JPH0826964B2 - 多管式貫流ボイラーの伝熱面構造 - Google Patents
多管式貫流ボイラーの伝熱面構造Info
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- JPH0826964B2 JPH0826964B2 JP4034207A JP3420792A JPH0826964B2 JP H0826964 B2 JPH0826964 B2 JP H0826964B2 JP 4034207 A JP4034207 A JP 4034207A JP 3420792 A JP3420792 A JP 3420792A JP H0826964 B2 JPH0826964 B2 JP H0826964B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ボイラーの伝熱面構
造の改良に係り、特に多管式貫流ボイラーに使用して有
効なヒレを有する伝熱面構造に関するものである。
造の改良に係り、特に多管式貫流ボイラーに使用して有
効なヒレを有する伝熱面構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にボイラー等の伝熱面には熱伝達を
促進する目的でヒレが取り付けられている。多管式貫流
ボイラーにおいても同様で、伝熱効率の向上を目的とし
て、図4及び図5に示すように横ヒレ(12)を燃焼ガスの
流れ方向に平行に設けた構造が採用されている。即ち、
上部管寄せ(1) 及び下部管寄せ(2) をともに環状に形成
し、これら両管寄せ(1),(2) を多数の水管で連結し、こ
れらの水管を半径方向に間隔をおいた二重の環状水管列
(3),(4) として配列し、内方の環状水管列(3) と外方の
環状水管列(4) との間に環状をなす燃焼ガス通路(5) を
形成し、上部管寄せ(1) の内側に燃焼装置(6) を設けて
内方の環状水管列(3) の内側に燃焼室(7) を形成し、内
方の環状水管列(3) に水管の全長にわたる燃焼室開口部
(9) を設けて燃焼室(7) と燃焼ガス通路(5) とを連通さ
せ、外方の環状水管列(4) に水管の全長にわたる燃焼ガ
ス通路開口部(10)を設けて燃焼ガス通路(5) とボイラー
外壁(8) に設けた煙道(11)とを連通させ、両環状水管列
(3),(4) の燃焼ガス通路(5) に面している部分に水管の
全長にわたって平板状の横ヒレ(12)を円周方向であって
管軸方向に多段状に多数取付けた構造である。この構造
によれば、燃焼室(7) で発生した燃焼ガスは、先ず輻射
伝熱により内方の環状水管列(3) と熱交換を行い、燃焼
室(7) から燃焼室開口部(9) に向かい分岐し、燃焼ガス
通路(5) を流れ、燃焼ガス通路開口部(10)で合流し、煙
道(11)から外部に排出される。
促進する目的でヒレが取り付けられている。多管式貫流
ボイラーにおいても同様で、伝熱効率の向上を目的とし
て、図4及び図5に示すように横ヒレ(12)を燃焼ガスの
流れ方向に平行に設けた構造が採用されている。即ち、
上部管寄せ(1) 及び下部管寄せ(2) をともに環状に形成
し、これら両管寄せ(1),(2) を多数の水管で連結し、こ
れらの水管を半径方向に間隔をおいた二重の環状水管列
(3),(4) として配列し、内方の環状水管列(3) と外方の
環状水管列(4) との間に環状をなす燃焼ガス通路(5) を
形成し、上部管寄せ(1) の内側に燃焼装置(6) を設けて
内方の環状水管列(3) の内側に燃焼室(7) を形成し、内
方の環状水管列(3) に水管の全長にわたる燃焼室開口部
(9) を設けて燃焼室(7) と燃焼ガス通路(5) とを連通さ
せ、外方の環状水管列(4) に水管の全長にわたる燃焼ガ
ス通路開口部(10)を設けて燃焼ガス通路(5) とボイラー
外壁(8) に設けた煙道(11)とを連通させ、両環状水管列
(3),(4) の燃焼ガス通路(5) に面している部分に水管の
全長にわたって平板状の横ヒレ(12)を円周方向であって
管軸方向に多段状に多数取付けた構造である。この構造
