JPH08276122A - モザイク荷電膜体、その製造方法、それを用いた脱塩方法及び脱塩装置 - Google Patents

モザイク荷電膜体、その製造方法、それを用いた脱塩方法及び脱塩装置

Info

Publication number
JPH08276122A
JPH08276122A JP10319395A JP10319395A JPH08276122A JP H08276122 A JPH08276122 A JP H08276122A JP 10319395 A JP10319395 A JP 10319395A JP 10319395 A JP10319395 A JP 10319395A JP H08276122 A JPH08276122 A JP H08276122A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
mosaic charged
electrolyte
porous body
mosaic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10319395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3236754B2 (ja
Inventor
Takashi Fukutomi
兀 福冨
Yoshifumi Sugito
善文 杉戸
Minoru Takizawa
稔 滝沢
Toku Mizoguchi
徳 溝口
Michiei Nakamura
道衛 中村
Hitoshi Takeuchi
斉 竹内
Naomi Oguma
尚実 小熊
Munehisa Maruyama
統久 丸山
Shojiro Horiguchi
正二郎 堀口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Original Assignee
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd filed Critical Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Priority to JP10319395A priority Critical patent/JP3236754B2/ja
Publication of JPH08276122A publication Critical patent/JPH08276122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3236754B2 publication Critical patent/JP3236754B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解質と非電解質との分離用或いは塩溶液の
脱塩用として有用であり、更に、十分な耐圧性を有し、
大面積で、且つ十分な機械的強度を有し、簡単な工程で
製造することができるモザイク荷電膜体を提供するこ
と。 【構成】 カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーと
支持体とからなり、支持体が非対称性多孔質体であっ
て、支持体に両ポリマーが透析可能に充填されているこ
とを特徴とするモザイク荷電膜体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はモザイク荷電膜体に関
し、更に詳しくは電解質と非電解質との分離用或いは塩
溶液の脱塩用として有用であるモザイク荷電膜体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カチオン性ドメインとアニオン性ドメイ
ンとが交互に配列されたモザイク荷電膜は、低分子量電
解質を膜を介して透析することができるが、非電解質は
透析することができないか、極めてわずかしか透析しな
い機能性膜であり、例えば、海水などの脱塩や淡水化用
として、或いはバイオ関連分野に大きい期待が持たれて
おり、種々の研究が従来よりなされている。ところで、
