JPH08267090A - 廃水の窒素除去方法 - Google Patents

廃水の窒素除去方法

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JPH08267090A
JPH08267090A JP7921295A JP7921295A JPH08267090A JP H08267090 A JPH08267090 A JP H08267090A JP 7921295 A JP7921295 A JP 7921295A JP 7921295 A JP7921295 A JP 7921295A JP H08267090 A JPH08267090 A JP H08267090A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 還元性窒素化合物を高濃度に含有する廃水か
ら、窒素を効率的に安定して処理する。 【構成】 嫌気・好気活性汚泥処理法の後段に好気性固
定床型リアクターを設置し、2段生物処理を行うととも
に好気性固定床型リアクターの処理水を前段の嫌気・好
気活性汚泥処理の嫌気槽に返送する。 【効果】 嫌気・好気活性汚泥処理法で廃水中の有機物
を除去する。好気性固定床型リアクターで還元性窒素化
合物を硝酸性窒素まで酸化し、さらに、嫌気・好気活性
汚泥処理の嫌気槽で窒素ガスまで還元除去する。2段生
物処理を行い、また、ORP制御を行っているので、亜
硝酸性窒素が残留せず、処理効率・処理水質が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市下水、有機性産業
廃水、汚泥処理水、および、有機性産業廃水が大量に流
入する都市下水など、有機性汚濁物質と還元性窒素化合
物である有機性窒素やアンモニア化合物を含有する廃水
から、窒素化合物を安定して効率的に除去する廃水の窒
素除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃水中の窒素を除去する技術としては、
物理的、化学的処理方法も従来から研究されているが、
生物学的方法がコスト的に有利であり、最も普及してい
る。生物学的な窒素除去は、基本的には、好気的条件の
もとでの硝化細菌によるアンモニア性窒素(NH4
N)の酸化による硝酸性窒素(NO3 −N)の生成反応
(硝化反応、下記式(1)参照)と嫌気性条件のもとで
の通性嫌気性細菌によるNO3 −Nの還元による窒素ガ
ス生成(脱窒反応、下記式(2)参照)との組み合わせ
によって行われるものである。脱窒反応は通性嫌気性細
菌の溶存酸素(DO)が存在しない条件下での呼吸であ
り、下水の有機物やメタノールが炭素源(水素供与体)
として必要である。 NH4 −N→NO2 −N→NO3 −N(硝化反応) ………(1) NO3 −N→NO2 −N→N2 (脱窒反応) ………(2)
【0003】生物学的窒素除去プロセスは、設備面積の
削減、水素供与体としての有機炭素源の削減、中和剤と
してのアルカリ剤の削減などを目的として各種のプロセ
スが提案されている。大別すると直列方式、循環方式お
よびそれらの組み合わせに分類される。
【0004】直列方式は、最初に硝化を行い、次に脱窒
を行うもので、脱窒に必要な水素供与体を外部から添加
する場合と、添加を行わずに活性汚泥の内生呼吸を利用
する場合がある。
【0005】一方、循環方式は、図3に示すように、最
初に脱窒を行い、次に硝化を行う硝化液循環方式が広く
検討されている(活性汚泥循環変法)。この方法は、硝
化液の循環により、硝化に伴なって消費されたアルカリ
度が脱窒によってある程度回収できるという利点があ
る。しかし、活性汚泥循環変法は、循環返送されない硝
化液の一部が脱窒槽を経由せずに流出するため、全窒素
除去率(T−N除去率)に限界がある。
【0006】さらに、硝化細菌は、通常の活性汚泥と比
較して増殖速度が遅く、リアクター内で高濃度に維持す
ることが難しい課題がある。そこで各種の担体をリアク
