JPH08258109A - 熱可塑性樹脂の押出成形方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂の押出成形方法Info
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- JPH08258109A JPH08258109A JP7088804A JP8880495A JPH08258109A JP H08258109 A JPH08258109 A JP H08258109A JP 7088804 A JP7088804 A JP 7088804A JP 8880495 A JP8880495 A JP 8880495A JP H08258109 A JPH08258109 A JP H08258109A
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- molding
- extrusion
- extrusion molding
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 メルトフラクチャーの発生を防止し、押出成
形時の生産性を飛躍的に向上させることができる熱可塑
性樹脂の押出成形方法を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂を押出成形する方法において、
押出成形用ダイの樹脂押出面の表面材として、その表面
硬度がビッカース硬度100以上のものを用いるととも
に、成形温度を、その成形温度における押出成形用ダイ
の樹脂押出面の表面材と溶融樹脂との間の接着力Aと、
その溶融樹脂の凝集力Cとの比(A/C)が1以下とな
る範囲に設定して押出成形する。
形時の生産性を飛躍的に向上させることができる熱可塑
性樹脂の押出成形方法を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂を押出成形する方法において、
押出成形用ダイの樹脂押出面の表面材として、その表面
硬度がビッカース硬度100以上のものを用いるととも
に、成形温度を、その成形温度における押出成形用ダイ
の樹脂押出面の表面材と溶融樹脂との間の接着力Aと、
その溶融樹脂の凝集力Cとの比(A/C)が1以下とな
る範囲に設定して押出成形する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂の押出成
形方法に関する。さらに詳しくは、メルトフラクチャー
を抑制して製品の生産性及び経済性の向上を図れるよう
にした熱可塑性樹脂の押出成形方法に関する。
形方法に関する。さらに詳しくは、メルトフラクチャー
を抑制して製品の生産性及び経済性の向上を図れるよう
にした熱可塑性樹脂の押出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の押出成形時に生産速度を
増大させると成形品にメルトフラクチャーと呼ばれる不
良現象が発生し、このため現状では生産速度を落とすこ
とを余儀なくされていた。この不良現象は、初期の段階
では成形品の表面に肌荒れが生ずる表面破壊が発生する
ことで、最終的には内部まで破壊が進行した内部破壊が
発生することであり、前者と後者では発生機構が異なる
と考えられている。前者の表面に肌荒れが生ずる表面破
壊は、ダイ表面と溶融樹脂との界面で発生すると考えら
れており、これらの間の接着性が問題とされてきた。こ
のような観点から、接着力を低下させるための改良方法
がいくつか提案されている。たとえば、(1)ダイの樹
脂押出面にフッ素樹脂をコーティングして、ダイの樹脂
押出面と溶融樹脂との接着力を低下させてメルトフラク
チャーを低減させる方法(特開昭55−82784号公
報、特公平1−43610号公報)、(2)特定のスリ
ップ促進剤を用い、この促進剤の皮膜を形成させるため
に金属酸化物をダイ内面に被覆して溶融樹脂との接着力
を低下させてメルトフラクチャーを低減させる方法(特
表平4−501393号公報)、および、(3)表面破
壊はダイ表面材と溶融樹脂との界面のスリップによって
生ずるとの知見から、これらの間の接着力を増大させる
ために粘着促進剤を樹脂に添加してメルトフラクチャー
を低減させる方法、また、ダイ表面材に黄銅を用いる方
法(特公昭63−24809号公報、特公平1−209
72号公報)がある。
増大させると成形品にメルトフラクチャーと呼ばれる不