モザイクパターンを形成する方法として、互いに相溶し
ないAポリマー及びBポリマーの一方をそれぞれ成分と
するCポリマーとのブロックコポリマーA−C及びB−
Cをミクロ相分離させ、各ブロックコポリマーの量を調
節してラメラ或いはシリンダー構造を形成させ、次いで
カチオン性及びアニオン性の官能基を導入する方法や、
支持体上にモザイクパターンを形成し、その上にカチオ
ン性物質とアニオン性物質をエピタキシー(epita
xy)法によって成長させる方法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法において、ブ
ロックコポリマーの相分離を利用する場合、ラメラ又は
シリンダー構造を形成させるには、混合する2種のコポ
リマーの量的制約や、或いは構造に異方性があるために
膜の断面に対して異種イオン性ポリマー同士を相接さ
せ、且つ膜の表裏において同種のイオン性ポリマー相で
貫通させることは技術的にかなりの困難がある。又、ラ
メラ又はシリンダー構造を形成させた後にカチオン性又
はアニオン性の官能基を導入するには複雑な工程を要
し、それらの導入量も制約を受ける。エピタキシー法で
は、モザイクパターン上にイオン性物質を成長させるに
は非常に厳密な制御が必要であり、大面積の膜の調製に
は問題があった。いずれの方法においても形成される膜
は小面積で、且つ、非常に薄いために機械的強度も低
く、耐圧性にも劣るもので、大面積で、耐圧性に優れ、
且つ分離性能に優れた膜を工業的に製造するには問題が
あった。
【0004】これを解決する方法として特開平5−84
430号公報、特開平6−107798号公報及び特開
平6−262047号公報等に球状ポリマーを用いたモ
ザイク荷電膜を簡単な方法と容易な制御によって製造す
る方法が提案されている。これらの方法で得られるモザ
イク荷電膜の分離性能は良好であるが、耐圧性に劣ると
いう問題がある。従って本発明の目的は、電解質と非電
解質との分離用或いは塩溶液の脱塩用として有用であ
り、更に、十分な耐圧性を有し、大面積で、且つ十分な
機械的強度を有し、簡単な工程で製造することができる
モザイク荷電膜体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、カチオン性ポリ
マーとアニオン性ポリマーと支持体とからなり、支持体
が非対称性多孔質体であって、支持体に両ポリマーが透
析可能に充填されていることを特徴とするモザイク荷電
膜体、その製造方法、該膜体を用いた脱塩方法及び脱塩
装置である。
【0006】
【作用】本発明のモザイク荷電膜体において、カチオン
性ポリマーとアニオン性ポリマーは、例えば、好ましい
態様としては、それぞれをカチオン性及びアニオン性の
球状ポリマーとして使用して、更に、支持体として非対
称性多孔質体を使用することによって、十分な耐圧性を
有し、大面積で、且つ十分な機械的強度を有するモザイ
ク荷電膜体を簡単な工程で提供することができる。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明で使用されるカチオ
ン性ポリマーは、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム
塩基、ピリジニウム基などの塩の基を有するポリマーで
あり、アニオン性ポリマーは、スルホン酸、カルボン
酸、硫酸エステル、燐酸エステル等の塩の基を有するポ
リマーである。塩の基の場合には、カチオン性基に対し
ては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸、有機酸等のアニオン
が対イオンとして使用され、アニオン性基に対しては、
例えば、アルカリ金属等のカチオンが対イオンとして使
用される。
【0008】本発明で使用されるカチオン性ポリマーと
しては、ポリビニルピリジン及びその4級化物、ポリ
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、ポリ4−ビニル
