JPH08273618A - セラミック放電灯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】外管に組み込むことを必要としない、コンパク
トなセラミック放電灯を提供する。 【構成】透光性セラミックからなる発光管１の両端開口
部に、電気導入体２をガラスろうで封着してなるセラミ
ック放電灯において、電気導入２体をセラミックで形成
するとともに、電気導入体の一端に配した電極３と他端
に配した白金線からなるリード線９とを白金膜５を介し
て電気的に接続する。発光管を外管に組み込まずに空気
中で点灯しても発光管部材が酸化されることがないの
で、外管のいらない極めてコンパクトにできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は発光管バルブとして透光
性セラミックを使用したセラミック放電灯に関する。

【０００２】

【従来の技術】セラミック放電灯、たとえば高圧ナトリ
ウムランプは効率が高いことから、近年省エネルギー光
源として需要は拡大している。

【０００３】一般に高圧ナトリウムランプは、透光性セ
ラミック管の両端開口部に、一端に電極を付設したニオ
ブ製の金属キャップをガラスろうで気密封着し、その内
部にナトリウム、水銀およびキセノンガスを封入した発
光管を硬質ガラス製の外管内に組み込み、外管内は高真
空に保持するように構成されている。

【０００４】セラミック放電灯の他の例はメタルハライ
ドランプである。このランプは、透光性セラミック管の
両端開口部に、一端に電極を付設した導電性のサーメッ
トからなる封止キャップをガラスろうで気密封着し、そ
の内部に水銀、メタルハライドおよびアルゴンガスを封
入した発光管を硬質ガラス製または石英ガラス製の外管
内に組み込み、外管内は不活性ガス雰囲気又は高真空に
保持するように構成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】近年、高圧ナトリウム
ランプやメタルハライドランプは白熱灯の代替としての
用途が拡大し、急速にランプのコンパクト化が進んでい
る。

【０００６】しかしながら、従来のセラミック放電灯は
発光管部材としてニオブ製の金属キャップあるいは導電
性のサーメットが使用されているため、ランプのコンパ
クト化が困難であった。

【０００７】すなわち導電性サーメットとしてはアルミ
ナとモリブデンあるいはアルミナとタングステンとのサ
ーメットが良く知られているが、これらのサーメットは
ニオブ製の金属キャップと同じように高温では酸化しや
すいので、空気中において高温で使用することは出来な
い。

【０００８】そのため従来のセラミック放電灯は発光管
を硬質ガラスのような外管内に組み込み、外管内を不活
性ガス又は高真空の雰囲気に保つ必要があり、ランプの
小型化にも限度があった。

【０００９】本発明の目的は、外管に組み込むことを必
要としない、コンパクトなセラミック放電灯を提供する
ことにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明にかかるセラミック放電灯は、透光性セラミ
ックからなる発光管の両端開口部に電気導入体をガラス
ろうで封着してなるセラミック放電灯において、前記電
気導入体をセラミックで形成するとともに、該電気導入
体の一端に配した電極と他端に配した白金線からなるリ
ード線とを白金膜を介して電気的に接続したことを特徴
とする。

【００１１】

【作用】本発明にかかるセラミック放電灯は前述した手
段を備えるので、発光管を外管に組み込まずに空気中で
点灯しても発光管部材が酸化されることがないので、外
管のいらない極めてコンパクトなランプを実現できる。

【００１２】

【実施例】以下図面に示した一実施例に基づいて本発明
を詳細に説明する。

【００１３】図１は２５０Ｗ級のメタルハライドランプ
発光管の縦断面図を示し、１は内径約１６ｍｍ、内容積
約６ｃｃのアルミナ製の発光管バルブで、その両端封止
部１ａ、１ｂには一対のタングステン製電極３、３が距
離３０ｍｍを隔てて対設されている。これら電極３、３
はアルミナ管１の両端封止部１ａ、１ｂにおいてガラス
ろう４、４で気密封着されたセラミックよりなる棒状の
電気導入体２、２の一端に機械的に固定されている。ま
た電気導入体の他端には白金線からなるリード線９、９
が付設されている。さらに電極３、３とリード線９、９
とは白金膜５によって電気的に接続されている。

【００１４】発光管内には約３０トールのアルゴンガス
と封入物質１０が封入されている。封入物質としては水
銀２０ｍｇとハロゲン化物としての沃化スカンジウム１
５ｍｇ及び沃化ナトリウム１８ｍｇが封入されている。

