JPH08259945A - 水溶性抗酸化性組成物 - Google Patents
水溶性抗酸化性組成物Info
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- JPH08259945A JPH08259945A JP6592895A JP6592895A JPH08259945A JP H08259945 A JPH08259945 A JP H08259945A JP 6592895 A JP6592895 A JP 6592895A JP 6592895 A JP6592895 A JP 6592895A JP H08259945 A JPH08259945 A JP H08259945A
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- extract
- antioxidant
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- Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 ミカン科植物果皮の水又は含水アルコール抽
出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化
性組成物。 【効果】 安全性が高く、水溶性で高い抗酸化能を示す
抗酸化性組成物を提供する。
出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化
性組成物。 【効果】 安全性が高く、水溶性で高い抗酸化能を示す
抗酸化性組成物を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミカン科植物果皮の水
又は含水アルコール抽出物を有効成分として含有する水
溶性抗酸化性組成物に関する。
又は含水アルコール抽出物を有効成分として含有する水
溶性抗酸化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】油脂類などを含有する飲食品、医薬品、
医薬部外品、香粧品、飼料などは、空気中の酸素により
酸化を受け徐々に劣化して、不快臭を生ずるなどの品質
の低下(酸敗)をまねき、またこの時生ずる酸化物など
は有毒であることが知られている。このような酸化を防
ぐために抗酸化剤が用いられ、たとえば、ジブチルヒド
ロキシトルエン(BHT)やブチルヒドロキシアニソー
ル(BHA)などの合成抗酸化剤が多用されてきた。し
かし、近年これらの合成抗酸化剤の毒性についての報告
がなされ、使用に抵抗感が持たれている。このような事
情から天然由来の抗酸化成分であるトコフェロール類の
需要が増加してきている。
医薬部外品、香粧品、飼料などは、空気中の酸素により
酸化を受け徐々に劣化して、不快臭を生ずるなどの品質
の低下(酸敗)をまねき、またこの時生ずる酸化物など
は有毒であることが知られている。このような酸化を防
ぐために抗酸化剤が用いられ、たとえば、ジブチルヒド
ロキシトルエン(BHT)やブチルヒドロキシアニソー
ル(BHA)などの合成抗酸化剤が多用されてきた。し
かし、近年これらの合成抗酸化剤の毒性についての報告
がなされ、使用に抵抗感が持たれている。このような事
情から天然由来の抗酸化成分であるトコフェロール類の
需要が増加してきている。
【0003】このように天然由来の抗酸化剤の開発に期
待が持たれており、ローズマリー抽出物、ヒマワリ種子
抽出物、茶の葉抽出物が開発され商品化されている。実
用化はされていないが、食用とされる植物から抗酸化成
分が見いだされた例として、ローズマリーと同じ香辛料
であるセージ、野菜類、大豆、オレンジ果皮、オリー
ブ、イナゴマメの莢、胡麻、ブドウ種子、などが報告さ
れている。これらから得られた抗酸化成分は没食子酸、
タンニン類、カフェー酸などのフェノール性化合物類、
フラボノイド類、カテキン類、アントシアニン類、アス
コルビン酸であり水溶性のものが多く、トコフェロール
が脂溶性であるのとは対照的である。
待が持たれており、ローズマリー抽出物、ヒマワリ種子
抽出物、茶の葉抽出物が開発され商品化されている。実
用化はされていないが、食用とされる植物から抗酸化成
分が見いだされた例として、ローズマリーと同じ香辛料
