JPH08262019A - 骨粗鬆症診断剤 - Google Patents

骨粗鬆症診断剤

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JPH08262019A
JPH08262019A JP6035595A JP6035595A JPH08262019A JP H08262019 A JPH08262019 A JP H08262019A JP 6035595 A JP6035595 A JP 6035595A JP 6035595 A JP6035595 A JP 6035595A JP H08262019 A JPH08262019 A JP H08262019A
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JP
Japan
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osteoporosis
bone
human
bsp
diagnostic agent
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Application number
JP6035595A
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English (en)
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Mikio Akita
三紀夫 秋田
Shigeaki Tanaka
重明 田中
Hiroyuki Ogami
浩幸 小神
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Sanofi Aventis KK
Original Assignee
Hoechst Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒト骨特異シアロ蛋白を特異的に認識するモ
ノクローナル抗体またはヒト骨特異シアロ蛋白に対する
ポリクローナル抗体からなる自己免疫による骨粗鬆症の
診断剤。この診断剤をヒトから採取された体液試料例え
ば血清と接触させ、該試料中に存在するヒト骨特異シア
ロ蛋白とそれに特異的に反応する自己抗体とにより形成
された可溶性免疫複合体を上記診断剤を用いて免疫化学
的に検出する。 【効果】 自己免疫による骨粗鬆症を検出することがで
きる。この検出方法によれば、骨粗鬆症を早期に正確に
診断することが可能であり、また原因不明の骨粗鬆症の
一部を自己免疫疾患関連疾患であるとの前提に立ってこ
れを分類することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト骨特異シアロ蛋白
を特異的に認識するモノクローナル抗体に関する。ま
た、本発明はヒト骨特異シアロ蛋白を特異的に認識する
モノクローナル抗体またはヒト骨特異シアロ蛋白に対す
るポリクローナル抗体からなる自己免疫による骨粗鬆症
の診断剤に関する。本発明はさらに、ヒトから採取され
た体液試料と上記診断剤とを接触させ、該試料中に存在
するヒト骨特異シアロ蛋白とそれに特異的に反応する自
己抗体とにより形成された可溶性免疫複合体を上記診断
剤を用いて免疫化学的に検出することを特徴とする体液
試料中の上記可溶性免疫複合体の検出方法に関する。体
液試料中の上記可溶性免疫複合体を検出することによ
り、自己免疫による骨粗鬆症罹病の有無を診断し、さら
に骨粗鬆症を病因論に基づいて分類することが可能であ
る。
【0002】
【従来の技術】骨粗鬆症は、高齢者の特に女性によくみ
られる骨がぜい弱化する疾患であり、易骨折性や腰背痛
などの発生率が高いといった臨床像を呈する症候群であ
る。現在行われている骨粗鬆症の診断方法としては、骨
のX線撮影(MD法)、SPA法(Single photon abso
rptiometry)、DEXA法(Dual Energy X-ray Absorp
tiometry)、CDX法(Computed X-ray Densitometr
y)などによる物理学的骨量測定装置による骨塩量、骨
密度などの測定がある。
【0003】しかし、これらの診断方法では、ある程度
症状の進んだものしか識別できず、早期判定は難しい。
骨量測定で将来の骨折の可能性を判定することは可能で
あるが、骨密度の低下は将来の骨折の危険因子の一つに
すぎず、多くは加齢に伴う現象、たとえばコラーゲン繊
維の弾力性の低下、骨構造の質的劣化、筋力の低下など
によっても危険性は増大すると考えられている。筋力以
外のこれらの危険因子を現時点では非侵襲的には計測で
きず、将来解決すべき重要な課題となっている。
【0004】このような、骨密度測定法の欠点を補うも
のとして、骨代謝調節因子(副甲状腺ホルモン(parath
yroid hormone,PTH)、活性型ビタミン(1,25(OH)
2D3)、カルシトニン)また、骨代謝回転(骨芽細胞によ
る新しい骨の形成と破骨細胞による古い骨の吸収との平
衡状態)に伴って骨組織から遊離してくる種々のパラメ
ーター(アルカリフォスファターゼ、酸フォスファター
ゼ、ピリジノリン、デオキシピリジノリン、タイプIプ
ロコラーゲンペプチド、オステオカルシン等)の測定
は、ページェット病もしくは腎性骨形成不全症のような
劇的な代謝の変異を伴う他の骨疾患の診断にはしばしば
利用されるが、骨粗鬆症に用いるには限界がある。実際
に骨形成および骨吸収の一般的マーカー、例えばそれぞ
れ血清中のオステオカルシンおよび尿中のピリジノリン
やデオキシピリジノリンを測定しているが、それらの値
は一部の骨粗鬆症患者では正常な範囲内に見られる場合
がある、という様に不十分な点が多く残されている。
【0005】一方、生体内において、ある抗原刺激に対
して抗体が産生されると、抗原とそれに対する抗体が結
合して免疫複合体が形成される。この免疫複合体は補体
系を活性化し、Fcレセプターを介して種々の細胞に作
用し、ケミカルメディエーターを遊離し、組織障害など
の生理現象を引きおこしてくる。また、この様な免疫複
合体は、それを形成している抗原および抗体が単独では
持っていない新しい生物学的活性また/あるいは抗原特
異性を持つようになる。例えば、可溶性免疫複合体は動
物にアナフィラキシーショックをおこし、平滑筋を収縮
させ、血管の透過性を亢進させることなどが古くから知
られている(岩本幸子、臨床免疫/増刊号・上巻48、p.