良現象が発生し、このため現状では生産速度を落とすこ
とを余儀なくされていた。この不良現象は、初期の段階
では成形品の表面に肌荒れが生ずる表面破壊が発生する
ことで、最終的には内部まで破壊が進行した内部破壊が
発生することであり、前者と後者では発生機構が異なる
と考えられている。前者の表面に肌荒れが生ずる表面破
壊は、ダイ表面と溶融樹脂との界面で発生すると考えら
れており、これらの間の接着性が問題とされてきた。こ
のような観点から、接着力を低下させるための改良方法
がいくつか提案されている。たとえば、(1)ダイの樹
脂押出面にフッ素樹脂をコーティングして、ダイの樹脂
押出面と溶融樹脂との接着力を低下させてメルトフラク
チャーを低減させる方法(特開昭55−82784号公
報、特公平1−43610号公報)、(2)特定のスリ
ップ促進剤を用い、この促進剤の皮膜を形成させるため
に金属酸化物をダイ内面に被覆して溶融樹脂との接着力
を低下させてメルトフラクチャーを低減させる方法(特
表平4−501393号公報)、および、(3)表面破
壊はダイ表面材と溶融樹脂との界面のスリップによって
生ずるとの知見から、これらの間の接着力を増大させる
ために粘着促進剤を樹脂に添加してメルトフラクチャー
を低減させる方法、また、ダイ表面材に黄銅を用いる方
法(特公昭63−24809号公報、特公平1−209
72号公報)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、(1)の方法
は、コーティングにキズが付き易く、また被覆がはがれ
易い等の問題があり実用的ではなかった。 (2)の方法は、アルミニウムの酸化物(PVD法でア
ルミナをダイ表面に蒸着)でフッ素加工助剤2000
[ppm]を線状低密度ポリエチレン(LLDPE;M
I=1)に添加して追試験を行なった結果、成形条件に
よってはメルトフラクチャーは低減しなかった。また、
加工助剤は高価であり経済的ではなかった。 (3)の方法は、接着力を大きくすると、逆にメルトフ
ラクチャーが発生し易くなり、また黄銅はキズが付き易
く、かつ腐蝕し易いため、目ヤニやダイライン等の不良
現象が発生し易くなるという問題があった。
は、コーティングにキズが付き易く、また被覆がはがれ
易い等の問題があり実用的ではなかった。 (2)の方法は、アルミニウムの酸化物(PVD法でア
ルミナをダイ表面に蒸着)でフッ素加工助剤2000
[ppm]を線状低密度ポリエチレン(LLDPE;M
I=1)に添加して追試験を行なった結果、成形条件に
よってはメルトフラクチャーは低減しなかった。また、
加工助剤は高価であり経済的ではなかった。 (3)の方法は、接着力を大きくすると、逆にメルトフ
ラクチャーが発生し易くなり、また黄銅はキズが付き易
く、かつ腐蝕し易いため、目ヤニやダイライン等の不良
現象が発生し易くなるという問題があった。
【0004】本発明は上述の問題に鑑みなされたもので
あり、メルトフラクチャーの発生を防止し、押出成形時
の生産性を飛躍的に向上させることができる熱可塑性樹
脂の押出成形方法を提供することを目的とする。
あり、メルトフラクチャーの発生を防止し、押出成形時
の生産性を飛躍的に向上させることができる熱可塑性樹
脂の押出成形方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明によれば、熱可塑性樹脂を押出成形する方法
において、押出成形用ダイの樹脂押出面の表面材とし
て、その表面硬度がビッカース硬度100以上のものを
用いるとともに、成形温度を、その成形温度における押
出成形用ダイの樹脂押出面の表面材と溶融樹脂との間の
接着力Aと、その溶融樹脂の凝集力Cとの比(A/C)
が1以下となる範囲に設定して押出成形することを特徴
とする熱可塑性樹脂の押出成形方法が提供される。
め、本発明によれば、熱可塑性樹脂を押出成形する方法
において、押出成形用ダイの樹脂押出面の表面材とし
て、その表面硬度がビッカース硬度100以上のものを
用いるとともに、成形温度を、その成形温度における押
出成形用ダイの樹脂押出面の表面材と溶融樹脂との間の
接着力Aと、その溶融樹脂の凝集力Cとの比(A/C)
が1以下となる範囲に設定して押出成形することを特徴
とする熱可塑性樹脂の押出成形方法が提供される。
【0006】また、その好ましい態様として、前記押出
成形用ダイの樹脂押出面の表面材の表面粗さRz(十点
平均粗さ)が、10μm以下であることを特徴とする熱
可塑性樹脂の押出成形方法が提供される。
成形用ダイの樹脂押出面の表面材の表面粗さRz(十点
