JPH08273650A - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ

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JPH08273650A
JPH08273650A JP7094395A JP9439595A JPH08273650A JP H08273650 A JPH08273650 A JP H08273650A JP 7094395 A JP7094395 A JP 7094395A JP 9439595 A JP9439595 A JP 9439595A JP H08273650 A JPH08273650 A JP H08273650A
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正紀 廣岡
Tomoaki Arimura
智朗 有村
Yoshiaki Kawatsu
善章 川津
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保液性に優れ、しかも電池製造の作業性に優
れたアルカリ電池用セパレータを提供すること。 【構成】 本発明のアルカリ電池用セパレータは、ポリ
オレフィン系分割性複合繊維から発生した、繊維径0.
01〜6μmのポリオレフィン系極細繊維を含有し、し
かもこのポリオレフィン系極細繊維にビニルモノマーを
グラフト重合して、少なくとも一方向の剛軟度を20mg
f以上とした水流絡合不織布からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカリ電池用セパレー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アルカリ電池の正極と負極と
を分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起
電反応を円滑に行なわせるために、セパレータが使用さ
れている。
【0003】例えば、特開平6−140015号公報に
は、繊維径10μm以下、好適には2〜10μmで、グラ
フト化率20%以下、好適には3〜20%、の繊維から
なるセパレータが開示されている。しかしながら、この
公報の実施例に記載されているように、繊維径9μm程
度の繊維を使用したセパレータは十分な保液性がなく、
他方、繊維径2μm程度の繊維を使用したセパレータは
保液性はあるものの、繊維径が小さく、剛性がないた
め、セパレータと電極とを巻き込んで電池を製造する際
に皺が発生しやすく、作業性の悪いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、本発明の目的は
保液性に優れ、しかも電池製造の作業性に優れたアルカ
リ電池用セパレータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ電池用
セパレータ(以下、「セパレータ」という)は、ポリオ
レフィン系分割性複合繊維(以下、「分割性複合繊維」
という)を分割して得た、繊維径0.01〜6μmのポリ
オレフィン系極細繊維(以下、「極細繊維」という)を
含有し、しかもこの極細繊維にビニルモノマーがグラフ
ト重合した、少なくとも一方向の剛軟度が20mgf以上
である水流絡合不織布からなる。
【0006】
【作用】本発明のセパレータは、セパレータを構成する
極細繊維の繊維径が6μm以下で、この極細繊維により
微小空間が形成されて、キャピラリー効果が作用し、し
かもこの極細繊維にはビニルモノマーがグラフト重合し
ており、保液性に優れているため、電池の長寿命化を可
能にする。また、極細繊維は水流によって緊密に絡合し
ており、しかもビニルモノマーのグラフト重合により剛
性が付与されているため、少なくとも一方向の剛軟度が
20mgf以上で、皺を発生させることなく電池を製造で
きる作業性に優れたセパレータである。
【0007】本発明のセパレータを構成する極細繊維
は、分割性複合繊維を分割して得たものであり、耐電解
液性及び耐酸化性を有するポリオレフィン系の樹脂成分
からなるのが好ましいため、この分割性複合繊維とし
て、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテ
ン−プロピレンコポリマー、エチレン−ビニルアルコー
ルコポリマーなどのポリオレフィン系の樹脂を適宜組み
合わせた繊維を使用するのが好ましい。これらの中で
も、ポリエチレンとポリプロピレンとを組み合わせた分
割性複合繊維は、ポリエチレン極細繊維とポリプロピレ
ン極細繊維とに分割され、これらの極細繊維を含有する
セパレータは、密閉型二次電池で、ガスが発生した場合
であっても、発生したガスを速やかに他極に透過させて
消費することができ、内部圧が上昇して破裂する危険が
ないので、好適に使用できる。これは、相対的にポリエ