であるセージ、野菜類、大豆、オレンジ果皮、オリー
ブ、イナゴマメの莢、胡麻、ブドウ種子、などが報告さ
れている。これらから得られた抗酸化成分は没食子酸、
タンニン類、カフェー酸などのフェノール性化合物類、
フラボノイド類、カテキン類、アントシアニン類、アス
コルビン酸であり水溶性のものが多く、トコフェロール
が脂溶性であるのとは対照的である。
【0004】ところでミカン科植物の持つ抗酸化作用が
調べられた例として、先にあげたオレンジの果皮の他
に、オオタポンカンの果皮の例がある。この中に含まれ
る抗酸化成分はクロロゲン酸とその誘導体であるとされ
ているが、詳細は明らかでない。なお、ヒマワリ種子の
抗酸化成分についてもクロロゲン酸とその誘導体である
ことが示されている。
調べられた例として、先にあげたオレンジの果皮の他
に、オオタポンカンの果皮の例がある。この中に含まれ
る抗酸化成分はクロロゲン酸とその誘導体であるとされ
ているが、詳細は明らかでない。なお、ヒマワリ種子の
抗酸化成分についてもクロロゲン酸とその誘導体である
ことが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、天然の抗酸化剤
として、トコフェロールなどの油溶性のものが主として
用いられている。しかしながら、加工品の種類(例えば
水産加工品など)によっては油溶性の抗酸化剤では適用
しにくい。本発明の目的は、安全性が高く、既存の抗酸
化性組成物より効果の高い水溶性の天然抗酸化性組成物
を提供することである。
として、トコフェロールなどの油溶性のものが主として
用いられている。しかしながら、加工品の種類(例えば
水産加工品など)によっては油溶性の抗酸化剤では適用
しにくい。本発明の目的は、安全性が高く、既存の抗酸
化性組成物より効果の高い水溶性の天然抗酸化性組成物
を提供することである。
【0006】また、ミカン科植物資源の有効利用や需要
開拓のために、その新たな利用法の開発が求められてい
る。たとえば、これまで廃棄されてきた自然落下果実や
摘果、市場に出すことのできない等級の果実や、一般に
生食としないミカン科植物果実の利用法の開発などであ
る。また、ミカン科植物の果汁や果肉などの缶詰加工時
にでる果皮などの残渣は、一部飼料などに用いられる他
は、そのほとんどが廃棄されており、処理方法や費用な
どの点で問題が発生していることから、加工残渣の有効
利用を図ることが求められている。本発明は、このよう
なミカン科植物資源の有効利用法を提供することも目的
とする。
開拓のために、その新たな利用法の開発が求められてい
る。たとえば、これまで廃棄されてきた自然落下果実や
摘果、市場に出すことのできない等級の果実や、一般に
生食としないミカン科植物果実の利用法の開発などであ
る。また、ミカン科植物の果汁や果肉などの缶詰加工時
にでる果皮などの残渣は、一部飼料などに用いられる他
は、そのほとんどが廃棄されており、処理方法や費用な
どの点で問題が発生していることから、加工残渣の有効
利用を図ることが求められている。本発明は、このよう
なミカン科植物資源の有効利用法を提供することも目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
事情に基づき、安全性の高い抗酸化性組成物の探索を行
った結果、ミカン科植物果皮の水又は含水アルコール抽
出物が、抗酸化活性を示すことを見出し、本発明を完成
した。即ち、本発明は、ミカン科植物果皮の水又は含水
アルコール抽出物を有効成分として含有することを特徴
とする抗酸化性組成物である。
事情に基づき、安全性の高い抗酸化性組成物の探索を行
った結果、ミカン科植物果皮の水又は含水アルコール抽
出物が、抗酸化活性を示すことを見出し、本発明を完成
した。即ち、本発明は、ミカン科植物果皮の水又は含水
アルコール抽出物を有効成分として含有することを特徴
とする抗酸化性組成物である。
【0008】また、本発明はミカン科植物が、シイクワ
シャー、ソウキツ、チチュウカイマンダリン、オオタポ
ンカン、タチバナ、サンキツ、ヤツシロ、スイートライ
ム、コベニ、オウトウ、ムカクキシュウ、クネンボ、ハ
ッサク、バレンシアオレンジ、又はシュウトウであるこ
とを特徴とする上記記載の抗酸化性組成物である。以
下、本発明を詳細に説明する。
