JPH08256798A - RNAポリメレースσ因子遺伝子の塩基配列を用いた細菌の同定・検出法 - Google Patents
RNAポリメレースσ因子遺伝子の塩基配列を用いた細菌の同定・検出法Info
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- JPH08256798A JPH08256798A JP7070096A JP7009695A JPH08256798A JP H08256798 A JPH08256798 A JP H08256798A JP 7070096 A JP7070096 A JP 7070096A JP 7009695 A JP7009695 A JP 7009695A JP H08256798 A JPH08256798 A JP H08256798A
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Abstract
配列を指標として細菌の同定及び検出を行うことを特徴
とする細菌の同定法及び検出法。 【効果】 細菌を高い精度で分類、同定することが可能
となる。
Description
因子(σ70)遺伝子の核酸塩基配列を指標として細菌
の同定・検出を行う方法に関する。本発明は医学・各種
産業(食品・化学等々)領域および環境保全(水処理・
汚染物質の生物分解)において重要な役割を担う細菌
を、遺伝子レベルで同定・検出することを可能とする。
化学検査が用いられてきた。しかしこれらを用いた検査
はその検査項目が非常に多く煩雑で時間がかかり、にも
かかわらず正確な結果を得ることが困難であった。近年
では16S rRNAの塩基配列を用いた微生物種の遺伝子
レベルでの解析が行われている。しかし 16S rRNAは
分子進化の速度が遅く、近縁の菌種間ではその差異は微
々たるものである。また、近年はDNA−DNAハイブ
リダイゼーションの結果と食い違うことなどより、種の
同定には不適当であるとする研究結果が示されている。
このように 16S rRNAシークエンスを用いた同定シ
ステムでは、細菌の種や株の判定は困難である。
・同定またはモニターするには遺伝子レベルでの比較・
検出を行うことが望ましいが、このためには遺伝子のシ
ークエンス情報を、任意の細菌より簡便に入手しうるこ
とが必要となる。前述の rRNA遺伝子は種間を通して
保存性の高いDNA塩基配列を有し、この配列をいわゆ
るユニバーサルプライマーとして用いることによって、
ほとんどの細菌種で、PCR断片から直接DNA塩基配
列を決定することが可能である。しかし、構造遺伝子で
はこのような種間を通して保存されたDNA塩基配列は
存在しないため、これまでは同様の方法で塩基配列情報
を入手することは出来なかった。このため従来はシーク
エンスを行なうために1種ごとにクローニング操作を行
なわなくてはならず、分類・同定といった目的にこれら
遺伝子を応用することは事実上不可能だった。
ことをその目的とするものであり、具体的には、任意の
細菌からRNAポリメレースσ因子遺伝子のシークエン
ス情報を容易に入手する方法を確立し、簡便でかつ精度
の高い細菌の同定・検出方法を提供することを目的とす
る。
を達成すべく研究を重ねた結果、RNAポリメレースσ
因子遺伝子の核酸塩基配列が、同属種間あるいは株間で
顕著な相違がみられることを見出し、本発明を完成し
た。即ち、本発明は、RNAポリメレースσ因子遺伝子
の核酸塩基配列を指標として細菌の同定を行うことを特
徴とする細菌の同定法である。
子遺伝子の核酸塩基配列を指標として細菌の検出を行う
ことを特徴とする細菌の検出法である。以下、本発明を
詳細に説明する。本発明は、細菌のRNAポリメレース
σ因子遺伝子の塩基配列を指標として当該細菌の同定・
検出を行うものである。具体的には、RNAポリメレー
スσ因子遺伝子上の特定の塩基配列を含むDNA断片を
PCR法により増幅し、ついでジデオキシ法等によりそ
のDNA断片の塩基配列を決定し、この塩基配列に基づ
き細菌の同定・検出を行うものである。
Y M R E M G T V で表されるアミノ酸配列をコードする
塩基配列を含むセンスプライマーとK K E M V E A N で
表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むアン
チセンスプライマーの2種類のプライマーを用いる。図
1にこれらのプライマーの塩基配列を示す。それぞれの
プライマーの鋳型DNA結合部位は大腸菌K12株のσ70
におけるアミノ酸ポジション94から108および376から39
1に相当する。
断片は、その塩基配列全体が未知で塩基配列決定用のプ
ライマー配列が得られないため、増幅断片より直接シー
クエンス反応(ジデオキシ法など)を行うことが出来な
い。そこで本発明では図1に示したようにあらかじめプ
ライマー5' 末端に既知の配列を付加しておき、この塩
基配列をシークエンスプライマーとして用いることによ
って増幅断片より直接塩基配列を求めることを可能とし
ている。本法によりRNAポリメレースσ因子遺伝子
の、約800塩基対を決定することができる。この方法で
決定されるDNA塩基配列はアミノ酸の保存性が比較的
低い高変異領域で、進化速度が速く、細菌の同定・検出
への利用に適している。
例に示すように同属種間あるいは株間で異なっている。
また同一種間で比較を行った場合、 16S rRNAの塩基
配列に較べ顕著に相違度が高い。このため得られたRN
Aポリメレースσ因子遺伝子の配列情報を用いることに
より、複雑な生化学検査を行うことなしに簡便かつ高精
度に菌の同定を行うことが出来る。さらに近縁菌種の塩
基配列を同様に求めて多重比較を行うことにより、種あ
るいは株レベルでの高い特異性を有するプローブやPC
Rプライマーの作成が可能である。これら特殊配列に基
づくPCRプライマーを使用して増幅された、PCR断
片の制限酵素消化パターンを解析することにより、塩基
配列の決定を行わなくとも種や株の同定が可能である。
遺伝子を用いた検出システムは、未知の菌を多数含む天
然菌叢中でも目的とする菌を特異的に検出できると期待
される。また容易に菌を遺伝子レベルで表現できるた
め、未同定の新種の記述に用いることが可能である。本
発明に用いたプライマーはグラム陰性菌に適用できる。
グラム陽性菌については、これらの遺伝子特異的なミッ
クスプライマーによってPCR増幅および塩基配列の決
定が可能である。また本発明はRNAポリメレースσ因
