JPH0827550A - 曲げ加工品の製造方法 - Google Patents
曲げ加工品の製造方法Info
- Publication number
- JPH0827550A JPH0827550A JP16420894A JP16420894A JPH0827550A JP H0827550 A JPH0827550 A JP H0827550A JP 16420894 A JP16420894 A JP 16420894A JP 16420894 A JP16420894 A JP 16420894A JP H0827550 A JPH0827550 A JP H0827550A
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- JP
- Japan
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- alloy
- strength
- bending
- subjected
- bent product
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- Pending
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- Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 Al−Mg−Si系合金からなり、曲げ加工
性が良く、かつ強度も優れた曲げ加工品を製造する方法
を目的とする。 【構成】 曲げ加工品の製造方法は、Al、Mgおよび
Siを含有し、Mg含有量が0.4〜1.2wt%、Si
含有量が0.4〜0.9wt%となされたAl−Mg−S
i系合金を熱間で押出した押出形材を急冷し、該押出形
材を所定形状に曲げ加工したのち自然時効させる。
性が良く、かつ強度も優れた曲げ加工品を製造する方法
を目的とする。 【構成】 曲げ加工品の製造方法は、Al、Mgおよび
Siを含有し、Mg含有量が0.4〜1.2wt%、Si
含有量が0.4〜0.9wt%となされたAl−Mg−S
i系合金を熱間で押出した押出形材を急冷し、該押出形
材を所定形状に曲げ加工したのち自然時効させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Al−Mg−Si系
合金からなる押出形材を曲げて製作される曲げ加工品の
製造方法に関するものである。
合金からなる押出形材を曲げて製作される曲げ加工品の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】押出形材を用いて曲げ加工品を製作する
場合、特に押出性が良いことからAl−Mg−Si系合
金である6063合金が用いられていた。具体的には、
6063−T1材または6063−T5材が用いられ、
これらの押出形材を曲げ加工することにより曲げ加工品
が製作されていた。
場合、特に押出性が良いことからAl−Mg−Si系合
金である6063合金が用いられていた。具体的には、
6063−T1材または6063−T5材が用いられ、
これらの押出形材を曲げ加工することにより曲げ加工品
が製作されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、6063−T
1材は伸びが良く曲げ加工は容易であるが強度が低いと
いう問題点があり、一方6063−T5材は強度は高い
が伸びが悪いために加工不良が発生するという問題点が
あった。この発明は、前記問題点を解消することを目的
として、Al−Mg−Si系合金からなり、曲げ加工性
が良く、かつ強度も優れた曲げ加工品を製造する方法を
提供しようとするものである。
1材は伸びが良く曲げ加工は容易であるが強度が低いと
いう問題点があり、一方6063−T5材は強度は高い
が伸びが悪いために加工不良が発生するという問題点が
あった。この発明は、前記問題点を解消することを目的
として、Al−Mg−Si系合金からなり、曲げ加工性
が良く、かつ強度も優れた曲げ加工品を製造する方法を
提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の曲げ加工品の
製造方法は、前記目的を達成するために、Al、Mgお
よびSiを含有し、Mg含有量が0.4〜1.2wt%、
Si含有量が0.4〜0.9wt%となされたAl−Mg
−Si系合金を熱間で押出した押出形材を急冷し、該押
出形材を所定形状に曲げ加工したのち自然時効させるこ
とを特徴とするものである。
製造方法は、前記目的を達成するために、Al、Mgお
よびSiを含有し、Mg含有量が0.4〜1.2wt%、
Si含有量が0.4〜0.9wt%となされたAl−Mg
−Si系合金を熱間で押出した押出形材を急冷し、該押
出形材を所定形状に曲げ加工したのち自然時効させるこ
とを特徴とするものである。
【0005】この発明に使用するAl−Mg−Si系合
金は、SiおよびMgを含有するため、良好な押出性と
強度とを合わせもつ。このAl−Mg−Si系合金組成
において、Mg含有量が0.4wt%未満またはSi含有
量が0.4wt%未満では強度が不足し、Mg含有量が
1.2wt%を超えまたはSi含有量が0.9wt%を超え
ると押出性が低下する。したがって、Al−Mg−Si
系合金組成におけるMg含有量は0.4〜1.2wt%、
Si含有量は0.4〜0.9wt%の範囲に規定する必要
がある。Si含有量の好ましい下限値は0.6wt%、上
限値は0.8wt%であり、Mg含有量の好ましい下限値
は0.4wt%、上限値は0.6wt%である。また、Al
−Mg−Si系合金のさらなる強度向上を目的として、
