーター温度:(5a)1350℃ (5b)(5c)900℃ (5d)1050℃ ・ガラス粘性20ポアズ ・ノズル先端(3b)内径:φ2.0mm、外径:φ1
0mm
【0034】ノズル内径をφ0.5mmからφ2mmに
変えてもガラス滴が得られるようにガラス粘性を例えば
20ポアズ以上にするために、上記温度へノズル温度
(加熱ヒーター:(5b)〜(5d))を下げ、液相温
度以下の条件下でガラス滴を作製したところ0.4gの
ガラス滴が2秒間隔で得られた。しかし、ノズル温度が
失透領域にあるためノズル先端より結晶が成長し、やが
てガラス滴下は停止してしまった。(図4:失透領域)
【0035】実施例3 ・ガラス(2):LaF71(Tg:632℃、At:
672℃、Tl:750℃〜1150℃) ・加熱ヒーター温度:(5a)1350℃ (5b)(5c)1200℃ (5d)1250℃ ・ガラス粘性4ポアズ ・ノズル先端(3b)内径:φ0.3mm、外径:φ1
0mm でガラス滴を作製したところ、0.4gのガラス滴が2
秒間隔で得られた。
【0036】まず、支持部材(10)をノズルからの距
離5mmの高さまで上昇させ、ガラスを10秒間滞留さ
せた。このガラスを滞留させている10秒間の間に、支
持部材を徐々に(0.625mm/秒の速度で)5mm
だけ引き下げた。そしてガラス滞留が終了すると一気に
10mmの距離を高速で引き下げ、ガラスを表面張力で
分離・切断した。さらに支持部材を20cm下方に引き
下げたのち冷却を行い、2gのガラスゴブを得た。得ら
れたガラスゴブにシャーマーク(切断痕)は認められな
かった。内部品質は失透脈理は見られず良好であった。
【0037】比較例3 ノズル内径をφ0.3mmからφ2mmに変えた以外実
施例3の条件を適用したところ、ガラス粘性(4ポアズ)
に対してノズル内径が大きすぎるため表面張力よりも流
出するガラスが勝って層流になるのでガラスは連続流と
なり、滴にならなかった。滴になるようにノズル温度を
下げると液相温度以下となり失透が見られた。
【0038】実施例4 ・ガラス(2):LaSF59(Tg:600℃、A
t:633℃、Tl:750℃〜1150℃) ・加熱ヒーター温度:(5a)1350℃ (5b)(5c)1200℃ (5d)1250℃ ・ガラス粘性4ポアズ ・ノズル先端(3b)内径:φ0.5mm、外径:φ1
0mm で低粘性ガラス滴を作製したところ、0.5gのガラス
滴が2秒間隔で得られた。
【0039】まず、支持部材(10)をノズルからの距
離5mmの高さまで上昇させ、ガラスを10秒間滞留さ
せた。このガラスを滞留させている10秒間の間に、支
持部材を徐々に(0.625mm/秒の速度で)5mm
だけ引き下げた。そしてガラス滞留が終了すると一気に
10mmの距離を高速で引き下げ、ガラスを表面張力で
分離・切断した。さらに支持部材を20cm下方に引き
下げ、冷却を行い、2.5gのガラスゴブを得た。得ら
れたガラスゴブにシャーマーク(切断痕)は認められな
かった。内部品質は失透脈理は見られず良好であった。
【0040】比較例4 ノズル内径をφ0.5mmからφ2mmに変えた以外実
施例4の条件を適用したところ、ガラスはガラス粘性
(4ポアズ)に対してノズル内径が大きすぎるため表面張
力よりも流出するガラスが勝って層流となるので連続流
となり、滴にならなかった。滴になるようにガラス粘性
を20ポアズ以上にするためにノズル温度を下げると液
相温度以下となり失透が見られた。
【0041】実施例5 ・ガラス(2):PKS1(Tg:549℃、At:5
91℃、Tl:〜1200℃) ・加熱ヒーター温度:(5a)1350℃ (5b)(5c)1300℃ (5d)1350℃ ・ガラス粘性10ポアズ ・ノズル先端(3b)内径:φ0.8mm、外径:φ1
0mm で低粘性ガラス滴を作製したところ、0.5gのガラス
滴が2秒間隔で得られた。
【0042】まず、支持部材(10)をノズルからの距
離5mmの高さまで上昇させ、ガラスを10秒間滞留さ
せた。このガラスを滞留させている10秒間の間に、支
持部材を徐々に(0.625mm/秒の速度で)5mm
だけ引き下げた。そしてガラス滞留が終了すると一気に
10mmの距離を高速で引き下げ、ガラスを表面張力で
分離・切断した。さらに支持部材を20cm下方に引き
下げ、冷却を行い、2.5gのガラスゴブを得た。得ら
れたガラスゴブにシャーマーク(切断痕)は認められな
かった。内部品質は失透脈理は見られず良好であった。
【0043】比較例5 ノズル内径をφ0.8mmからφ2mmに変えた以外実
施例5の条件を適用したところ、ガラスはガラス粘性
(10ポアズ)に対してノズル内径が大きすぎるため表面
張力よりも流出するガラスが勝って層流となるので、滴
にならなかった。滴になるようにガラス粘性を20ポア
ズ以上にするためにノズル温度を下げると液相温度以下
