JPH08276022A - アクチュエータ及びガイドワイヤ - Google Patents

アクチュエータ及びガイドワイヤ

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JPH08276022A
JPH08276022A JP7078032A JP7803295A JPH08276022A JP H08276022 A JPH08276022 A JP H08276022A JP 7078032 A JP7078032 A JP 7078032A JP 7803295 A JP7803295 A JP 7803295A JP H08276022 A JPH08276022 A JP H08276022A
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JP
Japan
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actuator
exchange resin
resin layer
guide wire
ion
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JP7078032A
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Yoshihiko Abe
吉彦 阿部
Toru Kawashima
徹 川島
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】柔軟で、構造が単純であることにより微小化及
び微細化可能であり、変形のための消費電力が小さく、
外部信号に対する高速応答性を有し、かつ塑性変形する
ことなく初期形状への復元性が優れたアクチュエータを
提供すること、及び前記アクチュエータを具備し、塑性
変形することなく初期形状への復元性が良いことで優れ
た挿入方向選択性と挿入操作性を発現するガイドワイヤ
を提供すること。 【構成】含水状態のイオン交換樹脂層12と、該イオン
交換樹脂層を介して対向する位置に配置された少なくと
も一組の電極体13a、13bとからなるアクチュエー
タ素子であって、該イオン交換樹脂層内に補強体11を
埋設固定したアクチュエータ。また、このアクチュエー
タを先端に具備したガイドワイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン交換膜と、この
膜両面に接合した電極とからなり、柔軟で、構造が単純
であることにより微小化及び微細化可能であり、含水状
態のイオン交換膜に電位差をかけて湾曲変形し、変形の
ための消費電力が小さく、外部信号に対する高速応答性
を有するアクチュエータに関する。また、前記アクチュ
エータを先端部に具備し、先端部が変形することで挿入
方向選択性と挿入操作性を発現するガイドワイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガイドワイヤは、カテーテルをガイドワ
イヤとともに血管内に挿入した後、カテーテルの先端開
口部より所定長さだけ突出させたガイドワイヤの先端部
を、血管内においてさらに先行させて押し進め、カテー
テルを速やかに追従させて所定血管部位に到達させる役
割を持つ。従来のガイドワイヤの挿入側先端部位の形状
は、挿入操作性を高めるためにJ字形状等に既製されて
いたり、又は術者の好適な形状に自製されている。術者
が手元操作により体外のガイドワイヤの操作側基端部位
にねじりを加え、血管内のガイドワイヤの挿入側先端部
位を回転させて、目的の方向を選択及び制御していた。
しかしこの操作方法では、ガイドワイヤの全長が約30
cm〜約300cm、外径が約0.010インチ〜約
0.038インチの細長い形状であるため、ガイドワイ
ヤの挿入側先端部位を迅速かつ正確に、脳血管等の極細
で複雑に屈曲蛇行している血管中の分枝部分で、術者の
目的の方向へ挿入させることや、脳動脈等の血管中に形
成された瘤内へ進入させることは非常に困難である。
【0003】例えば、挿入側先端部位が複雑な血管走行
に対しても挿入可能な柔軟性を有し、常に適度な反発弾
性を有し、かつ変形に対しての復元性の良い超弾性金属
体よりなる内芯とその内芯を被覆する被覆部より構成さ
れているカテーテル用ガイドワイヤが提案されている
(特公平2−24548、特公平2−24549、特公
平2−24550)。しかし、挿入方向選択性の点では
十分なものではない。
【0004】この問題を解決するために、外部信号また
