JPH08261954A - 光ファイバの被覆異常検出装置及び検出方法 - Google Patents

光ファイバの被覆異常検出装置及び検出方法

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JPH08261954A
JPH08261954A JP7063901A JP6390195A JPH08261954A JP H08261954 A JPH08261954 A JP H08261954A JP 7063901 A JP7063901 A JP 7063901A JP 6390195 A JP6390195 A JP 6390195A JP H08261954 A JPH08261954 A JP H08261954A
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optical fiber
light
coating
coating layer
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JP7063901A
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English (en)
Inventor
Toshihisa Sasaki
俊央 佐々木
Toshiya Suzuki
俊哉 鈴木
Masatoshi Tanaka
正俊 田中
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファイバ素線2にコーティング層3,4を被
覆した光ファイバ1にレーザ光L1を照射し、そのレー
ザ光L1が光ファイバ1での気泡により散乱した散乱光
L4を検出することで、光ファイバ1のコーティング層
3,4の界面等に発生する気泡を検出する場合、散乱光
L4を確実に検出して気泡を微細なレベルまで正確に検
出する。 【構成】 光ファイバ1に対し、その長さ方向と傾斜角
度45°で傾斜する方向からレーザ光L1を照射する。
光ファイバ1側方に光強度検出器8を、レーザ光L1に
よる光ファイバ1の透過光L2と光ファイバ1表面での
反射光L3とを受光部8aが受光しない位置に配置し、
光強度検出器8により散乱光L4のみを検出させる。検
出器8に透過光L2や反射光L3を入力させずに散乱光
L4のみを入射させ、弱いレベルの散乱光L4であって
も、透過光L2や反射光L3の影響を受けることなく明
確に識別して検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバにおけるフ
ァイバ素線とコーティングとの界面等に発生する気泡等
の異物を検出する検出装置及び検出方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、コアと、該コアの外周に被覆さ
れコアとは屈折率の小さいクラッドとからなるファイバ
素線は、そのままの状態では極めて脆いという性質を有
していることから、このファイバ素線の周りをシリコン
樹脂やUV硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)等のコーティン
グ層で1層又は複数層に被覆し、このコーティング層に
よりファイバ素線の強度を保護したり、外力を緩衝した
りすることが行われている。
【0003】すなわち、光ファイバのガラス母材を加熱
溶融によりファイバ素線に線引きして巻き取る際、その
線引きされる途中のファイバ素線をダイスに通過させて
そこでファイバ素線にコーティング用樹脂が被覆され
る。
【0004】ところで、上記ファイバ素線を線引きした
後にダイスでコーティング層を被覆する場合、例えばそ
のコーティング樹脂のファイバ素線に対する粘性や速度
の違い等に起因して、樹脂中に空気が気泡となって巻き
込まれ、この気泡が光ファイバのコーティング層や素線
とコーティングとの界面に留まることがある。そして、
この気泡の混入により、樹脂被覆が不均一となっている
と、特に低温域におけるマイクロベンド損が増大する。
また、気泡によりコーティング層の緩衝機能が阻害さ
れ、ファイバ素線表面に対する側圧により、伝送される
光信号の伝送特性に悪影響が生じる。
【0005】そこで、従来、このような気泡による不良
品の発生をなくすために、例えば特開平6―82393
号や特開平6―82394号等の各公報に示されるよう
に、光ファイバにその長さ方向と直交する方向からレー
ザ光を照射して、そのレーザ光が光ファイバを透過した
ときの気泡による散乱光を検出し、この散乱光に基づい
て気泡の有無を判定するようにすることが提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案のも
