JPH08255100A - ファイル管理システム及び方法 - Google Patents

ファイル管理システム及び方法

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JPH08255100A
JPH08255100A JP7349680A JP34968095A JPH08255100A JP H08255100 A JPH08255100 A JP H08255100A JP 7349680 A JP7349680 A JP 7349680A JP 34968095 A JP34968095 A JP 34968095A JP H08255100 A JPH08255100 A JP H08255100A
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豊 柴田
Toshihisa Sadakata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 楽音データのようなデータをハートドディス
ク等の記録媒体に記録し、編集し、再生するのに適した
システムの提供。 【解決手段】 記録媒体において連続する1又は任意の
複数の記録単位からなるブロックを1又は複数設定し、
1ファイルを構成するデータを分割して前記記録媒体の
各ブロックに記録すると共に、前記各ブロック毎に、該
ブロックに記憶されているデータの有効データ量を示す
管理情報を記憶する。各ブロック毎の記録単位数は夫々
任意数となり、また、各ブロックにおける有効データ量
が管理されるので、所定の記録単位で一括してデータを
読み出したとしても、有効なデータと不要なデータを区
別できる。従って、データ編集作業によって或るブロッ
クに空白が生じたとしても、そのままにしておくことが
でき、大幅なデータ書き換え処理が不要となり、時間の
短縮化が可能。また、1つのファイルを構成するブロッ
ク数は比較的少数となるので、記録・編集・再生処理の
際のトータルのアクセス時間を短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハードディスク
のようなランダムアクセス可能な大容量タイプの記録媒
体に対するデータファイルの記録・編集・再生等の管理
に適したシステムに関し、特に、サウンド波形データあ
るいは自動演奏データのような、リアルタイムの記録・
再生が要求されるデータやユーザーによるデータ編集処
理頻度が比較的高いデータ等のファイルの管理に適した
システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロフォンなどによって外部からサ
ンプリングした楽音データを記録したり、記録した楽音
データを再生したりする楽音データ記録再生装置には、
大容量の補助記録媒体として、ランダムアクセス可能な
ディスク型記録媒体を使用しているものがある。このう
ち、ハードディスクを使用しているものは、ディスクレ
コーダと呼ばれている。
【0003】ハードディスク上のファイルを管理するシ
ステムにおいては、一般に、ディスク上の所定の大きさ
の記録領域を、データを管理する最小の記録単位として
設定している。これらの記録単位には、ディスクの同一
トラック上で連続する順番に、1つずつ番号を付けてい
る。そして、各番号の記録単位の現在の使用状況(使用
されているか否か、不良であるか否か等)を記録する領
域をディスク上に設け、各記録単位の使用状況を管理し
ている。ユーザーがデータファイルの作成を指示した
際、こうしたファイル管理システムでは、上述のような
使用状況を記録した領域の情報に基づき、ディスク上の
使用可能な記録単位を、当該ファイルの大きさに応じた
数だけ探し出す。また、こうしたファイル管理システム
では、ファイルに関する所定の情報(ファイルの種類,
ファイルの大きさ,ディスク上のファイルの記録位置,
等を示す情報)を記録する領域をディスク上に設けてお
り、上述のようにして探し出した記録単位にデータを記
録する際に、併せて、この領域にも情報を記録してい
る。そして、ユーザーが、作成済のファイルの読み出し
・削除のためにファイル名を指定すると、ファイル管理
システムは、この領域内の情報のうち「ディスク上のフ
ァイルの記録位置」を示す情報に基づき、当該ファイル
のデータを記録しているディスク上の記録単位を検出す
る。なお、ファイル管理システムの一例として、MS−
DOS(マイクロソフトディスクオペレーションシステ
ム:登録商標)では、上述の最小の記録単位をクラスタ
と呼び、クラスタに付ける番号をクラスタ番号と呼んで
いる。(なお、以下、この明細書でも、この最小の記録
単位をクラスタと呼ぶことにするが、最小の記録単位と
しては既存概念であるクラスタ以外の単位を使用しても
よいのは勿論である。)
【0004】従来のディスクレコーダのファイル管理シ
ステムでは、ディスク上の限られた容量の記録領域に少
しでも多くの楽音データ(すなわちサウンド波形デー
タ)を記録するという要請から、楽音データの記録によ
るファイルの作成を行なう際、使用状況を記録した領域
の情報に基づいて使用可能なクラスタを1個探し出した
毎に、そのクラスタにアクセスして楽音データを記録し
ていた。すなわち、探し出した複数のクラスタがディス
ク上で相互にどのような位置関係にあるかにかかわら
ず、探し出したハードディスク上の個々のクラスタに逐
一にアクセスして、楽音データを記録していた。
【0005】そのようにして作成したファイルの一例
を、図18に示す。この例では、クラスタ4個分のデー
タ量のファイルを作成するために、ハードディスクHD
上の4つの使用可能なクラスタA〜D(図18(a))
が、A,B,C,Dの順に探し出され、ハードディスク
上のそれらのクラスタに逐一アクセスしてデータが記録
されている(図18(b))。また、従来のディスクレ
コーダのファイル管理システムでは、上述の「ディスク
上のファイルの記録位置」を、データを記録している個
々のクラスタのクラスタ番号で表現している。したがっ
て、作成済のファイルの読み出しによる楽音データの再
生を行なう際には、これらのクラスタ番号に基づき、当
該ファイルの楽音データを記録しているハードディスク
上の個々のクラスタに逐一アクセスし、楽音データを再
生していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうした従来のディス
クレコーダのシステムでは、1ファイルを構成するデー
タのデータ量が多い場合には、非常に多くのクラスタの
クラスタ番号を用いてファイルの記録位置を表現しなけ
ればならなくなるので、ファイル管理を行なうための管
理情報が膨大になってしまう。そのため、ファイル管理
が煩雑になってしまうという問題があった。またこうし
た従来のディスクレコーダのシステムでは、楽音データ
の記録によるファイルの作成を行なう際や、作成済のフ
ァイルの読み出しによる楽音データの再生を行なう際
に、ハードディスク上の個々のクラスタに、逐一アクセ
スしなければならない。したがって、ファイルサイズが
大きい場合には、ハードディスクへのアクセス回数が膨
大になるので、トータルのアクセス時間(リードライト
ヘッドがディスク上のトラックの間を移動する時間と、
移動後の安定時間と、ディスクの回転待ち時間と、ヘッ
ドロード時間との合計)が長時間となり、記録・再生の
処理スピードが低下してしまう。特に、ハードディスク
上でのファイルの作成・更新・削除の回数が増えるにつ
れ、上述のクラスタの使用状況を記録する領域から、使
用可能なクラスタとして探し出されるクラスタのクラス
タ番号の順番が、不規則になっていく。したがって、そ
れにつれて、図18(a)に例示したように、ディスク
上の相互に離れた位置にあるクラスタにアクセスする
(特に、相互に異なるトラック上にあるクラスタに、リ
ードライトヘッドを移動させてアクセスする)頻度も多
くなり、記録・再生の処理スピードの低下の度合いは著
しくなる。楽音データをリアルタイムに記録・再生する
ことが要請されるディスクレコーダにとっては、こうし
た処理スピードの低下は、非常に不都合な問題である。
【0007】ハードディスク上のデータの再生スピード
の向上を図って、記録済のデータのディスク上の位置を
並べ替える処理を行なうソフトウェアも開発されてい
る。そうしたソフトウェアは、記録したデータを時間を
おいてから再生するようなディスクの使用環境のもとで
は、再生スピードの向上に資することができる。しか
し、ディスクレコーダのようにデータをリアルタイムに
再生する使用環境には不適当である。また、そうしたソ
フトウェアでは、データを記録する際に記録スピードを
向上させることは全く不可能である。
【0008】また、1ファイル分のデータはその大きさ
(サイズ)に応じて複数のクラスタに記録されるが、従
来は、1ファイル分のデータがクラスタ単位で分割さ
れ、最後のクラスタ以外のクラスタにおいてはデータが
フルに記録され、最後のクラスタでのみデータが記録さ
れていない空き領域が幾分残ることがあるようになって
いる。そこで、このようなファイル管理方式を採用した
従来のディスクレコーダでは、ファイルの作成後に楽音
データの編集(データの挿入や削除)によるファイルの
更新を行なう際には、編集位置に対応するクラスタ以降
の各クラスタに記録されているデータを、全て新たに記
録し直しさなければならない。
【0009】上述の図18のファイルを例にとって説明
すると、ファイルのデータのうち、クラスタBとクラス
タCにまたがって記録されているデータXの部分を削除
する編集を行なう際には、クラスタBの残りのデータ
B’と、削除個所以降のデータ(クラスタCの残りのデ
ータC’、及びクラスタDのデータ)とを一旦統合し
て、それから、全て別のクラスタE,F,Gに記録し直
さなければならない(図18(c)参照)。この例で
は、図示の便宜上、ファイルサイズを小さくしてあるの
で、削除個所以降のデータは僅かである。しかし実際に
は、楽音データのファイルはサイズが大きいので、削除
個所以降のデータが膨大になり、そのデータを記録し直
す作業に数分ないし数十分を要するようになることも稀
ではない。特に、楽音データのファイルでは、データの
編集が比較的頻繁に行なわれるので、編集に要する時間
の長時間化は、非常に不都合な問題である。
【0010】この発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、サウンド波形データあるいは自動シーケンス演奏デ
ータなどのように、記録・再生処理がリアルタイムで行
なわれ、且つ、データの削除や挿入等の編集処理が比較
的頻繁に行われるような種類のデータのファイルを管理
するのに適した簡略なファイル管理システム及び方法、
あるいは、そのようなファイル管理システムを採用した
データ記録再生装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係るファイル
管理システムは、データを記録するための記録媒体と、
前記記録媒体において連続する1又は任意の複数の記録
単位からなるブロックを1又は複数設定し、1ファイル
を構成するデータを分割して前記記録媒体の各ブロック
に記録するデータ記録制御手段と、前記各ブロック毎
に、該ブロックに記憶されているデータの有効データ量
を示す管理情報を記憶する管理情報記憶手段とを具えた
ことを特徴としている。
【0012】また、この発明に係るファイル管理方法
は、1つのファイル名で特定されるデータ集合を記録媒
体に記録し、管理するための方法であって、前記記録媒
体において連続する1又は任意の複数の利用可能な記録
単位を検出し、検出した記録単位を1つのブロックとし
て確保し、このようなブロックを1又は複数確保するス
テップと、1ファイルを構成するデータを分割して前記
記録媒体の各ブロックに記録するステップと、前記各ブ
ロック毎に該ブロックに記憶されているデータの有効デ
ータ量を示す管理情報を記憶するステップと、前記記録
媒体に記憶するデータの挿入又は削除によって或るブロ
ックの前記有効データ量が変化したとき該ブロックにつ
いての前記管理情報を更新するステップとを具えたこと
を特徴としている。
【0013】更に、この発明に係るファイル管理システ
ムは、1又は複数のファイルのデータを記録するための
データ記録領域と記録した1又は複数のファイルの各々
のための管理情報を記録する管理情報記録領域とを含む