ベンジルジメチルアミン、ポリ2−ヒドロキシ−3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルアミン及
びこれらの塩等が挙げられる。これらのポリマーには、
後記の架橋性モノマー、或いは更に上記ポリマー構成モ
ノマー及び架橋性モノマーと共重合可能なモノマーを共
重合させたものも包含される。
【0009】本発明で使用されるアニオン性ポリマーと
しては、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(メタ)アクリ
ロイルオキシプロピルスルホン酸、ポリ(メタ)アクリ
ル酸スルホプロピル、ポリ(メタ)アクリル酸−2−ス
ルホエチル、ポリ2−(メタ)アクリロイルアミノ−2
−メチル−1−プロパンスルホン酸、ポリ2−(メタ)
アクリロイルアミノ−2−プロパンスルホン酸、ポリビ
ニルスルホン酸、ポリアクリル酸、スチレン−マレイン
酸共重合体及びこれらの塩等が挙げられる。これらのポ
リマーには、後記の架橋性モノマー、或いは更に上記ポ
リマー構成モノマー及び架橋性モノマーと共重合可能な
モノマーを共重合させたものも包含される。以上の如き
ポリマ−を製造する方法としては、種々の公知の方法を
用いることができるが、例えば、ソープフリー重合、エ
マルジョン重合、分散重合、シード重合等の重合法が挙
げられる。
【0010】本発明で使用されるカチオン性ポリマー及
びアニオン性ポリマーは、いずれも平均粒子径が0.0
1μm〜10μmの範囲、好ましくは0.02μm〜1
μmの範囲の球形(粒子状)ポリマーとして使用するこ
とが、本発明のモザイク荷電膜体の製造上好ましい。以
下には両ポリマーをそれぞれ球形ポリマーとして使用す
る場合について説明する。本発明で使用するポリマー粒
子は、必ずしも架橋している必要はないが、得られる膜
体の強度面及び耐溶剤性面より架橋していることが好ま
しい。ポリマー粒子を上記の方法で製造する過程で架橋
させるためには、架橋性モノマーとして、ジビニルベン
ゼン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジメタク
リル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−
ブチレングリコール、その他3〜4官能性(メタ)アク
リル酸エステル類などの公知の架橋性モノマーがポリマ
ーを構成する前記のモノマーと共に共重合される。架橋
性モノマーは全モノマー100重量部に対して0.1〜
20重量部の範囲、好ましくは0.5〜10重量部の範
囲で使用される。
【0011】本発明のモザイク荷電膜体は、支持体とし
ての後記の非対称性多孔質体に上記のカチオン性ポリマ
ー粒子及びアニオン性ポリマー粒子を充填して製造され
るが、カチオン性ポリマー粒子及びアニオン性ポリマー
粒子を充填した後、これらのポリマー粒子を連結架橋さ
せるには、連結架橋用モノマーとして(メタ)アクリル
酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプ
ロピルなどの水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド及びそのメトキシメチル化物、ブト
キシメチル化物等の(メタ)アクリルアミド類、(メ
タ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸などを
前記のポリマー構成モノマー等と共重合させる。連結架
橋用モノマーは全モノマー100重量部に対して1〜7
0重量部の範囲、好ましくは5〜50重量部の範囲で使
用される。
【0012】非対称性多孔質体に充填するカチオン性ポ
リマー及びアニオン性ポリマーの使用割合は、これらの
2種の異種イオン性ポリマー成分のイオン性基の比が等
量であることが好ましいが、粒子の大きさによってはカ
チオン性ポリマー/アニオン性ポリマー(モル比)は
0.5〜2の範囲が好ましい。カチオン性ポリマー粒子
及びアニオン性ポリマー粒子の混合分散液を非対称性多
孔質体に充填した後、ポリマー粒子間及び可能な限りポ
リマー粒子と非対称性多孔質体間を連結架橋してポリマ
ー粒子を化学固定することが好ましい。その連結架橋剤
