JPH08266275A - Dna修復酵素 - Google Patents

Dna修復酵素

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JPH08266275A
JPH08266275A JP7094137A JP9413795A JPH08266275A JP H08266275 A JPH08266275 A JP H08266275A JP 7094137 A JP7094137 A JP 7094137A JP 9413795 A JP9413795 A JP 9413795A JP H08266275 A JPH08266275 A JP H08266275A
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mus
protein
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 紫外線によってDNA中のTT配列およびT
C配列からそれぞれ誘発されたシクロブタン型ダイマー
および(6−4)結合生成物をDNA中で特異的に認識
し、そしてそれらを5′側で切断することのできる酵素
活性を有する蛋白質。該蛋白質をコードするDNA。 【効果】 新規なDNA修復酵素が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はDNA修復酵素に関す
る。より具体的には、本発明は紫外線によって誘発され
るDNAの損傷の修復に関与する酵素活性を有する蛋白
質に関する。また、本発明は、かかる蛋白質をコードす
るDNA、およびかかる蛋白質の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】進化を通じて、紫外線(UV)は生物に対
して多大な影響を及ぼし、UV誘発DNA損傷の修復は
生命を維持する上で重要であった。最も重要な有毒で突
然変異誘発性のUV光化学反応物は、シクロブタンピリ
ミジンダイマー(CPD)と(6−4)光化学反応物
[(6−4)PP]である。これらの光化学反応物を除
去する数種の解決手段が確認されている。酵素的光回復
(PHR)は、多くの微生物および高等真核細胞で使用
されており、可視光のエネルギーによるフォトリアーゼ
を介して特異的にCPDをモノマー形にもどす機構であ
る。また、(6−4)PPに作用する光回復酵素は、昆
虫に存在することが知られている(Todo et al.,199
3,Nature, 361,371−374)。
【0003】また、細菌ミクロコッカス ルテウス(Mic
rococcus luteus)およびT4ファージ感染大腸菌(Esc
herichia coli)では、ピリミジンダイマー・DNAグ
リコシラーゼ/エンドヌクレアーゼ(T4endo)がCP
Dの生じる部位での塩基除去修復を開始することにより
CPDを特異的に認識し、そしてCPDを除去すること
が知られている。DNA由来の主要な上記2種のUV光
化学反応物を除去できる多機能経路は、現実には、シク
ロブタンダイマーより遥かに効率よく(6−4)PPを
修復するヌクレオチド除去修復である(例えば et al.,
1985;Szymkowski et al.,1993,Proc. Natl.
Acad. Sci. USA90,9823−9827)。ヌクレ
オチド除去修復(NER)は、多くの細菌酵母およびヒ
トを含む種々の原核細胞および真核細胞で発見されてい
る。
【0004】30を超える糸状菌ニュウロスポラ クラ
ッサ(Neurospora crassa)の突然変異誘発剤感受性変
異株からは、ヒト細胞の色素性乾皮症(XP)または酵
母サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces cerev
isiae)のRAD3エピスタシス群に類するNER欠失
突然変異株は発見されていない。
【0005】ところが、UVに対してだけでなく化学突
然変異誘発剤に対しても感受性の異常な表現型を有する
mus−18変異細胞が見い出されている(Ishii et a
l.,1991,Mol. Gen. Genet., 228,33−3
9)。UV照射による突然変異細胞のDNAで生じるC
PDは、液体に18時間保持した後でさえも修復されな
いまま残る(同上)。
【0006】本発明者らは、独自に、mus−18変異
細胞はおそらくT4endoのような酵素をコードする
遺伝子中のCPD修復機構中に欠陥があるものと考え
た。このような遺伝子はNER欠失大腸菌のUV感受性
を補足する可能性がある。そこで、本発明者らは、ニュ
ウロスポラ クラッサ(N. Crassa)のcDNA発現ライ
ブラリーを、3種のCPD修復経路(NER、PHRお
よび組換え)のすべてを欠失している大腸菌(E. col
i)に導入し、新たなDNA修復酵素が存在する可能性
を検討してきた。その結果、N. crassamus
−18変異株における欠失遺伝子がCPD部位と(6−
4)PP部位の双方に特異的なエンドヌクレアーゼをコ
ード化することを見い出した。
【0007】他方、組換え技術によって製造されたT4
エンドヌクレアーゼはCPDのみに選択的に作用するも
のであるが、その活性を利用して、日焼け止めクリーム
などに混ぜ、皮膚ガンを予防するクリームへの用途も開
発されている。
【0008】以上のような背景を考慮すれば、CPDと
(6−4)PPとの双方の除去修復に寄与しうる酵素を
提供できれば、さらに有効なクリーム剤等の開発に資す
ることができるであろう。
【0009】
【発明の構成】本発明は、上記のように、N. cras
saの特定の遺伝子が、損傷を受けたDNAのCPD部
位にも(6−4)PP部位にも作用するエンドヌクレア
ーゼをコード化することを発見し、さらにかかる遺伝子
の単離および発現に成功することによつて完成した。
