JPH08260907A - 蒸気貯蔵発電プラント - Google Patents

蒸気貯蔵発電プラント

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JPH08260907A
JPH08260907A JP6571095A JP6571095A JPH08260907A JP H08260907 A JPH08260907 A JP H08260907A JP 6571095 A JP6571095 A JP 6571095A JP 6571095 A JP6571095 A JP 6571095A JP H08260907 A JPH08260907 A JP H08260907A
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JP
Japan
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steam
accumulator
turbine
pressure
low
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JP6571095A
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Inventor
Nobuo Okita
信雄 沖田
Shinichi Nohara
眞一 野原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ピークタービンをなくすことで設備費および設
置スペースの減少を図り、かつアイドリングによる無駄
なエネルギ消費をなくすと共に、夜間に求められる急速
負荷上昇を可能にする。 【構成】アキュームレータ5に抽気を導く抽気管7に高
速動作の抽気遮断弁15を設ける。さらに、アキューム
レータ5の発生蒸気を低圧タービン2cの途中段落に導
く蒸気管14を接続する。夜間の低負荷運転中、系統周
波数が低下したとき、抽気遮断弁15が急速に閉じてア
キュームレータ5への抽気を遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸気タービンプラントに
蒸気貯蔵装置を組み合わせて構成される蒸気貯蔵発電プ
ラントに関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気を熱水として蓄えるアキュームレー
タを蒸気タービンプラントに組み込み、必要に応じてア
キュームレータの減圧操作によって蒸気を発生させ、ピ
ーク発電を行う方法がある。これは、一般に、蒸気貯蔵
発電と呼ばれているもので、特に、電力系統が孤立し、
系統容量が小さい地域において、一部の電源設備の脱落
により系統周波数が急に低下した場合の周波数変動抑制
対策に用いられている。
【0003】図8は従来の蒸気貯蔵発電に用いられる主
要な機器構成を示したもので、ボイラ1で発生した高温
・高圧の蒸気は高圧タービン2aに導かれ、そこで膨張
を遂げる。この蒸気は再熱器1aで再熱され、高温再熱
蒸気管3を通して中圧タービン2bおよび低圧タービン
2cに導かれ、さらに膨張することにより仕事を行う。
これらの各タービン2a、2b、2cの仕事により直結
された発電機4が駆動されて電気出力が発生する。
【0004】一方、アキュームレータ5へは低温再熱蒸
気管6から抽気管7を通して蒸気が抽気される。この抽
気管7の経路には抽気弁8および減温器9が設けられ、
抽気弁8で抽気される蒸気が流量調節されると共に、減
温器9で飽和温度まで冷却されて熱水としてアキューム
レータ5に蓄えられる。減温器9には蒸気を冷却するス
プレー水を制御するスプレー弁10が備えられる。
【0005】また、ピークタービン11への蒸気の供給
は減圧弁12を開けることによりアキュームレータ5の
器内圧力が降下し、熱水が自己蒸発して蒸気がピークタ
ービン11へ流入する。ピークタービン11に流れた蒸
気は膨張を遂げ、この仕事によりピークタービン11に
直結された発電機13が回されて電気出力を発生する。
なお、電力系統の周波数変動対策としてピークタービ
