JPH08276399A - 熱溶解性素材の加工方法及びその装置、並びに熱溶解性素材の加工方法を使用した金型加工方法 - Google Patents

熱溶解性素材の加工方法及びその装置、並びに熱溶解性素材の加工方法を使用した金型加工方法

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JPH08276399A
JPH08276399A JP8046695A JP8046695A JPH08276399A JP H08276399 A JPH08276399 A JP H08276399A JP 8046695 A JP8046695 A JP 8046695A JP 8046695 A JP8046695 A JP 8046695A JP H08276399 A JPH08276399 A JP H08276399A
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heat
axis
heating element
processing
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JP8046695A
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Inventor
Akinobu Takeuchi
昭伸 竹内
Masanori Furuya
政典 古谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱溶解性素材から余剰部分を発熱体によって
溶解させて除去することにより、製品の表面を滑らかに
成形する。 【構成】 本発明に係る熱溶解性素材の加工方法は、常
温で固化している熱溶解性素材から余剰部分を除去して
自由曲面を有する製品を成形する熱溶解性素材の加工方
法において、熱溶解性素材に接触することによりその熱
溶解性素材を局部的に溶解させる発熱体12nを準備す
る工程と、発熱体12nが熱溶解性素材に接触しながら
加工しようとする製品の自由曲面上を倣うように、その
発熱体12nを熱溶解性素材に対して三次元的に相対移
動させる工程とを有している。このため、製品の輪郭部
分に相当する熱溶解性素材の一部が溶解し、その熱溶解
性素材の本体から余剰部分が分離される。これによっ
て、熱溶解性素材が所定形状の製品に成形される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温で固化している熱
溶解性素材から余剰部分を除去して自由曲面を有する製
品を成形する熱溶解性素材の加工方法及びその装置、並
びに熱溶解性素材の加工方法を使用した金型加工方法に
関する。なお、本発明における自由曲面は平面以外の曲
平面を示す。
【0002】
【従来の技術】熱溶解性素材の加工装置に関する技術
が、実開昭59−28500号公報に記載されており、
その概略図が図7に示されている。この装置は、発熱体
であるヒータ線材2によって発泡スチロール等の熱溶解
性素材(図示されていない)を切断するヒートカッタで
あり、前記ヒータ線材2に電源を供給するための電源装
置3と、そのヒータ線材2を張設するための複数の耐熱
プーリ6、及びそれらの耐熱プーリ6を回転可能な状態
で支持する門型架台4、さらにそのヒータ線材2を張設
方向に往復動させるモータ8等から構成されている。前
記ヒートカッタによって発泡スチロール等(被切断物)
を切断するには、先ず、ヒータ線材2に通電し、そのヒ
ータ線材2を加熱した状態で張設方向に往復動させなが
ら前記被切断物に押し付けることにより行う。これによ
って、前記被切断物の切断しようとする部位が前記ヒー
タ線材2の熱によって溶解し、その被切断物がヒータ線
材2の押圧力によって切断される。なお、前記ヒータ線
材2が張設方向に往復動するため、ヒータ線材2が被切
断物によって冷却され難くなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
ヒートカッタは、直線状のヒータ線材2をその張設方向
に対して直角に移動させることにより発泡スチロール等
を切断するものである。このため、そのヒートカッタを
使用して発泡スチロール等を加工しようとすれば、加工
できる形状は図8(A)に示されるようなルールド面
(線織面)と平面の組み合わせ、あるいは複数のルール
ド面の組み合わせに限られる。また、仮にヒータ線材2
の形状を図8(C)に示されるようなS型に成形したと
すれば、加工できる形状は図8(B)に示されるような
スイープ面の組み合わせに限られる。したがって、例え