448〜453、1990)。
【0006】しかし、免疫複合体の生物学的活性は、免
疫複合体の免疫化学的性状により異なってくる。すなわ
ち、免疫複合体を形成する抗原としては、外来性か内
在性か、抗原決定基の数、抗原性の強弱、一過性
か永続性か、抗体としては、クラス、サブクラス、
抗原との結合力、補体結合性、また形成された免疫複
合体としては、サイズ、可溶性か不溶性か、血中
形成か局所形成か、結合力と解離力、などが問題とな
ってくる。
【0007】免疫複合体を検出する方法としてコングル
チニン法、C1q法,mRF(monoclonal rheumatoid
factor)法などが一般的に使用されているが、免疫複合
体検出法の差により検出される免疫複合体の値に差がで
てきていることはよく知られている(吉野谷定美、内
科、51:404〜409、1983)。このようなことは免疫複合
体の活性、すなわち、生体内で病因的意義づけを行う場
合、どのような免疫複合体がどの病態と結びつくかとい
うことと関係し、臨床的にも大きな問題となっている
(広瀬俊一、アレルギー、35:1067〜1071、1986)。
【0008】骨粗鬆症は多くの自己免疫疾患と同様に免
疫異常が起こる老年期の、特に女性に頻繁に認められ
る。さらに、慢性関節リウマチではIL−1等のサイト
カインの大量に放出される関節腔から近い場所の骨に顕
著な骨量の減少を起こすことが知られている。骨吸収の
主役である破骨細胞の分化誘導を担うサイトカインがI
L−6やIL−11であることが明らかにされている
(Jilka,Science,257:88〜91,1992)。
【0009】一方、破骨細胞は免疫担当細胞である単球
やマクロファージと起源を同一とする細胞であることも
よく知られている。
【0010】このように、本来骨の機能とは直接関係が
ないと考えられていたサイトカインが実は骨の代謝に深
く係わっていることがわかってきた。これらのことは、
骨粗鬆症の発生に何らかの免疫機能の異常が関与してい
る可能性を示すものと考えらる。また、骨髄が骨の中に
存在することは骨髄で産生される血液免疫細胞が骨の代
謝回転に大きな影響を持つことを示唆している。
【0011】一方、自己免疫においても抗原に対する特
異的抗体が反応して免疫複合体を作ることも良く知られ
ている(濱島義博、アレルギー、35:379〜386、198
6)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上に示
したように従来法の不利益ないしは欠点を克服し、骨粗
鬆症の一部を自己免疫関連疾患であるとの前提に立って
これの検出方法を提供することにある。特に本発明の目
的は従来法に比べて病態が進行する前の骨粗鬆症の検出
方法を提供するものである。骨密度が減少してしまって
からの骨粗鬆症の治療は効果が低いため、いわゆる健常
者におけるマススクリーニングとして骨粗鬆症の検出方
法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、骨粗鬆症
患者の血中の骨特異シアロ蛋白(bone sialo protein:
BSP)とそれに特異的な抗体とが形成する可溶性免疫
複合体の検出を試みていたところ、BSPに特異的に反
応する新規なモノクローナル抗体を用いて骨粗鬆症を免
疫化学的に検出できることを見出し、本発明を完成し
た。BSPはヒトの骨組織にも比較的大量に含有してい
るが、このようにBSPを抗原とした可溶性免疫複合体
の存在はこれまでには全く報告されていない。ここにお
いて、本発明である骨粗鬆症の新規かつ簡便な分別診断
法が完成した。ヒトBSPを特異的に認識するモノクロ
ーナル抗体をELISAプレートにコーティングし、骨
粗鬆症患者血清とを接触させた後ペルオキシダーゼ標識
抗ヒトIgGを反応させたところ、正常範囲を超える高
い吸光度値を示した。このことから、骨粗鬆症患者血清
中にBSPとそれに特異的に反応する自己抗体とにより
形成された可溶性免疫複合体が存在することが明らかに
なった。
【0014】本発明は、ヒトBSPを特異的に認識する
ことを特徴とするモノクローナル抗体を提供する。本発
明のモノクローナル抗体はヒトBSPに特異的に反応す
る新規なモノクローナル抗体であり、ヒトの骨由来精製
BSPで免疫されたマウス脾細胞とミエローマとの融合
によって形成されたハイブリドーマH1−KAT(受託
