JPH08276605A

JPH08276605A - インクカートリッジ位置決め方法、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置

Info

Publication number: JPH08276605A
Application number: JP1091396A
Authority: JP
Inventors: Tadaoki Yamaguchi; 産興山口
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1995-02-07
Filing date: 1996-01-25
Publication date: 1996-10-22
Anticipated expiration: 2016-01-25
Also published as: JP3145628B2

Abstract

(57)【要約】【課題】インクタンクへのインク供給管とインクカー
トリッジの栓の下穴との嵌合が開始するまで精度良く案
内し、嵌合終了後においては供給管や供給管支持部等に
負荷が加わらないようにする。【解決手段】インクカートリッジ４のインクカートリ
ッジ嵌合部７の先端が供給管支持部２の先端に到達する
まで案内し、インクカートリッジ嵌合部７と供給管支持
部２との嵌合が開始される状態から、被ガイド部５とガ
イド部１０の係合は緩くなり始め、インクカートリッジ
４の装着後においてもインクカートリッジ４はガイド部
１０によって拘束されないように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクカートリッ
ジをインクジェット記録装置に装着させる際のインクカ
ートリッジ位置決め方法、該方法に用いられるインクカ
ートリッジ及びインクジェット記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、インクジェット記録装置において
着脱可能なインクカートリッジを所定の位置に位置決め
する構造に関するものが、特開昭６３−１５７５２号公
報や特開昭５９−１２８５５号公報にて知られている。

【０００３】図６は特開昭６３−１５７５２号公報に開
示された従来のインクカートリッジの位置決め構造を示
す模式図、図７は特開昭５９−１２８５５号公報に開示
された従来のインクカートリッジの位置決め構造を示す
模式図である。

【０００４】図６に示すインクカートリッジの位置決め
構造は、インクカートリッジ６１に設けた位置決めピン
６２をカートリッジケース６３に設けた位置決め溝６４
に沿わせながら挿入することで、インクカートリッジ６
１の栓とカートリッジケース６３の針６６を位置決めさ
せつつ針６６を栓に貫通させ、インクカートリッジ６１
の栓を通じてインクをカートリッジケース６３のインク
供給口６５から供給するように構成されている。

【０００５】図７に示すインクカートリッジの位置決め
構造は、インクカートリッジ７１をインクタンク７２へ
インクを供給するための供給管７３に差し込み、嵌合さ
せることで、インクカートリッジ７１の位置決めを行
い、かつインクカートリッジ７１からのインク漏れを防
止する構造となっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来例ではインクカートリッジの位置決めにおいて以下
のような問題点がある。

【０００７】特開昭６３−１５７５２号公報に示されて
いる従来例では、インクカートリッジ内のインクをイン
クジェットヘッド内に導くための針の先端が鋭く危険で
ある。そこで針の先端が鋭利ではないパイプ状の管を用
い、管がインクカートリッジの栓を容易に貫通するよう
に、栓には予め下穴を形成しておけばよいが、このよう
な対策を講じても、栓の下穴と管の位置ずれがあると、
管が栓に貫通しずらかったり、あるいは全く貫通しない
場合がある。

【０００８】また、特開昭５９−１２８５５号公報に示
されている従来例では、インクカートリッジの装着に際
してインクタンクへインクを供給するためのインク供給
管のみしか用意されておらず、インクカートリッジの装
着の際に嵌合させる部分はいわゆる手暗がりになる為、
装着しにくい。その対策としては、インクカートリッジ
の外周等にガイド部を設け、最終的に嵌合させる部分ま
でを案内することが考えられる。

【０００９】しかし、このような構成にした場合、前述
のインク供給管に対してインクカートリッジを確実に嵌
合させるため前述のガイド部を設け、更にインクカート
リッジの寸法加工精度を相当に高くすると、インクカー
トリッジとインク供給管とを嵌合により位置決めを行っ
た後もインクカートリッジの嵌合部が拘束されてしまう
結果、インク供給管の支持部等に負荷が加わり、インク
カートリッジを頻繁に交換することを考えた場合好まし
くない。一方、前述のガイド部とインクカートリッジと
の隙間を大きくするなどして寸法加工精度を緩くすると
上記の負荷は加わらないが、最終的に嵌合させる部分に
インクカートリッジを正確に案内できず嵌合しにくくな
ってしまう。さらに、手などでインクカートリッジが傾
けられた場合には、隙間が大きいため、インクカートリ
ッジが容易に傾き、その結果、供給管や供給管支持部な
どに負荷が加わることになる。

