JPH08268791A - 縦型結晶成長方法およびそれに使用される結晶成長容器 - Google Patents

縦型結晶成長方法およびそれに使用される結晶成長容器

Info

Publication number
JPH08268791A
JPH08268791A JP7547795A JP7547795A JPH08268791A JP H08268791 A JPH08268791 A JP H08268791A JP 7547795 A JP7547795 A JP 7547795A JP 7547795 A JP7547795 A JP 7547795A JP H08268791 A JPH08268791 A JP H08268791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
orientation
container
degree
gradually
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7547795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3250409B2 (ja
Inventor
Tomoki Inada
知己 稲田
Michinori Wachi
三千則 和地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=13577427&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH08268791(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP07547795A priority Critical patent/JP3250409B2/ja
Publication of JPH08268791A publication Critical patent/JPH08268791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3250409B2 publication Critical patent/JP3250409B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶成長に最適な縦型結晶成長方法および
それに使用される結晶成長容器を提供する。 【構成】 容器1内に収容された結晶融液を融液下方に
配した種結晶3から徐々に断面積を増加させた後略その
断面形状が一定となるように下方より固化させる縦型結
晶成長方法において、容器1を窒化ホウ素を主組成とし
て気相成長法により形成し、容器1の配向度を上下方向
で漸次異ならせたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縦型結晶成長方法およ
びそれに使用される結晶成長容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路の需要の増加に伴い、化
合物半導体デバイスの需要も増加している。化合物半導
体デバイスを製造する上で化合物半導体の結晶が不可欠
である。化合物半導体の結晶を製造する方法として縦型
ブリッジマン法や縦型徐冷法が挙げられる。
【0003】これらの方法の特徴として定形の結晶、特
に円柱状の単結晶が比較的小型の設備で作製できるこ
と、結晶成長が容易であることから、半導体製造産業分
野や学術研究分野で古くから広く行われている。例え
ば、発光ダイオード、レーザダイオード、電界効果トラ
ンジスタ、集積回路等の工業上重要な製品に使用される
GaAs結晶もこの製法で作られている。
【0004】縦型成長法は、容器(ルツボ)内に収容さ
れた結晶融液を融液下方に配した種結晶から徐々に断面
積(径、あるいは幅)を増加させた後断面形状が略一定
となるように下方より固化させる容器内での成長法であ
る。
【0005】この方法では、容器に供される材料として
耐熱性、成形性、目的とする結晶材料との反応性の観点
から、結晶に応じて石英ガラス、窒化ケイ素、窒化ホウ
素、アルミナ、白金などが使用されている。このうち窒
化ホウ素からなるルツボでは、気相成長法により作製さ
れるpBN(パイロリティックBN)ルツボがGaAs
やInP等のIII-V族化合物半導体やZnSeやZnS
等のII−VI族化合物半導体結晶の縦型成長用に使用され
ている。このルツボは、高純度の三塩化ホウ素ガスや三
フッ化物ホウ素ガスと同じく高純度のアンモニアガスと
の直接反応により精製されるため高純度であり、また薄
膜が密に配向した構造となっていることから肉薄の割り
に機械的な強度が高いなどの特徴を有している。このた
めルツボとの反応性の小さい高純度結晶の製造に使用さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述した材料
