JPH08267794A - プリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ドットワイヤを駆動する駆動コイル
を有するドットプリンタにおいて、印字ヘッド内部の温
度上昇を正確に把握し、プリンタの稼働効率を向上させ
る。 【解決手段】印字ヘッド１０のヘッドコイル１１の温度
上昇により変動する抵抗値を、ヘッド情報検知部３０に
より電圧降下として検出する。分圧点１３とヘッドコイ
ル１１との間に逆電磁防止ダイオード３６が接続されて
いるが、このヘッド情報検知部３０内の分圧回路１２に
温度補償ダイオード３８が挿入されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はワイヤドットプリン
タなどの駆動コイルの印字ヘッドが装着されたプリンタ
の構成に関わるものであり、特に、駆動コイルの焼損防
止、印字ヘッドの温度制御、技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の分圧法による印字ヘッド温度検出
手段では図２のように基準抵抗器３７と駆動コイル１１
により分圧回路１２が構成されるが、駆動スイッチ２１
が作動して駆動コイル１１に大きな電流が流れた時に、
ヘッド情報検知部３０に電流が流れ込まないように駆動
コイルとの間に逆電流防止ダイオード３６を挿入した回
路構成となっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の抵抗分
圧法による温度検出手段では分圧点１３における微妙な
電圧変化を検出するため、ダイオード３６の順方向電圧
の温度変化が無視できず、周囲温度の変化の影響を受け
て器械誤差により正確な温度検出ができなかった。

【０００４】そこで本発明は周囲温度の影響を受けな
い、抵抗分圧法による印字ヘッド温度検出手段を得るこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、前記分圧回路において、逆電流防止ダイオ
ードと同様な順方向電圧の温度特性を持つダイオード
を、分圧点に対して基準抵抗器側にも直列に挿入する。

【０００６】

【作用】本発明の上記の構成によれば、分圧点から見る
と基準抵抗器側・駆動コイル側双方に同様の温度特性を
持つダイオードが挿入されているので、周囲温度変化に
対するダイオードの順方向電圧の変化が相殺される。し
たがって、分圧点では殆どヘッド駆動コイルの抵抗値変
化だけを検出する事が可能となる。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施例におけるプ
リンタの制御部の構成を示してある。

【０００８】本プリンタは印字ヘッド１０の駆動コイル
１１により駆動されるドットワイヤを有し、このドット
ワイヤを用いてドットマトリックス形式によりプリント
を行うドットプリンタである。そして、ドットマトリッ
クスを形成する複数のヘッドコイルの内のいずれかのヘ
ッドコイル１１の抵抗値変化を検出することにより、印
字ヘッド１０内部の温度状況を判断している。

【０００９】本例の管制部は、プリンタ制御回路部４０
からの指令（負極性パルス）に基づき印字ヘッド１０に
プリント用の駆動電圧を印加するヘッド制御部２０、ヘ
ッドコイル１１の抵抗値を電圧降下として分圧点１３に
て検出し、さらに変換回路３３にてＡ／Ｄ変換してデジ
タル値ＡＤとして出力するヘッド情報検知部３０から構
成されている。

【００１０】ヘッド制御部２０は、ヘッドコイル１１を
駆動するための２４Ｖを印加する駆動スイッチ２１を主
な構成要素とし、プリンタ制御回路４０からの制御信号
（負極性パルス）により駆動スイッチ２１をオンし２４
Ｖが印字コイル１１に印加され、これから構成された電
磁石により不図示のドットワイヤを駆動し、ドットプリ
ントを行うようになっている。

【００１１】このヘッドコイル１１の抵抗値を電圧降下
として検出するヘッド情報検知部３０は、プリンタ制御
回路部４０からのタイミング信号に基づき測定回路３２
とヘッドコイル１１を接続することにより基準抵抗器３
７とヘッドコイル１１からなる分圧回路１２を構成し、
この分圧回路１２に測定回路３２から定電圧を印加する
定電圧供給回路３１、ヘッドコイル１１の抵抗値の変動
を分圧回路１２の分圧点１３から電圧降下として検出す
る測定回路３２、検出された電圧降下をアナログ・デジ
タル（Ａ／Ｄ）変換する変換回路３３から構成されてい
る。