【００１０】そこで本発明の目的は上記従来技術の問題
点に鑑み、インクカートリッジの装着、位置決めにおい
て、インク供給管とインクカートリッジとの嵌合が開始
するまで精度良く案内し、嵌合終了後においては供給管
や供給管支持部等に負荷が加わらない、インクカートリ
ッジ位置決め方法、該インクカートリッジ及びインクジ
ェット記録装置を提供することにある。

【００１１】本発明の他の目的は、インクカートリッジ
の嵌合部とインク供給管の支持部とが嵌合し始める位置
まではインクカートリッジを収納するための所定の収納
部材とインクカートリッジの係合をガタつきのないよう
に案内してインク供給管の位置とインクカートリッジの
位置とを高精度に位置決めすると共に、嵌合後において
は所定の収納部材とインクカートリッジの係合状態を緩
めることで、インクカートリッジが所定の収納部材に完
全に装着された後はインクカートリッジをインク供給管
の支持部で拘束することなく供給管支持部への負担も少
なくできるインクカートリッジ位置決め方法、該インク
カートリッジ及びインクジェット記録装置を提供するこ
とにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第１の発明は、インクカートリッジの嵌合部とインク
カートリッジ収納部のインク供給管支持との嵌合によ
り、前記インクカートリッジ収納部に前記インクカート
リッジを装着する際のカートリッジ位置決め方法であっ
て、前記インクカートリッジの嵌合部と前記インク供給
管支持部とが嵌合し始めるまで、前記インクカートリッ
ジ収納部と前記インクカートリッジとの係合によって前
記インクカートリッジを案内してインク供給管の位置と
インクカートリッジの嵌合部との位置とを位置決めする
ステップと、前記インクカートリッジの嵌合部と前記イ
ンク供給管支持部との嵌合後に、前記インクカートリッ
ジ収納部と前記インクカートリッジとの係合を少なくと
も部分解除して前記インクカートリッジを前記インクカ
ートリッジ収納部へ装着完了するステップと、を含むこ
とを特徴とする。

【００１３】上記目的を達成するための第２発明は、イ
ンクジェットヘッドを用いて記録媒体に記録を行うイン
クジェット記録装置であって、前記インクジェットヘッ
ドへ供給するインクを貯蔵するためのインクカートリッ
ジを収納するためのカートリッジ収納部と、前記インク
カートリッジ内のインクを前記インクジェットヘッド供
給するために、前記カートリッジ収納部に対して前記イ
ンクカートリッジの有する嵌合部と嵌合可能に位置する
インク供給管と、前記インク供給管を支持するために前
記カートリッジ収納部に位置する供給管支持部と、前記
インクカートリッジが前記カートリッジ収納部に収納さ
れた際に当該インクカートリッジを載置するためのカー
トリッジ載置面と、前記インクカートリッジを前記カー
トリッジ載置面へ案内する際に、前記インクカートリッ
ジと係合して案内するために前記カートリッジ収納部に
設けられた案内部材と、を含み、前記案内部材は、案内
初期において前記インクカートリッジと係合する第１案
内部と、案内終期において前記インクカートリッジとの
係合を少なくとも部分的に解除する第２案内部と、を備
えることを特徴とする。

【００１４】上記目的を達成するための第３発明は、イ
ンクジェットヘッドを用いて記録媒体に記録を行うイン
クジェット記録装置のカートリッジ収納部に収納され、
ここで該カートリッジ収納部にはインク供給管と該イン
ク供給管を支持するための供給管支持部とカートリッジ
載置面とが位置位置している、前記インクジェットヘッ
ドに供給されるインクを貯蔵するためのインクカートリ
ッジであって、前記インクカートリッジ内のインクを前
記インクジェットヘッドへ供給するために前記インク供
給管と嵌合するための嵌合部と、前記インクカートリッ
ジが前記カートリッジ載置面へ案内される際に、前記カ
ートリッジ収納部と係合して案内するための案内部材
と、を含み、前記案内部材は、案内初期において前記イ
ンクカートリッジと係合する第１案内部と、案内終期に
おいて前記インクカートリッジとの係合を少なくとも部
分的に解除する第２案内部と、を備えることを特徴とす
る。