読み書き可能な記録媒体と、前記記録媒体のデータ記録
領域において連続する1又は任意の複数の記録単位から
なるブロックを1又は複数設定し、1つのファイルを構
成するデータを分割して前記データ記録領域の各ブロッ
クに記録するデータ記録制御手段と、前記記録媒体の管
理情報記録領域において、各ファイル毎に、該ファイル
に対応して設定された前記1又は複数のブロックの各々
について、該各ブロックに記憶されているデータの有効
データ量を示す管理情報をそれぞれ記録し、データの削
除又は挿入によって該有効データ量が変更したときその
記録値を更新する管理情報記録制御手段とを具えたこと
を特徴としている。
【0014】また、この発明のデータ記録再生方法は、
連続して再生されるべき1つのファイルのデータを、そ
れぞれデータサイズが任意に可変設定される複数のブロ
ックに分割して、各ブロック毎に記録媒体の任意の記録
位置に別々に記録するステップと、前記記録媒体におけ
る前記各ブロックの記録位置を特定する情報と、該各ブ
ロック毎に実際に記憶している有効なデータを示す有効
データ情報とを記憶するステップとを具えたものであ
る。この発明のデータ記録再生方法は、前記1つのファ
イルのデータを再生するために、前記記録位置を特定す
る情報に従って前記記録媒体の各ブロックに順次アクセ
スし、各ブロック毎の記録データを順次読み出すステッ
プと、各ブロックの読み出し出力データのうち前記有効
データ情報に従って有効なデータのみを取り出すステッ
プとを更に具えたものである。
【0015】この発明に従えば、記録媒体において連続
する1又は任意の複数の記録単位からなるブロックを1
又は複数設定し、1ファイルを構成するデータを分割し
て前記記録媒体の各ブロックに記録すると共に、前記各
ブロック毎に、該ブロックに記憶されているデータの有
効データ量を示す管理情報を記憶するようにしたことを
特徴としている。これによって、各ブロック毎の記録単
位数はそれぞれ任意数であってよく、各ブロックの記録
容量は任意の可変容量となる。また、各ブロックにおい
て実際に記録されているデータ量つまり有効データ量
は、各ブロック毎の管理情報によって管理されるので、
このデータを読み出してこれを利用する際に、有効に利
用することができる。すなわち、所定の記録単位で一括
してデータを読み出したとしても、どこまでが有効なデ
ータで、どこからが不要なデータかが判明する。従っ
て、削除や挿入のデータ編集作業によって或るブロック
のデータ量が減ってそのブロックに空白が生じたり、一
部にデータ空白部分を有する追加のブロックが新設され
たとしても、その空白を埋めるようにそれ以降のブロッ
クのデータ群を上にずらす処理をする必要がなくなり、
空白をそのままにしておくことができる。そのため、デ
ータ編集作業の際に、大幅なデータ書き換え処理が不要
となり、データ編集作業に要する時間を大幅に短縮する
ことができる。また、1つのブロックを、連続する1又
は任意の複数の記録単位によって設定するようにしたの
で、1つのファイルを構成するブロック数は、従来に比
べて比較的少数となるので、記録・編集・再生処理の際
のトータルのアクセス時間を短縮することができ、編集
作業時間の短縮化に資するのは勿論のこと、リアルタイ
ムでの記録・再生処理に際しても大変好都合となる。
【0016】すなわち、記録単位をクラスタとして考え
てみると、1又は複数の利用可能な(空白の)連続した
クラスタを1まとまりのブロックとして設定すなわち確
保し、このブロックに1ファイルのデータの一部を記録
することとなる。そのように任意のデータ可変のサイズ
からなるブロック毎にデータを記録することにより、ク
ラスタ数よりも少ない数の記録媒体上のブロックにアク
セスすれば足りるようになるので、従来のように記録媒
体上の個々のクラスタに逐一にアクセスする場合と比較
して、アクセス時間が短縮され、データの記録スピード
や再生スピードが向上することになるわけである。
【0017】特に、記録媒体上で相互に離れた位置に存
在するクラスタに対してデータの記録又は再生を行なお
うとする場合には、最初のクラスタに対する記録又は再
生を行なった後、リードライトヘッドを次のクラスタの
位置にまで移動させ、それから当該クラスタに対する記
録又は再生を行なわなければならないので、リードライ
トヘッドの移動に要する時間の分だけ記録・再生スピー
ドが低下してしまう。しかし、この発明によれば、1ブ
ロック内のクラスタに対する記録又は再生を行なう間
は、クラスタが連続的な位置に存在しているので、最初
のクラスタに対する記録又は再生の後、リードライトヘ
ッドを移動させることなく次のクラスタに対する記録又
は再生を行なうことができる。これにより、リードライ
トヘッドの移動回数が従来よりも少なくなるので、デー
タの記録・再生スピードのかなりの向上が図られる。
【0018】またこのように、クラスタ数よりも少ない
数のブロックと、各ブロック毎の有効データ量とを用い
てファイルの記録位置を表現するようにしているので、
1ファイル分のデータを記録した個々のクラスタのクラ
スタ番号をいちいち用いてファイルの記録位置を表現し
なければ従来のファイル管理方式と比較して、少ない管
理情報でファイル管理を行なうことができ、ファイル管
理を簡略化することができる。尚、記録媒体に新たに記
録を行なう際には、記録媒体上に大きな空きスペースが
存在しているので、そうした空きスペースに、かなり多
数のクラスタが連続するブロックが確保されるので、1
ファイルにおけるブロック数が、クラスタ数に比較して
かなり少なくなることになる。したがって、特に記録媒
体に新たに記録を行なった段階では、管理情報の情報量
がかなり少なくて済むので、ファイル管理のかなりの簡
略化が図られるようになる。
【0019】更に具体的に説明するために、この発明に
従って作成したファイルの一例を図19に示す。この例
では、クラスタ19個分のデータ量の1ファイルを作成
するために、5個のクラスタが連続したブロック0と、
4個のクラスタが連続したブロック1と、6個のクラス
タが連続したブロック2と、3個のクラスタが連続した
ブロック3と、2個のクラスタが連続したブロック4と
を、それぞれ記録媒体の利用可能な領域(空き領域)に
設定し、こうして設定された各ブロックに対応して適切
に分割したデータを順次記録するようにしている。な
お、最後のブロック4に対しては、2クラスタ分の記憶
領域が確保されているが、これはこの例では、1ブロッ
クの最小記憶容量を2クラスタ(2記憶単位)と設定す
ると仮定したためである。従って、1ブロックの最小記
憶容量を1クラスタ(1記憶単位)と設定するとするな
らば、最後のブロック4の容量は必要な1クラスタ分だ
け確保すればよい。さて、この例においては、1ファイ
ルの記録又は再生に要する記録媒体へのアクセス回数は
合計5回であり、19個の任意のクラスタがばらばらに
確保される従来例では1ファイルの記録又は再生に要す
る記録媒体へのアクセス回数が合計19回であることと
比較して、アクセス時間が明らかに短縮され、データの
記録・再生スピードを向上させることができることが理
解できる。
【0020】更に理解を深めるために、この発明に従う
ファイル管理システム又は方法を採用した場合のデータ
編集作業の具体例について図20及び図21を参照して
説明する。図20の例では、或るファイルのデータを記
録したブロックのうち、4個の連続するクラスタからな
る9番目のブロック9における任意の挿入位置IPに、
クラスタ2個分のデータ量のデータYを挿入する例を示
している(図20(a)参照)。データYを挿入した場
合、ブロック9の新たなデータ量は、該ブロック9に確
保されている記憶容量(4クラスタ分)を上回るので、
ブロック10以降の記憶状態を変えることなく適切な処
置をしてやる必要がある。そのための適切な処置は、こ
の発明に従って、ブロック毎の有効データ量管理をして
いることにより、適切に行える。例えば、図20(b)
に示すように、ブロック9については、既存の4クラス
タを確保しておき、追加のブロック20を新設するよう
にすることができる。すなわち、挿入データYのうちブ
ロック9のIP以降の記録容量(例えばクラスタ1.5
個分)に相当する部分はブロック9のIP以降の部分に
記録し、それを超える部分(例えばクラスタ1個分)と
元々ブロック9のIP以降に記録されていたデータ(例
えばクラスタ1.5個分)については、3個のクラスタ
が連続してなる追加のブロック20を新規に開設し(勿
論、ブロック20としては、データを記録していない利
用可能な記録領域を探し出す)、そこに記録する。追加
のブロック20には、一部に空白が生じるが、このブロ
ックの有効データ量の情報を記憶しておき、管理するこ
とにより、この空白をそのままにしておいても問題なく
編集及び再生処理を行うことができる。従って、ブロッ
ク9より後のブロック(ブロック10,…)に記録され
ているデータは、全く書き換える必要がない。勿論、こ
の場合、ブロック9の次に追加のブロック20が挿入さ
れることを明らかにするブロック順位管理を別途してお
くものとする。あるいは、追加のブロック20のブロッ
ク番号のみをブロック10に変更し、元々のブロック1
0以降はそのブロック番号を1つづつ下にずらすように
してもよい。その場合も、単に管理上のブロック番号を
ずらすのみであり、それらのブロックに記録されていた
データの書換えは行なわないので、それらのデータの記
録媒体における実際の記録位置に変更はない。したがっ
て、従来のように挿入位置より後の全クラスタ内のデー
タをずらして記録し直すために記録媒体上のそれらの全
クラスタにアクセスする場合と比較して、記録媒体への
アクセス時間が明らかに短縮されることが理解できる。
なお、図20(b)の例に限らず、データ挿入後のブロ
ック9の全データを収納できるだけの利用可能な連続す
るクラスタ(例えば8クラスタ)を探し出して確保し、
この新規に確保した8クラスタを新たなブロック9に変
更してデータ記録を行うようにしてもよいのは勿論であ
る。また、このようなデータ編集作業を行なうことによ
り、挿入位置よりも後に1または複数のブロックが新た
に追加されることがあるが、こうして追加されるブロッ
クの数は、挿入処理後の楽音データファイルを管理する
のに必要な最低限の数なので、ブロック数が不必要に増
大することはなく、編集作業を行なう前(すなわち記録
処理のみを終えた状態)と同様な効率的なファイル管理
を維持することができる。
【0021】図21は或るファイルのデータの削除例を
示すもので、4個のクラスタが連続してなる10番目の
ブロック10と4個のクラスタが連続してなる11番目
のブロック11とにまたがって記録されているクラスタ
3.5個分のデータ量のデータZを削除する例を示して
いる(図21(a))。この場合、図21(b)のよう
に、ブロック10の残りのデータ(例えばクラスタ2個
分)とブロック11の残りのデータ(クラスタ2.5個
分)の合計のうち、最初のクラスタ4個分のデータをブ
ロック10に記録し直し、残りのクラスタ0.5個分の
データをブロック11に記録し直すように処理してよ
い。そうすると、ブロック11には、一部に空白が生じ
るが、このブロックの有効データ量の情報を記憶してお
き、管理することにより、この空白をそのままにしてお
いても問題なく編集及び再生処理を行うことができる。
従って、ブロック11より後のブロック(ブロック1
2,…)内のデータは全く記録し直していない。したが
って、従来のように削除位置より後の全クラスタのデー
タを記録し直すために記録媒体上のそれらのクラスタに
アクセスする場合と比較して、記録媒体へのアクセス時
間が明らかに短縮されることが理解できる。なお、図2
1(b)の例に限らず、例えば、ブロック10にはその
残りのデータのみを残し、ブロック11にもその残りの
データのみを残すようにしてもよいのは勿論である。す
なわち、具体的なデータ削除あるいは挿入の仕方には種
々の変形例が有ってよい。
【0022】
【実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発明を詳
細に説明する。図1は、この発明に係るファイル管理シ
ステムを採用した楽音データ記録再生装置(以下、単に
ディスクレコーダという)の実施の一形態を示す全体的
構成ブロック図である。この図1は、この発明の実施の
一形態に係るディスクレコーダを具備した電子楽器の全