の結晶成長にpBNルツボを使用する場合、最大の隘路
は単結晶の成長にある。前述した結晶は、その多くが臨
界剪断応力が小さいため結晶欠陥である転位が発生しや
すい。そのため転位の集積により多結晶化しやすい。ま
た、積層欠陥エネルギーが小さいため双晶が発生しやす
いなど、単結晶化が極めて難しい。これらの問題を解決
するには、容器を収容する炉内の温度分布の調整が必要
である。そのため、固液界面形状を成長方向にやや突き
出した凸形状になるように融液の熱流を制御することが
行われている。
【0007】しかし、固液界面形状は成長中に多種多様
な変化をするため、融液の熱流を制御するだけでは不十
分である。すなわち、結晶に接しているルツボ材を介し
た熱流の制御を行うことが必要である。
【0008】pBNルツボは結晶軸のc軸(ルツボの面
の長さ方向に平行な軸)と、a軸(ルツボの面の厚さ方
向の軸)の熱伝導度ではc軸の方が大きいという特異性
を持ちながらも、従来はあまりルツボ材による結晶の温
度分布への影響については、縦型成長法の結晶成長では
殆ど検討されていなかった。それは、一般にpBNルツ
ボは1mm程度の厚さしかなく、その程度では巨視的、
微視的な熱流の変化は小さいと考えられてきたためであ
る。
【0009】従来はpBNルツボの開発に関しては、単
結晶を阻害するもうひとつの要因であるルツボと結晶の
「ぬれ」の改善が注力されていた。ぬれ性は高価なルツ
ボの寿命を左右する重要な要因でもある。「ぬれ」の改
善ではルツボ内壁の処理方法や内面の微細構造に関する
発明がなされている。
【0010】ルツボ特性に関しては、引上法による結晶
成長においてルツボ材の特性に関する発明がなされてい
る、縦型成長法を同じく単結晶を得る目的の成長法では
あるが熱流の挙動が両者では全く異なるため参考とはな
らない。すなわち、引上法では融液を収容することを目
的としてルツボが使用されるが、縦型成長法では結晶成
長容器としてルツボが使用される点が大きな相違点であ
る。また、縦型成長法において、熱流制御の目的でルツ
ボの厚さや形状を変化させる方法が多く発明されている
が、特殊な製造法を必要とするかあるいは副次的な加工
が必要になる程経済性の点で大きな欠点を有する。
【0011】したがって、縦型成長法に特有な熱流を制
御するための新たな特性を有するルツボの開発が必要で
ある。
【0012】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、単結晶成長に最適な縦型結晶成長方法およびそれに
使用される結晶成長容器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の縦型結晶成長方法は、容器内に収容された結
晶融液を融液下方に配した種結晶から徐々に断面積を増
加させた後略その断面形状が一定となるように下方より
固化させる縦型結晶成長方法において、容器を窒化ホウ
素を主組成として気相成長法により形成し、容器の配向
度を上下方向で漸次異ならせたものである。
【0014】本発明は上記構成に加え、配向度を、種結
晶と結晶本体とが接触する部位に応答する容器下部の配
向度を1とした場合に、結晶の断面形状が略一定となる
部位の下端に相当する容器の部位で3倍以上となるよう
に下方より徐々に配向度を増加させ、さらに結晶の断面
形状が略一定の形状となっている部分の上端に相当する
容器の部位で4倍以上となるように下方より徐々に増加
させたものである。
【0015】本発明は上記構成に加え、配向度を、種結
晶と結晶本体とが接触する部位に相当する容器下部の配
向度を1とした場合に、結晶の断面形状が略一定となる
部位の下端に相当する容器の部位で1/3倍以下となる
ように下方より徐々に配向度を低下させ、さらに結晶の
断面形状が略一定となる部分の上端に相当する容器の部
位で1/4倍以下となるように徐々に低下させたもので
ある。
【0016】本発明の結晶成長容器は、容器内に収容さ
れた結晶融液を融液下方に配した種結晶から徐々に断面
積を増加させた後略その断面形状が一定となるように下
方より固化させる縦型結晶成長に用いる結晶成長容器に
おいて、種結晶を収容する種結晶収容部と、この種結晶
収容部から徐々に上方に断面積が増加するように形成さ
れた肩部と、肩部の上方にその断面形状が一定となるよ
うに形成された胴部とからなり、窒化ホウ素を主組成と
して配向度を上下方向で漸次異ならせたものである。
【0017】
【作用】ルツボの特性と縦型成長法での結晶成長の単結
晶化の相関について研究したところ、ルツボの配向度と
単結晶化率との間に相関があることを発見し、本発明に
至った。すなわち、ルツボの配向度を、ルツボ下部から
上部にかけて徐々に高配向度となるようにするか、ある
いは徐々に低高配度となるようにすると、極めて単結晶