シャー、ソウキツ、チチュウカイマンダリン、オオタポ
ンカン、タチバナ、サンキツ、ヤツシロ、スイートライ
ム、コベニ、オウトウ、ムカクキシュウ、クネンボ、ハ
ッサク、バレンシアオレンジ、又はシュウトウであるこ
とを特徴とする上記記載の抗酸化性組成物である。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明で用いるミカン科植物としては、ミ
カン属やキンカン属に属する植物を挙げることができ
る。より具体的には、マルキンカン、ニンポウキンカ
ン、ナガミキンカン、フクシュウキンカン、カボス、イ
ヨカン、シュンコウカン、オオベニミカン、カワバタ、
シキキツ、ヒュウガナツ、ユコウ、キヌカワ、ユズ、シ
ャデンユ、グラントレモン、ナツダイダイ、ジミカン、
マーシュグレープフルーツ、クレメンチン、ヒラドブン
タン、ピロロ、ミヤガワワセウンシュウ、エトログシト
ロン、モリタネーブル、スダチ、サンポウカン、ウジュ
キツ、ギリミカン、ラグファライム、ダンシータンジェ
リン、コウジ、カブチ、オウカン、テング、ユーレカレ
モン、シイクワシャー、ソウキツ、チチュウカイマンダ
リン、オオタポンカン、タチバナ、サンキツ、ヤツシ
ロ、スィートライム、コベニ、オウトウ、ムカクキシュ
ウ、クネンボ、ハッサク、バレンシアオレンジ、シュウ
トウ等を例示することができる。これらの中でも、シイ
クワシャー、ソウキツ、チチュウカイマンダリン、オオ
タポンカン、タチバナ、サンキツ、ヤツシロ、スィート
ライム、コベニ、オウトウ、ムカクキシュウ、クネン
ボ、ハッサク、バレンシアオレンジ、シュウトウを好ま
しい植物として挙げることができる。
カン属やキンカン属に属する植物を挙げることができ
る。より具体的には、マルキンカン、ニンポウキンカ
ン、ナガミキンカン、フクシュウキンカン、カボス、イ
ヨカン、シュンコウカン、オオベニミカン、カワバタ、
シキキツ、ヒュウガナツ、ユコウ、キヌカワ、ユズ、シ
ャデンユ、グラントレモン、ナツダイダイ、ジミカン、
マーシュグレープフルーツ、クレメンチン、ヒラドブン
タン、ピロロ、ミヤガワワセウンシュウ、エトログシト
ロン、モリタネーブル、スダチ、サンポウカン、ウジュ
キツ、ギリミカン、ラグファライム、ダンシータンジェ
リン、コウジ、カブチ、オウカン、テング、ユーレカレ
モン、シイクワシャー、ソウキツ、チチュウカイマンダ
リン、オオタポンカン、タチバナ、サンキツ、ヤツシ
ロ、スィートライム、コベニ、オウトウ、ムカクキシュ
ウ、クネンボ、ハッサク、バレンシアオレンジ、シュウ
トウ等を例示することができる。これらの中でも、シイ
クワシャー、ソウキツ、チチュウカイマンダリン、オオ
タポンカン、タチバナ、サンキツ、ヤツシロ、スィート
ライム、コベニ、オウトウ、ムカクキシュウ、クネン
ボ、ハッサク、バレンシアオレンジ、シュウトウを好ま
しい植物として挙げることができる。
【0010】本発明の抗酸化性組成物は、以下のように
して製造することができる。まず、ミカン科植物の果皮
を生のまま、あるいは乾燥させ、必要に応じて適当な大
きさに粉砕した後、これに約5倍〜20倍量の水または含
水アルコールを加えて抽出する。含水アルコールの場合
アルコール濃度は50%以下が好ましい。抽出は室温でも
よいし加温してもよい。また、抽出時間は1週間程度必
要である。この抽出液をグラスフィルター等で濾過し、
濾液を減圧濃縮して、濃縮エキスを得る。ここで、抗酸
化活性を高めるため、さらに簡単な分画操作を行うこと
も可能である。上記で得られた濃縮エキスを乾燥し粉末
とするか、ペースト状あるいは含水エタノール溶液とす
ることにより本発明の抗酸化性組成物を得ることができ
る。本発明の抗酸化性組成物は、被酸化性物質例えば油
脂類、天然色素、ビタミン類などへ直接添加するか、ま
たは被酸化性物質を含む組成物例えば飲食品、医薬品、
医薬部外品、香粧品、飼料などに添加して使用する。
して製造することができる。まず、ミカン科植物の果皮
を生のまま、あるいは乾燥させ、必要に応じて適当な大
きさに粉砕した後、これに約5倍〜20倍量の水または含
水アルコールを加えて抽出する。含水アルコールの場合
アルコール濃度は50%以下が好ましい。抽出は室温でも
よいし加温してもよい。また、抽出時間は1週間程度必
要である。この抽出液をグラスフィルター等で濾過し、