としては、グルタルアルデヒドで代表される多価アルデ
ヒド類、クロロアセトアルデヒド等のハロアルデヒド
類、メチロール化メラミン及びそのメチルエーテル、ブ
チルエーテルなどの誘導体類、アミノプラスト樹脂、エ
チレン尿素誘導体類などが用いられる。又、ポリマー中
のカチオン性成分に、架橋剤であると同時にポリマー中
のカチオン性成分を4級化することが出来るジヨードブ
タン、ジヨードメタン、ジブロモブタン等のジハロアル
カン類も用いることが出来る。
【0013】カチオン性ポリマー粒子及びアニオン性ポ
リマー粒子の非対称性多孔質体への充填量は、多孔質体
の孔径やこれらのポリマーの粒径によっても異なるが
0.1〜1000g/m2の範囲であり、好ましくは1
〜500g/m2の範囲である。充填量が少なければ膜
体の透析速度は速くなるが耐圧性能が問題となり、充填
量が多くなれば膜体の透析速度が問題となる。本発明で
支持体として使用する非対称性多孔質体は、図1に模式
的に示すように、分離機能を有する表面の細孔層(スキ
ン層)とその下層の支持層から構成されており、非対称
性多孔質体の空孔が同じ孔径、同じ形状のものでない不
均一の多孔質体である。
【0014】好ましい多孔質体は、細孔層と支持層が同
一素材で形成され、厚さの極めて薄い細孔層(一般的に
スキン層と呼ばれる)が表面に生じていて、残りはスポ
ンジ状の支持層から成る多孔質体であり、その素材とし
ては、ステンレス、セラミック、ガラス、セルロースア
セテート等が用いられる。又、多孔質体として細孔層と
支持層の材質が異なる複合性多孔質体(一般的に複合膜
と呼ばれる)の使用も可能であり、細孔層は芳香族ポリ
アミド系、ポリスルホン系、架橋ポリエーテル系、ポリ
ピペリジンアミド系等の素材で形成され、支持層はポリ
スルホン系等の素材で形成される。カチオン性ポリマー
粒子及びアニオン性ポリマー粒子は、多孔質体の細孔層
に充填されるが、細孔層の平均孔径は使用するポリマー
の平均粒子径と同じか、又はそれ以下であることが好ま
しいが、ポリマー粒子が充填されればそれより大きくて
も使用可能であり、その大きさは10μm以下の範囲、
好ましくは1μm以下の範囲である。
【0015】このような非対称性多孔質体の形状は、平
板型、スパイラル型、チューブ型、ホローファイバー型
などがあり、要求耐圧性能及び用途によって形状を変え
ることが出来る。この非対称性多孔質体にポリマー粒子
を充填する場合、ポリマー粒子の多孔質体への濡れ性を
良くし、多孔質体とポリマー粒子間の連結固定を容易に
するために、多孔質体の表面を親水性化処理することが
好ましい。例えば、ステンレス多孔質体に対してはエチ
レンチオグリコール等が用いられる。
【0016】上記のカチオン性ポリマー粒子とアニオン
性ポリマー粒子と非対称性多孔質体とを用いて本発明の
モザイク荷電膜体を製造する方法について以下に説明す
る。 (1)カチオン性及びアニオン性ポリマー粒子の混合分
散液を調製する。 (2)ポリマー粒子混合分散液を非対称性多孔質体に充
填する。 (3)ポリマー粒子間、ポリマー粒子−多孔質体間をグ
ルタルアルデヒドなどの連結架橋剤で化学固定する。連
結架橋の方法は、ポリマー分散液中に前記の連結架橋剤
を混合して、酸或いはアルカリ雰囲気に接触させて架橋
したり、熱処理などによって架橋応を行なうのが好まし
い、場合によって光架橋反応を行ってもよい。 (4)水洗する。 (5)イオン性基導入処理をする。
【0017】以上のようにカチオン性ポリマー粒子及び
アニオン性ポリマー粒子を非対称性多孔質体に充填し
て、更にポリマー粒子間及び好ましくはポリマー粒子−
多孔質体間も連結することによってポリマー粒子間が密
になるために、得られる膜体の耐圧性が向上し、その使
用に際しての濃度差による透析ばかりでなく、加圧によ
る透析及び大面積を有するモザイク荷電膜体の調製も可
能となる。以上に予め球形ポリマーとして調製されたポ
リマーを使用するモザイク荷電膜体について説明した
が、ポリマーを適度な貧溶剤に分散させた分散液を用い
ても上記と同様にモザイク荷電膜体を調製することが出
来る。
【0018】本発明の脱塩装置は、透析膜として以上に
