JPH08266075A - 超音波リニアモータ - Google Patents

超音波リニアモータ

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Publication number
JPH08266075A
JPH08266075A JP7067862A JP6786295A JPH08266075A JP H08266075 A JPH08266075 A JP H08266075A JP 7067862 A JP7067862 A JP 7067862A JP 6786295 A JP6786295 A JP 6786295A JP H08266075 A JPH08266075 A JP H08266075A
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JP
Japan
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rail
rotor
linear motor
roller
ultrasonic linear
Prior art date
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Application number
JP7067862A
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English (en)
Inventor
Akira Moriya
章 森谷
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Canon Inc
Canon Precision Inc
Original Assignee
Canon Inc
Canon Precision Inc
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来に比べて設計が極めて容易で、且つ製造
を量産方式で能率よく行なうことができ、その結果、従
来のリニア型超音波モータよりも著しく安価なコストに
よる高効率のリニア型超音波モータを提供することにあ
る。 【構成】 電気−機械エネルギー変換素子により進行波
振動を循環発生する櫛歯形状を有する円環状または円盤
状のステータ1と、該ステータ1の櫛歯表面に圧接し、
該進行波の波頭の動きを摩擦で受けることにより回転駆
動するロータと該ロータと共に回転するローラ(ロータ
ローラ16)とで超音波リニアモータを構成し、該ロー
ラーの外周面を非振動性のレール29の片側壁面30へ
圧接規制させながら該ロータの回転駆動により該レール
29に沿って摩擦推力を発生させるようレール29の対
向壁面31へ圧接する転動体(コロ25)を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波リニアモータに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11乃至図14を参照して従来の超音
波リニアモータの代表的な二つの例について説明する。
【0003】図11は従来の超音波リニアモータの第一
例を示した概略図である。この超音波リニアモータは、
レール54の両端にそれぞれランジュバン型の振動子5
5及び56を取付け、可動子であるキャリッジ57をレ
ール54に圧接した構成になっている。この構成におい
ては、キャリッジ57がレール54から逸脱しないよう
にするためのガイド機構や、キャリッジ57をレール5
4に圧接するための加圧機構が必要である。
【0004】この超音波リニアモータの駆動原理は、振
動子55と振動子56のうち、一方を加振器とし、他方
を吸振器として使用し、レール54に進行波を発生させ
る。振動子55を加振器とし、振動子56を吸振器とし
た場合は、レール54には図11の左側から右側へ進行
する進行性振動が発生する。そして、レール54の右側
に到達した進行波はレール端で反射してしまうので、振
動子56で進行波を吸収することにより反射を防ぐ。こ
のようにしてレール54上を左から右へと順次進行波が
送られる。このため、レール54に圧接されたキャリッ
ジ57は図11の右から左へと移動することになる。キ
ャリッジ57を図の左から右へ移動させる場合には、振
動子56を加振器とし、振動子55を吸振器として進行
波を右から左に移動させるようにすればよい。
【0005】図12乃至図14に従来の超音波リニアモ
ータの第二の例を示す。
【0006】図12は従来の超音波リニアモータの第二
の例を示す概略斜視図である。図12の超音波リニアモ
ータは、レール58を長円形にすることにより、開放端
の無いエンドレスの循環経路上を進行波が進むようにな
っている。そのため、図11の第一例のように吸振器を
設ける必要がない。キャリッジ側のレール面は櫛歯形状
に形成することにより、振動によるキャリッジ59の送
り速度を増幅している。キャリッジ59に接する反対側
のレール面には圧電素子60が接着されており、更に、
圧電素子60の下面には不図示のフレキシブルプリント
基板が接着され、これにより圧電素子60に給電してい
る。図12の例には無いが、レール58の曲線部で進行
波を無理なく循環させるためにレールの曲線部の下面に
もレール曲線部に生じる複雑な振動モードに対応した分
極パターンを有した圧電素子を設けるのが一般的であ
る。
【0007】図13は従来の超音波リニアモータの第二
例におけるレールの概略構造を説明するための図であ
る。レール58の片側の直線部61は図12のキャリッ
ジ59の駆動に使用する部分である。レール58から直
線部61を除いた斜線部62は、レール58上に発生さ
せた進行波を循環させる導波路である。斜線部62にも