は外部刺激により変形する種々のアクチュエータ素子を
用いて、挿入側先端部位が変形する挿入方向選択性を発
現するカテーテル用ガイドワイヤが提案されている(特
開昭64−34376、特開平1−139076、特開
平4−319364)。これらは、用いられているアク
チュエータ素子自身の構造及びそれを設置している部分
の構造が複雑であるため、微小化及び微細化が困難であ
る。また外部信号及び外部刺激による変形速度と変形量
が十分でないため、目的の挿入方向選択性を発現するカ
テーテル用ガイドワイヤの実現は困難である。また形状
記憶合金よりなるアクチュエータ素子を用いたカテーテ
ル用ガイドワイヤは、柔軟性の点で不十分であり、複雑
に屈曲蛇行している血管内を走行させた時に血管壁にス
トレスが生じ、血管壁穿破の危険性が高くなってしま
う。
【0005】イオン交換膜と、この膜両面に接合した電
極とからなり、含水状態のイオン交換膜に電位差をかけ
て湾曲変形を生ぜしめることを特徴とし、柔軟で、構造
が単純であることにより微小化及び微細化可能であり、
外部信号に対する高速応答性、かつ変形のための消費電
力が小さいフィルム形状アクチュエータ素子が提案され
ている(特開平4−275078)。また、このフィル
ム形状アクチュエータ素子を先端部位に設置し、電気信
号により挿入方向選択性を発現するマイクロカテーテル
用ガイドワイヤが提案されている(第5回国際シンポジ
ウム マイクロマシンとヒューマンサイエンス セッシ
ョンB−3 アプリケーション 1994年10月2〜
4日)。詳細には、極細で複雑に屈曲蛇行している血管
中の分枝部分で術者の目的の方向へ挿入させる時に、又
は動脈瘤中へ進入させる時等に、ガイドワイヤ先端部位
に設置した前記フィルム形状アクチュエータ素子を湾曲
又は屈曲変形させ、挿入方向を選択するシステムであ
る。
【0006】しかし、所定血管部位までカテーテルの先
端開口部より所定長さだけ突出したガイドワイヤの先端
部位を、血管内において先行させて押し進める時は、ア
クチュエータ素子は自然状態つまり単なるフィルムであ
るがゆえに、血流等の影響でフィルムが変形状態とな
る。その状態で術者がガイドワイヤを先へ押し進めたな
らば、フィルムは過負荷のために塑性変形をしてしま
う。極細で複雑に屈曲蛇行している血管中において、こ
のフィルム形状アクチュエータ素子は、ある変位以上に
おいて塑性変形を一度生じてしまうと、初期の挿入方向
選択性が十分に発現できないため、ガイドワイヤの先端
部位を所定血管部位に到達させることが困難となり、再
挿入が必要になるため多大な手技時間を労することにな
ってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
前記問題点を解決した、柔軟で、構造が単純であること
により微小化及び微細化可能であり、変形のための消費
電力が小さく、外部信号に対する高速応答性を有し、か
つ塑性変形することなく初期形状への復元性が優れたア
クチュエータを提供すること、及び前記アクチュエータ
を先端部に具備し、塑性変形することなく初期形状への
復元性が良いことで優れた挿入方向選択性と挿入操作性
を発現するガイドワイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の問題
点を鑑み、鋭意研究を重ねた結果本発明は以下によって
達成される。
【0009】(1)本発明は、含水状態のイオン交換樹
脂層と、該イオン交換樹脂層を介して対向する位置に配
置された少なくとも一組の電極体とからなるアクチュエ
ータ素子であって、該イオン交換樹脂層内に補強体を埋
設固定した、該電極体間に電位差をかけることにより変
形するアクチュエータである。
【0010】また、本発明の好適な形態は、前記補強体
が超弾性金属体であるアクチュエータである。
【0011】また、本発明の好適な形態は、前記補強体
がコイル形状体であるアクチュエータである。
【0012】また、本発明の好適な形態は、前記アクチ
ュエータ素子の外側が、水不透過性かつ電気絶縁性の材
料で被覆されているアクチュエータである。
【0013】(2)本発明は、含水状態のイオン交換樹
脂層と、該イオン交換樹脂層を介して対向する位置に配
置された少なくとも一組の電極体とからなるアクチュエ
ータ素子であって、該イオン交換樹脂層内に補強体を埋
設固定した該電極体間に電位差をかけることにより変形
するアクチュエータを、先端に具備したことを特徴とす
るガイドワイヤである。
【0014】また、本発明の好適な形態は、前記補強体
が超弾性金属体であるガイドワイヤである。
【0015】また、本発明の好適な形態は、前記補強体
がコイル形状体であるガイドワイヤである。
【0016】また、本発明の好適な形態は、前記アクチ
ュエータ素子の外側が、水不透過性かつ電気絶縁性の材
料で被覆されたガイドワイヤである。
【0017】イオン交換樹脂層としては、陽イオン交換
樹脂層と陰イオン交換樹脂層のいずれも使用することが
できる。例えばイオン交換樹脂層としては、ポリスチレ
ンスルホン酸系イオン交換樹脂層、解離基としてスルホ
ン基、カルボキシル基等を有するフッ素樹脂系陽イオン
交換樹脂層、及びアンモニウム基を有する陰イオン交換
樹脂層等が挙げられる。
【0018】イオン交換樹脂層の含水状態とは、イオン
交換樹脂層が少しでも水を含んだ状態であることを意味
する。つまり水雰囲気下、例えば水中及び湿度の高い大
気中にあるアクチュエータ素子のイオン交換樹脂層は含
水状態であるといえる。水中、血液中及び体液中では、
そこに存在する種々のイオン、溶質等により前記アクチ
ュエータ素子の変形状態に影響がある場合はあるが、水
中、血液中及び体液中でも変形できる。
【0019】超弾性金属体は、ある特定の温度域で負荷
(応力)によって変形しても、除荷すると原形にもどる
金属体である。負荷(応力)の有無によって可逆的に発
生−消滅する変形の大きさは約20%にもおよび、ステ
ンレス鋼の様な通常の金属における約0.5%の弾性的
変形量と比較して、著しく大きいのが特徴である。例え
ば、49〜53原子%NiのNiTi合金、38.5〜
41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%
XのCu−Zn−X合金(X=Be、Si、Sn、A
l、Ga)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等
が挙げられる。形状としては、長さ方向に断面積が均一
の中空または中実ワイヤ形状、断面積が長さ方向に連続
的に変化している中空または中実ワイヤ形状等のいずれ
も使用することが可能である。
【0020】コイル形状体である補強体は、負荷(応
力)によって変形しても、除荷すると原形にもどる良好
な復元性を有するコイルばねであることが好ましく、単
層円筒コイル、くもの巣コイル(平板状)、ハニカム
(蜂の巣)巻コイル、又は多層コイル等が挙げられる。
素線材質としては、硬鋼線、ピアノ線、ステンレス鋼
線、冷間圧延した炭素鋼やステンレスの鋼帯、オイルテ
ンパー線、焼入焼もどし鋼帯等の加工ばね鋼、超弾性金
属体線、又はエンジニアリングプラスティク等の高分子
材料が使用可能である。
【0021】アクチュエータ素子を構成するイオン交換
樹脂層内に補強体が埋設固定されているとは、補強体の
少なくとも一部分が埋設され、イオン交換樹脂層に固定
されているということである。補強体としては、超弾性
金属体、コイル形状体等が好適である。なお、構成数は
1本以上であればよい。
【0022】電極体としては、導電性かつ耐食性を有す
る物質を使用することができる。そのうえX線不透過性
を有する物質が好ましい。例えば、白金、ルテニウム、
イリジウム、又はパラジウム等の貴金属、ポリアニリ
ン、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性高分子及
び黒鉛等が挙げられる。好ましくは貴金属であり、特に
好ましくは白金である。
【0023】電極体とイオン交換樹脂層との接合方法と
しては、化学めっき法(無電解めっき法)、電気めっき
法、イオン蒸着薄膜形成法、スパッタリング法、真空蒸
着法、イオン注入法、塗布法、圧着法及び溶接法等の高
分子材料表面へ接合可能な公知の方法が利用できる。特
に好ましくは、湿式条件下でめっきが可能であり、イオ
ン交換樹脂層との密着度が高い電極体が接合可能な化学
めっき法(無電解めっき法、ソーダと塩素・1986年
8号 15−29頁)である。
【0024】接合されている電極体は、イオン交換樹脂
層を介して対向する位置に配置され、少なくとも一組以
上であれば良い。
【0025】アクチュエータ素子へ給電するための電気
供給部は、アクチュエータ素子が再現性ある安定した変
形性能を発現させるために、電極体の少なくとも一部分
と、電源からのリード線等の導電体が、レーザー溶接
法、超音波溶接法、高周波溶接法等により固定されてい
ることが好ましい。あるいは導電性接着剤等の導電性材
料を介して接着固定、または、ろう接法により固定され
ていることが好ましい。
【0026】電源は、直流又は交流電源のいずれも使用
することが可能である。
【0027】水不透過性かつ電気絶縁性の材料で、含水
状態のイオン交換樹脂層、電極体及び電気供給部からな
るアクチュエータ素子全体を被覆するのは、アクチュエ
ータ素子からの体腔内への漏れ電流を減少させるためで
ある。被覆層は、アクチュエータ素子の変形性能の点よ
り、柔軟で、薄い方が好ましい。また予めイオン交換樹
脂層を含水状態にした後に、水不透過性かつ電気絶縁性
の材料でアクチュエータ素子全体を覆い密封するか、あ
るいは、アクチュエータ素子全体を水不透過性かつ電気
絶縁性の材料で覆い密封した後に、イオン交換樹脂層を
含水状態にして再密封をすることが好ましい。さらにイ
オン交換樹脂層を含水状態に保持するため、外界と遮断
した閉鎖系において電極体が露出しないようにイオン交
換樹脂層への水供給路を設けることが好ましい。
【0028】水不透過性かつ電気絶縁性の材料として
は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルアミ
ド、ポリウレタン、フッ素樹脂、シリコーンゴム等が挙
げられる。水不透過性かつ電気絶縁性の材料の外界と接
する表面は、凹凸の少ない滑沢な表面を形成しているこ
とが好ましい。
【0029】さらに、被覆層にX線造影性を付与するた
め、被覆層を構成する材料中にX線不透過性を有するB
a、W、Bi、またはPb等の金属単体、もしくは化合
物等を混入することが可能である。
【0030】また、被覆層表面に抗凝固性を得るため
に、ヘパリン等の抗凝固剤(特開平2−21875、特
開平2−119867)またはウロキナーゼ等の血栓溶
解剤を添加するか、あるいはシリコーンゴム、ウレタン
とシリコーンのブロック共重合体、ヒドロキシエチルメ
タクリレート−スチレンブロック共重合体、ポリエーテ
ルアミドブロック共重合体等の抗血栓性材料をコーティ
ングすることも可能である。
【0031】他に、被覆層表面に低摩擦性を得る方法と
して、フッ素樹脂等の低摩擦表面を有する樹脂の使用、
シリコーンオイル等の潤滑液の塗布、または湿潤時に潤
滑性を有する無水マレイン酸系高分子物質の付加(特公
平1−33181)等がある。
【0032】本発明のアクチュエータ素子が変形する作
動機構と原理は、次の様に考えられる。イオン交換樹脂
層が陽イオン交換樹脂層の場合、電極体間に電位差をか
けることにより、陽イオン交換樹脂層中の可動な陽イオ
ンが水和水と伴にカソード側へ移動するため陽イオン交
換樹脂層中のカソード側とアノード側で含水量に分布が
生じる。つまり陽イオン交換樹脂層中のカソード側は含
水量が増加することで膨潤し、アノード側は含水量が減
少することで収縮するので、アクチュエータ素子はアノ
ード側へ湾曲する様な変形をする。
【0033】
【実施例】以下に本発明のアクチュエータ、及び前記ア
クチュエータを具備したガイドワイヤを、実施例に基づ
き図を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。
【0034】(実施例1)図1、図2に示すように、長
さ方向に直径が0.05〜0.1mmまで連続的に変化
する、つまり長さ方向に断面積が連続的に変化する中実
ワイヤ形状のNi−Ti合金(51原子%Ni、残部T
i)の超弾性金属体よりなる補強体11の外表面に、ス
ルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換樹脂を溶解
したNafion(登録商標、Aldrich社製)溶
液をディップコーティングして、幅2mm、長さ20m
mのイオン交換樹脂層12を形成し、この両面に、3m
g/cm2の白金である電極体13a、13bを化学め
っき(無電解めっき)法により接合した。電極体13
a、13bの一部分に、電源14からの直径0.08m
mの白金リード線15a、15bを銀フィラーを含む導
電性エポキシ接着剤(エイブルボンド967−1:日本
エイブルスティック社製)を用いて、接着固定(電気供
給部16a、16b)し、アクチュエータ1を作製し
た。純水中において、周波数0.1Hzの±1.0V方
形波電圧をアクチュエータに印加したところ、アクチュ
エータの先端部位17は±約0.5mm変位の湾曲変形
をした。また押し当てによりアクチュエータを故意に変
形させたところ、塑性変形することなく初期形状への良
好な復元性を視認した。
【0035】(実施例2)図3、図4に示すように、素
線直径0.01mmのステンレス鋼線からなるコイル平
均直径0.1mmの単層円筒コイルである補強体11
に、スルホン基を有するフッ素樹脂系陽イオン交換樹脂
を溶解したNafion(登録商標、Aldrich社
製)溶液をディップコーティングして、幅2mm、長さ
20mmのイオン交換樹脂を形成した。作製したイオン
交換樹脂層12の両面に、3mg/cm2の白金である
電極体13a、13bを化学めっき(無電解めっき)法
により接合した。電極体13a、13bの一部分に、電
源14からの直径0.08mmの白金リード線である導
電体15a、15bを銀フィラーを含む導電性エポキシ
接着剤(エイブルボンド967−1:日本エイブルステ
ィック社製)を介して接着固定(電気供給部16a、1
6b)し、アクチュエータ2を作製した。純水中におい
て、周波数0.1Hzの±1.0V方形波電圧をアクチ
ュエータに印加したところ、アクチュエータの先端部位
17は±約0.5mm変位の湾曲変形をした。また押し
当てによりアクチュエータを故意に変形させたところ、
塑性変形することなく初期形状への良好な復元性を視認
した。
【0036】(実施例3)図5、図6に示すように、予
め含水状態に保持した実施例2のアクチュエータ全体
を、水不透過性かつ電気絶縁性の接着性シリコーンTS
E382−C(東芝シリコーン社製)の薄膜18で被覆
したアクチュエータ3を作製した。純水中において、周
波数0.1Hzの±1.0V方形波電圧をアクチュエー
タに印加したところ、アクチュエータの先端部位19は
±約0.4mm変位の湾曲変形をした。また押し当てに
よりアクチュエータを故意に変形させたところ、塑性変
形することなく初期形状への良好な復元性を視認した。
【0037】(実施例4)本発明の実施例1〜3のアク
チュエータ1〜3を生理食塩水中において、周波数0.
1Hzの±1.0V方形波電圧でアクチュエータに印加
したところ、アクチュエータの先端部17は±約0.4
mm変位の湾曲変形をした。また押し当てによりアクチ
ュエータを故意に変形させたところ、塑性変形すること
なく初期形状への良好な復元性を視認した。
【0038】(実施例5)本発明の実施例1〜3のアク
チュエータ1〜3を牛全血中において、周波数0.1H
zの±1.0V方形波電圧でアクチュエータに印加した
ところ、アクチュエータの先端部17が湾曲変形したの
を視認した。また押し当てによりアクチュエータを故意
に変形させたところ、塑性変形することなく初期形状へ
の良好な復元性を視認した。
【0039】(実施例6)図7、図9に示すように、長
さ方向に直径が連続的に0.1mmから0.3mmまで
変化している全体長150cmの中実ワイヤ形状のNi
−Ti合金(51原子%Ni、残部Ti)の超弾性金属
体よりなる内芯20とポリウレタン製被覆部21より構
成されているガイドワイヤの先端部位に、実施例5の図
6に相当するアクチュエータ3を取り付けて、ガイドワ
イヤ4を作製した。導電体15a、15bは、ポリウレ
タン製被覆部21に埋設した。
【0040】生理食塩水中において、周波数0.1Hz
の±1.0V方形波電圧を印加したところ、ガイドワイ
ヤ先端部位22は±約0.4mm変位の湾曲変形をし
た。
【0041】生理食塩水を満たした極細で複雑に屈曲蛇
行している等身大のモデル脳血管内に、ガイドワイヤを
挿入して、分枝部分での方向選択性及び瘤進入性の視認
評価を行った結果、良好であった。また複雑に屈曲蛇行
している部分を通過させても、ガイドワイヤの先端部位
22は、塑性変形することなく初期形状への良好な復元
性を有していることを視認した。
【0042】(実施例7)図8、図9に示すように、先
端から20mmの部分(補強体11)が長さ方向に直径
が0.05〜0.1mmまで連続的に変化する、つまり
長さ方向に断面積が連続的に変化しており、先端から2
0mm以降(内芯20)が長さ方向に直径が連続的に
0.3mmまで変化した、全体長150cmの中実ワイ
ヤ形状のNi−Ti合金(51原子%Ni、残部Ti)
の超弾性金属体を作製した。補強体11の部分の外表面
を、スルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換樹脂
を溶解したNafion(登録商標、Aldrich社
製)溶液で、ディップコーティングして幅2mm、長さ
20mmのイオン交換樹脂層12を形成した。この両側
に、3mg/cm2の白金の電極体13a、13bを、
化学めっき(無電解めっき)法により接合した。内芯2
0の外表面は、ポリウレタンで被覆した(21)。電極
体13a、13bの一部分に、ポリウレタン製被覆部2
1に埋設されている電源14からの直径0.08mmの
白金リード線15a、15bを、銀フィラーを含む導電
性エポキシ接着剤(エイブルボンド967−1:日本エ
イブルスティック社製)を用いて接着固定し、電気供給
部16a,16bとした。アクチュエータ全体を予め含
水状態に保持し、水不透過性かつ電気絶縁性の接着性シ
リコーンTSE382−C(東芝シリコーン社製)の薄
膜18で被覆したガイドワイヤ5を作製した。
【0043】生理食塩水中において、周波数0.1Hz
の±1.0V方形波電圧を印加したところ、ガイドワイ
ヤの先端部位22は±約0.4mm変位の湾曲変形をし
た。
【0044】生理食塩水を満たした極細で複雑に屈曲蛇
行している等身大のモデル脳血管内に、ガイドワイヤを
挿入して、分枝部分での方向選択性及び瘤進入性の視認
評価を行った結果、良好であった。また複雑に屈曲蛇行
している部分を通過させても、ガイドワイヤの先端部位
は、塑性変形することなく初期形状への良好な復元性を
有していることを視認した。
【0045】(実施例8)牛全血を満たした極細で複雑
に屈曲蛇行している等身大のモデル脳血管内に、実施例
6のガイドワイヤ4および実施例7のガイドワイヤ5を
挿入して、分枝部分での方向選択性及び瘤進入性の視認
評価を行った結果、良好であった。また複雑に屈曲蛇行
している部分を通過させても、ガイドワイヤの先端部位
は、塑性変形することなく初期形状への良好な復元性を
有していることを視認した。
【0046】
【発明の効果】イオン交換樹脂層内に補強体を埋設固定
することにより、塑性変形することなく初期形状への復
元性が優れたアクチュエータ、及び前記アクチュエータ
を具備し、塑性変形することなく初期形状への復元性が
良いことで優れた挿入方向選択性と挿入操作性を発現す
るガイドワイヤを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、4、5に係わるアクチュエ
ータの斜視図。
【図2】図1の断面図。
【図3】本発明の実施例2、4、5に係わるアクチュエ
ータの斜視図。
【図4】図3の断面図。
【図5】本発明の実施例3、4、5に係わるアクチュエ
ータの斜視図。
【図6】図5の断面図。
【図7】本発明の実施例6、8に係わるガイドワイヤの
断面図。
【図8】本発明の実施例7、8に係わるガイドワイヤの
断面図。
【図9】図7および8の斜視図。
【符号の説明】
1 アクチュエータ 2 アクチュエータ 3 アクチュエータ 4 ガイドワイヤ 5 ガイドワイヤ 11 補強体 12 イオン交換樹脂層 13a、13b 電極体 14 電源 15a、15b リード線 16a、16b 電気供給部 17 アクチュエータの先端部位 18 被覆薄膜 19 アクチュエータの先端部位 20 内芯 21 被覆部 22 ガイドワイヤの先端部位

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水状態のイオン交換樹脂層と、該イオン
    交換樹脂層を介して対向する位置に配置された少なくと
    も一組の電極体とからなるアクチュエータ素子であっ
    て、該イオン交換樹脂層内に補強体を埋設固定したこと
    を特徴とする、該電極体間に電位差をかけることにより
    変形するアクチュエータ。
  2. 【請求項2】前記補強体が超弾性金属体であることを特
    徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 【請求項3】前記補強体がコイル形状体であることを特
    徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  4. 【請求項4】前記アクチュエータ素子の外側が、水不透
    過性かつ電気絶縁性の材料で被覆されていることを特徴
    とする請求項1〜3に記載のアクチュエータ。
  5. 【請求項5】含水状態のイオン交換樹脂層と、該イオン
    交換樹脂層を介して対向する位置に配置された少なくと
    も一組の電極体とからなるアクチュエータ素子であっ
    て、該イオン交換樹脂層内に補強体を埋設固定した該電
    極体間に電位差をかけることにより変形するアクチュエ
    ータを、先端に具備したことを特徴とするガイドワイ
    ヤ。
  6. 【請求項6】前記補強体が超弾性金属体であることを特
    徴とする請求項5に記載のガイドワイヤ。
  7. 【請求項7】前記補強体がコイル形状体であることを特
    徴とする請求項5に記載のガイドワイヤ。
  8. 【請求項8】前記アクチュエータ素子の外側が、水不透
    過性かつ電気絶縁性の材料で被覆されていることを特徴
    とする請求項5〜7に記載のガイドワイヤ。
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