説明した本発明のモザイク荷電膜体を使用するすること
が特徴であり、装置の構造は特に限定されない。一例を
図4に示す。この装置は、加圧下に透析が可能であり、
透析溶液を入れるタンク7は耐圧性のタンクであり、撹
拌軸8による撹拌下に透析が行える様に撹拌用モーター
5がメカニカルシール6でシールされてタンク7に取り
付けられている。モザイク荷電膜体11は、加圧する圧
力に耐える様にフィルターバックアップ12で支持さ
れ、タンク7のフランジ底9にパッキング10によりタ
ンクに気密的に取り付けられている。透析時の圧力によ
って、或いは耐圧性のある非対称性多孔質体を用いてモ
ザイク荷電膜体が形成されている場合には、フィルター
バックアップ12はなくても構わない。透析は、モザイ
ク荷電膜体の性能や透析液の種類等に応じて最適な圧力
で行われる。タンク内の圧力は圧力計13で表示され
る。N−1〜3の弁は、タンクを減圧にする弁、透析液
を注入する弁及び加圧する弁をそれぞれ兼ねている。
尚、この装置は、架台軸15にクランプ14で固定した
リング架台16で支えられている。
【0019】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、文中の部及び%は重量基準である。 参考例1(球状架橋4−ビニルピリジン系ポリマーの調
製) 10部の4−ビニルピリジンと1部のジビニルベンゼン
と0.2部の2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)ジハイドロクロリド(和光純薬社製 V−50)及
び500部の脱イオン水をフラスコに仕込み窒素ガス気
流下で80℃で8時間重合して乳化状物を得た。これを
セルロース製の透析膜を用いて脱イオン水中で透析精製
した。これを走査型電子顕微鏡で観察した結果、平均粒
子径が200nmの均質な球状ポリマーであった。
【0020】参考例2(球状未架橋4−ビニルピリジン
系ポリマーの調製) ジビニルベンゼンを使用しない以外は参考例1と同様に
して重合し、平均粒子径が300nmの均質な球状ポリ
マーを得た。
【0021】参考例3(球状架橋4−ビニルピリジン系
ポリマーの調製) 10部の4−ビニルピリジン、1部のアクリルアミド、
1部のジビニルベンゼン、0.2部の2,2′−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)ジアセテート及び500部
の脱イオン水をフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で8
0℃で8時間重合し、平均粒子径が250nmの均質な
球状ポリマーを得た。
【0022】参考例4(球状架橋スチレンスルホン酸ソ
ーダポリマーの調製) 10部のスチレンスルホン酸ソーダ、3.5部のアクリ
ルアミド、1.5部のメチレンビスアクリルアミド、
0.15部の2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)ジハイドロクロリド及び484部の水をフラスコに
仕込み、窒素気流下で70℃で8時間重合した。この重
合液にアセトンを添加してポリマーを析出させた。得ら
れたポリマーの平均粒子径は、走査型電子顕微鏡で測定
したところ100nmであった。
【0023】参考例5(球状架橋スチレンスルホン酸ソ
ーダポリマーの調製) 10部のスチレンスルホン酸ソーダ、8部のアクリルア
ミド、2部のメチレンビスアクリルアミド、0.4部の
2,2′−アゾビスイソブチリロニトリル及び380部
のメタノールをフラスコに仕込み、窒素気流下で55℃
で7時間重合し析出したポリマーを濾過した。得られた
ポリマーの平均粒子径は、走査型電子顕微鏡で測定した
ところ1.1μmであった。
【0024】参考例6(球状架橋スチレンスルホン酸ソ
ーダポリマーの調製) アクリルアミドの代わりにN−メチロールアクリルアミ
ドを使用した以外は参考例4と同様に重合し、平均粒子
径が110nmの球状ポリマーを得た。
【0025】実施例1 参考例1で得た球状架橋ポリ4−ビニルピリジンの0.
1%の水/アセトン(1/2.5:重量比)分散液4.