図12に示すように櫛歯形状を形成する。斜線部62の
両端の曲線部63は進行波の方向を変える部分である。
【0008】図14は、図12のレールにおいてレール
全長Lとレール幅Wが同じで、曲線部のレール中心半径
が異なっている二つの場合を示したレール構造説明図で
ある。図14(a)には、レール中心半径がra のレー
ル58aを示し、図14(b)にはレール中心半径がr
b のレール58bを示す。キャリッジ59が移動するレ
ール直線部61a,61bの長さla ,lb は次式によ
り求められる。
【0009】la =L−2ra −W・・・・・・(1) lb =L−2rb −W・・・・・・(2) レール曲線部の幅h,hは次式により求められる。
【0010】ha =2ra +W・・・・・・・・(3) hb =2rb +W・・・・・・・・(4) 式(1)及び式(2)に示すように、レール中心半径に
より、キャリッジの移動範囲であるレール直線部の長さ
が変わる。また、式(3)及び式(4)に示すように、
レール曲線部の幅もレール中心半径により変ってしま
う。幾何学上、レール中心半径はW/2まで小さくする
ことができるが、振動特性上は無理である。通常、レー
ル中心半径は超音波リニアモータを搭載する機械装置に
おけるスペースや配置の都合などの理由によりレール中
心半径を大きくとり、振動モードに与える悪影響を低く
押さえるようにするのが一般的である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の超音波
リニアモータには次のような問題があった。
【0012】(a)図11に示す従来の第一例の場合。
【0013】(1)レール端での波の反射を完全に取去
ることが困難で、取り切れなかった反射波により、本来
の進行波とは別の振動が乗ってしまう。
【0014】(2)加振のためのエネルギーのほか、波
を吸収するためのエネルギーと波を吸収するための装置
が必要である。
【0015】(3)波動エネルギーの大部分が吸振器で
消費され、キャリッジ移動のためのエネルギー効率が悪
い。
【0016】(4)レールが長くなればなるほど本来の
振動以外の外乱振動が乗り易くなる。 (5)振動を妨
げずに長いレールを支持するのが困難である。
【0017】(6)キャリッジをレールに圧接すること
によりレールが撓み、その撓みによる加圧分布斑や部分
的な加圧抜けが生じる。また、撓み量もレールの場所や
キャリッジの速度や荷重により変化するので、速度や推
力を一定に維持して運転するのが困難である。
【0018】(b)図13及び図14に示す従来の第二
例の場合。
【0019】(1)図13において、キャリッジ59の
駆動に使用する部分の直線部61以外に斜線部62に示
す進行波を循環させるための導波路が必要である。ここ
で、レール58の曲線部63のレール中心半径を小さく
すると進行波がうまく循環せず、振動が阻害されたり、
進行波の一部が反射して自身の波を乱す、等の問題が生
じるため小型化できない。
【0020】(2)レール曲線部63の振動モードが複
雑で、且つ進行波を無理なく循環させる最適形状を計算
で求めることが困難である。
【0021】(3)搭載する機械装置のスペースや配置
の都合により、図14の(a),(b)に示すように、
様々な形状のレールを用意しなければならない。更に、
速度や荷重の要求仕様が変わると、それに応じてレール
形状や圧電素子の形状、圧電素子の分極パターン等を検
討しなければならず、部品の標準化ができない。
【0022】(4)図14の(a),(b)に示したレ
ールの曲率半径ra ,rb が違うだけでも別形状のデー
タを土台とした比例計算や特性の予測が困難で、新規の
設計と変わらぬ振動解析が必要となるため、新規のレー
ル形状が出現する度に設計のための莫大な時間と労力が
必要である。
【0023】(5)図13に示すように、キャリッジ5
9と圧接する部分が長円形状のレール58の片側の直線
部61のみに片寄っているため、振動を妨げずに、ま
た、悪影響を与えないようにしながら片寄った荷重に対
してバランスを取ったレール支持を行なうことが困難で
ある。
【0024】(6)図13の斜線部62はキャリッジ5
9と直接に接触する部分ではないのにも拘らず、高い寸
法精度で櫛歯形状にしなければならず、レール58の製
造が困難で、且つ製造コストも高いものとなる。斜線部
62にも櫛歯形状を形成する理由は、進行波をうまく循
環させるためで、レール製造を容易にするために斜線部
62を単なる平板状にしたり、櫛歯形状の寸法精度を落
とすと、振動モードの乱れにより直線部61には秩序正
しい進行波がまず得られない。
【0025】(7)レールが長くなると、レール形状に
対応した細長い圧電素子の製造や、レールへの接着作業
が困難である。小さな片に分割した圧電素子をレールに
貼り付ける場合も、細長いレール全面にわたり高い寸法
精度で加圧接着を施す必要がある。更に、いずれの場合
も電気配線と高電圧に対する絶縁対策が困難である。
(c)更に、従来の第一例及び第二例に共通する次のよ
うな問題点がある。
【0026】(1)レールが長くなればなるほどキャリ
ッジを移動させるために使われるエネルギーよりもレー
ル全体を振動させるためのエネルギー比率が大きくな
り、効率が下がる。
【0027】(2)振動を妨げずに長いレールを支持す
るのが困難である。
【0028】(3)移動するキャリッジをレールから逸
脱しないようにガイドをしながら、レールに生じた曲り
や撓みにも対応すべく、レール面にならってキャリッジ
をレールに圧接する機構が困難である。
【0029】(4)レール上の特定の場所でキャリッジ
の反転を繰り返すと、反転場所におけるレール面にキャ
リッジ摺動部材のこびりつき等、摩擦面の異常が生じ
る。これにより、反転時の鳴きの発生や、摺動部材の異
常摩耗、特性の劣化を引き起こす。
【0030】(5)振動特性がレール長に依存している
ため、レール長を変更すると超音波リニアモータとして
の特性が変わってしまう。更に、共振周波数に合わせて
圧電素子等の部品や回路定数も変更しなければならない
等、ユーザー要求に対する素早い対応や、部品の標準
化、製品のシリーズ化ができず、実用性が低い。
【0031】以上説明したように、従来形式の超音波リ
ニアモータでは、固定レールに進行波振動を伝播させる
必要があるため、該レール及び全体の設計に大きな労力
とコストがかかり、また、それ故に製造コストが高く、
製造日数も長くなるという欠点があった。
【0032】
【課題を解決するための手段および作用】本出願に係る
発明の構成は、請求項1に記載のように、電気−機械エ
ネルギー変換素子が取付けられていて該素子により進行
波振動を発生する円環状または円盤状のステータと、該
ステータに圧接し、該進行波の波頭の動きを摩擦で受け
ることにより回転駆動するロータと、該ロータと共に回
転するローラとを有する超音波リニアモータにおいて、
該ローラの外周面を非振動性のレールの片側壁面へ圧接
規制させながら該ロータの回転駆動により該レールに沿
って摩擦推力を発生させるよう非振動レールの対向壁面
へ圧接する転動体を有することを特徴とした超音波リニ
アモータにある。 この構成によれば、長いレール全体
を振動させる必要がないため、レールが長くなるほど従
来の超音波リニアモータにくらべて消費エネルギーの面
で有利となる。また、振動がレールの長さに依存しない
構造であるため、レールの長さを変更する度に振動モー
ドを解析する必要がなく、設計が容易であり、設計コス
トが従来の超音波リニアモータに比べて著しく少なくて
済む。さらに、円環型ステータを用いて高精度の角速度
で周回する安定した進行波を利用することにより、振動
モードの解析や特性予測が容易な超音波リニアモータで
あり、ロータやローラの径により減速機能や増速機能も
付加することができ、幅広い特性要求に対応できる。ま
た、ステータの全面にロータを圧接するため、従来の超
音波リニアモータに比べて単純な加圧機構でありながら
加圧斑が発生しにくい構造であり、従って、速度や推力
の特性が安定し、高精度の運転制御が行なえる。そし
て、共振特性の鋭さであるQ値が大きく、共振器として
も優れた特性の円環型ステータを用いているので小型で
ありながら大きな出力が得られる。
【0033】請求項2に記載のように、請求項1におい
て、ステータ、ロータ、転動体を前記レールに対して相
対的に移動可能となるようキャリッジに一体的に担持さ
せたことを特徴とする。
【0034】この構成によれば、振動しないレールにキ
ャリッジが乗っているので、キャリッジの振動が少な
く、精密さを要求される機器のモータとして適してい
る。
【0035】請求項3に記載のように、請求項2におい
て、キャリッジとレールとの相対位置を検出する位置検
出手段を有することを特徴とする。
【0036】この構成によれば、キャリッジとレールと
の相対位置の間には振動による悪影響が全くなく、従っ
てレールに対するキャリッジの位置を精確に検出するこ
とができる。
【0037】請求項4に記載のように、請求項3におい
て、位置検出手段はレールに沿って固定配置された位置
表示手段と、該位置表示手段に設けられた表示を非接触
で検出して出力を生じる検出器とから成り、該検出器が
前記キャリッジに担持されていることを特徴とする。
【0038】この構成によれば、キャリッジ自体に非接
触で検出する検出器を有するので、走行中、レールに沿
っての位置表示手段によりキャリッジの位置を高精度に
知ることができる。
【0039】請求項5に記載のように、請求項3または
4において、位置検出手段のための電気配線と、前記電
気−機械エネルギー変換素子のための電気配線とが同一
のフレキシブルプリント基板に形成されていることを特
徴とする。
【0040】この構成によれば、位置検出手段の検出と
電気−機械エネルギー変換素子の給電とを同一のフレキ
シブルプリント基板配線により行なわれるので、回路の
集積化とコンパクト化が図れる。
【0041】請求項6に記載のように、請求項5におい
て、キャリッジを構成する地板に舌状部を形成し、該舌
状部にチューブまたは嵌込式パッキンの拘束部材を介し
て前記フレキシブルプリント基板が固定されていること
を特徴とする。
【0042】この構成によれば、フレキシブルプリント
基板のキャリッジへの固定を拘束部材の嵌込みだけで容
易且つ適確に行なうことができ、組立の自動化を促進さ
せることができる。
【0043】請求項7に記載のように、請求項2、3ま
たは5において、レールは互いに直交する3平面から成
るU字形の断面形状を有し、該3平面のうち平行に対向
する二つの平面に対してロータと二つの転動体とにより
3点で支持されることを特徴とする。
【0044】この構成によれば、レールの断面形状がU
字形なので構造的に剛性が高く、また、キャリッジがレ
ールに対して3点支持で支持される構造を採れるため、
キャリッジの姿勢が安定であり、キャリッジの位置精度
や走行精度が高い。さらに、レールの断面形状が単純で
あるため、加工し易く、入手し易く、所望の長さのレー
ルを用意するだけでユーザ対応でき、製造コストも安価
である。
【0045】請求項8に記載のように、請求項2、3ま
たは5において、レールは平行状に延在する二つの対向
する凹湾曲面を有し、該二つの凹湾曲面に対応してそれ
ぞれ円筒外周面が凸湾曲したロータと二つの転動体とに
より3点で支持されることを特徴とする。
【0046】この構成によれば、レールの対向する二つ
の凹湾曲面に凸湾曲したロータが嵌着されるので、レー
ルが上下反対側の姿勢であってもキャリッジが抜け落ち
ることがなく、また、レールに対するキャリッジの姿勢
がより安定して高精度の運転制御を維持することができ
る。
【0047】請求項9に記載のように、請求項8におい
て、レールの二つの凹湾曲面の曲率に対してロータと転
動体の円筒面は大きな曲率半径を有することを特徴とす
る。この構成によれば、レールに対するキャリッジの姿
勢をより一層安定にすることができる。
【0048】請求項10に記載のように、請求項1、
2、3または5において、ロータはローラと一体化して
構成されていることを特徴とする。
【0049】この構成によれば、ステータに発生させた
進行波のエネルギーを効率良くロータローラで直線的な
推力に変換するので従来の超音波リニアモータに比べて
効率が高い。
【0050】請求項11に記載のように、請求項1、
2、3または5において、超音波リニアモータには、該
ロータの回転検出手段、ローラの回転検出手段、レール
挟圧ローラの回転検出手段のうち少なくとも一つが設け
られていることを特徴とする。この構成によれば、大幅
に安価なコストにより高精度な位置検出と走行検出を得
ることができる。
【0051】請求項12に記載のように、請求項1、
2、3または5において、ステータ及びロータを含む回
転動力発生部分が回転型超音波モータの主要部の共通部
品として構成されていることを特徴とする。
【0052】この構成によれば、短時間に大量の生産が
可能であり、従来の超音波リニアモータよりも大幅に安
価なコストで製造でき、また、ステータに発生させた進
行波のエネルギーを効率良くロータで直線的な推力に変
換することができる。
【0053】請求項13に記載のように、請求項1、
2、3または5において、ステータ、ロータ、キャリッ
ジの構成部品が回転型超音波モータの構成部品と共通化
されていることを特徴とする。
【0054】この構成によれば、組立の自動化が容易な
構造となっているため、短時間に大量の生産が可能であ
り、従来の超音波リニアモータよりも大幅に安価なコス
トで製造することができ、特に、回転型モータと主要部
品を共通化できるため、その効果は更に甚大となる。
【0055】
【実施例】以下、図1乃至図7に示す本出願に係る発明
の実施例について説明する。
【0056】(第1実施例)図1及び図2は本発明の第
1実施例を示す。
【0057】図1は本発明の第1実施例の超音波リニア
モータの一部破断分解斜視図である。本実施例の超音波
リニアモータは従来例とは異なり、レールを振動させる
形式ではなく、振動子をなす円環状もしくは円盤状のス
テータ上を循環する進行波によりカップ型のロータロー
ラを回転させ、該ロータローラを直接に非振動レールに
圧接することにより直線駆動力を生じる超音波リニアモ
ータである。
【0058】図1において、1はステータであり、該ス
テータ1は、振動子2、圧電素子3、フレキシブルプリ
ント基板4(以下にはフレキと略称する)、直接ロータ
ローラ16と接触する摩擦材5とから構成されている。
振動子2は中心から外周へ順に次の(1)〜(3)の三
つの構造を有した一体部品である。
【0059】(1)地板10と固定関係になる支持部
6。
【0060】(2)振動を妨げずに振動部8と支持部6
とをつなぐ鍔部7。
【0061】(3)櫛歯形状を有し、圧電素子3の振動
を受けて振動する振動部8。
【0062】振動子2の振動部8の下面には圧電素子3
を接着固定し、更に圧電素子3に給電するためのフレキ
4が取り付けられる。ステータ1は、地板10を通した
軸受11の鍔12を支持部6の段部9に加締めることに
より地板10に固定される。ステータ1のフレキ4は地
板10に形成した舌状部13にチューブ14で固定す
る。
【0063】軸15が固定されたロータローラ16は防
振材17を介して皿ばね18でステータ1に圧接されて
いる。ロータローラ16の本体は金属や樹脂等で形成さ
れ、レール29との接触部分は樹脂やゴム等の材料を用
いたり、金属本体に耐摩耗塗装やメッキ等を行なうこと
によりレール29との滑り防止、耐摩耗性の向上、転が
りの安全性、転がりの静粛性を図る。防振材17には樹
脂、ゴム、ウレタン等の材料を用いることにより防振、
鳴きの防止を図る。
【0064】地板19にはボールベアリング20を取り
付けたハウジング21が固定されている。皿ばね18の
ロータローラ16の加圧反力はばね受け22を介してボ
ールベアリング20で受けている。地板10と地板19
とは支柱23、及びコロ25を挿通させたコロ軸24
と、加締め等で機械的に固定される。コロ26はコロ軸
28にて地板10に形成したコロ支持27から外れない
様に取り付けられている。コロ軸28はコロ支持27か
ら抜けない様にはされるが、コロ軸28はコロ26と共
に回転してもしなくてもよい。支柱23、コロ軸24、
コロ軸28には金属、樹脂等の材料を用いる。コロ軸2
4及び28においては、コロ25及び26との接触面の
表面粗さが重要で、コロとの滑り摩擦が小さくなる様に
しなければならない。コロ25及び28においては金
属、樹脂、セラミック等の材料を用いる。
【0065】先ず、金属のコロの場合、ロータローラと
同様に、コロ外周に耐摩耗塗装やメッキ、表面処理、本
体金属よりも軟質の樹脂、ゴム等の取付けを行なうこと
もある。コロの内周には潤滑油を含浸させたり、二硫化
モリブデン、グラファイト、弗化黒鉛、窒化ほう素、窒
化けい素、セレニウム化合物、弗化カルシウム、等の固
体潤滑剤を添加し、摩擦摩耗特性の向上を図ることもあ
る。
【0066】次に、樹脂コロを用いた場合は次の(1)
と(2)の二つの構成に大別できる。
【0067】(1)コロを同一素材のみで形成したもの (2)コロ本体は高剛性の樹脂素材を用いたり、充填剤
を入れて機械的性質を改質したものを用い、一方、内周
または外周を改質したり、または別の素材で形成したも
の (1)の例として、ポリアセタール、ポリアミド(ナイ
ロン)等は充填剤を入れなくても或る程度は機械的特性
と摩擦摩耗特性を満足するが、二成分以上のポリマー同
士をブレンドしたポリマーアロイや、充填剤を入れた複
合材(コンポジット)を用いた方が望ましい。温度、荷
重、速度等、所定の使用条件において安定したトライボ
ロジー特性を持つポリアセタール、ポリアミド、弗素樹
脂(PTFE)等を母材としたポリマーアロイや複合材
でコロを一体成形する方法が量産面、コスト面で有利で
ある。
【0068】(2)のコロ本体としては、ポリカーボネ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフ
ォン、ポリアミドイミド、ポリイミド、液晶ポリマー、
等が用いられる。これらの材料は次に示す充填剤を入れ
ると機械的性質が向上する。
【0069】機械的性質を改質する充填剤としては、ガ
ラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、グラファイト
繊維、金属繊維、セラミック繊維、金属粉、高分子ポリ
エチレン繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリ
フェニレンサルフィド繊維、ポリアリレート繊維、等が
挙げられる。以上に示した樹脂や充填剤入りの樹脂は高
温下でアニール処理を行なうと、より一層、寸法の安定
性が向上する場合もある。
【0070】コロ内周に用いる材質としては、自己潤滑
性のある材質や、低摩擦係数の材質が望ましく、高分子
ポリエチレンやポリアセタール、弗素樹脂(PTF
E)、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン等の樹
脂や、これらを母材としたポリマーアロイや複合材を用
いる。レール材に通常は無潤滑で接するコロの外周は、
転がり音が静かで、へこみ残留が残らない耐摩耗性のあ
る高分子材料(樹脂、ゴム)を選定する。
【0071】(2)における表面改質の例としては、ポ
リイミド表面に窒素イオンを注入する方法、γ線照射に
より高密度ポリエチレン表面上にポリビニルアルコール
をグラフト化する方法、等が挙げられる。コロの設計に
当っては、以上に示したコロの材料と共に、荷重、速度
等、所定の使用条件に適したコロ軸径、コロ幅を選定す
る必要がある。コロの外径に関しては本実施例の超音波
リニアモータの構造上、必然的に決まってしまうので、
決められたコロ外径の条件下で摩擦による力の損失を少
なく、耐久性を持たせるかを検討していく。
【0072】コロの軸径を小さくすると摩擦による力の
損失は低減するがコロ内径にかかる単位面積当りの荷重
が増大するので耐久性が低下する。コロ幅を小さくする
と、摩擦による力の損失は低減するが耐久性も低下す
る。一方、或る一定以上にコロ幅を広くしても耐久性の
向上以上に摩擦による力の損失が増大し、リニアモータ
の出力特性を低下させてしまう。耐久性から見た場合、
コロ幅よりもコロ軸径の選定に注意しなければならな
い。更に重要なのはコロとコロ軸との潤滑である。コロ
とコロ軸との接触面になるコロの内周にはグリース等の
潤滑剤を塗布する。これにより、摩擦による力の損失の
著しい低減が図られ、同時に著しい摩耗の低減が図ら
れ、耐久性が飛躍的に向上する。
【0073】レール29は面30、面31、面32の三
つの平面から成るU字形をしており、図1においてはレ
ール29の面30、面31に対しロータローラ16と二
つのコロ25が3点で挟持され、横方向の動きを規制す
る。また、縦方向については面32に対し三つのコロ2
6が3点で立つ格好になる。このように縦方向、横方向
共3点支持により姿勢が決まる為、大変安定なものとな
る。
【0074】本実施例の超音波リニアモータが安定して
走行するためにもレール29における面30、面31の
距離と平行度、面32に対する面30、面31の直角
度、及び面30、面31、面32の表面粗さが重要であ
る。レール29の製造方法としては単に材料を押し出し
成形のみで仕上げる方法がある。また、予め削りしろを
盛り込んで成形し、面30、面31の両面同時研削を行
ない、面30と面31との距離と平行度及び表面粗さの
品質を安定させる方法も望ましい。
【0075】レール29の材料としては金属、樹脂、セ
ラミック、ガラス等を用いる。金属材料としては軽量で
耐摩耗性があるシリコン入りアルミといったアルミ系材
料、又は浸炭や窒化といった熱拡散法や化学蒸着(CV
D)や物理蒸着(PVD)等による表面改質を行なって
摩耗対策を施した鋼材、耐食性に優れたステンレス材、
加工性に優れた真鍮材等が挙げられる。レール29に用
いる金属材料の表面には硬質物質や弗素樹脂(PTF
E)等をメッキ液中に分散させてメッキ層を作る分散メ
ッキ、Ni−SiC等の複合メッキ、金属アルキシドを
用いるゾルゲル法、といった各種メッキ法が摩耗対策と
して有効である。アルミ材の場合はアルマイト処理を施
すと摩擦摩耗特性が向上する。
【0076】図2は本出願に係る発明の第1実施例の概
略を示す上面図である。
【0077】図1に示した構成でレール29が固定され
ているとして、移動体となる側をキャリッジ33とする
と、キャリッジ33の速度vと推力Fはロータローラ1
6のローラ半径r(m)及び回転数N(r/min)、
トルクT(N・m)とすれば、次の式が成立する。
【0078】 v=30rN(m/s)・・・・・・・(5) F=T/r(N)・・・・・・・・・・(6) 式(5)、(6)により、本実施例の超音波リニアモー
タのロータのT−N特性から容易にF−v特性の予想が
できる。
【0079】図2の超音波リニアモータにおいて、軸1
5、ロータローラ16、コロ25、コロ26のいずれか
にエンコーダ等の回転検出装置を付加することにより、
レール29に対するキャリッジ33の位置検出を行なう
ことができる。このほか、レール29の所定の場所にキ
ャリッジ33の位置を検出する機械式、又は光学式、磁
気式等の非接触型の検出装置を設置し、キャリッジ33
の停止位置や反転位置を判断する信号を取出すこともあ
る。
【0080】(第2実施例)図3及び図4を参照して本
出願に係る発明の第2実施例を説明する。
【0081】尚、図3及び図4において、図1及び図2
と同じ符号で表示されている構成要素は第1実施例で説
明した構成要素と同じものを表わす。
【0082】図3は本出願に係る発明の第2実施例の縦
断正面図である。第1実施例との違いは、U字形レール
34の面30と面31との高さが違うということであ
る。これは、ロータローラ16に面31が触れない様に
高さを低くして逃げたためである。これにより第1実施
例よりもレールの幅を小さくすることができる。
【0083】図4は図3に示した実施例の上面図であ
る。キャリッジ33は4輪車の如く四つのコロ26でレ
ール34上に乗っている。キャリッジ33はロータロー
ラ16と二つのコロ25とでレール34の面30、面3
1に3点で挟持されて横方向を規制されている。ロータ
ローラ16が図4中に示す回転方向に回転するとキャリ
ッジ33は矢印の進行方向に移動する。
【0084】(第3実施例)図5乃至図7を参照して本
出願に係る発明の第3実施例を説明する。
【0085】尚、本実施例においても、前記第1実施
例、第2実施例で説明した構成要素と同じ構成要素には
同じ符号で表示している。
【0086】図5は本出願に係る発明の第3実施例の縦
断正面図である。本実施例のレール35は前記実施例と
は違い面30、面31に代わって湾曲面の面36、面3
7になっている。図5の例では面36にはロータローラ
16、面37には二つのコロ25の3点で受けるように
なっている。ステータ1で発生させた進行波振動は摺動
板38で受け、回転力を得る。ステータ1と摺動板38
との圧接力はばね39で得ている。摺動板38とロータ
ローラ16の間には防振材17が配置されている。ここ
での防振材17は、ロータローラ16に対する摺動板3
8の回り止め機能も有し、摺動板38で受けた回転力を
ロータローラ16に伝達している。このようにロータロ
ーラ16と摺動板38を別部品にすることにより、各部
品の製造が容易になるほか、転がりと摺動とに機能を分
けてそれぞれに適した材質で構成できる。
【0087】地板19には取付穴40が設けてあり、該
取付穴40にてキャリッジ搭載物41をキャリッジ33
に固定する。レール35には光学スケール42が取付け
られ、地板10に取付けられた受発光モジュール素子4
3にて該光学スケール42上の符号を検出することによ
りキャリッジ33の位置検出を行なう。尚、光学スケー
ル42の代わりに磁気スケール、受発光モジュール素子
43の代わりに磁気検知素子にした磁気式の位置検出も
可能である。
【0088】図6及び図7はロータローラ及びコロがレ
ールに接する様子を示す断面図である。この第3実施例
はレール35、ロータローラ16、コロ25が湾曲して
いるのが特徴であり、これにより第1実施例、第2実施
例に示したコロ26が無くてもキャリッジの姿勢を安定
に保つ様にしている。ロータローラ16及びコロ25の
円筒面の湾曲の具合は図7に示した様にレール35の湾
曲の曲率半径よりも大きくとった構造にすると姿勢がよ
り安定する。
【0089】前述した実施例の超音波リニアモータの動
力発生部は回転式であるため、本実施例の主要な部品に
より回転型超音波モータを構成することができる。図8
は図1に示した超音波リニアモータの動力発生部を構成
する部品を示し、図9は該部品を利用して構成される回
転型超音波モータの分解斜視図を示す。図9において、
44は該回転型超音波モータの外筒、45は軸、46は
ロータ、49及び50はフレキ4の保護具、51は外筒
44の開放側端面にねじ48で締結される後蓋、47は
フレキ保護具49及び50を後蓋51に締結するための
ねじである。外筒44と後蓋51とで形成される空間内
には、図1に示したステータ1、ボールベアリング2
0、ばね受け22、皿ばね18、防振材17、ロータ4
6が収容される。ロータ46に固定されている出力軸4
5の両端は後蓋51に固定された軸受11とボールベア
リング20とに支持される。
【0090】図10は図1に示した部品を利用して構成
される他の形式の回転型超音波モータの分解斜視図であ
る。図10に示した回転型超音波モータは、図9に示し
たモータの外筒44と後蓋51の代わりに平板の二枚の
地板52及び53によりボールベアリング20及び軸受
11を支持し、両地板52及び53をそれぞれの四隅で
支柱23により連結している点が図9のモータとは異な
っている。すなわち、図10の回転型超音波モータで
は、ロータ46及び皿ばね18並びに防振材17が密閉
されていないで露出している。さらに、ステータ1に一
端を固定されているフレキ4は、チューブ14により地
板53に固定される。
【0091】以上のように、本出願に係る発明の超音波
リニアモータはそれ自身の動力発生部の主要部品がその
まま回転型超音波モータの主要部品となるので、リニア
モータと回転型モータとを同じ製造工程で製造すること
ができ、また、部品の標準化や製品のシリーズ化ができ
るという利点がある。
【0092】尚、図1乃至図7に示した本出願に係る発
明の実施例では、超音波リニアモータの動力発生部のロ
ータと直線出力部材であるローラとが一体化されている
ロータローラが用いられているが、動力発生部のロータ
と出力部材であるローラとを図示実施例のように一体化
せずに両者を別体として構成してもよいことは当然であ
る。また、出力部材であるローラと動力発生部に設けら
れるロータとを同軸に設けるか否かも本出願に係る発明
の範囲内で変更できる。
【0093】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、長いレ
ール全体を振動させる必要がないため、レールが長くな
る程従来の超音波リニアモータにくらべて消費エネルギ
ーの面で有利となる。また、振動がレールの長さに依存
しない構造であるため、レールの長さを変更する度に振
動モードを解析する必要がなく、設計が容易であり、設
計コストが従来の超音波リニアモータに比べて著しく少
なくて済む。さらに、円環型ステータを用いて高精度の
角速度で周回する安定した進行波を利用することによ
り、振動モードの解析や特性予測が容易な超音波リニア
モータであり、ロータやローラの径により減速機能や増
速機能も付加することができ、幅広い特性要求に対応で
きる。また、ステータの全面にロータを圧接するため、
従来の超音波リニアモータに比べて単純な加圧機構であ
りながら加圧斑が発生しにくい構造であり、従って、速
度や推力の特性が安定し、高精度の運転制御が行なえ
る。そして、共振特性の鋭さであるQ値が大きく、共振
器としても優れた特性の円環型ステータを用いているの
で小型でありながら大きな出力が得られる。
【0094】請求項2に記載の発明によれば、振動しな
いレールにキャリッジが乗っているので、キャリッジの
振動が少なく、精密さを要求される機器のモータとして
適している。
【0095】請求項3に記載の発明によれば、キャリッ
ジとレールとの相対位置の間には振動による悪影響が全
くなく、従ってレールに対するキャリッジの位置を精確
に検出することができる。
【0096】請求項4に記載の発明によれば、キャリッ
ジ自体に非接触で検出する検出器を有するので、走行
中、レールに沿っての位置表示手段によりキャリッジの
位置を高精度に知ることができる。
【0097】請求項5に記載の発明によれば、位置検出
手段の検出と電気−機械エネルギー変換素子の給電とを
同一のフレキシブルプリント基板配線により行なわれる
ので、回路の集積化とコンパクト化が図れる。
【0098】請求項6に記載の発明によれば、フレキシ
ブルプリント基板のキャリッジへの固定を拘束部材の嵌
込みだけで容易且つ適確に行なうことができ、組立の自
動化を促進させることができる。
【0099】請求項7に記載の発明によれば、レールの
断面形状がU字形なので構造的に剛性が高く、また、キ
ャリッジがレールに対して3点支持で支持される構造を
採れるため、キャリッジの姿勢が安定であり、キャリッ
ジの位置精度や走行精度が高い。さらに、レールの断面
形状が単純であるため、加工し易く、入手し易く、所望
の長さのレールを用意するだけでユーザ対応でき、製造
コストも安価である。請求項8に記載の発明によれば、
レールの対向する二つの凹湾曲面に凸湾曲したロータが
嵌着されるので、レールが上下反対側の姿勢であっても
キャリッジが抜け落ちることがなく、また、レールに対
するキャリッジの姿勢がより安定して高精度の運転制御
を維持することができる。
【0100】請求項9に記載の発明によれば、レールに
対するキャリッジの姿勢をより一層安定にすることがで
きる。
【0101】請求項10に記載の発明によれば、ステー
タに発生させた進行波のエネルギーを効率良くロータロ
ーラで直線的な推力に変換するので従来の超音波リニア
モータに比べて効率が高い。
【0102】請求項11に記載の発明によれば、大幅に
安価なコストにより高精度な位置検出と走行検出を得る
ことができる。
【0103】請求項12に記載の発明によれば、短時間
に大量の生産が可能であり、従来の超音波リニアモータ
よりも大幅に安価なコストで製造でき、また、ステータ
に発生させた進行波のエネルギーを効率良くロータで直
線的な推力に変換することができる。
【0104】請求項13に記載の発明によれば、組立の
自動化が容易な構造となっているため、短時間に大量の
生産が可能であり、従来の超音波リニアモータよりも大
幅に安価なコストで製造でき、特に、回転型モータと主
要部品を共通化できるため、その効果は更に甚大とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願に係る発明の第1実施例を示した超音波
リニアモータの一部破断分解斜視図。
【図2】本出願に係る発明の第1実施例を示した超音波
リニアモータの概略構造を示す上面図。
【図3】本出願に係る発明の第2実施例を示した超音波
リニアモータの縦断正面図。
【図4】本出願に係る発明の第2実施例を示した超音波
リニアモータの概略構造を示す上面図。
【図5】本出願に係る発明の第3実施例を示した超音波
リニアモータの縦断正面図。
【図6】本出願に係る発明の第3実施例を示した超音波
リニアモータのレール、ロータローラ、コロの形状の第
1例を示す断面図。
【図7】本出願に係る発明の第3実施例を示した超音波
リニアモータのレール、ロータローラ、コロの形状の第
2例を示す断面図。
【図8】本出願に係る発明の超音波リニアモータにおい
て回転型超音波モータと共通化できる主要部品を示した
分解斜視図。
【図9】図8に示した部品を使用して構成される回転型
超音波モータの第1例を示す分解斜視図。
【図10】図8に示した部品を使用して構成される回転
型超音波モータの第2例を示す分解斜視図。
【図11】従来の超音波リニアモータの第1例の概略を
示す側面図。
【図12】従来の超音波リニアモータの第1例の概略を
示す全体斜視図。
【図13】図12に示した超音波リニアモータのレール
の概略を示す上面図。
【図14】図12のレールにおいてレール中心半径が異
なる二つの場合を示すもので、(a)はレール中心半径
が小さい場合の上面図、(b)はレール中心半径が大き
い場合の上面図。
【符号の説明】
1…ステータ 2,55,56
…振動子 3,60…圧電素子 4…フレキシブ
ルプリント基板 5…摩擦材 6…支持部 7…鍔部 8…振動部 9…段 10,19,5
2,53…地板 11…軸受 12…鍔 13…舌状部 14…チューブ 15,45…軸 16…ロータロ
ーラ 17…防振材 18…皿ばね 20…ボールベアリング 21…ハウジン
グ 22…ばね受 23…支柱 24,28…コロ軸 25,26…コ
ロ 27…コロ支持 29,34,3
5,54,58…レール 30,31,32,36,37…面 33,57,5
9…キャリッジ 38…摺動板 39…ばね 40…取付穴 41…キャリッ
ジ搭載物 42…光学スケール 43…受発光モ
ジュール素子 44…外筒 46…ロータ 47,48…ねじ 49,50…フ
レキ保護具 51…後蓋 61…直線部 62…斜線部 63…曲線部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気−機械エネルギー変換素子が取付け
    られていて該素子により進行波振動を発生する円環状ま
    たは円盤状のステータと、該ステータに圧接し、該進行
    波の波頭の動きを摩擦で受けることにより回転駆動する
    ロータと、該ロータと共に回転するローラとを有する超
    音波リニアモータにおいて、該ローラの外周面を非振動
    性のレールの片側壁面へ圧接規制させながら該ロータの
    回転駆動により該レールに沿って摩擦推力を発生させる
    よう非振動レールの対向壁面へ圧接する転動体を有する
    ことを特徴とした超音波リニアモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ステータ、ロータ、
    転動体を前記レールに対して相対的に移動可能となるよ
    うキャリッジに一体的に担持させたことを特徴とする超
    音波リニアモータ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、キャリッジとレール
    との相対位置を検出する位置検出手段を有することを特
    徴とする超音波リニアモータ。
  4. 【請求項4】 請求項3において、位置検出手段はレー
    ルに沿って固定配置された位置表示手段と、該位置表示
    手段に設けられた表示を非接触で検出して出力を生じる
    検出器とから成り、該検出器が前記キャリッジに担持さ
    れていることを特徴とする超音波リニアモータ。
  5. 【請求項5】 請求項3または4において、位置検出手
    段のための電気配線と、前記電気−機械エネルギー変換
    素子のための電気配線とが同一のフレキシブルプリント
    基板に形成されていることを特徴とする超音波リニアモ
    ータ。
  6. 【請求項6】 請求項5において、キャリッジを構成す
    る地板に舌状部を形成し、該舌状部にチューブまたは嵌
    込式パッキンの拘束部材を介して前記フレキシブルプリ
    ント基板が固定されていることを特徴とする超音波リニ
    アモータ。
  7. 【請求項7】 請求項2、3または5において、レール
    は互いに直交する3平面から成るU字形の断面形状を有
    し、該3平面のうち平行に対向する二つの平面に対して
    ロータと二つの転動体とにより3点で支持されることを
    特徴とする超音波リニアモータ。
  8. 【請求項8】 請求項2、3または5において、レール
    は平行状に延在する二つの対向する凹湾曲面を有し、該
    二つの凹湾曲面に対応してそれぞれ円筒外周面が凸湾曲
    したロータと二つの転動体とにより3点で支持されるこ
    とを特徴とする超音波リニアモータ。
  9. 【請求項9】 請求項8において、レールの二つの凹湾
    曲面の曲率に対してロータと転動体の円筒面は大きな曲
    率半径を有することを特徴とする超音波リニアモータ。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3または5において、
    ロータはローラと一体化して構成されていることを特徴
    とする超音波リニアモータ。
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3または5において、
    超音波リニアモータには、該ロータの回転検出手段、ロ
    ーラの回転検出手段、レール挟圧ローラの回転検出手段
    のうち少なくとも一つが設けられていることを特徴とす
    る超音波リニアモータ。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3または5において、
    ステータ及びロータを含む回転動力発生部分が回転型超
    音波モータの主要部の共通部品として構成されているこ
    とを特徴とする超音波リニアモータ。
  13. 【請求項13】 請求項1、2、3または5において、
    ステータ、ロータ、キャリッジの構成部品が回転型超音
    波モータの構成部品と共通化されていることを特徴とす
    る超音波リニアモータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015065809A (ja) * 2015-01-15 2015-04-09 キヤノン株式会社 リニア超音波モータ及びそれを有する光学装置
JPWO2013146922A1 (ja) * 2012-03-27 2015-12-14 株式会社ニコン 振動アクチュエータ、レンズ鏡筒及び電子機器

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