によれば、燃焼室(7) で発生した燃焼ガスは、先ず輻射
伝熱により内方の環状水管列(3) と熱交換を行い、燃焼
室(7) から燃焼室開口部(9) に向かい分岐し、燃焼ガス
通路(5) を流れ、燃焼ガス通路開口部(10)で合流し、煙
道(11)から外部に排出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の多管式貫流ボイ
ラーは、上述のように構成されているので、ヒレによる
伝熱面積の増加による伝熱効率の向上が図られる割に燃
焼ガスの圧力損失が小さいという利点がある。しかしな
がら、このような構造の多管式貫流ボイラーにおいて
は、燃焼室(7)から燃焼室開口部(9) を通って燃焼ガス
通路(5) 内に流入した燃焼ガスは未だかなりの高温状態
にあり、燃焼室開口部(9) 付近の水管の横ヒレ(12)はこ
の高温の燃焼ガスに接するため高温腐食をきたし、著し
く損耗するといった問題がある。又、外方の環状水管列
(4) の水管については、燃焼ガス通路(5) 側伝熱面は高
温の燃焼ガスに晒されるが、ボイラー外壁(8) 側伝熱面
は加熱されないため、燃焼ガス通路(5) 側とボイラー外
壁(8) 側とで温度差が大きく、殊に燃焼室開口部(9) 付
近の水管においては燃焼ガスが高温であることと相俟っ
てその横ヒレ溶接部と他の表面との温度差が特に大き
く、不測の事態にはヒレ溶接部に熱応力に起因する亀裂
が発生するといった危険があった。
ラーは、上述のように構成されているので、ヒレによる
伝熱面積の増加による伝熱効率の向上が図られる割に燃
焼ガスの圧力損失が小さいという利点がある。しかしな
がら、このような構造の多管式貫流ボイラーにおいて
は、燃焼室(7)から燃焼室開口部(9) を通って燃焼ガス
通路(5) 内に流入した燃焼ガスは未だかなりの高温状態
にあり、燃焼室開口部(9) 付近の水管の横ヒレ(12)はこ
の高温の燃焼ガスに接するため高温腐食をきたし、著し
く損耗するといった問題がある。又、外方の環状水管列
(4) の水管については、燃焼ガス通路(5) 側伝熱面は高
温の燃焼ガスに晒されるが、ボイラー外壁(8) 側伝熱面
は加熱されないため、燃焼ガス通路(5) 側とボイラー外
壁(8) 側とで温度差が大きく、殊に燃焼室開口部(9) 付
近の水管においては燃焼ガスが高温であることと相俟っ
てその横ヒレ溶接部と他の表面との温度差が特に大き
く、不測の事態にはヒレ溶接部に熱応力に起因する亀裂
が発生するといった危険があった。
【0004】従って、この発明が解決しようとする課題
は、上述のような事情に鑑み、熱伝達に効果的なヒレ付
水管配列であって、しかもヒレの高温腐食や熱応力に起
因する亀裂の発生といった危険を防止した伝熱面構造を
提供することにある。
は、上述のような事情に鑑み、熱伝達に効果的なヒレ付
水管配列であって、しかもヒレの高温腐食や熱応力に起
因する亀裂の発生といった危険を防止した伝熱面構造を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は前記の課題を
解決するためになされたものであって、上部管寄せ及び
下部管寄せをともに環状に形成し、これら両管寄せを多
数の水管で連結すると共に、これらの水管を内外二重の
環状水管列として配列し、前記内方の環状水管列内側に
燃焼室を形成し、前記両環状水管列間に環状をなす燃焼
ガス通路を形成し、前記内方の環状水管列には前記燃焼
ガス通路への燃焼室開口部を設けると共に、前記外方の
環状水管列には、ボイラー外壁に設けた煙道と連通する
燃焼ガス通路開口部を設け、前記両開口部を燃焼室を挟
んで対向する位置関係とし、前記燃焼ガス通路に面する
水管の外表面に平板状の横ヒレを水管の管軸方向に向っ
て多段状に配した多管式貫流ボイラーにおいて、前記各
環状水管列を構成する水管のうち燃焼室開口部から燃焼
ガス通路下流側に向って所定長さの流路範囲の水管を横
ヒレなし水管とし、前記各環状水管列における横ヒレな
し水管部分について、外方の環状水管列における横ヒレ
なし水管部分が内方の環状水管列における横ヒレなし水