ン11および発電機13を急速に立ち上げ、電力系統に
送電する必要があるときは、速度上昇および併入の時間
を省略するために発電機13を電力系統に併入した状態
にてピークタービン11をアイドリングしておく必要が
ある。これにより、ピークタービン11での熱衝撃を緩
和し、過大な熱応力が発生するのを防ぐようにしてい
る。
【0006】たとえば、図8の例でアイドリング状態か
らピークタービン11の定格出力(一つの仮定として4
0MW)に到達する時間は約15秒程度と非常に短く、
周波数変動対策にはこのような能力を備えることが必要
とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
蒸気貯蔵発電に用いられる装置には次のような問題があ
る。すなわち、ピークタービン11および付属装置は、
その発電時間が短いにもかかわらず、ピーク発電出力に
よって容量がきまるので、容量に見合った発電設備を設
置することは不経済であると共に、設置スペースもかな
りの大きさを必要とする。また、ピーク発電では急速起
動が要求されることから、必要な時間(特に、負荷の低
い夜間)ピークタービン11をアイドリング運転してお
く必要があり、これに要するエネルギが無駄になる。
【0008】こうした問題点を解決するためにピークタ
ービン11等を設けず、アキュームレータ5の発生蒸気
を低圧タービン2cに導入する方法もあるが、これだけ
では次の理由からピーク発電での出力の増加が望めな
い。
【0009】(1)低圧タービン2cへの蒸気の供給は
飽和温度に近いアキュームレータ5の発生蒸気に合わせ
てその低圧部にしか供給できず、過熱域の低圧タービン
2c高圧部に供給できないので、出力の増加に結びつか
ない。
【0010】(2)発生蒸気量を増加させると、蒸気の
体積流量が大きくなり、配管の口径が増すことでこれに
伴う低圧タービン2cの改造も必要となり、経済性が損
なわれる。
【0011】(3)(1)(2)を回避するために発生
蒸気を過熱蒸気として低圧タービン2cの高圧部あるい
は中圧タービン2bに導入することも考えられるが、多
量の発生蒸気を瞬時に加熱することは困難であり、実現
する見通しはない。
【0012】ちなみに、図8に示した220MW級の蒸
気タービンで低圧タービン2cへ蒸気を導入した場合、
出力増加はたかだか2%(4MW)が限度であり、これ
にボイラ1と蒸気タービンのガバナーフリー能力を加味
しても、急速起動が求められる夜間(50%負荷以下)
においては15MW(約7%)の出力増加が限度であ
る。
【0013】本発明の目的はピークタービンをなくすこ
とで設備費および設置スペースの減少を図り、かつアイ
ドリングによる無駄なエネルギ消費をなくすと共に、夜
間に求められる急速負荷上昇を可能にした蒸気貯蔵発電
プラントを提供することにある。
【0014】また、別の目的は夜間に急速負荷上昇が行
われない場合に、貯蔵した蒸気を昼間取り出し、ボイラ
負荷の平準化またはピーク発電に多大に寄与することの
できる蒸気貯蔵発電プラントを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は再
熱器を有するボイラと、高圧タービン、中圧タービンお
よび低圧タービンからなる蒸気タービンと、蒸気を所定
の圧力のもとで蓄えるアキュームレータとを備え、夜間
中ないし夜間の一定時間、高圧タービンから再熱器への
経路で、あるいは再熱器から高圧タービンへの経路で抽
気した蒸気をアキュームレータに蓄え、昼間、アキュー
ムレータから蒸気を取り出して発電のための熱エネルギ
として蒸気タービンに供給するようにした蒸気貯蔵発電
プラントにおいて、アキュームレータに抽気を導く抽気
経路に高速動作の抽気遮断装置を設けたことを特徴とす
るものである。
【0016】また、請求項2に係る発明はアキュームレ
ータの発生蒸気を減圧して蒸気タービンの低圧タービン
に供給する減圧弁を備えた蒸気供給装置を設けたことを
特徴とするものである。
【0017】さらに、請求項3に係る発明はアキューム
レータの発生蒸気を減圧して蒸気タービンの復水系の低
圧給水加熱器および/または脱気器に供給する蒸気供給
装置を設けたことを特徴とするものである。
【0018】また、請求項4に係る発明はアキュームレ
ータの発生蒸気を減圧して蒸気タービンの低圧タービン
ならびに蒸気タービンの復水系の低圧給水加熱器および
/または脱気器にそれぞれ供給する蒸気供給装置を設け
たことを特徴とするものである。
【0019】さらに、請求項5に係る発明は再熱器を有
するボイラと、高圧タービン、中圧タービンおよび低圧
タービンからなる蒸気タービンと、蒸気を所定の圧力の
もとで蓄えるアキュームレータとを備え、夜間中ないし
夜間の一定時間、再熱器から高圧タービンへの経路で抽
気した蒸気をアキュームレータに蓄え、昼間、アキュー
ムレータから蒸気を取り出して発電のための熱エネルギ
として蒸気タービンに供給するようにした蒸気貯蔵発電
プラントにおいて、前記アキュームレータに抽気を導く
抽気経路に抽気との熱交換により蒸気を得る蒸気発生器
を設置すると共に、蒸気発生器の上流側の抽気経路に高
速動作の抽気遮断装置を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0020】また、請求項6に係る発明は、アキューム
レータの発生蒸気を減圧して蒸気タービンの復水系の低
圧給水加熱器および/または脱気器に供給する蒸気供給
装置を設けたことを特徴とするものである。
【0021】
【作用】蒸気貯蔵発電プラントでは、夜間、低温再熱蒸
気管で抽気された蒸気が熱水としてアキュームレータに
蓄えられる。系統の周波数変動対策として行われるピー
クタービンによる発電に代えて本発明はアキュームレー
タへの蒸気貯蔵の中断による蒸気タービンの出力増加を
図る。すなわち、系統の周波数が予め決められた周波数
に低下したとき、アキュームレータに抽気を送る経路に
設けた抽気遮断装置、たとえば抽気遮断弁を急閉する。
こうしてアキュームレータへの抽気を断ち、すべての蒸
気を蒸気タービンに導いて負荷上昇を果たす。このた
め、アキュームレータの発生蒸気を蒸気タービンに供給
する蒸気供給装置を設けるのが望ましい。蒸気供給装置
による急速負荷上昇は可能な限り短時間で完了できるの
がよく、望ましい実施例ではこの時間が10秒以内と目
算されている。
【0022】系統の周波数の低下を抑えるのにピークタ
ービンを運転する頻雑な操作は不要で、蒸気供給装置の
減圧弁の操作という極めて簡便なやり方で周波数変動へ
の備えとすることができる。
【0023】系統周波数の低下が起こるのは夜間の低負
荷運転中であると想定され、アキュームレータへの貯蔵
が行われている時間帯と重なることが多いが、この夜間
中に系統周波数の低下が全く起こらなければ夜間を通し
てアキュームレータに蒸気を熱水として連続して蓄える
ことができる。そして、昼間にはこの熱水を減圧して蒸
気を発生させ、たとえば低圧タービンに供給し、ピーク
発電のために利用することが可能である。
【0024】
【実施例】図1は本発明の実施例の構成を示している。
本図中、図8で説明した構成には同一の符号を付してお
り、これについては説明を省略する。
【0025】本実施例ではアキュームレータ5の抽気管
7に高速動作の抽気遮断弁15を設けている。さらに、
アキュームレータ5の発生蒸気を低圧タービン2cに導
く蒸気管14を設けている。この蒸気管14は低圧ター
ビン2cの途中の段落に結ばれると共に、この経路には
減圧弁12が介装される。ここで、従来技術で用いられ
たピークタービンについては省略される。
【0026】次に、上記構成による作用を図2を参照し
て説明する。
【0027】なお、ここで引用する数値については従来
技術で説明した220MW級の蒸気タービンに基づいて
おり、蒸気貯蔵なしの場合と、本実施例の場合について
試算したものである。運転条件としては説明の便宜のた
めにボイラ1は150%負荷で運転するものと想定して
いる。
【0028】図2において、各グラフはボイラ1の負
荷、弁開度(抽気遮断弁15の開度A、減圧弁12の開
度B)、蒸気量(アキュームレータ5への抽気量a、ア
キュームレータの発生蒸気量b)、蒸気タービン2a、
2b、2cの負荷および系統周波数の経時変化を表した
もので、系統周波数が60HZ から下がり始め、59H
Z に達した時間を0としている。
【0029】また、破線は蒸気貯蔵なしの場合、実践は
本実施例の場合を示す。
【0030】まず、蒸気貯蔵なしの場合はボイラ負荷5
0%にて運転中に系統周波数が下がり始めると、ガバナ
フリの可能負荷(約55%)までボイラ負荷が上がり、
蒸気タービン出力も110MWから121MW(55
%)まで上昇し、周波数低下を抑えようとする。しか
し、蒸気タービン2a、2b、2cの出力上昇は11M
Wで頭打ちになるため、周波数はさらに下がり続け、5
8HZ を下回ると(○印)、低周波数継電器(以下、U
Fリレーと称する。)のタイマーが作動し、さらに10
秒後(×印)には系統崩壊を防ぐためにUFリレーによ
り多数の負荷を切ることになる。すなわち、大停電とな
る。
【0031】次に、本実施例の場合はボイラ負荷50%
にて抽気遮断弁15を調節してアキュームレータ5へ9
5トン/h程度抽気し続けることにより蒸気タービン出
力は81MW程度となる。系統周波数が下がって59H
Z に達すると、抽気遮断弁15が急閉して抽気を止め、
かつ減圧弁12が全開して蒸気管14を通して低圧ター
ビン2cへ蒸気が供給される。これにより蒸気タービン
2a、2b、2cの出力を上昇させることができる。
【0032】これにより、カバナフリ変化幅(ボイラ負
荷で+3%)と合わせてタービン出力は約121MWま
で到達可能で、出力上昇が約40MWとなる。
【0033】この場合、アキュームレータ5への抽気を
急速に止めることでその蒸気が再熱器1aで加熱されて
中圧タービン2bへ導入されるので、大幅な出力上昇が
可能になるわけであるが、再熱器1aでの時定数が約1
0秒であるため、蒸気タービンの出力上昇時間は、抽気
遮断弁15の閉時間(1〜2秒)より約10秒長い。し
かし、15秒以内に40MWの出力上昇が得られるた
め、従来のピークタービンを有する蒸気貯蔵発電プラン
トと同等の効果が得られる。すなわち、系統周波数は回
復し、58HZ を下回る時間は10秒以内となり、大停
電を回避することができる。回復後は60HZ に調整す
べく、ボイラ負荷および減圧弁12の開度が調整され
る。
【0034】また、系統周波数の低下が夜間に起こらな
かった場合は、夜間、アキュームレータ5に蒸気を貯蔵
し、昼間、減圧弁12を操作して蒸気を発生させ、低圧
タービン2cへ導くことで昼間のピーク発電として利用
でき、ボイラ燃料を減らすことが可能となる。
【0035】さらに、他の実施例を図3を参照して説明
する。上記実施例の蒸気管14は低圧タービン2cに接
続したものであるが、本実施例においては蒸気管14が
復水系の低圧給水加熱器16および脱気器17に接続さ
れている。ちなみに、これらの低圧給水加熱器16およ
び脱気器17には復水器18からの復水が復水ポンプ1
9で昇圧して供給されており、この復水が低圧タービン
2cからの抽気によって加熱される。この温度上昇した
復水は脱気器17から給水ポンプ20で昇圧して給水と
してボイラ1に供給されるようになっている。蒸気管1
4の経路にはそれぞれ減圧弁12a、12bを設けてお
り、これを操作して蒸気が脱気器17および低圧給水加
熱器16にそれぞれ供給される。
【0036】本実施例は蒸気タービン2cからの低圧給
水加熱器16への抽気を減少させることを意図したもの
で、アキュームレータ5の発生蒸気が蒸気管14を通し
て低圧給水加熱器16および脱気器17に供給される。
この蒸気は減圧弁12a、12bにより適切な蒸気圧力
を保って供給される。アキュームレータ5の発生蒸気に
よる出力増加は小さくなるが、夜間ボイラ負荷50%で
アキュームレータ5への抽気量を図1の実施例の場合よ
りも多くすることで急速負荷上昇前後の蒸気タービン出
力は79MWから119MWとすることができる。すな
わち、40MWの出力上昇を果たすことが可能になる。
【0037】本実施例においては上記実施例(図1)よ
りも出力増加は小さいが、低圧タービン2cへ直接蒸気
を混入させるものでないので、ウォータインダクション
の発生する懸念がなく、信頼性が高い。なお、本実施例
の蒸気管14は低圧給水加熱器16および脱気器17に
各々結ぶのが望ましいが、いずれか一方にこれを接続し
てもよい。
【0038】さらに、本発明の他の実施例を図4を参照
して説明する。
【0039】本実施例においてはアキュームレータ5に
結ぶ抽気管7の抽気側を高温再熱蒸気管3に接続してい
る。
【0040】このような構成とすることにより、急速負
荷上昇時に抽気遮断弁15を急閉すると、蒸気が高温再
熱蒸気管3から直接中圧タービン2bに流入する。この
ため、再熱器1aでの時定数があることによる約10秒
とみられる遅れがなくなり、負荷上昇を早めることが可
能になる。また、本実施例では再熱器1aの出口におけ
る温度変化が小さくなり、熱衝撃を緩和することができ
る。
【0041】アキュームレータ5に貯蔵する過程では蒸
気が過熱蒸気となるため、導入前に飽和温度に下げる必
要がある。この減温器9には冷却のための復水を多量に
供給しなければならない。目安として、上記各実施例の
3倍程度が必要となる。
【0042】さらに、異なる実施例を図5を参照して説
明する。
【0043】図1の実施例と同様、蒸気管14を低圧タ
ービン2cの圧力の低い段落に接続している。また、同
じ蒸気管14を復水系の低圧タービン2cの蒸気送入段
落よりも低い圧力の低圧給水加熱器16に接続してい
る。なお、図中符号21は逆止弁を示している。
【0044】本実施例の負荷上昇時の操作は図1の実施
例と同様である。ただし、減圧弁12bについては負荷
上昇の過程で閉止しておく。本実施例の特徴は昼間のピ
ーク発電時にアキュームレータ5の発生蒸気を低圧ター
ビン2cおよび低圧給水加熱器16に同時に、あるいは
低圧タービン2c、低圧給水加熱器16の順に導くこと
でアキュームレータ5の器内圧力を低圧給水加熱器16
に同じ水準になるまで減圧可能で、アキュームレータ5
の容量が小さくなる点である。
【0045】この点を図6を参照して詳しく説明する。
【0046】図6はアキュームレータの器内圧の初圧
(減圧前)と終圧(減圧終了時)に対する容器の1m3
当たりの自己蒸発量(kg/m3 )を示している。すなわ
ち、アキュームレータの能力を表わす。本図から初圧と
終圧の差が大きいほど自己蒸発量が大きく、能力が高い
ことが判る。
【0047】たとえば、アキュームレータ5への抽気を
ボイラ負荷50%で低温再熱蒸気管6から行ったとし
て、器内圧力は約15kg/cm2 (初圧)となり、発生蒸
気をボイラ負荷100%で低圧タービン2cへ導入した
として、終圧は約1kg/cm2 となると仮定する。この場
合、自己蒸発量は約140kg/m3 となる。
【0048】一方、本実施例ではさらに発生蒸気を減圧
して低圧給水加熱器16に導入するため、終圧を下げる
ことができ、終圧を0.5kg/cm2 と仮定すると、自己
蒸発量は約155kg/m3 となる。このとき、逆止弁2
1は圧力差で閉まっていて、逆流しない。
【0049】本発明においてはアキュムレータ5の必要
容量は夜間のアキュームレータ5への抽気量×抽気時間
によって決まり、95t/h×8hrとすると、図1の
実施例ではアキュームレータの容量は、 95000×8÷140=5429m3 となり、本実施例ではアキュームレータの容量は、 95000×8÷155=4903m3 となる。
【0050】すなわち、約1割容量を削減できることに
なり、図1の実施例に対し、より多く設備費と設置スペ
ースの削減を果たすことが可能になる。
【0051】さらに、異なる実施例を説明する。図7に
おいて、高温再熱蒸気管3からアキュームレータ5aに
かけて結ばれる抽気管7の経路に蒸気発生器22を設け
ている。また、アキュームレータ5aとは別置きのアキ
ュームレータ5bを設けて蒸気発生器22で発生した蒸
気を貯蔵できるようになっている。アキュームレータ5
bと低圧タービン2cとは減圧弁12cを備えた蒸気管
23により結ばれ、発生蒸気を低圧タービン2cに導く
ことができる。一方、蒸気発生器22に決められた量の
復水を供給するために復水供給管24を復水系から分岐
し、蒸気発生器22に接続している。この経路には調節
弁25を設けている。
【0052】本実施例においては低負荷にあるとき、高
温再熱蒸気管3からの高温の抽気を一旦減温器9で40
0℃程度まで減温し、さらに蒸気発生器22で復水系か
ら復水供給管24を通して供給される復水と熱交換させ
る。この熱交換により蒸気温度は降下し、飽和蒸気とし
てアキュームレータ5aに貯蔵される。
【0053】一方、急速負荷上昇時にはアキュームレー
タ5aの発生蒸気とアキュームレータ5bの発生蒸気に
よりカバナフリ変化幅と合わせ、124MWまで負荷上
昇が可能となる。これは、図4の実施例に対して5MW
多く発電できることになり、急速負荷上昇幅を40MW
とすると、急速負荷上昇前の蒸気タービン出力は84M
Wとなる。
【0054】すなわち、ボイラ負荷50%における蒸気
タービン出力は84MWとなるようにアキュームレータ
5aへ抽気することになり、図4の実施例よりも抽気が
少ない量の抽気で充足できることになる。抽気が少ない
と、アキュームレータの容量も小さくなり、有利であ
る。
【0055】たとえば、図4の実施例において、ボイラ
負荷50%にて蒸気タービン出力を79MWにするため
には高温再熱蒸気管3からの抽気量を約102トン/h
とする必要があり、アキュームレータの初圧を14kg/
cm2 、終圧を3.5kg/cm2と仮定すると、図6より求
めたアキュームレータの自己蒸発量は約90g /m3とな
る。したがって、夜間8時間連続して抽気するものとし
て、アキュームレータの容量は 102000×8÷90=9067m3 となる。
【0056】一方、本実施例においてはボイラ負荷50
%にて蒸気タービン出力を84MWにするためには、抽
気量は約88トン/hとする必要があり、アキュームレ
ータ5aの初圧を13.5kg/cm2 、終圧を3.5kg/
cm2 と仮定すると、図6より求めたアキュームレータの
自己蒸発量は約85kg/m3 となる。したがって、 88000×8÷85=8282m3 となる。
【0057】そこで、上式においてスプレ量が考慮され
ていないので、スプレ量を考慮すると、図4の実施例の
スプレ量は約32トン/h、本実施例では約10トン/
hとなるので、それぞれのアキュームレータの容量は、 (102000+32000)×8÷90=11911m3 (図4の実施例) (88000+10000)×8÷85=9224m3 (本実施例) となる。
【0058】また、本実施例ではさらに他のアキューム
レータ5bがあり、このアキュームレータ5bの初圧を
10kg/cm2 、終圧を1kg/cm2 と仮定すると、図6よ
り求めた自己蒸発量は約117kg/m3 となり、蒸気発
生器22の交換熱量から必要とする復水量は約18トン
/hとなることから、このアキュームレータの容量は、
18000×8÷117=1231m3 (本実
施例)となる。したがって、合計で本実施例のアキュー
ムレータの容量は図4の実施例に対し、1割以上削減す
ることができる。この利点は蒸気発生器22の設置に伴
う不利を補って余りあるものである。
【0059】また、急速負荷上昇時の負荷上昇率は、ア
キュームレータ5aへの抽気を急速遮断したとき、再熱
器1aのために時間を失する不都合がなく、図4の実施
例と同様、図1、図3および図5の各実施例と比べ格段
に応答性が優れている。
【0060】さらに、これ以外にも図5と図7の実施例
の組み合わせたものも考えられる(図示省略)。これ
は、アキュームレータへの抽気は高温再熱蒸気管から分
岐し、途中に蒸気発生器を設置して、減温すると共に、
蒸気を発生させてアキュームレータへためるように構成
する。また、アキュームレータの発生蒸気は低圧タービ
ンの途中段落およびその送入段落圧力よりも低圧の低圧
給水器に導入するよう構成する。このような構成とする
ことで、アキュームレータの容量をさらに小さくするこ
とができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明はアキューム
レータに抽気を導く抽気経路に高速動作の抽気遮断装置
を設けているので、夜間の低負荷運転中、系統周波数が
低下したとき、抽気遮断装置を動作させて抽気を断ち、
蒸気タービンへ蒸気を供給してその出力を急速に上昇さ
せることができる。
【0062】したがって、本発明によればピークタービ
ンを設置する必要がなく、設備費および設置スペースを
大きく減少することができ、かつ無駄なエネルギ消費を
なくすことが可能である。
【0063】さらに、本発明によれば、夜間、急速負荷
上昇が行われないとき、アキュームレータに蒸気を蓄
え、昼間これを取り出すことが可能で、ボイラ負荷の平
準化を図り、またはピーク発電に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蒸気貯蔵発電プラントの一実施例
を示す系統図。
【図2】ボイラ負荷、弁開度、蒸気流量、蒸気タービン
出力、系統周波数の推移を示す特性図。
【図3】本発明の他の実施例を示す系統図。
【図4】本発明の他の実施例を示す系統図。
【図5】本発明の他の実施例を示す系統図。
【図6】容器の自己蒸発量を示す特性図。
【図7】本発明の他の実施例を示す系統図。
【図8】従来の蒸気貯蔵発電プラントを示す系統図。
【符号の説明】
1 ボイラ 2a 高圧タービン 2b 中圧タービン 2c 低圧タービン 5、5a、5b アキュームレータ 7 抽気管 15 抽気遮断弁 16 低圧給水加熱器 17 脱気器 22 蒸気発生器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再熱器を有するボイラと、高圧タービ
    ン、中圧タービンおよび低圧タービンからなる蒸気ター
    ビンと、蒸気を所定の圧力のもとで蓄えるアキュームレ
    ータとを備え、夜間中ないし夜間の一定時間、前記高圧
    タービンから前記再熱器への経路で、あるいは前記再熱
    器から前記高圧タービンへの経路で抽気した蒸気を前記
    アキュームレータに蓄え、昼間、該アキュームレータか
    ら蒸気を取り出して発電のための熱エネルギとして該蒸
    気タービンに供給するようにした蒸気貯蔵発電プラント
    において、前記アキュームレータに抽気を導く抽気経路
    に高速動作の抽気遮断装置を設けたことを特徴とする蒸
    気貯蔵発電プラント。
  2. 【請求項2】 前記アキュームレータの発生蒸気を減圧
    して前記蒸気タービンの該低圧タービンに供給する蒸気
    供給装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の蒸気
    貯蔵発電プラント。
  3. 【請求項3】 前記アキュームレータの発生蒸気を減圧
    して前記蒸気タービンの復水系の低圧給水加熱器および
    /または脱気器に供給する蒸気供給装置を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の蒸気貯蔵発電プラント。
  4. 【請求項4】 前記アキュームレータの発生蒸気を減圧
    して前記蒸気タービンの該低圧タービンならびに前記蒸
    気タービンの復水系の低圧給水加熱器および/または脱
    気器にそれぞれ供給する蒸気供給装置を設けたことを特
    徴とする請求項1記載の蒸気貯蔵発電プラント。
  5. 【請求項5】 再熱器を有するボイラと、高圧タービ
    ン、中圧タービンおよび低圧タービンからなる蒸気ター
    ビンと、蒸気を所定の圧力のもとで蓄えるアキュームレ
    ータとを備え、夜間中ないし夜間の一定時間、前記再熱
    器から前記高圧タービンへの経路で抽気した蒸気を前記
    アキュームレータに蓄え、昼間、該アキュームレータか
    ら蒸気を取り出して発電のための熱エネルギとして該蒸
    気タービンに供給するようにした蒸気貯蔵発電プラント
    において、前記アキュームレータに抽気を導く抽気経路
    に抽気との熱交換により蒸気を得る蒸気発生器を設置す
    ると共に、該蒸気発生器の上流側の抽気経路に高速動作
    の抽気遮断装置を設けたことを特徴とする蒸気貯蔵発電
    プラント。
  6. 【請求項6】 前記アキュームレータの発生蒸気を減圧
    して前記蒸気タービンの復水系の低圧給水加熱器および
    /または脱気器に供給する蒸気供給装置を設けたことを
    特徴とする請求項5記載の蒸気貯蔵発電プラント。
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