【００１２】定電圧供給回路３１はヘッドコイル１１と
測定回路３２とを接続するためのＮＰＮトランジスタか
らなる接続スイッチ３４、この接続スイッチ３４を制御
回路４０からのタイミング信号に基づき駆動するＰＮＰ
トランジスタからなるスイッチ３５、及び逆電流を防止
するダイオード３６から構成されている。また、測定回
路３２は、抵抗値ＲＨのヘッドコイル１１と接続スイッ
チ３４を介して直列に接続され、５Ｖの定電圧が印加さ
れる抵抗値Ｒ１の基準抵抗器３７と本装置で追加した温
度補償用ダイオード３８と、この基準抵抗器３７の接続
スイッチ３４側である分圧点１３に生じた電圧を伝達す
る伝達抵抗３９から構成されている。そしてこの測定回
路３２から変換回路３３に伝達された電圧は８ビットの
デジタル値ＡＤに変換され、制御回路４０に入力され
る。

【００１３】このように、本装置においては、ヘッドコ
イル１１に駆動電圧（２４Ｖ）が供給されていないタイ
ミングで定電圧供給回路３１の接続スイッチ３４をＯＮ
させて、ヘッド情報検知部３０よりヘッドコイル１１に
逆電流防止ダイオード３６と基準抵抗器３７と温度補償
用ダイオード３８を介して定電圧Ｖ０（５Ｖ）が印加さ
れる。そして、測定回路３２より分圧点１３の電位が基
準抵抗器３７とヘッドコイル１１の分圧電圧として検出
され、ヘッドコイルの１１の温度を直接ヘッドコイル１
１の抵抗値変化から電圧の変動として検出される。

【００１４】この測定回路３２より検出される分圧点１
３の電圧Ｖは、次式のように表すことができる。

【００１５】

【数１】

【００１６】ただし、ＲＨはヘッドコイル１１の抵抗値
であり、温度により変動する。Ｒ１は基準抵抗器３７の
抵抗値、Ｖ１は逆電流防止ダイオード３６の順方向電
圧、Ｖ２は温度補償用ダイオード３８の順方向電圧であ
り、接続スイッチ３４の電圧降下は僅かであるので無視
している。

【００１７】ここで、基準抵抗器３７は抵抗値Ｒ１がヘ
ッドコイル抵抗１１の抵抗値ＲＨに近い値の物を用い、
温度補償用ダイオード３８に逆電流防止ダイオード３６
と同様の温度特性の物を用いる。すると、式から解る
ように、周囲温度が変化しても、双方のダイオード３
８，３６の温度特性は同様であるので、双方のダイオー
ドの順方向電圧Ｖ１，Ｖ２も同様に変化する。したがっ
て、式の第２項と第３項の変化値が殆どお互いに相殺
されるため、測定回路３２より検出される電圧Ｖは周囲
温度の影響を受けない。これより、周囲温度変化の影響
を受けない印字ヘッドの温度検出が可能になる。

【００１８】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、抵抗
分圧法による印字ヘッドの温度検出が、周囲温度の影響
を受けない精度の良い温度検出になるので、印字ヘッド
の温度制御（例えば印字ヘッドの温度が破壊限界温度ま
で達したら印字停止する等）において、周囲温度変化を
考慮した余裕を持った温度設定にする必要がないので、
印字スピードを向上する事が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るプリンタの制御部の構成
を示す回路図。

【図２】従来技術の抵抗分圧法による印字ヘッド温度検
出におけるプリンタの制御部の構成を示す回路図

【符号の説明】

１０・・・ 印字ヘッド １１・・・ ヘッドコイル １２・・・ 分圧回路 ２０・・・ ヘッド制御部 ２１・・・ 駆動スイッチ ３０・・・ ヘッド情報検知部 ３１・・・ 定電圧供給回路 ３２・・・ 測定回路 ３３・・・ 変換回路 ３４・・・ 接続スイッチ ３５・・・ 制御スイッチ ３６・・・ 逆電流防止ダイオード ３７・・・ 基準抵抗器 ３８・・・ 温度補償用ダイオード ３９・・・ 伝達抵抗 ４０・・・ プリンタ制御回路部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドットプリント用のワイヤを駆動する駆
   動コイルが装着された印字ヘッドと、 前記駆動コイルの抵抗値変化により実質的に前記印字ヘ
   ッドの内部温度上昇を検知するヘッド情報検知部と、 前記ヘッド情報検知部内にあって、前記駆動コイルに選
   択的に基準抵抗器を接続し、分圧回路を構成すると共
   に、この分圧回路に選択的に定電圧を印加する定電圧供
   給回路と、 前記分圧回路の前記駆動コイルの抵抗値変化に起因して
   電位変化する分圧点の電位を計測するアナログ−デジタ
   ル変換回路とを有するプリンタにおいて、 前記分圧回路の分圧点に対して両側に直列にダイオード
   を有することを特徴とするプリンタ。