濾液を減圧濃縮して、濃縮エキスを得る。ここで、抗酸
化活性を高めるため、さらに簡単な分画操作を行うこと
も可能である。上記で得られた濃縮エキスを乾燥し粉末
とするか、ペースト状あるいは含水エタノール溶液とす
ることにより本発明の抗酸化性組成物を得ることができ
る。本発明の抗酸化性組成物は、被酸化性物質例えば油
脂類、天然色素、ビタミン類などへ直接添加するか、ま
たは被酸化性物質を含む組成物例えば飲食品、医薬品、
医薬部外品、香粧品、飼料などに添加して使用する。
【0011】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定
されるものではない。 〔実施例1〕 高抗酸化能をもつミカン科植物果皮の種
あるいは品種の選択 高抗酸化能をもつミカン科植物果皮の種あるいは品種の
選択をするために、ミカン科植物を代表する50種(ある
いは品種)について、リノール酸に対する抗酸化活性を
測定した。各々の成熟果皮あるいは青果皮 100gを凍結
乾燥後、75%エタノールで抽出し、エバポレーターで濃
縮乾固した。このものを、1.0mg/ml 水溶液に調製し、
その0.1mlを以下に述べる抗酸化活性試験に供した。
明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定
されるものではない。 〔実施例1〕 高抗酸化能をもつミカン科植物果皮の種
あるいは品種の選択 高抗酸化能をもつミカン科植物果皮の種あるいは品種の
選択をするために、ミカン科植物を代表する50種(ある
いは品種)について、リノール酸に対する抗酸化活性を
測定した。各々の成熟果皮あるいは青果皮 100gを凍結
乾燥後、75%エタノールで抽出し、エバポレーターで濃
縮乾固した。このものを、1.0mg/ml 水溶液に調製し、
その0.1mlを以下に述べる抗酸化活性試験に供した。
【0012】リノール酸を同量の Tween 80 と混和し、
0.2N NaOH水溶液でpH9とした後、M/30リン酸バッファ
ー(pH7)にて定容とした0.01M リノール酸溶液の5.0
mlを50mlのネジブタ付きガラスサンプル瓶にいれ、上記
で得られた水溶性抗酸化性組成物を加え攪拌し、遮光下
50℃の恒温層に置き酸化させた。酸化度の測定はチオシ
アネート法によった。10mlの試験管に75%エタノール溶
液9.7mlと30%アンモニウムチオシアネート溶液0.1ml
を加え、ここに1日ごとにサンプリングした液0.1mlを
加え攪拌した後、20mM塩化鉄(II)の3.5%塩酸溶液を
0.1ml加え攪拌した。これより正確に3分後に波長500n
m での吸光度を測定し酸化度とした。抗酸化能は酸化度
の経時的変化を指標にした。この結果を相対的な抗酸化
活性としてまとめたものが表1である。
0.2N NaOH水溶液でpH9とした後、M/30リン酸バッファ
ー(pH7)にて定容とした0.01M リノール酸溶液の5.0
mlを50mlのネジブタ付きガラスサンプル瓶にいれ、上記
で得られた水溶性抗酸化性組成物を加え攪拌し、遮光下
50℃の恒温層に置き酸化させた。酸化度の測定はチオシ
アネート法によった。10mlの試験管に75%エタノール溶
液9.7mlと30%アンモニウムチオシアネート溶液0.1ml
を加え、ここに1日ごとにサンプリングした液0.1mlを
加え攪拌した後、20mM塩化鉄(II)の3.5%塩酸溶液を
0.1ml加え攪拌した。これより正確に3分後に波長500n
m での吸光度を測定し酸化度とした。抗酸化能は酸化度
の経時的変化を指標にした。この結果を相対的な抗酸化
活性としてまとめたものが表1である。
【0013】
【表1】
【0014】〔実施例2〕 シイクワシャー果皮の水溶
性抗酸化性組成物 シイクワシャー果皮(70g、生重量)を、アセトン、50
%アセトン、エタノール、50%エタノール、20%エタノ
ール、水の各溶媒(300ml)を用いた室温で3日間抽出し
たものを、濾過後抽出し、各々の溶媒で 500mlとした。
この抽出液0.1mlを実施例1と同様の抗酸化活性試験に
供した。なお、比較としてdl−α−トコフェロールを同
様に処理し試験に供した。結果を図1に示す。この結果
は、シイクワシャー果皮からの抗酸化性組成物の抽出に
は、 100%のエタノールあるいはアセトンを用いるよ
り、含水エタノール、含水アセトンあるいは水を用いる