ば、金型模型のように曲面を組み合わせた複雑な形状を
加工しようとする場合には、前記ヒートカッタ等では加
工が不可能である。
【0004】このため、金型模型のような複雑な形状を
加工する場合には、素材が発泡スチロール等であっても
鋼材を切削する場合と同様にボールエンドミルを使用し
ている。ここで、前記金型模型とは、実際の金型に近い
形状の鋳造品を成形するために使用される模型であり、
鋳物砂に埋め込まれることにより砂型のキャビティの部
分を構成する。そして、その砂型に金属の溶湯が流し込
まれて前記金型模型が溶湯の熱により焼失し、その金型
模型が溶湯に置き換えられることにより、その金型模型
とほぼ等しい形状の鋳造品が成形される。このようにし
て成形された鋳造品は表面をボールエンドミルによって
削られて金型に加工される。
【0005】しかしながら前述のように金型模型をボー
ルエンドミルによって加工する方法では、高速回転する
ボールエンドミルに発泡スチロール等の加工表面がむし
られ、加工された金型模型の表面が粗くなる。これは、
前記発泡スチロールが鋼材に比べて硬さは小さいが、相
互結合力が弱くむしれ易いという特性を持つためであ
る。このように、金型模型の表面が粗くなると、この金
型模型を使用して成形された鋳造品の表面も粗くなり、
その鋳造品を金型に加工する際の削り代がその分だけ多
く必要になるという問題がある。本発明の技術的課題
は、熱溶解性素材から金型模型のように複雑な形状の製
品を加工する場合にも発熱体を利用して加工が行えるよ
うにすることにより、製品の表面を滑らかに成形できる
ようにして成形精度を向上させること、また、発熱体に
より加工された精度の高い金型模型を使用することによ
り鋳造品の成形精度も向上させて、金型を加工する際の
鋳造品の削り代を減少させようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用、効果】
〔課題を解決するための請求項1に係る手段〕上記した
課題は、以下の特徴を有する熱溶解性素材の加工方法に
よって解決される。即ち、請求項1に係る熱溶解性素材
の加工方法は、常温で固化している熱溶解性素材から余
剰部分を除去して自由曲面を有する製品を成形する熱溶
解性素材の加工方法において、熱溶解性素材に接触する
ことによりその熱溶解性素材を局部的に溶解させる発熱
体を準備する工程と、前記発熱体が前記熱溶解性素材に
接触しながら加工しようとする製品の自由曲面上を倣う
ように、その発熱体を前記熱溶解性素材に対して三次元
的に相対移動させる工程と、を有している。 〔請求項1に記載された発明の作用〕本発明によると、
発熱体を熱溶解性素材に接触させることにより、その熱
溶解性素材の接触部分を局部的に溶解することができ
る。さらに、前記発熱体は加工しようとする製品の自由
曲面上を倣うように熱溶解性素材に対して接触した状態
で三次元的に相対移動する。これによって、製品の輪郭
部分に相当する熱溶解性素材の一部が溶解し、その熱溶
解性素材の本体から余剰部分が分離される。この結果、
熱溶解性素材が自由曲面を有する製品に成形される。 〔請求項1に記載された発明の効果〕本発明によると、
発熱体によって熱溶解性素材から余剰部分を溶解除去し
て自由曲面を有する製品を成形することができるため、
製品の表面がむしられることなく滑らかに成形できるよ
うになり成形精度を向上させることができる。
【0007】〔課題を解決するための請求項2に係る手
段〕上記した課題は、以下の特徴を有する熱溶解性素材
の加工装置によって解決される。即ち、請求項2に係る
熱溶解性素材の加工装置は、常温で固化している熱溶解
性素材から余剰部分を除去して自由曲面を有する製品を
成形する熱溶解性素材の加工装置において、熱溶解性素
材と接触することによりその熱溶解性素材の接触部分を
熱により溶解させる発熱体と、前記発熱体が前記熱溶解
性素材に接触しながら加工しようとする製品の自由曲面
上を倣うように、その発熱体を前記熱溶解性素材に対し
て三次元的に相対移動させる三次元移動機構と、を有し
ている。 〔請求項2に記載された発明の作用〕本発明によると、
発熱体は熱溶解性素材に接触することにより、その熱溶
解性素材の接触部分を熱により溶解させることができ
る。さらに、三次元移動機構は、前記発熱体が熱溶解性
素材に接触しながら加工しようとする製品の自由曲面上
を倣うように、その発熱体を熱溶解性素材に対して三次
元的に相対移動せさることができるようになっている。
即ち、本発明により請求項1に記載された発明を実施す
ることができるようになる。 〔請求項2に記載された発明の効果〕本発明により、請
求項1に記載された発明と同様な効果を得ることができ