のでは、基本的に、光ファイバ内の気泡による散乱光
を、レーザ光が光ファイバを透過した透過光と光ファイ
バの表面で反射した反射光と共に受光するようになって
いる。このため、散乱光レベルの光強度の変動を判定し
て散乱光を正確に検出することは困難であり、検出精度
や信頼性の点で問題があった。
【0007】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記した光ファイバに対するビーム光
の照射構造を改良することで、光ファイバに混入される
気泡等の異物を微細なレベルまで正確に検出できるよう
にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、光ファイバにその側方からレーザ
光等のビーム光を照射して光ファイバを透過させると
き、そのビーム光を光ファイバに対して斜め方向から照
射することとした。
【0009】具体的には、請求項1の発明は、ファイバ
素線にコーティング層を被覆してなる光ファイバの上記
コーティング層、ないし素線とコーティングとの界面に
混入された異物を検出するようにした光ファイバの被覆
異常検出装置を前提としている。
【0010】そして、上記光ファイバにその長さ方向と
所定の傾斜角度で傾斜する方向からビーム光を照射する
光源と、光ファイバの側方に、光源からのビーム光が光
ファイバを透過した透過光及び光ファイバの表面で反射
した反射光を受光部が受光しないように配置され、光源
からのビーム光が光ファイバを透過したときの上記異物
による散乱光のみを受光部で検出する散乱光検出手段と
を設ける。
【0011】請求項2の発明では、上記異物は気泡とす
る。
【0012】請求項3の発明では、上記光源と光ファイ
バとの傾斜角度は30°〜60°とし、とりわけ、請求
項4の発明では、同傾斜角度を45°とする。
【0013】請求項5の発明では、散乱光検出手段は、
光源からの光が光ファイバに入射される部分を通りかつ
光ファイバと直交する面内に、受光部を光ファイバに向
けて配置する。
【0014】請求項6の発明では、光源はレーザ光を照
射するレーザ光発生装置とする。
【0015】請求項7の発明では、光ファイバのコーテ
ィング層は1層とし、請求項8の発明では、コーティン
グ層は、ファイバ素線の外周に被覆された1次コーティ
ング層と、該1次コーティング層の外周に被覆された2
次コーティング層との2層とする。
【0016】請求項9の発明では、コーティング層は紫
外線硬化樹脂又はシリコン樹脂とする。
【0017】請求項10の発明は、ファイバ素線にコー
ティング層を被覆してなる光ファイバの上記コーティン
グ層、ないし素線とコーティングとの界面に混入した異
物を検出する光ファイバの被覆異常検出方法であり、上
記請求項1の発明と同様に、光ファイバにその長さ方向
と所定の傾斜角度で傾斜する方向からビーム光を照射し
て、そのビーム光が光ファイバを透過したときの上記異
物による散乱光のみを検出することを特徴とする。
【0018】請求項11の発明では、請求項10の光フ
ァイバの被覆異常検出方法において、上記請求項2の発
明と同様に異物を気泡とする。
【0019】
【作用】上記の構成により、請求項1又は10の発明で
は、光源から光ファイバにビーム光が照射されると、こ
のビーム光の大半は光ファイバを透過して透過光とな
り、一部が光ファイバの表面で反射して反射光となる。
光ファイバ内に気泡等の異物が混入されているとき、こ
の異物により上記透過光の一部が透過光本来の方向とは
異なる方向に散乱して散乱光となり、この散乱光は光フ
ァイバの側方に配設した散乱光検出手段により検出され
る。つまり、この散乱光の有無を検出することで、光フ
ァイバ内の異物を検出することができる。
【0020】その場合、上記光源からのビーム光は光フ
ァイバに対しその長さ方向と所定の傾斜角度で傾斜する
方向から照射される一方、散乱光検出手段は、ビーム光
が光ファイバを透過した透過光及び光ファイバの表面で
反射した反射光を受光部が受光しないように配置されて
いるため、基本的に散乱光検出手段の受光部にはビーム
光による光ファイバの透過光や表面反射光が入力され
ず、異物による散乱光のみが入射されることとなる。そ
の結果、異物による弱いレベルの散乱光のみを、強度の
大きい透過光や表面反射光の影響を受けることなく明確
に識別して散乱光検出手段で検出でき、よって光ファイ
バの異物を微細レベルまで確実に検出することができ
る。
【0021】請求項2又は11の発明では、光ファイバ
の異物としての気泡を高精度に検出することができる。
【0022】請求項3の発明では、上記光源と光ファイ
バとの傾斜角度が30°〜60°であるので、この光源
と光ファイバとの傾斜角度の好ましい範囲が具体的に得
られる。つまり、傾斜角度が30°未満であると、光源
