JPH0825442A - 射出成形機の保圧制御方法 - Google Patents
射出成形機の保圧制御方法Info
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Abstract
に、この特性関数およびこれに対する補正保圧力を正確
に設定することができる射出成形機の保圧制御方法を提
供する。 【構成】 金型10内へ充填した溶融樹脂12を加圧す
る射出成形機14の保圧制御方法からなり、事前試験運
転において溶融樹脂の温度Tおよび/またはその相当値
(圧力差ΔP)、保圧力Pおよびこれら各条件下におけ
る生産対象金型10による成形製品18の重量Wを、重
量、温度、圧力および位置の各検出器20、22、2
4、26を介して繰返し計測することにより、溶融樹脂
の温度T、保圧力Pおよび比容積比VCからなる比容積
比特性関数と、この関数に対する異常温度時の良品生産
のための補正保圧力とを演算処理部28を介して演算設
定し、次いで実生産運転においてその保圧力Pを前記関
数および補正保圧力並びに制御部30、保圧力制御手段
32およびスクリュー装置34を介して制御する。
Description
樹脂を加圧してその冷却固化に伴う収縮を補充する射出
成形機の保圧制御方法に関する。
用溶融樹脂材料が温度および圧力に対応して比容積が変
動する粘弾性体であり、その成形製品は、成形中の製品
重量を一定にして品質を安定化させるため、通常充填溶
融樹脂の冷却固化に対応して加圧力を制御する、いわゆ
る保圧制御が適用される。なお、この保圧制御は公知で
あり、この制御には、いわゆる溶融樹脂のP(圧力)−
V(比容積)−T(温度)線図に基づくプロファイル制
御、すなわち圧力Pをパラメータとする比容積V−温度
T線図を介して温度Tの変動に対応して比容積Vを一定
とするよう圧力Pを制御する方法(以下、単にP−V−
T制御と称する)が、従来から好適に適用されている。
ば、製品の重量が成形工程を通して一定に維持されるの
で、安定した品質が確保される。
V−T線図の作成には、既知の物性データが用意されて
いない場合は、その都度特別の計測装置を用いて前記物
性データを予め計測しなければならない。しかるに、こ
のような計測には多大の手間を必要とするので、近来こ
の不便を解消すべく、前記データ計測および線図の作成
を射出成形機の事前試験運転中に、この射出成形機を利
用して行う(以下、射出成形機利用計測方式と称する)
ことが提案されている(例えば、特開平3−27752
2号公報参照)。
性データが存在しない場合でも、比較的容易に前記P−
V−T線図を作成することができる。
たP−V−T制御に係る射出成形機の保圧制御方法は、
前記射出成形機利用計測方式においても、なお次に述べ
るような難点を有していた。
おいては、その溶融樹脂の物性データが温度、圧力およ
び比容積であり、そして比容積の単位は体積対重量の比
であることから、そのP−V−T線図が双曲線となるた
め、線図の作成および関数化処理が複雑となると共に、
溶融樹脂データベースの追加等が困難となる難点を有し
ている。また、従来の射出成形機利用計測方式において
は、前記重量計測に係る製品の成形が、計測装置の関係
からその付属金型を用いて、すなわち射出成形機の生産
対象金型を用いることなく、行われていることから、こ
の計測データによる前記特定関数およびその補正保圧力
が前記生産対象金型による実生産運転に対して合致しな
い。このことは、生産対象金型は成形品形状、ランナ形
状等に対応してそれぞれ固有の特性を備えているので、
成形製品の品質が低下する難点を有している。
め力が限界的であるため、金型が成形時に微小に型開き
するような場合には、一層助長される。そして、前記合
致しない特定関数および補正保圧力に対する修正は、処
理が繁雑であると共に正確度を期待できないものであ
る。
に適用する溶融樹脂特性関数を比較的簡単に構成すると
共に、この特性関数およびこれに対する補正保圧力を正
確に設定することができる射出成形機の保圧制御方法を
提供することにある。
に、本発明に係る射出成形機の保圧制御方法は、金型内
へ充填した溶融樹脂を加圧してその冷却固化に伴う収縮
を補充する射出成形機の保圧制御方法からなり、射出成
形機の事前試験運転において溶融樹脂の温度および/ま
たはその相当値、保圧力およびこれら各条件下における
生産対象金型による成形製品の重量を繰返し計測するこ
とにより、これらの計測データから溶融樹脂の温度、保
圧力および比容積比からなる比容積比特性関数と、この