管部分よりも燃焼ガス通路下流側に至るまで設けてある
ことを特徴とする。
解決するためになされたものであって、上部管寄せ及び
下部管寄せをともに環状に形成し、これら両管寄せを多
数の水管で連結すると共に、これらの水管を内外二重の
環状水管列として配列し、前記内方の環状水管列内側に
燃焼室を形成し、前記両環状水管列間に環状をなす燃焼
ガス通路を形成し、前記内方の環状水管列には前記燃焼
ガス通路への燃焼室開口部を設けると共に、前記外方の
環状水管列には、ボイラー外壁に設けた煙道と連通する
燃焼ガス通路開口部を設け、前記両開口部を燃焼室を挟
んで対向する位置関係とし、前記燃焼ガス通路に面する
水管の外表面に平板状の横ヒレを水管の管軸方向に向っ
て多段状に配した多管式貫流ボイラーにおいて、前記各
環状水管列を構成する水管のうち燃焼室開口部から燃焼
ガス通路下流側に向って所定長さの流路範囲の水管を横
ヒレなし水管とし、前記各環状水管列における横ヒレな
し水管部分について、外方の環状水管列における横ヒレ
なし水管部分が内方の環状水管列における横ヒレなし水
管部分よりも燃焼ガス通路下流側に至るまで設けてある
ことを特徴とする。
【0006】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この発明に係る多管式貫流ボイラーの
伝熱面構造を、前記図4,5に示す多管式貫流ボイラー
に適用した一実施例を示す横断面図であり、図1の縦断
面図は前述の図4と同様である。
明する。図1は、この発明に係る多管式貫流ボイラーの
伝熱面構造を、前記図4,5に示す多管式貫流ボイラー
に適用した一実施例を示す横断面図であり、図1の縦断
面図は前述の図4と同様である。
【0007】図面において、上部管寄せ(1) 及び下部管
寄せ(2) がともに環状に形成されている。両管寄せ(1),
(2) は伝熱管としての多数の垂直水管で連結され、これ
ら水管は半径方向に間隔をおいた内外二重の環状水管列
(3),(4) として配列されている。前記両環状水管列(3),
(4) の各水管の両端は縮径部とされ、それぞれ上部管寄
せ(1) の管板及び下部管寄せ(2) の管板に嵌め込んで溶
接されている。
寄せ(2) がともに環状に形成されている。両管寄せ(1),
(2) は伝熱管としての多数の垂直水管で連結され、これ
ら水管は半径方向に間隔をおいた内外二重の環状水管列
(3),(4) として配列されている。前記両環状水管列(3),
(4) の各水管の両端は縮径部とされ、それぞれ上部管寄
せ(1) の管板及び下部管寄せ(2) の管板に嵌め込んで溶
接されている。
【0008】内方の環状水管列(3) と外方の環状水管列
(4) との間には、環状をなす燃焼ガス通路(5) が形成さ
れている。上部管寄せ(1) の内方(中央部)には燃焼装
置(6) が設けられ、これにより内方の環状水管列(3) の
内側を燃焼室(7) としている。一方、外方の環状水管列
(4) の外側には、この水管列(4) を包囲するボイラー外
壁(8) が設けられている。
(4) との間には、環状をなす燃焼ガス通路(5) が形成さ
れている。上部管寄せ(1) の内方(中央部)には燃焼装
置(6) が設けられ、これにより内方の環状水管列(3) の
内側を燃焼室(7) としている。一方、外方の環状水管列
(4) の外側には、この水管列(4) を包囲するボイラー外
壁(8) が設けられている。
【0009】内方の環状水管列(3) の一部には、水管の
全長にわたる燃焼室開口部(9) が設けられ、この開口部
(9) により燃焼室(7) と燃焼ガス通路(5) とが連通され
ている。一方、外方の環状水管列(4) の一部には水管の
全長にわたる燃焼ガス通路開口部(10)が設けられ、燃焼
ガス通路(5) とボイラー外壁(8) の下部に設けた煙道(1
1)とが連通されている。ここで、前記の両開口部(9),(1
0)は、燃焼室(7) を挟んで対向する位置関係としてあ
る。
全長にわたる燃焼室開口部(9) が設けられ、この開口部
(9) により燃焼室(7) と燃焼ガス通路(5) とが連通され