子遺伝子のみならず広く構造遺伝子に応用することも可
能である。
マーを用いて、 Pseudpmonas putida 13株と新規海洋性
炭化水素分解菌PB4とK23-1株のRNAポリメレース
σ因子遺伝子のPCR増幅を試みた。この結果、全ての
株でほぼ単一の増幅産物を得ることができた。この増幅
産物より図1に示したシークエンスプライマーを用い
て、ジデオキシ法によりDNA塩基配列を求めた。この
結果を図2に示す。またこれらの塩基配列は、RNAポ
リメレースσ因子遺伝子であることがアミノ酸配列の解
析結果から確認された。PB4とK23-1株の塩基配列を
他の P.putida 塩基配列と比較した結果、本株は P.put
ida に属し、既存の株では JCM6156株およびPpG7株に最
も近い、新しいタイプであることが確認された。このよ
うに P.putida 内でもRNAポリメレースσ因子遺伝子
の塩基配列は異なっており、菌株を判別することが可能
であった。
同定することが可能となる。これは、例えば、感染症の
診断などに利用することができ、また、複雑な菌叢から
特定の細菌の消長を追うことが可能となり、微生物環境
浄化システムの開発、食品製造工程の管理等にも利用す
ることができる。
用のプライマーを示す図である。
ダのRNAポリメレースσ因子遺伝子の部分塩基配列を
示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 RNAポリメレースσ因子遺伝子の核酸
塩基配列を指標として細菌の同定を行うことを特徴とす
る細菌の同定法。 - 【請求項2】 RNAポリメレースσ因子遺伝子の核酸
塩基配列を指標として細菌の検出を行うことを特徴とす
る細菌の検出法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7070096A JPH08256798A (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | RNAポリメレースσ因子遺伝子の塩基配列を用いた細菌の同定・検出法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7070096A JPH08256798A (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | RNAポリメレースσ因子遺伝子の塩基配列を用いた細菌の同定・検出法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08256798A true JPH08256798A (ja) | 1996-10-08 |
Family
ID=13421666
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7070096A Pending JPH08256798A (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | RNAポリメレースσ因子遺伝子の塩基配列を用いた細菌の同定・検出法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08256798A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003014393A1 (en) * | 2001-08-03 | 2003-02-20 | Nichirei Corporation | METHOD OF DETECTING, IDENTIFYING AND COUNTING ENTERITIS VIBRIO USING GENE (rpoD) SEQUENCES ENCODING RNA POLYMERASE σ70 FACTOR |
WO2004020671A1 (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-11 | Nichirei Corporation | ビブリオ ブルニフィカスの検出用プライマー及びプローブ並びにそれらを用いる検出方法 |
WO2004055188A1 (ja) * | 2002-12-13 | 2004-07-01 | Nichirei Foods Inc. | ビブリオコレラ又はビブリオミミカスの検出用プライマー及びプローブ並びにそれらを用いる検出方法 |
-
1995
- 1995-03-28 JP JP7070096A patent/JPH08256798A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003014393A1 (en) * | 2001-08-03 | 2003-02-20 | Nichirei Corporation | METHOD OF DETECTING, IDENTIFYING AND COUNTING ENTERITIS VIBRIO USING GENE (rpoD) SEQUENCES ENCODING RNA POLYMERASE σ70 FACTOR |
US7244838B2 (en) | 2001-08-03 | 2007-07-17 | Nichirei Corporation | Method for detecting, identifying and counting Vibrio parahaemolyticus using gene (rpoD) sequence encoding RNA polymerase σ70 factor |
WO2004020671A1 (ja) * | 2002-08-30 | 2004-03-11 | Nichirei Corporation | ビブリオ ブルニフィカスの検出用プライマー及びプローブ並びにそれらを用いる検出方法 |
WO2004055188A1 (ja) * | 2002-12-13 | 2004-07-01 | Nichirei Foods Inc. | ビブリオコレラ又はビブリオミミカスの検出用プライマー及びプローブ並びにそれらを用いる検出方法 |
JPWO2004055188A1 (ja) * | 2002-12-13 | 2006-04-20 | 株式会社ニチレイフーズ | ビブリオコレラ又はビブリオミミカスの検出用プライマー及びプローブ並びにそれらを用いる検出方法 |
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