【００１５】上記目的を達成するための第４発明は、下
穴が形成された弾性部材からなる栓で内部にインクを密
封した、所定の収納部材に対して着脱自在なインクカー
トリッジと、該インクカートリッジ内のインクをインク
ジェット記録ヘッドに供給するために前記収納部材に配
された供給管と、該供給管を支持する供給管支持部と、
を備えたインクジェット記録装置であって、前記所定の
収納部材および前記インクカートリッジに相対的に設け
られ、前記インクカートリッジを前記所定の収納部材の
内部へ案内するためのガイド手段と、前記インクカート
リッジの栓の近傍に設けられ、前記ガイド手段を用いて
前記インクカートリッジが前記所定の収納部材の内部へ
装着されていく過程で前記供給管支持部と嵌合されて、
前記供給管の位置と前記栓の下穴の位置との位置決めを
行うインクカートリッジ嵌合部と、を有することを特徴
とする。

【００１６】上記第４発明では、所定の収納部材に対し
てインクカートリッジを内部へとガイド手段を用いて装
着していくと、インクカートリッジにおける、インクを
密封するための栓の近傍に設けられたインクカートリッ
ジ嵌合部は、所定の収納部材に内蔵されたインクジェッ
ト記録ヘッドに突設された供給管支持部と嵌合されて、
供給管の位置と栓の下穴の位置との位置決めを行う。

【００１７】このような装着過程において、インクカー
トリッジ嵌合部と供給管支持部とが嵌合し始める位置ま
では、ガイド手段は所定の収納部材とインクカートリッ
ジの係合をガタつきの無いように案内するので、供給管
の位置と栓の下穴の位置とは高精度に位置決めされる。
また、嵌合状態になった時点からガイド手段は所定の部
材とインクカートリッジの係合状態を緩くしているの
で、インクカートリッジが完全に装着された後は、イン
クカートリッジは拘束されることなく、供給管支持部へ
の負荷も無くなる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。

【００１９】（第１の実施形態）図１は、本発明による
インクジェット記録装置のインクカートリッジ位置決め
構造の第１の実施形態を表す模式図であり、インクカー
トリッジ装着時の状態を示す。

【００２０】本形態のインクカートリッジの位置決め構
造を持つインクジェット記録装置は、図１に示すように
インクジェット記録ヘッド１を載置した所定のインクカ
ートリッジ収納部材９ａを記録領域に沿ってシリアル移
動させるためのキャリッジ９を備えている。尚、収納部
材９ａはインクカートリッジ載置面９ｂを備える部材で
あって、キャリッジ９と一体であっても良いが、キャリ
ッジ９から着脱自在の別部材であっても良い。本例では
収納部材９ａとキャリッジ９とが一体の構成について説
明する。キャリッジ９は、一端部が摺動軸１２に摺動可
能で、かつ摺動軸１２の回りに回転可能に嵌挿され、他
端部がガイド１３と係合されている。またキャリッジ９
は、不図示のタイミングベルトの一部と係わり、不図示
のモーターによりタイミングベルトを駆動することによ
り摺動軸１２に沿って往復運動可能となっている。この
往復運動中、インクジェット記録装置はインクジェット
記録ヘッド１から所定のタイミングにてインクを吐出さ
せて印字画像を形成する。尚、インクジェット記録ヘッ
ド１はインク吐出口からインクを吐出させるためのエネ
ルギーを発生させるための電気熱変換体（電気エネルギ
ーを熱エネルギーに変換するもの）若しくは電気機械変
換体（電気エネルギーを機械的変位に変換するもの）を
備えている。

【００２１】さらにカートリッジ収納部材９ａは、イン
クを貯蔵可能なインクカートリッジ４が着脱可能なもの
となっており、インクカートリッジ４内のインクをイン
クジェット記録ヘッド１内に導くための供給管３が供給
管支持部２にて垂直に突設してある。また、この供給管
３及び供給管支持部２は、カートリッジ収納部材９ａに
直接固定されている形態だけでなく、他の部材、例え
ば、インクジェット記録ヘッド１に供給管３及び供給管
支持部２が取り付けられていて、このインクジェット記
録ヘッド１をカートリッジ収納部材９ａに位置決め装着
した後にインクカートリッジ４をカートリッジ収納部材
９ａに収納する形態であっても良い。少なくとも供給管
３及び供給管支持部２はカートリッジ収納部材９ａに対
してインクカートリッジ４と嵌合可能に位置していれば
良い。