【0010】従って、本発明によれば、紫外線によって
DNA中のTT配列およびTC配列からそれぞれ誘発さ
れたシクロブタン型ダイマー(CPD)および(6−
4)結合生成物(または「光反応物」)[(6−4)P
P]を、特異的に認識し、そしてそれらの5′側で切断
することのできる酵素活性を有する蛋白質が提供され
る。
【0011】より具体的には、前記蛋白質は、後述する
配列表の配列番号:1のDNA配列がコード化する蛋白
質またはその誘導体である。本発明の文脈上誘導体とい
う用語は、遺伝的および/または化学的性質の変性によ
って得られ、本発明の目的に沿う活性が保存されている
すべての蛋白質を意味する。遺伝的および/または化学
的性質の変性は、1つまたはそれ以上の残基のいずれか
の突然変異、置換、欠失、付加及び/又は修飾をも意味
すると理解することができる。そのような誘導体として
は、例えば特に蛋白質が作用する部位への親和性を向上
する目的、その生産量の増加または精製の容易化の目
的、プロテアーゼへの耐性の向上または細胞膜貫通の促
進の目的、その他の目的に資するように変性されたもの
を挙げることができる。
【0012】従って、本発明の蛋白質は、配列番号:2
に示されるアミノ酸配列からなる蛋白質それ自体および
それから上述の少なくとも1つの目的に沿って誘導され
た蛋白質である。当業者は、配列番号:2のアミノ酸配
列に基づき、それ自体既知のペプチド合成法により、各
種誘導体を容易に製造できるであろう。また、必要な蛋
白質をコードするヌクレオチド配列を適当な宿主で発現
させ、必要があれば、その後さらに化学的または酵素的
修飾を行って、所望の蛋白質を製造できる。
【0013】本発明はまた、遺伝子組換え法による前記
蛋白質の製造方法も提供する。より具体的には、前記蛋
白質のいずれか1種をコードするDNAを発現できる状
態で含む宿主細胞を、栄養培地で培養し、前記DNAの
発現によって産生した蛋白質を採取する工程を含んでな
る方法が提供される。
【0014】「DNAを発現できる状態」とは、目的の
DNAが自律複製できるベクターに組み込まれ、しかも
それを発現させるシグナルの制御下に置かれたような状
態をいう。ここでいう、シグナルとは、プロモーター、
ターミネーター、分泌のためのリーダー配列等を包含す
るが、これらは用いる宿主細胞の種類に従って任意に選
ぶことができる。
【0015】さらに、前記DNAはベクタープラスミド
の一部を形成することができ、こうして構築されたベク
タープラスミドも本発明の一態様である。
【0016】ベクターは自律複製性又は組込み複製性で
あることができる。さらに具体的には、自律複製性のベ
クターは選ばれた宿主における自律複製の配列を用いて
製造することができる。組込みベクターについては、例
えば宿主ゲノムのある領域と相同の配列を用いることに
より製造することができ、相同的組み換えによるベクタ
ープラスミドの組込みを可能にする。組換え技法による
本発明の蛋白質の製造に用いることができる宿主は真核
細胞または原核細胞である。適した真核宿主として動物
細胞、酵母または細菌を挙げることができる。特に挙げ
ることができる酵母はサッカロミセス(Saccharomyce
s)またはクルイベロミセス(Kluyveromyces)属等に属
する酵母である。挙げることができる動物細胞は細胞C
OS、CHO、C127などである。菌の中でさらに特
定するとアスペルギルス(Aspergillus)またはトリコ
デルマ種(Trichoderma)属等に属するものを挙げるこ
とができる。原核細胞としては、大腸菌(E. coli)、
バシルス(Bacillus)等を用いるのが好ましい。
【0017】こうして、本発明の蛋白質は大量生産する
ことが可能である。
【0018】本発明の実体およびその作用効果の理解を
より容易にするため、以下に、配列番号:1で示される
本発明のDNAを例に添付図面を参照しながらさらに説
明を加える。
【0019】大腸菌SY2株のUV感受性を補足するN
eurospora crassa cDNAライブラリ
ーからの遺伝子のクローニング 野生型N. crassaのcDNAライブラリーを修復
欠失E. coli SY2株に導入し、プラスミド(p
UVG31)を含むUV耐性形質転換体を得る。このプ
ラスミドは、SY2だけでなく、他のE. coli宿主
のUV耐性を向上させた(図1)。pUVG31中の
2.4kbインサートのヌクレオチド配列を決定する。
開始コドンは前記cDNAの5′側に配置されるゲノム
フラグメントの配列決定によって確認された(アクセス
番号:D11392)。前記配置は1968塩基の読み
取り枠(ORF)を含む。堆定アミノ酸配列は、既に報
告されているT4endoを始めとするDNA修復酵素
のいずれとも異なる74,421Mrの蛋白質である
(図2、配列番号:2)。
【0020】酵母レッド変異株およびヒト色素性乾皮症
細胞系におけるUV感受性の部分補足 他の生物体でのクローン化遺伝子によるUV感受性の補
足性をみるために、酵母プロモーターの後に導入し、各
種のDNA修復に欠陥のあるサッカロマイセスセレビシ
エを形質転換した。NER遺伝子、rad1およびra
2に欠陥のある2種の変異株、ならびに複製後修復欠
rad18株を導入プラスミドによってUV耐性細胞
に変換したが、野生型株のUV感受性ではそのトランス
フォーメーションによってUV耐性をわずかに増大した
だけである(図3のa)。同様に前記cDNAを有する
ヒト色素性乾皮症を補足するグループA(XPA)細胞
は、ヘラ(Hela)細胞のほぼ半分までUV耐性を獲得し
た(図3のb)。HeLa細胞のUV耐性は、前記プラ
スミドの導入によって影響を受けなかった。従って、ク
ローン化遺伝子は多様な種に由来するDNA修復欠失細
胞の耐性を高める。このことは、前記ORFが細胞の他
の蛋白質と独立して作用して、UV損傷の修復を開始す
るファクターをコードすることを示唆している。