化率が高くなる傾向をもち、さらに配向度分布を形状に
合わせて規定することで略完全に再現性よく単結晶が得
られることを見出した。
【0018】pBNルツボの配向度は、作製中の炉内温
度分布、原料ガスの流量、ルツボ薄膜の成長速度などを
制御することにより変化させることができ、X線回折法
で測定される。測定は、まずa軸とc軸とについて結晶
の回折面の(002)面の回折強度と(100)面のX
線回折強度とを測定し、その強度比を求める。a軸方向
の強度比を(I002 /I100 )aとし、c軸方向の強度
比を(I002 /I10 0 )aとすると、配向度は{(I
002 /I100 )a/(I002 /I100 )c}で定義され
る。
【0019】縦型成長法に供されるpBNルツボは、一
般に図2に示すような形状を有している。ルツボ下部に
種結晶を収容する円柱状の「種結晶収容部」があり、そ
の上部に徐々に幅の広がった結晶の「肩部」に相当する
部分があり、さらにその上部の結晶の製品ウエハを採取
できる略一定形状の「胴部」からなる。「肩部」は円柱
状の結晶では円錘、多角形結晶ではなだらかに幅を広げ
る形状をしており、「胴部」は円柱状の結晶では一定
径、多角結晶では一定幅となっている。「種結晶収容
部」は一体化しているものと、最下端を開放させキャッ
プをはめるものとがある。
【0020】本発明ではpBNルツボの「肩部」の下端
より上部へ徐々に配向度を増加させるか、あるいは減少
させ、さらに「胴部」においても下端より上部へ徐々に
配向度を増加させるか、あるいは減少させる構造とする
ことに特徴がある。
【0021】配向度は、種結晶と「肩部」の接点位置に
相当する部位の容器下部の配向度を「1」とした場合
に、「胴部」の下端に相当する容器の部位において3倍
以上となるように下方より徐々に配向度を増加させ、さ
らに結晶が略一定の形状になっている部分の上端に相当
する容器の部位では4倍以上となるように下方より徐々
に配向度を増加させることにより形成されるか、あるい
は「胴部」の下端に相当する容器の部位において1/3
倍以下となるように下方より徐々に配向度を減少させ、
さらに結晶が略一定の形状になっている部分の上端に相
当する容器の部位では1/4倍以下となるように下方よ
り徐々に配向度を減少させることにより形成される。
【0022】通常、上述した定義に基づいて測定された
配向度は、通常は基準位置で10〜20(40〜80)
の値となる。従って「肩部」終端で30〜60以上(1
3〜27以下)となり、「胴部」終端では40〜80
(10〜20以下)となるが、数値そのものを制限する
ものではなく、基準位置に対する比の値および下方より
徐々に高配向度(低配向度)となる分布を満たすことが
要件である。
【0023】pBNルツボは、一般に高純度の三塩化ホ
ウ素ガスや三フッ化ホウ素と、同じく高純度のアンモニ
アガスとの直接反応により精製されるが、特にその原料
ガス、製法を規定するものではなく、得られたルツボの
配向度のみを規定する。
【0024】種結晶収容部の配向度は、下部から順に高
配向度となるか、あるいは下部から順に低配向度となる
ことが好ましいが、特に限定されるものではない。
【0025】単結晶成長において重要な点は、いかにす
れば固液界面を理想形状の成長方向に凸−縦型成長法で
は上方に凸−の形状にすることができるかということで
ある。固液界面形状は、融液内の等温線を意味し、熱流
は等温線に垂直に流れることから、縦型成長法で凸形状
とするには、下部より固化する結晶の中心部に向かう熱
流を制御しなければならない。そのために、通常上部よ
り下部、外周より中心の温度をそれぞれ低くする工夫が
なされている。これには、すでに述べたように制御の限
界がある。
【0026】そこでpBNルツボの配向度を下方より徐
々に増加させた場合には、種結晶から肩部の部位での熱
流の制御が上部より相対的に良くなり、また、胴部でも
上部より下部の熱流の制御がよくなるため、その結果下
部の中心部への熱流が増大傾向を示すと考えられる。そ
れにより界面形状が凸状に保たれやすくなる。
【0027】この現象をルツボの配向度と対比させて説
明する。
【0028】一般に配向度が高くなると、輻射熱の熱流
が悪くなり熱流の制御が困難となる。換言すると配向度
の低い部分は輻射熱の流出流入が良くなり、このため所
定の温度分布が作りやすくなる。その結果、単結晶成長
に必要な形状を維持できるのでないかと考えられる。
【0029】配向度を、種結晶と「肩部」の接点位置に
相当する部位の容器下部の配向度を「1」とした場合
に、「胴部」の下端に相当する容器の部位において3倍
以上(1/3倍以下)となるように下方より徐々に配向
度を増加(減少)させるようにしたのは、「肩部」より
も種結晶側に3倍以上の相対差をつけないと、種結晶側
の冷却効果が小さく、熱流の制御性が悪くなり、固液界
面形状が凸状になりにくくなり単結晶化が困難であるた