ている。一方、外方の環状水管列(4) の一部には水管の
全長にわたる燃焼ガス通路開口部(10)が設けられ、燃焼
ガス通路(5) とボイラー外壁(8) の下部に設けた煙道(1
1)とが連通されている。ここで、前記の両開口部(9),(1
0)は、燃焼室(7) を挟んで対向する位置関係としてあ
る。
【0010】前記燃焼ガス通路(5) に面する水管の外表
面には平板状の横ヒレ(12)が、燃焼ガス流れ方向(図中
のA矢印方向)に対して平行若しくは傾斜面を持ち、実
質上水平状態で各水管に管軸方向に多段状に設けられる
が、燃焼ガス通路(5) のうち燃焼室開口部(9) から下流
側に向う所定距離の区間においては横ヒレなし水管(13)
が配列される。
面には平板状の横ヒレ(12)が、燃焼ガス流れ方向(図中
のA矢印方向)に対して平行若しくは傾斜面を持ち、実
質上水平状態で各水管に管軸方向に多段状に設けられる
が、燃焼ガス通路(5) のうち燃焼室開口部(9) から下流
側に向う所定距離の区間においては横ヒレなし水管(13)
が配列される。
【0011】ここで、各環状水管列(3),(4) における横
ヒレなし水管(13)の配設範囲は、燃焼ガス通路(5) 内に
おける外方の環状水管列(4) の横ヒレなし水管(13)配設
範囲を、内方の環状水管列(3) のそれよりも長くし、外
方の環状水管列(4) における横ヒレなし水管(13)が、内
方の環状水管列(3) の横ヒレなし水管(13)よりも燃焼ガ
ス通路(5) 下流側まで配設してある。
ヒレなし水管(13)の配設範囲は、燃焼ガス通路(5) 内に
おける外方の環状水管列(4) の横ヒレなし水管(13)配設
範囲を、内方の環状水管列(3) のそれよりも長くし、外
方の環状水管列(4) における横ヒレなし水管(13)が、内
方の環状水管列(3) の横ヒレなし水管(13)よりも燃焼ガ
ス通路(5) 下流側まで配設してある。
【0012】以上の構成においてその作用を説明する
と、燃焼室(7) で発生した燃焼ガスは、先ず輻射伝熱に
より内方の環状水管列(3) と熱交換を行い、燃焼室(7)
から燃焼室開口部(9) を経て燃焼ガス通路(5) に流入
し、この燃焼ガス通路(5) 内を2方向に分岐して流通す
る過程において、主として対流伝熱により熱交換を行っ
た後、燃焼ガス通路開口部(10)で再び合流して煙道(11)
から低温となって外部に排出される。
と、燃焼室(7) で発生した燃焼ガスは、先ず輻射伝熱に
より内方の環状水管列(3) と熱交換を行い、燃焼室(7)
から燃焼室開口部(9) を経て燃焼ガス通路(5) に流入
し、この燃焼ガス通路(5) 内を2方向に分岐して流通す
る過程において、主として対流伝熱により熱交換を行っ
た後、燃焼ガス通路開口部(10)で再び合流して煙道(11)
から低温となって外部に排出される。
【0013】このとき、燃焼室開口部(9) 付近の水管は
横ヒレなし水管(13)であるのでこの開口部(9) からの燃
焼ガスがかなりの高温であるにもかかわらず、従来のよ
うにこの位置に横ヒレ付水管を配置したものに比べ、水
管表面の温度差が小さく、温度差に基づく熱応力に起因
して生じる水管の亀裂発生を低減することができる。更
に、燃焼室開口部(9) 付近の高温の燃焼ガスに晒される
水管には横ヒレ(12)が設けられていないので、従来のよ
うにヒレが高温腐食を起して著しく損耗し、経時と共に
初期の伝熱効率が維持できなくなるといったこともなく
なる。また、燃焼室開口部(9) からの所定距離以降の下
流における横ヒレ付水管(14)部分において、燃焼ガスは
上流側の横ヒレなし水管(13)部分での対流伝熱により温
度をかなり低下しているので、この部分においては横ヒ
レ(12)が高温腐食を起こすといった危険もない。
横ヒレなし水管(13)であるのでこの開口部(9) からの燃
焼ガスがかなりの高温であるにもかかわらず、従来のよ
うにこの位置に横ヒレ付水管を配置したものに比べ、水
管表面の温度差が小さく、温度差に基づく熱応力に起因
して生じる水管の亀裂発生を低減することができる。更