5部と、参考例4で得た球状架橋ポリスチレンスルホン
酸ソーダの0.15%の水/アセトン(1/2.5:重
量比)分散液9部を4時間撹拌混合し、40%クロロア
セトアルデヒド水溶液0.01部を添加して更に2時間
撹拌混合した。このポリマー粒子混合分散液を、前もっ
て5%エチレンチオグリコール水溶液にて親水性基導入
処理された直径4cmの円板状ステンレス非対称性多孔
質体(細孔層の平均孔径0.3μm、支持層の平均孔径
100μm)に充填した。
【0026】次にポリマー粒子間及びポリマー粒子−ス
テンレス製多孔質体間を化学固定するために、先ずポリ
マー粒子を充填したステンレス製多孔質体をグルタルア
ルデヒド雰囲気中に8時間放置し、更に、塩化水素ガス
雰囲気中に5時間放置してポリマー粒子間及びポリマー
粒子と多孔質体間を連結架橋した。その後、アンモニア
ガス雰囲気中に2時間置き、更に水洗を十分行って塩化
アンモニウムを除去した。最後にヨウ化メチル雰囲気中
に入れてポリマーのピリジニウム基を4級化し、水洗及
び乾燥して本発明のモザイク荷電膜体を得た。
【0027】評価方法及び評価結果 得られたモザイク荷電膜体を図2の透析装置(膜面積1
2cm2)に設置して膜体の濃度差による透析性能を評
価した。容器1に電解質として0.1mol/lの塩化
カリウム水溶液100mlと、非電解質として0.1m
ol/lのグルコース水溶液100mlを入れ、容器2
に200mlの純水を入れ、25℃、常圧下で透析を行
った。透析時間と容器2への塩化カリウム及びグルコー
スの透析量を測定したところ十分な透析性能を示した。
得られた結果を図3に示した。尚、両容器の平衡状態
(0.025mol/l) を透過率100%とした。更
に、上記のモザイク荷電膜体を図4の圧透析装置に設置
して圧透析性能を評価した。濃度差による透析評価と同
様に塩化カリウムとグルコースを使用し、25℃で5k
g/cm2の圧力で加圧し、透析液の塩化カリウム及び
グルコースの濃度を測定したところ良好な圧透析性能を
示した。
【0028】実施例2 参考例2で得た球状未架橋ポリ4−ビニルピリジンの
0.1%水/アセトン(1/2:重量比)分散液90部
と、参考例4で得た球状架橋ポリスチレンスルホン酸ソ
ーダの0.15%水/アセトン(1/2:重量比)分散
液180部とを4時間撹拌混合し、更に40%クロロア
セトアルデヒド水溶液0.23部加えて十分混合した。
このポリマー粒子混合分散液を、直径10mmのチュー
ブ状セラミック製非対称性多孔質体(細孔層の平均孔径
0.5μm、支持層の平均孔径100μm、細孔層面積
200cm2)に充填した。以下実施例1と同様にして
本発明のモザイク荷電膜体を得た。得られたモザイク荷
電膜体を用いて実施例1と同様に評価したところ、実施
例1と同様に優れた透析性能及び圧透析性能が得られ
た。
【0029】実施例3 参考例3で得た球状架橋ポリ4−ビニルピリジンの0.
1%の水/アセトン(1/2:重量比)分散液25部
と、参考例6で得た球状架橋ポリスチレンスルホン酸ソ
ーダの0.15%の水/アセトン(1/2:重量比)分
散液12.4部とを撹拌混合した。このポリマー粒子混
合分散液を直径10cmの円板状ガラス製非対称性多孔
質体(細孔層の平均孔径0.5μm、支持層の平均孔径
100μm)に充填した。次に150℃で5時間加熱処
理して、ポリマー粒子を連結架橋して本発明のモザイク
荷電膜体を得た。得られたモザイク荷電膜体を用いて実
施例1と同様に評価したところ、実施例1と同様に優れ
た透析性能及び圧透析性能が得られた。
【0030】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、非対称性多
孔質体にカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとを
透析可能に充填することにより、耐圧性及び機械的強度
が向上し、且つ電解質と非電解質の分離或いは塩溶液の
脱塩ができる大面積を有するモザイク荷電膜体を簡単な
工程で提供することができる。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】非対称性多孔質体の模式図である。
【図2】実施例で使用する透析試験装置を説明する図で
ある。
【図3】実施例1の透析性試験結果を示す図である。
【図4】実施例で使用する圧透析装置を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1:容器 2:容器 3:モザイク荷電膜体 4:マグネチックスターラー 5:撹拌用モーター 6:メカニカルシール 7:250ml圧力タンク 8:撹拌軸 9:フランジ底 10:パッキング 11:モザイク荷電膜体 12:モザイク荷電膜体バックアップ(フィルターバッ
クアップ) 13:圧力計 14:クランプ 15:架台軸 16:リング架台 N1〜3:溶液投入ノズル、減圧弁用ノズル及び加圧弁
用ノズル
フロントページの続き (72)発明者 溝口 徳 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 中村 道衛 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 竹内 斉 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 小熊 尚実 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 丸山 統久 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 堀口 正二郎 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマ
    ーと支持体とからなり、支持体が非対称性多孔質体であ
    って、支持体に両ポリマーが透析可能に充填されている
    ことを特徴とするモザイク荷電膜体。
  2. 【請求項2】 非対称性多孔質体が細孔層と支持層とか
    ら成り、細孔層の平均孔径が10μm以下である請求項
    1に記載のモザイク荷電膜体。
  3. 【請求項3】 カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリ
    マーが、0. 01μm〜10μmの範囲の平均粒子径を
    有する球状ポリマ−である請求項1に記載のモザイク荷
    電膜体。