体システムに相当している。この電子楽器及びディスク
レコーダの全体の制御は、CPU(中央処理ユニット)
1,ROM(リードオンリーメモリ)2,RAM(ラン
ダムアクセスメモリ)3を含むマイクロコンピュータに
よって行なわれる。このマイクロコンピュータには、大
容量の外部記録装置であるハードディスクHDがSCS
Iインターフェース4を介して接続されており、また、
記録制御部5,再生・転送制御部6,再生音発生部7,
演奏操作子(例えば鍵盤やその他の操作子等)8,表示
器9,パネルスイッチ群10,タイマ11が接続されて
いる。
【0023】記録制御部5は、DMAC(ダイレクトメ
モリアクセスコントロール)回路12と転送バッファメ
モリ13とを含んでいる。マイクロフォンMICによっ
て外部からサンプリングした楽音データが、アナログ/
ディジタル変換ユニット(ADC)18を経由して記録
制御部5に与えられ、転送バッファメモリ13に取り込
まれる。また記録制御部5は、SCSIインターフェー
ス4を介して、ハードディスクHDに直接アクセス可能
に接続されている。マイクロコンピュータからは、ハー
ドディスクHDへの書き込みのための記録領域を指示す
る情報が、記録制御部5に与えられる。記録制御部5
は、このマイクロコンピュータからの情報に基づき、楽
音データを該記録領域に書き込む指示をハードディスク
HDに与えるとともに、この書き込みに同期するアドレ
ス信号を作成し、このアドレス信号に従って、ハードデ
ィスクHDへの楽音データの供給を制御する。
【0024】再生・転送制御部6も、DMAC回路14
と転送バッファメモリ15とを含んでおり、SCSIイ
ンターフェース4を介して、ハードディスクHDに直接
アクセス可能に接続されている。また、再生・転送制御
部6は、アクセス制御部16を介し、再生バッファメモ
リ17に接続されている。マイクロコンピュータから
は、ハードディスクHDからの読み出しのための記録領
域を指示する情報が、再生・転送制御部6に与えられ
る。再生・転送制御部6は、このマイクロコンピュータ
からの情報に基づき、データを読み出す指示をハードデ
ィスクHDに与えるとともに、この読み出しに同期する
アドレス信号を作成し、このアドレス信号に従って、ハ
ードディスクHDから転送バッファメモリ15への楽音
データの取り込みを制御する。そして、取り込んだ楽音
データを、再生バッファメモリ17に転送する。
【0025】再生音発生部7も、アクセス制御部16を
介し、再生バッファメモリ17に接続されている。再生
音発生部7は、再生・転送制御部6の指示のもと、再生
バッファメモリ17内の楽音データを所定または任意の
再生読み出しレートで読み出す。こうして読み出された
楽音データが、ディジタル/アナログ変換ユニット(D
AC)19を経由してサウンドシステムSSに与えら
れ、音響的に発音される。上記のようなDMA方式の記
録制御部5,再生・転送制御部6を具えたディスクレコ
ーダとしては、例えば(出願公開番号特開平6−517
76号)において本出願人が既に提案しているものを使
用してよいので、その細部の説明は本明細書では省略す
る。本発明は、こうしたディスクレコーダにおいて、ハ
ードディスク上のファイルを管理する方法またはシステ
ムに特徴があるので、以下、その点に絞って詳細な説明
を行なう。
【0026】次に、このディスクレコーダのファイル管
理システムにおける、ハードディスクHDの論理フォー
マットの一例を、図2〜図4に示す。図2(a)は、デ
ィスクHDの全記録領域の記録マップであり、アクセス
管理の単位となる最小記録単位として「クラスタ」を用
いる例を示している。「ヘッダ」は、ディスクHDのデ
ータ記録方式を示す情報(例えばデバイス名,種類,記
録容量,セクタサイズ,クラスタサイズ等の情報)を記
録した領域である。「アロケーションマップ」は、各ク
ラスタの使用状況を示す情報(使用されているか否か、
不良か否か等の情報)を記録した領域である。「Yノー
ド領域」は、楽音データファイルを作成した際に当該フ
ァイルに関する所定の情報(例えばファイルの種類,フ
ァイルの大きさ,ディスク上のファイルの記録位置,等
の情報)を記録する領域である。このYノード領域の構
成には、本発明に係るファイル管理システムに直接関連
する特徴が存在するので、後に図3でその詳細を説明す
ることにする。「ルートディレクトリマップ」は、図2
(b)に例示するように、各ファイルのパス名及びファ
イル名と、該ファイルに1対1に割り当てられたYノー
ド領域内のYノードの番号(Yノード番号と呼ぶ)とを
対応させて記録する領域である。「データ記録領域」
は、ファイルの楽音データや、サブディレクトリ等を記
録する領域であり、また、図4において後述するブロッ
クテーブルも、ここに記録される。
【0027】図3は、上述のYノード領域の構成例を示
す。Yノード領域には、図3(a)のように、それぞれ
番号(Yノード番号)が付けられた複数のYノード
(「Yノード1」,「Yノード2」,「Yノード3」,
…)が記録される。各Yノードは、上述のルートディレ
クトリマップにおいて対応させられたファイル名のファ
イルに関する情報を記録する領域であり、例えば、図3
(b)のように、当該ファイルの個人所有者を示す「オ
ーナー」,当該ファイルの団体所有者を示す「グルー
プ」,当該ファイルの種類を示す「タイプ」,当該ファ
イルへのアクセス権を示す「アクセス許可」,当該ファ
イルに最後にアクセスした時刻を示す「日時」,当該フ
ァイルのデータを記録しているブロックの総数を示す
「ブロック数NB」,当該ファイルのデータを記録して
いるクラスタの総数を示す「クラスタ数NC」,当該フ
ァイルのデータ量を示す「サイズSIZE」,及びその
他の情報(例えば、各ファイル毎に複数種類の記録用サ
ンプリング周波数のうち所望のサンプリング周波数を選
択して楽音データを記録することが可能な場合には、選
択された記録用サンプリング周波数を示す情報)が記録
され、更に、複数(図では最大4つ)のブロック指定デ
ータ「Bx1」,「Bx2」,「Bx3」,「Bx4」
と、ネクストブロックテーブルクラスタ番号「NBT
C」とが記録される。
【0028】このYノードにおける「ブロック」とは、
本発明に係るファイル管理システムの特徴をなす概念で
あり、ハードディスクHDにおいて物理的に連続してい
る1または複数のクラスタ(所定の記録単位)を1まと
まりとして扱うものである。こうしたブロック概念を導
入したのは、ハードディスクHDに楽音データを記録す
る際、ブロック単位でデータを記録することにより、ク
ラスタ数よりも少ない数のハードディスクHD上のブロ
ックにアクセスすれば足りるようにし、これによって全
体としてのアクセス時間の短縮を図るためである。
【0029】そして、Yノードにおける「ブロック指定
データ」は、「ディスク上のファイルの記録位置」を、
こうしたブロック単位で表現するものである。このう
ち、ブロック指定データ「Bx1」は、当該ファイルの
データを記録している全てのブロックのうち、冒頭のデ
ータを記録しているブロック(ブロック1とする)のハ
ードディスクHD上の位置を示すものであり、図3
(c)に示すように、当該ブロックを構成するクラスタ
のうちの先頭のクラスタのクラスタ番号を示す先頭クラ
スタ「BTC」,当該ブロックを構成するクラスタの数
を示す連続クラスタ数「BNC」,当該ブロックに記録
されているデータ量を示す記録データ量「BS」がそれ
ぞれ記録される。また、ブロック指定データ「Bx2」
は、ブロック1内のデータに続くデータを記録している
ブロック(ブロック2とする)のハードディスクHD上
の位置を示すものであり、「Bx3」は、ブロック2内
のデータに続くデータを記録しているブロック(ブロッ
ク3とする)のハードディスクHD上の位置を示すもの
であり、「Bx4」は、ブロック3内のデータに続くデ
ータを記録しているブロック(ブロック4とする)のハ
ードディスクHD上の位置を示すものである。ブロック
指定データ「Bx2」〜「Bx4」の構成も、図3
(c)に示したブロック指定データ「Bx1」の構成と
全く同様である。
【0030】当該ファイルのデータを記録しているブロ
ックの数が、Yノード中のブロック指定データの数(図
では4つ)を超えている場合には、超えているブロック
(図ではブロック5以降のブロック)についてのブロッ
ク指定データを記録するテーブル(すなわち、ブロック
テーブル)を、ハードディスクHD上のデータ記録領域
(図2)に設ける。図3(b)に示されたネクストブロ
ックテーブルクラスタ番号「NBTC」は、こうしてデ
ータ記録領域に設けられたブロックテーブルのうち、最
初のブロックテーブルの位置を、該テーブルのデータを
記録しているクラスタのうちの先頭のクラスタのクラス
タ番号で示すものである。当該ファイルのデータを記録
しているブロックの数に応じて、当該ファイルのための
ブロックテーブルは複数設けられることがある。
【0031】図4は、各ブロックテーブルの構成を示
す。各ブロックテーブルには、当該ブロックテーブルに
先立つブロックテーブルの先頭のクラスタのクラスタ番
号を示す「PBTC」,当該ブロックテーブルに続く次
のブロックテーブルがもしあればそのブロックテーブル
の先頭のクラスタのクラスタ番号を示すネクストブロッ
クテーブルクラスタ番号「NBTC」(次のブロックテ
ーブルがない場合には、NBTC=0とする),当該ブ
ロックテーブル内のブロック指定データの総数「nB」
がそれぞれ記録され、また、複数(図では最大84個)
のブロック指定データ「Bxi」〜「Bx(i+8
3)」が記録される。iは、最初のブロックテーブルで
は、Yノード中のブロック指定データの数よりも1だけ
大きい整数(図3の例では5)であり、2つ目以降のブ
ロックテーブルでは、直前のブロックテーブルまでのブ
ロック指定データの総数よりも1だけ大きい整数であ
る。各ブロック指定データ「Bxi」…「Bx(i+8
3)」の構成も、図3(c)に示したのと全く同様であ
る。
【0032】このように「ディスク上のファイルの記録
位置」を、ブロック指定データによってブロック単位で
表現するようにしたのは、作成済のファイルを読み出す
際にも、ブロック指定データに基づき、クラスタ数より
も少ない数のハードディスクHD上のブロックにアクセ
スすれば足りるようにし、アクセス時間の短縮を図るた
めである。すなわち、1つのブロックを構成する1また
は複数の連続するクラスタに対して、1回のアクセスで
その記録データを連続的に読みだすことができるように
するためである。
【0033】またこのようにファイルの記録位置をブロ
ック単位で表現すれば、1ファイル分のデータを記録し
た個々のクラスタのクラスタ番号をいちいち用いてファ
イルの記録位置を表現しなければ従来のファイル管理方
式と比較して、少ない管理情報でファイル管理を行なう
ことができ、ファイル管理を簡略化することができる。
特に、ハードディスクHDに新たに楽音データの記録を
行なう段階では、ハードディスクHD上の大きな空きス
ペースに、多数のクラスタが連続したブロックが確保さ
れることにより、1ファイルにおけるブロックの数(し
たがってブロック指定データ(図3及び図4)の数)が
クラスタの数に比較してかなり少なくなるので、ファイ
ル管理のかなりの簡略化が図られるようになる。
【0034】なお、以上のようなハードディスクHDの
記録領域に対応して、RAM3内には、図5に示すよう
に、「AMB」,「YNB」,「DIRB」という特別
の記憶領域が設けられている。アロケーションマップバ
ッファ「AMB」は、ディスクHD上のアロケーション
マップのデータをバッファ記憶する記憶領域である。Y
ノードバッファ「YNB」は、現在処理対象となってい
る特定のファイルに対応するディスクHD上のYノード
のデータ(図3(b))と、該Yノードに対応するブロ
ックテーブルのデータとをバッファ記憶する記憶領域で
ある。ディレクトリバッファ「DIRB」は、現在処理
対象となっている特定のファイルを含むディスクHD上
の特定のディレクトリマップのデータをバッファ記憶す
る記録領域である。特定のファイルの作成・更新に伴う
各種データの記録または変更処理は、まず、RAM3の
これらの領域「AMB」,「YNB」,「DIRB」に
対して行ない、追って、適宜のタイミングでディスクH
D上の対応する領域に転送される。「ワークエリア」で
は、通常知られるように、各種ワーキングデータをバッ