めである。
【0030】さらに「胴部」の一定の形状になっている
部分の上端に相当する容器の部位で4倍以上となるよう
に下方より徐々に配向度を増加させたのは、せっかく肩
部で理想形状となってもそれが維持できずに、結果とし
て多結晶となってしまうからである。
【0031】また、一般に高配向度となるとc軸方向の
熱伝導が良くなると考えられ、輻射の透過率が下がるこ
とが考えられる。そこでpBNルツボの配向度を下方よ
り徐々に減少させた場合には、種結晶から肩部の部位が
上部より相対的に冷却されやすくなる。また、胴部でも
上部より下部の方が冷却されやすくなる。その結果、下
部の中心部への熱流が増大傾向を示すと考えられる。そ
れにより界面形状が凸に保たれ易くなる。この場合温度
の制御性は悪化する場合が考えられるが、相補的な効果
以上の界面形状の改善が図られる。
【0032】この配向度を、種結晶と「肩部」の接点位
置に相当する部位の容器下部の配向度を「1」とした場
合に、「胴部」の下端に相当する容器の部位において1
/3倍以下となるように下方より徐々に配向度を低下さ
せるようにしたのは、肩部よりも種結晶側に3倍以上の
相対差をつけないと、種結晶側の冷却効果が小さく、固
液界面形状が凸となりにくく単結晶化が困難であるから
である。更に「胴部」の一定の形状になっている部分の
上端に相当する容器の部位に対し種結晶が4倍以上の相
対差がつくように下方より徐々に配向度を低下させるこ
ととしたのは、せっかく肩部で理想形状となっても、よ
り下部が冷却されないと理想形状が胴部で維持できずに
結果として多結晶となってしまうからである。
【0033】現在、縦型成長用pBNルツボは、径2イ
ンチから4インチまでが製品化されているが、本発明の
要件はルツボ径によらず成り立つことが分かった。ま
た、6インチ径までのルツボを試作したところ本発明の
要件が適用できることが分かった。これは、縦型成長法
ではルツボ長さ方向の熱流制御が支配的であることによ
ると考えられる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0035】(実施例1)図1は本発明の縦型結晶成長
方法の一実施例を説明するための説明図であり、図2は
図1に示した容器の拡大断面図である。
【0036】図1において、1はルツボであり、ルツボ
1内にはGaAs結晶2が収容されており、GaAs結
晶2の下方には種結晶3が収容されている。ルツボ1は
ルツボ支持台4で石英アンプル5の中央部に支持されて
いる。石英アンプル5の底部には砒素6が配置されてい
る。石英アンプル5の外周上側には高温ヒータ7が配置
され、石英アンプル5の外周下側には低温ヒータ8が配
置されている。
【0037】図1および図2に示すように結晶成長容器
としてのルツボ1は、pBNからなる円筒状に形成され
ており、種結晶3を収容する種結晶収容部10と、この
種結晶収容部10から徐々に上方に断面積が増加するよ
うに形成された肩部11と、肩部11の上方にその断面
形状が一定となるように形成された胴部12とで構成さ
れている。
【0038】種結晶収容部10の長さは40mm、肩部
11の長さは30mm、胴部12の長さは400mm、
胴部12の内径は約78mm、厚さは約1mmであるが
限定されるものではない。
【0039】このようなルツボ1を使用してGaAsの
単結晶を作成した。使用したpBNルツボ1の配向度の
測定結果を表1および表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】注1:測定部位bの配向度を「1」とした
ときの各部位a〜fの配向度との比 注2:図2の測定部位a〜fに対応 注3:測定部位bの配向度を「1」としたときの各部位
a〜fの配向度との比 注4:図2の測定部位a〜fに対応 内径100mm、長さ1000mmの石英アンプル5に
図1に示すように上部に200mm程度の空間をあけ
て、ルツボ支持台4に配したGaAs結晶と種結晶とを
収容したpBNルツボ1を設置し、石英アンプル5の下
部に砒素6を配して、全体を高真空に排気した後、石英
アンプル5を溶接で封じ、高温ヒータ7および低温ヒー
タ8からなる炉内にセットした。
【0043】GaAs結晶は予め合成した無添加のGa
As多結晶を6800gを使用した。種結晶は水平面が
(100)面である。石英アンプル5内の砒素ガス圧を
補償しアンプルの変形を防止するため、6ナイングレー
ド(純度99.9999%)50gの砒素6を石英アン
プル5下部に配し、この部分は低温ヒータ8で約600
℃に加熱した。
【0044】以上の配置で縦型ブリッジマン法で石英ア
ンプル5を毎時8mmの速度で下方に移動し、ルツボ1
内で種結晶3から徐々に固化させたところ、(100)
方向に成長された約3インチ径で定径部長さ約250m
mのGaAs単結晶を成長させることができた。結晶の
