JPH08257567A - 銀イオン水の製造法 - Google Patents

銀イオン水の製造法

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JPH08257567A
JPH08257567A JP7087453A JP8745395A JPH08257567A JP H08257567 A JPH08257567 A JP H08257567A JP 7087453 A JP7087453 A JP 7087453A JP 8745395 A JP8745395 A JP 8745395A JP H08257567 A JPH08257567 A JP H08257567A
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Jinichi Ito
仁一 伊藤
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JIPUKOMU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より高い殺菌効果を有する銀イオン水の製造
法を提供する。 【構成】 陽極22と陰極23とを有し、両電極の間に
隔膜21が設けられ、陽極室20と陰極室18とに区画
された第1電解槽17の陽極室20及び陰極室18に、
原水を導入して電解を行い、陽極室20側から酸性イオ
ン水を取出すと共に、陰極室18側からアルカリ性イオ
ン水を取出し、陽極35と陰極31とを有し、陽極35
に銀34が設けられた第2電解槽28に、上記で得られ
たアルカリ性イオン水を導入して電解を行い、アルカリ
性の銀イオン水を取出す。得られた銀イオン水は、pH8
〜12、溶解銀濃度10〜1000ppb 、含有塩素濃度が少なく
とも10ppm 以下、通常は5ppm 以下で、溶解銀の70%以
上がイオン化しており、優れた殺菌効果を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば殺菌洗浄水など
の用途に用いられる銀イオン水の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀イオン水が、殺菌又は静菌作用を有す
ること、農作物等の生育促進作用を有すること、更には
各種疾患の治療水として有効であることが知られている
(特開昭62−294486号、特開昭63−6090
4号、特開昭63−60905号、特開昭63−961
04号、特開昭63−112521号参照)。
【0003】このような銀イオン水の製造法としては、
特開昭62−279882号に示されるように、陽極と
陰極とを有し、陽極に銀が設けられた第1電解槽に、電
圧を印加しつつ原水を通して銀イオンを溶出させる工程
と、陽極と陰極とを有し、両電極の間に隔膜が形成さ
れ、陽極室と陰極室とに区画された第2電解槽の前記陽
極室及び陰極室に、前記銀イオンを溶出させた原水を通
して、前記陽極室側から酸性の銀イオン水を取出し、前
記陰極室側からアルカリ性の銀イオン水を取出す方法が
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者のその後の研究により、水に溶出した銀イオンは、水
中に含まれる各種のイオン、特に塩素イオンの影響を受
けてコロイド化し、実際にイオン化している銀濃度は極
めて低く、それによって殺菌効果を十分に高められない
ことがわかった。また、酸性の銀イオン水よりもアルカ
リ性の銀イオン水に、より高い殺菌効果が認められるこ
とがわかった。
【0005】したがって、本発明の目的は、より高い殺
菌効果を有する銀イオン水の製造法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の銀イオン水の製造法は、陽極と陰極とを有
し、両電極の間に隔膜が設けられ、陽極室と陰極室とに
区画された第1電解槽の前記陽極室及び前記陰極室に、
原水を導入して電解を行い、前記陽極室側から酸性イオ
ン水を取出すと共に、前記陰極室側からアルカリ性イオ
ン水を取出す第1工程と、陽極と陰極とを有し、陽極に
銀が設けられた第2電解槽に、前記アルカリ性イオン水
を導入して電解を行い、アルカリ性の銀イオン水を取出
す第2工程とを含むことを特徴とする。
【0007】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明において原水としては、普通の水道水(上
水)、井戸水などが使用される。このような原水中に
は、Na+ 、K+ 、Ca2+、Mg2+、Fe2+、Cu+
どをはじめとする陽イオンや、Cl- 、SO4 2- 、CO