番号微工研寄第P−14807号 )によって産生され
る次の性質を有するIgGのクラス1に属する:(1)
ヒトBSPと特異的に反応する、(2)ラットBSP、
牛BSPとは実質的に反応しない。BSP自体は1960年
代半ばにウシの骨から精製され、哺乳動物の骨組織中に
存在する非コラーゲン性蛋白質の中の主たる骨基質蛋白
質のひとつであることが知られるようになった(Franze
n,A,Biochem J., 232,715〜724,1985)。当該蛋白質
は骨や歯のような鉱化組織にのみ特異的に存在し、ま
た、骨芽細胞、骨細胞で合成されて骨に幅広く存在して
いる。しかし、BSPの生物学的な機能等は未だに解明
されておらず、今後の研究課題となっている。
【0015】このように、本発明は、骨粗鬆症患者血清
中にのみ存在する、哺乳動物の骨組織に存在する抗原
(BSP)およびその抗原(BSP)に特異的に反応す
る自己抗体とが形成した可溶性免疫複合体を測定するこ
とに関する。
【0016】本発明は、ヒトBSPとそれに特異的に反
応する自己抗体とにより形成された体液中の可溶性免疫
複合体をヒトBSPに特異的に反応するモノクローナル
抗体もしくはポリクローナル抗体を用いて免疫化学的に
検出することを特徴とする体液中の可溶性免疫複合体の
検出方法である。
【0017】ポリクローナル抗体の作成はヒトの骨より
抽出、精製をしたヒトBSPをアジュバンドに混ぜ、被
免疫動物に投与しそれ自体知られた方法に従って抗体を
作成する方法が採用される。アジュバンドとしては、完
全フロイントアジュバンド、不完全フロイントアジュバ
ンドまたは水酸化アルミニウムなどが使用される。ま
た、免疫すべき動物としては、ウサギ、ヤギ、馬、羊、
ブタなどがある。
【0018】本発明の免疫化学的測定法としては操作が
簡便かつ精密度が高いELISA法、RIA法、化学発
光法等があげられる。
【0019】ELISA法は、ヒトの骨より抽出したB
SPをイオン交換クロマトグラフィなどで精製し、ウサ
ギ、マウス等に免疫し、得られた抗ヒトBSP抗体を9
6穴プラスチックマイクロプレートに固定し、検査試料
であるヒト血清を加えて反応させ、さらに、酵素標識し
た抗ヒトIgG抗体(二次抗体)を反応させることによ
り、酵素発色を検出機にて検出する。
【0020】RIA法は抗ヒトBSP抗体をプラスチッ
クチューブに固定して、ヒト血清を反応させ、酵素標識
した二次抗体の代わりにラジオアイソトープで標識した
二次抗体を用いて反応させ、結合したアイソトープの量
を検出機にて検出する。
【0021】化学発光法は抗ヒトBSP抗体を96穴プ
ラスチックマイクロプレートあるいはプラスチックチュ
ーブに固定して、ヒト血清を反応させ、ビオチン化した
二次抗体を用いて反応させ、ストレプトアビジンーアル
カリフォスファターゼをさらに反応させ、ルミノール誘
導体などを用いて酵素結合した二次抗体を発光させ、発
光量を検出機にて検出する。
【0022】体液試料としては血清、血漿、リンパ液等
が使用可能であるが、通常血清が使用される。
【0023】本発明ではELISA法を用いて可溶性免
疫複合体の検出を行った結果、骨粗鬆症患者24例中5
例で、また変形性関節炎を併発している骨粗鬆症患者に
おいて23例中4例が陽性であった。その際の対照とし
て年齢性別を一致させた24例の正常者群から得られた
吸光度の平均+3SD(標準偏差)を越える吸光度が観
察されたものを陽性とした。しかしながら、正常人血清
および全身性エリテマトーデス患者血清においては正常
範囲内であった。このように、骨粗鬆症においては、ヒ
トBSPとそれに特異的に反応する抗体とが形成する可
溶性免疫複合体が検出されたが、このような所見は今ま
で代謝性骨疾患においては報告されておらず、骨粗鬆症
に特徴的なものである。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0025】実施例1 (ヒトの骨組織から骨特異シア
ロ蛋白の抽出) (1) 原料および抽出 脱脂粉砕したヒトの大腿骨を4Mグアニジン塩酸、50
mM酢酸ナトリウム、pH5.8(蛋白質分解酵素阻害剤を
含む)で4℃に24時間処理をした後、遠心分離によっ
て得られた残渣を、さらに4Mグアニジン塩酸、250
mM EDTA、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)を用