【0021】クローン化遺伝子とmus−18変異との
関係 クローン化された遺伝子とN. crassaのmus−
18変異との関係を調べた。N. crassaのゲノム
ライブラリーに由来する全cDNA領域にわたるDNA
を単離し、このゲノムフラグメントをmus−18変異
細胞に導入した。2種の形質転換体はUVに対して同じ
耐性を示した(図4)。さらに、我々は反復誘導点突然
変異誘発(repeat-enduced point mutation:RIP)
を使用して野生型株のmus−18遺伝子を不活化し
た。RIPは重複DNA配列を減数分裂前(premeiotic
ally)に不活化するようなN. crassaの一般的な
応答を利用する(Selker et al,1987,Cell,
,741−752;Selker and Garrett,1988,
Proc. Natl. Acad. Sci USA85,6870−687
4)。野生型細胞とクローン化ゲノム遺伝子で形質転換
した野生型細胞との間の交雑からの2つの子孫はmus
−18変異株と同様なUV感受性を示した(図5)。こ
れらのクローン中では内因性遺伝子と導入mus−18
遺伝子のどちらもRIPによって不活化されたことを示
す。最後に、野生型とmus−18変異株のゲノムDN
Aのサザンハイブリダイゼーション分析は、変異株ゲノ
ムに欠失を含む変化を示す(図6)。これらの結果か
ら、前記クローン化された遺伝子はN. crassa
異株mus−18中で欠失しているものとの結論を出し
た。我々はクローン化された遺伝子をmus−18遺伝
子と称する。
【0022】E. coliからのmus−18蛋白質の
精製 8個のアミノ酸残基をコードする標識(tag)を3′末
端でmus−18遺伝子に融合させ、修復欠失SY2宿
主細胞で発現させた。この組換え遺伝子は前記宿主に標
識をもたない遺伝子と同等のUV耐性を付与した。組換
え蛋白質を、標識に対する抗体を利用し、そしてUV照
射プラスミドに対するニック(切断)活性を指標に精製
した。クローン化cDNAのORFにおける堆定アミノ
酸配列は連続するヒスチジン配列を数ケ所含んでる。従
って、まず、細胞抽出物をNi2+ニトリロ三酢酸(Ni
−NTA)アガロースカラムにかけた。次いで、ホスホ
セルロース、さらにヘパリンセファロースのアフィニテ
ィークロマトグラフィーで精製した。UV照射プラスミ
ドに対してニック活性を有する画分のSDS−ゲル電気
泳動を図7のaとbに示す。ベクタープラスミドで形質
転換された細胞由来の同様な溶離画分は、このような活
性を示さなかった(図7のa)。ゲル電気泳動から判断
すると、最終的な画分は95%を超える純度であった。
FLAGに対する抗体は図7のcに示される約74KD
の精製蛋白質を認識した。こうして、mus−18だけ
の遺伝子産物がUV照射DNAにニックを導入するもの
と判断した。精製蛋白質はUV照射プラスミドに対する
ニック反応に際してMg++だけでなくATPも必要とす
る(図7のd)。
【0023】UV照射プラスミドおよび合成オリゴヌク
レオチドにおける精製mus−18蛋白質の基質および
ニック活性部位の決定 mus −18蛋白質(Mus−18)によって切断(ニ
ック)されるヌクレオチド配列を同定する目的で、Mu
s−18により線状化プラスミドを処理した。このプラ
スミドがUVを照射されている場合に限って前記蛋白質
はニック(切れ目)を導入した(図8)。Mus−18
によるUV照射DNAの処理によってTC、TT、CC
およびCT配列において異なる濃度のDNAバンドを形
成した。図8のポリアクリルアミドゲル電気泳動(PA
GE)でのDNAフラグメントの移動速度を見ると、M
us−18により生成したものは、配列マーカーより遅
く移動している。矢印aおよびbによって示されるTC
およびTT配列のバンドの位置は、PAGEの上部にお
けるジピリミジン配列マーカーの最初のヌクレオチド配
列付近にあり、そしてcおよびdにより示されるPAG
Eの下部における二番目のヌクレオチドより後ろにあ
る。これは、化学的な塩基の分解で得られた3′リン酸
を有するDNAとは対照的に、Mus−18は前記ジピ
リミジンの5′に隣接した部位でDNAを切断し、3′
−OHを放出させることを意味する。
【0024】Mus−18によって切断されたDNAの
損傷を同定し、損傷を受けた部位へどのようにニック
(切れ目)が導入されるかを分析するために、TCとT
Tの2種のジピリミジン配列だけを含む54merの合
成オリゴヌクレオチドをin vitroアッセイで使用
した。標識プラスミドで得られた上記結果を考慮する
と、NsiIおよびNlaIIIの2種の制限酵素に対
する開裂部位が、それぞれTCおよびTT配列の5′に
隣接した位置に導入されている。5′または3′末端で
標識されそしてその相補オリゴヌクレオチドとアニール
するこのオリゴヌクレオチドが、UV照射後Mus−1
8に対する基質として使用された。5′末端標識DNA
(Mus−18によりTCまたはTT部位にニックを入
れた)は、T4endoで開裂したものより早く泳動し
た(図9のb、レーン1および2)。(6−4)PPま
たはCPDに対するフォトリアーゼを用いるPHRは、
それぞれTC(レーン3)またはTT(レーン5)にお
けるバンドを殆ど消失するが、T4endoによって生
成したバンドはCPDに対するフォトリアーゼを用いる
PHRによって完全に消失した(レーン6)。Mus−
18で切断された3′末端標識DNAは、T4endo
で切断されたものよりわずかに遅く泳動した(図9の
c、レーン1および2)。これは5′末端標識DNAを
用いて得られたものに相当し、Mus−18がT4en
doで切断された部位の5′部位で単一のニックを導入
することを示す。
【0025】図9のdは、TCまたはTT配列でMus
−18により切断された5′末端DNAが、NsiIま
たはNlaIIIによる消化後に生じたものと、それぞ