に、燃焼室開口部(9) 付近の高温の燃焼ガスに晒される
水管には横ヒレ(12)が設けられていないので、従来のよ
うにヒレが高温腐食を起して著しく損耗し、経時と共に
初期の伝熱効率が維持できなくなるといったこともなく
なる。また、燃焼室開口部(9) からの所定距離以降の下
流における横ヒレ付水管(14)部分において、燃焼ガスは
上流側の横ヒレなし水管(13)部分での対流伝熱により温
度をかなり低下しているので、この部分においては横ヒ
レ(12)が高温腐食を起こすといった危険もない。
【0014】更に、各環状水管列(3),(4) における横ヒ
レなし水管(13)を上述のように異なる範囲で配設したこ
とにより、一層の伝熱効率の向上と、過熱による水管の
亀裂発生の防止が可能になる。即ち、外方の環状水管列
(4) の水管は、ボイラー外壁(8) 側からは加熱されるこ
とはなく、燃焼ガス通路(5) 側のみから加熱されるのに
対し、内方の環状水管列(3) の水管は燃焼室(7) 側と燃
焼ガス通路(5) 側の両面から加熱されるため、外方の環
状水管列(4) の水管より温度差が小さいので、この内方
の環状水管列(3) においては、外方の環状水管列(4) よ
り上流側の水管に横ヒレ(12)を溶接していても前記のよ
うな水管の亀裂発生といった危険が小さい上、横ヒレ(1
2)を設けることにより伝熱効率は向上する。
レなし水管(13)を上述のように異なる範囲で配設したこ
とにより、一層の伝熱効率の向上と、過熱による水管の
亀裂発生の防止が可能になる。即ち、外方の環状水管列
(4) の水管は、ボイラー外壁(8) 側からは加熱されるこ
とはなく、燃焼ガス通路(5) 側のみから加熱されるのに
対し、内方の環状水管列(3) の水管は燃焼室(7) 側と燃
焼ガス通路(5) 側の両面から加熱されるため、外方の環
状水管列(4) の水管より温度差が小さいので、この内方
の環状水管列(3) においては、外方の環状水管列(4) よ
り上流側の水管に横ヒレ(12)を溶接していても前記のよ
うな水管の亀裂発生といった危険が小さい上、横ヒレ(1
2)を設けることにより伝熱効率は向上する。
【0015】図2は、この発明に係る他の実施例を示す
もので、横ヒレなし水管(13)の配列部分における燃焼ガ
ス通路(5) の隙間(イ) が、横ヒレ付水管(14)部における
燃焼ガス通路(5) の隙間(ロ) より狭くなるように設定し
てある。この実施例においては、燃焼室開口部(9) 付近
の燃焼ガス通路(5) においては、この部分の燃焼ガス通
路(5) の隙間(イ) を上述のように横ヒレ付水管(14)部分
の燃焼ガス通路(5) の隙間(ロ) より狭く構成したので燃
焼ガスの高速流が形成されて伝熱効率の向上が図れ、結
果として、この横ヒレなし水管(13)部分においても従来
の多管式貫流ボイラーのような横ヒレ付水管とした場合
とほぼ同等の伝熱効果が得られる。尚、この場合、前記
の隙間(イ) の部分では燃焼ガスの通過圧力損失が前記の
実施例より増加するが、横ヒレなし水管(13)部分の燃焼
ガス通路(5) の距離が短いので、その増加量は僅かであ
り、通風量、燃焼性等ボイラーの運転に支障をきたすこ
とはない。又、燃焼ガス通路(5) の入口にあたる隙間
(イ) が狭められることにより燃焼室(7) から出た燃焼ガ
スが堰き止められ、燃焼ガスの持つ運動量による片寄り
流れが緩和され、燃焼ガス通路(5) の水管管軸方向につ
いての燃焼ガス流れが均一化され、実質的な接触伝熱の
増加による伝熱効率の向上と局部的な過熱の防止が達成
でき、水管の亀裂損焼といった事態が防止される。尚、
他の構成・作用・効果については図1に示す実施例と同
様であるので、その詳細な説明を省略する。
もので、横ヒレなし水管(13)の配列部分における燃焼ガ
ス通路(5) の隙間(イ) が、横ヒレ付水管(14)部における
燃焼ガス通路(5) の隙間(ロ) より狭くなるように設定し
てある。この実施例においては、燃焼室開口部(9) 付近
の燃焼ガス通路(5) においては、この部分の燃焼ガス通
路(5) の隙間(イ) を上述のように横ヒレ付水管(14)部分