【００２２】インクカートリッジ４の側面部には、溝形
状の被ガイド部５が形成されている。カートリッジ収納
部材９ａには、インクカートリッジ載置面９ｂ側にてテ
ーパ形状のテーパ部１１を持つガイド部１０が設けられ
ている。インクカートリッジ４の被ガイド部５は、ガイ
ド部１０に挿入可能となっており、被ガイド５のインク
カートリッジ４の底部側の溝幅のみが、被ガイド部５と
ガイド部１０の係合状態においてガタつくことのないよ
うに設定されている。本例では、被ガイド部５をインク
カートリッジ４に、ガイド部１０をキャリッジ９に設け
ているが、溝形状の被ガイド部およびこれに挿入可能な
ガイド部からなるガイド手段は、インクカートッリッジ
４およびカートリッジ収納部材９ａに相対的に設けられ
ていればよく、すなわち、溝形状の被ガイド部をカート
リッジ収納部材９ａに、その被ガイド部に挿入可能なガ
イド部をインクカートリッジ４に設けていてもよい。ま
た、前述の被ガイド部とガイド部との係合箇所は複数設
けられている方がより精度の高い位置決めが可能とな
る。

【００２３】また、インクカートリッジ４には、予め針
などで一旦下穴を形成した弾性特性を有する栓６が組み
込まれ、栓６により当該インクカートリッジ４の内部の
インクが密封されているものや、供給管３の先端を押し
付けることで容易に穴が貫通する栓６を備え、当該イン
クカートリッジ４の内部にインクが密封されたものが用
いられる。栓６の近傍には、ガイド部１０に沿ってイン
クカートリッジ４を案内した後に供給管支持部２が嵌合
するインクカートリッジ嵌合部７が設けられている。

【００２４】インクカートリッジ４には、キャリッジ９
に設けられた係止用開口１４に引っ掛かりインクカート
リッジ４をキャリッジ９内に保持させる抜け止め部８が
設けられている。本例は、複数のインクカートリッジ４
（イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック）がキャリッ
ジ９に搭載可能となっている。

【００２５】次に、インクカートリッジ４と供給管３と
が位置決めされる過程について説明する。

【００２６】図２は、本発明の第１の実施形態における
インクジェットカートリッジの装着過程及び方法を説明
するための図である。

【００２７】ユーザーはインクカートリッジ４の被ガイ
ド部５をカートリッジ収納部材９ａのガイド部１０に挿
入し、ガイド部１０に沿わせながらインクカートリッジ
４をカートリッジ収納部材９ａのカートリッジ載置面９
ｂ側へ押し入れる。

【００２８】すると図２の（ａ）に示すように、供給管
３がインクカートリッジ嵌合部７の空間内に入った状態
となる。このとき、インクカートリッジ４の栓６は、ま
だ供給管３に到達しておらず、被ガイド部５はガイド部
１０とガタつきの無いような係合状態である。

【００２９】図２の（ａ）の状態からさらにインクカー
トリッジ４を図の下方（カートリッジ載置面９ｂ側）へ
と押し入れると、図２の（ｂ）に示すように、インクカ
ートリッジ嵌合部７の先端が供給管支持部２の先端に到
達した状態で、すなわち、インクカートリッジ嵌合部７
と供給管支持部２との嵌合が開始されることとなる。こ
の時、ガイド部１０のカートリッジ収納部材９ａの底部
側にはテーパ部１１が設けられているため、被ガイド部
５とガイド部１０の係合状態が緩くなり始めようとす
る。また、図２（ｂ）ではこの状態においても、栓６は
供給管３には到達していないが、栓６と供給管３とが当
接していても良い。

【００３０】さらにインクカートリッジ４を下方へと押
し入れると、図２の（ｃ）に示すように、インクカート
リッジ嵌合部７と供給管支持部３とが嵌合により挿入さ
れ、この状態では、被ガイド部５とガイド部１０の係合
が完全に緩くなっている。

【００３１】その後、インクカートリッジ４を完全にキ
ャリッジ９のカートリッジ載置面９ｂに載置すること
で、栓６は供給管３に到達し、供給管３は栓６、若しく
は栓６の下穴を貫通し、図１に示した抜け止め部８が係
止用開口１４に掛かり、インクカートリッジ４の装着が
終了する。

【００３２】上述したように、インクカートリッジ４の
インクカートリッジ嵌合部７の先端が供給管支持部２の
先端に到達した状態、すなわちインクカートリッジ嵌合
部７と供給管支持部２との嵌合が開始される状態から、
被ガイド部５とガイド部１０の係合は緩くなり始めるた
め、インクカートリッジ４の装着後においてもインクカ
ートリッジ４はガイド部１０によって拘束されない。