が光ファイバと近接してその配置スペースが制約される
一方、傾斜角度が60°を越えると、透過光や表面反射
光の角度範囲が大きくなり、その透過光や表面反射光の
入射を避けるべき散乱光検出手段の配置位置が制限され
るので、よって傾斜角度は30°〜60°とされる。特
に、請求項4の発明では、傾斜角度が45°であるの
で、その最適値が得られる。
【0023】請求項5の発明では、光源からの光が光フ
ァイバに入射される部分を通りかつ光ファイバと直交す
る面内に、散乱光検出手段が受光部を光ファイバに向け
て配置されていることで、光ファイバの異物により散乱
される散乱光を散乱光検出手段にて最適レベルで受光す
ることができ、散乱光検出手段の好ましい配置位置が得
られる。
【0024】請求項6の発明では、ビーム光がレーザ光
であるので、上記散乱光の生成のために好ましいビーム
光が容易に得られる。
【0025】請求項7の発明では、コーティング層がフ
ァイバ素線の外周に被覆された1層のみである光ファイ
バにおける異物を精度良く確実に検出することができ
る。
【0026】請求項8の発明では、コーティング層がフ
ァイバ素線の外周に被覆された1次コーティング層と、
その外周に被覆された2次コーティング層とからなる2
層コーティングの光ファイバでの異物を精度良く確実に
検出できる。
【0027】請求項9の発明では、コーティング層が紫
外線硬化樹脂又はシリコン樹脂のコーティング層である
と、異物による散乱光を容易に検出することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の実施例に係る被覆異常検出装置の
構成を概略的に示し、1は例えば線引工程中にある光フ
ァイバで、この光ファイバ1は、図2に示すように、加
熱溶融したガラス母材から線引きされコア2a及びその
周囲のクラッド2bからなるファイバ素線2をダイス
(図示せず)を通過させて、その外周に1次コーティン
グ層3を被覆するとともに、さらに該1次コーティング
層3の外周に2次コーティング層4を被覆して2層のコ
ーティング層3,4を形成したものである。各コーティ
ング層3,4は、溶融樹脂が紫外線の照射によって硬化
するUV硬化樹脂からなる。
【0029】上記被覆異常検出装置における光ファイバ
1の一側方には所定距離だけ離れた位置に光源としての
所定出力のHe−Neレーザ光発生装置6が配置されて
いる。このレーザ光発生装置6は光ファイバ1の長さ方
向に対し所定の傾斜角度θで傾斜して配置されており、
レーザ光発生装置6によりビーム光としてのレーザ光L
1を光ファイバ1に向かってその長さ方向と所定の傾斜
角度θで傾斜する方向から照射する。
【0030】上記傾斜角度θは、30°≦θ≦60°で
あるのが好ましく、そのうちの最適値はθ=45°であ
る。つまり、傾斜角度θがθ<30°であると、レーザ
光発生装置6が光ファイバ1と近接し過ぎ、その配置ス
ペースが制約される。一方、傾斜角度θがθ>60°で
あると、レーザ光L1による光ファイバ1の透過光L2
や表面反射光L3の角度範囲が大きくなり、その透過光
L2や表面反射光L3の入射を避ける必要のある後述の
光強度検出器8の配置位置が制限される。よって傾斜角
度θはθ=30°〜60°とするのがよく、特にθ=4
5°とすると、上記の如き問題が全く生じない最適値が
得られる。
【0031】一方、光ファイバ1に対し上記レーザ光発
生装置6と反対側の側方には散乱光検出手段としての光
強度検出器8が配置され、この検出器8は図外のパワー
メータに接続されている。光強度検出器8は、レーザ光
発生装置6からのレーザ光L1が光ファイバ1を透過し
たときにその内部の気泡により散乱される散乱光L4の
みを検出してその強度に応じた信号をパワーメータに出
力するもので、その散乱光L4を受光可能な受光部8a
を有している。そして、光強度検出器8は、該受光部8
aがレーザ光発生装置6からのレーザ光L1が光ファイ
バ1に入射される点Aを通りかつ光ファイバ1と直交す
る平面内に、上記受光部8aを光ファイバ1に向けて配
置されており、この配置構造で光強度検出器8の受光部
8aは、レーザ光発生装置6からのレーザ光L1が光フ
ァイバ1を透過した透過光L2と光ファイバ1の表面で
反射した反射光L3とについては受光しないようになっ
ている。
【0032】尚、光強度検出器8の受光部8aは光ファ
イバ1の長さ方向に沿った幅Dが所定幅(例えばD=1
mm)のスリット10を有する遮蔽板11で覆われてお
り、光ファイバ1に対しスリット10の幅D以下の長さ
の部分について順に気泡による散乱光L4の有無を検出
するようになっている。
【0033】次に、上記実施例の作用について説明す
る。線引工程において、加熱溶融したガラス母材から線
引きされてファイバ素線2が形成され、このファイバ素