チレン極細繊維にビニルモノマーがグラフト重合しやす
いのに対して、ポリプロピレン極細繊維はビニルモノマ
ーがグラフト重合しにくいので、電解液はポリエチレン
極細繊維の周囲に保液されやすく、ポリプロピレン極細
繊維の周囲では電解液の乏しい状態にあり、発生したガ
スが他極に透過しやすい部分を有するためである。
【0008】なお、ポリエチレンとポリプロピレンとを
組み合わせた分割性複合繊維は、相溶性が高く、分割し
にくいため、より分割しやすいように、どちらかの樹脂
とポリスチレン系、ポリカーボネート系、ポリプロピレ
ンなどの樹脂を混合することにより、剛性を高くして、
分割しやすくするのが好ましい。これらの中でも、ポリ
オレフィン系で繊維形成能の高いポリプロピレンをポリ
エチレンに混合するのが好ましい。
【0009】この分割性複合繊維の断面形状として、図
1(a)〜(d)に示すような、一成分1を他成分2の
間に配した菊花状のものや、図1(e)に示すような、
一成分1と他成分2とを交互に層状に積層したものを使
用すると、断面形状が非円形形状の極細繊維、例えば、
図1(c)の場合には、楔形状の極細繊維及び円形状の
極細繊維の二種類の極細繊維に分割でき、円形断面の極
細繊維に比較して、より微小な空隙を形成できるため、
より保液性に優れ、しかもデンドライトによる短絡を防
止できるため、好適に使用できる。これらの中でも、大
きさの異なる極細繊維に分割できる、図1(c)又は
(d)に示すような、繊維断面において、中心に円形状
の樹脂成分を有し、この円形状の樹脂成分の周囲に位置
する樹脂成分(cの場合:楔形状、dの場合:略楕円形
状)により、他の樹脂成分を楔形状に分割している分割
性複合繊維が最も好適に使用できる。また、菊花状や層
状の断面形状を有する分割性複合繊維は、水流を作用さ
せることにより極細繊維に分割できると同時に絡合でき
るため、製造上も好ましい繊維である。
【0010】このような分割性複合繊維を分割して得る
極細繊維は、細ければ細いほど微小な空隙を形成し、保
液性及びデンドライト防止性に優れているため、円形換
算時の繊維径(以下、同様)が6μm以下であるのが好
ましく、細すぎると、水流で緊密に絡合しにくく、しか
もビニルモノマーをグラフト重合しても、所望の剛軟度
を得にくいので、繊維径0.01μm以上であるのが好ま
しく、より好ましい繊維径は0.04〜5μmである。
【0011】本発明においては、このような分割性複合
繊維を60重量%以上使用して、微小な空隙を形成する
のが好ましく、より好ましくは75重量%以上使用し、
最も好ましくは80重量%以上使用する。この分割性複
合繊維以外に、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維
などの単一成分からなるポリオレフィン系の接着繊維
や、ポリエチレン成分とポリプロピレン成分からなる、
芯鞘型、サイドバイサイド型或いは偏芯型のポリオレフ
ィン系の複合接着繊維を使用して、剛軟度を高くするこ
ともできる。これらの中でも接着しない樹脂成分によっ
て形状が維持されるポリオレフィン系の複合接着繊維が
好適に使用でき、樹脂成分の組み合わせとしては、分割
性複合繊維の場合と同様の理由で、ポリエチレン成分と
ポリプロピレン成分からなるのが好ましい。なお、前述
のように、分割性複合繊維を構成する樹脂成分として、
ポリプロピレンとポリエチレンとの組み合わせが好適で
あるため、分割性複合繊維以外のポリオレフィン系の接
着繊維により接着する際に、分割性複合繊維を分割して
得たポリエチレン極細繊維までも接着させて、保液性を
低下させることのないように、分割性複合繊維を構成す
る樹脂成分として、高密度ポリエチレンを使用し、分割
性複合繊維以外のポリオレフィン系の接着成分として低
密度ポリエチレンを使用するのが好ましい。なお、ポリ
オレフィン系の接着繊維の使用により微小空隙の形成を
阻害しないように、繊維径25μm以下のものを使用す
るのが好ましい。
【0012】以上の分割性複合繊維やポリオレフィン系
の接着繊維の繊維長は、特に限定するものではないが、
繊維長5〜60mmのものを好適に使用できる。
【0013】以上のような繊維から繊維ウエブを形成す
るが、繊維ウエブの形成方法としては、例えば、カード
法、エアレイ法などの乾式法や湿式法がある。なお、カ
ード法により繊維ウエブを形成する場合には、繊維の配
向方向を容易に一方向にでき、得られるセパレータの長
さ方向における剛軟度を高くすることができるので、好
適な繊維ウエブ形成方法である。
【0014】次いで、この繊維ウエブを水流絡合するこ
とにより、繊維の配向方向が不織布の略厚さ方向となる
ため、電池を組み立てる際の、極板間の圧力に対して抗
することができ、しかも二次電池のように、充放電によ
る極板の膨張による圧力に対しても抗することができ、
保液性に優れたセパレータとなる。また、本発明のセパ