ファ記憶する。「データエリア」では、通常知られるよ
うに、必要な各種データを記憶する。概して、RAM3
内のこうした記憶領域にハードディスクHD上の各領域
からロードした楽音データや各種データに基づき、マイ
クロコンピュータにより、楽音データの記録・編集・再
生処理等の様々な処理が実行される。また、こうしたマ
イクロコンピュータによる記録・編集処理の結果RAM
3内の各記憶領域に記憶された楽音データや各種データ
が、適宜のタイミングでハードディスクHD上の対応す
る領域に転送される。
【0035】次に、図6〜図15のフローチャートを参
照して、マイクロコンピュータ(及び記録制御部5,再
生・転送制御部6)の実行する処理のうち、本発明に係
るファイル管理システムに関連する部分を説明する。図
6は、メインルーチンであり、初期設定(ステップ2
0)を行なった後、演奏操作子8のスキャン処理(ステ
ップ21),パネルスイッチ群10の操作状態検出用の
スキャン処理(ステップ22),その他の処理(ステッ
プ23)を繰り返して行なう。
【0036】図7及び図8は、マイクロフォンMICに
よって外部からサンプリングした楽音データを、ハード
ディスクHDに記録することにより、ファイルを作成す
る録音ルーチンである。この録音ルーチンは、パネルス
イッチ群10の操作による録音開始の指示に応じてスタ
ートする。録音サンプリングレートの値と、楽音をサン
プリングするサンプル時間の値とが、パネルスイッチ群
10でユーザーにより指定されると(ステップ30)、
サンプル時間と録音サンプリングレートとの積である全
サンプル数を、ディスクアクセスの最小記録単位である
1個のクラスタの記録容量で除すことにより、当該楽音
の録音に要するクラスタの総数NRCを決定する(ステ
ップ31)。次に、パス名とファイル名とが、パネルス
イッチ群10でユーザーにより入力されると(ステップ
32)、ハードディスクHDからRAM3内のディレク
トリバッファ「DIRB」にロードしたディレクトリマ
ップの中のファイル名をサーチし(ステップ33)、ユ
ーザーの入力したファイル名が当該ディレクトリマップ
内に存在しているか否かを判断する(ステップ34)。
【0037】存在しなければ、当該ディレクトリマップ
でまだファイル名を割り当てられていないYノード番号
をサーチし、これを当該ファイル名に割り当てる(ステ
ップ35)。そして、割り当てたYノード番号とファイ
ル名とを、ディレクトリバッファ「DIRB」内の当該
ディレクトリマップに記録する(ステップ36)。そし
て、ステップ37に進む。一方、ユーザーの入力したフ
ァイル名が当該ディレクトリマップ内に存在していれ
ば、重ね書きの指示と、録音するファイルを別のファイ
ルに指定し直すファイル名変更の指示と、録音中止の指
示とのうち、いずれの指示がパネルスイッチ群10でユ
ーザーにより入力されたかを判定する(ステップ4
8)。重ね書きの指示が入力されれば、当該ディレクト
リマップで当該ファイル名に割り当てられているYノー
ド番号をそのまま使用し(ステップ49)、ステップ3
7に進む。ファイル名変更の指示が入力され、新たなパ
ス名とファイル名とがパネルスイッチ群10でユーザー
により入力されれば(ステップ50)、ステップ33に
戻り、ステップ33,ステップ34の処理を繰返す。ま
た、録音中止の指示が入力されれば、録音ルーチンを終
了する。
【0038】ステップ37では、ブロック番号を示す変
数aを初期値「1」に設定する。次に、ハードディスク
HDからRAM3内のアロケーションマップバッファ
「AMB」にロードしたアロケーションマップを用い
て、使用可能なクラスタ(空きクラスタ)のうち、クラ
スタ番号が1乃至複数連続しているクラスタ(つまり、
記録領域が物理的に連続しているクラスタ)を探し出す
ことにより、当該ファイルにとってのa番目のブロック
aのためのクラスタを確保する(ステップ38)。そし
て、当該ブロックaが所定数以上クラスタ番号の連続し
たクラスタから成っているか否か、すなわち当該ブロッ
クaとして確保されたクラスタの記録容量(クラスタ
数)が所定のミニマムサイズMINS以上であるか否か
を判断する(ステップ39)。ミニマムサイズMINS
未満であれば、ステップ38に戻り、ミニマムサイズM
INS以上のブロックa(連続する空きクラスタ)が確
保されるまで、ブロックaのためのステップ38,ステ
ップ39の処理を繰り返す。ミニマムサイズ以上の連続
する空きクラスタが確保されれば、ステップ40に進
み、RAM3内のYノードバッファ「YNB」に、当該
ファイルに割り当てたYノードのブロック指定データ
「Bxa」(図3(c)参照)のうち、先頭クラスタB
TCと連続クラスタ数BNCとを記録する。なお、ここ
で、aの値がYノード中のブロック指定データの数以下
である場合には、Yノード内に記録するが、aの値がY
ノード中のブロック指定データの数を越えている場合に
は、当該Yノードに対応するブロックテーブル(図4参
照)を設定して該ブロックテーブル内に必要事項を記録
する。そして、確保したブロックaを構成する各クラス
タの使用状況を「使用中」とする旨の、アロケーション
マップバッファ「AMB」内のアロケーションマップの
更新を行なう(ステップ41)。このようにして、ハー
ドディスクHD上で所定数以上連続したクラスタから成
るブロックを確保する。前述のように、ハードディスク
HDに新たに楽音データの記録を行なう段階では、ハー
ドディスクHD上の大きな空きスペースに、クラスタ番
号が多数連続したブロックが確保されることにより、ク
ラスタの数に比較してブロック指定データ(図3及び図
4)の数がかなり少なくなる。したがって、ファイル管
理のかなりの簡略化が図られる。なお、ステップ39で
の所定のミニマムサイズMINSは、ユーザーが任意に
可変設定することができるようにしてもよいし、予め所
定値に決定しておいてもよい。明らかなように、このミ
ニマムサイズMINSの値によって、1ブロックの最小
クラスタ数が決まるので、ハードディスクHDに対する
アクセス時間を制御することができる。
【0039】ここで、ミニマムサイズMINSを設定ま
たは決定するための基準の一例を述べると、次のとおり
である。この録音ルーチンの処理によってハードディス
クHD上に作成されたファイルを読み出す際には、当該
ファイルの楽音データを記録した複数のブロックから、
楽音データが順次読み出される。その際、1ブロック内
のクラスタから楽音データの読出しを行なう間は、それ
らのクラスタがハードディスクHD上で連続的な位置に
存在しているので、リードライトヘッドを移動すること
なく高速に読出しを行なうことができる。しかし、1ブ
ロックについての読出しが終了して次のブロックについ
ての読出しを開始する段階では、リードライトヘッドを
当該ブロックの位置にまで移動させなければならないの
で、その移動時間の分だけ読出し速度が低下してしま
う。そして、ミニマムサイズMINSを大きくすれば、
1ファイルにおけるブロック数が減少することによりリ
ードライトヘッドの移動回数が少なくなるので、この読
出し速度の低下の程度が大きくなるが、他方ミニマムサ
イズMINSを小さくすれば、1ファイルにおけるブロ
ック数が増大することによりリードライトヘッドの移動
回数が多くなるので、この読出し速度の低下の程度が小
さくなる。ところで、ハードディスクHDから楽音デー
タを読み出しながら再生する(いわゆるダイレクトフロ
ームディスク)場合に、発音に時間的遅れを生じること
なく再生を行なうために最低限必要な読出し速度(サン
プル転送速度)は、再生サンプリング周波数の大きさや
同時再生する発音チャンネルの数等によって決定するこ
とができる。したがって一例として、ミニマムサイズM
INSは、楽音データをこうして再生する際の再生サン
プリング周波数や同時再生チャンネル数等に応じて、上
記最低限必要な読出し速度を確保できる大きさ以上に設
定または決定することが望ましい。
【0040】次に、図8のステップ42に進み、いまま
でブロック指定データを記録したブロックのクラスタの
数が、録音に要するクラスタの総数NRCに達している
か否か、すなわち、総数NRC分のブロックが確保され
たか否かを判断する。確保されていなければ、ステップ
51に進んで、ブロック番号を示す変数aを「a+1」
にインクリメントした後、図7のステップ38に戻っ
て、次のブロックに関して、ステップ38〜ステップ4
2の処理を繰り返す。総数NRC分のブロックが確保さ
れるまでステップ38〜ステップ42の処理が繰り返さ
れ、確保されると、ステップ42からステップ43に進
む。ステップ43では、Yノードバッファ「YNB」
に、当該ファイルに割り当てたYノードの残りのデータ
(図3(b)参照)のうち所定のデータと、当該Yノー
ドに対応するブロックテーブルの残りのデータ(図4参
照)とを記録する。そして、アロケーションマップバッ
ファ「AMB」内のアロケーションマップ,Yノードバ
ッファ「YNB」内の当該Yノード及びブロックテーブ
ルを、ハードディスクHDにセーブする。これにより、
ハードディスクHD上のアロケーションマップとYノー
ド領域とが更新される(ステップ44)。
【0041】次に、ブロック番号を示す変数aを初期値
「1」に設定する(ステップ45)。そして、ハードデ
ィスクHD上の記録領域として、当該Yノードのブロッ
ク指定データ「Bxa」で指定されたブロックa=1を
指示する情報を、記録制御部5に与える(ステップ4
6)。そして、ハードディスクHDに対する楽音データ
の記録を開始するための処理を行なう(ステップ4
7)。例えば、録音スタンバイとなって、ユーザーによ
る録音開始指示入力を受付ける。録音開始指示が入力さ
れると、マイクロフォンMICによって外部からサンプ
リングした楽音データが、アナログ/ディジタル変換ユ
ニット(ADC)18を経由して記録制御部5に与えら
れ、ユーザーの選択した記録用サンプリング周波数に従
って転送バッファメモリ13に取り込まれる。記録制御
部5は、所定数(例えば1または複数)のクラスタの容
量分の楽音データが転送バッファメモリ13に蓄積され
ると、該楽音データをハードディスクHDに転送すると
ともに、ブロックaに対応するディスクHD上のクラス
タに該楽音データを記録する指示をディスクHDに与え
る。こうして、ブロック単位で、転送バッファメモリ1
3からハードディスクHDに楽音データを転送して記録
させる。前述のとおり、1つのブロック中のクラスタは
連続しているので、ハードディスクHDへのアクセス
は、短時間で済む。なお、上記のような記録制御部5に
よるDMA動作の具体例として、前述した出願公開番号
特開平6−51776号によって開示された技術を応用
することができるので、その細部の説明は本明細書では
省略する。
【0042】記録制御部5は、ハードディスクHDに記
録された楽音データのデータ量をカウントしており、当
該ブロック指定データ「Bxa」内の連続クラスタ数B
NC分のデータ量の楽音データを記録し終えると、マイ
クロコンピュータに対し、次のブロックを要求する割込
み信号を転送する。マイクロコンピュータは、この割込
み信号を受け取ると、図9に示す割込みルーチンを実行
する。
【0043】図9の割込みルーチンでは、まず、Yノー
ドバッファ「YNB」に、当該Yノードのブロック指定
データ「Bxa」(図3(b)参照)のうちの記録デー
タ量BS(図3(c)参照)として、1クラスタの記録
容量と該ブロックaにおける連続クラスタ数BNCとの
積を記録する(ステップ60)。そして、aの値が、当
該Yノード内のブロック数NBの値と一致するか否か、
すなわち、現在処理中のブロックaが、当該Yノードの
ブロック数NBの値によって決まる最終のブロックであ
るか否かを判断する(ステップ61)。最終ブロックで
なければ、ステップ62に進み、ブロック番号を示す変
数aを「a+1」にインクリメントした後、図8のステ
ップ46と同様に、ハードディスクHD上の記録領域と
して、当該Yノードのブロック指定データ「Bxa」で
指定されたブロックa(つまり次のブロック)を指示す
る情報を、記録制御部5に与える(ステップ63)。そ
して、割込みルーチンを終了する。記録制御部5は、こ
の指示に基づき、前述と同様に、該楽音データをハード
ディスクHDに転送するとともに、当該ブロックaに対
応するディスクHD上のクラスタに該楽音データを記録
する指示をディスクHDに与える。そして、当該ブロッ
ク指定データ「Bxa」内の連続クラスタ数BNC分の
