JP3440527B2 - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

Info

Publication number
JP3440527B2
JP3440527B2 JP00643194A JP643194A JP3440527B2 JP 3440527 B2 JP3440527 B2 JP 3440527B2 JP 00643194 A JP00643194 A JP 00643194A JP 643194 A JP643194 A JP 643194A JP 3440527 B2 JP3440527 B2 JP 3440527B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image display
light
image
optical fiber
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00643194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07209524A (ja
Inventor
昭典 山本
実 島宗
成人 原口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP00643194A priority Critical patent/JP3440527B2/ja
Publication of JPH07209524A publication Critical patent/JPH07209524A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3440527B2 publication Critical patent/JP3440527B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数の光学繊維の一端
面から光学的映像を他端面の画像表示面に伝送、表示す
る画像表示装置の改良に関し、詳しくは、画像表示面の
大型化が可能であって、広い視野角を有し、環境外乱光
に影響されにくく、解像度の高い鮮明な画像を表示でき
る画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多数の光学繊維を用いて光学的映像を伝
送、表示する従来の装置としては、実物大の像を表示す
るイメージガイド、あるいはイメージスコープと呼ばれ
るものが知られている。この装置は、光学繊維の出射面
である画像表示面における光学繊維同士の間隔を入射面
より大きくすることにより、画像表示面において拡大映
像を得るもので、その画面サイズは、数十インチという
大型スクリーンのものである。かかる装置は、いずれの
ものも画像表示面(スクリーン面)が多数の光学繊維の
切断端面で形成され、この端面から出射される光は指向
性が強く、画像表示面とある一定範囲の角、即ち垂直に
近い方向からは良く見えるが、画像表示の垂直となす角
が大きくなると非常に見えにくくなるという、いわゆる
視野角が狭いという欠点を持っている。従って多人数が
一度に見ることを前提としている大型スクリーンの場合
には、出射光を広い角度に拡散させる何等かの手段が必
要となってくる。
【0003】この問題に対する従来の対策は、光散乱板
あるいは光散乱フィルム等を画像表示面(以下、主とし
て大型スクリーンを対象とする場合はスクリーン面と称
する。)に貼り付けて光学繊維からの出射光を散乱させ
る方法と、光の出る個々の光学繊維の端面に光散乱構造
を設ける方法の2つに分類できる。しかし、前者の方法
では、散乱板及び散乱フィルム共に環境外乱光を反射す
る性質を持つため、反射光が本来表示すべき画像情報と
混じり合って画像が不鮮明になるという欠点、具体的に
は画面の解像度、コントラストが下がるという問題があ
った。
【0004】また、後者の光の出る部分にのみ光散乱構
造を設ける方法については、多数の光学繊維のそれぞれ
の端面を光が散乱しやすい形状に加工することが、特に
スクリーン面に数十万本の光学繊維が存在する大型スク
リーンにあっては実質上不可能であった。
【0005】一方、光学繊維の束をスクリーン面に対し
て所定角度傾斜した状態で平行に積層する、即ち光学繊
維の軸に対して垂直よりも浅い角度で切断した端面でス
クリーン面を形成する方法が提案されている(例えば、
特開昭61−11782号公報)。しかしながら、この
方法においては、光学繊維束の軸方向をスクリーン面に