欠陥を調べたところ、多結晶の粒塊や双晶あるいは転位
の集積部は見られず良好な単結晶が得られた。
【0045】(実施例2)実施例1と全く同一条件で、
ルツボの配向度を変えて成長させた。結果は表1に示す
ように良好であった。
【0046】(実施例3)実施例1と全く同一条件で、
種結晶部のみルツボの配向度を変えて成長させた。結果
は表1に示すように良好であった。
【0047】(比較例1)実施例1と全く同一条件で、
ルツボの配向度を変えて成長させた。ルツボ肩部の配向
度が本発明の要件からはずれる配向度である。結果は表
1に示すように単結晶化率が甚だしく悪化することが分
かった。
【0048】(比較例2)実施例1と全く同一条件で、
ルツボの配向度を変えて成長させた。ルツボ胴部の配向
度が本発明の要件からはずれる配向度である。結果は表
1に示すように単結晶化率が甚だしく悪化することが分
かった。
【0049】(比較例3)実施例1と全く同一条件で、
ルツボの配向度を変えて成長させた。ルツボ全体の配向
度が本発明の要件からはずれる配向度である。結果は表
1に示すように単結晶化率が甚だしく悪化することが分
かった。
【0050】(実施例4)実施例1と全く同一条件で、
ルツボの配向度を変えて成長させた。結果は表2に示す
ように良好であった。
【0051】(実施例5)実施例1と全く同一条件で、
ルツボの配向度を変えて成長させた。結果は表2に示す
ように良好であった。
【0052】(実施例6)実施例1と全く同一条件で、
種結晶部のルツボの配向度を変えて成長させた。結果は
表2に示すように良好であった。
【0053】(比較例4)実施例1と全く同一条件で、
種結晶部のルツボの配向度を変えて成長させた。ルツボ
肩部の配向度が本発明の要件からはずれる配向度であ
る。結果は表2に示すように単結晶化率が甚だしく悪化
することがわかった。
【0054】(比較例5)実施例1と全く同一条件で、
ルツボの配向度を変えて成長させた。ルツボ胴部の配向
度が本発明の要件からはずれる配向度である。結果は表
2に示すように単結晶化率が甚だしく悪化することが分
かった。
【0055】(比較例6)実施例1と全く同一条件で、
ルツボの配向度を変えて成長させた。ルツボ全体の配向
度が本発明の要件からはずれる配向度である。結果は表
2に示すように単結晶化率が甚だしく悪化することが分
かった。
【0056】(最適条件の根拠)以上の結果から縦型成
長法の一種である縦型ブリッジマン法で、本発明の要件
において良好な単結晶が得られることが確認できた。
【0057】尚、GaAs材料にSiを添加して、キャ
リア濃度1×1017〜8×1018cm-3までのn型結晶
を本発明の要件の配向度を有するルツボで結晶成長させ
ても良好な単結晶化率が得られた。また、GaAs材料
に亜鉛Znを添加して、キャリア濃度5×1017〜5×
1018cm-3までのp型GaAs結晶を本発明の要件の
配向度を有するルツボで結晶成長させても良好な単結晶
化率が得られた。このことから、n、p型の電気特性に
よらず適用できることを確認した。
【0058】また、結晶融液表面に約2mmの三酸化ホ
ウ素(B2 3 )を加え、比抵抗1×107 Ω・cmの
半絶縁性GaAs結晶を本発明の要件の配向度を有する
ルツボで結晶成長させても良好な単結晶化率が得られ
た。このことから、三酸化ホウ素の添加の有無によら
ず、また、電気特性によらず適用できることを確認し
た。
【0059】結晶成長法としてアンプルではなく炉体を
上方に移動する縦型ブリッジマン法や、アンプル位置を
移動させず炉体温度を徐冷することで結晶成長させる縦
型徐冷法(VGF法)でも全く同一の結果が得られた。
いわゆる縦型成長法での本発明の要件の妥当性が検証で
きた。
【0060】本発明による方法で得られるGaAs結晶
は、従来法よりも単結晶化率が高いだけでなく、従来法
で得られた単結晶に比べ転位の集積部が少ない傾向があ
る。これは、温度分布がより精密に制御されたことに基
づくと考えられる。本発明で得られるGaAs結晶ウエ
ハは、これを用いて素子を作製した場合、転位に基づく
素子歩留の低下が防止される。
【0061】また、pBNルツボの形状に関しては、様
々な発明がなされているが、本発明はそれらの要件を阻
害するものではなく、それらの形状においても極めて高
い効果が期待される。
【0062】GaAsの材料もGaもAsも貴重な資源
であり、高純度に精製されるため高価である。本発明で
はGaAs単結晶を再現性よく製造できるため、資源の
有効活用、GaAs結晶ウエハのコスト低減等、地球環
境、工業生産で経済効果を発揮する。
【0063】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0064】縦型結晶成長方法で用いられる容器を、窒
化ホウ素を主組成として気相成長法により形成し、その
容器の配向度を上下方向で漸次異ならせたので、単結晶