データ量の楽音データを記録し終えると、再び次のブロ
ックを要求する割込み信号をマイクロコンピュータに転
送する。マイクロコンピュータは、この割込み信号を受
け取ると、図9に示す割込みルーチンを再び実行する。
【0044】このようして、ハードディスクHD上の1
つのブロックに楽音データを記録し終える毎に、図9に
示す割込みルーチンによって、当該ブロックの次のブロ
ックに対する楽音データの記録を記録制御部5に指示す
る。そして、最終ブロックに達すると、図9のステップ
61からステップ64に進んで、記録処理の停止を指示
する情報を記録制御部5に与える。そして、ファイルが
いっぱいになったことを表示器10に表示する(ステッ
プ65)。次に、RAM3内のYノードバッファ「YN
B」に当該Yノードの残りのデータ(サイズSIZE
等)(図3参照)を記録した後、Yノードバッファ「Y
NB」内の当該Yノードの全てのデータをハードディス
クHDにセーブする。これにより、ハードディスクHD
上のYノード領域が更新される(ステップ66)。そし
て、割込みルーチンを終了し、図8の記録ルーチンも終
了する。このようにして、ハードディスクHD上で所定
数以上連続したクラスタから成るブロック単位でディス
クHDにアクセスしながら、楽音データがディスクHD
に記録される。
【0045】図10は、上述のような記録処理中にユー
ザーがパネルスイッチ群10を用いて録音ストップの指
示を入力した際に、マイクロコンピュータが実行する録
音ストップイベントルーチンの一例である。このルーチ
ンでは、まず、アナログ/ディジタル変換ユニット(A
DC)18からの楽音データの取り込みの停止を指示す
る情報を、記録制御部5に与える(ステップ70)。そ
して、それまでに転送バッファメモリ12に取り込んで
いる楽音データのハードディスクHDへの転送を指示す
る情報を、記録制御部5に与える(ステップ71)。次
に、Yノードバッファ「YNB」に、現在のブロックa
に対応するブロック指定データ「Bxa」(図3
(b),(c)参照)のうちの記録データ量BSとして
所定値を記録し、残りの各ブロックに対応するブロック
指定データ「Bxa」のうちの記録データ量BSとして
「0」を記録し、当該YノードのサイズSIZE(図3
(b)参照)を確定し、これを記録する(ステップ7
2)。そして、Yノードバッファ「YNB」内の当該Y
ノードをハードディスクHDにセーブする(ステップ7
3)。これにより、ハードディスクHD上のYノード領
域が更新される。そして、このルーチンを終了する。
【0046】以上のような録音ルーチンの処理によって
ハードディスクHDに記録された楽音データの一部分の
例を、図16に示す。この例では、1つのブロックにお
けるクラスタ数の最小値を「1」としており、1クラス
タの記録容量を、1キロバイトとしている。したがっ
て、この例では、ミニマムサイズMINSは1クラスタ
=1キロバイトである。図16(a)の例では、楽音デ
ータの一部分として、2個のクラスタが連続したブロッ
クaのデータA(データ量2キロバイト)と、3個のク
ラスタが連続したブロックa+1のデータB(データ量
3キロバイト)と、1個のクラスタのみからなるブロッ
クa+2のデータC(データ量1キロバイト)と、2個
のクラスタが連続したブロックa+3のデータD(デー
タ量2キロバイト)とが記録されている。これらの合計
8キロバイトの楽音データA〜Dを記録するためにハー
ドディスクHDにアクセスした回数は4回であり、従来
のようにデータ量に応じてハードディスクHD上の個々
のクラスタに合計8回アクセスする場合と比較して、ア
クセス回数が減っており、したがって、アクセス時間が
短縮されることが理解される。特に、1ブロック内のク
ラスタに楽音データを記録する間は、クラスタが連続的
な位置に存在しているので、最初のクラスタへの楽音デ
ータの記録の後、リードライトヘッドを移動させること
なく、そのまま続けて次のクラスタに楽音データを記録
することができる。これにより、リードライトヘッドの
移動回数が従来よりも少なくなるので、楽音データの記
録スピードのかなりの向上が図られる。
【0047】次に、以上の図7〜図10の処理によって
ハードディスクHD上に作成した所望のファイルにおけ
る楽音データの編集処理の例を、図11〜図13に示
す。図11は、ディスクHDに記録した楽音データに対
してデータの挿入を行なう挿入ルーチンである。この挿
入ルーチンでは、現在処理中のファイルにおけるデータ
の所望の挿入位置IPがパネルスイッチ群10等でユー
ザーにより指定され(ステップ80)、挿入すべきイン
サートデータがパネルスイッチ群10等でユーザーによ
り指定されると(ステップ81)、Yノードバッファ
「YNB」内の当該ファイルに対応するYノードに基づ
き、挿入位置IPが存在しているディスクHD上のブロ
ック(ブロックIPBとする)を検出し、ディスクHD
から、該ブロックIPB内の楽音データを、RAM3の
データエリアにロードする(ステップ82)。次に、R
AM3のワークエリアで、ブロックIPB内の楽音デー
タの位置IPにインサートデータを挿入する(ステップ
83)。そして、挿入後の楽音データを、RAM3のデ
ータエリア内のブロックIPBに対応する領域に記録し
(以下では、RAM3のデータエリアで、ブロックに対
応する領域に記録することも、単に、ブロックに記録す
る、と表現することとする)、そのデータ内容に対応し
て、RAM3のYノードバッファ「YNB」内の当該Y
ノードの内容を更新する(ステップ84)。次に、挿入
後の楽音データのデータ量がブロックIPBの記録容量
を越えているか否か、すなわち、ブロックIPBに記録
しきれない残データが存在するか否かを判断する(ステ
ップ85)。残データが存在していなければ、ステップ
88にジャンプする。
【0048】残データが存在していれば、ステップ86
に進み、アロケーションマップバッファ「AMB」内の
アロケーションマップを用いて、ミニマムサイズMIN
S以上の大きさの使用可能な追加のブロックを1または
それ以上確保し、RAM3のデータエリアで、それらの
ブロックに残データを順次記録する。そして、それに応
じて、Yノードバッファ「YNB」内の当該Yノードの
内容を更新し、且つ、確保したブロック内の各クラスタ
の使用状況を「使用中」とするようにアロケーションマ
ップバッファ「AMB」内のアロケーションマップを更
新する。尚、このステップ86でのミニマムサイズMI
NSも、ユーザーが可変設定できるようにしたり予め所
定値に決定したりしてよいが、前述の録音ルーチンのス
テップ39において述べたように、ハードディスクHD
から楽音データを読み出しながら再生する(いわゆるダ
イレクトフロームディスク)場合に最低限必要な読出し
速度(サンプル転送速度)を確保できるような範囲内で
設定または決定することが望ましい。
【0049】この挿入処理を、図16(a)の楽音デー
タを対象にして説明する。図16(b)は、図16
(a)の楽音データのうちブロックa+1内のデータB
の位置IPに、インサートデータI(一例として、デー
タ量2.6キロバイト)を挿入する例を示している。す
なわち、この例では、ブロックa+1がブロックIPB
に該当する。これに基づき、ディスクHDから、ブロッ
クa+1内のデータBがRAM3にロードされる。そし
て、RAM3のワークエリアで、図16(c)に示すよ
うに、データBのうち位置IPより前に位置するデータ
B1と、位置IPより後に位置するデータB2との間
に、インサートデータIが挿入され。そして、挿入後の
データが、RAM3のデータエリアで、ブロックa+1
に記録される。
【0050】ところで、挿入後のデータのデータ量は、
3キロバイトに2.6キロバイトを加えて5.6キロバ
イトであるのに対し、ブロックa+1の記録容量は、3
クラスタ=3キロバイトである。したがって、ブロック
a+1に記録しきれない2.6キロバイトの残データが
存在する。そこで、図16(d)のように、ブロックa
+1の3クラスタ=3キロバイトには、データB1とイ
ンサートデータIの一部I1とを記録するようにし、そ
れから、ミニマムサイズMINS以上(ここでは1キロ
バイト以上)の大きさの使用可能なブロックとして、例
えば、最初に、2個のクラスタが連続した追加のブロッ
クを確保し、残データのうち2キロバイト分のデータ
(インサートデータIの残りI2とデータB2の一部B
21)を、RAM3のデータエリアで、該追加のブロッ
クに記録するようにする。次に、1個のクラスタからな
る更なる追加のブロックを確保し、残データのうち最後
の0.6キロバイト分のデータ(データB2の残りB2
2)を、RAM3のデータエリアで該更なる追加のブロ
ックに記録するようにする。そして、確保されたこれら
追加のブロックの番号を新たにa+2,a+3とし、且
つ、いままでのブロックa+2以降の各ブロックのブロ
ック番号をすべて2ずつうしろにずらすように(いまま
でのブロックa+2,a+3…のブロック番号をブロッ
クa+4,a+5…とするように)、Yノードバッファ
「YNB」内の当該Yノードの内容を更新する。
【0051】このように、この挿入処理では、ブロック
IPBに記録しきれない残データ(すなわち、インサー
トデータと、ブロックIPBの位置IP以降に記録され
ていた楽音データとのうち、ブロックIPBの位置IP
以降の記録容量を超える部分)については、追加の1ま
たはそれ以上のブロックを確保して該ブロックに記録す
るようにする。そして、追加のブロックの増加に伴い、
その後のブロックについては、そのブロック番号のみを
ずらす処理を行なう。すなわち、ブロックIPBの楽音
データに続く楽音データを記録していた各ブロックにつ
いては、記録している楽音データを書き換える必要がな
いので、そうした書き換え処理は行なっておらず、Yノ
ードの内容を更新する処理のみを行なっている(すなわ
ち、それらの楽音データのハードディスクHDにおける
実際の記録位置に変更はない)。したがって、従来のよ
うに挿入位置以降の全クラスタの楽音データを記録し直
すためにハードディスクHD上のそれらのクラスタにア
クセスする場合と比較して、アクセス時間が短縮され
る。
【0052】また、このような楽音データの挿入処理を
行なうことにより、挿入位置よりも後に1または複数の
ブロックが新たに追加されることがあるが、こうして追
加されるブロックの数は、挿入処理後の楽音データファ
イルを管理するのに必要な最低限の数なので、ブロック
数が不必要に増大することはなく、挿入処理を行なう前
(すなわち記録処理のみを終えた状態)と同様な効率的
なファイル管理を維持することができる。
【0053】なお、編集処理によって、最後に追加され
たブロック(図16(d)ではブロックa+3)につい
ては、ブロック内の1または複数のクラスタに、データ
が記録されていない空白部分(図では斜線を付け示す)
が生じることがある。このようなデータ空白部分を有す
るブロックについてのブロック指定データの記録データ
量BS(図3(c)参照)としては、実際のデータ量が
記録される。これは、後述する調整処理や削除処理の場
合も同様である。
【0054】図11の挿入ルーチンにおいて、ステップ
86の処理が終了すると、ステップ87に進み、図12
に示すような調整ルーチンを実行する。この調整ルーチ
ンは、挿入ルーチン(または後述する削除ルーチン)に
おいて確保したブロックの見直しを行なうルーチンであ
り、まず、Yノードバッファ「YNB」内の当該Yノー
ドのブロック指定データに基づき、挿入ルーチン(また
は削除ルーチン)において最後に確保されて楽音データ
を記録された追加のブロック(図16(d)ではブロッ
クa+3)の記録データ量BSを検出する(ステップ9
0)。そして、この記録データ量BSが、ミニマムサイ
ズMINS未満であるか否かを判断する(ステップ9
1)。ミニマムサイズMINS以上であれば、調整ルー
チンを終了する。
【0055】ミニマムサイズMINS未満であれば、ス
テップ91からステップ92に進み、当該最後の追加の
ブロックと、当該最後の追加のブロックの直前のブロッ
クとの間で、以下のように2通りの場合に応じてそれぞ
れ異なる調整処理を行なう。 (i)直前のブロックの記録容量がミニマムサイズMI
NSの2倍以上の場合。 RAM3のワークエリアで、
直前のブロック内の楽音データを、最後のミニマムサイ
ズMINS分のデータとそれより前のデータとに分け、