【００３３】従って、インクカートリッジ４のスムーズ
な装着が可能となり、また、インクカートリッジ４を装
着後の供給管支持部２への負荷は無くなり、特に供給管
支持部２が直接インクジェット記録ヘッドに設けられて
いる構成においては供給管支持部２、インクジェット記
録ヘッド１の内部流路への悪影響、インクジェット記録
ヘッド１のフェイス面の傾きを最小限に抑えられ、鮮明
な印字画像が得られる。

【００３４】また、インクカートリッジ４と一体成形し
た抜け止め部８はばね性を有しており、インクカートリ
ッジ４を押し入れていき、抜け止め部８が係止用開口１
４に掛かる以前においては、係止用開口１４の近傍の部
位と当接するため、インクカートリッジ４をガイド部１
０に押し付ける方向に力が作用し、被ガイド部５とガイ
ド部１０の係合が緩くなる瞬間において、インクカート
リッジ嵌合部７と供給管支持部２との嵌合挿入を妨げる
虞れがある。

【００３５】したがって、抜け止め部８のばね性が作用
し始める位置を、インクカートリッジ嵌合部７と供給管
支持部２とが嵌合状態になった以降に設定することで、
更なる正確な位置決めと操作性の改善を図ることが可能
となる。

【００３６】（第２の実施形態）図３は、本発明による
インクジェット記録装置のインクカートリッジ位置決め
構造の第２の実施形態を表す模式図である。

【００３７】本形態は、図３に示すように、インクカー
トリッジ２４を収納部材であるカートリッジケース３３
に装着し、キャリッジ２８に搭載したインクジェット記
録ヘッド２１のインクタンク３４にインクカートッジ２
４内のインクをチューブ３５を通じて供給する構成例で
ある。

【００３８】キャリッジ２８は、第１の実施形態と同
様、一端部が摺動軸３１に摺動可能で、かつ摺動軸３１
の回りに回転可能に嵌挿され、他端部がガイド３２と係
合されている。またキャリッジ９は、不図示のタイミン
グベルトの一部と係わり、不図示のモーターによりタイ
ミングベルトを駆動することにより摺動軸３１に沿って
往復運動可能となっている。この往復運動中、インクジ
ェット記録装置はインクジェット記録ヘッド２１から所
定のタイミングにてインクを吐出させて印字画像を形成
する。

【００３９】インクタンク３４に接続されたチューブ３
５の一端と反対側の他端は、カートリッジケース３３の
奥に設けた供給管２３の供給管支持部２２に接続されて
いる。また、供給管２３の周りが供給管３よりも大きな
壁３６で囲まれており、インクカートリッジ嵌合部２７
と壁３６とが嵌合するように構成してある。

【００４０】また、カートリッジケース３３には、ガイ
ド部２９が図面視上下に一対に設けられており、インク
カートリッジ２４側にはガイド部２０の各々に対応する
溝形状の被ガイド部２５が設けられている。

【００４１】本例においては、供給管２３は壁３６で覆
われているので、手で触れられにくくなっており、その
結果、ゴミ等の付着あるいは無理な力が加わることが無
い構成を示している。

【００４２】次に、図３を参照し、インクカートリッジ
２４と供給管２３とが位置決めされる過程及び方法につ
いて説明する。

【００４３】ユーザーはインクカートリッジ２４の被ガ
イド部２５をカートリッジケース３３のガイド部２９に
挿入し、ガイド部２９に沿わせながらインクカートリッ
ジ２４をカートリッジケース７３の奥側へ押し入れる。

【００４４】すると、インクカートリッジ嵌合部２７の
先端が供給管２３の先端に到達した状態で、すなわち、
インクカートリッジ嵌合部７と壁３６との嵌合が開始さ
れる状態となる。この時、カートリッジケース３３の奥
側のガイド部２９の端部にはテーパ部３０が設けられて
いるため、被ガイド部２５とガイド部２９の係合状態が
緩くなり始めようとする。また、この状態においても、
栓２６は供給管２３には到達していない。

【００４５】さらにインクカートリッジ２４を奥へ押し
入れると、インクカートリッッジ嵌合部２７と壁３６と
が嵌合され、この状態では、被ガイド部２５とガイド部
２９の係合が完全に緩くなった状態となるので、インク
カートリッジ２４はカートリッジケース３３の奥方部分
でガイド部２９から強く拘束されることはない。