となり失透が見られた。
【0044】実施例6 弗化物ガラスの溶融で揮発する弗素については、図示し
ない配管ダクトにて吸引・処理・排気する。 ・ガラス(2):FKS51(Tg:T1:800℃) ・加熱ヒーター温度:(5a)850℃ (5b)800℃ (5c)850℃ ・ガラス粘性:3.5ポアズ ・ノズル先端(3b)内径:φ0.4mm、外径:φ10
mm で低粘性ガラス滴を作製したところ、0.4gのガラス
滴が2秒間隔で得られた。
【0045】まず、支持部材(10)をノズルからの距離
5mmの高さまで上昇させ、ガラスを10秒間滞留させ
た。このガラスを滞留させている10秒間の間に、支持
部材を徐々に5mmだけ引き下げた(0.625mm/
秒)。そしてガラス滞留が終了すると一気に10mmの
距離を高速で引き下げ、ガラスを表面張力で分離切断し
た。さらに、支持部材を20cm下方に引き下げ、冷却
を行い、2.0gのガラスゴブを得た。得られたガラス
ゴブにシャーマーク(切断痕)は認められなかった。内部
品質は、失透、脈理が見られず良好であった。
【0046】比較例6 ノズル内径をφ0.4mmからφ2mmに変えた以外実
施例6の条件を適用したところ、ガラス粘性(3.5ポア
ズ)に対してノズル内径が大きすぎるため、表面張力よ
りも流出するガラスが勝って層流になるのでガラスは連
続流となり、滴にならなかった。滴になるようにノズル
温度をさげると液相温度以下隣失透がみられた。
【0047】失透領域のない高粘性ガラスについて説明
する。 実施例7 ・ガラス(2):SK5(Tg:658℃、At:70
4℃、Tl:なし) ・加熱ヒーター温度:(5a)1350℃ (5b)(5c)1300℃ (5d)1350℃ ・ガラス粘性20ポアズ ・ノズル先端(3b)内径:φ0.8mm、外径:φ1
0mm で高粘性ガラス滴を作製したところ、0.5gのガラス
滴が2秒間隔で得られた。
【0048】まず、支持部材(10)をノズルからの距
離5mmの高さまで上昇させ、ガラスを8秒間滞留させ
た。このガラスを滞留させている10秒間の間に、支持
部材を徐々に(0.625mm/秒の速度で)5mmだ
け引き下げた。そしてガラス滞留が終了すると一気に1
0mmの距離を高速で引き下げ、ガラスを表面張力で分
離・切断した。さらに支持部材を20cm下方に引き下
げ、冷却を行い、2.5gのガラスゴブを得た。得られ
たガラスゴブにシャーマーク(切断痕)は認められなか
った。内部品質は失透脈理は見られず良好であった。
【0049】比較例7 ノズル内径をφ0.8mmからφ2mmに変えた以外実
施例6の条件を適用したところ、ガラス粘性(20ポア
ズ)に対してノズル内径が大きすぎるため、表面張力よ
り流出するガラスが勝って層流になるのでガラスは連続
流になり、滴にならなかった。滴になるようガラス粘性
を20ポアズ以上にするためにノズル温度を下げると、
粘性が高すぎてガラスは表面張力で滴にならず糸を引い
た。
【0050】実施例8 ・ガラス(2):SF57(Tg:443℃、At:4
63℃、Tl:なし) ・加熱ヒーター温度:(5a)1100℃ (5b)(5c)1100℃ (5d)1150℃ ・ガラス粘性10ポアズ ・ノズル先端(3b)内径:φ0.8mm、外径:φ1
0mm で高粘性ガラス滴を作製したところ、0.5gのガラス
滴が2秒間隔で得られた。
【0051】まず、支持部材(10)をノズルからの距
離5mmの高さまで上昇させ、ガラスを10秒間滞留さ
せた。このガラスを滞留させている10秒間の間に、支
持部材を徐々に(0.625mm/秒の速度で)5mm
だけ引き下げた。そしてガラス滞留が終了すると一気に
10mmの距離を高速で引き下げ、ガラスを表面張力で
分離・切断した。さらに支持部材を20cm下方に引き
下げ、冷却を行い、2.5gのガラスゴブを得た。得ら
れたガラスゴブにシャーマーク(切断痕)は認められな
かった。内部品質は失透脈理は見られず良好であった。
【0052】比較例8 ノズル内径をφ0.8mmからφ2mmに変えた以外実
施例7の条件を適用したところ、ガラス粘性(10ポア
ズ)に対してノズル内径が大きすぎるため表面張力によ
り流出するガラスが勝って層流になるのでガラスは連続
流になり滴にならなかった。滴になるようガラス粘性を
20ポアズ以上にするためにノズル温度を下げると粘性
が高すぎてガラスは表面張力で滴にならず糸を引いた。
【0053】上記実施例および比較例において溶融ガラ
ス、溶融温度、溶融ガラス粘度、ノズル内径・外径を変
えてガラスコブを作製した結果を表1にまとめた。いず
れもノズルの内径がφ1mm以下のとき溶融温度、ノズ
ル温度を液相温度以上に設定でき、このとき得られたガ
ラスゴブは失透および脈理は見られなかった。
【0054】実施例9 ノズル先端外径をφ10mmからφ5mmに変えた以外