レータは分割性複合繊維を分割して得た極細繊維が緻密
に絡んでいるため、剛軟度及び強度に優れているばかり
でなく、薄くすることができ、その薄くなった分だけ活
物質を電池内に多く充填することができるため、電池の
高容量化が可能になるという特長も有している。更に
は、水流絡合により繊維に付着した油剤を洗い流すこと
ができるため、油剤による電池性能への悪影響を排除で
きるだけでなく、後述のビニルモノマーのグラフト重合
を効率的に、安定して行なうことができる。
【0015】この水流絡合としては、例えば、ノズル径
0.05〜0.3mm、好適には0.08〜0.2mm、ピッチ
0.2〜3mm、好適には0.4〜2mmで一列に配列したノ
ズルプレートや、ノズルを2列以上に配列したノズルプ
レートを使用し、水圧10〜300kg/cm2、好適には5
0〜200kg/cm2の水流で処理する。このような水流絡
合処理は1回である必要はなく、必要であれば、2回以
上作用させる。また、水流処理面は繊維ウエブの片面又
は両面である。なお、水流絡合処理する際の繊維ウエブ
を支持するネットやメッシュなどの支持体が大きな孔を
有していると、得られるセパレータも大きな孔を有する
ものとなり、短絡が生じやすくなるので、50メッシュ
以上の目の細かい平織ネットや、孔間距離が0.4mm以
下の多孔板を使用するのがより好ましい。
【0016】このようにして得られる水流絡合不織布
は、繊維径0.01〜6μmという細い極細繊維を主体と
しているにもかかわらず、少なくとも一方向の剛軟度5
mgf以上を有するものである。なお、繊維ウエブ中にポ
リオレフィン系の接着繊維を含んでいる場合には、この
水流絡合の後、熱処理によりポリオレフィン系の接着繊
維のみを接着させて、より剛軟度を高めることができ
る。
【0017】次いで、この水流絡合不織布にビニルモノ
マーのグラフト重合することにより、保液性を高めると
同時に、剛軟度を高くする。このビニルモノマーとして
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの
塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリ
コールジメタクリレート、ビニルピリジン、ビニルピロ
リドン、或いはスチレンを使用することができる。これ
らの中でも、アクリル酸は電解液との親和性に優れてい
るため、好適に使用できる。なお、スチレンをグラフト
重合した場合には、電解液との親和性をもたせるため
に、スルホン化する。
【0018】これらビニルモノマーの重合方法は、例え
ば、ビニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中に水流絡
合不織布を浸漬、加熱する方法、水流絡合不織布にビニ
ルモノマーを塗布した後、放射線を照射する方法、水流
絡合不織布に放射線を照射した後にビニルモノマーと接
触させる方法、増感剤を含むビニルモノマー溶液を水流
絡合不織布に含浸した後、紫外線を照射する方法などが
ある。これらの中でも、増感剤を含むビニルモノマー溶
液を水流絡合不織布に含浸した後、紫外線を照射する方
法であれば、繊維の強度を低下させることなくグラフト
重合できるため、好ましい方法である。なお、ビニルモ
ノマー溶液と水流絡合不織布とを接触させる前に、紫外
線照射、コロナ放電、プラズマ放電などにより、水流絡
合不織布の表面を処理すると、ビニルモノマー溶液との
親和性が高くなり、より効率的にグラフト重合できると
いう特長がある。
【0019】このビニルモノマーのグラフト重合は、水
流絡合不織布の少なくとも一方向の剛軟度が20mgf以
上、より好ましくは25mgf以上となるまで行う。本発
明のような目付45〜65g/m2程度の水流絡合不織布の
場合、ビニルモノマーのグラフト率が8%以上であれ
ば、少なくとも一方向の剛軟度が20mgf以上となり、
均一な保液性を有するセパレータとすることができる。
他方、グラフトしたビニルモノマーが電解液によって分
解しないように、また、コスト的な観点からグラフト率
が30%以下であるのが好ましく、より好ましくはグラ
フト率10〜20%とする。なお、このグラフト率は次
の式により得られる値をいう。
【0020】なお、本発明の剛軟度はJIS 1018
-19906.21.1(ガーレ法)に準じて測定した値を
いう。なお、測定するセパレータは長さ1/2インチ、
幅1インチのものを使用した。
【0021】また、本発明のセパレータは保液性の程度
を表す、加圧保液率が20%以上であるのが好ましい。
この加圧保液率は次のようにして得られる値をいう。ま
ず、セパレータを温度20℃、相対湿度65%の状態下
で、水分平衡に至らせた後、重量(W0)を測定する。
次いで、セパレータ中の空気を水酸化カリウム溶液で置
換するように、比重1.3(20℃)の水酸化カリウム
溶液中に1時間浸漬し、水酸化カリウム溶液を保持させ
る。そして、このセパレータを上下3枚づつのろ紙(直