【００４６】その後さらに、インクカートリッジ２４を
押し入れることで、栓２６は供給管２３に到達し、供給
管２３は栓２６、若しくは栓２６の下穴を貫通し、イン
クカートリッジ４の装着が終了する。

【００４７】（第３の実施形態）本形態は、第２の実施
形態における供給管に、さらに負荷が加わらない構成と
したものである。

【００４８】図４は、本発明によるインクジェット記録
装置のインクカートリッジ位置決め構造の第３の実施形
態の供給管周辺部の断面拡大図である。この図では、図
３と同一の構成部材について同一符号を付してあり、本
例の説明において、第２の実施形態と重複する部分につ
いてその説明を省略する。

【００４９】図４において、栓２６ａの両面にはシール
性を持たせるための突起１８が形成され、インクカート
リッジ嵌合部２７の先端側における栓２６ａの下穴には
斜面３７が形成されている。また栓２６ａは、間隙３９
を持たせてインクカートリッジ２４に組み込まれている
ため、矢印方向に移動容易になっている。

【００５０】上述したように、栓２６ａはインクカート
リッジ２４に組み込まれた後も、矢印方向に移動容易で
あるため、インクカートリッジ嵌合部７と壁３６とが嵌
合し挿入される過程において、斜面３７および間隙３９
の作用により栓２６ａが供給管２３に対して移動し、供
給管２３と栓２６ａの下穴とが負荷が加わらずにさらに
正確に位置決めされ、また、操作性の低下を招くことも
ない。

【００５１】（第４の実施形態）図５は、本発明による
インクジェット記録装置のインクカートリッジ位置決め
構造の第４の実施形態であるインクカートリッジ嵌合部
を示す図である。

【００５２】本形態は、図５において、第１または第２
の実施形態に示したインクカートリッジ嵌合部に切り欠
き４１を形成することにより嵌合片４０として、ばね性
を持たせたものである。この構成を用いることにより、
上述した第１および第２の実施例に対して、さらに供給
管支持部およびインクジェット記録ヘッドへの負荷を軽
減することが可能となる。

【００５３】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。

【００５４】（１）インクカートリッジとインクジェッ
ト記録ヘッドを供給管を介して接続するために所定の収
納部材に対してインクカートリッジを装着していく際、
ガイド手段を用いてインクカートリッジを案内すると共
に、インクカートリッジにおける、インクを密封するた
めの栓の近傍に設けられたインクカートリッジ嵌合部
を、所定の収納部材に突設された供給管支持部、あるい
は所定の収納部材の内部に突設された供給管の周りを囲
む壁と嵌合させて、供給管の位置と、栓若しくは栓の下
穴の位置との位置決めを行う構造とすることにより、操
作性を向上させ、供給管の位置と、栓若しくは栓の下穴
の位置とを高精度に位置決めできる。

【００５５】（２）インクカートリッジを装着して行く
過程においてインクカートリッジ嵌合部と供給管支持部
が嵌合され始める位置に到達した時、その時までガタつ
きの無かったインクカートリッジと所定の収納部材との
係合状態を緩くするようにガイド手段を構成したことに
より、頻繁なインクカートリッジの装着、脱着における
供給管支持部の損傷が抑えられる。特に供給管支持部が
直接インクジェット記録ヘッドに設けられている構成で
は、インクジェット記録ヘッド内部流路への悪影響やイ
ンクジェット記録ヘッドフェイス面の傾きを最小限に抑
えることが可能であり、その結果、鮮明な印字画像が得
られる。

【００５６】（３）インクカートリッジにばね性を有す
る抜け止め部を設け、インクカートリッジの抜け止め部
のばね性が作用し始める位置を、インクカートリッジ嵌
合部と供給管支持部とが嵌合状態になった以降に設定す
ることにより、さらに操作性を向上させる効果がある。

【００５７】（４）インクカートリッジ嵌合部に切り欠
きを設けてばね性を有するようにしたことにより、さら
に供給管支持部等への負荷を軽減させることも可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるインクジェット記録装置のインク
カートリッジ位置決め構造の第１の実施形態を表す模式
図である。