るようになる。
【0008】〔課題を解決するための請求項3に係る手
段〕この熱溶解性素材の加工装置は、請求項2に記載さ
れた熱溶解性素材の加工装置において、前記発熱体は複
数設けられており、それぞれの発熱体が三次元移動機構
によって少なくとも一次元方向に独立に移動させられ
る。 〔請求項3に記載された発明の作用〕本発明によると、
発熱体は複数設けられており、それぞれの発熱体が三次
元移動機構によって少なくとも一次元方向に独立に移動
させられる。このため、複数の発熱体を同じ方向に移動
させながら各々の発熱体を製品の自由曲面に倣わせるこ
とができるようになる。即ち、複数の発熱体によって同
時に熱溶解性素材の加工ができるようになるために加工
時間が短縮される。 〔請求項3に記載された発明の効果〕本発明によると、
熱溶解性素材の加工時間が短縮されるためにサイクルタ
イムが短くなる。
【0009】〔課題を解決するための請求項4に係る手
段〕この熱溶解性素材の加工装置は、請求項2に記載さ
れた熱溶解性素材の加工装置において、発熱体は、線材
によりその先端形状が円弧形になるように成形されてい
るとともに、その円弧形の部分が製品の形状に倣うこと
を特徴とする。 〔請求項4に記載された発明の作用〕本発明によると、
発熱体は先端の円弧形の部分が製品の自由曲面上を倣う
ようになっている。このため、前記発熱体の先端が熱溶
解性素材を溶解させている状態は、ボールエンドミルが
ワークを切削している状態の側面視にほぼ等しくなる。
したがって、発熱体の相対移動軌跡を、ボールエンドミ
ルがワークを切削する際の移動軌跡とほぼ等しくするこ
とができるようになり、ボールエンドミルのNCデータ
をほぼそのまま利用することが可能になる。 〔請求項4に記載された発明の効果〕本発明によると、
ボールエンドミルのNCデータをほぼそのまま利用する
ことができるようになるため、三次元移動機構にデータ
を入力する際の工数が低減される。
【0010】〔課題を解決するための請求項5に係る手
段〕この金型加工方法は、請求項1に記載した熱溶解性
素材の加工方法を使用して金型と近似した金型模型を加
工する工程と、前記工程によって加工された金型模型を
鋳物砂に埋め込み、その金型模型をキャビティとする砂
型を成形する工程と、前記工程で成形した砂型に金属の
溶湯を流し込み、前記金型模型を焼失させて、金型模型
とほぼ等しい形状の鋳造品を成形する工程と、前記鋳造
品の表面を切削加工することにより金型を加工する工程
と、を有している。 〔請求項5に記載された発明の作用〕本発明によると、
請求項1に記載した熱溶解性素材の加工方法を使用して
金型と近似した金型模型を製作するために、成形された
金型模型の表面が滑らかになり、金型模型の成形精度が
向上する。このため、金型模型を使用して成形される鋳
造品の成形精度も向上し、その鋳造品を金型よりも必要
以上に大きく成形する必要がなくなる。したがって、金
型を加工する際の鋳造品の削り代を減少させることがで
きるようになる。 〔請求項5に記載された発明の効果〕本発明によると、
金型を加工する際の鋳造品の削り代を減少させることが
できるために、金型の加工時間が短縮されるとともに、
コストの低減も図ることができる。
【0011】
【実施例】以下、図1〜図6に基づいて、本発明の一実
施例に係る熱溶解性素材の加工方法及びその装置、並び
に熱溶解性素材の加工方法を使用した金型加工方法につ
いて説明する。ここで、図1は本実施例に係る熱溶解性
素材の加工装置の要部詳細図、図2は図1のII-II 矢視
図、図3は図4のIII 詳細図、図4は熱溶解性素材の加
工装置の正面図である。前記熱溶解性素材の加工装置1
0(以下、加工装置10という)は、熱溶解性素材であ
る発泡スチロールwに発熱体12n(ニクロム線)を接
触させ、その発熱体12nを加工形状に倣って三次元的
に移動させることにより、その発泡スチロールwの余剰
部分wjを溶解除去し、自由曲面を有する金型模型wm
を成形する装置である。なお、前記加工装置10の進行
方向(図4において紙面に垂直方向)をX軸方向、幅方
向(図4において左右方向)をY軸方向、高さ方向をZ
軸方向として以後の説明を行う。図4に示されるよう
に、前記加工装置10は、幅方向(Y軸方向)に一列に
並べて配置された十台の発熱部12と、それらの発熱部
12を個々に昇降させる昇降機構14とを備えており、
前記昇降機構14及び十台の発熱部12がテーブル状の
Y軸基台13に支持されている。
【0012】前記発熱部12は、図1にその詳細が示さ
れるように、ニクロム線をU字型に成形した発熱体12
nと、前記発熱体12nに電力を供給するとともにその
発熱体12nを支持する筒体12tとから構成されてい