平均粗さ)が、10μm以下であることを特徴とする熱
可塑性樹脂の押出成形方法が提供される。
【0007】以下、本発明の熱可塑性樹脂の押出成形方
法を具体的に説明する。 1.熱可塑性樹脂 本発明においては、メルトフラクチャー、その中でも表
面破壊が発生する樹脂を対象とする。具体的には、ポリ
エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、フッ素樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等を挙げることができ
る。
法を具体的に説明する。 1.熱可塑性樹脂 本発明においては、メルトフラクチャー、その中でも表
面破壊が発生する樹脂を対象とする。具体的には、ポリ
エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、フッ素樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等を挙げることができ
る。
【0008】2.押出成形方法 本発明における、押出成形方法とは、インフレーション
成形、中空成形、電線被覆成形、シート成形、丸棒成
形、パイプ成形、異形押出成形、多層押出成形、モノフ
ィラメント成形等流動状態にある樹脂を所定の形状に押
出すためにダイを通過させる方法をとる全ての成形方法
をいう。また、本発明は押出成形と基本的に類似した引
き抜き成形にも適用が可能である。
成形、中空成形、電線被覆成形、シート成形、丸棒成
形、パイプ成形、異形押出成形、多層押出成形、モノフ
ィラメント成形等流動状態にある樹脂を所定の形状に押
出すためにダイを通過させる方法をとる全ての成形方法
をいう。また、本発明は押出成形と基本的に類似した引
き抜き成形にも適用が可能である。
【0009】3.成形条件 本発明においては、成形温度を、その成形温度における
押出成形用ダイの樹脂押出面の表面材と溶融樹脂との間
の接着力Aと、その溶融樹脂の凝集力Cとの比(A/
C)が1以下となる範囲に設定する。
押出成形用ダイの樹脂押出面の表面材と溶融樹脂との間
の接着力Aと、その溶融樹脂の凝集力Cとの比(A/
C)が1以下となる範囲に設定する。
【0010】(1)成形温度 本発明における成形温度とは、押出成形の途上にあるダ
イの樹脂押出面の表面材に接する溶融樹脂温度をいう。
前述の、本発明に用いられる熱可塑性樹脂、たとえば、
線状低密度ポリエチレンの場合は、通常約200℃〜2
20℃の範囲で成形が行われる。
イの樹脂押出面の表面材に接する溶融樹脂温度をいう。
前述の、本発明に用いられる熱可塑性樹脂、たとえば、
線状低密度ポリエチレンの場合は、通常約200℃〜2
20℃の範囲で成形が行われる。
【0011】(2)接着力と凝集力との比(A/C) 表面破壊は、ダイ表面からいくらか内側の溶融樹脂内部
で起こる凝集破壊によって生じるものと考えられる。こ
の破壊が起こる原因は、押出成形用ダイの樹脂押出面の
表面材と溶融樹脂との間の接着力が大き過ぎるため、こ
の接着力Aより溶融樹脂の凝集力(粘着力)Cが下まわ
った場合に発生するものと考えられる。従って、成形温
度を、A/Cの値が1以下となる範囲に設定する。
で起こる凝集破壊によって生じるものと考えられる。こ
の破壊が起こる原因は、押出成形用ダイの樹脂押出面の
表面材と溶融樹脂との間の接着力が大き過ぎるため、こ
の接着力Aより溶融樹脂の凝集力(粘着力)Cが下まわ
った場合に発生するものと考えられる。従って、成形温
度を、A/Cの値が1以下となる範囲に設定する。
【0012】本発明に用いられる押出成形用ダイの樹脂
押出面の表面材としては、その表面硬度がビッカース硬
度100以上のものであり、たとえば金属、金属粒子を
含む複合材料、金属の合金、金属の酸化物、および金属
を含んだメッキ等の金属のコーティング材料として通常
用いられるものを挙げることができる。中でも、清掃時
における銅や黄銅のヘラや棒によるキズ付きの防止のた
め、Fe−Ni−Cr合金やFe−Cr−Mo合金、F
e−Cr−Mo−V合金などが好ましい。
押出面の表面材としては、その表面硬度がビッカース硬
度100以上のものであり、たとえば金属、金属粒子を
含む複合材料、金属の合金、金属の酸化物、および金属
を含んだメッキ等の金属のコーティング材料として通常
用いられるものを挙げることができる。中でも、清掃時
における銅や黄銅のヘラや棒によるキズ付きの防止のた
め、Fe−Ni−Cr合金やFe−Cr−Mo合金、F
e−Cr−Mo−V合金などが好ましい。
【0013】A/Cの測定は、上記表面材と同一の材質
および表面状態の金属円錐棒を一定量の溶融樹脂中に投
入し、数十分後に金属円錐棒をオートグラフを用いて引
抜く試験により行った。ここで、金属円錐棒に溶融樹脂
が付着しないときの実荷重から接着力Aを測定し、金属
円錐棒全体に溶融樹脂が付着したときのエネルギー値か
ら凝集力Cを測定した。そして、各成形温度におけるA
/Cの値を算出した。なお、AおよびCの単位は、kg
・f/cm2 である。
および表面状態の金属円錐棒を一定量の溶融樹脂中に投
入し、数十分後に金属円錐棒をオートグラフを用いて引
抜く試験により行った。ここで、金属円錐棒に溶融樹脂
が付着しないときの実荷重から接着力Aを測定し、金属
円錐棒全体に溶融樹脂が付着したときのエネルギー値か
ら凝集力Cを測定した。そして、各成形温度におけるA
/Cの値を算出した。なお、AおよびCの単位は、kg
・f/cm2 である。
【0014】また、A/Cが接着性を表わすパラメータ
ーとして用いることができることを示すため、後述の実
験例2でエルマゴニオメータ式接触測定器により接触角
を測定した。
ーとして用いることができることを示すため、後述の実
験例2でエルマゴニオメータ式接触測定器により接触角
を測定した。
【0015】 (3)押出成形ダイの樹脂押出面の表面材の表面粗さ 本発明に用いられる押出成形ダイの樹脂押出面の表面材
の表面粗さは、Rz(十点平均粗さ)で10μm以下で
あることが接着性に影響を与えることを防止するために
好ましく、さらに好ましくは6μm以下である。
の表面粗さは、Rz(十点平均粗さ)で10μm以下で
あることが接着性に影響を与えることを防止するために
好ましく、さらに好ましくは6μm以下である。
【0016】4.メルトフラクチャー 本発明において、メルトフラクチャーの発生防止の対象
となるのは、表面破壊に基づくものだけである。このよ
うな表面破壊の評価は、スクリュウ回転数を徐々に上げ
ていき、その都度4時間押出した後のシート状の成形品
の表面を表面粗さ計で測定して、表面破壊の有無として
評価した。
となるのは、表面破壊に基づくものだけである。このよ
うな表面破壊の評価は、スクリュウ回転数を徐々に上げ
ていき、その都度4時間押出した後のシート状の成形品
の表面を表面粗さ計で測定して、表面破壊の有無として
評価した。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実験例によって、さらに具体
的に説明する。 [実験例1]熱可塑性樹脂として、線状低密度ポリエチ
レン(出光石油化学社製 0134N;MI=1)を用
い、その押出口形状が、シート幅/リップ開度/ランド
長=50/0.5/20mmである押出成形機(陸亜社
製 単軸押出機;口径35mm,L/D=28)のダイ
の樹脂押出面の表面材料を、Znコート、Ni−P−フ
ッ素樹脂複合材料(日本カニゼン社製 登録商標:カニ
フロンコート)、SUS304、SKD11、Crコー
ト、またはテフロンコートに交換して、150℃,17
0℃,200℃および220℃の成形温度でそれぞれシ
ートを成形した。このときのA/Cおよびメルトフラク
チャーが発生する臨界剪断応力[σc]をそれぞれ測定
し、その結果を表1に示す。
的に説明する。 [実験例1]熱可塑性樹脂として、線状低密度ポリエチ
レン(出光石油化学社製 0134N;MI=1)を用
い、その押出口形状が、シート幅/リップ開度/ランド
長=50/0.5/20mmである押出成形機(陸亜社
製 単軸押出機;口径35mm,L/D=28)のダイ
の樹脂押出面の表面材料を、Znコート、Ni−P−フ
ッ素樹脂複合材料(日本カニゼン社製 登録商標:カニ
フロンコート)、SUS304、SKD11、Crコー
ト、またはテフロンコートに交換して、150℃,17
0℃,200℃および220℃の成形温度でそれぞれシ
ートを成形した。このときのA/Cおよびメルトフラク
チャーが発生する臨界剪断応力[σc]をそれぞれ測定
し、その結果を表1に示す。