成長が最適化されて良好な単結晶が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縦型結晶成長方法の一実施例を説明す
るための説明図である。
【図2】図1に示した容器の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 容器(ルツボ) 2 GaAs結晶 3 種結晶 4 ルツボ支持台 5 石英アンプル 6 砒素 7 高温ヒータ 8 低温ヒータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に収容された結晶融液を融液下方
    に配した種結晶から徐々に断面積を増加させた後略その
    断面形状が一定となるように下方より固化させる縦型結
    晶成長方法において、上記容器を窒化ホウ素を主組成と
    して気相成長法により形成し、上記容器の配向度を上下
    方向で漸次異ならせたことを特徴とする縦型結晶成長方
    法。
  2. 【請求項2】 上記配向度を、種結晶と結晶本体とが接
    触する部位に応答する容器下部の配向度を1とした場合
    に、結晶の断面形状が略一定となる部位の下端に相当す
    る容器の部位で3倍以上となるように下方より徐々に配
    向度を増加させ、さらに結晶の断面形状が略一定の形状
    となっている部分の上端に相当する容器の部位で4倍以
    上となるように下方より徐々に増加させた請求項1記載
    の縦型結晶成長方法。
  3. 【請求項3】 上記配向度を、種結晶と結晶本体とが接
    触する部位に相当する容器下部の配向度を1とした場合
    に、結晶の断面形状が略一定となる部位の下端に相当す
    る容器の部位で1/3倍以下となるように下方より徐々
    に配向度を低下させ、さらに結晶の断面形状が略一定と
    なる部分の上端に相当する容器の部位で1/4倍以下と
    なるように徐々に低下させた請求項1記載の縦型結晶成
    長方法。
  4. 【請求項4】 容器内に収容された結晶融液を融液下方
    に配した種結晶から徐々に断面積を増加させた後略その
    断面形状が一定となるように下方より固化させる縦型結
    晶成長に用いる結晶成長容器において、種結晶を収容す
    る種結晶収容部と、この種結晶収容部から徐々に上方に
    断面積が増加するように形成された肩部と、肩部の上方
    にその断面形状が一定となるように形成された胴部とか
    らなり、窒化ホウ素を主組成として配向度を上下方向で
    漸次異ならせたことを特徴とする結晶成長容器。
JP07547795A 1995-03-31 1995-03-31 縦型結晶成長方法およびそれに使用される結晶成長容器 Expired - Fee Related JP3250409B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07547795A JP3250409B2 (ja) 1995-03-31 1995-03-31 縦型結晶成長方法およびそれに使用される結晶成長容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07547795A JP3250409B2 (ja) 1995-03-31 1995-03-31 縦型結晶成長方法およびそれに使用される結晶成長容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08268791A true JPH08268791A (ja) 1996-10-15
JP3250409B2 JP3250409B2 (ja) 2002-01-28

Family

ID=13577427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07547795A Expired - Fee Related JP3250409B2 (ja) 1995-03-31 1995-03-31 縦型結晶成長方法およびそれに使用される結晶成長容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3250409B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011096597A1 (ja) * 2010-05-21 2011-08-11 住友電気工業株式会社 結晶成長用熱分解窒化ホウ素製容器、およびそれを用いた半導体結晶の成長方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011096597A1 (ja) * 2010-05-21 2011-08-11 住友電気工業株式会社 結晶成長用熱分解窒化ホウ素製容器、およびそれを用いた半導体結晶の成長方法