対してどの程度傾斜させるかで、入射面に対する拡大率
とスクリーン面の散乱度合い、即ち視野角とが同時に決
まってしまうので、両者を独立に調整することができな
いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、画像表示
面における光学的映像が広い視野角を有すると共に、環
境外乱光の反射によって画像情報が認識しにくくなるこ
とのない、明るく鮮明な画像が得られる画像表示装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る画像表示装置は、多数の光学繊維を束
状に集束した該光学繊維束の一端面および他端面が、そ
れぞれ光学的映像の画像表示面および画像入射面である
画像表示装置であって、(イ)前記画像表示面には、前
記光学繊維の端部に形成された感光性透明樹脂からなる
光拡散層が凸レンズ状の島として多数分散しており、
(ロ)前記凸レンズの光学繊維の端面から球面の頂きま
での高さは、前記光学繊維の直径をd(μm)としたと
き、d/4以上3d/2以下であり、(ハ)前記光拡散
層に添加されている光拡散剤の前記感光性透明樹脂に対
する添加濃度は、1重量%以上10重量%以下であり、
かつ、(ニ)前記凸レンズの高さをH(μm)、前記光
拡散剤の添加濃度をC(wt%)とするとき、H×Cの値
が150以上1000以下であることを特徴とする。こ
の場合、前記凸レンズの直径D(μm)は、前記光学繊
維径d以上3d以下にするのが好ましい。
【0008】
【0009】
【作用】本発明によれば、光源から光学的映像が光学繊
維束の画像入射面に投射されると、画像を構成する個々
の画素がそれぞれの光学繊維中を伝って、画像表示面の
出射端に到達する。光学繊維の出射面から出射した全て
の画素は、それぞれが凸レンズ中の光拡散剤で拡散さ
れ、透明樹脂を透過した後に出射する。
【0010】したがって、画像表示面に形成される光学
的映像は、広い視野角を有すると共に、環境外乱光の反
射によって画像情報が認識しにくくなることのない、明
るく鮮明な画像が得られる。
【0011】
【実施態様例】本発明の一実施態様例を大型スクリーン
の場合を例にとって、以下に説明する。図1は、本発明
に係る画像表示装置の一実施例の模式図である。かかる
図において、1は、光学的映像などの画像情報を伝送す
る光学繊維の束であり、2は、個々の光学繊維8の端面
が平面状に密接して配列された画像入射面、3は、光学
繊維が入射面と相似の配列で、かつ、入射面2よりも低
い密度で配列された画像表示面、すなわちスクリーン面
である。また、表示面3上の4は、個々の光学繊維8の
出射端面7に後述する方法で形成された透明樹脂の硬化
領域、即ちマイクロレンズといわれる凸レンズ(以下、
マイクロレンズと称する。)であり、光拡散層のことで
ある。なお、画像入射面2への画像入射方法は、例えば
透過型液晶画面を画像入射面に密着させて背面から光を
当てるとか、映写機やビデオプロジェクターで画像を入
射面に直接投影する。
【0012】次に、図2は、図1のマイクロレンズの拡
大平面図、図3は、図2のマイクロレンズのX−X矢視
断面図である。それぞれの光学繊維8は、スクリーン面
3を構成する支持板3aの表面と端面をそろえて鋭利に
切断され、端面7の上にマイクロレンズ4が形成され
る。5は、マイクロレンズ4を構成する透明樹脂、6
は、透明樹脂中に添加する光拡散剤である。マイクロレ
ンズ4は、各々の光学繊維7の端面に1個ずつ形成して
も良いが、3〜4本あるいはこれ以上の任意の本数の光
学繊維の束の端面毎に、1個ずつ形成することもでき
る。そうすることによって3原色の画像を光学繊維の束
毎に別々に送り、スクリーン面3で合成してカラー表示
することもできるし、青色のように弱めの原色に対して
は2本の光学繊維で送り、全体の色のバランスを整える
こともできる。
【0013】次に、図4は、本発明において光拡散用マ
イクロレンズ4を形成するための具体的方法を示した図
であり、この図に基づいて本発明の製造方法を説明す
る。
【0014】まず、支持板3aの上に光拡散剤6を添加
した感光性樹脂11をバーコーター等の手段を用いて数
百μm〜数千μmの厚さに塗布する。次に画像入射面2
から光源9により感光性樹脂の硬化に適した波長の光を
照射することにより、光は、個々の光学繊維8自身によ
って画像表示面まで伝えられ、光拡散剤6で散乱され、
光学繊維端面の周辺部に各方向への光の強さに対応した
樹脂の硬化領域であるマイクロレンズ4が形成される。
一定時間(詳細後述)照射後、未硬化の樹脂を除去する
ことにより、スクリーン面3には硬化した樹脂だけが残