る。前記発熱体12nの先端部分は、回転時のボールエ
ンドミルの投影形状と等しい形状になるように円弧状に
形成されており、前記円弧の半径が約 5mmに設定されて
いる。また、隣合う発熱体12nの間隔は、電気的にシ
ョートしないだけの必要最小限の寸法が確保されてい
る。前記筒体12tは、前記Y軸基台13に設けられた
軸受け13jによって上下動できるように支持された筒
状の部材であり、第1導体12aと第2導体12b、及
び両導体12a,12bを電気的に絶縁する絶縁体12
eとから構成されている。そして、前記発熱体12nの
端部がそれぞれ第1導体12aと第2導体12bに接続
されるようになっている。前記第1導体12aと第2導
体12bはそれぞれが筒を縦割りした形状に成形されて
おり、図2に示されるように、絶縁体12eを介した状
態で筒状となるように張り合わされている。また、前記
絶縁体12eには雌ネジが形成された筒部が前記筒体1
2tの中心に位置するように形成されている。さらに、
第1導体12aと第2導体12bには電源装置12fか
らのケーブル12kが接続されている。即ち、第1導体
12a、第2導体12bを介して電源装置12fからの
電力が発熱体12nに供給される。
【0013】前記昇降機構14は、Z軸サーボモータ1
4eと、そのZ軸サーボモータ14eをY軸基台13上
で前記軸受け13j及び発熱部12と同軸に位置決めす
るための筒状架台14cとから構成されている。前記Z
軸サーボモータ14eは、筒状架台14cの天井部に取
付けられており、さらに、その回転軸14sは前記天井
部に設けられた上部軸受け14jによって回転可能な状
態で半径方向から支持されている。また、前記Z軸サー
ボモータ14eの回転軸14sには雄ネジ14mが形成
されており、その雄ネジ14mが前記筒体12tの絶縁
体12eの雌ネジに螺合するようになっている。この構
造により、Z軸サーボモータ14eが作動すると、ネジ
の作用によってそのZ軸サーボモータ14eの回転角度
に応じた寸法だけ筒体12t及びニクロム線の発熱体1
2nが昇降するようになる。
【0014】前記Y軸基台13には、その両側面に摺動
子(図示されていない)が取付けられており、図4に示
されるように、それらの摺動子がそのY軸基台13をX
軸方向両側から挟むように配置された一対のY軸レール
16rに摺動可能な状態で係合している。そして、前記
Y軸レール16rの端部が縦に位置決めされたX軸架台
16の側面に固定されている。なお、図4には、図面が
複雑にならないように前面側に位置するY軸レール16
rが省略されている。前記X軸架台16にはY軸サーボ
モータ16eがY軸レール16rと平行に装着されてお
り、そのY軸サーボモータ16eの回転軸16sに形成
された雄ネジ16mが、図3、図4に示されるように、
前記Y軸基台13の下面に設けられた凸板13dの雌ネ
ジ孔13wに螺合するようになっている。この構造によ
って、Y軸サーボモータ16eが作動すると、Y軸基台
13はネジの作用によってそのY軸サーボモータ16e
の回転角度に応じた距離だけY軸レール16rに倣って
Y軸方向に移動するようになる。
【0015】また、前記X軸架台16の側面には、図4
に示されるように、摺動子16yが固定されており、そ
の摺動子16yが図示されていない装置架台に取付けら
れたX軸レール18に摺動可能な状態で係合している。
これによって、前記X軸架台16はX軸レール18に倣
ってX軸方向に移動できるようになる。また、前記装置
架台には、X軸サーボモータ(図示されていない)がX
軸レール18と平行に装着されており、そのX軸サーボ
モータの回転軸に形成された雄ネジがX軸架台16の凸
板(図示されていない)に設けられた雌ネジ孔に螺合す
るようになっている。この構造によって、上記したY軸
基台13の場合と同様に、X軸サーボモータが作動する
とネジの作用によってそのX軸サーボモータの回転角度
に応じた寸法だけX軸架台16がX軸方向に移動する。
【0016】即ち、前記X軸架台16がX軸方向に移動
すると、そのX軸架台16に対して摺動子及びY軸レー
ル16rを介して連結された前記Y軸基台13もX軸架
台16と一体にX軸方向に移動することになる。したが
って、X軸サーボモータ、Y軸サーボモータ16eの働
きにより、前記Y軸基台13及びそのY軸基台13に装
着された十台の発熱体12nが一体でX軸方向、Y軸方
向に移動できるようになる。しかしながら、前述のよう
に、各々の発熱体12nはZ軸サーボモータ14eによ
って個別に昇降できるため、発熱体12nの単体につい
て考えると三次元的な移動が可能になる。即ち、X軸サ
ーボモータ、Y軸サーボモータ16e、Z軸サーボモー