0.15〜0.40wt%のCuを添加しても良い。Cu
含有量の特に好ましい下限値は0.1wt%、上限値は
0.2wt%である。
金は、SiおよびMgを含有するため、良好な押出性と
強度とを合わせもつ。このAl−Mg−Si系合金組成
において、Mg含有量が0.4wt%未満またはSi含有
量が0.4wt%未満では強度が不足し、Mg含有量が
1.2wt%を超えまたはSi含有量が0.9wt%を超え
ると押出性が低下する。したがって、Al−Mg−Si
系合金組成におけるMg含有量は0.4〜1.2wt%、
Si含有量は0.4〜0.9wt%の範囲に規定する必要
がある。Si含有量の好ましい下限値は0.6wt%、上
限値は0.8wt%であり、Mg含有量の好ましい下限値
は0.4wt%、上限値は0.6wt%である。また、Al
−Mg−Si系合金のさらなる強度向上を目的として、
0.15〜0.40wt%のCuを添加しても良い。Cu
含有量の特に好ましい下限値は0.1wt%、上限値は
0.2wt%である。
【0006】前記組成のAl−Mg−Si系合金は、熱
間で所定の断面形状に押出したのち常温まで急冷するこ
とにより焼入れ効果を発現させる。押出温度は480〜
530℃の範囲とするのが好ましく、この温度範囲であ
れば、前記組成のAl−Mg−Si系合金の最も押出性
の良い温度であるとともに、この温度から常温まで急冷
することによって焼入れ効果を十分に発現させることが
できる。また、十分な焼入れ効果を得るために、冷却は
40〜80℃/分程度の速度で行うことが好ましい。
間で所定の断面形状に押出したのち常温まで急冷するこ
とにより焼入れ効果を発現させる。押出温度は480〜
530℃の範囲とするのが好ましく、この温度範囲であ
れば、前記組成のAl−Mg−Si系合金の最も押出性
の良い温度であるとともに、この温度から常温まで急冷
することによって焼入れ効果を十分に発現させることが
できる。また、十分な焼入れ効果を得るために、冷却は
40〜80℃/分程度の速度で行うことが好ましい。
【0007】押出後常温まで急冷した押出形材は、あま
り時間が経過しないうちに曲げ加工する必要がある。こ
れは、押出−急冷後間もない押出形材では、時効硬化が
あまり進行しておらず伸びが良く強度も高まっていない
ため、曲げ加工がしやすく加工のエネルギーコストも少
なくて済むからである。このように、強度が高まりすぎ
ないうちに曲げ加工するには、押出−急冷後、72時間
以内が好ましい。また、曲げ加工後の自然時効に要する
期間は、曲げ加工品に必要とされる強度によって異な
り、例えば6063−T5材と同等の強度であれば1週
間程度自然時効させれば良い。一般的な自然時効期間は
7〜30日であり、7日未満では強度向上効果がなく、
30日を超えても効果が飽和する。
り時間が経過しないうちに曲げ加工する必要がある。こ
れは、押出−急冷後間もない押出形材では、時効硬化が
あまり進行しておらず伸びが良く強度も高まっていない
ため、曲げ加工がしやすく加工のエネルギーコストも少
なくて済むからである。このように、強度が高まりすぎ
ないうちに曲げ加工するには、押出−急冷後、72時間
以内が好ましい。また、曲げ加工後の自然時効に要する
期間は、曲げ加工品に必要とされる強度によって異な
り、例えば6063−T5材と同等の強度であれば1週
間程度自然時効させれば良い。一般的な自然時効期間は
7〜30日であり、7日未満では強度向上効果がなく、
30日を超えても効果が飽和する。
【0008】
【作用】Mg含有量が0.4〜1.2wt%、Si含有量
が0.4〜0.9wt%となされたAl−Mg−Si系合
金は、熱間で形材に押出したのち急冷することにより焼
入れ効果が得られ硬度が高くなるが、急冷−押出直後
は、伸びが良く、しかも時効硬化が進行しておらず強度
も高まっていない。そのため、急冷−押出直後の押出形
材は、小さな力で曲げ加工することができ、曲げ加工
後、自然時効させることにより強度が高まり、曲げ加工
品として必要な強度となる。
が0.4〜0.9wt%となされたAl−Mg−Si系合
金は、熱間で形材に押出したのち急冷することにより焼
入れ効果が得られ硬度が高くなるが、急冷−押出直後
は、伸びが良く、しかも時効硬化が進行しておらず強度
も高まっていない。そのため、急冷−押出直後の押出形
材は、小さな力で曲げ加工することができ、曲げ加工
後、自然時効させることにより強度が高まり、曲げ加工
品として必要な強度となる。
【0009】
【実施例】次に、この発明の曲げ加工品の製造方法の具
体的実施例について、図面を参照しつつ説明する。先
ず、Al−0.5wt%Mg−0.8wt%Si合金ビレッ
トを、500℃の熱間で図1に示すような一辺の長さ
(L)が15mm、肉厚(T)が2.5mmの断面正方形の
管(1)に押出した。そして、前記管(1)を常温まで
急冷したのち、直ちに長さ2000mmに切断し、図2の
ように曲率(R)が25mmの曲げ加工を行った。曲げ加
工は円滑に行われ、良好に曲げることができた。その
後、この曲げ加工品を自然時効させた。
体的実施例について、図面を参照しつつ説明する。先
ず、Al−0.5wt%Mg−0.8wt%Si合金ビレッ
トを、500℃の熱間で図1に示すような一辺の長さ
(L)が15mm、肉厚(T)が2.5mmの断面正方形の
管(1)に押出した。そして、前記管(1)を常温まで
急冷したのち、直ちに長さ2000mmに切断し、図2の
ように曲率(R)が25mmの曲げ加工を行った。曲げ加
工は円滑に行われ、良好に曲げることができた。その
後、この曲げ加工品を自然時効させた。
【0010】前記自然時効の過程において、曲げ加工品
から適宜試験片を切り取り、JISZ2241金属材料