り、各光学繊維の端部それぞれにマイクロレンズ4が形
成される。
【0015】ところで、ここで用いる感光性樹脂とは、
可視光の透過を妨げないできるだけ透明なものが好まし
く、光によって橋かけ反応を行う基を持つ高分子化合
物、光橋かけ剤を混合することによって感光材料となる
高分子化合物、あるいは光によって重合するモノマー等
の樹脂を使用し得るが、特に硬化の安定性、光学繊維と
の接着性の面からアクリル、ポリアミド、ポリエステル
等の感光性樹脂が好適である。また、本発明では感光性
の定義として、広くは可視光から電子線、X線までの光
で硬化する樹脂を含むが、入手の容易さ、取り扱い易さ
の点で紫外線硬化型樹脂が好ましい。
【0016】照射用光源は、使用する樹脂の特性に合わ
せて選定することになるが、たとえば一般の紫外線硬化
樹脂の場合は300〜400nmの波長の紫外線を発生
することが好ましく、メタルハライドランプ、高圧水銀
灯、水銀キセノンランプ等が適している。
【0017】添加する光拡散剤は、可視光波長の800
nmよりも粒径の大きな透明粒状体が好ましく、具体例
としては、ガラス、水晶、SiO2 LiF、NaF等の
無機材料の粒状体、メタクリル樹脂、スチロール樹脂、
四フッ化エチレン樹脂等の透明性有機材料からなる殻体
が上げられるが、感光性樹脂中に形成した微多孔内に包
含されるような空気、N2 、Ar等の気体でもよい。一
般には、安定性、分散性、価格等を考慮すると、ガラ
ス、SiO2 、Al2 3 などの無機材料が好ましい。
またそれらを用いる場合の具体的方法としては、数μm
〜数十μmの粒状体を1〜10重量%添加するのが効果
的である。これより拡散剤の添加量が多すぎると光透過
を妨げることになり、情報を視認するための明るさ、即
ち輝度が不足することになる。逆に、添加量が少ないと
視野角における輝度の向上効果が得られなくなり、正面
輝度に対する輝度保持率が低下する。
【0018】特に重要なのは、この拡散剤の添加量とマ
イクロレンズ4の高さとの関係である。好ましいレンズ
高さは、光学繊維の端面からマイクロレンズの頂きまで
の高さで表示し、使用している光学繊維の直径をdとし
たとき、d/4以上3d/2以下である。レンズ高さが
d/4以下の場合には、正面輝度が高くても、視野角に
おける輝度保持率が低くなりすぎるし、3d/2以上で
はレンズの高さが高すぎて正面輝度が低くなることにな
る。
【0019】本発明者らは、このマイクロレンズを実用
化するために鋭意検討した結果、上述の拡散剤の添加量
とレンズ高さの関係が非常に重要であることを見出し
た。
【0020】すなわち、マイクロレンズ4の高さをHμ
m、拡散剤濃度をCwt%としたとき、H×Cが150〜
1000、好ましくは300〜600の値になるように
設計することが好ましいという事実である。この事実
は、高さの低いマイクロレンズの場合には拡散剤濃度を
高くして視野角輝度保持率を高め、高いレンズの場合に
は、レンズ形状のみで視野角輝度が保持できるので、拡
散剤濃度を低くして正面輝度を高く維持することができ
ることを意味する。
【0021】さらに、マイクロレンズ4の直径Dμm
は、光学繊維径d以上3d以下が好ましい。その理由
は、レンズ径を光学繊維の直径d以上とすることによ
り、レンズ高さとレンズ径のバランスにおいて、レンズ
球面が広い視野角を有する理想的な形状となるからであ
り、逆にレンズ径Dが3d以上になると、出射光が拡散
しすぎるためか全体に輝度不足となるからである。ま
た、上述のような直径を有するマイクロレンズを形成す
るためには、前述のような拡散剤の添加が必要であり、
拡散剤が適当量存在しないと望みの径を有するマイクロ
レンズを形成することができない。そして、マイクロレ
ンズ4による光散乱効果を高めるためには、拡散剤であ
る透明粒状体と感光性樹脂とは屈折率が異なるように構
成することが好ましい。なお光拡散剤は、アルミニュー
ムの微粒子のように光を吸収することなく反射するもの
でもよい。さらに光拡散剤を用いなくとも光拡散層の表
面に微細凹凸を付与することによっても類似の効果が得
られる。例えば未硬化の透明樹脂を除去した後、画像表
示面3を微細な表面凹凸を有するローラーで加熱押圧す
ること、あるいはサンドペーパー等でレンズ表面を擦過
すること等により、微細凹凸の付与が可能である。
【0022】次に本発明の凸レンズ状のマイクロレンズ
4を形成するためには、図4に示すように充分な樹脂の
塗布厚みTが必要である。樹脂の塗布厚みTμmは、要
求されるマイクロレンズの厚みH以上とする必要がある
が、いたずらに厚く塗ることは除去する未硬化樹脂量を