  4. 【請求項4】 カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリ
    マーを含む分散液中の両ポリマーを、非対称性多孔質体
    に透析可能に充填することを特徴とするモザイク荷電膜
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 電解質及び非電解質を含む塩水溶液から
    電解質を分離するに際し、請求項1に記載のモザイク荷
    電膜体を用いることを特徴とする脱塩方法。
  6. 【請求項6】 透析膜により電解質及び非電解質を含む
    水溶液から電解質を分離する装置において、透析膜が請
    求項1に記載のモザイク荷電膜体であることを特徴とす
    る脱塩装置。
JP10319395A 1995-04-05 1995-04-05 モザイク荷電膜体、その製造方法、それを用いた脱塩方法及び脱塩装置 Expired - Lifetime JP3236754B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10319395A JP3236754B2 (ja) 1995-04-05 1995-04-05 モザイク荷電膜体、その製造方法、それを用いた脱塩方法及び脱塩装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10319395A JP3236754B2 (ja) 1995-04-05 1995-04-05 モザイク荷電膜体、その製造方法、それを用いた脱塩方法及び脱塩装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08276122A true JPH08276122A (ja) 1996-10-22
JP3236754B2 JP3236754B2 (ja) 2001-12-10

Family

ID=14347687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10319395A Expired - Lifetime JP3236754B2 (ja) 1995-04-05 1995-04-05 モザイク荷電膜体、その製造方法、それを用いた脱塩方法及び脱塩装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3236754B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103257A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Pigeon Corp 海洋水からの細胞活性化物質の分離方法
WO2004071966A1 (ja) * 2003-02-14 2004-08-26 Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. 脱塩方法
KR100472645B1 (ko) * 1999-02-22 2005-03-07 다이니치 세이카 고교 가부시키가이샤 이온성 막, 그 이온성 막의 사용방법 및 그 이온성 막을 구비한 전해질 투과장치
JP2006297338A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Takuma Co Ltd モザイク荷電膜及びその製造方法
JP2006320205A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Takuma Co Ltd 低塩食品の製造方法及び低塩食品製造システム
WO2010119858A1 (ja) * 2009-04-13 2010-10-21 国立大学法人山口大学 イオン交換膜およびその製造方法
WO2011081145A1 (ja) 2009-12-28 2011-07-07 株式会社クラレ モザイク荷電複層膜およびその製造方法
JP2015066494A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 東レ株式会社 複合半透膜およびその製造方法
US20230095299A1 (en) * 2021-09-28 2023-03-30 Kemet Electronics Corporation Advanced Polymer Dispersion and a Capacitor on its Base

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100472645B1 (ko) * 1999-02-22 2005-03-07 다이니치 세이카 고교 가부시키가이샤 이온성 막, 그 이온성 막의 사용방법 및 그 이온성 막을 구비한 전해질 투과장치
JP4679773B2 (ja) * 2001-09-28 2011-04-27 ピジョン株式会社 繊維芽細胞活性深層水の製造方法
JP2003103257A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Pigeon Corp 海洋水からの細胞活性化物質の分離方法
WO2004071966A1 (ja) * 2003-02-14 2004-08-26 Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. 脱塩方法
AU2004212401B2 (en) * 2003-02-14 2007-03-22 Dainichiseika Color & Chemicals Mfg. Co., Ltd. Method of desalting
JP2006297338A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Takuma Co Ltd モザイク荷電膜及びその製造方法
JP4730942B2 (ja) * 2005-04-25 2011-07-20 株式会社タクマ モザイク荷電膜及びその製造方法
JP2006320205A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Takuma Co Ltd 低塩食品の製造方法及び低塩食品製造システム
JP4637641B2 (ja) * 2005-05-17 2011-02-23 株式会社タクマ 低塩食品の製造方法及び低塩食品製造システム