【００１５】電気導入体２、２の一例は第２図に拡大し
て示すような構造になっている。アルミナセラミックよ
りなる棒状の電気導入体２の一端には穴が開けられ、そ
の穴には電極の極芯６が差し込まれ機械的に固定されて
いる。電気導入体２の他端には別の穴が開けられ、その
穴には径約０．３ｍｍのＰｔからなるリード線９が差し
込まれ機械的に固定されている。

【００１６】電気導入体２の表面の一部には白金膜５が
付設され、白金膜５と電極極芯６および外部リード線９
との間は横穴７および横穴８を経由して白金膜で電気的
に接続されている。

【００１７】電気導入体２とアルミナ管１との間はガラ
スろう４で気密に封着されている。ガラスろうとしては
例えば下記のものが使用できる。

【００１８】Ａｌ2 Ｏ3 ：２２重量％ ＳｉＯ2 ：２６重量％ Ｄｙ2 ｏ3 ：５２重量％ このように構成された発光管の気密性は、電気導入体の
セラミック部分と白金膜との間および白金膜とガラスろ
うとの間で保たれる。ここで白金膜の長さＬは２ｍｍ以
上で２０ｍｍ以下とする必要があり、特に５〜１５ｍｍ
が好ましい。その理由は白金膜の長さＬが２ｍｍ以下で
あるとリークパスが短か過ぎてリークの原因になる。逆
に白金膜の長さＬが２０ｍｍより長いと発光管の封止部
全体が大きくなり過ぎて発光管端部温度が十分に上がら
ず、封入物質が十分蒸発しないため所望のランプ特性が
得られない。

【００１９】電気導入体２の表面に付設する白金膜の厚
さは１０ミクロン以上２００ミクロン以下の範囲にする
必要があり、特に５０ないし１５０ミクロンの厚さが好
ましい。白金膜の厚さを１０ミクロン以上２００ミクロ
ン以下にする理由は下記の通りである。

【００２０】白金膜５の厚さが１０ミクロンより小であ
ると、白金膜がランプ点灯時の電流に耐えられず、白金
膜が溶断する場合がある。これに対して、白金膜の厚さ
が２００ミクロンを越えると、ランプの点灯と消灯との
繰り返しによる熱サイクルで、白金膜とガラスろうとの
熱膨張率の違いにより、白金膜とガラスろうとの間で剥
がれを生じリークを発生する。

【００２１】このような構成のランプを各２０個作成
し、外管なしの状態で空気中で点灯試験を実施したとこ
ろ、初期特性は従来の外管入りランプと同程度のものが
得られた。さらに寿命試験では６，０００時間経過後も
発光管のリーク等の異常は発生しなかった。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発光管を空気中において裸で点灯できるので、外管に組
み込む必要がなく、コンパクトなランプが実現できる。
さらに本発明によれば外管に組み込む必要がないので大
幅なコストダウンが可能である。

【００２３】尚、実施例ではメタルハライドランプにつ
いて述べたが、白金膜はメタルハライドおよびナトリウ
ムのいずれに対しても高温における耐食性が優れている
ので、これに限定されるものではなく高圧ナトリウムラ
ンプにも適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるセラミック放電灯の全体断面図
である。

【図２】図１の要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 透光性アルミナ管 ２ 電気導入体 ３ 電極 ４ ガラスろう ５ 白金膜 ６ 電極極芯 ７ 外部リード線

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透光性セラミックからなる発光管の両端
   開口部に電気導入体をガラスろうで封着してなるセラミ
   ック放電灯において、前記電気導入体をセラミックで形
   成するとともに、該電気導入体の一端に配した電極と他
   端に配した白金線からなるリード線とを白金膜を介して
   電気的に接続したことを特徴とするセラミック放電灯。
2. 【請求項２】 電気導入体を発光管と同一セラミックで
   形成したことを特徴とする請求項１記載のセラミック放
   電灯。
3. 【請求項３】 白金膜の厚さが１０ミクロン以上２００
   ミクロン以下の範囲であることを特徴とする請求項１も
   しくは２記載のセラミック放電灯。
4. 【請求項４】 白金膜がガラスろうに埋設されていると
   ともに、白金膜長さが２ｍｍ以上、２０ｍｍ以下であ
   る、請求項１、２もしくは３記載のセラミック放電灯。