増やすことになり効率的でない。しかし、本発明の用途
に用いられる光学繊維8の直径dは、一般に100〜1
000μmの範囲にあり、光拡散に必要なマイクロレン
ズの形状から考慮すると、樹脂の塗布厚みTは要求する
レンズ高さHの1.5倍以上にすることが必要である。
これは一般的に感光性樹脂においては、空気中の酸素が
重合禁止剤として作用するので、酸素で重合が抑制され
る未反応部を見込む必要がある。この未反応部の見込み
樹脂層を存在させないと、光照射量をいかにコントロー
ルしても望み得る球面状のマイクロレンズの形成ができ
ず、円盤や台形状のレンズとなり、視野角輝度の保持率
低下をきたすことになる。このような樹脂の塗布厚みT
において、本発明の目的とする光学繊維径dのd/4以
上3d/2以下の高さを有するマイクロレンズ4がうま
く形成できる。
【0023】なお、支持板3a上の未硬化部分の樹脂を
除去するには、硬化部のマイクロレンズの形を保つ面か
らは機械的な力を加えずアルコール等の溶媒で溶解、除
去するのが望ましい。しかし、溶媒の種類によっては後
述のスクリーン面構成部材、あるいは硬化した樹脂その
ものにも影響をおよぼす場合があり不適である。最もよ
い方法は、図4のマイクロレンズを形成した画像表示面
3を垂直に立てかけて、未硬化樹脂を自然に自由落下さ
せて除去することである。これによると硬化および未硬
化樹脂の境界に触れることがないため、光量分布に応じ
て形成されたマイクロレンズの表面を全く損傷すること
なく目的とする品質のよいレンズを形成することができ
る。この場合、ブラシ、ヘラ等で未硬化樹脂を除去した
場合には、レンズ形状を変形させることが応々にして発
生し、光の方向性が異なるマイクロレンズを形成するこ
とになって好ましくない。
【0024】スクリーン面3の地の部分である支持板3
aを形成する部材は、暗色体、特に黒色体とするのが好
ましい。また、セラミック、金属、高分子材料などを使
用できるが、加工性、接着性、重量等の面から、ポリエ
ステル、ポリアミド、ABS、塩化ビニル等の高分子材
料が好適である。地の部分の面積は、画像表示面3の面
積の70%、より好ましくは85%以上あることが画像
のコントラストを維持するために好ましい。
【0025】マイクロレンズ4は、スクリーンの地の部
分に不必要に広がらない方が好ましい。この条件を満た
す照射時間は、例えば紫外線硬化樹脂の場合、出力50
0〜1kwのメタルハライドランプを用いれば数秒から数
分の間である。しかし、これだけでは樹脂の硬化及び光
学繊維への接着が不十分なだけでなく、未硬化部を自由
落下で除去した場合、硬化樹脂部表面に未硬化樹脂がコ
ートされている状態となっており、このままでは実用に
供し得ない。従って、未硬化部分を除去した後、形成さ
れた光拡散層に再度光を照射する方法がある。すなわ
ち、マイクロレンズの硬化に要したものと同種の光を、
光源10の位置からスクリーン面に照射する方法あるい
は光源9の位置から入射面に照射する方法を、同時に実
施してもよい。これにより、形成されたマイクロレンズ
4は、光学繊維の切断端面7との接着力が増して充分な
強度を保つことができる。また、樹脂の硬化度が増すこ
とによって透明性が向上し、全体が均一になって、画像
品質の上でも顕著な改善効果が得られる。
【0026】以上述べた方法で期待する効果を得るため
には、図3の状態において、感光性樹脂がスクリーン面
にムラなく塗られていることが必要である。スクリーン
面3は、上述のように反射をできるだけ少なくし、且つ
光学繊維の切断端面7と強固に接着されねばならないと
いう要求から、その材質を黒色の樹脂または金属とする
ことが多い。感光性樹脂は、一般に表面張力が大きくて
濡れ性がよくなく、そのまま塗布する場合には界面での
ハジキ現象のため気泡が発生して樹脂で塗られない部分
ができてしまう。本発明の製造方法では、界面活性剤を
予めスクリーン面に塗布するかあるいは感光性樹脂に直
接界面活性剤を添加することにより、スクリーン面全体
にムラなく塗布することができる。
【0027】ここで用いる界面活性剤は、本用途の感光
性樹脂に要求される特性、即ち透明性、光学繊維との接
着性を阻害するものでなければ多種類のものを採用し得
る。すなわち、一般に界面活性剤として知られている脂
肪酸塩類、アンモニウム塩類、エーテル類の他に、表面
張力を下げる効果のあることが知られているシルコンオ
イル等を使用してもよい。
【0028】以上に述べた本発明の製造方法によれば、
一つの支持板上に多数の光拡散層を同時に、かつ、容易
に形成することができるので、画像表示装置を極めて容
