JPH08272254A - 画像形成装置の定着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】定着装置の定着ローラ等の定着手段に離型剤を
供給する補給装置の交換時などにおける離型剤の漏出に
よる汚染、装置の機能低下、故障などを防止する。 【構成】離型剤を収納する部材定着装置側の装着部位に
装着するさい、弾性的に前記部材を装着するとともに、
引き出しにあたって装着部位側の弾性部材が前記部材の
引き出しに追随して該部材からの離型剤漏出を阻止する
ための阻止部材を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の目的】

【産業上の利用分野】この発明は、静電複写機、同プリ
ンタなど静電転写プロセスを利用する画像形成装置、就
中、その定着装置に関するものである。

【０００２】上記のような周知の画像形成装置にあって
は、転写材に静電的に形成されたトナー像を、該転写材
に定着固定する必要がある。このための定着手段とし
て、表面が所定温度に制御されている定着ローラと、こ
れに圧接する加圧ローラとをそなえ、これらローラの圧
接ニップ部たる定着部位に、画像形成部位においてトナ
ー像を静電的に担持した転写材を通過させて加熱、加圧
して定着を行うようなものが広く実用されていることは
よく知られているとおりである。

【０００３】このような構成の定着手段では、単に静電
的に転写材に付着形成されているトナー像を高温の定着
部位を通過させるので、トナー像を形成するトナーの一
部が定着ローラに付着し、これが後続する転写材に直
接、あるいは加圧ローラを介して転写材裏面に付着す
る、所謂、オフセット現象によって、転写材の汚染、画
質の劣化を招来することを免れない。

【０００４】このような問題を回避するために、通常定
着ローラにシリコンオイルなどの離型剤を塗布して前記
のようなオフセット現象の発生を防止する手段が提案さ
れている。このような離型剤付与装置の一例を「図５」
によって略述する。

【０００５】定着装置の定着ローラに離型剤を供給する
仕方としては、定着ローラに当接する塗布ローラをもう
け、該塗布ローラに離型剤貯溜部から逐次適量ずつ離型
剤を供給し、塗布ローラを介して定着ローラ表面に離型
剤層を均一に形成するように構成したものが一般的であ
る。

【０００６】「図５」はこのような定着装置における離
型剤を貯溜する部分の構成を示す側断面図である。図に
おいて、シリコンオイル等の離型剤を収納したボトル１
の開口部に設けた開口３ａを備えたキャップ３内には、
ばね４によって常時該開口３ａを閉塞するようにバルブ
２が配設してある。

【０００７】このような構成のボトルに離型剤を充填
し、定着装置不動部適所に配設したケース８に設けてあ
る軸１０に前記キャップ３の開口３ａが整合するように
装着すると、該軸１０がねばね４に抗してボトル１側の
バルブ２をボトル内方におうあつして「図イ」に示すよ
うな位置をとる。

【０００８】この位置で、ボトル１内の離型剤は、キャ
ップ内面とボルト２周面の間の間隙、キャップ３の開口
３ａをとおってケース８に落下する。離型剤がケース８
内に落下するにつれて、その分ボトル１内の液面上の空
所の圧力が減少するので、これ補償するべく大気が泡と
なって該空所に、前記空所の圧力が大気圧とバランスす
るまで侵入する。

【０００９】離型剤が次第にケース８内に溜って前記開
口３ａが閉塞される状態になると、その時の離型剤のヘ
ッドとボトル１内空所の気圧の和が大気圧と等しくなる
状態で、ボトル内への大気の流入は停止してケース８内
の液面が安定する。

【００１０】不図示の定着装置において定着ローラへの
離型剤の供給が続いてケース８内の離型剤が減少して開
口３ａが大気に露出する状態になると、上記と同様の仕
方でケース８内への離型剤の落下が、再び開口３ａが閉
塞されるまで続いて安定することになる。

【００１１】併しながら、このような離型剤補給装置で
は、ボトル１から直接離型剤を定着装置に供給するの
で、ボトルからケースへの離型剤補給部位近傍が常時離
型剤に浸されている状態にあり、ボトル交換などの際
に、離型剤がたれ落ちて定着装置各所を汚染する恐れが
あり、とくに離型剤の付着によって給紙搬送装置あるい
は電装品の作動不良を招来することがあった。

【００１２】本発明はこのような事態に対処すべくなさ
れたものであって、上記のような離型剤補給装置におい
て、補給部位近傍が離型剤によって汚染されることを阻
止して定着装置その他の部分の汚染、作動不良などを起
こすことを有効に防止できるような定着装置を提供する
ことを目的とするものである。