いて4℃に48時間処理して、BSPを抽出した。遠心
分離によって得られた上清は、濃縮の後BSPの精製に
用いた(グアニジン塩酸/EDTA抽出物)。 (2) 精 製 DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィー(pH
6.0) グアニジン塩酸/EDTA抽出物は、6M尿素、10mM
トリス、0.1M酢酸ナトリウム(pH6.0)に置き換え
た後、DEAE−Toyopearlカラム(東ソー社)によって分
画した。カラムに吸着した蛋白質は、0.1Mから1.2
Mの酢酸の濃度勾配で溶出した。カラム溶出物について
は、各フラクションの蛋白質量(吸収波長280nm)お
よびシアル酸含量(過ヨウ素酸−レゾルシノール反応)
を測定し、シアル酸の含量の多いフラクションをBSP画
分とした。 DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィー(pH
4.0) 上記のBSP画分は、6M尿素、10mMトリス、50
mM酢酸ナトリウム、10mM塩化ナトリウム、(pH4.
0)に置き換えた後、DEAE−Toyopearlカラム(東ソー
社)にて再分画した。蛋白質は、50mMから500mMの
塩化ナトリウムの濃度勾配にて溶出した。と同様にシ
アル酸の含量の多いフラクションをBSP画分とした。 逆相カラムクロマトグラフィ 上記のBSP画分は、さらに、逆相カラム(C−18、V
YDAC・セパレーションズ・グループ社)を用いて、0〜
100%のCH3CNの濃度勾配のもとに精製した。ま
た、SDSポリアクリルアミドゲルで純度を確認した。 ゲル瀘過 上記のBSP画分は、凍結乾燥を行なった後に、6M
尿素、0.5M塩化ナトリウム、10mMトリス、pH7.2
に溶解し、Superose 12 perp 60/600(ファルマシア
社)カラムでゲル瀘過を行ない、さらに精製した。精製
画分の分子量ならびに純度はSDSポリアクリルアミド
ゲルにて確認した。 (3)アミノ酸分析による確認 ゲル瀘過のBSP画分の脱塩アミノ酸組成はPICO−
TAGアミノ酸分析装置(WATERS社)を用いて行なっ
た。その結果得られた物質はBSPであると同定した。
【0026】実施例2 (ヒトBSPに対するモノクロ
ーナル抗体の作成) (1) ハイブリドーマの作成 実施例1にて得られたヒトの骨由来精製BSPをマウス
(BALB/c)腹腔に免疫を行ない、免疫応答が高かった
マウス3匹から脾臓を摘出し、その脾細胞を使用してハ
イブリドーマH1−KATの作成を行なった。 a.脾細胞の調製 マウスの眼から全採血を行った。マウスの躰全体に70
%エタノールを噴霧し、無菌的に脾臓を摘出した。摘出
した脾臓を15%FCS含有 RPMI 1640(日水製薬
(株),Code No.05918)に浸し、付着している脂肪片を
丁寧に取り除いた。脾臓をserum-free/RPMI 1640中で
静かにホモジナイズした。1200rpmで5分間遠心し
た後、上清をアスピレーターで除いた。沈殿している細
胞を再びserum-free/RPMI 1640中に懸濁し、遠心して
上清を除いた。この操作を3回繰り返した。細胞懸濁液
から一部を取り、細胞数を数えた。 b.ミエローマの調製 10%FCS(ウシ胎児血清)含有 RPMI 1640で培養し
ていたミエローマ(SP2/0−Ag14(ATCC CRL-1581))を
回収し、serum-free/RPMI 1640中に懸濁した。120
0rpmで5分間で遠心した後、上清を除去しserum-free
/RPMI 1640に再懸濁した。この操作を2回繰り返し
た。細胞懸濁液から一部を取り、細胞数を数えた。 c.細胞融合 脾細胞とミエローマの細胞比5:1の割合で混合し、遠
心した後、きれいに上清を取り除いた。あらかじめ37
℃にあたためておいた1mlの40%(v/v)PEG(和
光純薬工業(株))をゆっくり加えた後、すぐに遠心した
(250rpm 2min、700rpm 2min、1000rpm 2
min、Break off 2min)。上清を取り除き、軽く揺すり
ながら6mlのserum-free/RPMI 1640を加えた。120
0rpmで3分間遠心し、上清を取除いたのち、25mlの
20%FCS含有HAT−RPMI 1640〔HAT(100倍濃度/10
0ml中):チミジン(和光純薬工業(株))38.8mg、ヒポ
キサンチン(和光純薬工業(株))136.1mg、アミノプテ
リン(和光純薬工業(株))1.76mg〕をゆっくり加えた。
もとの脾細胞濃度で2.5×10cells/mlになるよう
細胞懸濁液を調製し、96穴プレート(Falcon307
2)に75μl/wellづつ分注した。1日後に100μl
/wellづつ20%FCS含有 HAT−RPMI 1640を添加し
た。 d.クローニング あらかじめ調整しておいた正常マウス脾細胞を20%FC
S−HT−RPMI 1640〔HT(100倍濃度/100ml中):チミジ
ン(和光純薬工業(株))38.8mg、ヒポキサンチン(和光
純薬工業(株))136.1mg〕に懸濁し、2.5×105cell
/wellになるよう96穴プレートにまき、37℃でイン
キュベーションした。細胞融合してヒトBSPに対する
抗体が陽性であったコロニーを20%FCS−HT RPMI 164
0に懸濁し、脾細胞を播いてあるプレートに0.5cell/
well、1.0cell/well、2.0cell/well、5.0cell
/wellになるよう分注した。各wellに形成されたコロニ
ー数を観察し、ポアソン分布によく従っている群を選ん
で単コロニーを形成しているものを大量培養(10%FCS
含有 RPMI 1640)に移した。 e.抗体の精製 大量培養した培養上清からProteinGカラム(ファルマ
シア社)によりモノクローナル抗体を精製した。 f.抗原特異性の確認 各種動物由来のBSP精製標品を使い、ELISA法で
その親和性を調べた。ELISAプレート(NUNC社,Ma
xisorp)にBSP(1μg/ml,50μl/well)を25℃
にて1時間コーティングし、0.05%トゥイーン20
含有トリス緩衝化生理食塩水にて2倍希釈したブロック
エース(雪印、300μl/well)で25℃にて1時間ブロ
ッキングした。0.05%トゥイーン20含有トリス緩
衝化生理食塩水でプレートを3回洗浄した後、各種濃度
に希釈した抗体(50μl/well)を分注し、25℃にて
1時間静置した。0.05%トゥイーン20含有トリス
緩衝化生理食塩水でプレートを3回洗浄した後、0.0
5%トゥイーン20含有トリス緩衝化生理食塩水にて2
000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識抗マウスIg
G抗体(Tago社)を各穴に50μlずつ分注し、1時間
二次反応を行なった。二次反応終了後、再度0.05%
トゥイーン20含有トリス緩衝化生理食塩水で3回の洗
浄を行ない、発色剤/基質液(クロモゲンサブストレー
ト:Behringwerke社)を各穴に50μlずつ分注し、室
温にて30分間反応させた。30分間の反応後、0.5
N希硫酸にて反応を停止させ、比色計(Behring ELISA
processer-II/Behringwerke社)にて主波長450nm、
副波長650nmにて測定を行なった。コートするBSP
としてはウシ、ラット、ヒト各々の大腿骨から抽出精製
したBSPを使用した。この結果より、ラットBSPお
よびウシBSPには実質的に反応しなく、ヒトBSPに
特異的に反応するモノクローナル抗体を得られた。
【0027】実施例3 (酵素免疫法を用いたBSPと
その自己抗体とが形成する可溶性免疫複合体の検出) 実施例2で得られたヒトBSPに特異的なモノクローナ
ル抗体をリン酸緩衝化生理食塩水にて5μg/mlに希釈
し、96穴プラスチックマイクロプレートに50μlず
つ分注し、4℃にて1晩コーティング操作を行った。モ
ノクローナル抗体のコーティング操作の終了したマイク
ロプレートを0.05%トゥイーン20含有トリス緩衝
化生理食塩水にて3回洗浄を行った後、ブロッキング操
作として各穴に250μlずつ0.5%カゼイン含有トリ
ス緩衝化生理食塩水(pH7.4)を分注し、25℃にて
1時間放置した。さらに、本プレートを3回洗浄し、
0.5%カゼイン含有トリス緩衝化生理食塩水にて10
0倍に希釈した正常人血清、骨粗鬆症患者血清、変形性
関節炎を併発している骨粗鬆症患者血清、変形性関節炎
患者血清および全身性エリトマトーデス患者血清を50
μlずつ各穴に分注し、25℃にて2時間一次反応を行
なった。1次反応終了後、再度0.05%トゥイーン2
0含有トリス緩衝化生理食塩水にて3回洗浄を行ない、