JP5915178B2 (ja) * 2010-05-21 2016-05-11 住友電気工業株式会社 結晶成長用熱分解窒化ホウ素製容器、およびそれを用いた半導体結晶の成長方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3250409B2 (ja) 2002-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7449065B1 (en) Method for the growth of large low-defect single crystals
US7279040B1 (en) Method and apparatus for zinc oxide single crystal boule growth
US7520930B2 (en) Silicon carbide single crystal and a method for its production
EP1634981B1 (en) Indium phosphide substrate, indium phosphide single crystal and process for producing them
Rudolph et al. Crystal growth of ZnSe from the melt
US9441311B2 (en) Growth reactor for gallium-nitride crystals using ammonia and hydrogen chloride
KR20170110588A (ko) 금속 도가니에 담겨진 용융물로부터 베타 상의 산화 갈륨 단결정을 성장시키는 방법
US8852341B2 (en) Methods for producing GaN nutrient for ammonothermal growth
US20060260536A1 (en) Vessel for growing a compound semiconductor single crystal, compound semiconductor single crystal, and process for fabricating the same
Bockowski Growth and doping of GaN and AlN single crystals under high nitrogen pressure
US20030172870A1 (en) Apparatus for growing monocrystalline group II-VI and III-V compounds
JP2009149452A (ja) 半導体結晶成長方法
Capper Bulk crystal growth: methods and materials
US5728212A (en) Method of preparing compound semiconductor crystal
JP2010260747A (ja) 半導体結晶の製造方法
US4654110A (en) Total immersion crystal growth
JPH10259100A (ja) GaAs単結晶の製造方法
US6878202B2 (en) Method for growing single crystal of compound semiconductor and substrate cut out therefrom
JPH10167898A (ja) 半絶縁性GaAs単結晶の製造方法
JP2003206200A (ja) p型GaAs単結晶及びその製造方法
JP3250409B2 (ja) 縦型結晶成長方法およびそれに使用される結晶成長容器
EP1498518A1 (en) Silicon carbide single crystal and method for preparation thereof
US4824520A (en) Liquid encapsulated crystal growth
JPH1087392A (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法
JP2004099390A (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法及び化合物半導体単結晶

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071116

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091116

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees