JPH08262995A - 画像表示装置及びその製造方法 - Google Patents

画像表示装置及びその製造方法

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JPH08262995A
JPH08262995A JP9202995A JP9202995A JPH08262995A JP H08262995 A JPH08262995 A JP H08262995A JP 9202995 A JP9202995 A JP 9202995A JP 9202995 A JP9202995 A JP 9202995A JP H08262995 A JPH08262995 A JP H08262995A
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light
truncated cone
image
microlens
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JP9202995A
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Minoru Shimamune
実 島宗
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Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像表示面における光学的映像が広い視野角
を有すると共に、環境外乱光の反射によって画像情報が
認識しにくくなることのない、明るく鮮明な画像が得ら
れる画像表示装置及びその製造方法を極めて簡便な方法
で提供する。 【構成】 支持板3に多数の光学繊維8の一端面を平面
状に配置した後、支持板3の表面に、光拡散剤6および
界面活性剤を添加した感光性透明樹脂11を塗布し、つ
いで光学繊維8の他端面に光を投射して支持板3におけ
る光学繊維8の端面周辺の感光性透明樹脂11を硬化さ
せて円錐台状のマイクロレンズの光拡散層4を多数形成
することにより、光学的映像の画像表示面3を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学繊維を用いて、画
像を伝送、表示する画像表示装置及びその製造方法に関
するものである。更に詳しくは、大型化が可能であっ
て、広い視野角を有し、環境外乱光に影響されにくく、
解像度の高い鮮明な画像を表示できる装置及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学繊維を用いて光学的映像を伝送、及
び表示する装置としては、実物大の像を表示するイメー
ジガイド、あるいはイメージスコープと呼ばれるものが
あり、拡大の機能を持たせたものは、画像表示面の光学
繊維同士の間隔を入射面より大きくし、画面サイズ数十
インチという大型スクリーンを構成する画像表示装置が
ある。いずれにおいても、画像表示面(スクリーン面)
は光学繊維の切断端面で形成される。該端面から出てく
る光は指向性が強く、画像表示面とある一定範囲の角、
即ち垂直に近い方向からは良く見えるが、画像表示面の
垂直となす角が大きくなると非常に見えにくくなる。こ
の理由は、光ファイバの開口数により、光の出射角に限
定を受けることによるもので、いわゆる視野角が狭いと
いう欠点を持っている。従って、多人数が一度に見るこ
とを前提としている大型スクリーンの場合には、出射光
を広い角度に拡散させる何等かの手段が必要となってく
る。
【0003】この問題に対する従来の対策は、拡散板あ
るいは光散乱フィルム等を画像表示面(以下、主として
大型スクリーンを対象とする場合はスクリーン面と呼称
する。)に貼り付け、光学繊維からの出射光を散乱させ
る方法と、光の出る個々の光学繊維の端面に光散乱構造
を設ける方法の2つに分類できる。前者の方法では、散
乱板および散乱フィルム共に環境外乱光を反射する性質
を持つため、反射光が本来表示すべき画像情報と混じり
合って、画像が不鮮明になる。具体的には画面の解像
度、コントラストが下がるという問題があった。
【0004】後者の光の出る部分のみ光散乱構造を設け
る方法については、多数の光学繊維のそれぞれの端面を
光が散乱しやすい形状に加工することは、特にスクリー
ン面に数十万本の光学繊維が存在する大型スクリーンに
あっては実質上不可能であった。
【0005】一方、光学繊維の束をスクリーン面に対し
て所定角度傾斜した状態で平行に積層する、即ち光学繊
維の軸に対して垂直より浅い角度で切断した端面でスク
リーン面を形成する方法が提案されている(例えば、特
開昭61−11782号公報)。しかしながら、この方
法においては、光学繊維束の軸方向をスクリーン面に対
してどの程度傾斜させるかで、入射面に対する拡大率と
スクリーン面の散乱度合い、即ち視野角とが同時に決ま
ってしまうので、両者を独立に調整することができない
という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、画像表示
面における光学的映像が広い視野角を有すると共に、環
境外乱光の反射によって画像情報が認識しにくくなるこ
とのない、明るく鮮明な画像が得られる画像表示装置及
びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために次の構成を有する。すなわち、本発明の画
像表示装置は、多数本の光学繊維を束状に集束した光学
繊維束の一端および他端面が、それぞれ光学的映像の画
像入射面および画像表示面である画像表示装置であっ
て、(イ)前記画像表示面には、前記光学繊維の端部に
形成された透明な感光性樹脂組成物からなる光拡散層が
円錐台状のマイクロレンズの島として多数分散してお
り、(ロ)該光学繊維の端面からマイクロレンズの円錐
台上底までの高さをH(μm)、マイクロレンズの円錐
台上底の直径をd(μm)、円錐台下底の直径をD(μ
m)としたとき、 0.5d≦H≦D、および 0.2D≦d≦0.8D であり、(ハ)前記光拡散層に添加されている光拡散剤
の前記感光性樹脂に対する添加濃度は、1重量%以上1
0重量%以下であり、かつ、(ニ)前記同様マイクロレ
ンズの高さをH(μm)、前記光拡散層に添加されてい
る光拡散剤の前記感光性樹脂に対する添加濃度をC(重
量%)としたとき、 500≦H×C≦2000 であることを特徴とするものからなる。
【0008】上記装置においては、上記マイクロレンズ
の円錐台下底の直径をD(μm)とし、上記画像表示面
に置ける光学繊維の配列ピッチをL(mm)とすると
き、D/L≦750を満足することが好ましい。
【0009】更に、上記課題を解決するため、本発明に
係る画像表示装置の製造方法は、支持板に多数の光学繊
維の一端面を平面状に配置した後、前記支持板の表面
に、光拡散剤および界面活性剤を添加した感光性透明樹
脂を塗布し、ついで、前記光学繊維の他端面に光を投射
して前記支持板における光学繊維の端面周辺の感光性透
明樹脂を硬化させ円錐台状のマイクロレンズの光拡散層
を多数形成することにより、光学的映像の画像表示面を
形成するにあたり、前記感光性樹脂の前記支持板への塗
布厚さT(μm)は、形成しようとする円錐台状マイク
ロレンズの高さをH(μm)としたとき、 1.5H≦T≦1.8H とすることを特徴とする方法からなる。
【0010】この方法においては、上記感光性樹脂の塗
布準備から、上記光学繊維の他端面に光を投射して前記
支持板における光学繊維の端面周辺の感光性樹脂を硬化
させるまでの間、処理室内及び前記光学繊維や支持板の
温度を均一かつ一定に保持することにより、光学的映像
の画像表示面を形成することが好ましい。
【0011】
【作用】本発明によれば、光源から光学的映像が光学繊
維束の画像入射面に投射されると、画像を構成する個々
の画素がそれぞれの光学繊維中を伝って、画像表示面の
出射端に到達する。光学繊維の出射面から出射した全て
の画素は、それぞれが円錐台状のマイクロレンズ中の光
拡散剤で拡散され、透明樹脂を透過した後に出射する。
【0012】このように円錐台状のマイクロレンズとす
ることにより、画像表示面に形成される光学的映像は、
広い視野角を有すると共に、環境外乱光の反射によって
画像情報が認識しにくくなることのない、明るく鮮明な
画像が得られる。
【0013】
【実施態様】本発明の一実施態様に係る画像表示装置
を、大型スクリーンの場合を例にとって説明する。図1
は、本発明に係る画像表示装置の一実施例の模式図であ
る。図1において、1は、光学的映像などの画像情報を
伝送する光学繊維の束であり、2は、個々の光学繊維8
の端面が平面状に密接して配列された画像入射面、3
は、光学繊維が入射面と相似の配列で、かつ、入射面2
よりも低い密度で配列された画像表示面、すなわちスク
リーン面である。また、表示面3上の4は、個々の光学
繊維8の出射端面7に後述する方法で形成された透明樹
脂の硬化領域、即ちマイクロレンズといわれる円錐台状
の凸レンズ(以下、マイクロレンズと称する。)であ
り、光拡散層のことである。なお、画像入射面2への画
像入射方法は、例えば透過型液晶画面を画像入射面に密
着させて背面から光を当てるとか、映写機やビデオプロ
ジェクターで画像を入射面に直接投影する。
【0014】図2は、図1のマイクロレンズの拡大平面
図、図3は、図2のマイクロレンズのX−X矢視断面図
である。それぞれの光学繊維8は、スクリーン面3を構
成する支持板3aの表面と端面をそろえて鋭利に切断さ
れ、端面7の上にマイクロレンズ4が形成される。5
は、マイクロレンズ4を構成する透明樹脂、6は、透明
樹脂中に添加する光拡散剤である。マイクロレンズ4
は、各々の光学繊維7の端面に1個ずつ形成しても良い
が、3〜4本あるいはこれ以上の任意の本数の光学繊維
の束の端面毎に、1個ずつ形成することもできる。そう
することによって3原色の画像を光学繊維の束毎に別々
に送り、スクリーン面3で合成してカラー表示すること
もできるし、青色のように弱めの原色に対しては、2本
の光学繊維で送り、全体の色のバランスを整えることも
できる。
【0015】次に、図4は、本発明において光拡散用マ
イクロレンズ4を形成するための具体的方法を示した図
であり、この図に基づいて本発明の製造方法を説明す
る。まず、支持板3aの上に光拡散剤6を添加した感光
性樹脂11をバーコーター等の手段を用いて数百μmの
厚さに塗布する。次に画像入射面2から光源9により感
光性樹脂の硬化に適した波長の光を照射することによ
り、光は、個々の光学繊維8自身によって画像表示面ま
で伝えられ、光拡散剤6で散乱され、光学繊維端面の周
辺部に各方向への光の強さに対応した樹脂の硬化領域で
あるマイクロレンズ4が形成される。一定時間(詳細後
述)照射後、未硬化の樹脂を除去することにより、スク
リーン面3に硬化した樹脂だけが残り、各光学繊維の端
部それぞれにマイクロレンズ4が形成される。なお、1
2は支持架台を示している。
【0016】ところで、ここで用いる感光性樹脂とは、
可視光の透過を妨げないできるだけ透明なものが好まし
く、光によって橋かけ反応を行う基を持つ高分子化合
物、光橋かけ剤を混合することによって重合するモノマ
ー等の樹脂を使用し得るが、特に硬化の安定性、光学繊
維との接着性の面からアクリル、ポリアミド、ポリエス
テル、等の感光性樹脂が好適である。また、本発明では
感光性の定義として、広くは可視光から電子線、X線ま
での光で硬化する樹脂を含むが、入手の容易さ、取扱い
の容易さ、取扱い易さの点で紫外線硬化型樹脂が好まし
い。
【0017】照射用光源は、使用する樹脂の特性に合わ
せて選定することになるが、例えば一般の紫外線硬化樹
脂の場合は300〜400nmの波長の紫外線を発生す
ることが好ましく、メタルハライドランプ、高圧水銀
灯、水銀キセノンランプ等が適している。
【0018】添加する光拡散剤は、可視光波長の800
nmよりも粒子の大きな透明粒子状体が好ましく、具体
例としては、ガラス、水晶、SiO2 LiF、NaF
等の無機材料の粒状体、メタクリル樹脂、スチロール樹
脂、四フッ化エチレン樹脂等の透明性有機材料からなる
穀体が上げられるが、感光性樹脂中に形成した微多孔内
に包含されるような空気、N、Ar等の気体でもよい。
一般には、安定性、分散性、価格等を考慮すると、ガラ
ス、SiO2 、Al2 3 などの無機材料が好ましい。
またそれらを用いる場合の具体的方法としては、 数μ
m〜数十μmの粒状体を1〜10重量%添加するのが効
果的である。これにより、拡散剤の添加量が多すぎると
光透過を妨げることになり、情報を視認するための明る
さ、即ち輝度が不足することになる。逆に、添加量が少
ないと視野角における輝度の向上効果が得られなくな
り、正面輝度に対する輝度保持率が低下する。
【0019】ここで、特に重要なのは、上記拡散剤が添
加された光拡散層を構成するマイクロレンズの形状であ
る。本発明は、マイクロレンズが円錐台状であることを
大きな特徴としており、円錐台状であるが故に高い正面
輝度と視野角を広げても高い輝度保持率を維持すること
ができる。
【0020】すなわち、光学繊維の端面から、マイクロ
レンズの円錐台の上底までの高さをH(μm)マイクロ
レンズの円錐台上底の直径をd(μm)、同円錐台下底
の直径をD(μm)としたとき、マイクロレンズの好ま
しい高さHは、0.2d以上D以下であり、かつ、マイ
クロレンズの好ましい上底dは、0.2D以上0.8D
以下である。レンズ高さHが、0.2dに満たない場合
には、正面輝度が高くても、視野角における輝度保持率
が低くなりすぎるし、Dを越える場合には、レンズ高
さ、すなわち拡散層の高さが高くなりすぎて、正面輝度
が低下し、画面が暗くなるので好ましくない。
【0021】また、レンズの上底dが0.2D未満のと
きには、レンズの上底から正面へ、光が出射する面積が
小さくなるため、正面輝度が低くなり、0.8Dを越え
ると、正面輝度は高くなるが、円錐部の立上り角が大き
くなり、レンズ周辺部横方向への光の出射面が小さくな
るため、視野角における対正面輝度保持率が低下するこ
とになるので好ましくない。
【0022】次いで、上述のレンズ高さと前述のレンズ
高さにも重要な関係があることを見出し、本発明を確立
するに至った。すなわち、マイクロレンズの高さをH
(μm)拡散剤濃度をC(重量%)としたとき、H×C
が500〜2000とされ、好ましくは、750〜15
00の値になるように設計することが望ましいことであ
る。このことは、高さの低いマイクロレンズの場合に
は、上述の形状の条件の範囲において、拡散剤濃度を高
くして視野角輝度保持率を高め、高いマイクロレンズの
場合には、拡散剤濃度を低くして正面輝度を適度に維持
することができることを意味するものである。
【0023】さらにマイクロレンズの円錐台下底の直径
をD(μm)、画像表示面における光学繊維の配列のピ
ッチをL(mm)とするとき、D/Lが750以下であ
ることが好ましい。D/Lが750を超えると、マイク
ロレンズの径が大きすぎるので、出射光が拡散しすぎる
ためか、スクリーン正面からの輝度が不足することにな
るばかりでなく、特に画像のシャープさが維持できなく
なる。即ちスクリーン面3の地の部分である支持板3a
を形成する部材は、暗色体、特に黒色体とすることが好
ましい。この支持板3aとしては、セラミック、金属、
高分子等の材料を使用できるが、加工性、接着性、重量
等の面から、ポリエステル、ポリアミド、ABS、塩化
ビニル等の高分子材料が好適である。この地の部分の面
積は、画像表示面3の面積の50%以上であることが、
画像のコントラストを維持するために好ましく、前述の
D/Lが750以下はこの条件を満たすことができる。
【0024】次に本発明の円錐台状のマイクロレンズ4
を形成するためには、図4に示すように適度な樹脂の塗
布厚みT(μm)が必要である。樹脂の塗布厚みTを、
要求されるマイクロレンズの高さH(μm)に対し、
1.5H以上1.8H以下とすることにより、目的とす
るマイクロレンズを形成することができる。一般的に感
光性樹脂においては、空気中の酸素が重合禁止剤として
作用するので、酸素で重合が抑制される未反応部を見込
む必要がある。この未反応部の見込み樹脂層を存在させ
ないと、光照射量をいかにコントロールしても望み得る
円錐台状のマイクロレンズは形成ができず、円盤や球面
状のレンズとなり、目的の性能を持ったレンズが得られ
ない。すなわち、1.5Hに満たない樹脂塗布厚さで
は、目的とするレンズ高さが、得られず、正面輝度は高
いが、視野角における対正面輝度保持率の低いレンズ形
状となり、また、1.8Hを越えるとレンズ高さが高く
なるだけでなく、必要以上の厚みがあるとレンズは円錐
台形状とはならず、球面状となるために、正面輝度の性
能が劣ったものとなる。このような樹脂の塗布厚みTに
おいて、本発明の目的とする円錐台状のマイクロレンズ
の形状、すなわち 0.5d≦H≦D、0.2D≦d≦
0.8dを満足するマイクロレンズ4をうまく形成でき
る。
【0025】尚、支持板3a上の未硬化部分の樹脂を除
去するには、硬化部のマイクロレンズの形を保つ面から
機械的な力を加えずアルコール等の溶媒で溶解、除去す
るのが望ましい。しかし、溶媒の種類によっては後述の
スクリーン面構成部材、あるいは硬化した樹脂そのもの
にも影響をおよぼす場合があり不適である。最も良い方
法は、図4のマイクロレンズを形成した画像表示面3を
垂直にたてかけて、未硬化樹脂を自由落下させて除去す
ることである。これによると硬化および未硬化樹脂の境
界に触れることがないため、光量分布に応じて形成され
たマイクロレンズの表面を全く損傷すること無く目的と
する品質の良いレンズを形成することができる。この場
合、ブラシ、ヘラ等で未硬化樹脂を除去した場合には、
レンズ形状を変形させることが応々にして発生し、光の
方向性が異なるマイクロレンズを形成することになって
好ましくない。
【0026】マイクロレンズ4は、円錐台形状を形成す
るためにスクリーンの地の部分に不必要に広がらせない
ようにしなければならない。この条件を満たす照射時間
は、例えば紫外線硬化樹脂の場合、出力0.5kw〜1
kwのメタルハライドランプを用いれば数秒〜数分の間
である。しかし、これだけでは樹脂の硬化及び光学繊維
への接着が不十分なだけでなく、未硬化部を自由落下で
除去した場合、硬化樹脂部表面に未硬化樹脂がコートさ
れている状態となっており、このままでは実用に共し得
ない。従って、未硬化部分を除去した後、形成された光
拡散層に再度光を照射する方法がある。すなわち、マイ
クロレンズの硬化に要したものと同種の光を、光源10
の位置からスクリーン面に照射する方法を、同時に実施
しても良い。これにより、形成されたマイクロレンズ4
は、光学繊維の切断面7との接着力が増して充分な強度
を保つことができる。また、樹脂の硬化度が増すことに
よって透明性が向上し、全体が均一になって、画像品質
の上でも顕著な改善効果が得られる。
【0027】以上述べた方法で期待する効果を得るため
には、図3の状態において、感光性樹脂がスクリーン面
にムラなく塗られていることが必要である。スクリーン
面3は、上述のように反射をできるだけ少なくし、且つ
光学繊維の切断面7と強固に接着されねばならないとい
う要求から、その材質を黒色の樹脂または金属とするこ
とが多い。感光性樹脂は、一般的に表面張力が大きく濡
れ性が良くなく、そのまま塗布する場合には界面でのハ
ジキ現象のため気泡が発生して樹脂で塗られない部分が
できてしまう。本発明の製造方法では、界面活性剤を予
めスクリーン面に塗布するかあるいは感光性樹脂に直接
界面活性剤を添加することにより、スクリーン面にムラ
なく塗布することができる。
【0028】ここで用いる界面活性剤は、本用途の感光
性樹脂に要求される特性、即ち透明性、光学繊維との接
着性を阻害するものでなければ多種類のものを採用し得
る。すなわち、一般に界面活性剤として知られている脂
肪酸塩類、アンモニウム塩類、エーテル類の他に、表面
張力を下げる効果のあることが知られているシリコンオ
イル等を使用してもよい。
【0029】さらに前記感光性樹脂の塗布準備、すなわ
ち、均一に塗布するために支持板3aとともに光学繊維
の端面7を均一平滑に研磨を実施することから、感光性
樹脂を前記条件で塗布し、光学繊維の端面周辺の感光性
樹脂を感光させるまでの間、処理室内及び光学繊維や支
持板の温度を均一かつ一定に保持することが極めて重要
である。
【0030】先に記述したように支持板3aを形成する
部材はセラミック、金属、高分子等の材料を使用できる
が、加工性、取扱い性の面から高分子材料が好ましく用
いられる。しかし高分子材料において形成された支持板
は温度によって変形するため、均一かつ一定の温度に保
つことが必要である。
【0031】すなわち、本発明の円錐台形状のレンズを
正しく形成するためには、スクリーン面である支持板3
aの面が凹凸なく、かつ水平であることが基本的に必要
であり、支持板3aの研磨においては、平面精度を10
0μm以下、より好ましくは50μm以下とすべきであ
る。この条件を維持するためには、支持板3aはもちろ
んその周辺の環境の温度変化を生じさせないことが重要
である。特に支持板3aに温度変化が起こると、支持板
の中央部が凹んだり、凸になったりする結果、目的とす
る感光性樹脂を均一に塗布することができなくなる。そ
の結果、レンズ形状は目標から外れたものとなり、均一
な正面輝度が得られず、視野角における輝度保持率も部
位によって変化し、品位の低い、明るさムラのある映像
しか得られないスクリーンとなる。従って、レンズ形成
時の環境温度は±1℃以下、より好ましくは±0.5℃
以下に管理し、レンズ形成することが好ましく、そうす
ることにより、目標とする形状のマイクロレンズを形成
することができ、品位の高い均一な明るさの映像のスク
リーンを製造することができる。
【0032】以上に述べた本発明の製造方法によれば、
一つの支持板上に多数の光拡散層を同時に、かつ、正確
に形成することができるので、映像性能の極めて高い画
像表示装置を無理なく製造することができる。
【0033】また、係る製造方法によって得られた本発
明の表示装置は、以下に述べる優れた効果を有する。 (1)画像表示面における光学的映像の視野角を広い範
囲にわたって、任意に設定することができる。 (2)正面輝度の高い画像表示面、すなわち明るく鮮明
な光学的映像が得られる。例えば、上記光学的映像の視
野角の大小を判断する指標として、対正面輝度保持率
(%)を用いると、本発明の光拡散層を有しない従来の
画像表示面では、視野角20度における対正面輝度保持
率は、せいぜい10%止まりであったが、本発明の装置
では約50%以上もの大きな対正面輝度保持率を得るこ
とができる。なお、視野角20度おける対正面保持率
(%)とは、以下の定義によって表されるものである。
入射面から光を投射し、スクリーン表示面の正面(面に
対して垂直方向)の一定距離から輝度(cd/m2 )を
測定する。これを正面輝度(k0)とし、次に左または
右に視野角20度をとり、表示からの距離を同様に保っ
て輝度を測定する。この距離を視野角20度における輝
度(k20)とするとき、対正面輝度保持率(%)は、
(K20/K0 )×100で表される。 (3)円錐台形状レンズの光拡散層を形成したことによ
って環境外乱光の反射が無くなるため、鮮明な画像が得
られる。
【0034】
【実施例】
実施例1 上述した図1〜図3の画像表示装置において、光学繊維
8として、コアがPMMA(屈折律1.49)、クラッ
ドがフッ素系樹脂(屈折率1.41)から成る線径40
0μmのプラスチック光ファイバを用いた。画像入射面
2の形状を146mm×205mmの矩形状とし、ファ
イバーを六方最密状態で積層した。一方、画像表示面3
は、光学繊維8の配列を相似形としてファイバーのピッ
チを2mm間隔、即ち5倍の拡大機能を持たせた。従っ
て、画像表示面3の寸法は、760mm×1000mm
となった。なお、スクリーン面3の他の部分の支持板3
aにはABS樹脂を用いた。
【0035】また、画像表示面3の形成方法は、各光学
繊維8を支持板3aの面と合わせて切断し、ファイバー
端面と支持板面を研磨して同一平面状に均一化した後、
光拡散剤として直径が5μmのAlO3 の粉末を3.5
重量%、表面張力を下げるためのシリコンオイル1重量
%を添加、混合したアクリル系の紫外線硬化樹脂を50
0μmの厚さに塗布し、入射面2から紫外線を10分間
照射して、画像表示面3上に散乱用マイクロレンズとな
る樹脂硬化部分を形成させた。なお、光源2には、出力
1kwの高圧水銀灯を用い、画像表示面3で紫外線強度
を0.3w/m2 に設定した。照射後、紫外線硬化樹脂
の未硬化部を除去し再度出力400wのメタルハライド
ランプ(3基)を光源10に用い、スクリーン面に紫外
線を連続2.5時間照射して最終的なスクリーン面3を
形成した。なお、ファイバ端面と支持板面の研磨からマ
イクロレンズ生成の樹脂硬化までの間は各部材、室温と
もに22±0.5℃を維持した。さらにファイバ端面と
支持板研磨による面精度は50μ以下に管理した。
【0036】その結果、マイクロレンズ高さHは300
μmの円錐台形状となり、上底の直径dは510μm、
下底の直径Dは1050μmであり、完全に硬化した円
錐台形状レンズはファイバとの接着力も充分で運搬や表
示面の清掃等の衝撃に耐えられる強度のものが得られ
た。完全に硬化し、ファイバーとの接着力も充分で運搬
や表示面の清掃等の衝撃に耐えられるものであった。こ
れらの条件はすべてその適合範囲を満足するものであ
り、画像表示面3上の光学的映像は、視野角における輝
度の保持性は高く、視野角20゜において対正面輝度4
9%に保持できた。その時の正面輝度は350cd/m
2 で申し分ない明るさであった。
【0037】実施例2〜4 次に、拡散剤添加量C(重量%)、透明樹脂塗布厚さT
(μm)、紫外線照射時間及びその強度を適宜調整した
他は、実施例1と全て同じ条件で3種類の画像表示面を
形成した。表1に示したように、条件はすべて適合範囲
を満足するものであった。その結果、正面輝度がそれぞ
れ340、370、325cd/m2 で、視野角20度
の対正面輝度保持率がそれぞれ51、45、47%のも
のが得られた。
【0038】比較例1〜4 次に比較のため、レンズ形状を変え、円錐台形状の本発
明条件に適合しないマイクロレンズ比較例1、2や、拡
散剤濃度が条件を満たさないもの(比較例3)あるい
は、レンズ形成時に環境の温度管理をせず、朝〜夕にか
けての温度変化のある条件(比較例4)に設定し、比較
例2と3ではレンズ形成時のUV照射量を若干変更した
がその他の製造条件や製造方法は実施例1と同様にして
スクリーン面3を形成した。
【0039】以上の実施例1〜4、比較例1〜4の条件
とその効果をまとめたのが表1である。表1から明らか
なように、実施例1〜4のいずれもレンズ形状(d、
D、H)や拡散剤濃度Cに差異はあるものの、正面輝度
と対正面輝度保持率は、適度な値を示していて、映像性
能に全く問題がない。これに対し、比較例1では実施例
1のUV照射条件においては円錐台形状のレンズを形成
することができず球面状のレンズとなった。即ち感光性
樹脂の塗布厚さが厚すぎたため、円錐台の上底を形成す
るだけのUVエネルギーが得られなかった。その結果、
レンズ高さが高くH×Cに適合しないだけでなく球面と
なったため正面輝度の低い、すなわち暗い画面となり、
映像の視認性に乏しかった。
【0040】比較例2では拡散剤濃度が低かったことに
より、レンズ形状の円錐台条件を満たすことができなか
った。その結果正面輝度も、視野角における対正面輝度
保持率に劣るもであった。比較例3は、拡散剤濃度Cと
円錐台形状レンズ高さ及びレンズ径に不適合があるた
め、正面輝度に対する視野角での輝度保持特性は高い
が、正面輝度の極めて低いものとなり、特にD/Lが不
適でコントラストの低いものであった。比較例4では研
磨行程からレンズ形成終了までの間の環境温度を管理し
ていなかったため、支持板面が変形2より、凸凹を生
じ、円錐台形状の大〜小レンズができ、部分的にバラツ
キを生じた。その結果、画像表示面上の輝度や視野角輝
度保持率にムラを生じ、映像品位に欠けるものとなっ
た。従って、正面輝度と視野角を個々に比較例と対比す
ると差異はあるが、両者がバランスよく高いのは実施例
1〜4であることが分かった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像表示
装置においては、画像表示面における光学的映像が広い
視野角を有すると共に、環境外乱光の反射によって画像
情報が認識しにくくなることのない、明るくて鮮明な画
像が得られる。
【0043】すなわち、屋外を問わず、液晶画面などで
表示できる小さな画像を拡大してコントラストの高い鮮
明な画像を表示することができ、大人数で同時に見るこ
とのできる50〜200インチ程度の大型表示装置とし
て非常に有用なものである。また、画像表示面には多数
の円錐台形状のマイクロレンズの光拡散層が島状に分布
するので、必然的に表示面上には凹凸面が形成され、環
境外乱光を極めて反射しにくくし、光拡散層で表現され
る情報光の認識において環境外乱光と混じり合ったり、
情報光が認識しにくくなるといった欠点もなく、目視に
て情報光を極めて認識し易くするものである。
【0044】また、本発明に係る画像表示装置の製造方
法によれば、多数の光学繊維の一端面を平面状に配置し
た支持板表面に光拡散剤および界面活性剤を添加した感
光性透明樹脂を塗布し、次いで光学繊維の他端面から光
を投射して支持板上の感光性透明樹脂を硬化させるた
め、かかる操作で一つの支持板上に多数の光拡散層を同
時に、かつ、容易に形成することができ、画像表示装置
を極めて容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る画像表示装置の概略構
成図である。
【図2】図1の装置におけるマイクロレンズの拡大平面
図である。
【図3】図2のX−X線に沿う断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る画像表示装置の製造方
法の説明図である。
【符号の説明】
1 光学繊維束 2 画像入射面 3 画像表示面(スクリーン面) 3a 支持板 4 円錐台形状レンズ(光拡散層) 5 硬化した感光性透明樹脂 6 光拡散剤 7 光学繊維の切断端面(画像出射面) 8 光学繊維 9、10 光源 11 塗布された感光性樹脂 12 支持架台 d 円錐台形状レンズの上底の直径 D 円錐台形状レンズの下底の直径 H 円錐台形状レンズの高さ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数本の光学繊維を束状に集束した光学
    繊維束の一端および他端面が、それぞれ光学的映像の画
    像入射面および画像表示面である画像表示装置であっ
    て、 (イ)前記画像表示面には、前記光学繊維の端部に形成
    された透明な感光性樹脂組成物からなる光拡散層が円錐
    台状のマイクロレンズの島として多数分散しており、 (ロ)該光学繊維の端面からマイクロレンズの円錐台上
    底までの高さをH(μm)、マイクロレンズの円錐台上
    底の直径をd(μm)、円錐台下底の直径をD(μm)
    としたとき、 0.5d≦H≦D、および 0.2D≦d≦0.8D であり、 (ハ)前記光拡散層に添加されている光拡散剤の前記感
    光性樹脂に対する添加濃度は、1重量%以上10重量%
    以下であり、かつ、 (ニ)前記同様マイクロレンズの高さをH(μm)、前
    記光拡散層に添加されている光拡散剤の前記感光性樹脂
    に対する添加濃度をC(重量%)としたとき、 500≦H×C≦2000 であることを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記マイクロレンズの円錐台下底の直径
    をD(μm)とし、前記画像表示面における光学繊維の
    配列ピッチをL(mm)とするとき、 D/L≦750 を満足する、請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 支持板に多数の光学繊維の一端面を平面
    状に配置した後、前記支持板の表面に、光拡散剤および
    界面活性剤を添加した感光性透明樹脂を塗布し、つい
    で、前記光学繊維の他端面に光を投射して前記支持板に
    おける光学繊維の端面周辺の感光性透明樹脂を硬化させ
    円錐台状のマイクロレンズの光拡散層を多数形成するこ
    とにより、光学的映像の画像表示面を形成するにあた
    り、前記感光性樹脂の前記支持板への塗布厚さT(μ
    m)は、形成しようとする円錐台状マイクロレンズの高
    さをH(μm)としたとき、 1.5H≦T≦1.8H とすることを特徴とする画像表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記感光性樹脂の塗布準備から、前記光
    学繊維の他端面に光を投射して前記支持板における光学
    繊維の端面周辺の感光性樹脂を硬化させるまでの間、処
    理室内及び前記光学繊維や支持板の温度を均一かつ一定
    に保持することにより、光学的映像の画像表示面を形成
    する、請求項3に記載の画像表示装置の製造方法。
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