れ同じ位置まで泳動した(レーン1〜3)。切断された
DNAはddTTPと共に末端デオキシトランスフェラ
ーゼに対する基質として働き、追加のヌクレオチドをも
たらし(レーン4〜6)、3′OH末端の存在を示す。
3′標識されそしてMus−18切断DNAフラグメン
トの移動度も前記制限酵素により生成されたものと同じ
であった(図9のc、レーン1〜3)。ウシ腸フォスフ
ァターゼ(CIP)により切断されたDNAの後処理は
すべてのDNAの移動をわずかに遅らせた。Mus−1
8により切断されたDNAの5′末端にリン酸が存在す
ることを示す。
【0026】N. crassa UV感受性変異株にお
けるmus−18遺伝子と突然変異 上述のように、N. crassa由来のcDNAライブ
ラリーとUV感受性E. coliの補足性により、新規
な真核DNA修復遺伝子が単離された。mus−18遺
伝子は高度に親水性のカルボキシ末端を有する蛋白質を
コード化する。特に興味深いのは、図2の下線を引いた
太字で示される配列4xLys−2xGly−2x(L
ys Arg)である。この配列は、DNAと密接に相
互作用するペプチドであるプロタミンのカルボキシ末端
で見い出された配列[ニジマスのプロタミンIAにおけ
る6xArg−2xGly−4xArg(Ando and Wat
anabe,1969,Int. J. Protein Res.,,221−
224)]に類似する。この配列中に各種の欠失を伴う
mus−18遺伝子は、E. coli SY2宿主細胞
のUV感受性の補足活性に影響を及ぼし、遺伝子産物の
酵素的機能においてその配列が重要な役割を担うことを
示唆する。
【0027】N. crassamus−18変異株に
おける変異を以下の3種の方法で同定した。一つは、野
生型遺伝子(RIP)の導入によるmus−18株にお
けるUV感受性の補足性であり、もう一つは、野生型D
NAと変異ゲノムDNAを用いるサザン分析の比較であ
る。サザン分析から、その変異はmus−18遺伝子を
含有するゲノムフラグメントの一部に欠失を伴うことが
わかる。
【0028】精製Mus−18により生じるニック mus −18遺伝子は、CPDと(6−4)PPの両者
に対してニック活性を有する蛋白質をコード化する。M
us−18は、UV誘発CPDおよび(6−4)PPに
隣接した5′位にニックを導入し、損傷を有するDNA
鎖の一本鎖の破壊をもたらすことを示す(図10)。M
us−18の基質はTT、TC、CCおよびCT配列に
おいて生じたピリミジンダイマー類を包含する。図8に
示されるニックバンドの強度変化は、UVによる損傷の
程度の相違および/またはMus−18による修復の選
択性の相違に起因すると思われる。高UV用量(3kJ
/m2)をそれぞれ前記プラスミドおよびオリゴヌクレ
オチドに照射するとTC配列において比較的多量の(6
−4)PPを生成する。DNAに低用量のUV照射を行
った後、前記蛋白質によってTT部位が優先的に切断さ
れる。前記蛋白質によるUV誘導ダイマー類間のニック
活性の優先性は確認していないが、CPDと(6−4)
PP間で前記蛋白質による認識に差があるものと思われ
る。チミン−チミンダイマーにおけるニックの導入のた
めには、種々の鎖長の合成DNAを用いた分析から判断
すると、Mus−18は(6−4)PPに対するよりも
損傷に対してより長いフランキング配列を必要とする。
これは、Mus−18は異なる化学構造をもつ各種のU
V誘導ダイマーをどの程度まで認識するか、ということ
が次の解明すべき問題点となることを示唆する。
【0029】mus−18遺伝子による宿主細胞におけ
るUV感受性の補足 Mus−18の研究から生じる他の興味ある問題点は、
どの程度のニック部位が細胞中でその後処理されるかに
ある。大腸菌、酵母およびヒト細胞に導入されたmus
−18遺伝は、これらの宿主細胞のUV生存率を同じよ
うに高める。この点で、Mus−18は、酵母rad突
然変異体およびヒトXP細胞にUV耐性を付与しうるT
4endoと似ている(Valerie et al.,1986,Mol
e. Cell.Biol.,3559−3562)。各種の修
復欠失宿主細胞におけるUV感受性補足は、ほんの部分
的であって、野生型細胞のUV耐性には到達しなかっ
た。酵母細胞では、完全なNER活性を有する複製後修
復欠損rad18変異株、ならびに2種のNER変異株
(rad1およびrad2)[これらはそれぞれDNA
損傷の5′および3′位におけるニック活性を欠いてい
る(Bardwell et al.,1994,Science265,208
2−2085;Harrington and Lieber,1994,Gene
s Dev., ,1344−1355)]は、mus−18
遺伝子によって同じ程度にUV耐性を高める(図3)。
これらの結果は、これらの生物における切断機構と独立
した修復経路によってさらに処理されることを示唆す
る。
【0030】Mus−18の役割とその分布 本発明者らが分析した限りでは、UV誘発損傷以外のD
NA損傷部にMus−18がニックを導入するとの根拠
は得られなかった。これはUVに選択的な感受性である
mus−18変異株の表現型とよく一致する。N. cr
assaは存在するとしてもUV損傷に対して非常に効
率の悪いNERはもたない。(Ishi etal.,1991,M
ol. Gen. Genet.228,33−39)。従って、こ
の生物体では、mus−18遺伝子がUV誘発損傷、特
に(6−4)PPに対するNERに代って働く可能性が
ある(下記参照)。最近、NERの完全に欠失したスキ
ゾサッカロマイセスポンベ(Schizosaccharomyces pomb
e)は、DNA中のCPDおよび(6−4)光化学反応
物の相当な修復能を依然として維持していることが報告
された(MaCready et al.,1993,Mol. Microbio
l.10,885−890)。より最近になって、.
pombeの細胞抽出物の酵素活性がMus−18と同
様な様式でTTおよびTCダイマーにニックを導入する
ことが報告された(Bowman et al.,1994,Nucleic
Acids Res.22,3026−3032)。非常に効率
よくCPDフォトリアーゼ活性を獲得するN. cras
sa(Yajima et al.,1991,Nucleic Acids Res.
19,5359−5362;Ekeret al.,1994,Pho
tochem. Photobiol.60,125−133)とは対照
的に、S. pombeはそのような活性をまったくもた
ない(Yasui et al.,1989,Mutat. Res.217
3−10)ので、Mus−18の相同蛋白質はUV誘発
CPDの修復をサポートする可能性がある。従って、M
us−18とその相同蛋白質は進化上密接な関係を有す
る生物. crassaS. pombeのUV誘発D
NA損傷の除去またはPHRの欠損をそれぞれ償うもの
と思われる。同様な酵素が他の生物にも分布している可
能性はある。
【0031】ここに、NeurosporaのUVダイ
マー エンドヌクレアーゼと命名したmus−18の精
製蛋白質は、T4エンドヌクレアーゼが哺乳類細胞に残
存するCPDの分析に使用されるように、細胞のUV損
傷を同定する道具としても有用であろう。すべてのピリ
ミジン ダイマーまたはCPDフォトリアーゼとの組み
合わせ使用によって、未修復(6−4)PPを同定する
こともできる。
【0032】
【実施例】材料および方法 菌株および細胞系 発現のために、. crassaのcDNAを、E.
oli SY2株(JM107 △phr::Cmr △u
vr A::Kmr △rec A::Yetr)(Yasuhir
a and Yasui,1992,J. Biol. Chem.267,25
644−25647)へのクローニングに使用した。S
Y1株(△phr::Cmr △uvrA::Kmr)、
KY29(△phr::Cmr △rec A::Te
r)およびKY20(△phr::Cmr)も、クロー
ン化遺伝子で形質転換した。KY20およびKY29
は、K. Yamamoto 博士(東北大理学部)より得た。使用
した酵母サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces
cerevisiae)は、GRF18(野生型、leu2)、
ya1031(rad1 leu2)、ya2−2(r
ad2 leu2)およびya18−1(rad18
leu2)であった。これらの菌株はGRF(Dr. G.
R. Fink,マサチューセッツ工科大学より得た)以外
は、本発明者らによって樹立された。XPA細胞系、X
P12ROSVは、Dr. K. Tanaka(大坂大学細胞工学
センター:田中亀代次博士)より得た。
【0033】cDNAおよびゲノムのライブラリー ラムダZAP(Orbach et al.,1990,J. Biol. Che
m.265,10981−10987)に構築された
N. crassaのcDNAライブラリーは、Dr. M.
S. Sachs上記文献を参照のことより入手した。E. co
li用発現ライブラリーにin vitro切断によっ
て転換した。ゲノムライブラリーは、λ EMBL3に
Eco RI消化DNAを導入することにより野生型N.
crassaから作製した。
【0034】N. crassa cDNAおよびゲノム
DNAのクローニングおよび配列決定 SY2細胞における相補性によるフォトリアーゼ遺伝子
の単離方法(Yasuhiraおよび Yasui,1992,J. Bio
l. Chem.267,25644−25647)を改良し
て使用した。既述すれば、cDNAライブラリーで形質
転換したSY2細胞の一昼夜培養物100μlを、4種
の抗生物質(アンピシリン、カナマイシン、クロムフェ
ニコールおよびテトラサイクリン)を含むLBプレート
上で0.1J/m2の用量でUV照射し、一昼夜インキュ
ベートした。生存しているコロニーを、抗生物質添加L
B培地中に集め、さらに培養した。細胞懸濁液をLBプ
レートに塗布し、さらなるUV照射に供した。3度の選
択後、数個の生存コロニーを、UV耐性について試験し
た。
【0035】クローン化cDNAプローブでゲノムライ
ブラリーをスクリーニングし、クローン化cDNAの全
配列を含む4.7kb Eco RIフラグメントを単離
した。2422bpを含む完全cDNAとORFの上流
配列を含む1kb鎖長にゲノムフラグメントのヌクレオ
チド配列を決定した。
【0036】大腸菌、酵母およびヒトXPA細胞系にお
けるクローン化遺伝子の発現のためのプラスミドの構築
およびトランスフォーメーション E. coliでのmus−18遺伝子の発現のために、
前記クローン化cDNA由来のコーディング配列をpK
K233−2(Pharmacia)のtacプロモーターの後
に導入した。
【0037】酵母でのmus−18遺伝子の発現のため
に、LEU2選択マーカーを有するpKT10プラスミ
ド(Dr. M. Nakafuku,東京大学)のグリセルアルデヒ
ド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)プロモ
ーターの後に導入した。酵母細胞を Hinnen et al(1
978)Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75,1929
−1933に記載の方法で形質転換した。
【0038】ヒトの細胞で発現するために、pcDNA
I(INVITROGEN)のCMVプロモーターの後に導入し
た。G418耐性マーカーを担持するプラスミドと一緒
にLipofectin(GIBCOBRL)によって細胞をト
ランスフェクションした。選択はG418(WAKO)を用
いて行った。各種用量でのUV照射後のコロニー形成能
を形質転換された大腸菌、酵母およびヒト細胞について
測定した。データは、最低2回の独立した実験の平均値
によった。mus−18遺伝子産物の精製用として、8
個のアミノ酸残基の標識[FLAG(KODAK)]を停止
コドンの前のコーディング配列の末端へPCRによって
結合した。前記標識を有するcDNAをpKKENS
[pKK223−3(Pharmacia)の誘導体]のtac
プロモーターの後に導入し、pKmus−18FLAG
を得た。
【0039】N.crassaのトランスフェクション
および反復誘発点突然変異(RIP)mus−18遺伝子を担持する4.5kbのEco
IゲノムDNAフラグメントを、ハイグロマイシン耐性
マーカー(HygB)と結合し、mus−18変異細胞
に導入した。通常、数コピーのDNAがcrass
のゲノム中へ組込まれる。反復誘発点突然変異(RI
P)によりmus−18遺伝子を不活化するために、2
つのmus−18遺伝子をもつN. crassa野生型
株を逆の接合型を有する野生型株と交雑させた。既に報
告されている方法(Selker and Garrett,1988,Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA85,6870−687
4)を使用した。
【0040】N.crassaの野生型株のおよびmu
s−18変異株のDNAのサザン分析 野生型株およびmus−18変異株由来のゲノムDNA
を常法により単離し、制限酵素で消化し、そしてニトロ
セルロースフィルター上にブロットした。DNAプロー
ブを、Eco RIで消化することにより全mus−1
8遺伝子を含有するクローン化ゲノムDNAから調製し
た。ハイブリダイゼーションは非放射性DNA標識化と
検出キット(Boehringer)を用い、製造業者の説明書に
従って行った。
【0041】大腸菌宿主細胞からのmus−18遺伝子
産物の精製 PKmus−18FLAGまたはベクタープラスミドを
含むSY2細胞を、カルベニシリンを強化したLB培地
1l中のODが0.5になるまで増殖させた。37℃で
5時間1mMのIPIGで発現を誘導した後、細胞を音
波処理緩衝液(300mMのNaCl、50mMのNa
2PO4、1mg/mlのリゾチームおよび1mMのP
MSF、pH8.0)20ml中に集め、0℃で5分間
音波処理して崩壊させた。細胞残滓を遠心(4℃、20
分間43000×g)により除去した。粗抽出物を3m
lのNi−NTAアガロース(Qiagen)カラムにかけ、
0.3MのNaClを含有する15mMのイミダゾール
から溶出する画分を集めた。この画分をバッファーA
(50mMのTris HCl,pH7.5および1mM
のEDTA)で希釈しNaCl濃度を0.2Mに調節
し、次いで0.2M NaCl−バッファーAで平衡化し
たホスホ−セルロースカラム(ベッド容積1.5ml)
にのせた。Mus−18は0.35M NaCl−バッフ
ァーAで溶離した。次に、その画分を予め0.2M Na
Cl−バッファーAで平衡化したヘパリンセファロース
カラム(ベッド容積0.3ml)にのせた。mus−1
8−FLAG蛋白質は、0.4M NaCl−バッファー
Aで溶離した。97%均等性を有するmus−18−F
LAG蛋白質72μgが得られた(図7のa)。この精
製蛋白質を−20℃において25mMのTris−HC
l(pH7.5)、0.5mMのEDTA、200mMの
NaCl、1mMのDTT、200μg/mlのBSA
および40%グリセロール中で保存し、特記しない限
り、この溶液をすべての実験で使用した。
【0042】プラスミド切断アッセイおよび精製Mus
−18の単位の定義 閉環プラスミドDNAを0.2μg/μlのDNA濃度
で0.1kJ/m2または1kJ/m2のUV照射を行
い、これらをそれぞれ標準アッセイまたは単位の定義に
使用した。37℃で30分間、前記mus−18含有画
分を総量10μlの至適反応緩衝液(50mMのTri
s HCl、pH7.9、0.1MのNaCl、20mM
のMgCl2、1mMのDTTおよび100μg/ml
のBSA)中0.1μgのDNAと混合した。反応を1
0分間65℃で加熱することにより停止し、0.75%
アガロースゲルで分析した。mus−18ニック活性の
1単位は、100μlの反応容積中で37℃にて60分
以内にUV照射ccDNA(1kJ/m2)をocDN
Aへ変換するのに必要な量として定義した。精製Mus
−18の比活性は1μg当り780単位であった。T4
endoでは、20mMのEDTAを含むがMgCl2
を含まないMus−18に使用した緩衝液を使用した。
【0043】プラスミドDNAおよび合成オリゴヌクレ
オチドを基質として使用する除去アッセイおよびニック
部位の決定 CPDに対するアナシスティス ニデュランス(Anacyst
is nidulans)フォトリアーゼ(Eker et al.,199
0,J. Biol. Chem., 265,8009−8015)お
よび(6−4)PPに対するドロソフィラ メラノガス
ター(Drosophilamelanogaster)フォトリアーゼ(Todo
et al.,1993,Nature, 361,371−374)
は、それぞれ Dr. A. P. M. Eker および Dr. Todo か
ら入手した。T4endoは、Dr. K. Valerie および
Dr. K. de Riel から入手したtacプロモーターの後
にden V遺伝子をもつ大腸菌から精製した。PHR
は、室温で1.5時間10cmからの蛍光を用いる透明
チュ−ブで行った。Mus−18蛋白質およびT4en
doは1時間37℃で使用した。図8に示されるニック
部位の分析のために、pBluescriptプラスミ
ドをXbaIで消化し、脱リン酸化し、次いでγ−32
−ATPで標識した。標識されたDNAをSacIで消
化し、PAGE後5%の中和ゲルから単離した。DNA
の半分に3KJ/m2のUV(254nm、5J/m
2s)を照射し、次いでMus−18で処理した。マキ
サム・ギルバート法(Maxam and Gilbert,1977,Me
thods Enzymol.65,499−560)後、塩基の化
学的破壊を標識されたDNAの別の半分に行った。
【0044】2種のジピリミジン配列(下線部)を有す
るオリゴヌクレオチド(配列番号:3) 5′−GTA TAC ACA CAC GTA TG
C ATC ATG TTA TAC GCA CAC
CAC AGT GCA TAC ACA TAT
AGC−3′ を合成し、15%アクリルアミドゲルを用いるPAGE
で精製した。5′または3′部位を、それぞれポリヌク
レオチドキナーゼ(宝酒造)を用いるγ−32p−ATP
またはターミナル デオキシトランスフェラーゼ(TdT,
Boehringer)を用いるα−32p−ddATPで標識し
た。
【0045】適正な大きさのDNAを再度PAGE(1
5%ゲル)で精製し、相補鎖にアニールさせた。UV照
射(3kJ/m2)後、Mus−18で処理し、制限酵
素で消化した未照射DNAと共にPAGE(15%ゲ
ル)で分析した。TdTまたはウシ腸フォスファターゼ
(宝酒造)を使用して、それぞれコールドddTTPを
有する3′末端にヌクレオチドを加えるかまたはニツク
DNAの5′未満のリン酸を除去した。実験では、10
fmolのDNAに対して35u(単位)のMus−1
8を常に使用した。配列およびニツク部位を、PAGE
後、BAS 2000 Image Analyzer(富士フィルム)
によって分析した。
【0046】
【発明の効果】皮膚ガンの予防や治療の目的で使用しう
る新規DNA修復酵素およびその製造方法が提供され
る。本酵素の具体的な使用態様としては、日焼け止めク
リームなどに混合使用すること等が期待される。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】crassaからクローン化されたcDN
Aの発現により各種大腸菌(coli)株における
UV耐性の向上を示すグラフである。UV照射後のベク
タープラスミド(白ぬき印)またはpUVG31(黒ぬ
り印)で形質転換したE. Coli SY2(phr u
vrA recA)株(三角印)、SY1(phr uv
rA)株(四角印)、KY29(phr recA)株
(逆三角印)およびKY20(phr)(丸印)の生存
曲線。
【図2】クローン化された遺伝子の堆定アミノ酸配列を
一文字表記で示す。1986bp ORFから堆定され
る堆定アミノ酸配列が示される。下線を引いた太字のア
ミノ酸配列は、プロタミンで見い出されたものと同一の
配列を示す。
【図3】酵母とヒト細胞系の生存曲線を示すグラフであ
る。aはサッカロマイセス セレビジエ(Saccharomyces
cerevisiae)のUV照射後に、ベクタープラスミドp
KT10−LEU2(黒ぬり印)またはそのベクター中
にクローン化したcDNAを有するプラスミド(白ぬき
印)で形質転換したGRF18(野生型)株(逆三角
印)、ya1031(rad1)株(丸印)、ya2−
2(rad2)株(三角印)およびya18−1(ra
d18)株(四角印)。bはベクターpcDNA(白ぬ
き印)またはそのベクターのCMVプロモーターの後に
クローン化したcDNAを有するプラスミドで形質転換
したXPA細胞系。UV耐性レベルは、白ぬき三角印に
よる前記ベクタープラスミドで形質転換したヘラ(He
La)細胞に関して示す。
【図4】UV生存性に対するN. crassamus
−18変異株または野生型細胞へのクローン化遺伝子導
入の影響を示すグラフである。クローン化cDNAをカ
バーするN. crassaのゲノムフラグメントの導入
によるmus−18変異株のUV感受性の相補性を表
す。クローン化されたゲノム遺伝子は、ハイグロマイシ
ン耐性マーカー(hyg B)を担持するpUVEE1
誘導体のトランスフェクションまたはhyg Bを担持
するプラスミドpCSN44とpUVEE1の同時トラ
ンスフェクションによって導入された。前者(黒ぬり四
角印)または後者(黒ぬり逆三角印)の方法によって得
られたハイグロマイシン耐性形質転換体、ならびに野生
型(白ぬき丸印)細胞およびmus−18変異株(印ぬ
き三角印)細胞のUV感受性を示す。
【図5】UV生存性に対するN. crassamus
−18変異株または野生型細胞へのクローン化遺伝子導
入の影響を示すグラフである。RIPによって不活化さ
れたmus−18遺伝子を有する細胞のUV感受性を示
す。野生型細胞を、pUVEE1で形質転換した細胞と
交雑した。交雑から得られた、2種の子孫を試験した。
野生形(白ぬき丸印)細胞、pUVEE1で形質転換さ
れた野生型(黒ぬり四角印)、mus−18変異株(白
ぬき三角印)および2種の子孫(黒ぬり逆三角印)のU
V感受性を示す。
【図6】図4と図5に関連するmus−18変異細胞に
おけるゲノムDNAの転位を示すものであり、サザンハ
イブリダイゼーションの結果を示すゲル電気泳動図であ
る。前記クローン化遺伝子をカバーするEco RI
(レーン1および2)およびHindIII(レーン3
および4)で消化したゲノムDNAに対する野生型(レ
ーン1および3)およびmus−18変異株(レーン2
および4)から、それぞれ調製したゲノムDNAのサザ
ンハイブリダイゼーションである。
【図7】E. coli形質転換体由来のmus−18遺
伝子産物の精製の各段階におけるドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)
による分析結果を示す図に代わる写真である(a)。b
はニック活性分析による同図に代わる写真である。E.
coli形質転換体由来のmus−18遺伝子産物のF
LAGに対する抗体を用いた精製画分の各段階における
ウェスタンブロットの結果を示す電気泳動図に代わる写
真である(c)。図中のVおよびMは、それぞれベクタ
ープラスミドおよびmus−18遺伝子を含む細胞抽出
物由来の画分を示す。粗抽出物からの上澄(S)または
Ni−NTA(N)、フォスフォセルロース(P)およ
びヘパリンセファロース(H)カラム由来のMについて
のニック活性を有する画分およびVについての同画分の
分析結果である。dは、Mus−18のフォスフォセル
ロース画分におけるニック活性のMg++依存性を示す電
気泳動図に代わる写真である。この反応混合物中には、
ATPは含まれていない。
【図8】Mus−18のニック活性に対する基質の決定
を示すための電気泳動(PAGE)図に代わる写真であ
る。Mus−18で処理した5′末端標識プラスミド
(UV照射または未照射)のPAGEである。一試行実
験のPAGEはパネルの左側から右側に示されている。
a、b、cおよびdについては、発明の詳細な説明を参
照されたい。
【図9】基質決定およびMus−18により導入された
ニックの性質を示す電気泳動(PAGE)図に代わる写
真である。aは、2種のジピリミジン配列を含有する合
成オリゴヌクレオチドNN3の構造である。NsiIと
NlaIII酵素の認識配列およびニック部位を、それ
ぞれ下線および矢印によって示す。上部にはヌクレオチ
ドの数を示している。bはPHRと共にそしてPHRを
伴わずMus−18(Mus)またはT4endo(T
4)で切断した5′標識NN3のPAGE分析結果を示
す。相補性オリゴマーとアニールさせたNN3をUV照
射し、そしてMus−18(レーン1)またはT4en
d(レーン2)で処理した。UV照射しそしてアニール
化したDNAを(6−4)フォトリアーゼ(レーン3お
よびレーン4)またはCPDフォトリアーゼ(レーン5
およびレーン6)で光回復させ、次いでMus−18
(レーン3およびレーン5)またはT4end(レーン
4およびレーン6)で処理した。cはMus−18また
はT4endoで切断した3′末端標識NN3のPAG
E分析結果を示す。UV照射後、DNAをMus−18
(レーン1)またはT4endo(レーン2)で処理し
た。dはMus−18または制限酵素で切断した5′末
端標識NN3のPAGE分析結果を示す。UV照射DN
AをMus−18(レーン2)で切断し、ddTTPの
存在下でTdTで処理した(レーン5)。PAGEにお
ける移動度を比較する目的で、未損傷DNAをNsi
(レーン1)またはNlaIII(レーン3)で消化
し、そしてddTTPを組み入れたもの(それぞれ、レ
ーン4およびレーン6)である。eはmus−18蛋白
質で切断した3′標識NN3のPAGE分析結果であ
る。UV照射DNAをmus−18蛋白質(レーン2)
で、次いでCIP(レーン5)で処理した。移動度を比
較する目的で、未損傷DNAをNsiI(レーン1)ま
たはNlaIII(レーン3)で処理し、次いで脱リン
酸化した(それぞれレーン4およびレーン6)。
【図10】UV誘発ピリミジンダイマーにおけるMus
−18で誘導される除去モデルを示す概念図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/21 9162−4B C12N 15/00 ZNAA (C12N 9/16 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:645) (C12N 1/21 C12R 1:19)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線によってDNA中のTT配列およ
    びTC配列からそれぞれ誘発されたシクロブタン型ダイ
    マーおよび(6−4)結合生成物をDNA中で特異的に
    認識し、そしてそれらを5′側で切断することのできる
    酵素活性を有する蛋白質。
  2. 【請求項2】 配列表の配列番号:1のDNA配列がコ
    ード化する蛋白質またはその誘導体である請求項1記載
    の蛋白質。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載する蛋白質をコードする
    DNA。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載するDNAを発現ベクタ
    ーに導入したベクタープラスミド。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載するDNAを発現できる
    状態で含む宿主細胞を、栄養培地で培養し、前記DNA
    の発現によって産生した蛋白質を採取することを特徴と
    する請求項2記載の蛋白質の製造方法。
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