3 2- 、NO3 -などのような陰イオンが、多かれ少なかれ
含まれている。この電解質が本発明における第1電解槽
での電解を促進し、酸性イオン水とアルカリ性イオン水
とを生成させることになる。しかし、水中の電解質が不
十分な場合には、最終的に得られる銀イオン水の塩素濃
度が本発明で定める範囲以上にならない範囲で、例えば
NaClなどの電解質を添加することもできる。
【0008】原水は、そのまま第1電解槽に導入して電
解してもよいが、水中に浮遊する金属酸化物などの結晶
構造物を除去するため、5〜20μmの粒子を捕捉でき
るフィルタでろ過した後、第1電解槽に導入することが
好ましい。上記のような結晶構造物は、水の電導度を下
げて電解の阻害要因となるばかりか、第1電解槽の隔膜
の目づまりを発生させるので好ましくない。
【0009】次に、この原水を第1電解槽の陽極室及び
陰極室に導入して電解を行う。第1電解槽としては、チ
タン−白金電極からなる陽極と、ステンレス等の耐腐食
性の金属からなる陰極との間に、イオン透過性の隔膜を
配置して、陽極室と陰極室とに区画したものが好ましく
用いられる。第1電解槽での電解は、電圧50〜80V 、電
流15〜25mA、陽極室からの流速2〜4L/分、陰極室か
らの流速4〜6L/分の条件で行うことが好ましい。第
1電解槽での電解によって、原水中の陰イオンが隔膜を
透過して陽極室に集まり、陽イオンが同じく隔膜を透過
して陰極室に集まる。その結果、陽極室から酸性イオン
水が、陰極室からアルカリ性イオン水が流出する。この
とき、アルカリ性イオン水のpHが8〜12になるように、
上記の範囲で電解条件を選択する。
【0010】次に、第1電解槽の陰極室から流出するア
ルカリ性イオン水を第2電解槽に導入して電解を行う。
第2電解槽は、陽極に銀が設けられており、電解によっ
て銀がイオン化して溶出する。この第2電解槽での電解
は、電圧10〜100V、電流20〜450 mA、流速4〜6L/分
の条件で行うことが好ましい。銀の溶出量は、電解電流
を高めるほど多くなるが、イオン化して溶出した銀が原
水中の塩素イオンなどと反応してコロイド化するため、
実際にイオン化して残る銀は、溶出銀量の一部にすぎな
い。したがって、溶解銀濃度が10〜1000ppb となるよう
に、上記の範囲で電解条件を選択することが好ましい。
溶解銀濃度が10ppb よりも低い場合には、例えば70%以
上がイオン化しても殺菌効果が不十分となり、溶解銀濃
度が1000ppb より多くなると、人体の安全性に関わり好
ましくない。
【0011】こうして得られた銀イオン水は、pH8〜1
2、溶解銀濃度10〜1000ppb 、含有塩素濃度が少なくと
も10ppm 以下、通常は5ppm 以下で、溶解銀の70%以上
がイオン化している。また、17O−NMR法(酸素の同
位体であるO17の核磁気モーメントを利用した核磁気共
鳴法、松下和弘、月刊フードケミカル、No.4、p.42、19
90参照)によって測定した半値幅が60〜100Hz であると
いう特徴を有している。この銀イオン水は、殺菌洗浄作
用に優れており、野菜、果実などの洗浄殺菌、油で汚れ
たものなどの洗浄、食品工場や病院などで使用する機械
器具の洗浄殺菌、電子部品の洗浄・落下菌対策などの用
途に特に好適である。
【0012】
【作用】本発明の銀イオン水の製造法においては、第1
電解槽において、塩素イオンが陽極室側に移行するた
め、陰極室側から取り出されるアルカリ性イオン水中の
塩素イオンが減少する。そして、塩素イオンの少ないア
ルカリ性イオン水のみを第2電解槽に導入して銀イオン
を溶出させるため、最終的に得られる銀イオン水中の含
有塩素濃度を少なくとも10ppm 以下、通常の原水を用い
た場合は5ppm 以下に抑えることができる。
【0013】ところで、溶出した銀イオンは、水中の塩
素イオンなどと反応してコロイド化するため、実際にイ
オン化して残る銀は、溶解銀のうちの一部にすぎない。
この点に関して塩化銀のイオン積は下記数1で定められ
る。
【0014】
【数1】[Ag+ ][Cl- ]=1.7×10-10
【0015】この関係をグラフで示すと図2に示すよう
になる。すなわち、塩素イオン濃度が高いほど銀イオン
濃度は低くなり、塩素イオン濃度が低いほど銀イオン濃
度は高くなる。ところが、本発明の銀イオン水は、前記
のように塩素濃度が10ppm 以下であるため、溶解銀の70
%以上がイオン化して残っている。
【0016】そして、銀イオン水において、殺菌作用を
もたらすのは銀イオンであり、コロイド化した銀は殺菌
作用が乏しい。また、後述する試験例に示されるよう
に、酸性銀イオン水とアルカリ性銀イオン水とを比較す
ると、アルカリ性銀イオン水の方が殺菌作用が強い。本
発明によって得られた銀イオン水は、pH8〜12、溶解銀
濃度10〜1000ppb 、含有塩素濃度が少なくとも10ppm 以
下、通常は5ppm 以下で、溶解銀の70%以上がイオン化
しているので、優れた殺菌作用を有する。
【0017】また、本発明によって得られた銀イオン水
は、その理由はわからないが、17O−NMR法によって
測定した半値幅が60〜100Hz であり、水分子のクラスタ
ーが小さいことがわかった。このように水分子のクラス
ターが小さいということは、水分子がそれだけ動きやす
い状態にあることを意味し、そのことが細菌などへの浸
透性を高め、殺菌効果を高めていると考えられる。ま
た、クラスターが小さく浸透性が高いという性質によっ
て、生鮮野菜などの細胞を再活性化する作用があり、生
鮮野菜の鮮度を維持できるという効果ももたらされる。
【0018】
【実施例】図1には本発明の銀イオン水を製造するため
の装置の一例が示されている。図1において、11は原
水導入管であり、5〜20μmの粒子を捕捉できるフィ
ルタ12、及び流量計13を介して、分岐管14、15
に分岐されている。そして、一方の分岐管14は、バル
ブ16を介して第1電解槽17の陰極室18に連結さ
れ、他方の分岐管15は、バルブ19を介して第1電解
槽17の陽極室20に連結されている。
【0019】第1電解槽17は、イオン透過性の円筒状
の隔膜21と、その内側に配置されたチタン−白金電極
からなる陽極22と、隔膜21の更に外側に配置された
ステンレスの円筒からなる周壁を兼ねた陰極23と、陰
極23の円筒の上下に被せられた蓋板24、25で構成
されている。そして、隔膜21の内部が陽極室20をな
し、隔膜21の外側が陰極室18をなしている。なお、
第1電解槽17に接続される各管は、蓋板24、25の
内部に形成されたそれぞれの通路を介して、陽極室20
又は陰極室18に連結されている。陽極22と陰極23
との間には図示しない電気回路が接続されて、好ましく
は50〜80V の直流電圧が印加されるようになっている。
【0020】陰極室18は、連結管26によりバルブ2
7を介して、第2電解槽28に連結されている。なお、
陽極室20には、取り出し管29が連結され、取り出し
管29からバルブ30を介して、酸性イオン水が取り出
されるようになっている。
【0021】第2電解槽28は、ステンレスの円筒から
なる周壁を兼ねた陰極31と、この陰極31の上下に被
せられた蓋板32、33と、上方の蓋板32に支持され
て陰極31の内部に配置された銀34を有する陽極35
とで構成されている。陽極35と陰極31との間には図
示しない電気回路が接続されて、好ましくは10〜100Vの
直流電圧が印加されるようになっている。
【0022】この第2電解槽28には、取り出し管36
が連結され、途中に配置された流量計37を経て、銀イ
オン水が取り出されるようになっている。
【0023】次に、この製造装置を用いた本発明の銀イ
オン水の製造法の一実施例を説明する。まず、原水導入
管11に水道水、井戸水などの原水を供給する。原水
は、フィルタ12により結晶構造物などの浮遊物を除去
された後、分岐管14、15を経て第1電解槽17の陰
極室18、陽極室20にそれぞれ導入される。
【0024】第1電解槽17では、陽極22と陰極23
との間で50〜80V の直流電圧が印加され、電流15〜25m
A、陽極室20からの流速2〜4L/分、陰極室18か
らの流速4〜6L/分の条件で電解が行われ、原水中の
陽イオンは隔膜21を通して陰極室18に移行し、陰イ
オンは隔膜21を通して陽極室20に移行する。その結
果、陰極室18にはpH8〜12のアルカリ性イオン水が形
成され、陽極室20にはpH3以下の酸性イオン水が形成
される。そして、酸性イオン水は、取り出し管29から
取り出され、各種の用途に使用される。
【0025】本発明は、上記アルカリ性イオン水を更に
第2電解槽28に導入して、銀イオンを溶出させる点に
特徴がある。すなわち、陰極室18に形成されたpH8〜
12のアルカリ性イオン水は、連結管26を通って第2電
解槽28に導入され、銀34を有する陽極35と陰極3
1との間に10〜100Vの直流電圧が印加され、電流20〜45
0 mA、流速4〜6L/分の条件で電解が行われる。その
結果、銀34がイオン化してアルカリ性イオン水に溶出
し、本発明の銀イオン水が製造される。この銀イオン水
は、取り出し管36を通して取り出される。
【0026】図3は、平均的な水質の水道水を原水とし
て上記の方法で銀イオン水を製造した際の、電解電流(m
A)と溶出した銀濃度(ppb) との関係を表している。この
ように、銀濃度は、第2電解槽28での電解電流を高め
るほど、また流速を低くするほど高くなるので、その条