径30mm)で挟み、加圧ポンプにより、58kg/cm2の圧
力を30秒間作用させた後、セパレータの重量(W1
を測定した時に、下記の式から算出する値を加圧保液率
という。なお、この測定は1つのセパレータに対して4
回行ない、その平均を加圧保液率とする。 記 加圧保液率(%)=[(W1−W0)/W0]×100
【0022】なお、グラフト率10〜30%のセパレー
タであれば、吸液速度30mm/30分以上の性能を有し、
電池製造上、特に問題は生じないが、グラフト率5〜1
0%程度のセパレータであると、電解液の注液工程にお
いて時間がかかり過ぎて、効率が悪い場合があるので、
吸液速度が30mm/30分以上となるように、グラフト重
合後に、コロナ放電、プラズマ放電などの放電処理を施
すのが好ましい。この吸液速度はセパレータを幅2cm、
長さ180cmに裁断し、このセパレータの一端を比重
1.3の水酸化カリウム水溶液に0.5cm浸漬して、30
分経過後の吸液高さを測定した値をいう。
【0023】また、本発明のセパレータの目付や厚みは
限定するものではないが、例えば、小型のアルカリ二次
電池に使用する場合、目付が小さく、薄すぎると、形成
される孔径が大きくなり、短絡を生じやすくなり、逆に
目付が大きく、厚くなりすぎると、電池容量の大きい電
池を得にくいため、目付50〜80g/m2、厚さ0.10
〜0.20mmであるのが好ましい。そのため、カレンダ
ーなどによって、厚さを調整しても良い。
【0024】以上のようにして得られる本発明のセパレ
ータは、耐電解液性及び耐酸化性に優れているため短絡
が生じず、しかも保液性にも優れているため、長期間に
亘って使用できるものである。そのため、本発明のセパ
レータは、例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、
酸化銀電池、空気電池などの一次電池用、ニッケル−カ
ドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニ
ッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池などの二次電池
用として好適に使用できる。
【0025】以下に、本発明のセパレータの実施例を記
載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0026】
【実施例】
(実施例1)分割性複合繊維として、図1(c)に示す
ような、ポリプロピレン成分(図中記号2、円形状のポ
リプロピレン成分:2.5μm、楔形状のポリプロピレン
成分:4.3μm)と高密度ポリエチレン成分(図中記号
1、4.2μm、融点:138℃)とからなる、菊花状の
断面形状を有する、繊度2デニール、繊維長38mmの分
割性複合繊維100%をカード機により開繊した、目付
55g/m2の一方向性繊維ウエブを得た。この繊維ウエブ
を80メッシュの平織ネット上に載置し、ノズル径0.
13mm、ピッチ0.6mmのノズルプレートから水圧13
0kg/cm2の水流を噴出して2回処理した後、反転させ
て、同様の水流を2回噴出して、長さ方向の剛軟度13
mgfの水流絡合不織布を得た。次いで、この水流絡合不
織布に、下記配合からなるアクリル酸モノマー水溶液を
含浸した後、脱酸素条件下で、ポリプロピレン製の袋に
入れて密閉し、水流絡合不織布の両面に対して、110
ワットの高圧水銀灯を2個づつ使用し、184.9nm
及び253.7nm付近の低波長紫外線を、15cmの
距離から1分間照射して、アクリル酸をグラフト重合し
た。そしてグラフト重合した水流絡合不織布を線圧80
kg/cmでカレンダー処理して、目付65g/m2、厚さ0.1
3mm、長さ方向の剛軟度27mgf、加圧保液率40%、
吸液速度150mm/30分のセパレータを得た。このセパ
レータのグラフト率は15%であった。 記 (アクリル酸モノマー水溶液の配合、重量%) アクリル酸モノマー ・・・20.0 水 ・・・76.7 ベンゾフェノン ・・・ 0.2 ノニオン系界面活性剤 ・・・ 3.0 硫酸第1鉄 ・・・ 0.1
【0027】(実施例2)実施例1と同じ、繊度2デニ
ール、繊維長38mmの分割性複合繊維80重量%と、繊
維径17.5μm、繊維長51mmのポリプロピレン(芯成
分)−低密度ポリエチレン(鞘成分、融点:120℃)
複合接着繊維20重量%とを混綿したこと、及び、水流
絡合した後に125℃で熱処理して、低密度ポリエチレ
ン成分のみを融着させ、長さ方向の剛軟度16mgfの水
流絡合不織布を得たこと以外は、実施例1と同様にし
て、目付65g/m2、厚さ0.13mm、長さ方向の剛軟度
35mgf、加圧保液率38%、吸液速度140mm/30分の
セパレータを得た。このセパレータのグラフト率は15
%であった。
【0028】(実施例3)実施例1と同じ樹脂組成から
なる、繊度2デニール、繊維長5mmの分割性複合繊維8