易に製造することができる。
【0029】また、かかる製造方法によって得られた本
発明の表示装置は、以下に述べる優れた効果を有する。 1)画像表示面における光学的映像の視野角を広い範囲
に渡って、任意に設定することができる。 2)正面輝度の高い画像表示面、すなわち明るく鮮明な
光学的映像が得られる。例えば、上記光学的映像の視野
角の大小を判断する指標として、対正面輝度保持率
(%)を用いると、本発明の光拡散層を有しない従来の
画像表示面では、視野角20°における対正面輝度保持
率は、せいぜい10%止りであったが、本発明の装置で
は約50%以上もの大きな対正面輝度保持率を得ること
ができる。なお、視野角20°における対正面輝度保持
率(%)とは、以下の定義によって表されるものであ
る。入射面から光を投射し、スクリーン表示面の正面
(面に対し垂直方向)の一定距離から輝度(Cd/
2 )を測定する。これを正面輝度(K0 )とし、次に
左または右に視野角20°をとり、表示面からの距離を
同様に保って輝度を測定する。この輝度を視野角20°
における輝度(K20)とするとき、対正面輝度保持率
(%)は、(K20/K0 )×100で表される。 3)凸レンズ状の光拡散層を形成したことによって環境
外乱光が反射するため、鮮明な画像が得られる。
【0030】
【実施例】実施例 1 上述した図1乃至図3の画像表示装置において、光学繊
維8として、コアがPMMA(屈折率1.49)、クラ
ッドがフッ素系樹脂(屈折率1.41)から成る線径4
00μmのプラスチック光ファイバーを用いた。画像入
射面2の形状を146mm×205mmの矩形状とし、
ファイバーを六方稠密状態で積層した。一方、画像表示
面3は、光学繊維8の配列を相似形としてファイバーの
ピッチを2mm間隔、即ち5倍の拡大機能を持たせた。
したがって、画像表示面3の寸法は、760mm×10
00mmとなった。なお、スクリーン面3の他の部分の
支持板3aにはABS樹脂を用いた。
【0031】また、画像表示面3の形成方法は、各光学
繊維8を支持板3aの面と合わせて切断し、ファイバー
端面と支持板面を研磨して同一平面状に均一化した後、
光拡散剤として直径が5μmのAl2 3 粉末を4重量
%、表面張力を下げるためのシリコンオイル1重量%を
添加・混合したアクリル系の紫外線硬化樹脂を約500
μmの厚さに塗布し、入射面2から紫外線を5分間照射
して、画像表示面3上に散乱用マイクロレンズとなる樹
脂硬化部分を生成させた。なお、光源2には、出力1kw
の高圧水銀灯を用い、画像表示面3での紫外線強度を
0.3w/m2 に設定した。照射後、紫外線硬化樹脂の
未硬化部を除去し、再度出力400wのメタルハライド
ランプ(3基)を光源10に用い、スクリーン面に紫外
線を連続2.5時間照射して最終的なスクリーン面3を
形成した。
【0032】その結果、表示面上のマイクロレンズ4
は、完全に硬化し、ファイバーとの接着力も充分で運搬
や表示面の清掃等の衝撃に耐えられる強度となり、その
高さHは156μm(0.39d)、レンズ直径Dは6
23μmのものが得られた。また、レンズと地の部分の
面積は、それぞれ8%と92%となった。そして、画像
表示面3上の光学的映像は、視野角における輝度の保持
性は高く、視野角20°に於いて正面輝度が55%もの
高い値を保持できた。その時の正面輝度は、293Cd/
2 で申し分のない明るさであった。
【0033】実施例 2〜4 次に、光拡散剤添加量C(Wt %)、透明樹脂塗布厚さ
T(μm)、紫外線照射時間及びその強度を適宜調整し
た他は、実施例1と全て同じ条件で3種類の画像表示面
を形成した。
【0034】その結果、正面輝度がそれぞれ279、2
83、265Cd/m2 で、視野角20°の対正面輝度保
持率がそれぞれ70、67、65%のものが得られた。
【0035】
【比較例】比較例 1〜8 次に比較のため、画像表示面3にマイクロレンズ4を全
く設けないものや、添加剤量C、樹脂塗布厚さT、レン
ズ高さH及びレンズ直径Dを実施例1〜4とは異なった
値に設定し、その他の製造条件および製造方法は実施例
と同様にしてスクリーン面3を形成した。以上の実施例
1〜4、比較例1〜8の条件とその効果を纏めたのが、
次の表1である。
【0036】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜4のいずれもレン
ズ高さHや拡散剤濃度Cに差異はあるものの、正面輝度
と対正面輝度保持率は、高い値を有している。これに対
し、比較例1〜3は、いずれもH×Cの値は150以上