件を選択することにより、本発明で定める溶解銀濃度10
〜1000ppb にすることができる。
【0027】試験例1 東京都千代田区飯田橋で採取した水道水(硬度65ppm )
を原水とし、図1に示した装置を用いて、第1電解槽に
おける電解条件を変えながら、各種pHの銀イオン水を製
造した。ただし、酸性側の銀イオン水は、陽極室から取
り出された酸性イオン水を第2電解槽に導入することに
よって製造した。また、pH7の銀イオン水は、原水を第
1電解槽に通さずに、直接第2電解槽に導入して製造し
た。更に、溶解銀濃度は、全て200ppbとなるように調整
した。
【0028】また、図1の第1電解槽だけを用いて、各
種pHの酸性イオン水及びアルカリ性イオン水を製造し
た。ただし、pH7のものは、原水である水道水をそのま
ま用いた。
【0029】これらの銀イオン水、銀が溶解していない
イオン水及び水道水に、大腸菌(Escherichia coli)の
懸濁液を104 個/mLとなるように添加し、30分経過後に
溶液1mL中に含まれる大腸菌数を測定した。この結果を
図4に示す。図4において、Aは銀が溶解していない第
1電解槽だけで得られる酸性又はアルカリ性イオン水及
び水道水の結果であり、Bは各種pHの銀イオン水の結果
である。
【0030】図4に示すように、銀イオン水は、いずれ
のpHにおいても、銀イオンを含有しないイオン水又は水
道水よりも殺菌作用に優れている。また、銀イオン水
は、酸性側又はアルカリ性側になるほど殺菌作用に優れ
ているが、特にアルカリ性側において優れた殺菌作用を
示す。
【0031】試験例2 (1)原水の成分分析 東京都千代田区飯田橋で採取した水道水、滋賀県長浜市
で採取した水道水、及び千葉県成田市で採取した水道水
の3種について、そのpH、酸化還元電位(ORP、単位
mv)、電気電導度(EC、単位μs)、残留塩素(p
pm)を測定した。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】(2)第1工程で銀電解、第2工程で酸、
アルカリ電解を行った場合 上記3種の原水を10μmのフィルタにそれぞれ通した
後、特開昭62−279882号に示された方法によ
り、最初に、陽極と陰極とを有し、陽極に銀が設けられ
た電解槽に原水を導入して電解を行い(以下「銀電解」
という)、次に、陽極と陰極とを有し、両電極の間に隔
膜が設けられ、陽極室と陰極室とに区画された電解槽の
陽極室及び陰極室に、上記銀電解された水を導入して電
解を行い(以下「酸、アルカリ電解」という)、陽極室
側から酸性銀イオン水を取出し、陰極室側からアルカリ
銀イオン水を取出した。
【0034】銀電解の条件は、30V 、80mAと、50V 、15
0 mAとの2種類で行った。また、酸、アルカリ電解の条
件は、60V 、19mAで行った。また、酸性銀イオン水及び
アルカリ銀イオン水の流出量が、それぞれ3.5 〜4L/
分となるように原水の流量を調整した。
【0035】こうして得られた酸性銀イオン水及びアル
カリ性銀イオン水について、pH、酸化還元電位(OR
P、単位mv)、電気電導度(EC、単位μs)、残留
塩素(ppm)、及びAg+ とAgClの濃度(pp
b)をそれぞれ測定した。なお、Ag+ とAgClの濃
度は、堀場製作所製の「ペーパーメーターF23」(商
品名)にAgイオン電極と比較電極とをセットし、それ
ぞれのAgのイオン化数値を求めた。AgClは、Ag
の電解溶出総量を計算で求め、イオン化分を差し引いて
求めた。この結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】(3)第1工程で酸、アルカリ電解、第2
工程で銀電解を行った場合 上記3種の原水を10μmのフィルタにそれぞれ通した
後、図1に示した装置を用いて、第1工程で酸、アルカ
リ電解を行って酸性イオン水とアルカリ性イオン水とを
取出し、アルカリ性イオン水については、更に第2工程
で銀電解を行ってアルカリ銀イオン水を取り出した。
【0038】酸、アルカリ電解の条件は、60V 、19mAと
し、銀電解の条件は、30V 、100 mAと、50V 、150mA と
の2種類で行った。また、酸性水及びアルカリ銀イオン
水の流出量が、それぞれ3.5 〜4L/分となるように原
水の流量を調整した。
【0039】こうして得られた酸性水及びアルカリ性銀
イオン水について、上記と同様に、pH、酸化還元電位
(ORP、単位mv)、電気電導度(EC、単位μ
s)、残留塩素(ppm)、及びAg+ とAgClの濃
度(ppb)を測定した。この結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】表2、3の結果から、最初に酸、アルカリ
電解を行い、得られたアルカリ性水について銀電解を行
って得られるアルカリ銀イオン水(表3)は、最初に銀
電解を行い、次に酸、アルカリ電解を行って得られるア
ルカリ銀イオン水(表2)に比べて、銀イオン濃度が2
倍程度になることがわかる。
【0042】試験例3 前記表2、3の長浜の水道水から得られたアルカリ銀イ
オン水について、殺菌効果を確認する試験を行った。す
なわち、それぞれのアルカリ銀イオン水5mlと、1m
l中に108 個のサルモネラ菌を含む菌液5mlとを、
25℃にて混合して、2分、10分、30分、40分、
50分、60分経過後における混合液中の残菌数を平板
希釈培養法にて測定した。この結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】表4に示されるように、本発明の方法で得
られた銀イオン水の方が、同じ銀電解電圧であっても銀
イオン濃度が高くなり、その結果、殺菌効果に優れてい
ることがわかる。
【0045】試験例4 前記表1の飯田橋で採取した水道水と、前記表3の飯田
橋で採取した水道水から作られたアルカリ銀イオン水と
について、17O−NMR法によって半値幅を測定した。
すなわち、I.H.M社製のMRI(Magnetic Resonan
ce Imaging) を用いて、NMR分光法によりそれぞれの
水の17O−NMRスペクトルを測定し、その半値幅(Hz)
を求めた。
【0046】図5は、表1の飯田橋で採取した水道水の
17O−NMRスペクトルを示し、半値幅は148Hz であっ
た。また、図6は、表3の飯田橋で採取した水道水から
製造されたアルカリ銀イオン水の17O−NMRスペクト
ルを示し、半値幅は87Hzであった。このように、本発明
で得られた銀イオン水は、半値幅が小さく、したがって
水分子のクラスターが小さいことがわかる。このため、
細胞等への浸透性が高くなっていると推測される。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の銀イオン
水の製造法によれば、従来の方法に比べて、同じ銀電解
電圧でも、銀イオンをより高い濃度で含有する銀イオン
水を得ることができる。そして、本発明で得られた銀イ
オン水は、pH8〜12、溶解銀濃度10〜1000ppb 、含有塩
素濃度が少なくとも10ppm 以下、通常は5ppm 以下で、
溶解銀の70%以上がイオン化しており、17O−NMR法
によって測定した半値幅が60〜100Hz であるという特徴
を有している。このため、殺菌洗浄作用に優れており、
野菜、果実などの洗浄殺菌、油で汚れたものなどの洗
浄、食品工場や病院などで使用する機械器具の洗浄殺
菌、電子部品の洗浄・落下菌対策などの様々な用途に有
効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の一例を示す概略
構成図である。
【図2】水中に存在する塩素イオン濃度と銀イオン濃度
との関係を示す図表である。
【図3】銀電解における電解電流と銀濃度との関係を示
す図表である。
【図4】銀イオン水及び銀が溶解していないイオン水の
pHと殺菌効果との関係を示す図表である。
【図5】飯田橋で採取した水道水の17O−NMRスペク
トルを示す図表である。
【図6】飯田橋で採取した水道水から本発明の方法で製
造されたアルカリ銀イオン水の17O−NMRスペクトル
を示す図表である。
【符号の説明】
17 第1電解槽 18 陰極室 20 陽極室 21 隔膜 22 陽極 23 陰極 28 第2電解室 31 陰極 34 銀 35 陽極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極とを有し、両電極の間に隔膜
    が設けられ、陽極室と陰極室とに区画された第1電解槽
    の前記陽極室及び前記陰極室に、原水を導入して電解を
    行い、前記陽極室側から酸性イオン水を取出すと共に、
    前記陰極室側からアルカリ性イオン水を取出す第1工程
    と、 陽極と陰極とを有し、陽極に銀が設けられた第2電解槽
    に、前記アルカリ性イオン水を導入して電解を行い、ア
    ルカリ性の銀イオン水を取出す第2工程とを含むことを
    特徴とする銀イオン水の製造法。
  2. 【請求項2】 前記第1電解槽の陽極としてチタン−白
    金電極を用いる請求項3記載の銀イオン水の製造法。
  3. 【請求項3】 前記第1電解槽での電解を50〜80V で行
    い、前記第2電解槽での電解を10〜100Vで行う請求項3
    又は4記載の銀イオン水の製造法。
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