ターに添加し、硝化細菌を担体に付着させ、リアクター
内で硝化細菌を高濃度に維持し、効率化をはかる各種の
方法が提案されている。
【0007】例えば、特開昭54−24774号公報に
は、活性汚泥が存在するリアクターを、嫌気1槽、好気
1槽、嫌気2槽、および好気2槽と4分割し、各種の好
気度、嫌気度を酸化還元電位(ORP:Oxygen
Reduction Potential)を指標にし
て制御するとともに、微生物の固定化担体として高炉水
砕スラグ、カーボンの微粉などをリアクターに添加し
て、都市下水のBOD、窒素化合物、リン化合物の除去
を行う生物学的方法が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の都市下水などの
生物学的な窒素除去プロセスでは、都市下水が硝化反応
や脱窒反応の阻害になるような成分を含んでいることが
少なく、しかも、NH4−Nが20〜50mg/l程度で
あるため、下水中のNH4 −NをNO3 −Nまで生物学
的に比較的容易に酸化でき、また、生成したNO3 −N
を窒素ガスまで、脱窒することが可能である。
【0009】しかし、廃水が、皮革工業、繊維工業、化
学工業などの各種の産業廃水や汚泥処理水のように、B
OD(Biological Oxygen Dema
nd)やCOD(Chemical Oxygen D
emand)で表示されるような有機物濃度が高く、し
かも、また硝化反応や脱窒反応に阻害がある芳香族系有
機物などのような成分を含むとともに、NH4 −Nが5
0mg/l以上含まれている場合には、従来の方法によっ
て脱窒素をはかることがかなり困難である。
【0010】以下、硝化反応および脱窒反応に分けて、
従来の生物学的な窒素除去プロセスの課題を説明する。
まず、硝化反応であるが、都市下水と比較して廃水中に
NH4 −Nが高濃度に含有されている場合には、リアク
ターにおいて、NH4 −NからNO3 −Nまでの反応が
完結せず、亜硝酸性窒素(NO2 −N)が蓄積する傾向
が強い。硝化細菌は、NH4 −NをNO2 −Nまで酸化
する細菌群(ニトロゾモナス:Nitrosomona
sなど)とNO2 −NをNO3 −Nまで酸化する細菌群
(ニトロバクター:Nitrobactorなど)に大
別されるが、ニトロゾモナスの方がニトロバクターより
も増殖速度が大きいため、都市下水が対象の場合には、
NO2 −Nが蓄積されることはない。しかし、溶存酸素
(DO)が不足したり、廃水中に阻害性物質が存在する
場合には、ニトロバクターの方がニトロゾモナスより阻
害を受けやすいため、ニトロバクターの増殖速度が極端
に低下する。このような場合、リアクターでNO2 −N
が蓄積しやすい。リアクターで大量に蓄積したNO2
Nは、有機物を分解する微生物や硝化細菌そのものの機
能を阻害する危険性がある。さらに、NO2 −Nが処理
水中に蓄積すると、NO2 −Nの1mgがCODとして
1.14mgとして計測されるため、処理水中のCODが
上昇する懸念がある。
【0011】このようなNO2 −Nを生成する硝化反応
を防止し、NO3 −Nを生成する硝化反応を促進するた
めには、リアクターへのNH4 −N負荷の低減、有機物
負荷の低減、リアクターの好気度制御、微生物滞留時間
(SRT:Sludge Retention Tim
e)の増大、リアクターの滞留時間(HRT:Hydr
aulic Retention Time)の増大な
どの方策が必要と思われる。しかし、従来の活性汚泥循
環変法のような浮遊状の硝化細菌を用いるプロセスを、
このような方法によって、NO2 −Nを生成する硝化反
応を効率的に防止するのはかなり難しい。これは、SR
TやHRTの増大は設備の大型化を招いてしまうためで
ある。
【0012】このことは、例えば、「Wat.Res.,
1990年,Vol.24,No.3,pp.303〜312」
に指摘されている。NH4 −Nを80mg/l含有した人