方が効率的であることを示している。
性抗酸化性組成物 シイクワシャー果皮(70g、生重量)を、アセトン、50
%アセトン、エタノール、50%エタノール、20%エタノ
ール、水の各溶媒(300ml)を用いた室温で3日間抽出し
たものを、濾過後抽出し、各々の溶媒で 500mlとした。
この抽出液0.1mlを実施例1と同様の抗酸化活性試験に
供した。なお、比較としてdl−α−トコフェロールを同
様に処理し試験に供した。結果を図1に示す。この結果
は、シイクワシャー果皮からの抗酸化性組成物の抽出に
は、 100%のエタノールあるいはアセトンを用いるよ
り、含水エタノール、含水アセトンあるいは水を用いる
方が効率的であることを示している。
【0015】〔実施例3〕シイクワシャー果皮の水溶性
抗酸化成分の分画 シイクワシャー果皮(8.0kg、生重量)を、50%エタノ
ール(50L)を用い室温で7日間抽出したものを濾過
し、エバポレーターで濃縮後、水(1.5L)に懸濁させ
同量の酢酸エチルで分配後、さらに水層を同量のブタノ
ールで分配した。ブタノール抽出後の水層をダイヤイオ
ンHP-20(2L)処理し、水溶出(4L)、50%メタ
ノール溶出(4L)、100%メタノール溶出(4L)の
3分画に分けた。 100%メタノール溶出部は濃縮後OD
S(フジシリシア、DM1020T、100g)に付し、水溶出
部(25g)、10%メタノール溶出部(3.2g)、 100%メタ
ノール溶出部(6.8g) に分けた。以上得られた分画を濃
縮した後、各々1.0mg/mlの濃度に調製したもの0.1ml
を実施例1と同様の抗酸化活性試験に供した。なお、比
較としてdl−α−トコフェロールを同様に処理し試験に
供した。結果を図2に示す。
抗酸化成分の分画 シイクワシャー果皮(8.0kg、生重量)を、50%エタノ
ール(50L)を用い室温で7日間抽出したものを濾過
し、エバポレーターで濃縮後、水(1.5L)に懸濁させ
同量の酢酸エチルで分配後、さらに水層を同量のブタノ
ールで分配した。ブタノール抽出後の水層をダイヤイオ
ンHP-20(2L)処理し、水溶出(4L)、50%メタ
ノール溶出(4L)、100%メタノール溶出(4L)の
3分画に分けた。 100%メタノール溶出部は濃縮後OD
S(フジシリシア、DM1020T、100g)に付し、水溶出
部(25g)、10%メタノール溶出部(3.2g)、 100%メタ
ノール溶出部(6.8g) に分けた。以上得られた分画を濃
縮した後、各々1.0mg/mlの濃度に調製したもの0.1ml
を実施例1と同様の抗酸化活性試験に供した。なお、比
較としてdl−α−トコフェロールを同様に処理し試験に
供した。結果を図2に示す。
【0016】〔実施例4〕タチバナ果皮の水溶性抗酸化
性組成物の分画 タチバナ果皮(4.3kg、生重量)を、エタノール(18
L)を用い室温で7日間抽出したものを、濾過後濃縮し
た。この濃縮液を等量(1.5L)のブタノールと水で分
配し、各層を濃縮後さらに、ブタノール可溶部を等量
(1.5L) のヘキサンとメタノールで分配しヘキサン可
溶部とメタノール可溶部を得て、これらを濃縮した。水
可溶部は、ダイヤイオンHP-20 処理を行い、水溶出部
とエタノール溶出部とに分け、これらを濃縮した。さら
に、先のエタノール抽出済みの果皮を水(18L)で再抽
出し濃縮後、ダイヤイオンHP-20 処理を行い、水溶出
部とエタノール溶出部とに分け、それぞれ濃縮した、各
濃縮物を、10mg/ml の濃度に調製したもの0.1mlを実施
例1と同様の抗酸化活性試験に供した。なお、比較とし
てdl−α−トコフェロールを同様に処理し試験に供し
た。結果を図3に示す。この結果は、エタノール抽出物
中の活性成分はブタノール、エタノールの双方に可溶で
あることを示しており、また、タチバナ果皮には、エタ
ノールでは抽出されにくい水溶性の抗酸化成分が含まれ
ることを示している。
性組成物の分画 タチバナ果皮(4.3kg、生重量)を、エタノール(18
L)を用い室温で7日間抽出したものを、濾過後濃縮し
た。この濃縮液を等量(1.5L)のブタノールと水で分
配し、各層を濃縮後さらに、ブタノール可溶部を等量
(1.5L) のヘキサンとメタノールで分配しヘキサン可
溶部とメタノール可溶部を得て、これらを濃縮した。水
可溶部は、ダイヤイオンHP-20 処理を行い、水溶出部
とエタノール溶出部とに分け、これらを濃縮した。さら
に、先のエタノール抽出済みの果皮を水(18L)で再抽
出し濃縮後、ダイヤイオンHP-20 処理を行い、水溶出
部とエタノール溶出部とに分け、それぞれ濃縮した、各
濃縮物を、10mg/ml の濃度に調製したもの0.1mlを実施
例1と同様の抗酸化活性試験に供した。なお、比較とし
てdl−α−トコフェロールを同様に処理し試験に供し
た。結果を図3に示す。この結果は、エタノール抽出物
中の活性成分はブタノール、エタノールの双方に可溶で
あることを示しており、また、タチバナ果皮には、エタ
ノールでは抽出されにくい水溶性の抗酸化成分が含まれ
ることを示している。
【0017】〔実施例5〕イヨ果皮の水溶性抗酸化性組
成物 イヨ果皮(70g、生重量)を、エタノール、50%エタノ
ール、水の各溶媒(300ml) を用い室温で3日間抽出した
ものを、濾過後、抽出した各々の溶媒で500mlとした。
この抽出液0.1mlを実施例1と同様の抗酸化活性試験に
供した。なお、比較としてdl−α−トコフェロールを同
様に処理し試験に供した。結果を図4に示す。この結果
は、イヨ果皮の水溶性抗酸化性組成物の抽出には含水エ
タノールあるいは水を用いる方が効率的であることを示
している。
成物 イヨ果皮(70g、生重量)を、エタノール、50%エタノ
ール、水の各溶媒(300ml) を用い室温で3日間抽出した
ものを、濾過後、抽出した各々の溶媒で500mlとした。
この抽出液0.1mlを実施例1と同様の抗酸化活性試験に
供した。なお、比較としてdl−α−トコフェロールを同
様に処理し試験に供した。結果を図4に示す。この結果
は、イヨ果皮の水溶性抗酸化性組成物の抽出には含水エ
タノールあるいは水を用いる方が効率的であることを示
している。
【0018】〔実施例6〕シイクワシャー果皮の水溶性
抗酸化組成物のβ−カロチン褪色防止作用 シイクワシャー果皮のエタノール抽出物、50%エタノー
ル抽出物、水抽出物、およびタチバナ果皮のエタノール
抽出物、エタノール抽出済み果皮の水抽出物を各10mg/m
l に調製し、以下に述べる方法でカロチン褪色防止作用
を調べた。
抗酸化組成物のβ−カロチン褪色防止作用 シイクワシャー果皮のエタノール抽出物、50%エタノー
ル抽出物、水抽出物、およびタチバナ果皮のエタノール
抽出物、エタノール抽出済み果皮の水抽出物を各10mg/m
l に調製し、以下に述べる方法でカロチン褪色防止作用
を調べた。
【0019】β−カロチン(5.0mg)に Tween 80 (0.5
ml) とエタノール(0.5ml)を加えて溶かし、ここに蒸
留水を加えて50mlとしたβ−カロチン溶液を調製した。
このβ−カロチン溶液9.0mlに上記で調製された抽出液
1.0mlを加えた。抽出液の替わりに抽出物を調製する時
に用いた溶媒1.0mlを加えたものをコントロールとし、
アスコルビン酸溶液1.0ml(最終濃度が0.1%となるよ
うに調製)を加えたものを対照として用いた。ブランク
として、Tween 80 (0.5ml) とエタノール(0.5ml)を
加えて溶かし、ここに蒸留水を加えて50mlとした溶液9.
0mlに各々1.0mlを溶かしたものを用いた。これらの溶
液を、96ウェルプレートに0.3mlずつ分注し蓋をした
後、約5000Lxの蛍光灯照明下、室温に置いた。照明開始
から経時的に450nm での吸光度の減少を測定し、β−カ
ロチンの褪色度を測定した。結果を図5に示す。いずれ
の抽出物もβ−カロチンの褪色を抑えるが、とくにシイ
クワシャー果皮水抽出物およびタチバナエタノール抽出
済み果皮の水抽出物は、アスコルビン酸とほぼ同程度の
効果を示している。
ml) とエタノール(0.5ml)を加えて溶かし、ここに蒸
留水を加えて50mlとしたβ−カロチン溶液を調製した。
このβ−カロチン溶液9.0mlに上記で調製された抽出液
1.0mlを加えた。抽出液の替わりに抽出物を調製する時
に用いた溶媒1.0mlを加えたものをコントロールとし、
アスコルビン酸溶液1.0ml(最終濃度が0.1%となるよ
うに調製)を加えたものを対照として用いた。ブランク
として、Tween 80 (0.5ml) とエタノール(0.5ml)を
加えて溶かし、ここに蒸留水を加えて50mlとした溶液9.