の燃焼ガス通路(5) の隙間(ロ) より狭く構成したので燃
焼ガスの高速流が形成されて伝熱効率の向上が図れ、結
果として、この横ヒレなし水管(13)部分においても従来
の多管式貫流ボイラーのような横ヒレ付水管とした場合
とほぼ同等の伝熱効果が得られる。尚、この場合、前記
の隙間(イ) の部分では燃焼ガスの通過圧力損失が前記の
実施例より増加するが、横ヒレなし水管(13)部分の燃焼
ガス通路(5) の距離が短いので、その増加量は僅かであ
り、通風量、燃焼性等ボイラーの運転に支障をきたすこ
とはない。又、燃焼ガス通路(5) の入口にあたる隙間
(イ) が狭められることにより燃焼室(7) から出た燃焼ガ
スが堰き止められ、燃焼ガスの持つ運動量による片寄り
流れが緩和され、燃焼ガス通路(5) の水管管軸方向につ
いての燃焼ガス流れが均一化され、実質的な接触伝熱の
増加による伝熱効率の向上と局部的な過熱の防止が達成
でき、水管の亀裂損焼といった事態が防止される。尚、
他の構成・作用・効果については図1に示す実施例と同
様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0016】図3は、この発明に係る多管式貫流ボイラ
ーの伝熱面構造の他の実施例の説明図である。この実施
例においては、内外方の各環状水管列(3),(4) の水管
は、隣接するもの同志がそれぞれスペーサー(15),(16)
にて連結され、かつ、各環状水管列(3),(4) を構成する
水管が半ピッチずれた状態で配列されている。尚、横ヒ
レなし水管(13),横ヒレ付水管(14)その他の構成は前述
の実施例と同様である。このように構成することにより
前述の各実施例と同様の効果が得られる他、スペーサー
(15),(16) を設けることにより、隣接する水管間の燃焼
ガス通路(5) に燃焼ガスが滞留する横断面形状略扇形の
領域の形成が阻止できるため、伝熱効率はさらに向上す
る。しかも、内外方の水管列の水管を半ピッチずらせて
配列することにより、横ヒレ付水管(14)部分の燃焼ガス
通路(5) の断面がほぼ同一となって燃焼ガスの流れが均
一となり、他の形式の水管配列の場合のように燃焼ガス
が縮流(圧縮)・拡流(膨張)されながら流れるのに比
べ燃焼ガス通路(5) における圧力損失が低減される。
尚、他の構成・作用・効果については、図1,2に示す
実施例と同様であるので、その詳細説明を省略する。
ーの伝熱面構造の他の実施例の説明図である。この実施
例においては、内外方の各環状水管列(3),(4) の水管
は、隣接するもの同志がそれぞれスペーサー(15),(16)
にて連結され、かつ、各環状水管列(3),(4) を構成する
水管が半ピッチずれた状態で配列されている。尚、横ヒ
レなし水管(13),横ヒレ付水管(14)その他の構成は前述
の実施例と同様である。このように構成することにより
前述の各実施例と同様の効果が得られる他、スペーサー
(15),(16) を設けることにより、隣接する水管間の燃焼
ガス通路(5) に燃焼ガスが滞留する横断面形状略扇形の
領域の形成が阻止できるため、伝熱効率はさらに向上す
る。しかも、内外方の水管列の水管を半ピッチずらせて
配列することにより、横ヒレ付水管(14)部分の燃焼ガス
通路(5) の断面がほぼ同一となって燃焼ガスの流れが均
一となり、他の形式の水管配列の場合のように燃焼ガス
が縮流(圧縮)・拡流(膨張)されながら流れるのに比
べ燃焼ガス通路(5) における圧力損失が低減される。
尚、他の構成・作用・効果については、図1,2に示す
実施例と同様であるので、その詳細説明を省略する。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は前記の
ように構成されているので次のような効果が得られる。
ように構成されているので次のような効果が得られる。
【0018】1) 燃焼室開口部付近の水管は、その燃焼
ガス通路において、未だかなりの高温状態にある燃焼ガ
スに接するが、該領域の水管は内外方の環状水管列共に