タ14e及びY軸基台13、X軸架台16等が本発明の
三次元移動機構に相当する。
【0017】ここで、前記発熱体12nの先端部分は、
前述のように、回転時のボールエンドミルの投影形状と
等しい形状になるように円弧状に形成されている。この
ため、ボールエンドミルによって金型模型wmを切削成
形する際にそのボールエンドミルを移動させる軌跡とほ
ぼ等しい軌跡で発熱体12nを移動させることにより、
自由曲面を有する金型模型wmを製作することができ
る。なお、前記X軸サーボモータ、Y軸サーボモータ1
6e及びZ軸サーボモータ14eは、発熱体12nが金
型模型wmに対応した移動軌跡に基づいて移動するよう
に、図示されていない制御装置によって遠隔制御され
る。
【0018】次に、前記加工装置10の動作説明を行い
ながら本発明の熱溶解素材の加工方法、並びに前記方法
で加工された金型模型を使用して金型を加工する方法を
説明する。先ず、加熱装置10の各々の発熱体12nに
電力が供給されて前記発熱体12nが所定の温度にまで
加熱される。さらに、金型模型wmの材料となる発泡ス
チロールwのブロックが規定位置に位置決めされる。こ
のようにして加工準備が完了するとY軸サーボモータ1
6eが作動し、Y軸基台13が、図4において右端の原
点位置に位置決めされる。次に、図5に示されるよう
に、前記X軸サーボモータが作動してX軸架台16及び
Y軸基台13がX軸方向に移動する。このとき、各々の
発熱体12nの先端は、加工しようとする金型模型wm
の表面形状に倣うように個々のZ軸サーボモータ14e
の働きによって上下に変位する。
【0019】これによって、図4、図5に示されるよう
に、前記発熱体12nがX−Z軸方向に移動する際にそ
れらの発熱体12nに接触する発泡スチロールwが局部
的に溶かされ、発熱体12nのU字型の内側に位置する
余剰部分wjが発泡スチロールwのブロックから取り除
かれる。このようにして、X軸架台16及びY軸基台1
3が原点位置からX軸方向の最終位置まで移動すると、
次に、Y軸サーボモータ16eが作動して前記Y軸架台
13が微小量だけY軸方向に移動する。そして、この状
態で再びX軸サーボモータが作動されて、X軸架台16
及びY軸基台13がX軸方向の最終位置から原点位置に
向けて移動する。このとき前述のように、各々の発熱体
12nは、その先端が加工しようとする金型模型wmの
表面形状に倣うように個々のZ軸サーボモータ14eの
作用によって上下に変位する。これによって、Y軸架台
13がY軸方向に移動した分だけ余分部分wjが発泡ス
チロールwのブロックから取り除かれる。
【0020】このようにして、Y軸サーボモータ16e
によって前記Y軸架台13が微小量だけY軸方向に移動
しながら、繰り返しX軸サーボモータによってX軸方向
の原点位置から最終位置まで、あるいはその逆に移動す
ることにより、発泡スチロールwのブロックが金型模型
wmの形状に加工される。
【0021】上述のように、発泡スチロールwによって
金型模型wmが加工されると、この金型模型wmが鋳物
砂に埋め込まれて鋳造用の砂型が成形され、図6に示さ
れるように、その砂型を使用して鋳造が行われる。これ
によって、金型模型wmが流し込まれた溶湯の熱により
焼失し、その金型模型wmが溶湯に置き換えられること
により、その金型模型wmとほぼ等しい形状の鋳造品が
成形される。次に、金型模型wmとほぼ等しい形状の鋳
造品の表面がボールエンドミルによって切削加工され、
金型が完成する。
【0022】このように、本実施例によると、発熱体1
2nによって発泡スチロールwのブロックから余剰部分
wjを溶解除去して自由曲面を有する金型模型wmを成
形することができる。このため、金型模型wmの表面を
滑らかに成形できるようになり成形精度を向上させるこ
とができる。したがって、鋳造品の成形精度も向上し、
その鋳造品を金型より必要以上に大きく成形する必要が
なくなる。この結果、金型を加工する際の鋳造品の削り
代を減少させることができ、金型の加工時間が短縮され
るとともに、コストの低減も図ることができる。
【0023】また、発熱体12nは複数設けられてお
り、それぞれの発熱体12nがZ軸サーボモータ14e
によって個別に動かされるようになっている。このため
に、複数の発熱体12nによって同時に発泡スチロール
wの加工ができるようになり、加工時間が短縮されてサ
イクルタイムが短くなる。さらに、発熱体12nの先端
が熱溶解性素材を溶解させている状態は、ボールエンド
ミルがワークを切削している状態の側面視にほぼ等しい
ため、発熱体12nの移動軌跡をボールエンドミルがワ
ークを切削する際の移動軌跡とほぼ等しくすることがで