0重量%と、実施例2と同じ樹脂組成からなる、繊維径
17.5デニール、繊維長10mmの複合接着繊維20重
量%から、湿式法により繊維ウエブを形成したこと以外
は、実施例2と全く同様にして、目付65g/m2、厚さ
0.13mm、長さ方向の剛軟度33mgf、加圧保液率38
%、吸液速度140mm/30分のセパレータを得た。この
セパレータのグラフト率は15%で、また、水流絡合不
織布の長さ方向の剛軟度は16mgfであった。
【0029】(比較例1)低波長紫外線の照射時間を1
5秒としたこと以外は、実施例1と全く同様にして、目
付65g/m2、厚さ0.13mm、長さ方向の剛軟度13mg
f、加圧保液率18%、吸液速度0mm/30分のセパレータ
を得た。このセパレータのグラフト率は3%であった。
【0030】(比較例2)繊維径9μm、繊維長38mm
のポリプロピレン繊維80重量%と、繊維径15μm、
繊維長38mmのポリプロピレン(芯成分)−低密度ポリ
エチレン(鞘成分、融点:120℃)複合接着繊維20
重量%とをカード機により開繊した一方向性の繊維ウエ
ブを、温度125℃で熱処理して、複合接着繊維の低融
点ポリエチレン成分で融着した不織布を得た。次いで、
実施例1と同様にして、アクリル酸モノマーをグラフト
重合、及びカレンダー処理して、目付65g/m2、厚さ
0.13mm、長さ方向の剛軟度52mgf、加圧保液率28
%、吸液速度10mm/30分のセパレータを得た。このセ
パレータのグラフト率は15%であった。
【0031】(電池製造試験)電極の集電体として、発
泡ニッケル基材を用いたペースト式ニッケル正極(33
mm幅×182mm)と、ペースト式水素吸蔵合金(33mm
幅×247mm)とを作成した。次いで、35mm幅×41
0mmに裁断した実施例1〜3及び比較例1〜2のセパレ
ータを夫々、正極と負極との間に挟み込んで、巻き取り
機により巻き取り、SC型対応の渦巻状電極群を100
個づつ作成した。そして、この電極群の正極と負極間の
抵抗を測定し、500kΩ以下のものを短絡不良と判断
し、各々のセパレータの不良率を算出した。この結果は
表1に示すが、本発明のセパレータは不良率0%の優れ
たものであった。比較例1及び比較例2の不良電極群を
分解して観察したところ、比較例1のセパレータは横ず
れし、皺になった状態で巻き込まれて短絡が生じてお
り、比較例2のセパレータは形成された孔径が大きいこ
とによる短絡であると予想された。なお、実施例1〜3
及び比較例1〜2のセパレータの平均孔径を、孔径分布
測定機(コールターエレクトロニクス社製)で測定した
結果も表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明のアルカリ電池用セパレータは、
ポリオレフィン系分割性複合繊維を分割して得た、繊維
径0.01〜6μmのポリオレフィン系極細繊維を含有
し、しかもこのポリオレフィン系極細繊維にビニルモノ
マーをグラフト重合して、少なくとも一方向の剛軟度を
20mgf以上とした水流絡合不織布からなるため、保液
性に優れ、しかも電池製造の作業性にも優れたものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の分割性複合繊維の模式的な断
面図 (b) 本発明の他の分割性複合繊維の模式的な断面図 (c) 本発明の他の分割性複合繊維の模式的な断面図 (d) 本発明の他の分割性複合繊維の模式的な断面図 (e) 本発明の他の分割性複合繊維の模式的な断面図
【符号の説明】
1 一成分 2 他成分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系分割性複合繊維を分割
    して得た、繊維径0.01〜6μmのポリオレフィン系極
    細繊維を含有し、しかも該極細繊維にビニルモノマーが
    グラフト重合した、少なくとも一方向の剛軟度が20mg
    f以上である水流絡合不織布からなることを特徴とする
    アルカリ電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系極細繊維がポリプロピ
    レン極細繊維とポリエチレン極細繊維であることを特徴
    とする請求項1記載のアルカリ電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 ビニルモノマーがアクリル酸を主成分と
    していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    アルカリ電池用セパレータ。
JP09439595A 1995-03-28 1995-03-28 アルカリ電池用セパレータ Expired - Lifetime JP3421164B2 (ja)

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