最後のミニマムサイズMINS分のデータと最後の追加
のブロックのデータとを、1つのデータにまとめる。 (ii)直前のブロックの記録容量がミニマムサイズM
INSの2倍未満の場合。RAM3のワークエリアで、
直前のブロックの全データと最後の追加のブロックのデ
ータとを、1つのデータにまとめる。
【0056】次に、ステップ93に進み、アロケーショ
ンマップバッファ「AMB」内のアロケーションマップ
を用いて、ステップ92の(i)または(ii)でまと
めたデータ量以上の大きさの使用可能なブロックを新規
に確保する。そして、ステップ92でまとめたデータ
を、RAM3のデータエリアで、それらの新規のブロッ
クに記録する。そして、Yノードバッファ「YNB」内
の当該Yノードの内容をそれに応じて更新し、且つ、確
保したブロックの各クラスタの使用状況を「使用中」と
するようにアロケーションマップバッファ「AMB」内
のアロケーションマップを更新する。そして、調整ルー
チンを終了する。
【0057】この調整処理を、図16(d)の楽音デー
タを対象にして説明する。図16(d)の各ブロックの
うち、挿入ルーチンにおいて最後に確保されて楽音デー
タを記録された追加のブロックは、ブロックa+3であ
る。このブロックa+3の記録データ量BSは、0.6
キロバイトなので、ミニマムサイズMINS(1キロバ
イト)に満たない。また、その直前のブロックa+2の
記録データ量BSは、2キロバイトなので、ミニマムサ
イズMINSの2倍以上である。したがって、この例は
図12のステップ92の(i)の場合に該当するので、
RAM3のワークエリアで、直前のブロックa+2のデ
ータを、最後のミニマムサイズMINS分のデータ(こ
こではデータB21が該当する)と、その前のデータ
(ここではデータI2が該当する)とに分け、該ミニマ
ムサイズMINS分のデータと最後のブロックa+3の
データB22とを、1つのデータB2’にまとめる調整
が行なわれる。そして、まとめたデータのデータ量は
1.6キロバイトなので、それ以上の大きさの使用可能
なブロックとして、2キロバイトの大きさの(すなわち
2個のクラスタが連続した)新規のブロックを確保し
て、RAM3のデータエリアで、図16(e)のよう
に、まとめたデータB2’を該新規のブロックに記録す
る。それとともに、該ブロックの番号を新たにa+3と
し、それに応じたYノードの内容の更新を行う。
【0058】この調整ルーチンを設けた理由は、次のと
おりである。図11の挿入ルーチンを実行すると、図1
6(d)に例示したように、ファイルの途中に、記録デ
ータ量BSがミニマムサイズMINS未満のブロックが
生じる可能性がある(後述する削除ルーチンを実行した
場合も同様である)。ところで、楽音データのファイル
では、データの挿入や削除が比較的頻繁に行なわれるの
で、それに伴って、挿入ルーチン(及び削除ルーチン)
が実行される頻度も高い。そのため、こうしたブロック
をそのまま放置しておくと、ファイルの途中に記録デー
タ量の少ないブロックが多数存在するようになり、ファ
イルサイズの割にブロック数が多くなってしまう。こう
した事態は、ファイルの読み出しの際のハードディスク
HDへのアクセス時間の長時間化や、ブロック指定デー
タ(図3及び図4)の数の増大につながるので、かえっ
て不都合である。そこで、こうした事態を事前に防止す
るために、記録データ量の少ないブロックが生じた際
に、そのつど、そのブロック内のデータを直前のブロッ
ク内のデータとまとめることにより、記録データ量の少
ないブロックが生じることを解消するようにしたのであ
る。これにより、データの挿入や削除を頻繁に行なった
場合でも、ファイルを読み出す際の再生スピードを高い
水準に維持することができるとともに、ブロック指定デ
ータの数を必要最低限に抑えて簡略なファイル管理を維
持することができるようになる。
【0059】調整ルーチンを終了すると、図11のステ
ップ88に進み、RAM3内のデータエリアで挿入・調
整処理を行なった楽音データと、アロケーションマップ
バッファ「AMB」内のアロケーションマップ,Yノー
ドバッファ「YNB」内の当該Yノード及びブロックテ
ーブルを、ハードディスクHDにセーブする。これによ
り、ハードディスクHD上のデータ記録領域とアロケー
ションマップとYノード領域とが更新される。そして、
挿入ルーチンを終了する。
【0060】次に、図13は、ハードディスクHDに記
録した楽音データの一部を削除することによりファイル
を更新する削除ルーチンの一例である。この削除ルーチ
ンでは、読み出し中のファイルのデータのうち削除すべ
きカットデータがパネルスイッチ群10等によってユー
ザーにより指定されると(ステップ100)、Yノード
バッファ「YNB」内のYノード領域に基づき、カット
データの冒頭の部分が存在するブロック(ブロックCS
Bとする)と、カットデータの末尾の部分が存在するブ
ロック(ブロックCEBとする)とを検出する(ステッ
プ101)。そして、ハードディスクHDから、ブロッ
クCSB内の楽音データと、ブロックCEB内の楽音デ
ータとを、RAM3のデータエリアにロードする(ステ
ップ102)。次に、RAM3のワークエリアで、ブロ
ックCSB内のカットデータ以外のデータと、ブロック
CEB内のカットデータ以外のデータとを、1つに合成
する(ステップ103)。そして、合成したデータを、
RAM3のデータエリアで、ブロックCSBからブロッ
クCEBまでのブロックのうち必要な数のブロックに順
次記録し、それに応じて、Yノードバッファ「YNB」
内の当該Yノードの内容を更新する(ステップ10
4)。次に、図12で説明した調整ルーチンをここでも
実行する(ステップ105)。最後に、RAM3内のデ
ータエリアで削除・調整処理を行なった楽音データと、
アロケーションマップバッファ「AMB」内のアロケー
ションマップ,Yノードバッファ「YNB」内の当該Y
ノード及びブロックテーブルを、ハードディスクHDに
セーブする(ステップ106)。これにより、ハードデ
ィスクHD上のデータ記録領域とアロケーションマップ
とYノード領域とが更新される。そして、削除ルーチン
を終了する。
【0061】この削除処理を、図16(e)の楽音デー
タを対象にして説明する。図17(a)では、図16
(e)のブロックa〜ブロックa+5のデータのうち、
ブロックa+1の途中のデータからブロックa+3の途
中までのデータを、カットデータとして削除すること
が、ユーザーにより指定されているものとする。。これ
に基づき、ブロックCSBとしてブロックa+1が、ブ
ロックCEBとしてブロックa+3が、それぞれ検出さ
れ、ディスクHDから、それらのブロック内のデータが
RAM3にロードされる。そして、図17(b)のよう
に、RAM3のワークエリアで、ブロックa+1のデー
タのうちカットデータ以外のデータ(データB1とデー
タI1の一部I11)と、ブロックa+3のカットデー
タ以外のデータ(データB2’の一部B2’1)とを1
つにまとめる合成処理が行なわれている。そして、合成
したデータを、RAM3のデータエリアで、ブロックa
+1からブロックa+3までのブロックに順次記録する
ようにする。(もともとブロックa+1,a+2,a+
3に記録されていたデータからカットデータを除いたデ
ータを記録するのであるから、必ずブロックa+1から
ブロックa+3までのブロック内にすべて記録すること
ができる。)すると、図17(c)のように、合成した
データのうち、ブロックa+1の容量分のデータ(デー
タB1とデータI11とデータB2’1の一部B2’1
1)がブロックa+1に記録され、次のブロックa+2
の容量分のデータ(データB2’1の残りのB2’1
2)がブロックa+2に記録される。そうすると、ブロ
ックa+3が空くので、ブロックCEBに続くブロック
a+4以降のブロック番号をすべて前に1つずらすよう
にし(いままでのブロックa+4,a+5…のブロック
番号をブロックa+3,a+4…とする)、Yノードバ
ッファ「YNB」内の当該Yノードの内容を更新する。
なお、ステップ105の調整ルーチンの実行によって、
図17(c)の楽音データのうちのブロックa+1,a
+2のデータは、RAM3のデータエリアで、例えば図
17(d)のように記録され直される。
【0062】このように、この削除処理では、ブロック
CSB内のカットデータ以外のデータと、ブロックCE
B内のカットデータ以外のデータとを、ブロックCSB
からブロックCEBまでの1またはそれ以上のブロック
に順次記録し直しており、ブロックCEBに続く各ブロ
ックについては、記録している楽音データを書き換える
必要がないので、Yノードの内容を更新する(ブロック
番号をずらす)のみを行なっている。したがって、従来
のように削除位置以降の全クラスタのデータを記録し直
すためにハードディスクHD上のそれらのクラスタにア
クセスする場合と比較して、アクセス時間が短縮され
る。
【0063】尚、以上では、編集処理の例として、楽音
データに対するデータの挿入処理と一部の楽音データの
削除処理とを個別に示したが、或るブロックから削除し
た楽音データと同一のデータを別のブロックに挿入する
ことにより、ファイル内で楽音データを移動させる処理
を行なうこともできるのはもちろんである。
【0064】次に、以上のようにしてハードディスクH
D上に作成・更新したファイルをディスクHDから読み
出すことにより楽音データを再生する再生ルーチンを、
図14に示す。読み出すファイルのパス名及びファイル
名が、パネルスイッチ群10でユーザーにより指定され
ると(ステップ110)、ディレクトリバッファ「DI
RB」内のディレクトリマップの中のファイル名をサー
チし(ステップ111)、指定されたファイル名が当該
ディレクトリマップ内に存在しているか否かを判断する
(ステップ112)。存在しなければ、ステップ119
に進み、ファイルがみつからなかったことを表示器10
に表示して、再生ルーチンを終了する。
【0065】指定されたファイル名が存在していれば、
ステップ112からステップ113に進み、再生音発生
部7の複数の楽音再生チャンネルのうちの1つのチャン
ネルを、当該ファイルに割り当てる。次に、ディレクト
リマップ内で当該ファイルに対応しているYノード番号
を検出し、ハードディスクHDから、当該番号のYノー
ドと、それに対応するブロックテーブル(もしあれば)
とを、RAM3のYノードバッファ「YNB」にロード
する(ステップ114)。そして、ブロック番号を示す
変数aを初期値「1」に設定する(ステップ115)。
【0066】次に、ハードディスクHD上の再生領域と
して、当該Yノードのブロック指定データ「Bxa」で
指定されたブロックa=1を示す情報を、再生・転送制
御部6に与える(ステップ116)。そして、ディスク
HDから、ヘッダ内のデータを(図2参照)RAM3に
ロードし、このデータに基づき、再生条件の初期設定を
行なう(ステップ117)。そして、ハードディスクH
Dに記録された楽音データの再生を開始するための処理
を行なう(ステップ118)。例えば、再生・転送制御
部6は、マイクロコンピュータからの情報に基づき、設
定された再生条件のもと、ディスクHD上のブロックa
に記録されている楽音データを読み出す指示を、ディス
クHDに与えるとともに、読み出された楽音データを転
送バッファメモリ14に取り込む。そして、転送バッフ
ァメモリ14内の楽音データをアクセス制御15を介し
て再生バッファメモリ16に転送するとともに、割り当
てられた楽音再生チャンネルの再生動作をスタートさせ
ることを、再生音発生部7に指示する。この指示のも
と、再生バッファメモリ16内の楽音データが、アクセ
ス制御15を介して再生音発生部7により読み出され、
再生音発生部7内の当該チャンネルから、ディジタル/
アナログ変換ユニット(DAC)19を経由してサウン
ドシステムSSに与えられて音響的に発音される。な
お、複数のファイルの楽音データを同時に再生する場合
には、図14の再生処理を各ファイルごとにそれぞれ行
なう。なお、上記のような再生・転送制御部6によるD
MA動作の具体例として、前述した出願公開番号特開平
6−51776号によって開示された技術を応用するこ
とができるので、その細部の説明は本明細書では省略す
る。
【0067】再生・転送制御部6は、ハードディスクH
Dから読み出した楽音データのデータ量をカウントして
おり、当該ブロック指定データ「Bxa」内の記録デー