実施例1の条件を適用したところ、0.2gのガラス滴
が1.5秒間隔で得られた。ガラス保持時間を10秒か
ら20秒に変えた以外実施例2の条件を適応し2gのガ
ラスゴブを得た。得られたガラスゴブにシャーマーク
(切断痕)は認められなかった。内部品質は失透脈理、糸
引きはみられず良好であった。
【0055】比較例9 ノズル外径をφ15mm以上にするとき、ガラス表面張
力を利用して自然落下で得られるガラス滴の重量はほと
んど増加せず、滴下間隔は著しく長くなる。ノズル先端
外径をφ10mmからφ18mmに変えた以外実施例1
の条件を適用したところ、0.4gのガラス滴が25秒
間隔で得られた。ガラス保持時間を125秒に変えた以
外実施例2の条件を適応し2gのガラスゴブを得た。得
られたガラスゴブにシャーマーク(切断痕)は認められな
かったが、滞留時間が長すぎるため、脈理が見られた。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明によりノズル先端の内径をφ0.
1mm以上φ1mm以下かつノズル外径をφ2mm以上
φ15mm以下にすることにより、いかなる溶融温度、
粘性あるいは液相温度(失透領域温度の上限)を有する
硝種であっても、特に溶融ガラスの粘性が液相温度から
+200℃の作業温度領域で1ポアズ以上20ポアズ以
下の低粘性ガラスにおいて、滴下間隔を調整安定化させ
ることができ、失透あるいは脈理等内部品質不良のな
い、重量安定性に優れたガラスコブを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するための装置の概要図であ
る。
【図2】 ガラスコブの製造工程を説明するための図で
ある。
【図3】 ガラスコブの製造工程におけるノズル先端と
支持部材との距離の推移を表したグラフである。
【図4】 溶融温度と失透・滴下間隔の関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
(1) ルツボ (2) ガラス (3a)、(3b) ノズル (4) 撹拌棒 (5a)、(5b)、(5c)、(5d) ヒーター (6a)ガラス滴 (7) 滴下センサー発光部 (8) 滴下センサー受光部 (9) 滴下センサー制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 太 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 岡 直子 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルから溶融ガラスを滴下させ、該ノ
    ズルの先端部に支持部材上に溶融ガラス一滴または複数
    滴分を滞留させたのち、前記支持部材を高速降下させる
    ことでガラスを表面張力により分離・切断し、冷却、固
    化して得るガラスゴブの製造方法において、ノズル先端
    の内径がφ0.1mm以上φ1mm以下、かつノズル外
    径がφ2mm以上φ15mm以下であることを特徴とす
    るガラスゴブの製造方法。
JP8113195A 1995-04-05 1995-04-06 ガラスゴブの製造方法 Pending JPH08277120A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007145627A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Konica Minolta Opto Inc 液滴状ガラスに適したガラス
JP2008297158A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Konica Minolta Opto Inc 溶融ガラス滴下ノズル、ガラス成形体の製造方法及びガラス成形体の製造装置
JP2014001088A (ja) * 2012-06-15 2014-01-09 Hoya Corp ガラス塊成形装置、ガラス塊の製造方法、ガラス光学素子の製造方法及びガラス塊成形装置におけるガラス塊のキャスト方法
JP2014076930A (ja) * 2012-10-12 2014-05-01 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラスプリフォームの製造方法及びガラスプリフォームの製造装置
JP2015063436A (ja) * 2013-09-26 2015-04-09 Hoya株式会社 ガラス流出装置、ガラス流出方法、ガラス成形品の製造方法、及び、光学素子の製造方法

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