0mlに各々1.0mlを溶かしたものを用いた。これらの溶
液を、96ウェルプレートに0.3mlずつ分注し蓋をした
後、約5000Lxの蛍光灯照明下、室温に置いた。照明開始
から経時的に450nm での吸光度の減少を測定し、β−カ
ロチンの褪色度を測定した。結果を図5に示す。いずれ
の抽出物もβ−カロチンの褪色を抑えるが、とくにシイ
クワシャー果皮水抽出物およびタチバナエタノール抽出
済み果皮の水抽出物は、アスコルビン酸とほぼ同程度の
効果を示している。
【0020】
【発明の効果】本発明の抗酸化剤は、天然物であるミカ
ン科植物果皮より得られるものであり、これら果皮は可
食であるから原料としての安全性が高く、水溶性で高い
抗酸化能を示すので、水系あるいはエマルジョン系の抗
酸化添加剤としての使用できる。
ン科植物果皮より得られるものであり、これら果皮は可
食であるから原料としての安全性が高く、水溶性で高い
抗酸化能を示すので、水系あるいはエマルジョン系の抗
酸化添加剤としての使用できる。
【図1】シイクワシャー果皮抽出液の抗酸化活性を示す
図である。
図である。
【図2】シイクワシャー果皮抽出液分画の抗酸化活性を
示す図である。
示す図である。
【図3】タチバナ果皮抽出液および分画の抗酸化活性を
示す図である。
示す図である。
【図4】イヨ果皮抽出物の抗酸化活性を示す図である。
【図5】シイクワシャー果皮およびタチバナ果皮のβ−
カロチン褪色防止作用を示す図である。
カロチン褪色防止作用を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ミカン科植物果皮の水又は含水アルコー
ル抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗
酸化性組成物。 - 【請求項2】 ミカン科植物が、シイクワシャー、ソウ
キツ、チチュウカイマンダリン、オオタポンカン、タチ
バナ、サンキツ、ヤツシロ、スイートライム、コベニ、
オウトウ、ムカクキシュウ、クネンボ、ハッサク、バレ
ンシアオレンジ、又はシュウトウであることを特徴とす
る請求項1記載の抗酸化性組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6592895A JP2873921B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 水溶性抗酸化性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6592895A JP2873921B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 水溶性抗酸化性組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08259945A true JPH08259945A (ja) | 1996-10-08 |
JP2873921B2 JP2873921B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=13301122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6592895A Expired - Lifetime JP2873921B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 水溶性抗酸化性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2873921B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003102421A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-08 | Pokka Corp | 飲食品の製造方法 |
JP2005126329A (ja) * | 2003-10-21 | 2005-05-19 | Pola Chem Ind Inc | 敏感肌用のメークアップ |
JP2011505827A (ja) * | 2007-12-11 | 2011-03-03 | ユニヴァースィティ プトラ マレーシア | 食用油組成物用添加剤 |
JP2014024781A (ja) * | 2012-07-26 | 2014-02-06 | Univ Of Miyazaki | 抗酸化剤 |
JP2021123534A (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-30 | 株式会社ナリス化粧品 | ケラチノサイトのpar−2発現抑制剤およびメラノサイトのデンドライト形成抑制剤 |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP6592895A patent/JP2873921B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003102421A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-08 | Pokka Corp | 飲食品の製造方法 |
JP4606672B2 (ja) * | 2001-09-28 | 2011-01-05 | 株式会社ポッカコーポレーション | 褐変防止剤、抗酸化剤及びビタミンc減少率抑制剤 |
JP2005126329A (ja) * | 2003-10-21 | 2005-05-19 | Pola Chem Ind Inc | 敏感肌用のメークアップ |
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JP2021123534A (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-30 | 株式会社ナリス化粧品 | ケラチノサイトのpar−2発現抑制剤およびメラノサイトのデンドライト形成抑制剤 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2873921B2 (ja) | 1999-03-24 |
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