横ヒレなし水管で構成されているため、該領域に横ヒレ
付水管を配置した従来のボイラーのように、この高温状
態の燃焼ガスによって、燃焼室開口部付近の水管の横ヒ
レが高温腐食をきたし、著しく損耗するといった問題が
無く、経時と共に初期の伝熱効率が維持できなくなると
いったこともない。更に、この燃焼室開口部付近の水管
を、内外方の環状水管列共に横ヒレなし水管としたこと
により、該領域に配置した横ヒレ付水管における横ヒレ
溶接部と他の水管表面との間に大きな温度差が生じるの
を防止し、この温度差に基づく熱応力に起因して水管表
面、特にヒレ溶接部に生じる亀裂発生を防止することが
できる。
ガス通路において、未だかなりの高温状態にある燃焼ガ
スに接するが、該領域の水管は内外方の環状水管列共に
横ヒレなし水管で構成されているため、該領域に横ヒレ
付水管を配置した従来のボイラーのように、この高温状
態の燃焼ガスによって、燃焼室開口部付近の水管の横ヒ
レが高温腐食をきたし、著しく損耗するといった問題が
無く、経時と共に初期の伝熱効率が維持できなくなると
いったこともない。更に、この燃焼室開口部付近の水管
を、内外方の環状水管列共に横ヒレなし水管としたこと
により、該領域に配置した横ヒレ付水管における横ヒレ
溶接部と他の水管表面との間に大きな温度差が生じるの
を防止し、この温度差に基づく熱応力に起因して水管表
面、特にヒレ溶接部に生じる亀裂発生を防止することが
できる。
【0019】2) この横ヒレなし水管部分の燃焼ガス通
路の長さを所要の長さに設定することにより、燃焼ガス
を横ヒレ付水管に亀裂焼損を考慮した際の適度の温度に
低下した状態で横ヒレ付水管部分の燃焼ガス通路に流入
するように構成することができ、横ヒレ付水管部分の燃
焼ガス通路では横ヒレの高温腐食が防止されると共に、
横ヒレの効果により燃焼ガスが低温となっているにもか
かわらず良好な伝熱が得られ、かつ、横ヒレが燃焼ガス
流れに対して実質的に平行に設けられることにより圧力
損失も小さい。
路の長さを所要の長さに設定することにより、燃焼ガス
を横ヒレ付水管に亀裂焼損を考慮した際の適度の温度に
低下した状態で横ヒレ付水管部分の燃焼ガス通路に流入
するように構成することができ、横ヒレ付水管部分の燃
焼ガス通路では横ヒレの高温腐食が防止されると共に、
横ヒレの効果により燃焼ガスが低温となっているにもか
かわらず良好な伝熱が得られ、かつ、横ヒレが燃焼ガス
流れに対して実質的に平行に設けられることにより圧力
損失も小さい。
【0020】3) 外方の環状水管列の横ヒレなし水管を
内方の環状水管列の横ヒレなし水管よりも下流側まで配
列することにより、内外方の環状水管列の両側水管とも
に水管の温度差を同程度にすることができ、水管に亀裂
発生を防止し、かつ内方の環状水管列の横ヒレ付水管が
増加し伝熱向上にも寄与する。
内方の環状水管列の横ヒレなし水管よりも下流側まで配
列することにより、内外方の環状水管列の両側水管とも
に水管の温度差を同程度にすることができ、水管に亀裂
発生を防止し、かつ内方の環状水管列の横ヒレ付水管が
増加し伝熱向上にも寄与する。
【図1】この発明に係る多管式貫流ボイラーの伝熱面構
造の一実施例を示す横断面図である。
造の一実施例を示す横断面図である。
【図2】この発明に係る多管式貫流ボイラーの伝熱面構
造の他の実施例を示す横断面図である。
造の他の実施例を示す横断面図である。
【図3】この発明に係る多管式貫流ボイラーの伝熱面構
造の更に他の実施例を示す横断面図である。
造の更に他の実施例を示す横断面図である。
【図4】従来の多管式貫流ボイラーの縦断面図である。
【図5】図4の横断面図である。
(1) …上部管寄せ (2) …下部管寄せ (3) …内方の環状水管列 (4) …外方の環状水管列 (5) …燃焼ガス通路 (7) …燃焼室 (8) …ボイラー外壁 (9) …燃焼室開口部 (10)…燃焼ガス通路開口部 (11)…煙道 (12)…横ヒレ (13)…横ヒレなし水管 (14)…横ヒレ付水管
Claims (1)
- 【請求項1】 上部管寄せ(1) 及び下部管寄せ(2) をと