WO2010119858A1 (ja) * 2009-04-13 2010-10-21 国立大学法人山口大学 イオン交換膜およびその製造方法
US9266069B2 (en) 2009-04-13 2016-02-23 Yamaguchi University Ion-exchange membrane and method for producing same
WO2011081145A1 (ja) 2009-12-28 2011-07-07 株式会社クラレ モザイク荷電複層膜およびその製造方法
US9346020B2 (en) 2009-12-28 2016-05-24 Kuraray Co., Ltd. Multilayered charge-mosaic membrane and manufacturing method therefor
JP2015066494A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 東レ株式会社 複合半透膜およびその製造方法
US20230095299A1 (en) * 2021-09-28 2023-03-30 Kemet Electronics Corporation Advanced Polymer Dispersion and a Capacitor on its Base
US11935705B2 (en) * 2021-09-28 2024-03-19 Kemet Electronics Corporation Advanced polymer dispersion and a capacitor on its base

Also Published As

Publication number Publication date
JP3236754B2 (ja) 2001-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0355188B1 (en) Process of making and using polyamide membranes useful for water softening
US4812270A (en) Novel water softening membranes
US3737045A (en) Membrane for use in dialysis and ultrafiltration and the production of such member
Charcosset Membrane processes in biotechnology and pharmaceutics
US4761233A (en) Novel membranes and process for making them
US5000848A (en) Rotary filtration device with hyperphilic membrane
US3723306A (en) Separation of ions or molecules from mixtures using graft-polymerized or polymer deposited ion exchange or permselective materials
US5770631A (en) Production process of connected microgel particles and articles treated with connected microgel particles
KR101136943B1 (ko) 내오염성이 향상된 친수성 분리막의 제조방법 및 상기 방법으로 제조된 친수성 분리막
US4824574A (en) Novel water softening process using membranes
JP3453067B2 (ja) 荷電モザイク膜、荷電モザイク膜の使用方法及び荷電モザイク膜を備えた装置
JP2003532746A (ja) 負電荷を持つ膜
JPH02238032A (ja) 多孔性重合体ビーズおよびその製造法
US5151182A (en) Polyphenylene oxide-derived membranes for separation in organic solvents
JPH08276122A (ja) モザイク荷電膜体、その製造方法、それを用いた脱塩方法及び脱塩装置
JP2762358B2 (ja) 水の軟化に有効なポリアミド膜の製造方法及び使用
KR100472645B1 (ko) 이온성 막, 그 이온성 막의 사용방법 및 그 이온성 막을 구비한 전해질 투과장치
Horak Uniform polymer beads of micrometer size
JPH04349927A (ja) 精密濾過膜の製法
EP0589133B1 (en) Processes for the production of charge mosaic membranes
JP3234426B2 (ja) モザイク荷電膜の製造方法及びモザイク荷電膜
JP3261047B2 (ja) 荷電モザイク膜、その製造方法、該荷電モザイク膜の使用方法及び該荷電モザイク膜を備えた装置
JP2895705B2 (ja) モザイク荷電メンブラン及びその製造方法
US4338194A (en) Method of producing solute-rejecting dynamic membrane filters and filters including such membranes
EP0476875A2 (en) Process for the purification and concentration of biologically active materials

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070928

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080928

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080928

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090928

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090928

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term