タ量BS分だけ読み出しを終えると、マイクロコンピュ
ータに対し、次のブロックを要求する割込み信号を転送
する。マイクロコンピュータは、この割込み信号を受け
取ると、図15に示す割込みルーチンを実行する。この
割込みルーチンでは、まず、ステップ120において、
ブロック番号を示す変数aを「a+1」にインクリメン
トする。そして、上述のステップ116と同様に、ハー
ドディスクHD上の再生領域として、当該Yノードのブ
ロック指定データ「Bxa」で指定されたブロックaを
指示する情報を、再生・転送制御部6に与える(ステッ
プ121)。次に、aの値が、当該Yノード内のブロッ
ク数NBの値と一致するか否か、すなわち、ブロックa
が最終のブロックであるか否かを判断する(ステップ1
22)。最終ブロックでなければ、割込みルーチンを終
了する。再生・転送制御部6は、この指示に基づき、前
述と同様に、設定された再生条件のもと、ディスクHD
上のブロックaに記録されている楽音データを読み出す
指示を、ディスクHDに与えるとともに、読み出された
楽音データを転送バッファメモリ14に取り込む。そし
て、転送バッファメモリ14内の楽音データをアクセス
制御15を介して再生バッファメモリ16に転送すると
ともに、割り当てられた楽音再生チャンネルの再生動作
をスタートさせることを、再生音発生部7に指示する。
この指示のもと、再生バッファメモリ16内の楽音デー
タが、アクセス制御15を介して再生音発生部7により
読み出され、再生音発生部7内の当該チャンネルから、
ディジタル/アナログ変換ユニット(DAC)19を経
由してサウンドシステムSSに与えられて音響的に発音
される。そして、ブロック指定データ「Bxa」内の記
録データ量BS分だけ読み出しを終えると、再び次のブ
ロックを要求する割込み信号をマイクロコンピュータに
転送する。マイクロコンピュータは、この割込み信号を
受け取ると、図15に示す割込みルーチンを再び実行す
る。そして、当該次のブロックのブロック指定データ
「Bxa」内の記録データ量BS分だけ読み出しを終え
ると、再び次のブロックを要求する割込み信号をマイク
ロコンピュータに転送する。マイクロコンピュータは、
この割込み信号を受け取ると、図15に示す割込みルー
チンを再び実行する。
【0068】このようして、1つのブロックの楽音デー
タを再生し終える毎に、図15の割込みルーチンを実行
し、当該ブロックの次のブロック内の楽音データの再生
を再生・転送制御部6に指示する。そして、最終ブロッ
クに達すると、ステップ122からステップ123に進
んで、次の割込み信号の発生の禁止を指示する情報を、
再生・転送制御部6に与える。次に、当該最終ブロック
の楽音データが再生され終えた後に再生音発生部7の当
該波形再生チャンネルの再生動作が停止するように設定
し(ステップ124)、割込みルーチンを終了する。こ
うして、当該最終ブロックの楽音データが再生され終え
ると、再生処理を終了する。このようにして、ブロック
指定データに基づき、クラスタ数よりも少ない数のハー
ドディスクHD上のブロックにアクセスしながら、ディ
スクHDから楽音データが再生される。
【0069】この再生処理におけるハードディスクHD
へのアクセス回数を、図17(d)の楽音データを例に
とって説明する。ブロックaのデータA(データ量2キ
ロバイト),ブロックa+1のデータ(データ量3キロ
バイト),ブロックa+2のデータ(データ量0.6キ
ロバイト),ブロックa+3のデータ(データ量1キロ
バイト),ブロックa+4のデータ(データ量2キロバ
イト)の合計8.6キロバイトの楽音データを再生する
際、ディスクHDにアクセスする回数は、ブロックの数
に等しい5回である。したがって、従来のように、楽音
データを記録した個々のクラスタに合計9回アクセスす
る場合と比較して、アクセス時間が短縮される。特に、
1ブロック内のクラスタから楽音データを再生する間
は、クラスタが連続的な位置に存在しているので、最初
のクラスタからの楽音データの再生の後、リードライト
ヘッドを移動させることなく、そのまま続けて次のクラ
スタから楽音データを再生することができる。これによ
り、リードライトヘッドの移動回数が従来よりも少なく
なるので、データの再生スピードのかなりの向上が図ら
れる。
【0070】このように、この実施の形態では、ハード
ディスクHDから楽音データを読み出しながら楽音を再
生する(いわゆるダイレクト・フローム・ディスク)場
合に、従来よりもかなりすばやく楽音データを読み出す
ことができるようになる。したがって例えば、ディスク
レコーダにおける楽音データの再生サンプリング周波数
を従来よりも高く設定したり、マルチトラックレコーダ
(複数トラックの楽音を同時に再生する機能を有するデ
ィスクレコーダ)における同時再生トラック数を従来よ
りも増やしたりすることが可能になる。
【0071】なお、図16又は図17を参照した説明か
ら理解できるように、任意のブロックに対するデータの
挿入あるいは削除の処理によって、特定のブロックにお
ける最後のクラスタの一部にデータが記憶されていない
部分が生じることがある。再生処理時において、このよ
うなデータ空白部分を再生バッファメモリ17に転送し
ないようにするために、再生・転送制御部6では、転送
バッファメモリ15から再生バッフアメモリ17に現在
転送処理している或る特定のブロックにつき、再生バッ
フアメモリ17に転送済みのデータ量Bsxを常に累積
計数し、該転送済みのデータ量Bsxが当該ブロックの
ブロックサイズデータBSに一致したとき、該ブロック
の全データの転送が終了したと判断して、転送バッフア
メモリ15から再生バッフアメモリ17へのデータ転送
を中断するように制御するとよい。そうすれば、空白デ
ータは再生バッフアメモリ17に記憶されないようにな
り、該再生バッフアメモリ17に各ブロックの連続する
楽音データのみを連続して記憶し、支障なく読出し再生
するようにすることができる。勿論、別の対策として、
データ空白部分を再生バッファメモリ17に転送記憶し
てもよく、そのブロックのブロックサイズデータBSに
基づき再生バッファメモリ17におけるデータ空白部分
を判定して、再生読出しの際にデータ空白部分を飛び越
して実際の楽音データのみを読み出すようにしてもよ
い。
【0072】以上説明したように、このディスクレコー
ダでは、楽音データの記録によるファイルの作成,記録
した楽音データの編集によるファイルの更新,ファイル
の読み出しによる楽音データの再生,のいずれの処理に
おいても、従来と比較して、ハードディスクへのアクセ
ス時間が短縮される。したがって、楽音データをリアル
タイムで記録・再生する際や、楽音データを編集する際
に、処理スピードの向上を図ることができる。
【0073】なお、この実施の形態では、本発明を、D
MA方式の記録制御部,再生・転送制御部がハードディ
スクに対して記録・再生を指示するディスクレコーダに
おいて採用しているが、これに限らず、マイクロコンピ
ュータ自身がハードディスクに対して記録・再生を指示
するディスクレコーダに採用してもよい。あるいは、更
に、上位の制御装置がハードディスクに対して記録・再
生を指示するディスクレコーダに採用してもよい。ま
た、本発明の実施にあたっては、マイクロコンピュータ
を用いたソフトウェア処理に限らず、専用ハードウェア
回路によっても同等の制御を実施できるのは勿論であ
る。
【0074】また、この実施の形態では、本発明を、ハ
ードディスクを外部記録装置として設けたディスクレコ
ーダにおいて採用しているが、これに限らず、光ディス
ク等他の適宜のランダムアクセス可能な記録媒体を外部
記録装置として設けた楽音データ記録再生装置に採用し
てもよい。
【0075】また、この実施の形態では、本発明にかか
るファイル管理システムを、サウンド波形のような楽音
データの記録・編集・再生を行なうデータ記録再生装置
において採用しているが、これに限らず、自動演奏デー
タのような楽音制御データのために利用してもよいし、
あるいは画像データ等、その他の適宜のデータ(特に、
リアルタイムでの記録・再生が要求されるデータや、編
集が頻繁に行なわれるデータ)の記録・編集・再生を行
なうデータ記録再生装置に採用してもよい。
【0076】この発明の実施態様のいくつかを列挙する
と、次のようである。 1. データを記録するための記録媒体と、前記記録媒
体において連続する1又は任意の複数の記録単位からな
るブロックを1又は複数設定し、1ファイルを構成する
データを分割して前記記録媒体の各ブロックに記録する
データ記録制御手段と、前記各ブロック毎に、該ブロッ
クに記憶されているデータの有効データ量を示す管理情
報を記憶する管理情報記憶手段とを具えたファイル管理
システム。 2. 前記ファイルにおけるデータの削除または挿入等
の編集操作を行うとき、編集操作の対象となる特定のブ
ロックのデータについてのみ前記記録媒体に記憶するデ
ータの書き換えを行い、該ファイルにおける他の既存の
ブロックのデータについては書き換えを行わないように
する編集制御手段を更に具えた前記1項のファイル管理
システム。 3. データの削除または挿入等の編集操作に基づき前
記ファイルにおける特定のブロックについて前記記録媒
体に記録するデータの書き換えを行うとき、前記管理情
報記憶手段に記憶する該ブロックの有効データ量を示す
前記管理情報を更新する手段を更に具えた前記1項又は
2項のファイル管理システム。 4. 前記編集制御手段は、編集操作の対象となる特定
のブロックについてのデータの挿入によって、該ブロッ
クの合計データ量が該ブロックを構成する前記記録単位
数によって定まるデータ量を超えたとき、前記記録媒体
において追加のブロックを設定し、超過したデータを該
追加のブロックに記録する手段を含む前記2項のファイ
ル管理システム。 5. 前記記録媒体からデータを読み出す手段と、特定
のブロックについて読み出されたデータのうち該ブロッ
クについて前記管理情報が示す有効データ量に相当する
データのみを有効なデータとして利用する利用制御手段
とを更に具えた前記1項のファイル管理システム。 6. 前記データ記憶制御手段は、1つのブロックを構
成する前記記録単位数の最小値を設定する手段と、前記
記録媒体において前記最小値以上の数の連続する利用可
能な記録単位を検出し、検出した記録単位を1つのブロ
ックとして設定する手段とを含む前記1項のファイル管
理システム。 7. 前記編集制御手段は、前記データの削除又は挿入
によって或る第1のブロックの有効データ量が所定のデ
ータ量未満となったとき、該ブロックの前又は後で隣接
する第2のブロックとの間でデータの併合または分配を
行うことにより該第1のブロックの有効データ量が所定
のデータ量以上となるようにするか又は0となるように
するかの調整処理を行う手段を含む前記2項のファイル
管理システム。 8. 1つのファイルを構成するデータが、時間的に連
続する1つのサウンドの波形データからなるものである
前記1項のファイル管理システム。 9. 前記管理情報記憶手段は、更に、各ブロック毎
に、該ブロックを構成する前記記録単位の前記記録媒体
上の位置と数を特定する管理情報を記憶するものである
前記1項のファイル管理システム。 10. 1つのファイル名で特定されるデータ集合を記
録媒体に記録し、管理するための方法であって、前記記
録媒体において連続する1又は任意の複数の利用可能な
記録単位を検出し、検出した記録単位を1つのブロック
として確保し、このようなブロックを1又は複数確保す
るステップと、1ファイルを構成するデータを分割して
前記記録媒体の各ブロックに記録するステップと、前記
各ブロック毎に該ブロックに記憶されているデータの有
効データ量を示す管理情報を記憶するステップと、前記
記録媒体に記憶するデータの挿入又は削除によって或る
ブロックの前記有効データ量が変化したとき該ブロック
についての前記管理情報を更新するステップとを具えた
ファイル管理方法。 11. 前記ファイル内のデータの削除又は挿入を行う
とき、削除又は挿入の対象となるブロックについて削除
又は挿入に伴うデータの書き換えを行い、該ファイルに
おける他の既存のブロックに記録済みデータについては
書き換えを行わないようにするステップを更に具え、結
果的に前記削除又は挿入の対象となるブロックの一部に
データが記憶されていない領域が生じることを許すこと
を特徴とする前記10項のファイル管理方法。 12. 所望のファイルのデータを利用するために前記