もに環状に形成し、これら両管寄せ(1),(2) を多数の水
管で連結すると共に、これらの水管を内外二重の環状水
管列(3),(4) として配列し、前記内方の環状水管列(3)
内側に燃焼室(7) を形成し、前記両環状水管列(3),(4)
間に環状をなす燃焼ガス通路(5) を形成し、前記内方の
環状水管列(3) には前記燃焼ガス通路(5) への燃焼室開
口部(9) を設けると共に、前記外方の環状水管列(4) に
は、ボイラー外壁(8) に設けた煙道(11)と連通する燃焼
ガス通路開口部(10)を設け、前記両開口部(9),(10)を燃
焼室(7) を挟んで対向する位置関係とし、前記燃焼ガス
通路(5) に面する水管の外表面に平板状の横ヒレ(12)を
水管の管軸方向に向って多段状に配した多管式貫流ボイ
ラーにおいて、前記各環状水管列(3),(4) を構成する水
管のうち燃焼室開口部(9) から燃焼ガス通路(5) 下流側
に向って所定長さの流路範囲の水管を横ヒレなし水管(1
3)とし、前記各環状水管列(3),(4) における横ヒレなし
水管(13)部分について、外方の環状水管列(4) における
横ヒレなし水管(13)部分が内方の環状水管列(3) におけ
る横ヒレなし水管(13)部分よりも燃焼ガス通路(5) 下流
側に至るまで設けてあることを特徴とする多管式貫流ボ
イラーの伝熱面構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4034207A JPH0826964B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 多管式貫流ボイラーの伝熱面構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4034207A JPH0826964B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 多管式貫流ボイラーの伝熱面構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06174203A JPH06174203A (ja) | 1994-06-24 |
JPH0826964B2 true JPH0826964B2 (ja) | 1996-03-21 |
Family
ID=12407716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4034207A Expired - Lifetime JPH0826964B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 多管式貫流ボイラーの伝熱面構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0826964B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100553320B1 (ko) * | 2005-05-17 | 2006-02-21 | 한국미우라공업주식회사 | 관류 보일러 |
KR100986637B1 (ko) * | 2010-01-19 | 2010-10-08 | (주)광희보일러 | 소형화 및 열효율이 향상된 이중주관식 보일러 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0613921B2 (ja) * | 1986-01-31 | 1994-02-23 | 三浦工業株式会社 | 多管式貫流ボイラ−の伝熱面構造 |
-
1992
- 1992-01-24 JP JP4034207A patent/JPH0826964B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06174203A (ja) | 1994-06-24 |
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