JPH0826441A - スライド型開閉扉を備えたコンベア用カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の可動型のカバーユニット、可動型のカ
バー、あるいはヒンジ型扉の窓おける不都合を解消し、
搬送路の定期保全や故障時の補修の作業にきわめて便利
なコンベアカバーを提供する。 【構成】 長尺のベルトコンベアが連設されてなる搬送
路を多数のカバーユニットの連結によって覆ってなるコ
ンベアカバーにおいて、コンベアカバーを構成している
一部のカバーユニットを、作業員の出入りができる大き
さの開口部(2) を備えその開口部(2) に、左右方向にス
ライドして開口部(2) を開閉可能な扉(3)を設けてなる
カバーユニット(1A)で構成し、このカバーユニット(1A)
を２０ｍ程度の間隔毎に介装することによって搬送路の
定期保全や故障時の補修の作業が容易にできるようにな
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、隔離した場所に鉱石や
砕石を遠隔場所に移送するために設備された長尺広幅な
ベルトコンベアを覆うカバーの改良に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば広大な工場の敷地内では鉱
石や石炭等の搬送、砕石場からの砕石の搬送、あるいは
粉粒物の搬送等（以下搬送物という）には長尺広幅なベ
ルトコンベアが使用されている。そしてかかるベルトコ
ンベアによる搬送物の搬送路は、搬送路および搬送物の
風雨からの保護、搬送物から出る粉塵の飛散防止のため
に長尺の搬送路全体に亘ってアーチ状のカバーが設けら
れている。

【０００３】ところがかかる分野に供されているベルト
コンベアには常時かなりの負荷がかかるため、使用中に
そのコンベアロール部や駆動部にしばしば異常が生じて
搬送が不円滑となりやすく、そのため定期的な点検や保
全作業を必要とし、また不意の事故には迅速な補修が要
求されることから、このような保全や補修の作業を行う
場合においてはその都度カバーの一部を取り外さねばな
らないという不便が生じる。

【０００４】かかる不便さの改善策として、長く連結さ
れたカバーの一部を蛇腹式の伸縮カバーで構成したり、
また一部のカバーユニットを一方に移動できる可動カバ
ーで構成し、所望時に搬送路の特定の部分を開放できる
ようになしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記前者
の伸縮可能なカバーでもって搬送路の一部を覆う構造に
おいては、カバー本体を複数の骨材とプラスチックシー
トや帆布のような柔軟なシートで形成しなければなら
ず、さらに伸縮移動させるための装備を必要として設備
費が嵩むばかりでなく、固定型のカバーの部分と比べて
耐久性が劣るため、長期間の使用中にこの伸縮性カバー
の部分を補修したり取り替えたりしなければならないこ
とから、長い搬送路の特定の部分をこの伸縮カバーが用
いられているに過ぎない。

【０００６】上記後者の可動カバーにおいては、カバー
自体の耐久性についてはさほど問題はないが、隣接する
固定カバーと大きさの異なるものを別に製作しなければ
ならいばかりでなく、前者と同様に可動構造になすため
に多大の設備費を必要とする。

【０００７】また搬送路の点検を容易にするため、カバ
ーユニットに開閉可能な窓が設けられているものが実用
化されているが、その窓の開閉手段は一端をヒンジ結合
してなる扉を操作して行うタイプであって、かかるヒン
ジ扉型においては、開いた扉を開き状態に保持するため
の手段をカバーの外側に設備しなければならないばかり
でなく、開口部の大きさに限度があり、専ら搬送路の点
検用として利用されているに過ぎない。

【０００８】本発明は上記した可動型のカバー、あるい
はヒンジ型扉の窓における不都合を解消し、搬送路の定
期保全や故障時の補修の作業にきわめて便利なコンベア
カバーを提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は長い搬送路を覆
う固定カバーユニットの一部に開閉可能にして作業者が
出入りできるスライド型の扉を設けることによって上記
課題を解決したものである。即ち本発明によるコンベア
用カバーは、長尺のベルトコンベアが連設されてなる搬
送路を多数のカバーユニットの連結によって覆ってなる
コンベアカバーにおいて、一部のカバーユニットに作業
員の出入りができる大きさの開口部が設けられ、その開
口部に左右方向にスライドして開口部を開閉可能なカバ
ーユニットの縦半部の断面形状と略同一形状の湾曲した
扉が設けられていることを特徴としているものである。

【００１０】カバーユニットは軽量で耐久性に優れた繊
維強化プラスチツク（ＦＲＰ）でアーチ型に形成し、そ
の側面に開口部を設けてスライド型の扉で開口部を開閉
可能となすことが望ましい。またカバーユニットが垂直
なサイドカバーユニットとアーチ状の天井カバーユニッ
トとによって構成されている場合は、そのサイドカバー
ユニットにも設け、このすらいど型扉を備えたカバーユ
ニットとサイドカバーユニットとを搬送路を覆う多数の
カバーユニットの所望間隔毎に配設するとよい。

【００１１】スライド型扉は、片開き、両開きのどちら
でもよいが、製作コストと構造の簡素化の面から片開き
が好ましい。そして開閉時のスライド方向は左右方向が
よく、また扉のスライド手段は他の建物において従来か
ら汎用されている滑動手段を適用すればよく、特に限定
を要するものではない。

【００１２】

【作用】長尺のベルトコンベアが連設されてなる搬送路
を覆う多数のカバーユニットは、従来同様に搬送路とコ
ンベア上の搬送物を保護するとともに粉粒物の飛散を防
止する。そして開口部とスライド扉を備えたカバーユニ
ットは、搬送路の定期的な点検の監視用と搬送路の補修
や保全作業時の出入り口として役立ち、スライド型の扉
は必要な大きさに開口することができ、また係止手段を
要することなく扉の開口状態を保つことができる。

【００１３】

【実施例】以下本発明の実施例を示している図にもとづ
いて説明すると、本発明におけるカバーユニットは、図
３に示しているように、横断面形状は両側壁が略垂直に
立ち上って、その延長部が緩やかな円弧で形成され、天
井中央面でやや緩やかな傾斜面に形成されたアーチ型カ
バー(1) を形成している。そして(1A)はコンベアベルト
(11)が張設された長い搬送路(12)を覆う多数の前記アー
チ型カバー(1)(1)の一部に介装されるカバーユニット、
例えば単一長さが３〜４ｍのアーチ型カバー(1)(1)の６
〜７個毎に配設されるカバーユニット(1A)であって、そ
のカバーユニット(1A)の構造は、図１および図２に示し
ているように、ＦＲＰ製のカバーユニット(1A)の一側面
に、幅６０ｃｍ、高さ１２０ｃｍの作業者が出入り可能
な大きさの開口部(2) が形成され、その開口部(2) に前
記アーチ型カバーユニット(1)の縦半部の断面湾曲した
形状をなし、左右方向にスライドして開口部(2) を開閉
可能な扉(3) が設けられてなる。

【００１４】本実施例においては、この扉(3) もカバー
ユニット(1A)本体と同じＦＲＰでもって形成され、前記
カバーユニット(1) の断面形状と略同一形状となした湾
曲の扉(3) に形成して、開口部(2) の上下にガイドロッ
ド(4)(5)を平行に配設し、扉(3) の上下端部にこのガイ
ドロッド(4)(5)に係合するスライダー(6)(7)を装着して
左右方向にスライド移動できるようになっている。図中
(8) は扉(3) の把手、(9) はカバーユニット(1A)の補強
リブ、(10)はカバーユニット(1A)をベースレールに固着
するためのフランジである。

【００１５】上記実施例においては、搬送路(11)の天井
となるアーチ状のカバーユニット(1A)の側面に開口部
(2) およびスライド型開閉扉(3) を設けた態様を示して
いるが、図３のようにコンベアシステムのカバーが、上
半部分がアーチ型カバー(1) 、下半部分がサイドカバー
ユニット(21)でもって形成されているときには、前記と
同様に多数のサイドカバーユニット(21)の６〜７個毎の
サイドカバーユニットにも、図４および図５に示してい
るように、開口部(22)およびスライド型開閉扉(23)を設
けるとよい。即ちサイドカバーユニット(21)の中間部に
開口部(22)を設けてその開口部(22)の上下にガイドロッ
ド(24)(25)を張設し、このガイドロッド(24)(25)に沿っ
て扉(23)をスライド移動可能に装着するとよい。図中(2
6)(27)は扉(23)の上下に固着しているスライダー、(28)
は把手である。

【００１６】本実施例においては、アーチ状のカバーユ
ニット(1A)においても、サイドカバーユニット(21)にお
いても、開口部(2)、(22)の上下にロッド(4)(5)、(24)
(25)を平行に架設し、スライド型開閉扉(3)、(23)の上
下にこのロッド(4)(5)、(24)(25) に沿って摺動するス
ライダー(6)(7)、(26)(27) を設け、スライド型開閉扉
(3)、(23)を横動させることによって開口部(2)、(22)を
開閉できるように構成した態様を示している。しかしな
がらスライド型開閉扉(3)、(23)の滑動手段については
この構成に限定されるものではなく、雨戸や各種のスラ
イド型開閉扉に適用されている例えばレールと滑車の手
段でもよい。

【００１７】図６は図３に示しているように、アーチ状
のカバーユニット(1A)とサイドカバーユニット(21)とか
らなる搬送路(12)のカバーシステムにおけるアーチ状の
カバーユニット(1)(1A) の固定手段の一例を示してい
る。即ち、ベルトコンベア(11)の両側に取り付けベース
となるチャンネル鋼材(30)を架設してこの鋼材(30)にＬ
型鋼材(31)を固定する。そしてカバーユニット(1)(1A)
の両端フランジ(10)とＬ型鋼材(31)の合計厚さよりも狭
いクリップ部を備えたＵクリップ(33)をその一端部(33
A) をＬ型鋼材(31)の適所に回動可能に止着し、このＬ
型鋼材(31)の水平面(32)に上記カバーユニット(1)(1A)
のフランジ(10)を載置したのち、クリップ(33)を内側に
回動させて固定している。図３はカバーユニットを固定
した状態を示している。又カバーユニット(1A)、サイド
カバーユニット(21)の取り付けは別個にそれぞれボルト
・ナットで取り付けるようにしてもよい。

【００１８】

【発明の効果】このように本発明によるカバーユニット
は、長尺のベルトコンベアが連設されてなる搬送路を多
数のカバーユニットの連結によって覆ってなるコンベア
カバーにおいて、一部のカバーユニットに作業員の出入
りができる大きさの開口部を設け、その開口部に左右方
向にスライドして開口部を開閉可能なカバーユニットの
縦半部の断面形状と略同一形状の湾曲した扉を設けてな
るものであり、特に開口部を開閉する扉がカバーユニッ
トの縦半部形状と略同一形状としたスライド型であるた
め、ヒンジタイプの従来の開閉扉に比べて開口部の大型
化が容易であるばかりでなく、扉の開口状態を係止する
手段がなくても開口状態を保持することができると共に
搬送物が扉によって障害となることがなく、又コンベア
ベルトも円滑に運行できる。

【００１９】したがって多数のカバーユニットによって
長い搬送路を覆うコンベアシステムのそのカバーユニッ
トの一定間隔毎に本発明の扉付きカバーユニットを介装
しておくことによって搬送路の点検や保全作業を能率よ
く行うことができる。

【００２０】又、サイドカバーユニット(21)は搬送路の
下方側面を覆うサイドカバーユニットの一部に作業員が
出入りできる大きさの開口部が形成され、該開口部に左
右方向にスライドして開口部を開閉可能にしているた
め、コンベアベルトの下面の保守・点検・修理が容易に
行え、塵埃の飛散の防止と共に比較的狭えきな場所でも
左右スライド型開閉扉であるため邪魔になることがな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】スライド型開閉扉の開放状態を示しているカバ
ーユニットの斜視図である。

【図２】スライド型開閉扉の閉じ状態を示しているカバ
ーユニットの斜視図である。

【図３】多数のカバーユニットが連結されてなるコンベ
アカバーの斜視図である。

【図４】スライド型開閉扉を設けたサイドカバーユニッ
トの斜視図である。

【図５】図４のスライド型開閉扉部分の断面図である。

【図６】カバーユニットの取り付け手段の要部を示した
部分斜視図である。

【符号の説明】

１．アーチ型カバー 1A．カバーユニット ２．開
口部 ３．スライド型開閉扉 11．コンベアベルト 12．
搬送路 21．サイドカバー 22．開口部 23．スライド型開
閉扉

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺のベルトコンベアが連設されてなる
   搬送路を多数のカバーユニットの連結によって覆ってな
   るコンベアカバーにおいて、搬送路の天井を覆うカバー
   ユニットの一部に、作業員の出入りができる大きさの開
   口部が設けられ、その開口部に左右方向にスライドして
   開口部を開閉可能なカバーユニットの縦半部の断面形状
   と略同一形状の湾曲した扉が設けられていることを特徴
   とするコンベア用カバー。
2. 【請求項２】 長尺のベルトコンベアが連設されてなる
   搬送路を多数のカバーユニットの連結によって覆ってな
   るコンベアカバーにおいて、搬送路の下方側面を覆うサ
   イドカバーユニットの一部に、作業員の出入りができる
   大きさの開口部が設けられ、その開口部に左右方向にス
   ライドして開口部を開閉可能な扉が設けられていること
   を特徴とするコンベア用カバー。