【0018】[表1] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 表面材 SUS304 SKD11 カニフロンコート Znコート テフロンコート Crコート ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ビッカース硬度 150 200 450 50 45以下 300 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 150[℃] A/C 0.8 0.8 0.6 0.5 0.2 1.1 ────────────────────────────── σc[KPa] 430 430 430 430 430 120 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 170[℃] A/C 0.9 0.9 0.7 0.6 0.3 1.2 ────────────────────────────── σc[KPa] 430 430 430 430 430 120 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 200[℃] A/C 1.4 1.3 1.0 0.9 0.5 1.7 ────────────────────────────── σc[KPa] 120 120 430 430 430 120 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 220[℃] A/C 1.7 1.6 1.2 1.0 0.5 1.8 ────────────────────────────── σc[KPa] 120 120 120 430 430 120 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Rz[μm] 1.7 1.5 0.7 1.0 6.0 0.7 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0019】この結果、表1から以下のことがわかっ
た。前記線状低密度ポリエチレン(MI=1)の場合、
通常の成形温度は200〜220℃であるが、A/C≦
1の範囲内では、この温度よりも50〜70℃低い温度
である170℃,150℃であっても、σcが430
[KPa]までメルトフラクチャーを発生させずに成形
することができた。しかし、一般に用いられるCrコー
トではA/Cが1を超えるためσcが小さい値でメルト
フラクチャーが発生した。また、表面硬度がビッカース
硬度で100以下のZnコートおよびテフロンコートで
は、複数回の成形とダイの清掃を繰り返すことによって
徐々に表面にキズが付き、成形品にダイライン等の不良
現象が発生して、実用的でないことが判った。さらに、
テフロンコートの場合、最終的にコート材が剥離した。
従って、本発明を実施する場合、Ni−P−フッ素樹脂
複合材料の場合の成形温度は、たとえば150〜200
℃、SKD11やSUS304の場合は、150〜17
0℃に設定することができることがわかった。
た。前記線状低密度ポリエチレン(MI=1)の場合、
通常の成形温度は200〜220℃であるが、A/C≦
1の範囲内では、この温度よりも50〜70℃低い温度
である170℃,150℃であっても、σcが430
[KPa]までメルトフラクチャーを発生させずに成形
することができた。しかし、一般に用いられるCrコー
トではA/Cが1を超えるためσcが小さい値でメルト
フラクチャーが発生した。また、表面硬度がビッカース
硬度で100以下のZnコートおよびテフロンコートで
は、複数回の成形とダイの清掃を繰り返すことによって
徐々に表面にキズが付き、成形品にダイライン等の不良
現象が発生して、実用的でないことが判った。さらに、
テフロンコートの場合、最終的にコート材が剥離した。
従って、本発明を実施する場合、Ni−P−フッ素樹脂
複合材料の場合の成形温度は、たとえば150〜200
℃、SKD11やSUS304の場合は、150〜17
0℃に設定することができることがわかった。
【0020】[実験例2]熱可塑性樹脂として前記線状
低密度ポリエチレンを用い、縦/横/厚み=20/20
/1mmの評価サンプル板上で、エルマゴニオメータ式
接触角測定器により接触角を測定した。ここで、評価サ
ンプル板は、ダイの樹脂押出面の表面材と同一の材質お
よび表面状態のCrコート,SUS304、SKD1
1、Ni−P−フッ素樹脂複合材料(日本カニゼン社製
登録商標:カニフロンコート)、またはZnコートを
用い、測定温度は前記成形温度と同様の、150〜22
0℃とした。上記方法で接触角θを測定し(評価サンプ
ル板が測定温度に達したとき、樹脂を投入して15分後
の接触角を測定した)、A/Cとの関係を図1に示し
た。この図からA/Cはcosθと比例関係にあり、接
着性を表わすパラメーターとなり得ることがわかった。
低密度ポリエチレンを用い、縦/横/厚み=20/20
/1mmの評価サンプル板上で、エルマゴニオメータ式
接触角測定器により接触角を測定した。ここで、評価サ
ンプル板は、ダイの樹脂押出面の表面材と同一の材質お
よび表面状態のCrコート,SUS304、SKD1
1、Ni−P−フッ素樹脂複合材料(日本カニゼン社製
登録商標:カニフロンコート)、またはZnコートを
用い、測定温度は前記成形温度と同様の、150〜22
0℃とした。上記方法で接触角θを測定し(評価サンプ
ル板が測定温度に達したとき、樹脂を投入して15分後
の接触角を測定した)、A/Cとの関係を図1に示し
た。この図からA/Cはcosθと比例関係にあり、接
着性を表わすパラメーターとなり得ることがわかった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
メルトフラクチャーの発生を防止し、押出成形時の生産
性を飛躍的に向上させ得る熱可塑性樹脂の押出成形方法
を提供することができる。
メルトフラクチャーの発生を防止し、押出成形時の生産
性を飛躍的に向上させ得る熱可塑性樹脂の押出成形方法
を提供することができる。
【図1】A/Cとcosθとの関係を示す説明図であ
る。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂を押出成形する方法におい
て、押出成形用ダイの樹脂押出面の表面材として、その
表面硬度がビッカース硬度100以上であるものを用い
るとともに、成形温度を、その成形温度における押出成
形用ダイの樹脂押出面の表面材と溶融樹脂との間の接着
力Aと、その溶融樹脂の凝集力Cとの比(A/C)が1
以下となる範囲に設定して押出成形することを特徴とす
る熱可塑性樹脂の押出成形方法。 - 【請求項2】 前記押出成形用ダイの樹脂押出面の表面
材の表面粗さRz(十点平均粗さ)が、10μm以下で
あることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂の押
出成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7088804A JPH08258109A (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 熱可塑性樹脂の押出成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7088804A JPH08258109A (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 熱可塑性樹脂の押出成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08258109A true JPH08258109A (ja) | 1996-10-08 |
Family
ID=13953074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7088804A Pending JPH08258109A (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 熱可塑性樹脂の押出成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08258109A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006056169A (ja) * | 2004-08-20 | 2006-03-02 | Mitsui Chemicals Inc | 超高分子量ポリオレフィンインフレーションフィルムおよびフラットヤーン |
-
1995
- 1995-03-22 JP JP7088804A patent/JPH08258109A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006056169A (ja) * | 2004-08-20 | 2006-03-02 | Mitsui Chemicals Inc | 超高分子量ポリオレフィンインフレーションフィルムおよびフラットヤーン |
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