記録媒体から該ファイルのデータを読み出すステップ
と、各ブロックについて読み出されたデータのうち該ブ
ロックについての前記管理情報が示す有効データ量に相
当するデータのみを有効なデータとして利用するステッ
プとを更に具えた前記10項のファイル管理方法。 13. 或るブロックに関してデータの挿入を行うと
き、当該ブロックの合計データ量が該ブロックを構成す
る前記記録単位数によって定まるデータ量を超えたと
き、前記記録媒体において追加のブロックを設定し、超
過したデータを該追加のブロックに記録するステップを
更に具えた前記10項のファイル管理方法。 14. 或るブロックに関してデータの挿入を行うと
き、当該ブロックの合計データ量が該ブロックを構成す
る前記記録単位数によって定まるデータ量を超えたと
き、必要な該拡張されたデータ量に相当する連続する記
録単位が前記記録媒体において利用可能であるか否かを
検出し、検出された記録単位を当該ブロックのために確
保するステップを更に具えた前記10項のファイル管理
方法。 15. 1又は複数のファイルのデータを記録するため
のデータ記録領域と記録した1又は複数のファイルの各
々のための管理情報を記録する管理情報記録領域とを含
む読み書き可能な記録媒体と、前記記録媒体のデータ記
録領域において連続する1又は任意の複数の記録単位か
らなるブロックを1又は複数設定し、1つのファイルを
構成するデータを分割して前記データ記録領域の各ブロ
ックに記録するデータ記録制御手段と、前記記録媒体の
管理情報記録領域において、各ファイル毎に、該ファイ
ルに対応して設定された前記1又は複数のブロックの各
々について、該各ブロックに記憶されているデータの有
効データ量を示す管理情報をそれぞれ記録し、データの
削除又は挿入によって該有効データ量が変更したときそ
の記録値を更新する管理情報記録制御手段とを具えたフ
ァイル管理システム。 16. 前記記録媒体の管理情報記録領域において、更
に、各ブロック毎に、該ブロックを構成する前記記録単
位の前記記録媒体上の位置を特定する管理情報を記録す
るようにした前記15項のファイル管理システム。 17. 前記管理情報記録領域は、1つのファイルに関
して所定数分のブロックについての前記管理情報を記録
するものであり、1つのファイルに関するブロック数が
前記所定数を超えるとき、超過したブロックについての
前記管理情報を記録するための追加の管理情報記録領域
を前記記録媒体における別の記録領域に設定することを
特徴とする前記15項又は16項のファイル管理システ
ム。 18. 連続して再生されるべき1つのファイルのデー
タを、それぞれデータサイズが任意に可変設定される複
数のブロックに分割して、各ブロック毎に記録媒体の任
意の記録位置に別々に記録するステップと、前記記録媒
体における前記各ブロックの記録位置を特定する情報
と、該各ブロック毎に実際に記憶している有効なデータ
を示す有効データ情報とを記憶するステップとを具える
データ記録再生方法。 19. 前記1つのファイルのデータを再生するため
に、前記記録位置を特定する情報に従って前記記録媒体
の各ブロックに順次アクセスし、各ブロック毎の記録デ
ータを順次読み出すステップと、各ブロックの読み出し
出力データのうち前記有効データ情報に従って有効なデ
ータのみを取り出すステップとを更に具える前記18項
のデータ記録再生方法。
【0077】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、記録
媒体において連続する1又は任意の複数の記録単位から
なるブロックを1又は複数設定し、1ファイルを構成す
るデータを分割して前記記録媒体の各ブロックに記録す
ると共に、前記各ブロック毎に、該ブロックに記憶され
ているデータの有効データ量を示す管理情報を記憶する
ようにしている。したがって第1に、1ファイル分のデ
ータを記録した個々の記録単位の番号をいちいち用いて
ファイルの記録位置を表現しなければ従来のファイル管
理方式と比較して、少ない管理情報でファイル管理を行
なうことができ、ファイル管理を簡略化することができ
るという優れた効果を奏する。
【0078】また第2に、1つのファイルを構成するブ
ロック数を従来に比べて比較的少数とすることができる
ことにより、記録・編集・再生処理の際のトータルのア
クセス時間(特にリードライトヘッドの移動に要する時
間)をかなり短縮することができ、編集作業時間の短縮
化を実現することができるのは勿論のこと、記録・再生
時間の短縮化によってリアルタイムでの記録・再生処理
に際しても大変好都合となる、という優れた効果を奏す
る。この効果を更に具体的に述べるならば、大容量の補
助記録媒体を使用する楽音データ記録再生装置に本発明
を適用すれば、記録媒体から楽音データを読み出しなが
ら楽音を再生するような場合に、従来よりもかなりすば
やく楽音データを読み出すことができるようになる。し
たがって例えば、楽音データ記録再生装置における楽音
データの再生サンプリング周波数を従来よりも高く設定
したり、マルチトラックレコーダのような楽音データ記
録再生装置における同時再生トラック数を従来よりも増
やしたりすることが可能になる。
【0079】また第3に、各ブロックにおいて実際に記
録されているデータ量つまり有効データ量が各ブロック
毎の管理情報によってそれぞれ管理されるので、所定の
記録単位で一括してデータを読み出したとしても、どこ
までが有効なデータで、どこからが不要なデータかが判
明するものとなり、これにより、削除や挿入のデータ編
集作業によって或るブロックのデータ量が減ってそのブ
ロックに空白が生じたり、一部にデータ空白部分を有す
る追加のブロックが新設されたとしても、その空白を埋
めるようにそれ以降のブロックのデータ群を上にずらす
処理をする必要がなくなり、空白をそのままにしておく
ことができる。そのため、データ編集作業の際に、必要
なブロックでのみデータの書き換えを行えばよく、それ
よりも後の他のブロックについて大幅にデータ書き換え
処理を行うことが不要となり、データ編集作業に要する
時間を大幅に短縮することができる、という優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係わるファイル管理システムを実
施した電子楽器の全体構成を略示するブロック図。
【図2】 図1におけるハードディスクのメモリマップ
の一例を示す図。
【図3】 図2におけるYノード領域のメモリマップの
一例を示す図。
【図4】 図2におけるデータ記録領域内に設定される
ブロックテーブルのメモリマップの一例を示す図。
【図5】 図1におけるRAMのメモリマップの一例を
示す図。
【図6】 図1のマイクロコンピュータによって実行さ
れるメインルーチン処理の一例を示すフローチャート。
【図7】 図1のマイクロコンピュータによって実行さ
れる録音ルーチンの一例を部分的に示すフローチャー
ト。
【図8】 図7の録音ルーチンの残りの部分を示すフロ
ーチャート。
【図9】 図1のマイクロコンピュータによって録音処
理時に実行される割り込みルーチンの一例を示すフロー
チャート。
【図10】 図1のマイクロコンピュータによって実行
される録音ストップイベント処理の一例を示すフローチ
ャート。
【図11】 図1のマイクロコンピュータによって実行
されるデータ編集処理の一つである挿入ルーチンの一例
を示すフローチャート。
【図12】 図11または図13における調整ルーチン
の一例を示すフローチャート。
【図13】 図1のマイクロコンピュータによって実行
されるデータ編集処理の一つである削除ルーチンの一例
を示すフローチャート。
【図14】 図1のマイクロコンピュータによって実行
される再生ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図15】 図1のマイクロコンピュータによって再生
処理時に実行される割り込みルーチンの一例を示すフロ
ーチャート。
【図16】 図11の挿入ルーチンに従って実行される
データ挿入処理の具体例を説明するためのデータマップ
図。
【図17】 図13の削除ルーチンに従って実行される
データ削除処理の具体例を説明するためのデータマップ
図。
【図18】 従来のディスクレコーダによる楽音波形デ
ータの記録形式の一例を示す図。
【図19】 この発明に従うデータ記録形態の一例を示
す図。
【図20】 この発明に従うデータ挿入形態の一例を示
す図。
【図21】 この発明に従うデータ削除形態の一例を示
す図。
【符号の説明】
1 CPU 2 ROM 3 RAM 4 SCSIインターフェース 5 記録制御部 6 再生・転送制御部 7 再生音発生部 8 演奏操作子 9 表示器 10 パネルスイッチ群 11 タイマ 12 DMAC回路 13 転送バッファメモリ 14 DMAC回路 15 転送バッファメモリ 16 アクセス制御部 17 再生バッファメモリ HD ハードディスク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データを記録するための記録媒体と、 前記記録媒体において連続する1又は任意の複数の記録
    単位からなるブロックを1又は複数設定し、1ファイル
    を構成するデータを分割して前記記録媒体の各ブロック
    に記録するデータ記録制御手段と、 前記各ブロック毎に、該ブロックに記憶されているデー
    タの有効データ量を示す管理情報を記憶する管理情報記
    憶手段とを具えたファイル管理システム。
  2. 【請求項2】 1つのファイル名で特定されるデータ集
    合を記録媒体に記録し、管理するための方法であって、 前記記録媒体において連続する1又は任意の複数の利用
    可能な記録単位を検出し、検出した記録単位を1つのブ
    ロックとして確保し、このようなブロックを1又は複数
    確保するステップと、 1ファイルを構成するデータを分割して前記記録媒体の
    各ブロックに記録するステップと、 前記各ブロック毎に該ブロックに記憶されているデータ
    の有効データ量を示す管理情報を記憶するステップと、 前記記録媒体に記憶するデータの挿入又は削除によって
    或るブロックの前記有効データ量が変化したとき該ブロ
    ックについての前記管理情報を更新するステップとを具
    えたファイル管理方法。
  3. 【請求項3】 1又は複数のファイルのデータを記録す
    るためのデータ記録領域と記録した1又は複数のファイ
    ルの各々のための管理情報を記録する管理情報記録領域
    とを含む読み書き可能な記録媒体と、 前記記録媒体のデータ記録領域において連続する1又は
    任意の複数の記録単位からなるブロックを1又は複数設
    定し、1つのファイルを構成するデータを分割して前記
    データ記録領域の各ブロックに記録するデータ記録制御
    手段と、 前記記録媒体の管理情報記録領域において、各ファイル
    毎に、該ファイルに対応して設定された前記1又は複数
    のブロックの各々について、該各ブロックに記憶されて
    いるデータの有効データ量を示す管理情報をそれぞれ記
    録し、データの削除又は挿入によって該有効データ量が
    変更したときその記録値を更新する管理情報記録制御手
    段とを具えたファイル管理システム。
  4. 【請求項4】 連続して再生されるべき1つのファイル
    のデータを、それぞれデータサイズが任意に可変設定さ
    れる複数のブロックに分割して、各ブロック毎に記録媒
    体の任意の記録位置に別々に記録するステップと、 前記記録媒体における前記各ブロックの記録位置を特定
    する情報と、該各ブロック毎に実際に記憶している有効
    なデータを示す有効データ情報とを記憶するステップと
    を具えるデータ記録再生方法。
  5. 【請求項5】 前記1つのファイルのデータを再生する
    ために、前記記録位置を特定する情報に従って前記記録
    媒体の各ブロックに順次アクセスし、各ブロック毎の記
    録データを順次読み出すステップと、 各ブロックの読み出し出力データのうち前記有効データ
    情報に従って有効なデータのみを取り出すステップとを
    更に具える請求項4に記載のデータ記録再生方法。
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