工廃水を、溶存酸素(DO)を0.5mg/lに維持し、
リアクターのHRTが4日の条件で処理した場合、NO
2 −Nが60mg/l蓄積したと報告し、NO2 −Nを生
成する酸化反応は、DOが低くても進行してしまうと結
論づけている。さらに、流入水のCODを変動させた実
験を行い、有機物負荷がNO2 −Nの生成・蓄積に影響
すると報告している。
【0013】このように、有機物や難分解性物質の濃度
が高く、さらにNH4 −Nを高濃度に含む廃水を対象と
して、活性汚泥循環変法のような従来の浮遊型の活性汚
泥を用いる生物学的窒素除去プロセスによって硝化反応
を進行させようとする場合、NO2 −Nが蓄積しやす
く、硝化反応の制御について多くの課題が残されてい
る。
【0014】さらに、プラスチック、高炉水砕スラグ、
カーボンの微粉などの結合固定化担体やポリアクリルア
ミドなどの包括固定化担体を活性汚泥循環変法などの硝
化用リアクターに添加して硝化反応を効率的に行おうと
する担体添加方法であるが、固定化担体に付着した硝化
細菌をリアクター内に高濃度に維持できる利点がある。
しかし、廃水の有機物や阻害成分の濃度が高い場合に
は、硝化細菌の機能自体が低下しやすいため、リアクタ
ーのHRTを飛躍的に短縮することはかなり困難であ
る。
【0015】次に、脱窒反応であるが、都市下水の有機
物やメタノールを炭素源として用いた場合には、リアク
ターにおいて、前記(2)式に示すようなNO3 −Nか
らN2 までの反応が完結し、NO2 −Nが蓄積すること
はない。しかし、脱窒反応の場合にも、硝化反応で述べ
た事項と同様の現象が生じる場合がある。すなわち、脱
窒細菌もNO3 −NをNO2 −Nまで還元する細菌群と
NO2 −NをN2 まで還元する細菌群に大別されると考
えられる。硝化細菌のように明確な分類はなされていな
いが、NO2 −NをN2 まで還元する細菌群が有機物な
どの阻害によって機能が低下し、脱窒用リアクター内に
NO2 −Nが蓄積する現象がしばしば観察される。さら
に、NO2 −Nが処理水中に蓄積すると、NO2 −Nの
1mgがCODとして1.14mgとして計測されるため、
処理水中のCODが上昇する懸念がある。
【0016】さらに、硝化と脱窒の組み合わせの方法の
課題を説明する。まず、最初に硝化を行い、次に脱窒を
行う直列方式は、有機物や難分解性物質の濃度が高く、
さらにNH4 −Nを50mg/l以上含まれているような
廃水を対象とする場合、硝化反応がNO2 −Nの蓄積型
となりやすく不安定である。さらに、脱窒に必要なメタ
ノールなどの水素供与体を外部から全面的に添加する必
要があり、処理費用が増大してしまう。メタノール添加
を行わない活性汚泥の内生呼吸を利用する方法は、処理
速度が極めて遅く実用的ではない。
【0017】次に、最初に脱窒を行い、続いて硝化を行
う硝化液循環方式(活性汚泥循環変法)であるが、この
方法は、硝化液の循環により、脱窒反応を必要な有機物
を廃水中の有機物を利用できるため、メタノールなどの
炭素添加を削減できる利点がある。しかし、活性汚泥循
環変法は、原理的に窒素削減率に限界があるとともに、
循環されない硝化液の一部が流出する。このため、硝化
過程でNO2 −Nが生成・蓄積した場合、そのまま、処
理水に流出し、CODの上昇を招いてしまう。また、脱
窒のため、廃水中の有機物を利用していることから嫌気
槽においてもNO2 −Nが蓄積する可能性がある。ま
た、循環する硝化液に含まれるDOが脱窒反応の阻害成
分として働く場合がある。
【0018】最後に好気槽の制御方法であるが、一般的
にはDOが管理指標として用いられることが多い。しか
し、DOは、廃水中に阻害成分などがあり、微生物の活
性が低下しやすい状況においては有効な指標にはなりに
くい。硝化反応はDOが高いほど進行するなど、硝化反
応とDOの相関性については数多くの報告がある。しか
し、硝化反応にDOは必要であるが、DOが高いから硝
化が進行していることにはならない。すなわち、硝化細