0.5%カゼイン含有トリス緩衝化生理食塩水にて20
000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG
抗体(Tago社)を各穴に50μlずつ分注し、1時間二
次反応を行なった。2次反応終了後、再度3回の洗浄を
行ない、発色剤/基質液(クロモゲンサブストレート:
Behringwerke社)を各穴に50μlずつ分注し、室温に
て30分間反応させた。30分間の反応後、0.5N希
硫酸にて反応を停止させ、比色計(Behring ELISA proc
esser-II/Behringwerke社)にて主波長450nm、副波
長650nmにて測定を行なった。その結果を図1に示
す。正常人血清における吸光度の平均値プラス3SD
(標準偏差)を正常範囲(カット−オフ値)に設定した
結果、骨粗鬆症患者血清では24例中5例が、変形性関
節炎を併発している骨粗鬆症患者血清では23例中4例
の頻度でこの範囲を越える高い吸光度値が認められた。
しかし、正常人血清および全身性エリトマトーデス患者
血清においては正常範囲内であった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、ヒト骨特異シアロ蛋白
を特異的に認識するモノクローナル抗体またはヒト骨特
異シアロ蛋白に対するポリクローナル抗体を、ヒトから
採取された体液試料と接触させ、該試料中に存在するヒ
ト骨特異シアロ蛋白とそれに特異的に反応する自己抗体
とにより形成された可溶性免疫複合体を上記診断剤を用
いて免疫化学的に検出することにより、自己免疫による
骨粗鬆症罹病の有無を早期に正確に診断し、さらに原因
不明の骨粗鬆症の一部を自己免疫疾患関連疾患の一つと
して分類することができる。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られた正常人血清、骨粗鬆症患者
血清、変形性関節炎を併発している骨粗鬆症患者血清、
変形性関節炎患者血清および全身性エリテマトーデス患
者血清の吸光度を示すグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト骨特異シアロ蛋白を特異的に認識す
    ることを特徴とするモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 ヒト骨特異シアロ蛋白を特異的に認識す
    るモノクローナル抗体またはヒト骨特異シアロ蛋白に対
    するポリクローナル抗体からなる自己免疫による骨粗鬆
    症の診断剤。
  3. 【請求項3】 ヒトから採取された体液試料と請求項2
    に記載の診断剤とを接触させ、該試料中に存在するヒト
    骨特異シアロ蛋白とそれに特異的に反応する自己抗体と
    により形成された可溶性免疫複合体を前記診断剤を用い
    て免疫化学的に検出することを特徴とする体液試料中の
    前記可溶性免疫複合体の検出方法。
  4. 【請求項4】 免疫化学的測定方法がELISAである
    ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 免疫化学的測定方法がRIAであること
    を特徴とする請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 免疫化学的測定方法が化学発光法である
    ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  7. 【請求項7】 体液が血清であることを特徴とする請求
    項3〜6のいずれかの項に記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CZ296736B6 (cs) * 1998-04-01 2006-06-14 Immunodiagnostic Systems Limited Zpusob merení rychlosti resorpce kosti
JP2012523002A (ja) * 2009-04-07 2012-09-27 ザ ユニヴァーシティ コート オブ ザ ユニヴァーシティ オブ エディンバラ 自己抗体関連疾患の検出および/または治療

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