JPH08264640A - 複合半導体基板 - Google Patents

複合半導体基板

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JPH08264640A
JPH08264640A JP6443495A JP6443495A JPH08264640A JP H08264640 A JPH08264640 A JP H08264640A JP 6443495 A JP6443495 A JP 6443495A JP 6443495 A JP6443495 A JP 6443495A JP H08264640 A JPH08264640 A JP H08264640A
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JP
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substrate
semiconductor substrate
semiconductor
etching
silicon
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JP6443495A
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Inventor
Kazuhiro Fujii
一宏 藤井
Tetsuo Kunisawa
哲郎 国沢
Toshihiko Abu
俊彦 阿武
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐湿性に優れた複合半導体基板を提供するも
のである。 【構成】 1または相互に分離された複数個の半導体単
結晶領域と、これを支持する支持基板とが、ガラス物質
によって接合された複合半導体基板において、接合部の
端面がエッチング処理されている複合半導体基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パワー素子等を形成す
ることができる半導体装置用誘電体分離基板を含む複合
半導体基板に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】半導体単結晶領域を相互
に分離する方法として知られている誘電体分離技術は、
標準的な接合分離基板に比べてデバイス間の分離技術が
極めて良好であり、適用回路の制限が少ないことから、
高耐圧や大電流のパワーICに適している。典型的な誘
電体分離方式としては、EPIC(Epitaxial Passivat
ed IntegratedCircuit )方式が知られているが、大ウ
ェハ径への対応や、製造コスト等の問題から他の方法に
ついても種々検討されている。複数の半導体基板を貼り
合わせて基板を製造するSOI(Silicon On Insulato
r)技術もその一つである。中でも基板の貼り合わせに
ついての優れた方法として、例えば、特開昭61−24
2033号公報に開示された方法がある。
【0003】前記公報は、四塩化珪素を主成分とする原
料を酸水素炎で燃焼して得られるすす状物質を半導体基
板表面に堆積し、支持基板を重ね合わせた後、ヘリウム
ガスと酸素ガスの混合雰囲気で加熱処理しすす状物質を
焼結して半導体基板を接合する方法を開示している。こ
の方法は、結晶欠陥の少ない、大ウェハ径の複合半導体
基板を比較的低コストで製造できる点で優れた方法であ
る。従来の、この種の貼り合わせ方法によって製造され
た複数個の半導体単結晶領域を有する基板は、図1に示
すように、通常はSiO2 等の絶縁膜12で覆われた半
導体単結晶島11がガラス物質層13によって支持基板
15に接合されている。
【0004】しかしながら、半導体基板を実装するよう
な場合には過酷な環境に晒されることがあり、このため
耐環境特性、特に耐湿性が問題となる場合が生じてい
る。
【0005】また、最近、さらに大きなウェハ径を有す
る半導体基板が求められるようになり、従来の上記公報
の方法によって接合された半導体基板の中には、大型ウ
ェハ化に伴う反り(外周部と中央部との高低の差)が大
きくなり、その結果、半導体基板に各種デバイスを作り
込む生産ラインにおいて搬送が困難になったり、微細な
フォトリソグラフィ精度を高めることが難しいという問
題点が生じている。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、上記の従来の複合半導
体基板における問題点を解消し、耐湿性に優れ、反りが
小さい複合半導体基板を提供することにある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は、1または相
互に分離された複数個の半導体単結晶領域と、これを支
持する支持基板とが、ガラス物質によって接合された複
合半導体基板において、接合部の端面がエッチング処理
されていることを特徴とする複合半導体基板に関する。
【0008】本発明のシリコン、ホウ素および酸素を主
成分とするガラス物質において、シリコンとホウ素の原
子比(Si/B比)aが過度に大きい場合には接合時の
焼結温度を高くする必要があり焼結時間が長くなり製造
効率が悪くなると共に基板の反りが大きくなり、過度に
小さい場合には耐湿性が悪化するので、その比aは0.
8≦a≦4.0の範囲、好ましくは1.0≦a≦4.0
の範囲が選択される。Si/B比aが1.4≦a≦3.
0の場合には、半導体基板とガラス物質層(前記すす状
物質を焼結して得られる。)との接合面に発生する微小
な空孔が少なく溝の充填状態が良好となり、耐湿性が向
上し、反りも低減するため特に好ましい。
【0009】本発明の複合半導体基板の構成について図
2を参照しながら説明する。複数個の半導体単結晶領域
11は相互に分離されており、互いに電気的に絶縁され
ている。図中に示しているように、半導体単結晶領域1
1の周囲は通常絶縁膜12によって覆われている。な
お、本図では半導体多結晶又はアモルファス半導体から
なる層14が絶縁膜12に接して複数の半導体単結晶領
域11を相互に連結するように設けられおり、この層1
4を所望により適宜設けることにより基板の反りを小さ
くすることができるので好ましい。半導体単結晶領域お
よびこれらを連結した上記の各層は、ガラス物質層13
を介して支持基板15によって支持されている。
【0010】半導体単結晶領域11の材質としてはシリ
コンが代表的であるが、GaAs、GaAlAs、In
P、SiC等の各種化合物半導体やGe等の単元素半導
体であっても良い。
【0011】通常形成される絶縁膜12としては特に制
限は無いが、SiO2 膜が好適に使われる。絶縁膜の厚
さとしては、通常0.5〜2.0μmである。また、基
板の反りを小さくするために所望により形成される半導
体多結晶層14としては、シリコン、Ge等の単元素半
導体の多結晶体層、あるいは、GaAs、GaAlA
s、InP、SiC等の各種化合物半導体の多結晶体層
が挙げられ、また、アモルファス半導体層14として
は、アモルファスシリコン、シリコンゲルマニウム等か
らなるアモルファス半導体層が挙げられる。当該半導体
多結晶層またはアモルファス半導体層の厚さは通常0.
1〜100μm、好ましくは1〜50μmである。
【0012】ガラス物質層13はシリコン、ホウ素およ
び酸素を主成分とするものである。ガラス物質層の厚さ
は薄すぎると完全に接合されない場合があり、また、厚
すぎると接合強度が低下するので0.5μm〜500μ
m、好ましくは0.5〜100μmである。なお、ガラ
ス物質層の焼結温度を低くするためにリン化合物やゲル
マニウム化合物を添加することもできる。
【0013】支持基板15としては、ガラス質との接合
性がよく接合後の接合面に歪みが生じにくく、且つ半導
体単結晶領域11との熱膨張係数が近く複合半導体基板
の反りが小さくなるような材料が選ばれる。通常は半導
体単結晶領域11と同じ材料が選ばれる。
【0014】以上の説明における半導体単結晶領域11
の大きさ又は層の厚さは、半導体単結晶領域相互間で互
いに異なっていてもよい。また、一部の半導体単結晶領
域11が支持基板15と直接接合されていたり、支持基
板の一部分がデバイス表面に現れた構造であってもよ
い。
【0015】上記の説明では半導体単結晶領域は相互に
分離されているが、図3に示すように、該半導体単結晶
領域11が1個であって、絶縁層12、半導体多結晶ま
たはアモルファス半導体層14およびガラス物質13を
介して支持基板15と接合されていても良い。
【0016】次に本発明の複合半導体基板の製造方法の
一例を図4に従って説明する。まず、半導体単結晶領域
11となる半導体基板10の表面に分離溝を形成する。
図ではV字溝となっているが、トレンチ等の形状でも良
く、目的とするデバイスや製造コストを考慮して選ぶこ
とができる。製造方法としては、KOHを用いた湿式の
異方性エッチングやSF6 ガスを用いたドライエッチン
グ等の通常普通に用いられている方法によって製造する
ことができる。溝の深さは、半導体単結晶領域11の厚
さより少し深い程度にするのが良く、通常0.1μm〜
300μm程度である。
【0017】ここで半導体基板10は最終的に半導体単
結晶領域11となるので、材料としては半導体単結晶領
域と同一の半導体である。
【0018】次に半導体基板10の表面に絶縁膜12を
形成する。絶縁膜としてはSiO2膜が好適に使われ
る。SiO2 膜はCVD法等によって形成されるが、半
導体基板10がシリコンである場合は表面を熱酸化して
得られるSiO2 が好適に用いられる。
【0019】次いで絶縁膜12の上に所望により半導体
多結晶またはアモルファス半導体層14を形成する。製
造方法は特に限定されないが、例えば多結晶シリコンの
場合はCVD(chemical vapour deposition)法等によ
り製造することができる。
【0020】次にガラス物質層13を形成した後、支持
基板15を重ね合わせて加熱処理することにより半導体
基板10と支持基板15とを貼り合わせる。ガラス物質
層はシリコン、ホウ素および酸素を主成分とし、これに
所望によりリン化合物およびゲルマニウム化合物を含有
させることができる。ガラス物質層はスート堆積法、C
VD、スピンコート法等によって製造することができ
る。中でもスート堆積法は溝のすみずみまでガラス物質
で充填されるので特に好ましい。
【0021】スート堆積法は、例えばSiCl4 の如き
ケイ素化合物およびBCl3 の如きホウ素化合物を主成
分とする原料を、酸水素炎中で燃焼させることで得られ
るSiO2 およびB2 3 を主成分とするすす状物質
を、半導体基板10の表面に堆積させ、支持基板15と
重ね合わせた後、加熱処理し焼結することによって半導
体基板10と支持基板15とを貼り合わせる方法であ
る。
【0022】スート堆積法による複合半導体基板を製造
する際に使用されるケイ素化合物としては、酸水素炎中
で燃焼させることによりSiO2 を生成する化合物であ
ればよく、一般式SiR1 2 3 4 で表される化合
物(置換基R1 、R2 、R3およびR4 は互いに同一で
も異なっていてもよく、ハロゲン、水素、アルキル基、
アルキルオキシ基から選ばれる置換基である。);ジシ
ロキサン、ポリシロキサン等のケイ素原子を2個以上含
有するシロキサン類;ジシラン、ポリシラン等のケイ素
原子を2個以上含有するシラン類等を挙げることができ
る。この中でも、得られるSiO2 の質および粒度等の
観点から好ましいのは、一般式SiR12 3 4
表される化合物であって、置換基R1 、R2 、R3 およ
びR4 (R1 〜R4 は互いに同一でも異なっていてもよ
い。)が、塩素、水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭
素数1〜3のアルキルオキシ基から選ばれる置換基の場
合である。この中でも特に好ましいのは、上記の置換基
1 、R2 、R3 およびR 4 (R1 〜R4 は互いに同一
でも異なっていてもよい。)が、塩素または水素の場合
である。これらケイ素化合物の具体例として、SiCl
4 、SiH4 、Si 2 6 、SiHCl3 、Si(OE
t)4 およびSi(OMe)4 等を挙げることができ
る。
【0023】ホウ素化合物としては、三塩化ホウ素、ボ
ラン類(BH3 、B2 6 )、BHCl2 、B(OE
t)3 およびB(OMe)3 等を挙げることができ、こ
の中でも供給が容易であることから三塩化ホウ素が好ま
しい。
【0024】なお、すす状物質の焼結温度を低くするた
めに所望により添加されるリン化合物およびゲルマニウ
ム化合物としては、酸水素炎中で燃焼させることにより
リンおよびゲルマニウムの酸化物を生成するような化合
物であれば良く、リン化合物としては、五塩化リン、オ
キシ塩化リン(POCl3 )、ホスフィン(PH3 )等
を挙げることができ、また、ゲルマニウム化合物として
は、四塩化ゲルマニウム、ゲルマン(GeH4 )等を挙
げることができる。これらの中でも、供給が容易である
ことから好ましいのは五塩化リン、オキシ塩化リン(P
OCl3 )および四塩化ゲルマニウムである。
【0025】上記原料の酸水素炎中への供給は、上記原
料が気体であればバルブ等で流量を調整しながら、直接
酸水素炎中に、または水素若しくは酸素に混合して酸水
素炎中に供給して行う。上記原料が液体であれば、噴霧
装置によって供給するか、あるいは水素ガス、酸素ガス
またはアルゴンガス若しくは窒素ガス等の不活性ガスを
キャリアとして、原料の蒸気を同伴させることにより、
あるいは原料を加熱することにより原料そのものの蒸気
圧により圧送するなどの方法により供給することができ
る。
【0026】酸水素炎中に供給された上記原料は火炎加
水分解され、SiO2 およびB2 3 を主成分とするす
す状物質を生成する。このすす状物質はガラスの超微粒
子であって、粒径は0.05〜0.2μm程度である。
なお、酸水素炎とは、酸素と水素を同時に供給すること
によって得られる燃焼炎である。
【0027】生成するすす状物質は、貼り合わせを行う
半導体基板の表面に直ちに堆積させられる。堆積は、酸
水素炎を半導体基板に直接吹き付けることによって行う
ことが好ましい。
【0028】次いで、接合すべき支持基板15をすす状
物質の堆積の上に載置し、前記すす状物質を加熱処理す
ることによって焼結させる。焼結は、半導体基板10に
設けられた溝の谷間の部分に空孔が出来るだけ生じない
ないようにするために、酸素ガスと不活性ガスとの混合
ガス中で熱処理を行うが、その際、酸素ガスは10%以
上、好ましくは実質的に酸素ガス中において行うのが良
い。即ち、酸素ガスが90%以上且つヘリウムガスが2
%以下が好ましく、その他のガスとしては半導体基板等
に対し反応性がないものが使用される。特に酸素ガスが
95%以上、さらに好ましくは99%以上である。焼結
時の熱処理温度は800〜1400℃である。すす状物
質は焼結されるとガラス化し、半導体基板10と支持基
板15とが貼り合わされる。
【0029】この後、半導体基板10を、貼り合わせ面
と反対側から研削しさらに研磨することにより、複合半
導体基板が製造される。貼り合わせに用いる半導体基板
がV字状の溝、トレンチ溝等の溝付き基板であれば、研
削・研磨工程を経て、島状に分離された半導体単結晶領
域11が得られる。
【0030】次いで、半導体基板10の接合部端面をエ
ッチングする。エッチングの方法としては、種々のエッ
チングガスを用いたドライエッチング、種々のエッチン
グ液を用いたウェットエッチング、あるいはプラズマ中
の活性種を利用したプラズマエッチング等を挙げること
ができる。
【0031】これらのエッチング方法のうち、特にウェ
ットエッチングによる方法は最も有効で簡便な方法であ
る。ウェットエッチングに用いるエッチング液として
は、接合に用いたガラス物質を溶解するものであれば特
に限定されないが、通常1〜10重量%のフッ化水素酸
水溶液が好適に使用され、また1〜25重量%のフッ化
水素酸を含む10〜50重量%のフッ化アンモニウム水
溶液でもよい。これらエッチング液を使用すると、実用
的な処理速度が得られ、シリコンウエハに大きな影響を
与えることなく、ガラス物質層のみをエッチング除去で
きるので好ましい。なお、エッチング処理は加熱接合さ
れた複合半導体基板を直接エッチング処理することもで
きるが、複合半導体基板を各チップに切り出した後、エ
ッチング処理を行うこともできる。エッチング処理によ
り、ガラス物質層の端面に発生している亀裂を取り除く
ことができるため、耐湿性が向上する。エッチングは過
度に深くする必要はなく、その深さは、5〜30μm程
度であればよい。
【0032】
【実施例】本発明について、さらに具体的に以下に示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 〔試料1の作製〕図2に示す複合半導体基板を以下のよ
うにして作製した。V字状に加工した凹部を有する基板
は次のようにして製作した。まず、図4に示すように、
面方位(100)面を有する4インチ径、厚さ525μ
mのシリコン基板10の表面に、フォトリソグラフィお
よび異方性エッチングにより50μmの深さにV溝を形
成した。V溝の形成は、フォトエッチングによりSiO
2 のマスクを作製し、Siが露出した領域をKOHの2
0%水溶液90重量部、イソプロピルアルコール5重量
部およびn−ブチルアルコール5重量部からなる、いわ
ゆる異方性エッチング液を用いて温度80℃でエッチン
グすることにより作製した。
【0033】引き続き熱酸化によってV溝の表面に絶縁
膜12としてSiO2 を形成した。次いでV溝が形成し
てある面にCVDにより多結晶シリコンを20μmの厚
さに形成した。
【0034】次いで、ガラス物質のシリコンとホウ素の
原子比(Si/B)aが2.0となるようにガス状のS
iCl4 (供給量210ml/min)およびガス状の
BCl3 (供給量105ml/min)を水素(供給量
850ml/min)と酸素(供給量5000ml/m
in)からなる燃焼炎中に供給し、分解して得られるす
す状物質をV溝が形成された半導体基板10の表面に堆
積させた。すす状物質の堆積量はこれを焼結させた時に
20μmとなるように調節した。別に用意した面方位
(100)面を有する4インチ径、厚さ450μmのシ
リコン基板15をすす状物質の堆積の上に重ね合わせ、
加熱炉内において酸素雰囲気中で1280℃に昇温し3
時間加熱したところ、すす状物質が焼結し、厚さ20μ
mまで体積収縮すると同時にガラス化し、二枚のシリコ
ン基板同士が均一に貼り合わされた。
【0035】このようにして接合された基板を、超音波
画像探査装置(オリンパス社製 UH Pulse20
0)で溝充填状態を調べたところ、空孔が全く存在しな
いことが確認された。さらに、この基板のへき開面を走
査型電子顕微鏡で観察したところ、V字状の溝の隅々ま
でガラスが充填されていた。ガラス物質の組成比を求め
るために同一条件で作製した試料を用い、ガラス物質を
フッ化水素系の水溶液で溶解し、ICPにより定量分析
を行ったところ、Si/Bの原子比aは2.0であっ
た。
【0036】次にシリコン基板10の貼り合わせの反対
面から研磨加工を施し、所定の厚みに加工後、さらにメ
カノケミカル研磨法を用いて研磨加工し、多結晶シリコ
ン層が表面に現れるまで不要部分を除去し、互いに絶縁
分離された島状の半導体領域11を形成した。このとき
の反りは、半導体単結晶領域を上にして平面上に載置し
たときに、周囲より中央部が80μmだけ上に対して凸
状である程度であった。このため、搬送時のトラブルも
なく、フォトリソグラフィ工程における歩留りもよかっ
た。
【0037】この基板を5mm角のチップに切り出した
試料1について、走査型電子顕微鏡を用いてチップ断面
の焼結状態を観察したところ、試料1の半導体基板と支
持基板とは均一に接合されており、貼り合わせ状態は良
好であった。また、溝の充填状態を観察したところ、微
小な空孔の生成がなく、えぐれ等の損傷もみられなかっ
た。
【0038】前記チップに切り出した試料1を以下の方
法でエッチング処理し、エッチング形状の観察を行っ
た。エッチング液としては、半導体用フッ化水素酸(フ
ッ化水素50重量%含有)を重量比10倍の水で希釈し
た溶液を用いた。この水溶液に試料1を浸漬してエッチ
ングを行った。ガラス層は端面から約20μmエッチン
グされていた。
【0039】エッチングされた試料1を、三菱半導体信
頼性ハンドブック(第3版)64頁記載の蒸気加圧試験
に従って耐湿性試験を行った。すなわち、温度121
℃、湿度100%の加圧水蒸気雰囲気中に一定時間放置
した後、チップ端面を走査電子顕微鏡で観察した。上記
雰囲気中に2時間、4時間、8時間、100時間と時間
をかえて放置後観察を行ったが、試料1には何らの変化
は見られなかった。さらに、300時間放置後観察を行
ったが、この場合にも何ら亀裂等の発生は見られず、耐
久耐湿性に優れていた。
【0040】前記試料1の場合と同様にして各種ガラス
組成の貼り合わせ複合半導体基板を作製し、5mm角の
チップに切り出した各試料について走査型電子顕微鏡を
用いてチップ断面の焼結状態を観察し、貼り合わせ状態
や溝の充填状態を調べた。さらに、各試料を温度121
℃、湿度100%の加圧水蒸気雰囲気中に2時間、4時
間、8時間と時間をかえて放置した後、各試料のチップ
端面を走査型電子顕微鏡で観察し、亀裂等損傷の発生を
観察した。貼り合わせ状態、溝充填状態および耐湿性試
験の結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表中、耐湿試験前の走査型電子顕微鏡によ
る貼り合わせ状態の観察時に一部剥離が見られた試料に
は×印を付し、溝の充填状態を観察した際に空孔が見ら
れた試料には×印を付し、一部空孔が見られた試料には
△印を付した。また、高温高湿雰囲気放置試験後の試料
端面の接合面に亀裂やはがれ等が見られた試料には×印
を付した。
【0043】〔試料18の作製〕エッチング処理を行わ
なかったほかは試料7と同様にしてガラス物質のシリコ
ンとホウ素の原子比(Si/B)が1.2である試料1
8を作製した。すなわち、ガラス物質のシリコンとホウ
素の原子比(Si/B)aが1.2となるようにガス状
のSiCl4 (供給量170ml/min)およびガス
状のBCl3 (供給量145ml/min)を水素(供
給量850ml/min)と酸素(供給量5000ml
/min)からなる多層同軸円筒状の酸水素炎バーナー
中に供給し、分解して得られるすす状物質をV溝が形成
された半導体基板10の表面に堆積させた。すす状物質
の堆積量はこれを焼結させた時に20μmとなるように
調節した。別に用意した面方位(100)面を有する4
インチ径、厚さ450μmのシリコン基板15をすす状
物質の堆積の上に重ね合わせ、加熱炉内において酸素雰
囲気中で1280℃に昇温し3時間加熱したところ、す
す状物質が焼結し、厚さ20μmまで体積収縮すると同
時にガラス化し、二枚のシリコン基板同士が均一に貼り
合わされた。
【0044】このようにして接合された基板を、超音波
画像探査装置(オリンパス社製 UH Pulse20
0)で溝充填状態を調べたところ、空孔が全く存在しな
いことが確認された。さらに、この基板のへき開面を走
査型電子顕微鏡で観察したところ、V字状の溝の隅々ま
でガラスが充填されていた。ガラス物質の組成比を求め
るために同一条件で作製した試料を用い、ガラス物質を
フッ化水素系の水溶液で溶解し、ICPにより定量分析
を行ったところ、Si/Bの原子比aは1.2であっ
た。
【0045】次にシリコン基板10の貼り合わせの反対
面から研磨加工を施し、所定の厚みに加工後、さらにメ
カノケミカル研磨法を用いて研磨加工し、多結晶シリコ
ン層が表面に現れるまで不要部分を除去し、互いに絶縁
分離された島状の半導体領域11を形成した。
【0046】この基板を5mm角のチップに切り出した
試料18について、走査型電子顕微鏡を用いてチップ断
面の焼結状態を観察したところ、試料18の半導体基板
と支持基板とは均一に接合されており、貼り合わせ状態
は良好であった。また、溝の充填状態を観察したとこ
ろ、微小な空孔の生成がなく、えぐれ等の損傷もみられ
なかった。
【0047】上記試料18と同様な方法により作製した
貼り合わせ基板から切り出したチップを試料7の場合と
同様にして耐湿性試験を行った。すなわち、温度121
℃、湿度100%の加圧水蒸気雰囲気中に8時間放置し
た後、チップ端面を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、亀裂の発生がみられた。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の複
合半導体基板はチップに切り出した場合の長期の耐湿耐
久性に優れており実用上有用であり、また大型ウェハ径
を有する場合にも反りが小さく、厳格な規格が要求され
るデバイス製造ラインに投入可能であり、フォトリソグ
ラフィの精度を上げ、歩留りを向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の誘電体分離技術によって製造された複合
半導体基板を示す縦断面図である。
【図2】本発明の複合半導体基板の1つの実施態様を示
す縦断面図である。
【図3】本発明の複合半導体基板の1つの実施態様を示
す縦断面図である。
【図4】本発明の複合半導体基板の製造工程を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 半導体基板 11 半導体単結晶領域 12 絶縁膜 13 ガラス物質層 14 半導体多結晶層またはアモルファス半導体層 15 支持基板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1または相互に分離された複数個の半導
    体単結晶領域と、これを支持する支持基板とが、ガラス
    物質によって接合された複合半導体基板において、接合
    部の端面がエッチング処理されていることを特徴とする
    複合半導体基板。
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