菌が阻害を受けた場合などは、微生物による酸素消費が
減少するため、逆にDOは上昇する。したがって、硝化
反応の進行度をはかるという観点から、リアクターのD
O制御を行うことは評価できない。ただし、DOは硝化
細菌の増殖速度を維持するという観点からは重要であ
り、2mg/l以上に維持する必要がある。
【0019】本発明は、上述のように有機物と高濃度の
窒素を含有する廃水に対して、従来の活性汚泥循環変法
のような処理方法を適用した場合の問題点を取り除き、
安定的、かつ、効率的に廃水の窒素化合物を除去する方
法を確立することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機物と還元
性窒素化合物を高濃度に含む有機性廃水の処理におい
て、嫌気槽による脱窒処理を行った後、好気槽による有
機物の酸化処理を行い、その後に好気性固定床型リアク
ターによる硝化処理を行い、次に、好気性固定床型リア
クターの硝化処理水を前段の嫌気槽に循環させることを
特徴とする廃水の窒素除去方法である。
【0021】前記処理方法において、嫌気槽の酸化還元
電位(Ag/AgCl基準)が、−100mV以下に維持
されるように、好気性固定床型リアクターの硝化処理水
の循環量を、最終目標の窒素除去率の範囲で、廃水量に
対して最大300%まで循環調整するとともに、循環量
を下げても酸化還元電位が−100mV以下に低下しない
場合には、嫌気槽にメタノールなどの水素供与体を添加
して嫌気槽の酸化還元電位を−100mV以下とすること
が効率的である。
【0022】さらには、好気槽の酸化還元電位(Ag/
AgCl基準)が−50〜+50mV、好気性固定床型リ
アクターの酸化還元電位(Ag/AgCl基準)が+1
00〜+200mVに維持されるように、好気槽および好
気性固定床型リアクターへの空気および/または酸素富
化空気および/または酸素の吹き込み量を制御すること
も有効である。
【0023】
【作用】以下、本発明について詳しく説明する。図1に
本発明の処理フローを示す。なお、本発明における嫌気
槽による脱窒と好気槽による有機物酸化および沈殿汚泥
の嫌気槽への返送を含めて嫌気・好気活性汚泥法と呼
ぶ。
【0024】従来法の活性汚泥循環変法における好気槽
では、有機物除去と硝化反応の促進をはかるが、本発明
における嫌気・好気活性汚泥法の好気槽は、廃水中に含
まれる有機物を除去するのみである。
【0025】嫌気・好気活性汚泥法の好気槽のORPと
廃水の有機物の除去性能は、密接な関係がある。好気槽
のORPを−50〜+50mV(Ag/AgCl基準)に
維持することによって、廃水中の有機物の分解を十分に
促進することができる。好気槽のORPを+50mV以上
に保つと、有機物の除去性能はさらに向上するが、処理
水中にNO2 −Nの蓄積が生じやすいので好ましくな
い。また、廃水中の有機物濃度が高い場合、空気による
曝気では好気槽のORPを−50〜+50mVに維持する
のが困難な場合がある。このような場合、あまりに大量
の空気を用いると、好気槽の活性汚泥の破壊、細分化が
起こり、汚泥沈降槽で十分に沈降しないで、処理水中に
流出し、処理水質の悪化を招く場合がある。このような
場合には酸素富化空気、および/または酸素を供給して
曝気を行う方法が望ましい。さらに、好気槽のORPを
−50〜+50mV、できれば0mVに維持することによっ
て、NO2 −Nの蓄積を防止することができる。NO2
−Nは、有機物を分解する細菌に対して阻害作用がある
ため、蓄積を防止することが望ましい。
【0026】本発明における好気性固定床型リアクター
は、廃水中に含まれる窒素化合物、主に有機性窒素、N
4 −N等の還元性窒素化合物を硝化反応により、NO
3 −Nまで生物学的に効率的に酸化する。前段の嫌気・
好気活性汚泥法によって、廃水中の有機物は十分に除去
されている。このため、有機物の硝化反応に及ぼす阻害
効果が削減され、NO3 −Nを生成する硝化反応を効率
的に進めることができる。
【0027】さらに、高炉水砕スラグを主原料としたサ
ドル型セラミックス、シリカ−アルミナ系セラミックス
およびプラスチックなどの担体に増殖速度の遅いニトロ
バクターなどの硝化細菌が高濃度に固定化されているた
め、NO3 −Nを生成する硝化反応を効率的に進めるこ
とができる。特に、高炉水砕スラグを主原料としたサド
ル型セラミックスは、多孔質で表面積が大きく、硝化細
菌が固定化されやすい。また、サドル型という形状のた
め、固定床型リアクター内の気液混合性能が優れてお
り、固定床型リアクター用の固定化担体として最も望ま
しいものである。
【0028】さらに、好気的固定床型リアクターのOR
Pを+100mV(Ag/AgCl基準)以上に維持する
ことによって、NH4 −Nなどの還元性窒素化合物を、
硝化反応により、NO3 −Nまで効率的に酸化すること
ができる。廃水中の還元性窒素化合物の濃度が高い場合
などでは、空気曝気ではリアクターのORPを+100
mV以上に維持するのが困難な場合があり、このような場
合には酸化富化空気、および/または酸素を供給して曝
気を行うとよい。さらに、硝化細菌は水温の影響を受け
やすく、水温が低下すると処理能力が低下しやすいが、
本発明の好気性固定床型リアクターは、水温が5〜10
℃のような条件下でも、10mgN/l・h以上の処理能
力を有している。
【0029】固定床型リアクターを硝化された処理水
は、嫌気槽に返送される。嫌気槽は、固定床型リアクタ
ー処理水中に含まれるNO3 −Nを窒素ガスまで生物学
的に効率的に還元する。高炉水砕スラグを主原料とした
サドル型セラミックス、シリカ−アルミナ系粘土を主原
料としたセラミックスまたはプラスチックなどを、担体
として嫌気槽に充填してもよい。微生物の固定化担体に
増殖速度の遅い脱窒細菌を高濃度に固定化することによ
り、脱窒反応を効率的に進めることができる。ただし、
嫌気槽に、担体を添加した場合、脱窒細菌の増殖によっ
て閉塞が生じやすいので、逆洗操作が必要である。
【0030】さらに、嫌気槽において、脱窒細菌の活動
を良好に保つためには、嫌気槽のORPを−100〜−
150mV(Ag/AgCl基準)に維持することによっ
て、NO3 −Nを脱窒反応により、窒素ガスまで生物学
的に効率的に還元することができる。ORPは、廃水や
有機物やNH4 −Nなどの還元性窒素化合物によって低
下し、また、逆に、NO3 −NやDOによって上昇する
傾向がある。嫌気槽のORP管理は、以下の方法で行
う。
【0031】一般的には処理水の窒素濃度の目標値に応
じて、好気性固定床型リアクター処理水の循環量を変動
させる。例えば、循環比が2の場合、理論窒素除去率は
66%となるが、循環比を3に増加させると、理論窒素
除去率は75%となる。 理論窒素除去率={R/(1+R)}×100 R:循環比(循環量/廃水量) 計算上は循環比を増加させると、理論窒素除去率は増大
するが、実際には、嫌気槽に大量のNO3 −NやDOが
流入することにより、嫌気槽のORPが上昇しやすい。
嫌気槽のORPが−100mV以上になると、脱窒細菌の
阻害が生じるため、処理性能が悪化しやすい。また、逆
に嫌気槽のORPが低下しすぎると、メタンガスや硫化
水素ガスなどの発生により、脱窒細菌の機能が阻害され
る場合がある。
【0032】このため、嫌気槽のORPを指標として、
循環ポンプの流量を変化させることにより、循環比を増
減させる方式が有効である。例えば、処理目標の窒素除
去率が65%以上の場合、通常は、余裕を見て循環比=
2.5で運転し、嫌気槽のORPを上昇あるいは低下す
る場合、以下の運転を計る。 ・嫌気槽のORP:−200mV以下 →循環比を最大3まで増加 ・嫌気槽のORP:−100mV〜−200mV→循環比=2.5で運転 ・嫌気槽のORP:−100mV以上 →循環比を最小2まで減少 ・嫌気槽のORP:− 50mV以上 →循環比=最小2とするととも に、メタノール、イソプロピル アルコールなどを添加
【0033】さらに、嫌気・好気活性汚泥処理法の嫌気
槽に循環する好気性固定床型リアクターの処理水の全量
または一部を嫌気・好気活性汚泥処理法の返送汚泥ライ
ンに注入することにより、固定床型リアクター処理水の
DOをあらかじめ削減し、嫌気槽のORPの上昇を防ぐ
ことも可能である。
【0034】さらにまた、嫌気槽のORPを循環比を最
大3まで増加させても、ORPが−200mV以下に低下
する場合がある。このようにORPが異常な場合、先に
述べたように、メタンガスや硫化水素ガスなどの発生に
より、脱窒細菌の機能が阻害される場合がある。このよ
うな場合に備え、嫌気槽にもORP制御により空気を供
給する装置を設置することも望ましい。
【0035】
【実施例】有機性産業廃水が大量に流入する都市下水処
理場において、実下水を用いた現場実験を行った。図2
に方法の概要を示す。実下水の性状は、BODが平均5
00mg/l、CODが平均500mg/l、アンモニア性
窒素が平均150mg/lであり、都市下水と比較して有
機物濃度、アンモニア性窒素濃度が高い下水であった。
冬期のリアクター3の水温は、5〜12℃の範囲で変動
した。
【0036】リアクター3は、HRTが嫌気槽4で6時
間、好気槽5で12時間になるように実下水を通水し処
理を行った。嫌気槽4のORPは、表1のように設定
し、ORP制御装置7を用いて循環比の変動やメタノー
ル添加(メタノール添加ポンプ11により、メタノール
タンク12から嫌気槽4へ添加)により制御した。
【0037】
【表1】
【0038】また、好気槽5のORPは、空気によっ
て、ORP制御装置9によってブロアー10から空気を
供給して+0mVに制御した。高炉水砕スラグを主原料と
したサドル型セラミックスを微生物固定化担体として充
填した好気性固定床型リアクター17は、まず、実際の
下水処理場から採取した活性汚泥をリアクター内に投入
し、1日間循環運転することにより、活性汚泥をセラミ
ックスに固定化した。その後、リアクターのHRTが8
時間になるように、嫌気・好気活性汚泥法リアクター処
理水を通水して処理を行った。また、好気性固定床型リ
アクター17のORPは、ORP制御装置24を介して
酸素富化空気製造装置25からブロアー26を通して送
られる酸素富化空気によって、+150mVに制御した。
さらに、好気性固定床型リアクター17のpHは、硝化
の進行に伴い、低下しやすいのでpH制御装置22によ
ってNaOHタンク20からNaOHを投入し、pH=
7に制御した。また、嫌気・好気活性汚泥処理法の嫌気
槽4に循環する好気性固定床型リアクター17の硝化処
理水の全量を、循環ポンプ18を用いて嫌気・好気活性
汚泥処理法の返送汚泥ラインに注入した。
【0039】1〜3月の冬期の低水温期の実験結果を表
2に示す。表2の結果より、本法の最終処理水は、BO
Dが20mg/l以下、CODが50mg/l以下、T−N
が50mg/l以下と良好な結果が得られた。この実験結
果から、本法は、冬期の低水温期においても、総処理時
間が20〜24時間程度で、下水中の有機物と窒素化合
物を効率的に除去できることが明らかになった。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】以上のことから、本発明は、アンモニア
性化合物などの還元性窒素化合物を高濃度に含有する廃
水の処理において、次のような利点を有している。すな
わち、このような廃水の処理の場合、単一の嫌気・好気
活性汚泥法では、廃水の成分による硝化・脱窒阻害があ
る。このため、処理水中にCOD源となるNO2 −Nが
蓄積しやすく、この制御が最も問題となる。本法は、有
機物除去プロセスと好気性固定床型リアクターによる窒
素化合物酸化プロセスの2段処理とORP制御を行って
いるので、単独生物処理プロセスと比較して、阻害成分
の影響が少ない。この結果、廃水中のアンモニア性窒素