【図２】本発明の第１の実施形態におけるインクジェッ
トカートリッジの装着過程及び方法を説明するための図
である。

【図３】本発明によるインクジェット記録装置のインク
カートリッジ位置決め構造の第２の実施形態を表す模式
図である。

【図４】本発明によるインクジェット記録装置のインク
カートリッジ位置決め構造の第３の実施形態の供給管周
辺部の断面拡大図である。

【図５】本発明によるインクジェット記録装置のインク
カートリッジ位置決め構造の第４の実施形態であるイン
クカートリッジ嵌合部を示す斜視図である。

【図６】従来のインクカートリッジの位置決め構造の一
例を示す模式図である。

【図７】従来のインクカートリッジの位置決め構造の他
の例を示す模式図である。

【符号の説明】

１、２１インクジェット記録ヘッド２、２２供給管支持部３、２３供給管４、２４インクカートリッジ５、２５被ガイド部６、２６栓７、２７インクカートリッジ嵌合部８抜け止め部９、２８キャリッジ９ａカートリッジ収納部材９ｂインクカートリッジ載置面１０、２９ガイド部１１、３０テーパ部１２、３１摺動軸１３、３２ガイド１４係止用開口１５、３３カートリッジケース１６、３４インクタンク１７、３５チューブ３６壁３７斜面３８突起３９間隙４０嵌合片４１切り欠き