【００１３】

【発明の構成】

【課題を解決する技術手段、その作用】上記の目的を達
成するため、本発明は、定着手段に離型剤を補給する補
給装置をそなえた画像形成装置の定着装置において、前
記補給装置が、定着装置の離型剤供給部位に連通するケ
ースと、これに着脱自在に装着できる離型剤収納ボトル
とをそなえ、前記ボトルを前記ケースに着脱する際、離
型剤の外部への漏出を阻止する清掃手段を前記ケースに
設けてなる定着装置（１）または、上記（１）のものに
おいて、清掃手段が有弾性の離型剤吸収部材からなる定
着装置（２）、または、上記（２）のものにおいて、離
型剤収納ボトルをケースから取り出す際、離型剤吸収部
材が、移動する前記ボトルの開口部に当接しながら変形
する定着装置、または、前記（２）のものにおいて、離
型剤収納ボトルをケースに装着する際には、前記ボトル
の開口部位がケース側に配設した吸収部材を弾性的に圧
縮し、前記ボトルを引き出す際には前記吸収部材が前記
ボトル開口部に当接しながら復元する位置で一旦固定さ
れる定着装置、または、前記（１）のものにおいて、清
掃手段が漏出離型剤をかき取るかき取り手段である定着
装置である。

【００１４】このような構成によって、離型剤を収納す
るボトルから、定着装置の離型剤塗布部位に順次離型剤
を供給するように構成した定着装置において、離型剤収
納ボトルの交換に際して離型剤が外部に漏出することに
よる装置各部の汚染や機能の低下、故障などを有効に防
止できる。

【００１５】

【実施例の説明】「図１」、「図２」は本発明による定
着装置とこれに用いる離型剤補給装置の側断面図で、前
記「図５」に示すものと対応する部分には同一の符号を
付して示してあり、それらについての説明は省略する。

【００１６】「図１」は離型剤を収容するボトルを定着
装置側に装着しようとするところを示し、「図２」はボ
トル１をボトル１を定着装置側のケース８に装着して定
着装置に離型剤を送る状態を示す側断面図である。

【００１７】「図１」は、ボトル１がケース８に挿入さ
れているが未だ離型剤を補給する部位に達していない所
を示している。ボトル１の構成は基本的に前記「図５」
に示すものと同様であるが、側壁に後述のロックばねが
係合する凹所１ａ、１ｂが形成してある。

【００１８】ケース８底部には、ボルト１をケース８に
装着したとき、該ボルト１の開口部位に、キャップ３の
開口３ａを介してバルブ２を押圧してボルト１を開口さ
せるための軸１０が設けてある。

【００１９】前記軸１０を囲繞するように、上部に向か
って露出していて不織布、スポンジ等からなる離型剤吸
収部材５を装着したホルダ６が配設してあり、該ホルダ
６はバネ７によって常時上方に偏倚されており、ストッ
パ兼ガイド部材９に係合してその上方位置が規制されて
いる。

【００２０】「図１」に示すような位置からボトル１を
下降させて、「図２」に示すように、ボトル１のキャッ
プ３がホルダ６の吸収部材５に当接する位置に、ばね７
に抗して持ち来すと、図示のように、ボトル１側壁に形
成した凹所１ａが、ケース８に設けたロックばね１１に
係合して該ボトルをこの位置に固定する。このとき、前
記凹所１ａと、ロックぱね１１の関係位置を適宜に設定
することによって、図示の位置でボトル１のキャップ３
が、ばね７の作用で吸収部材５に圧接するようにするこ
とができる。

【００２１】また、上記のロック位置では、前記軸１０
がボトル側のバルブ２を押圧してこれを解放するので、
前記「図イ」によって説明したように、ボトル内の離型
剤はケース８に流出するとともに、順次離型剤が定着装
置側に供給されても、常時キャップ３の開口部位の位置
に流出離型剤液面が維持される。

【００２２】「図２」の図示左側には定着装置が示して
あり、該装置には所定表面温度に規制された定着ローラ
１６と、これに圧接する加圧ローラ１７を具備してお
り、これら両者の圧接ニップ部たる定着部位に、未定着
トナー像を担持する転写材（不図示）が供給されて定着
が行われる。

【００２３】前記定着ローラ１６には塗布ローラ１５が
当接配置してあり、前述のように、ケース８に溜まった
離型剤は、ポンプ１２を経てノズル１３から前記塗布ロ
ーラ１５に供給される。さらにこの供給された離型剤は
ブレード１４によって塗布ローラ１５表面に均一になら
され、ついで定着ローラ１６に付着して定着中における
オフセット現象の防止に寄与するものとする。

【００２４】次にボトル１を新しいものと交換すべくケ
ース８から取り出す場合について説明する。ボルト１を
「図２」で上方に引き出すと、ばね７の作用でホルダ６
がキャップ３に追随するので、前記吸収部材５は、その
弾性によってキャツプ上面に付着して密閉を維持したま
まであるので、バルブ２が解放された状態であっても離
型剤の漏出はない。

【００２５】さらにボトル１が引き上げられると、ロッ
クぱね１１がボトル１の凹所１ｂに係合し、その抵抗で
引き上げ動作が一時停止する。この時までに前記軸１０
はバルブ２から離れてキャップ３の開口を閉塞して離型
剤の流出を阻止している。

【００２６】さらにまたボトル１を引き上げると、キャ
ップ３が吸収部材５から離れ、ボトル１は取り出し自由
となる。この一連の動作中、キャップによって押しつぶ
されいた吸収部材５が膨隆するが、この過程で、キャッ
プ表面に付着する離型剤、軸１０とバルブ２との当接が
はずれた直後における流出離型剤などは吸収部材５に吸
収されるので、ボトル１を取り出す際には、キャツプ近
傍などに装置各部を汚染するような多量の離型剤が残存
することがない。

【００２７】「図３」以下は他の実施例を示す離型剤補
給装置部の側断面図である。前記実施例装置のものと基
本的に同様の構成を具備するボトル１が、定着装置側の
ケース８に装着されるようになっている。この装置では
キャップ３の先端の外周が先細り状に形成してある。ま
た、前記ボトル１側壁には１個の凹所１ａが形成してあ
って、ボトル１がケース８内の定位置に達したとき、該
凹所１ａがロックばね１１に係合してボトル１の位置を
固定するようになっている。

【００２８】ケース８底部には、ボトル１を装着したと
きに、該ボトル側のバルブ２をばね４に抗して押圧する
ような位置に軸１０が配設してある。また、該軸１０を
囲繞するように弾性シール部材２１を載置した固定ホル
ダ６が設けてある。

【００２９】このような構成となっているから、ボトル
１をケース８上方から該ケースに挿入してゆくと、キャ
ップ３の先端の先細り状部３ｂが前記シール部材２１に
進入し、該シール部材２１の開口部を圧縮しながら挿入
されてゆく。

【００３０】ある程度キャップ先端がシール部材２１に
進入したところで、軸１０がバルブ２を押圧してボトル
が解放状態になり、以後、内部の離型剤がケース８に流
出する。この場合、「図４」に示すように、ケース８内
の液面が前記ホルダ６まで達して液面高さＨとなったと
ころで離型剤の流出が停止し、離型剤が定着装置側に供
給されてケース８内の液面が低下したときには、その分
だけボトル１から供給されることは前記実施例装置のも
のと変わりはない。

【００３１】ボトル１の交換などのために、これを引き
抜くと、その力でロックぱね１１は凹所１ａから外れ、
ボトル１を上方に移動すると、これに従って軸１０がバ
ルブ２から外れて該バルブ２はキャップ３の開口を閉塞
して離型剤の流出が止まる。

【００３２】これとともに、ボトル１を引き上げると、
圧縮されていたシール部材２１がもとの形状に復元し、
この間にキャップ先端近傍に付着している離型剤を吸収
し、かきとるので、ボトル１を取り出したときに漏洩し
た離型剤で各部を汚染するようなことはない。

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
定着ローラとこれに圧接する加圧ローラとをそなえ、い
ずれかのローラに当接配置した塗布ローラにしシリコン
オイルなどの離型剤を供給してオフセット現象を防止す
るように構成した定着装置において、定着装置側に着脱
自在に装着した離型剤収納ボトルの開口部位に、該ボト
ルを取り出す際、前記開口部位近傍に付着する離型剤を
積極的に除去する手段を配設したから、ボトル交換時に
ボトルから漏出する離型剤によって画像形成装置内各部
が汚染されたり、装置の故障や性能低下を有効に防止で
き、作業性の向上にも顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例を示す定着装置に離型剤を供
給する補給装置部分の構成を示す側断面図

【図２】 上記の補給装置部分を定着装置に接続したと
ころを示す側断面図

【図３】 他の実施例を示す補給装置部分の側断面図

【図４】 同上ボトルをケースに装着したところを示す
側断面図

【図５】 公知の離型剤補給装置のボトルがケースに装
着されたところを示す側断面図

【符号の説明】

１ ボトル ２ バルブ ３ キャップ ４ ばね ５ 吸収部材 ６ ホルダ ７ ばね ８ ケース １０ 軸 １１ ロックばね ２１ シール部材

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【手続補正書】

【提出日】平成８年４月４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】発明の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【発明の名称】 画像形成装置の定着装置

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】定着手段に離型剤を補給する補給装置をそ
   なえた画像形成装置の定着装置において、 前記補給装置が、定着装置の離型剤供給部位に連通する
   ケースと、これに着脱自在に装着できる離型剤収納ボト
   ルとをそなえ、 前記ボトルを前記ケースに着脱する際、離型剤の外部へ
   の漏出を阻止する清掃手段を前記ケースに設けてなる定
   着装置。
2. 【請求項２】清掃手段が有弾性の離型剤吸収部材からな
   る「請求項１」記載の定着装置。
3. 【請求項３】離型剤収納ボトルをケースから取り出す
   際、離型剤吸収部材が、移動する前記ボトルの開口部に
   当接しながら変形する「請求項２」記載の定着装置。
4. 【請求項４】離型剤収納ボトルをケースに装着する際に
   は、前記ボトルの開口部位がケース側に配設した吸収部
   材を弾性的に圧縮し、前記ボトルを引き出す際には前記
   吸収部材が前記ボトル開口部に当接しながら復元する位
   置で一旦固定される「請求項２」記載の定着装置。
5. 【請求項５】清掃手段が漏出離型剤をかき取るかき取り
   手段である「請求項１」記載の定着装置。