1000以下を一応満してはいるが、比較例1では、レ
ンズ4がないため、比較例2では、レンズ高さHが90
μmと低いため、比較例3では、拡散剤濃度Cが0.5
wt%と低過ぎるため、比較例1は、正面輝度が560Cd
/m 2 と極端に高いが視野角が6%と極端に低く、比較
例2は、視野角が31%と低く、比較例3は、正面輝度
が155Cd/m2 と劣っていた。また、比較例4は、レ
ンズ高さH、拡散剤濃度Cの各々の値を満たすがH×C
の値が低いため、正面輝度は十分でも視野角の輝度保持
率が37%と低い。比較例5は、レンズ高さH、拡散剤
濃度C、H×C、レンズ径Dの各値を満たしてはいる
が、透明樹脂の塗布厚さTが1.5Hより低いのでレン
ズ形状が球面状凸レンズとならないために、わずかに視
野角特性に劣る。さらに、比較例6では、レンズ高さH
が高すぎるため、比較例7では濃度Cが高すぎるため、
比較例8ではレンズ径Dが高きすぎるために、それぞれ
に正面輝度が実施例よりも劣っていた。従って、正面輝
度と視野角を個々に比較例と対比すると差異はあるが、
両者がバランスよく高いのは実施例1〜4であることが
分った。
【0037】
【発明の効果】かくして請求項1及び請求項2の画像表
示装置は、画像表示面における光学的映像が広い視野角
を有すると共に、環境外乱光の反射によって画像情報が
認識しにくくなることのない、明るくて鮮明な画像が得
られる。
【0038】すなわち、室内、屋外を問わず、液晶画面
などで表示できる小さな画像を拡大してコントラストの
高い鮮明な画像を表示することができ、大人数で同時に
見ることのできる50〜200インチ程度の大型表示装
置として非常に有用なものである。また、画像表示面に
は、多数の球面状マイクロレンズの光拡散層が島上に分
布するので、必然的に表示面上には凹凸面が形成され、
環境外乱光を極めて反射しにくくし、光拡散層で表現さ
れる情報光の認識において環境外乱光と混り合ったり、
情報光が認識しにくくなるといった欠点もなく、目視に
て情報光を極めて認識し易くするものである。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像表示装置の一実施例の模式図
である。
【図2】図1のマイクロレンズの拡大平面図である。
【図3】図2のマイクロレンズのX−X矢視断面図であ
る。
【図4】本発明に係る画像表示装置の製造方法の説明図
である。
【符号の説明】
1:光学繊維束 2:画像入射面 3:画像表示面(スクリーン面) 3a:支持板 4:凸レンズ(光拡散層) 5:硬化した感光性透明樹脂 6:光拡散剤 7:光学繊維の切断端面(画像出射面) 8:光学繊維 9、10:光源 11:塗布された感光性樹脂 12:支持架台 d:光学繊維の直径 D:凸レンズの外径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−138403(JP,A) 特開 平5−203822(JP,A) 実開 平4−109786(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/04 - 6/08 G09F 9/00 G09F 9/30 - 9/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の光学繊維を束状に集束した該光学
    繊維束の一端面および他端面が、それぞれ光学的映像の
    画像表示面および画像入射面である画像表示装置であっ
    て、 (イ)前期画像表示面には、前記光学繊維の端部に形成
    された感光性透明樹脂からなる光拡散層が凸レンズ状の
    島として多数分散しており、 (ロ)前記凸レンズの光学繊維の端面から球面の頂きま
    での高さは、前記光学繊維の直径をd(μm)としたと
    き、d/4以上3d/2以下であり、 (ハ)前記光拡散層に添加されている光拡散剤の前記感
    光性透明樹脂に対する添加濃度は、1重量%以上10重
    量%以下であり、かつ、 (二)前記凸レンズの高さをH(μm)、前記光拡散剤
    の添加濃度をC(wt%)とするとき、H×Cの値が15
    0以上1000以下であることを特徴とする画像表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記凸レンズの直径D(μm)は、前記
    光学繊維径d以上3d以下であることを特徴とする請求
    項1に記載の画像表示装置。
