JPH08261270A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JPH08261270A
JPH08261270A JP7087599A JP8759995A JPH08261270A JP H08261270 A JPH08261270 A JP H08261270A JP 7087599 A JP7087599 A JP 7087599A JP 8759995 A JP8759995 A JP 8759995A JP H08261270 A JPH08261270 A JP H08261270A
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chamber
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明 柏木
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F9/00Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
    • F16F9/32Details
    • F16F9/34Special valve constructions; Shape or construction of throttling passages
    • F16F9/348Throttling passages in the form of annular discs or other plate-like elements which may or may not have a spring action, operating in opposite directions or singly, e.g. annular discs positioned on top of the valve or piston body

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減衰力調整式油圧緩衝器において、オリフィ
ス特性およびバルブ特性を調整するとともに、バルブ特
性の傾きを小さくする。 【構成】 シリンダ内の作動ロッドの伸縮によって油液
を流動させる2室間の連通路9に減衰力調整機構10を介
装する。減衰力調整機構10には、ディスクバルブ17を設
け、その背面側に背圧室24を設ける。背圧室24を固定オ
リフィス25を介して連通路9の上流側に連通させ、ガイ
ドポート17,18を介して連通路9の下流側に連通させ
る。スプール28によってガイドポート17,18の連通路面
積を変化させて、直接オリフィス特性を調整するととも
に背圧室24の圧力を変化させてバルブ特性を調整する。
固定オリフィス25をディスクバルブ17が開弁時に形成す
る流路の弁座近傍に設け、この流路の流速による圧力の
低下を背圧室24に導入することにより、ディスクバルブ
17の開弁圧の上昇を防止してバルブ特性の傾きを小さく
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両の懸架
装置に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関するもの
である。
【0002】自動車等の車両の懸架装置に装着される油
圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心地
や操縦安定性を向上させるために減衰力を適宜調整でき
るようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】減衰力調整式油圧緩衝器は、一般に、油液
を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピス
トンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、
ピストン部にシリンダ内の2室を連通させる主油液通路
およびバイパス通路を設け、主油液通路にはオリフィス
およびディスクバルブからなる減衰力発生機構を設け、
バイパス通路にはその通路面積を調整する減衰力調整弁
を設けた構成となっている。
【0004】そして、減衰力調整弁によってバイパス通
路を開いてシリンダ内の2室間の油液の流通抵抗を小さ
くすることにより減衰力を小さくし(ソフト特性)、ま
た、バイパス通路を閉じて2室間の流通抵抗を大きくす
ることにより減衰力を大きくする(ハード特性)ことが
できる。このように、減衰力調整弁の開閉により減衰力
特性を適宜調整することができる。