線2はダイスの通過によりその外周にUV硬化樹脂から
なる1層(1次コート)及び2層(2次コート)のコー
ティング層3,4がそれぞれ順次形成され、しかる後に
被覆異常検出装置においてコーティング層3,4での気
泡4の有無が検査される。
【0034】すなわち、被覆異常検出装置では、光ファ
イバ1の長さ方向と傾斜角度θで傾斜する方向からレー
ザ光発生装置6によりビーム状のレーザ光L1が出力さ
れ、該レーザ光L1は、移動する光ファイバ1に照射さ
れる。このレーザ光L1の大半は光ファイバ1を屈折し
ながら透過してレーザ光発生装置6と反対側に進む透過
光L2となり、残りは光ファイバ1の表面で反射されて
上記傾斜角度θと同じ角度でレーザ光発生装置6側に戻
る反射光L3となる。これらの透過光L2及び反射光L
3は、基本的にレーザ光発生装置6からのレーザ光L1
が光ファイバ1に入射された点Aを頂点として略円錐状
に拡がり(図1ではその底面部を破線にて示してい
る)、この範囲が透過光L2及び反射光L3の光路範囲
となる。
【0035】そして、光ファイバ1に気泡が実質的に混
入されていないと見做される場合、上記透過光L2は気
泡により散乱されないので、散乱光L4は発生せず、こ
の散乱光L4を受光しない光強度検出器8からバックグ
ラウンドとしてのノイズレベルの信号が出力される。
【0036】これに対し、光ファイバ1に気泡が発生し
ていると、上記透過光L2の一部が気泡により散乱して
散乱光L4が生じ、この散乱光L4は気泡位置から全て
の方向に向かって散乱する。この散乱光L4の一部が、
スリット10を通って光ファイバ1側方にある光強度検
出器8の受光部8aに受光され、この受光された散乱光
L4により検出器8から上記ノイズレベルを越えた大き
さの信号が出力され、その大きさがパワーメータで測定
される。従って、上記散乱光L4の有無を光強度検出器
8により検出することで、光ファイバ1内の気泡を検出
することができる。
【0037】そのとき、上記レーザ光発生装置6は光フ
ァイバ1の長さ方向に対し傾斜角度θで傾斜配置され
て、レーザ光発生装置6からのビーム状レーザ光L1
は、光ファイバ1にその長さ方向から傾斜角度θで傾斜
した方向から照射される。一方、光強度検出器8は、レ
ーザ光発生装置6からのレーザ光L1が光ファイバ1に
入射される点Aを通りかつ光ファイバ1と直交する平面
内に受光部8aを光ファイバ1に向けて配置され、上記
レーザ光L1が光ファイバ1を透過した透過光L2及び
光ファイバ1表面で反射した反射光L3を受光部8aが
受光しないように配置されている。従って、光強度検出
器8の配置位置は上記透過光L2及び反射光L3の光路
範囲から外れた位置となり、その受光部8aには透過光
L2や反射光L3が入力されず、上記気泡による散乱光
L4のみが入射されることとなる。その結果、気泡によ
る散乱光L4の強度が透過光L2や反射光L3に比べて
遥かに弱くても、その散乱光L4のみを、透過光L2や
表面反射光L3の影響を受けることなく明確に識別して
光強度検出器8で検出できるようになり、よって各々が
UV硬化樹脂からなる1次及び2次コーティング層3,
4を有する2層コーティングの光ファイバ1の気泡を微
細レベルまで確実かつ高精度に検出することができる。
【0038】そして、この実施例では、上記の如く、光
強度検出器8は、レーザ光発生装置6からのレーザ光L
1が光ファイバ1に入射される点Aを通りかつ光ファイ
バ1と直交する平面内に、光強度検出器8が受光部8a
を光ファイバ1に向けて配置されているので、光ファイ
バ1の気泡による散乱光L4の一部が好ましい状態で光
強度検出器8の受光部8aに入力され、よって散乱光L
4を光強度検出器8にて最適レベルで受光することがで
きる。
【0039】(具体例1)具体的に、上記実施例の構成
の検出装置(レーザ光発生装置6の出力は1mW)を使
用して、所定長さの光ファイバを長さ方向に移動させな
がらその気泡による散乱光L4の強度を光強度検出器8
により検出した。その後、同じ光ファイバを、反射抑制
用のマッチングオイル中にて顕微鏡にて観察して気泡の
数量及び径を測定し、この顕微鏡観察による気泡数と散
乱光L4の強度との関係を求めた。その結果を下記表1
に示す。尚、発生長とは、気泡により散乱光L4の強度
のピークが生じたときの光ファイバの移動距離である。
【0040】
【表1】
【0041】また、気泡の径と数量との関係を図3によ
り、また気泡の合計の表面積と散乱光L4の強度との関
係を図4によりそれぞれ示す。図3によると、気泡は6
μm以下のものが大半を占めることが判る。
【0042】また、図4によれば、気泡表面積(気泡の
半径をrとしたときに4πr2 )の合計と散乱光L4の
強度とは明確な相関性を有し、気泡表面積が増大する、
つまり気泡が多くなるほど散乱光L4の強度が増大する
ことが判る。そして、この具体例では、気泡表面積/
(4π)の合計Σr2 がΣr2 <100であると散乱光
L4の強度による気泡の検出を行うことができず、この
値Σr2 =100が検出感度の限界であると考えられ
る。この気泡表面積がΣr2 ≧100となるときの気泡
径と気泡数との関係を示すと、表2のようになる。
【0043】
【表2】
【0044】(具体例2)上記具体例1と同様にして、
別の2つのサンプルの光ファイバ(全長30mm)を顕
微鏡観察して気泡混入数と発生長とを測定した。その結
果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】この表3によると、気泡のうち単独で存在
する気泡や数量の少ないものについては検出が困難であ
るが、その他のものについては良好に検出でき、気泡検
出レベルを高くすることができることが判る。
【0047】尚、上記実施例は、2層のコーティング層
3,4を有する光ファイバ1の場合であるが、本発明
は、ファイバ素線2に対し1層のコーティング層や3層
以上のコーティング層を被覆した光ファイバに対しても
適用することができる。
【0048】また、上記実施例では、UV硬化樹脂のコ
ーティング層3,4であるが、その他、シリコン樹脂の
コーティング層でも気泡を検出することができる。
【0049】さらに、上記実施例は、光ファイバ1にお
けるファイバ素線2とコーティング3との界面や2層の
コーティング層3,4間の界面等に混入された気泡を検
出するものであるが、気泡以外の異物であっても、上記
と同様にして検出することができる。また、光源として
は、レーザ光L1以外のビーム光を使用することもでき
る。
【0050】また、レーザ光の強度や光強度検出器の感
度をそれぞれ大きくすることで、さらに検出精度を上げ
ることができ、上記具体例1に示すΣr2 ≦100での
気泡検出を行うことが可能となる。
【0051】また、光強度検出器の受光部の前に波長フ
ィルタを設置したり、或いは光源に変調を加えたりする
ことで、ノイズレベルを低減でき、より一層の高精度化
が可能となる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は10
の発明によると、ファイバ素線にコーティング層を被覆
してなる光ファイバに対し、その長さ方向と所定の傾斜
角度で傾斜する方向からビーム光を照射する一方、光フ
ァイバの側方に散乱光検出手段を、ビーム光による光フ
ァイバの透過光と光ファイバ表面での反射光とを受光部
が受光しないように配置し、この散乱光検出手段によ
り、透過光が光ファイバの異物で散乱した散乱光のみを
検出するようにしたことにより、散乱光検出手段に透過
光や表面反射光を入射させずに、異物による散乱光のみ
を入射させることができ、弱いレベルの散乱光であって
も、大強度の透過光や表面反射光の影響を受けることな
く明確に識別して検出でき、光ファイバでの異物検出精
度の向上及びその確実化を図ることができる。
【0053】請求項2又は11の発明によると、光ファ
イバの異物は気泡としたことで、光ファイバのコーティ
ング層ないし素線とコーティングとの界面に発生する気
泡を精度良く確実に検出できる。
【0054】請求項3の発明では、上記光源と光ファイ
バとの傾斜角度を30°〜60°とした。また、請求項
4の発明では、同傾斜角度を45°とした。これら発明
によれば、光源と光ファイバとの傾斜角度の好ましい範
囲及びその中での最適値が具体的に得られる。
【0055】請求項5の発明によると、光源からの光が
光ファイバに入射される部分を通りかつ光ファイバと直
交する面内に散乱光検出手段をその受光部が光ファイバ
に向くように配置したことで、光ファイバの異物による
散乱光を散乱光検出手段にて最適レベルで受光でき、散
乱光検出手段の好ましい配置位置が得られる。
【0056】請求項6の発明によると、ビーム光をレー
ザ光として、散乱光の生成のために好ましいビーム光が
容易に得られる。
【0057】請求項7の発明では、ファイバ素線に被覆
されるコーティング層を1層とした。また、請求項8の
発明では、コーティング層は、ファイバ素線に被覆され
た1次コーティング層とその外周に被覆された2次コー
ティング層との2層とした。これら発明によると、1層
又は2層のコーティング層を持つ光ファイバでの異物を
精度良く確実に検出できる。
【0058】請求項9の発明によると、上記コーティン
グ層が紫外線硬化樹脂又はシリコン樹脂であるので、光
ファイバでの異物による散乱光の検出の容易化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を概略的に示す斜視図である。
【図2】検査対象としての光ファイバの拡大断面図であ
る。
【図3】光ファイバでの気泡の径及びその観察数を示す
ヒストグラムである。
【図4】光ファイバにおける気泡の表面積の合計とそれ
に応じた散乱光の強度の関係の実験結果を示す特性図で
ある。
【符号の説明】
1 光ファイバ 2 ファイバ素線 3 1次コーティング層 4 2次コーティング層 6 He−Neレーザ光発生装置(光源) 8 光強度検出器(散乱光検出手段) 8a 受光部 L1 レーザ光 L2 透過光 L3 反射光 L4 散乱光 θ 傾斜角度 A 光ファイバへのレーザ光入射点

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファイバ素線にコーティング層を被覆し
    てなる光ファイバの上記コーティング層、ないし素線と
    コーティングとの界面に混入された異物を検出するよう
    にした光ファイバの被覆異常検出装置であって、 上記光ファイバにその長さ方向と所定の傾斜角度で傾斜
    する方向からビーム光を照射する光源と、 上記光ファイバの側方に、光源からのビーム光が光ファ
    イバを透過した透過光と光ファイバの表面で反射した反
    射光とを受光部が受光しないように配設され、光源から
    のビーム光が光ファイバを透過したときの上記異物によ
    る散乱光のみを受光部で検出する散乱光検出手段とを備
    えたことを特徴とする光ファイバの被覆異常検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ファイバの被覆異常検
    出装置において、 異物は、気泡であることを特徴とする光ファイバの被覆
    異常検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光ファイバの被覆
    異常検出装置において、 光源と光ファイバとの傾斜角度が30°〜60°である
    ことを特徴とする光ファイバの被覆異常検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光ファイバの被覆異常検
    出装置において、 光源と光ファイバとの傾斜角度が45°であることを特
    徴とする光ファイバの被覆異常検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の光ファイバの被覆
    異常検出装置において、 散乱光検出手段は、光源からの光が光ファイバに入射さ
    れる部分を通りかつ光ファイバと直交する面内に、受光
    部を光ファイバに向けて配置されていることを特徴とす
    る光ファイバの被覆異常検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の光ファイバの被覆
    異常検出装置において、 光源は、レーザ光を照射するレーザ光発生装置であるこ
    とを特徴とする光ファイバの被覆異常検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の光ファイバの被覆
    異常検出装置において、 コーティング層は、1層であることを特徴とする光ファ
    イバの被覆異常検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2記載の光ファイバの被覆
    異常検出装置において、 コーティング層は、ファイバ素線の外周に被覆された1
    次コーティング層と、該1次コーティング層の外周に被
    覆された2次コーティング層とからなることを特徴とす
    る光ファイバの被覆異常検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の光ファイバの被覆
    異常検出装置において、 コーティング層は、紫外線硬化樹脂又はシリコン樹脂で
    あることを特徴とする光ファイバの被覆異常検出装置。
  10. 【請求項10】 ファイバ素線にコーティング層を被覆
    してなる光ファイバの上記コーティング層、ないし素線
    とコーティングとの界面に混入した異物を検出する光フ
    ァイバの被覆異常検出方法であって、 上記光ファイバにその長さ方向と所定の傾斜角度で傾斜
    する方向からビーム光を照射して、そのビーム光が光フ
    ァイバを透過したときの上記異物による散乱光のみを検
    出することを特徴とする光ファイバの被覆異常検出方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の光ファイバの被覆異
    常検出方法において、 異物は、気泡であることを特徴とする光ファイバの被覆
    異常検出方法。
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