きるようになる。このため、ボールエンドミルのNCデ
ータをほぼそのまま利用することができるようになり、
X軸サーボモータ、Y軸サーボモータ16e及びZ軸サ
ーボモータ14eを制御する制御装置にデータを入力す
る際の工数が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る熱溶解性素材の加工装
置の要部詳細図である。
【図2】図1のII-II 矢視図である。
【図3】図4のIII 詳細図である。
【図4】本発明の一実施例に係る熱溶解性素材の加工装
置の正面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る熱溶解性素材の加工装
置の動作状況を表す斜視図である。
【図6】本発明の一実施例に係る熱溶解性素材の加工方
法を使用した金型加工方法を表す工程図である。
【図7】従来の熱溶解性素材の加工装置(ヒートカッ
タ)を表す斜視図である。
【図8】従来の熱溶解性素材の加工装置による加工面の
形状を表す斜視図である。
【符号の説明】
w 発泡スチロール(熱溶解性素材) wm 金型模型 12 発熱部 12n 発熱体 13 Y軸基台(三次元移動機構) 14 昇降機構(三次元移動機構) 14e Z軸サーボモータ(三次元移動機構) 16 X軸架台(三次元移動機構) 16e Y軸サーボモータ(三次元移動機構)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で固化している熱溶解性素材から余
    剰部分を除去して自由曲面を有する製品を成形する熱溶
    解性素材の加工方法において、 熱溶解性素材に接触することによりその熱溶解性素材を
    局部的に溶解させる発熱体を準備する工程と、 前記発熱体が前記熱溶解性素材に接触しながら加工しよ
    うとする製品の自由曲面上を倣うように、その発熱体を
    前記熱溶解性素材に対して三次元的に相対移動させる工
    程と、を有することを特徴とする熱溶解性素材の加工方
    法。
  2. 【請求項2】 常温で固化している熱溶解性素材から余
    剰部分を除去して自由曲面を有する製品を成形する熱溶
    解性素材の加工装置において、 熱溶解性素材と接触することによりその熱溶解性素材の
    接触部分を熱により溶解させる発熱体と、 前記発熱体が前記熱溶解性素材に接触しながら加工しよ
    うとする製品の自由曲面上を倣うように、その発熱体を
    前記熱溶解性素材に対して三次元的に相対移動させる三
    次元移動機構と、を有することを特徴とする熱溶解性素
    材の加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された熱溶解性素材の加
    工装置において、 前記発熱体は複数設けられており、それぞれの発熱体が
    三次元移動機構によって少なくとも一次元方向には独立
    に移動させられることを特徴とする熱溶解性素材の加工
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載された熱溶解性素材の加
    工装置において、 発熱体は、線材によりその先端形状が円弧形になるよう
    に成形されているとともに、その円弧形の部分が製品の
    形状に倣うことを特徴とする熱溶解性素材の加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載した熱溶解性素材の加工
    方法を使用して金型と近似した金型模型を加工する工程
    と、 前記工程によって加工された金型模型を鋳物砂に埋め込
    み、その金型模型をキャビティとする砂型を成形する工
    程と、 前記工程で成形した砂型に金属の溶湯を流し込み、前記
    金型模型を焼失させて、金型模型とほぼ等しい形状の鋳
    造品を成形する工程と、 前記鋳造品の表面を切削加工することにより金型を加工
    する工程と、を有することを特徴とする金型加工方法。
JP8046695A 1995-04-05 1995-04-05 熱溶解性素材の加工方法及びその装置、並びに熱溶解性素材の加工方法を使用した金型加工方法 Pending JPH08276399A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115284385A (zh) * 2022-09-28 2022-11-04 南通特芯电力科技有限公司 一种mpp电力管熔孔装置

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