引張試験方法にもとづいて、引張強度、耐力、および伸
びについて測定した。試験片の測定結果、および606
3−T1材、6063−T5材の標準的な引張性質を表
1に示す。
から適宜試験片を切り取り、JISZ2241金属材料
引張試験方法にもとづいて、引張強度、耐力、および伸
びについて測定した。試験片の測定結果、および606
3−T1材、6063−T5材の標準的な引張性質を表
1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1の結果からわかるように、急冷−押出
直後では6063−T1材と同等の伸びがあるととも
に、自然時効が進行しておらず強度が低いために、曲げ
加工を容易に行うことができた。また、自然時効するこ
とにより約1週間経過後には6063−T5材に匹敵す
る強度となっていることがわかる。
直後では6063−T1材と同等の伸びがあるととも
に、自然時効が進行しておらず強度が低いために、曲げ
加工を容易に行うことができた。また、自然時効するこ
とにより約1週間経過後には6063−T5材に匹敵す
る強度となっていることがわかる。
【0013】
【発明の効果】以上のように、この発明の曲げ加工品の
製造方法は、Al、MgおよびSiを含有し、Mg含有
量が0.4〜1.2wt%、Si含有量が0.4〜0.9
wt%となされたAl−Mg−Si系合金を熱間で押出し
た押出形材を急冷し、該押出形材を所定形状に曲げ加工
したのち自然時効させるものであるから、時効硬化が進
行しておらず、強度が高まらないうちに行うため加工が
容易であり、加工のためのエネルギーコストも少なくて
済む。そして、曲げ加工後の自然時効によって強度が高
まるため、最終的に曲げ加工品として必要な強度が得ら
れる。したがって、この発明の方法によれば、Al−M
g−Si系合金を用いているため押出性が良いことはも
とより、曲げ加工性が良く、かつ強度も優れた曲げ加工
品を容易に製造することができ、曲げ加工品の使用範囲
を拡大することが可能となる。
製造方法は、Al、MgおよびSiを含有し、Mg含有
量が0.4〜1.2wt%、Si含有量が0.4〜0.9
wt%となされたAl−Mg−Si系合金を熱間で押出し
た押出形材を急冷し、該押出形材を所定形状に曲げ加工
したのち自然時効させるものであるから、時効硬化が進
行しておらず、強度が高まらないうちに行うため加工が
容易であり、加工のためのエネルギーコストも少なくて
済む。そして、曲げ加工後の自然時効によって強度が高
まるため、最終的に曲げ加工品として必要な強度が得ら
れる。したがって、この発明の方法によれば、Al−M
g−Si系合金を用いているため押出性が良いことはも
とより、曲げ加工性が良く、かつ強度も優れた曲げ加工
品を容易に製造することができ、曲げ加工品の使用範囲
を拡大することが可能となる。
【図1】この発明の実施例にかかる押出形材の部分斜視
図である。
図である。
【図2】図1の押出形材から製作した曲げ加工品の正面
図である。
図である。
1…管(押出形材)
Claims (1)
- 【請求項1】 Al、MgおよびSiを含有し、Mg含
有量が0.4〜1.2wt%、Si含有量が0.4〜0.
9wt%となされたAl−Mg−Si系合金を熱間で押出
した押出形材を急冷し、該押出形材を所定形状に曲げ加
工したのち自然時効させることを特徴とする曲げ加工品
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16420894A JPH0827550A (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 曲げ加工品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16420894A JPH0827550A (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 曲げ加工品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0827550A true JPH0827550A (ja) | 1996-01-30 |
Family
ID=15788725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16420894A Pending JPH0827550A (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 曲げ加工品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0827550A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020169351A (ja) * | 2019-04-02 | 2020-10-15 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金製部品の製造方法及び製造設備 |
-
1994
- 1994-07-15 JP JP16420894A patent/JPH0827550A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020169351A (ja) * | 2019-04-02 | 2020-10-15 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金製部品の製造方法及び製造設備 |
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