JP00643194A 1994-01-25 1994-01-25 画像表示装置 Expired - Fee Related JP3440527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00643194A JP3440527B2 (ja) 1994-01-25 1994-01-25 画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00643194A JP3440527B2 (ja) 1994-01-25 1994-01-25 画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07209524A JPH07209524A (ja) 1995-08-11
JP3440527B2 true JP3440527B2 (ja) 2003-08-25

Family

ID=11638212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00643194A Expired - Fee Related JP3440527B2 (ja) 1994-01-25 1994-01-25 画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3440527B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07318708A (ja) * 1994-03-29 1995-12-08 Toray Ind Inc 光透過型光拡散シート並びに画像表示装置およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07209524A (ja) 1995-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4852530B2 (ja) 光拡散部材、透過型スクリーン、背面投射型表示装置、および光吸収部形成用樹脂組成物
JP5402486B2 (ja) 光学シート、面光源装置および透過型表示装置
JP4749011B2 (ja) スクリーン及びこれを用いた画像投影システム
JP5349041B2 (ja) レンズシート、面光源装置及び液晶表示装置
JP4129991B2 (ja) 改良された偏光子
KR100957496B1 (ko) 반사형 편광 필름, 이를 포함하는 백라이트 유닛 및액정표시장치
JP2007529780A (ja) 粒子が分散された表面損傷防止層を有する光透過性光学フィルム
JP4821484B2 (ja) 光拡散シート、透過型スクリーン及び背面投射型表示装置
CN1126520A (zh) 带有锥形波导管阵列的直接显示装置
US5384882A (en) Image display device and its manufacturing method
JP5883598B2 (ja) 光拡散素子および光拡散素子付偏光板の製造方法、ならびに、これらの方法で得られた光拡散素子および光拡散素子付偏光板
KR20160031033A (ko) 광 확산 소자, 광 확산 소자가 형성된 편광판 및 이들을 사용한 액정 표시 장치
JP5027323B2 (ja) スクリーン及び画像投影システム
US7477814B2 (en) Method of making a louver device for a light guide screen
JP2000330210A (ja) 透過型スクリーン
CN101563630A (zh) 透镜片、面光源装置以及液晶显示装置
JP3440527B2 (ja) 画像表示装置
JP6806911B2 (ja) バックライトユニットおよび液晶表示装置
JP3442247B2 (ja) 面光源素子用導光体および面光源素子
JP2001133605A (ja) レンズシート、それを用いたバックライトおよび液晶表示装置
JPH05249453A (ja) 液晶表示素子
JPH08262995A (ja) 画像表示装置及びその製造方法
JPH077132B2 (ja) 画像表示装置およびその製造方法
JPH07318708A (ja) 光透過型光拡散シート並びに画像表示装置およびその製造方法
KR100450715B1 (ko) 쐐기형 도파관을 가지는 디스플레이용 광학소자 및 그의제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090620

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees