JPH08259963A - 石炭熱分解ガス中のタールおよびダストの分離方法および装置 - Google Patents
石炭熱分解ガス中のタールおよびダストの分離方法および装置Info
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- JPH08259963A JPH08259963A JP6050295A JP6050295A JPH08259963A JP H08259963 A JPH08259963 A JP H08259963A JP 6050295 A JP6050295 A JP 6050295A JP 6050295 A JP6050295 A JP 6050295A JP H08259963 A JPH08259963 A JP H08259963A
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- dust
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 石炭を熱分解してチャー、タールおよびガス
を生成するプロセス内にて、安価な設備で効果的に微細
なダストとタールを分離できる方法および装置を提供す
ることにより、各種化学原料や燃料に有効利用可能な高
品質のタール、ガスおよびチャーを供給する。 【構成】 石炭を熱分解してチャー、タールおよびガス
を生成するとともに、該チャーの一部を酸素と反応させ
て高温ガスを発生させ、該高温ガスで前記石炭を熱分解
する方法において、湿式除塵法により前記熱分解後のガ
スに含まれるダストを除去するとともにタールをミスト
状になし、ついで該ミスト状のタールを凝集して分離す
ることを特徴とする。
を生成するプロセス内にて、安価な設備で効果的に微細
なダストとタールを分離できる方法および装置を提供す
ることにより、各種化学原料や燃料に有効利用可能な高
品質のタール、ガスおよびチャーを供給する。 【構成】 石炭を熱分解してチャー、タールおよびガス
を生成するとともに、該チャーの一部を酸素と反応させ
て高温ガスを発生させ、該高温ガスで前記石炭を熱分解
する方法において、湿式除塵法により前記熱分解後のガ
スに含まれるダストを除去するとともにタールをミスト
状になし、ついで該ミスト状のタールを凝集して分離す
ることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭を熱分解してチャ
ー、タールおよびガスを生成し、燃料や化学原料用等に
有効利用する技術において、石炭熱分解ガス中のタール
およびダストを効果的に分離する方法および装置に関す
るものである。
ー、タールおよびガスを生成し、燃料や化学原料用等に
有効利用する技術において、石炭熱分解ガス中のタール
およびダストを効果的に分離する方法および装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来実用化されている石炭のガス化技術
は、1500℃程度の高温で石炭と酸素を反応させてC
OやH2 ガスを生成させるものであり、ガス中にはター
ル成分が含まれないので、高温サイクロン等で未燃焼チ
ャーを分離した後、熱回収を行い、湿式あるいは乾式手
段でダストや有害成分を分離していた。
は、1500℃程度の高温で石炭と酸素を反応させてC
OやH2 ガスを生成させるものであり、ガス中にはター
ル成分が含まれないので、高温サイクロン等で未燃焼チ
ャーを分離した後、熱回収を行い、湿式あるいは乾式手
段でダストや有害成分を分離していた。
【0003】近年、比較的低温で石炭を熱分解して、有
効成分を含むタールおよびガスを大量に製造する方法が
開発されている。特開平5−295371号公報には、
微粉炭を熱分解反応塔に吹き込み、500〜1000℃
で熱分解し、ホットサイクロンでチャーを分離し、さら
に冷却塔でタールを分離して、ガス、タールおよびチャ
ーを製造するとともに、生成したチャーの一部を酸素と
反応させて高温ガスを発生させ、熱分解反応塔に導入
し、該高温ガスの気流中で石炭を熱分解する方法が提案
されている。
効成分を含むタールおよびガスを大量に製造する方法が
開発されている。特開平5−295371号公報には、
微粉炭を熱分解反応塔に吹き込み、500〜1000℃
で熱分解し、ホットサイクロンでチャーを分離し、さら
に冷却塔でタールを分離して、ガス、タールおよびチャ
ーを製造するとともに、生成したチャーの一部を酸素と
反応させて高温ガスを発生させ、熱分解反応塔に導入
し、該高温ガスの気流中で石炭を熱分解する方法が提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平5−295
371号公報のプロセスにおいて、分離したタール中に
は微細なダストが混入しており、このようなダストを分
離することが課題として残されていた。このプロセスに
おいて、チャーを分離したガスにはチャー中の灰分から
生じるフライアッシュを主とするダストが含まれてお
り、そのサイズは直径10μm以下の微細なものが多い
ので、冷却塔でタールを分離した際、タール中に微細な
ダストが混入している。
371号公報のプロセスにおいて、分離したタール中に
は微細なダストが混入しており、このようなダストを分
離することが課題として残されていた。このプロセスに
おいて、チャーを分離したガスにはチャー中の灰分から
生じるフライアッシュを主とするダストが含まれてお
り、そのサイズは直径10μm以下の微細なものが多い
ので、冷却塔でタールを分離した際、タール中に微細な
ダストが混入している。
【0005】ダストが混入したタールは粘度が高く、従
来のタール蒸留設備で処理することが難しく、成品ピッ
チの灰分が高くなるので、タール原料にはなり難い。ま
た燃料として使用する場合も、高粘度であるために取扱
上の問題等が生じる。したがって、微細なダストとター
ルをプロセス内で分離することが必要となる。
来のタール蒸留設備で処理することが難しく、成品ピッ
チの灰分が高くなるので、タール原料にはなり難い。ま
た燃料として使用する場合も、高粘度であるために取扱
上の問題等が生じる。したがって、微細なダストとター
ルをプロセス内で分離することが必要となる。
【0006】一般に、タールを分離する手段としては、
コークス炉で行われているような、ガス状のタールに水
を噴霧してタールを凝縮させ、同時にダストを除去する
方法が知られているが、タールとダストは混合して回収
することになる。また、回収タールを遠心分離機よって
タールとダストに分離する方法も考えられるが、直径2
0μm以上のダストの分離が限界であり、上記微細ダス
トの分離用には採用できない。
コークス炉で行われているような、ガス状のタールに水
を噴霧してタールを凝縮させ、同時にダストを除去する
方法が知られているが、タールとダストは混合して回収
することになる。また、回収タールを遠心分離機よって
タールとダストに分離する方法も考えられるが、直径2
0μm以上のダストの分離が限界であり、上記微細ダス
トの分離用には採用できない。
【0007】さらに、タールが凝縮しない高温域で集塵
する方法として、電気集塵機、セラミックフィルター、
移動層集塵機を使用することが考えられる。しかし、電
気集塵機はダストの比抵抗が小さくて効率の高い集塵は
期待できない。セラミックフィルターおよび移動層集塵
機は、効率の高い集塵は期待できるが、別途集塵設備を
設ける必要があり、設備費が高くなるという問題があ
る。
する方法として、電気集塵機、セラミックフィルター、
移動層集塵機を使用することが考えられる。しかし、電
気集塵機はダストの比抵抗が小さくて効率の高い集塵は
期待できない。セラミックフィルターおよび移動層集塵
機は、効率の高い集塵は期待できるが、別途集塵設備を
設ける必要があり、設備費が高くなるという問題があ
る。
【0008】本発明は、石炭を熱分解してチャー、ター
ルおよびガスを生成するプロセス内にて、安価な設備で
効果的に微細なダストとタールを分離できる方法および
装置を提供することにより、各種化学原料や燃料に有効
利用可能な高品質のタール、ガスおよびチャーを供給す
ることを目的とする。
ルおよびガスを生成するプロセス内にて、安価な設備で
効果的に微細なダストとタールを分離できる方法および
装置を提供することにより、各種化学原料や燃料に有効
利用可能な高品質のタール、ガスおよびチャーを供給す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明法は、石炭を熱分解してチャー、タールおよび
ガスを生成するとともに、該チャーの一部を酸素と反応
させて高温ガスを発生させ、該高温ガスで前記石炭を熱
分解する方法において、湿式除塵法により前記熱分解後
のガスに含まれるダストを除去するとともにタールをミ
スト状になし、ついで該ミスト状のタールを凝集して分
離することを特徴とする石炭熱分解ガス中のタールおよ
びダストの分離方法である。
の本発明法は、石炭を熱分解してチャー、タールおよび
ガスを生成するとともに、該チャーの一部を酸素と反応
させて高温ガスを発生させ、該高温ガスで前記石炭を熱
分解する方法において、湿式除塵法により前記熱分解後
のガスに含まれるダストを除去するとともにタールをミ
スト状になし、ついで該ミスト状のタールを凝集して分
離することを特徴とする石炭熱分解ガス中のタールおよ
びダストの分離方法である。
【0010】また、上記目的を達成するための本発明装
置は、石炭の熱分解反応塔、集塵装置、湿式除塵装置、
タール凝縮塔が順に連結されて設けられ、前記熱分解反
応塔の下方には、前記集塵装置と接続したチャー回収管
と、該回収管から分岐したチャー導入管とで前記集塵装
置と連結されたチャーガス化炉が連結され、前記湿式除
塵装置と前記タール凝縮塔の間にはダストデカンターが
設けられ、前記タール凝縮塔は、下部側がタールデカン
ターを経てタール回収管に連結され、上部がガス回収管
に連結されていることを特徴とする石炭熱分解ガス中の
タールおよびダストの分離装置である。
置は、石炭の熱分解反応塔、集塵装置、湿式除塵装置、
タール凝縮塔が順に連結されて設けられ、前記熱分解反
応塔の下方には、前記集塵装置と接続したチャー回収管
と、該回収管から分岐したチャー導入管とで前記集塵装
置と連結されたチャーガス化炉が連結され、前記湿式除
塵装置と前記タール凝縮塔の間にはダストデカンターが
設けられ、前記タール凝縮塔は、下部側がタールデカン
ターを経てタール回収管に連結され、上部がガス回収管
に連結されていることを特徴とする石炭熱分解ガス中の
タールおよびダストの分離装置である。
【0011】
【作用】石炭を比較的低温の500〜1000℃で熱分
解して発生したガスについて、本発明者は、タール成分
の液化挙動を実験検討した。その結果、タール成分は沸
点以下の温度に冷却すると液化するが、ミスト状態で存
在し、凝縮するには時間を要することを見出した。そし
て、ベンチュリースクラバー等を用いた湿式除塵法によ
り、熱分解後のガスに含まれるダストを除去した後、ミ
スト状のタール成分を凝集させて分離回収することが工
業的に可能であった。
解して発生したガスについて、本発明者は、タール成分
の液化挙動を実験検討した。その結果、タール成分は沸
点以下の温度に冷却すると液化するが、ミスト状態で存
在し、凝縮するには時間を要することを見出した。そし
て、ベンチュリースクラバー等を用いた湿式除塵法によ
り、熱分解後のガスに含まれるダストを除去した後、ミ
スト状のタール成分を凝集させて分離回収することが工
業的に可能であった。
【0012】したがって、本発明法は石炭を熱分解した
後のガスに含まれるダストを、湿式除塵法により除去す
るとともにタールをミスト状になし、ついで該ミスト状
のタールを凝集して分離するものである。湿式除塵法に
より、ダストは水中に移行して除去され、ガスおよびミ
スト状のタールが残存するので、これを凝集設備に導き
タールを分離して、ガスおよびタールを回収する。ま
た、チャーは石炭を熱分解した後、ダストを除去する前
にホットサイクロン等の集塵装置で回収する。湿式除塵
法としては、前記ベンチュリースクラバーのほか、冷却
塔内に水を落下させるもの等を採用することができる。
ダストを除去した後のミスト状タールを含むガスの凝集
は、配管内に開口板を複数枚設け、そこを通すことでガ
スを膨張収縮させること等により行い、短時間でタール
を凝縮し分離することができる。また電気集塵機も使用
できる。
後のガスに含まれるダストを、湿式除塵法により除去す
るとともにタールをミスト状になし、ついで該ミスト状
のタールを凝集して分離するものである。湿式除塵法に
より、ダストは水中に移行して除去され、ガスおよびミ
スト状のタールが残存するので、これを凝集設備に導き
タールを分離して、ガスおよびタールを回収する。ま
た、チャーは石炭を熱分解した後、ダストを除去する前
にホットサイクロン等の集塵装置で回収する。湿式除塵
法としては、前記ベンチュリースクラバーのほか、冷却
塔内に水を落下させるもの等を採用することができる。
ダストを除去した後のミスト状タールを含むガスの凝集
は、配管内に開口板を複数枚設け、そこを通すことでガ
スを膨張収縮させること等により行い、短時間でタール
を凝縮し分離することができる。また電気集塵機も使用
できる。
【0013】つぎに、本発明におけるタールの凝縮挙動
について検討した結果を示す。タール成分を含む400
℃のガスを水スプレーにより70℃に冷却し、水を分離
した後の経過時間とタールの凝縮量との関係は、図2の
とおりであった。縦軸の凝縮率は、凝縮タール/(ミス
ト状タール+凝縮タール)の重量%を示す。この結果、
水分離後すなわちダスト分離後、5秒以内ではタールは
ほとんど凝縮せずミスト状を呈し、30秒経過すると9
0%以上が凝縮することがわかる。したがって本発明法
において、ダストを除去した後、ミスト状のタールを含
むガスを5秒以内にスプレー水と分離して、その後ター
ルを凝集させ分離するのが好ましい。
について検討した結果を示す。タール成分を含む400
℃のガスを水スプレーにより70℃に冷却し、水を分離
した後の経過時間とタールの凝縮量との関係は、図2の
とおりであった。縦軸の凝縮率は、凝縮タール/(ミス
ト状タール+凝縮タール)の重量%を示す。この結果、
水分離後すなわちダスト分離後、5秒以内ではタールは
ほとんど凝縮せずミスト状を呈し、30秒経過すると9
0%以上が凝縮することがわかる。したがって本発明法
において、ダストを除去した後、ミスト状のタールを含
むガスを5秒以内にスプレー水と分離して、その後ター
ルを凝集させ分離するのが好ましい。
【0014】本発明装置は、図1に示すように、熱分解
反応塔1、ホットサイクロン3等の集塵装置、ベンチュ
リースクラバー5等の湿式除塵装置、タール凝縮塔7等
のタール分離装置が順に連結されて設けられ、熱分解反
応塔1の下方にはチャーガス化炉2が連結されている。
チャーガス化炉2は、ホットサイクロン3等の集塵装置
と、チャー回収管13およびチャー導入管14で連結さ
れている。そして、ベンチュリースクラバー5等の湿式
除塵装置とタール凝縮塔7の間には、ダストデカンター
6が設けられ、タール凝縮塔7は、下部側がタールデカ
ンター8を経てタール回収管21に連結され、上部がガ
ス回収管24に連結されている。
反応塔1、ホットサイクロン3等の集塵装置、ベンチュ
リースクラバー5等の湿式除塵装置、タール凝縮塔7等
のタール分離装置が順に連結されて設けられ、熱分解反
応塔1の下方にはチャーガス化炉2が連結されている。
チャーガス化炉2は、ホットサイクロン3等の集塵装置
と、チャー回収管13およびチャー導入管14で連結さ
れている。そして、ベンチュリースクラバー5等の湿式
除塵装置とタール凝縮塔7の間には、ダストデカンター
6が設けられ、タール凝縮塔7は、下部側がタールデカ
ンター8を経てタール回収管21に連結され、上部がガ
ス回収管24に連結されている。
【0015】熱分解反応塔1では、微粉炭導入管11か
ら吹込まれた石炭が500〜1000℃で熱分解され
る。熱分解されたガス中に浮遊するチャーは、ホットサ
イクロン3等の集塵装置で分離され、分離されたチャー
の一部がチャー回収管13から分岐したチャー導入管1
4を経てチャーガス化炉2に導入され、酸素ガス導入管
12から導入された酸素と反応して高温のガスとなり、
熱分解反応塔1に導入されて石炭を熱分解する。チャー
ガス化炉2の下方には水槽10が設けてあり、水導入管
15から導入された水中に落下したスラグがスラグ排出
管16を経て排出される。
ら吹込まれた石炭が500〜1000℃で熱分解され
る。熱分解されたガス中に浮遊するチャーは、ホットサ
イクロン3等の集塵装置で分離され、分離されたチャー
の一部がチャー回収管13から分岐したチャー導入管1
4を経てチャーガス化炉2に導入され、酸素ガス導入管
12から導入された酸素と反応して高温のガスとなり、
熱分解反応塔1に導入されて石炭を熱分解する。チャー
ガス化炉2の下方には水槽10が設けてあり、水導入管
15から導入された水中に落下したスラグがスラグ排出
管16を経て排出される。
【0016】ホットサイクロン3等の集塵装置でチャー
が分離されたガスには、チャー中の灰分から生じるフラ
イアッシュを主とするダストおよびタール成分が含まれ
ており、必要に応じて熱回収装置4でタールの液化温度
より高い温度に冷却し、熱回収された後、ベンチュリー
スクラバー5等の湿式除塵装置にて、安水循環管18か
ら導入された安水にダストが移行して分離され、分離さ
れたダストは安水とともにダストデカンター6に落下
し、ダストはダスト排出管17を経て排出される。集塵
装置としては、ホットサイクロン3のほか電気集塵機、
衝突板等が採用でき、湿式除塵装置としては、ベンチュ
リースクラバー5のほか、冷却塔内で水を落下させるも
の等が採用できる。本例は熱回収してガスを冷却した
が、熱回収を省略することも可能である。
が分離されたガスには、チャー中の灰分から生じるフラ
イアッシュを主とするダストおよびタール成分が含まれ
ており、必要に応じて熱回収装置4でタールの液化温度
より高い温度に冷却し、熱回収された後、ベンチュリー
スクラバー5等の湿式除塵装置にて、安水循環管18か
ら導入された安水にダストが移行して分離され、分離さ
れたダストは安水とともにダストデカンター6に落下
し、ダストはダスト排出管17を経て排出される。集塵
装置としては、ホットサイクロン3のほか電気集塵機、
衝突板等が採用でき、湿式除塵装置としては、ベンチュ
リースクラバー5のほか、冷却塔内で水を落下させるも
の等が採用できる。本例は熱回収してガスを冷却した
が、熱回収を省略することも可能である。
【0017】ダストデカンター6にてダストが分離され
たガスにはミスト状のタールが含まれており、タール凝
縮塔7にて安水導入管19から導入された安水および開
口板20で、タールがガスの膨張収縮を繰返すことによ
って凝縮し、安水で洗浄されタールデカンター8に移動
する。タールデカンター8にて分離されタールがタール
回収管21を経て回収される。タールが分離されたガス
はタール凝縮塔7の上部からガス回収管24を経て回収
される。このとき、プライマリークーラー9でガスを冷
却するとともに、残存タールを分離し、分離されたター
ルはタール回収管22を経て回収される。
たガスにはミスト状のタールが含まれており、タール凝
縮塔7にて安水導入管19から導入された安水および開
口板20で、タールがガスの膨張収縮を繰返すことによ
って凝縮し、安水で洗浄されタールデカンター8に移動
する。タールデカンター8にて分離されタールがタール
回収管21を経て回収される。タールが分離されたガス
はタール凝縮塔7の上部からガス回収管24を経て回収
される。このとき、プライマリークーラー9でガスを冷
却するとともに、残存タールを分離し、分離されたター
ルはタール回収管22を経て回収される。
【0018】
【実施例】図1に示す本発明装置により、石炭を熱分解
してチャー、タールおよびガスを生成した。熱分解反応
塔1には微粉炭を200kg/hで導入した。操業初期
には石炭を燃焼して加熱し、熱分解反応が進行した後
は、生成したチャーの約60%をチャーガス化炉に導入
して高温ガスを発生させ、石炭を熱分解した。
してチャー、タールおよびガスを生成した。熱分解反応
塔1には微粉炭を200kg/hで導入した。操業初期
には石炭を燃焼して加熱し、熱分解反応が進行した後
は、生成したチャーの約60%をチャーガス化炉に導入
して高温ガスを発生させ、石炭を熱分解した。
【0019】ホットサイクロン3でチャーを分離したガ
スには、微細なダストが14g/Nm3 、タール成分が
63g/Nm3 含まれていた。このガスを熱回収装置4
で400℃に冷却し熱回収した後、ベンチュリースクラ
バー5で安水により70℃に冷却し、ダストを分離する
とともにタール成分をミスト状にした。ベンチュリース
クラバー5を出たガス中のダストは0.1g/Nm3 、
ミスト状タールは63g/Nm3 であり、ダストの99
%以上が除去され、タールはほとんど分離されなかっ
た。
スには、微細なダストが14g/Nm3 、タール成分が
63g/Nm3 含まれていた。このガスを熱回収装置4
で400℃に冷却し熱回収した後、ベンチュリースクラ
バー5で安水により70℃に冷却し、ダストを分離する
とともにタール成分をミスト状にした。ベンチュリース
クラバー5を出たガス中のダストは0.1g/Nm3 、
ミスト状タールは63g/Nm3 であり、ダストの99
%以上が除去され、タールはほとんど分離されなかっ
た。
【0020】ダスト分離後0.5秒後に、ミスト状ター
ルを含むガスをタール凝縮塔7に導入し、タールを凝縮
して分離した。タール凝縮塔7には、タールの凝縮を促
進するため、開口率50%の開口板20を10枚たがい
に間隔を開けて設置し安水で凝集タールを洗浄した。タ
ールを分離したガスはプライマリークーラー9で35℃
に冷却するとともに残存タールを分離した。タール回収
管23を経て回収されたタール中のダストは0.1重量
%以下であり、コークス炉タールと同等の良質なタール
が得られた。また回収されたガスにはダストは含まれ
ず、やはり良質のものであった。
ルを含むガスをタール凝縮塔7に導入し、タールを凝縮
して分離した。タール凝縮塔7には、タールの凝縮を促
進するため、開口率50%の開口板20を10枚たがい
に間隔を開けて設置し安水で凝集タールを洗浄した。タ
ールを分離したガスはプライマリークーラー9で35℃
に冷却するとともに残存タールを分離した。タール回収
管23を経て回収されたタール中のダストは0.1重量
%以下であり、コークス炉タールと同等の良質なタール
が得られた。また回収されたガスにはダストは含まれ
ず、やはり良質のものであった。
【0021】比較例として、微細なダストおよびタール
成分を含むガスを、開口率50%の開口板を10枚たが
いに間隔を開けて設置した冷却塔にて2秒間滞留させ冷
却した結果、ダストの分離と同時にタールが凝縮し、タ
ールからダストを分離することができなかった。
成分を含むガスを、開口率50%の開口板を10枚たが
いに間隔を開けて設置した冷却塔にて2秒間滞留させ冷
却した結果、ダストの分離と同時にタールが凝縮し、タ
ールからダストを分離することができなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、石炭を熱分解し微細な
ダストおよびタール成分を含むガスから、湿式除塵法に
よりダストを分離するとともに、タールをミスト状にな
し、ついで該ミスト状のタールを冷却して凝縮分離する
ので、安価な設備で効果的に微細なダストを分離除去し
てタールおよびガスならびにチャーを生成することがで
きる。したがって、各種化学原料や燃料に有効利用可能
な高品質のタール、ガスおよびチャーを供給することが
できる。
ダストおよびタール成分を含むガスから、湿式除塵法に
よりダストを分離するとともに、タールをミスト状にな
し、ついで該ミスト状のタールを冷却して凝縮分離する
ので、安価な設備で効果的に微細なダストを分離除去し
てタールおよびガスならびにチャーを生成することがで
きる。したがって、各種化学原料や燃料に有効利用可能
な高品質のタール、ガスおよびチャーを供給することが
できる。
【図1】本発明の実施例を示す説明図である。
【図2】本発明におけるミスト状タールの凝縮状況を示
すグラフである。
すグラフである。
1…熱分解反応塔 2…チャーガス化炉 3…ホットサイクロン 4…熱回収装置 5…ベンチュリースクラバー 6…ダストデカンター 7…タール凝縮塔 8…タールデカンター 9…プライマリークーラー 10…水槽 11…微粉炭導入管 12…酸素ガス導入管 13…チャー回収管 14…チャー導入管 15…水導入管 16…スラグ排出管 17…ダスト排出管 18,19…安水循環管 20…開口板 21,22,23…タール回収管 24…ガス回収管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小水流 広行 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 飯田 洋 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (2)
- 【請求項1】 石炭を熱分解してチャー、タールおよび
ガスを生成するとともに、該チャーの一部を酸素と反応
させて高温ガスを発生させ、該高温ガスで前記石炭を熱
分解する方法において、湿式除塵法により前記熱分解後
のガスに含まれるダストを除去するとともにタールをミ
スト状になし、ついで該ミスト状のタールを凝集して分
離することを特徴とする石炭熱分解ガス中のタールおよ
びダストの分離方法。 - 【請求項2】 石炭の熱分解反応塔、集塵装置、湿式除
塵装置、タール凝縮塔が順に連結されて設けられ、前記
熱分解反応塔の下方には、前記集塵装置と接続したチャ
ー回収管と、該回収管から分岐したチャー導入管とで前
記集塵装置と連結されたチャーガス化炉が連結され、前
記湿式除塵装置と前記タール凝縮塔の間にはダストデカ
ンターが設けられ、前記タール凝縮塔は、下部側がター
ルデカンターを経てタール回収管に連結され、上部がガ
ス回収管に連結されていることを特徴とする石炭熱分解
ガス中のタールおよびダストの分離装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6050295A JPH08259963A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 石炭熱分解ガス中のタールおよびダストの分離方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6050295A JPH08259963A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 石炭熱分解ガス中のタールおよびダストの分離方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08259963A true JPH08259963A (ja) | 1996-10-08 |
Family
ID=13144156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6050295A Withdrawn JPH08259963A (ja) | 1995-03-20 | 1995-03-20 | 石炭熱分解ガス中のタールおよびダストの分離方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08259963A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997024293A1 (de) * | 1996-01-02 | 1997-07-10 | Bwt Aktiengesellschaft | Verfahren und anlage zur bindung von harz- und teersubstanzen in nasswäscher- und nasselektrofilteranlagen |
CN105422161A (zh) * | 2015-11-19 | 2016-03-23 | 黄继梁 | 一种井下工作面降温除尘系统 |
CN106281475A (zh) * | 2016-09-09 | 2017-01-04 | 新疆广汇中化能源技术开发有限公司 | 荒煤气除尘装置 |
CN114479956A (zh) * | 2020-10-27 | 2022-05-13 | 中国石油天然气集团有限公司 | 粗煤气净化实验系统 |
-
1995
- 1995-03-20 JP JP6050295A patent/JPH08259963A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997024293A1 (de) * | 1996-01-02 | 1997-07-10 | Bwt Aktiengesellschaft | Verfahren und anlage zur bindung von harz- und teersubstanzen in nasswäscher- und nasselektrofilteranlagen |
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CN114479956A (zh) * | 2020-10-27 | 2022-05-13 | 中国石油天然气集团有限公司 | 粗煤气净化实验系统 |
CN114479956B (zh) * | 2020-10-27 | 2022-12-02 | 中国石油天然气集团有限公司 | 粗煤气净化实验系统 |
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