などの還元性窒素化合物を効率的に除去することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における廃水の窒素除去方法フローを示
す図である。
【図2】本発明の実施例を示す図である。
【図3】従来の活性汚泥循環変法による廃水処理のフロ
ーを示す図である。
【符号の説明】
1 廃水タンク 2 廃水ポンプ 3 嫌気・好気活性汚泥リアクター 4 嫌気槽 5 好気槽 6 ORPセンサー 7 ORP制御装置 8 ORPセンサー 9 ORP制御装置 10 ブロア 11 メタノール添加ポンプ 12 メタノールタンク 13 汚泥沈降槽 14 返送汚泥ポンプ 15 処理水槽 16 移送ポンプ 17 好気性固定床型リアクター 18 硝化液循環ポンプ 19 NaOHポンプ 20 NaOHタンク 21 pHセンサー 22 pH制御装置 23 ORPセンサー 24 ORP制御装置 25 酸素富化空気製造装置 26 ブロア 27 処理水槽 28 最終処理水

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物と還元性窒素化合物を高濃度に含
    む有機性廃水の処理において、嫌気槽による脱窒処理を
    行った後、好気槽による有機物の酸化処理を行い、その
    後に好気性固定床型リアクターによる硝化処理を行い、
    次に、好気性固定床型リアクターの硝化処理水を前段の
    嫌気槽に循環させることを特徴とする廃水の窒素除去方
    法。
  2. 【請求項2】 嫌気槽の酸化還元電位(Ag/AgCl
    基準)が、−100〜−200mVに維持されるように、
    好気性固定床型リアクターの硝化処理水の循環量を、最
    終目標の窒素除去率の範囲で、廃水量に対して最大30
    0%まで循環により調整するとともに、循環量を下げて
    も嫌気槽の酸化還元電位が−100mV以下に低下しない
    場合には、嫌気槽にメタノールなどの水素供与体を添加
    して嫌気槽の酸化還元電位を−100mV以下とすること
    を特徴とする請求項1記載の廃水の窒素除去方法。
  3. 【請求項3】 好気槽の酸化還元電位(Ag/AgCl
    基準)が−50〜+50mV、好気性固定床型リアクター
    の酸化還元電位(Ag/AgCl基準)が+100〜+
    200mVに維持されるように、好気槽および好気性固定
    床型リアクターへの空気および/または酸素富化空気お
    よび/または酸素の吹き込み量を制御することを特徴と
    する請求項1または2記載の廃水の窒素除去方法。
  4. 【請求項4】 嫌気槽に循環する好気性固定床型リアク
    ターの硝化処理水の全量または一部を、返送汚泥ライン
    に注入することを特徴とする請求項1,2または3記載
    の廃水の窒素除去方法。
  5. 【請求項5】 固定床型リアクターに、微生物固定化担
    体として、高炉水砕スラグを主原料とするサドル型セラ
    ミックスを用いることを特徴とする請求項1,2,3ま
    たは4記載の廃水の窒素除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20000066472A (ko) * 1999-04-16 2000-11-15 유호원 폐수에 함유된 질소 처리장치 및 그 방법
CN102432141A (zh) * 2011-11-04 2012-05-02 北京工业大学 前置厌氧发酵同步反硝化污水脱氮集污泥减量装置和方法
CN103663867A (zh) * 2013-12-02 2014-03-26 北京工业大学 剩余污泥碱性发酵开发内碳源耦合a-a-o脱氮除磷系统的装置与方法
CN110902966A (zh) * 2019-12-10 2020-03-24 中国科学院生态环境研究中心 厌氧膜生物-短程硝化反硝化的废水处理方法及系统

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