【0005】しかしながら、上記のようにバイパス通路
の通路面積によって減衰力を調整するものでは、ピスト
ン速度の低速域においては、減衰力は油液通路のオリフ
ィス特性に依存するので減衰力特性を大きく変化させる
ことができるが、ピストン速度の中高速域においては、
減衰力が主油液通路の減衰力発生機構(ディスクバル
ブ)に依存するため、減衰力特性を大きく変化させるこ
とができない。
【0006】そこで、従来、例えば実開昭62−155
242号公報に記載されたもののように、シリンダ室間
を連通させる主油液通路の通路面積を調整するディスク
バルブ等の減衰力調整弁の弁体の背部に背圧室を形成
し、この背圧室を固定オリフィスを介して弁体の上流側
のシリンダ室に連通させ、また、可変オリフィスを介し
て弁体の下流側のシリンダ室に連通させるようにした減
衰力調整式油圧緩衝器が知られている。
【0007】この減衰力調整式油圧緩衝器によれば、可
変オリフィスを開閉することにより、シリンダ室間の連
通路面積を調整するとともに、圧力室の圧力を変化させ
て減衰力調整弁の開弁圧力を変化させることができる。
このようにして、オリフィス特性およびバルブ特性を調
整することができ、減衰力特性の調整範囲を広くするこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、車
両の懸架装置に装着される減衰力調整式油圧緩衝器で
は、操縦安定性および乗り心地の両立の面から、オリフ
ィス特性およびバルブ特性を調整可能とするとともに、
ハード特性時の減衰力調整弁の開弁圧力を充分高くし、
かつ、バルブ特性の傾き、すなわち、バルブ開弁時のピ
ストン速度の増加に対する減衰力の増加傾向を小さくす
ることが望まれている。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、オリフィス特性およびバルブ特性が調整可能であ
るとともに、ハード特性時の減衰力調整弁の開弁圧力が
充分高く、かつ、バルブ特性の傾きを小さくすることが
できる減衰力調整式油圧緩衝器を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、油液が封入されたシリンダ内に挿入さ
れた作動ロッドの伸縮に応じて2室間の連通路内に生じ
る油液の流動を減衰力調整機構によって制御する減衰力
調整式油圧緩衝器において、前記減衰力調整機構は、弁
座との間で前記連通路の通路面積を調整する弁体と、該
弁体に閉弁方向に内圧を作用させる背圧室と、前記弁体
に設けられ前記背圧室と前記2室のうちの上流側の室と
を流路抵抗をもって連通させる上流側通路と、前記背圧
室と前記2室のうちの下流側の室とを連通させる下流側
通路と、該下流側通路の通路面積を調整する可変オリフ
ィスとを備え、さらに、前記上流側通路は、前記弁体が
開弁時に形成する流路の弁座近傍に開口されていること
を特徴とする。
【0011】
【作用】このように構成したことにより、作動ロッドの
伸縮にともない減衰力調整機構では、油液が上流側通
路、背圧室および下流側通路を流通して可変オリフィス
および弁体によって減衰力が発生する。そして、可変オ
リフィスの通路面積を変化させることによって、オリフ
ィス特性を直接調整するとともに背圧室の内圧を変化さ
せ弁体の開弁特性を変化させてバルブ特性を調整するこ
とができる。また、弁体が弁座との間で開弁時に形成す
る流路の絞りにより、この流路付近の油液の流速が大き
くなり圧力が低下して弁体が閉弁方向に引き寄せられる
が、この流路の弁座近傍に上流側通路が開口しているの
で、上流側通路を介して背圧室に伝わる圧力も低下して
弁体が開弁しやすくなり、その結果、油液の流れによっ
て生じる弁体の閉弁方向および開弁方向に作用する力が
相殺される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0013】図3に本実施例の減衰力調整式油圧緩衝器
1の油圧回路を示す。図3に示すように、減衰力調整式
油圧緩衝器1は、油液が封入されたシリンダ2内にピス
トン3が摺動可能に嵌装されており、このピストン3に
よってシリンダ2内がシリンダ上室2aとシリンダ下室2b
の2室に画成されている。ピストン3には、ピストンロ
ッド4(作動ロッド)の一端が連結されており、ピスト
ンロッド4の他端側はシリンダ2の上端部に装着された
ロッドガイドおよびオイルシール(図示せず)に挿通さ
れてシリンダ2の外部へ延出されている。シリンダ2の
外周部には、油液およびガスが封入されたリザーバ室5
が設けられ、シリンダ2の底部に設けられたベースバル
ブ6を介してシリンダ下室2bに連通されている。
【0014】ピストン3には、シリンダ下室2b側からシ
リンダ上室2a側への油液の流通のみを許容する逆止弁7
が設けられている。ベースバルブ6には、リザーバ室5
側からシリンダ下室2b側への油液の流通のみを許容する
逆止弁8が設けられている。また、シリンダ上室2aとリ
ザーバ室5の2室が連通路9(9a,9bとからなる)によ
って連通されており、連通路9には減衰力調整機構10が
設けられている。
【0015】減衰力調整機構10には、シリンダ上室2a側
の油液の圧力を受けて開弁して連通路9の通路面積を調
整する減衰弁Aが設けられている。減衰弁Aは、パイロ
ット圧制御リリーフ弁であり、パイロット圧通路Bから
のパイロット圧によって通路面積を決定するようになっ
ている。パイロット圧通路Bは、固定オリフィスCによ
る流路抵抗を有する上流側通路を介して連通路9aの上流
側のシリンダ上室2a側に連通され、また、パイロット弁
D(可変オリフィス)を有する下流側通路を介して連通
路9bの下流側のリザーバ室5側に連通されている。パイ
ロット弁Dは、可変オリフィスとして作用し、上流側の
固定オリフィスCとの通路面積比によってパイロット圧
を調整するようになっている。
【0016】次に、減衰力調整機構10のさらに具体的な
構造について、図1および図2を参照して説明する。
【0017】図1に示すように、減衰力調整機構10は、
円筒状のハウジング11内に、バルブ部材12およびプラグ
部材13を嵌合させて、ハウジング11の内部に油室11a を
形成している。バルブ部材12には、油室11a を連通路9a
のシリンダ上室2a側に連通させる入口ポート14が設けら
れている。ハウジング11の側壁には、油室11a を連通路
9bのリザーバ室5側に連通させる出口ポート15が設けら
れている。
【0018】プラグ部材13には、円筒状のガイド部16が
一体に設けられており、ガイド部16は、ハウジング11の
軸方向に沿って延ばされ、その先端部がバルブ部材12に
挿通されている。ガイド部16の外周には、バルブ部材12
の入口ポート14に対向する弁体であるディスクバルブ17
(図3の減衰弁Aに対応)およびディスクバルブ17の背
面側に対向する環状空間を形成する有底円筒状の固定部
材18が嵌合され固定されている。
【0019】バルブ部材12の油室11a 側の端面には、入
口ポート14をはさんで内周部に環状の保持部19が凸設さ
れ外周側部に環状の弁座20が凸設されている。ディスク
バルブ17は、その内周部が保持部19とリテーナ21とで挾
持され固定されており、外周部が弁座20に当接されてい
る。ここで、弁座20は、保持部19に対して所定寸法L
(例えば0.2mm 程度)だけ突出されており(図2参
照)、これによってディスクバルブ17が撓んで所定の初
期荷重をもって弁座20に押し付けられている。また、デ
ィスクバルブ17の板厚は例えば0.4mm 以下として撓み剛
性が充分低くなるようにしている。
【0020】固定部材18内には、円筒状の可動部材22が
摺動可能に嵌合されており、可動部材22の一端部がディ
スクバルブ17の背面に液密的に当接されている。固定部
材22の一端部の内側フランジ部と固定部材18の底部との
間に圧縮ばね23が介装され、このばね23の弾性力によっ
て固定部材がディスクバルブ17に押し付けられており、
ディスクバルブ17、固定部材18および可動部材22によっ
てディスクバルブの背面側に背圧室24(図3のパイロッ
ト圧通路Bに対応)が形成されている。
【0021】背圧室24は、ディスクバルブ17に設けられ
た上流側通路としての固定オリフィス25(図3の固定オ
リフィスCに対応)を介して入口ポート14側、すなわ
ち、連通路9aの上流側のシリンダ上室2a側に連通されて
いる。固定オリフィス25は、ディスクバルブ17の弁座20
への着座部の近傍、すなわち、ディスクバルブ17が開弁
時に形成する流路の弁座近傍に開口されている。
【0022】また、背圧室24は、ガイド部16の側壁に設
けられた下流側通路としてのガイドポート26,27、後述
するスプール28の流路29および油室11a を介して出口ポ
ート15側、すなわち連通路9bの下流側のリザーバ室5側
に連通されている。
【0023】プラグ部材13のガイド部16内には、スプー
ル28が摺動可能に嵌装されており、スプール28の移動に
より、ガイドポート26と流路29との連通路面積を調整す
るようになっている(ガイドポート26および流路29が図
3の可変オリフィスとしてのパイロット弁Dに対応す
る)。なお、ガイドポート27と流路29とは常時一定の通
路面積で連通されている。そして、スプール28は、ばね
30によって一方へ付勢されており、比例ソレノイドアク
チュエータ(図示せず)の作動ロッド31は、ばね30の付
勢力に抗してスプール28を移動させて、その推力に応じ
てスプール28を位置決めすることにより、ガイドポート
26と流路29との連通路面積を調整できるようになってい
る。
【0024】以上のように構成した本実施例の作用につ
いて次に説明する。
【0025】ピストンロッド4の伸び行程時には、ピス
トン3の移動により逆止弁7が閉じてシリンダ上室2a側
の油液が加圧され、ピストン3が移動した分の油液が連
通路9を通って減衰力調整機構10を介してリザーバ室5
へ流れる。同時に、逆止弁8が開いてピストン3が移動
した分の油液がガスの膨張によってリザーバ室5からシ
リンダ下室2bへ流れる。
【0026】減衰力調整機構10では、シリンダ上室2a側
から入口ポート14に流入した油液がディスクバルブ17の
固定オリフィス25(図3の固定オリフィスC)、背圧室
24(図3のパイロット圧通路B)、ガイドポート26と流
路29(図3のパイロット弁)、ガイドポート27および油
室11a を通って出口ポート15からリザーバ室5側へ流れ
る。このとき、シリンダ上室2a側の圧力が開弁圧に達し
てディスクバルブ17(図3の減衰弁A)が開くと、油液
が入口ポート14から直接油室11a へ流れる。
【0027】よって、ピストン速度が小さくディスクバ
ルブ17(減衰弁A)の開弁前においては、ガイドポート
26、流路29間の連通路面積(パイロット弁Dの連通路面
積)に応じてオリフィス特性の減衰力が発生する。ピス
トン速度が大きくなり、シリンダ上室側2aの圧力が上昇
してディスクバルブ17(減衰弁A)が開弁すると、その
開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生する。そして、
比例ソレノイドアクチュエータによってスプール28を移
動させてガイドポート26、流路29間の連通路面積(パイ
ロット弁Dの連通路面積)を変化させることにより、減
衰力特性を調整することができる。
【0028】この場合、ガイドポート26、流路29間の連
通路面積(パイロット弁Dの連通路面積)の連通路面積
が小さいほど、それによる圧力損失が大きく、背圧室24
内の圧力が高くなり、この圧力がディスクバルブ17の背
面側に閉弁方向に作用するので、ディスクバルブ17(減
衰弁A)の開弁圧力も高くなる。したがって、スプール
28を移動させてガイドポート26、流路29間の連通路面積
(パイロット弁Dの連通路面積)を変化させることによ
り、オリフィス特性およびバルブ特性が同時に変化する
ので、ピストン速度の低速域から高速域にわたって大き
く減衰力特性を変化させることができ、減衰力特性の調
整範囲を広くすることができる。
【0029】一方、ピストンロッド4の縮み行程時に
は、ピストン3の移動により、ベースバルブ6の逆止弁
8が閉じ、ピストン3の逆止弁7が開いて、ピストンロ
ッド4の侵入によってシリンダ2内の油液が加圧され、
その分の油液がシリンダ上室2aから連通路9aを通って減
衰力調整機構10を介してリザーバ室5へ流れてガスを圧
縮する。
【0030】したがって、上記伸び行程時と同様に、減
衰力調整機構10によって減衰力が発生し、スプールの移
動によりオリフィス特性およびバルブ特性を調整するこ
とができる。なお、縮み行程時には、ピストンロッド4
の短縮によるシリンダ2内へ侵入分の油液の流動によっ
て減衰力が発生するので、ピストンロッド4のストロー
クに対する減衰力調整機構10の油液の流量が伸び行程時
に比して小さくなり、その分油液の流速が小さくなるた
め、油液の流通抵抗も小さくなり、よって、伸び行程時
よりも小さい減衰力が発生することになる。
【0031】上記の場合において、図2に示すように、
ディスクバルブ17が開弁して入口ポート14側の油液が弁
座20とディスクバルブ17との隙間部分E(ディスクバル
ブ17が開弁時に形成する流路)を通って油室11a 側へ流
れるとき、隙間部分Eでは、油液の流路が絞られて流速
が高められるので、圧力が低下する。そして、隙間部分
Eの圧力の低下によって、ディスクバルブ17は弁座20側
へ引き寄せられて開弁しにくくなる。
【0032】一方、固定オリフィス25は、ディスクバル
ブ17の弁座20への着座部の近傍に設けられているので、
隙間部分Eの圧力が固定オリフィス25を介して背圧室24
に伝えられ、固定オリフィス25の近傍の下流部分Fの圧
力も低くなる。そして、下流部分Fの圧力の低下によっ
て、ディスクバルブ17は、外周近傍において開弁方向に
引き寄せられるので開弁しやすくなる。
【0033】このようにして、隙間部分Eと下流部分F
の圧力が共に低下するので、開弁方向および閉弁方向に
作用する力が相殺されてディスクバルブ17が開きにくく
なるのを防止することができる。よって、減衰力調整式
油圧緩衝器1の減衰力特性は、図6中に実線で示すよう
に、バルブ特性の傾き、すなわち、ディスクバルブ17の
開弁時のピストン速度の増加に対する減衰力の増加傾向
が小さくなる。
【0034】また、弁座20を保持部19に対して所定寸法
L(例えば0.2mm 程度)だけ突出させてディスクバルブ
17の初期荷重を大きくするとともに、ディスクバルブ17
の板厚を例えば0.4mm 以下として撓み剛性を充分低くし
ているので、ディスクバルブ17の開弁圧力を充分高くな
り、かつ、開弁時のバルブ特性の傾きが小さくなる。
【0035】ここで、例えば図4に示すように、固定オ
リフィス25がディスクバルブ17の中心よりの部位に配置
されている場合について考えると、図2に示すものと同
様に、弁座20とディスクバルブ17との隙間部分Eでは、
油液の流路が絞られて流速が高められ、圧力が低下す
る。また、固定オリフィス25の下流部分Gでは、固定オ
リフィス25の絞りによって油液の流速が大きくなり圧力
が低下する。一方、ディスクバルブの背面側の外周部付
近Hでは、油液の流れが殆ど生じないので圧力が高くな
る。このため、隙間部分Eと外周部付近Hとの圧力差に
よってディスクバルブ17に閉弁方向の力が作用してディ
スクバルブ17が開きにくくなる。なお、下流部分Gは、
ディスクバルブ17の弁座20への着座部から離れているた
め、その圧力の低下は殆ど開弁圧力に影響しない。
【0036】その結果、ディスクバルブ17の開弁後の見
かけ上の剛性が高まり(ディスクバルブ17が開きにくく
なり)、減衰力特性は、図6中に破線で示すように、バ
ルブ特性の傾き、すなわち、ディスクバルブ17の開弁時
のピストン速度の増加に対する減衰力の増加傾向が大き
くなる。
【0037】よって、図1および図2に示すように、固
定オリフィス25をディスクバルブ17の弁座20への着座部
の近傍に設けることにより、ディスクバルブ17の開弁後
のバルブ特性の傾きを小さくすることができ、また、固
定オリフィス25の配置によって、ディスクバルブ17の開
弁後のバルブ特性の傾きを自由に設定することができ
る。
【0038】次に減衰力調整機構の他の実施例について
図5を参照して説明する。
【0039】図5に示す減衰力調整機構32は、減衰弁と
してポペット弁33を用いたものである。ポペット弁33
は、入口ポート34、出口ポート35および背圧ポート36を
有する弁ハウジング37内に、弁体であるポペット38が摺
動可能に嵌装されている。ポペット弁33は、ポペット38
が移動して弁ハウジング37の弁座37a に離着座すること
によって入口ポート34と出口ポート35との間を連通、遮
断するリリーフ弁であり、ポペット38が入口ポート34側
の圧力を受けて開弁して、その開度に応じて連通路面積
を調整するようになっている。また、ポペット38の背面
側には、背圧室39が形成されており、背圧室39の内圧が
ポペット38に閉弁方向に作用するようになっている。
【0040】ポペット38には、背圧室36を入口ポート34
に連通させる上流側通路としての固定オリフィス通路40
が設けられており、固定オリフィス通路40の入口ポート
34側の開口部40a は、ポペット38の弁座37a への着座部
の近傍、すなわち、ポペット38が開弁時に形成する流路
の近傍に開口されている。なお、図中、41はポペット38
に初期荷重を設定するためのばねである。
【0041】入口ポート34は連通路9の上流側のシリン
ダ上室2aに連通され、出口ポート35は連通路9のリザー
バ5側に連通されており、また、下流側通路としての背
圧ポート36は可変オリフィス42を介して連通路9の下流
側のリザーバ室5に連通されている。
【0042】この構成により、図2に示す減衰力調整機
構と同様に、ピストン速度が小さく、ポペット弁33の開
弁前は、可変オリフィス42の通路面積に応じてオリフィ
ス特性の減衰力が発生する。ピストン速度が大きくな
り、ポペット弁33が開弁すると、その開度に応じてバル
ブ特性の減衰力が発生する。そして、可変オリフィス42
の通路面積を変化させることにより、直接オリフィス特
性を調整するとともに、背圧室39の内圧を変化させてバ
ルブ特性を調整することができる。
【0043】また、図2に示すものと同様に、ポペット
38が開弁して入口ポート34側の油液が弁座37a とポペッ
ト38との隙間を通って出口ポート35側へ流れるとき、こ
の隙間では流路が絞られて流速が高められ圧力が低下す
る。この圧力の低下によってポペット38が弁座37a 側に
引き寄せられて開弁しにくくなる。この場合、固定オリ
フィス通路40がポペット38の弁座37a への着座部の近傍
に開口されているので、ポペット38と弁座部37a との隙
間の圧力低下部の圧力が固定オリフィス通路40を介して
背圧室39に伝えられ、背圧室39の圧力が低下してポペッ
ト38は開弁しやすくなる。
【0044】このようにして、開弁方向および閉弁方向
に作用する力が相殺されてポペット38が開きにくくなる
のを防止することができる。よって、減衰力特性は、図
6中に実線で示すように、バルブ特性の傾きが小さくな
る。
【0045】なお、上記実施例では、一例として伸び側
および縮み側共に1つの減衰力調整機構によって減衰力
を発生させるものについて説明しているが、本発明はこ
れに限らず、油液が封入されたシリンダ内に挿入された
作動ロッドの伸縮に応じて2室間の油液通路内に生じる
油液の流動を減衰力調整機構によって制御して減衰力を
発生させるものであれば、このほかの形式の減衰力調整
式油圧緩衝器にも適用することができる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の減衰力調
整式油圧緩衝器によれば、作動ロッドの伸縮にともない
減衰力調整機構では、油液が上流側通路、背圧室および
下流側通路を流通して可変オリフィスおよび弁体によっ
て減衰力が発生する。そして、可変オリフィスの通路面
積を変化させることによって、オリフィス特性を直接調
整するとともに背圧室の内圧を変化させ弁体の開弁特性
を変化させてバルブ特性を調整することができる。ま
た、弁体が弁座との間で開弁時に形成する流路の絞りに
より、この流路付近の油液の流速が大きくなり圧力が低
下して弁体が閉弁方向に引き寄せられが、この流路の弁
座近傍に上流側通路が開口しているので、上流側通路を
介して背圧室に伝わる圧力も低下して弁体が開弁しやす
くなる。その結果、油液の流れによって生じる弁体の閉
弁方向および開弁方向に作用する力が相殺されて、弁体
が開きにくくなるのを防止することができ、バルブ特性
の傾きを小さくすることができるという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の減衰力調整式油圧緩衝器の
減衰力調整機構の縦断面図である。
【図2】図1の減衰力調整機構の開弁時の油液の圧力の
状態を示すディスクバルブ周辺部の拡大図である。
【図3】本発明の一実施例の減衰力調整式油圧緩衝器を
示す回路図である。
【図4】図1の減衰力調整機構において、固定オリフィ
スをディスクバルブの中心よりに配置した場合の開弁時
の油液の圧力の状態を示すディスクバルブ周辺部の拡大
図である。
【図5】本発明の他の実施例の減衰力調整式油圧緩衝器
の減衰力調整機構を示す概略図である。
【図6】本発明の一実施例の減衰力調整式油圧緩衝器の
減衰力特性を示す図である。
【符号の説明】
1 減衰力調整式油圧緩衝器 2 シリンダ 2a シリンダ上室 4 ピストンロッド(作動ロッド) 5 リザーバ室 10 減衰力調整機構 17 ディスクバルブ(弁体) 24 背圧室 25 固定オリフィス(上流側通路) 26,27 ガイドポート(背圧通路、可変オリフィス) 29 流路(背圧通路、可変オリフィス) 32 減衰力調整機構 36 背圧ポート(下流側通路) 38 ポペット(弁体) 40 固定オリフィス通路(上流側通路) 42 可変オリフィス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されたシリンダ内に挿入され
    た作動ロッドの伸縮に応じて2室間の連通路内に生じる
    油液の流動を減衰力調整機構によって制御する減衰力調
    整式油圧緩衝器において、前記減衰力調整機構は、弁座
    との間で前記連通路の通路面積を調整する弁体と、該弁
    体に閉弁方向に内圧を作用させる背圧室と、前記弁体に
    設けられ前記背圧室と前記2室のうちの上流側の室とを
    流路抵抗をもって連通させる上流側通路と、前記背圧室
    と前記2室のうちの下流側の室とを連通させる下流側通
    路と、該下流側通路の通路面積を調整する可変オリフィ
    スとを備え、さらに、前記上流側通路は、前記弁体が開
    弁時に形成する流路の弁座近傍に開口されていることを
    特徴とする減衰力調整式油圧緩衝器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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