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】インクカートリッジの嵌合部とインクカ
ートリッジ収納部のインク供給管支持との嵌合により、
前記インクカートリッジ収納部に前記インクカートリッ
ジを装着する際のカートリッジ位置決め方法であって、前記インクカートリッジの嵌合部と前記インク供給管支
持部とが嵌合し始めるまで、前記インクカートリッジ収
納部と前記インクカートリッジとの係合によって前記イ
ンクカートリッジを案内してインク供給管の位置とイン
クカートリッジの嵌合部との位置とを位置決めするステ
ップと、前記インクカートリッジの嵌合部と前記インク供給管支
持部との嵌合後に、前記インクカートリッジ収納部と前
記インクカートリッジとの係合を少なくとも部分解除し
て前記インクカートリッジを前記インクカートリッジ収
納部へ装着完了するステップと、を含むことを特徴とす
るインクカートリッジ位置決め方法。
【請求項２】前記位置決めステップは、前記インクカ
ートリッジ収納部と前記インクカートリッジとの係合を
ガタつきのないようにして前記インクカートリッジを案
内して前記インク供給管の位置と前記インクカートリッ
ジの嵌合部の位置とを高精度に位置決めする、請求項１
に記載のインクカートリッジ位置決め方法。
【請求項３】前記装着完了ステップは、前記インクカ
ートリッジ収納部と前記インクカートリッジとの係合状
態を緩めて前記インクカートリッジを案内して前記イン
クカートリッジを前記インク供給管支持部に拘束されな
いで前記インクカートリッジ収納部に装着完了する、請
求項１に記載のインクカートリッジ位置決め方法。
【請求項４】前記インクカートリッジ収納部は、イン
クを吐出するインクジェットヘッドを用いて記録媒体に
記録を行うインクジェット記録装置に具備されている、
請求項１に記載のインクカートリッジ位置決め方法。
【請求項５】前記インクカートリッジ収納部は、記録
領域をシリアル移動するキャリッジに配されている、請
求項４に記載のインクカートリッジ位置決め方法。
【請求項６】前記インクジェットヘッドは、インクを
吐出するためのエネルギー発生させるための電気熱変換
体を備えている、請求項４に記載のインクカートリッジ
位置決め方法。
【請求項７】インクジェットヘッドを用いて記録媒体
に記録を行うインクジェット記録装置であって、前記インクジェットヘッドへ供給するインクを貯蔵する
ためのインクカートリッジを収納するためのカートリッ
ジ収納部と、前記インクカートリッジ内のインクを前記インクジェッ
トヘッド供給するために、前記カートリッジ収納部に対
して前記インクカートリッジの有する嵌合部と嵌合可能
に位置するインク供給管と、前記インク供給管を支持するために前記カートリッジ収
納部に位置する供給管支持部と、前記インクカートリッジが前記カートリッジ収納部に収
納された際に当該インクカートリッジを載置するための
カートリッジ載置面と、前記インクカートリッジを前記カートリッジ載置面へ案
内する際に、前記インクカートリッジと係合して案内す
るために前記カートリッジ収納部に設けられた案内部材
と、を含み、前記案内部材は、案内初期において前記インクカートリ
ッジと係合する第１案内部と、案内終期において前記イ
ンクカートリッジとの係合を少なくとも部分的に解除す
る第２案内部と、を備えることを特徴とするインクジェ
ット記録装置。
【請求項８】前記第１案内部は、前記インクカートリ
ッジ収納部と前記インクカートリッジとの係合をガタつ
きのないようにして前記インクカートリッジを案内して
前記インク供給管の位置と前記インクカートリッジの嵌
合部の位置とを高精度に位置決めする、請求項７に記載
のインクジェット記録装置。
【請求項９】前記第２案内部は、前記インクカートリ
ッジ収納部と前記インクカートリッジとの係合状態を緩
めて前記インクカートリッジを案内して前記インクカー
トリッジを前記供給管支持部に拘束されない状態で前記
インクカートリッジ収納部に装着する、請求項８に記載
のインクジェット記録装置。
【請求項１０】前記第２案内部は、前記インクカート
リッジへの係合状態を緩めるためのテーパ形状を有す
る、請求項９に記載のインクジェット記録装置。
【請求項１１】前記インクカートリッジ収納部は、記
録領域をシリアル移動するキャリッジに配されている、
請求項８に記載のインクジェット記録装置。
【請求項１２】前記インクジェットヘッドは、インク
を吐出するためのエネルギーを発生させるための電気熱
変換体を備えている、請求項８に記載のインクジェット
記録装置。
【請求項１３】インクジェットヘッドを用いて記録媒
体に記録を行うインクジェット記録装置のカートリッジ
収納部に収納され、ここで該カートリッジ収納部にはイ
ンク供給管と該インク供給管を支持するための供給管支
持部とカートリッジ載置面とが位置している、前記イン
クジェットヘッドに供給されるインクを貯蔵するための
インクカートリッジであって、前記インクカートリッジ内のインクを前記インクジェッ
トヘッドへ供給するために前記インク供給管と嵌合する
ための嵌合部と、前記インクカートリッジが前記カートリッジ載置面へ案
内される際に、前記カートリッジ収納部と係合して案内
するための案内部材と、を含み、前記案内部材は、案内初期において前記インクカートリ
ッジと係合する第１案内部と、案内終期において前記イ
ンクカートリッジとの係合を少なくとも部分的に解除す
る第２案内部と、を備えることを特徴とするインクカー
トリッジ。
【請求項１４】前記第１案内部は、前記インクカート
リッジ収納部と前記インクカートリッジとの係合をガタ
つきのないようにして前記インクカートリッジを案内し
て前記インク供給管の位置と前記インクカートリッジの
嵌合部の位置とを高精度に位置決めする、請求項１３に
記載のインクカートリッジ。
【請求項１５】前記第２案内部は、前記インクカート
リッジ収納部と前記インクカートリッジとの係合状態を
緩めて前記インクカートリッジを案内して前記インクカ
ートリッジを前記供給管支持部に拘束されない状態で前
記インクカートリッジ収納部に装着する、請求項１３に
記載のインクカートリッジ。
【請求項１６】前記第２案内部は、前記インクカート
リッジ収納部への係合状態を緩めるためのテーパ形状を
有する、請求項１３に記載のインクカートリッジ。
【請求項１７】前記インクカートリッジ収納部は、記
録領域をシリアル移動するキャリッジに配されている、
請求項１３に記載のインクカートリッジ。
【請求項１８】前記インクジェットヘッドは、インク
を吐出するためのエネルギーを発生させるための電気熱
変換体を備えている、請求項１３に記載のインクカート
リッジ。
【請求項１９】下穴が形成された弾性部材からなる栓
で内部にインクを密封した、所定の収納部材に対して着
脱自在なインクカートリッジと、該インクカートリッジ
内のインクをインクジェット記録ヘッドに供給するため
に前記収納部材に配された供給管と、該供給管を支持す
る供給管支持部と、を備えたインクジェット記録装置で
あって、前記所定の収納部材および前記インクカートリッジに相
対的に設けられ、前記インクカートリッジを前記所定の
収納部材の内部へ案内するためのガイド手段と、前記インクカートリッジの栓の近傍に設けられ、前記ガ
イド手段を用いて前記インクカートリッジが前記所定の
収納部材の内部へ装着されていく過程で前記供給管支持
部と嵌合されて、前記供給管の位置と前記栓の下穴の位
置との位置決めを行うインクカートリッジ嵌合部と、を
有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２０】前記ガイド手段は、前記インクカート
リッジを前記所定の収納部材に装着していく過程におい
て、前記インクカートリッジ嵌合部の先端が前記供給管
支持部の先端に到達した時、その時までガタつきの無か
った前記所定の収納部材と前記インクカートリッジとの
係合状態を緩くするように構成されている、請求項１９
に記載のインクジェット記録装置。