比容積比特性関数に対する異常温度時の良品生産のため
の補正保圧力とを演算設定し、射出成形機の実生産運転
においてその保圧力を前記比容積比特性関数および前記
補正保圧力を介して制御することを特徴とする。
成形機内のノズル部を流動する溶融樹脂の前記ノズル部
の2点間における圧力差とし、溶融樹脂の温度および/
またはその相当値(前記対応圧力差)は、溶融樹脂の射
出成形機内への充填開始から保圧切換えまでの間を分割
して測定した複数の測定値の平均値に設定することがで
きる。
ぞれ1つの温度および/またはその相当値および保圧力
の各条件毎にそれぞれ成形した複数の製品の測定値の平
均値に設定することができる。
融樹脂の温度、保圧力および比容積比から溶融樹脂の等
圧温度上昇における熱膨張率および等温加圧における圧
縮率を演算設定することにより、特定の基準温度、圧力
における比容積に対する任意の温度、圧力における比容
積の比を、圧力をパラメータとする複数の等圧比容積比
直線群から表示するように構成することができる。
正保圧力は、良品生産中の溶融樹脂の温度および圧力を
計測して等圧比容積比直線群における良品生産時の保圧
力に対する等圧比容積比直線および比容積比を演算設定
しておくことにより、前記良品生産時の比容積比と等し
くなるような保圧力に設定することができる。
る溶融樹脂特性関数は、その溶融樹脂データが温度、圧
力および比容積比から構成されている。言い換えれば、
従来のこの種の制御方法における比容積が比容積比(比
容積の変化割合)に変更されている。従って、本発明の
溶融樹脂特性関数は、その制御線図上の制御線が従来の
比容積双曲線から比容積比直線へと変更することによ
り、簡単(一次式)に構成し得ることは明らかである。
また、本発明においては、溶融樹脂特性関数およびこれ
に対する補正保圧力は、その設定に係る重量計測に関す
る製品成形が、射出成形機の生産対象金型自体を用いて
行われるよう構成されている。従って、本発明の溶融樹
脂特性関数及び補正保圧力は、実生産運転において、仮
に前記生産対象金型が成形中に微小に型開きするような
ことがあっても、正確に適応し得ることは明らかであ
る。
法の実施例につき添付図面を参照しながら以下詳細に説
明する。
御方法の一実施例を示すシステムブロック図である。本
発明の保圧制御方法は、基本的には、金型10のキャビ
ティ10a内へ充填した溶融樹脂12を加圧して、その
冷却固化に伴う収縮を補充する射出成形機14の保圧制
御方法からなる。そして、射出成形機14の事前試験運
転において、溶融樹脂12の温度Tおよび/またはその
相当値〔本実施例においては、ノズル部16を流動する
溶融樹脂12のこのノズル部の2点間における圧力差Δ
P(図2参照)〕、保圧力P、およびこれら各条件下に
おける生産対象金型10による成形製品18の重量W
を、それぞれ重量、温度、圧力および位置の各検出器2
0、22、24、26により繰返し計測する。これによ
り、先ず、これらの計測データから溶融樹脂12の温度
T、保圧力Pおよび比容積比VCからなる比容積比特性
関数と、この比容積比特性関数に対する異常温度時の良
品生産のための補正保圧力とを、演算処理部28により
演算設定する。次いで、射出成形機14の実際生産運転
において、その保圧力Pを比容積比特性関数および補正
保圧力を介すると共に、制御部30、保圧力制御手段
(電磁圧力弁)32およびスクリュー装置34を経由し
て制御するよう構成されている。
性関数および/または補正保圧力等の良品成形条件を記
憶する記憶部を示し、また参照符号38は記憶部36等
のデータを演算処理部28に対して設定する設定器を示
し、そして参照符号40および42はそれぞれスクリュ
ー回転モータおよび油圧ポンプを示す。
内の溶融樹脂は、温度T、圧力Pおよび比容積比VCか
らなる比容積比特性関数を介して保圧制御される。しか
るに、ここで本発明の前記比容積比特性関数は、これま
での説明から既に理解されるところであるが、溶融樹脂
はその圧力が一定であれば、その比容積は温度に比例す
る。すなわち、公知のように、溶融樹脂の特性は、いわ
ゆるスペンサー−ギルモア(Spenser-Gilmore )の状態
方程式で表されることを利用するものである。そこで、
前記スペンサー−ギルモアの状態方程式およびこの式か
ら導かれる本発明の前記特性関数について説明する。
は、次式
述したように、温度Tの変動に対応して比容積Vを一定
とするように圧力(保圧力)Pを制御する、いわゆるP
−V−T制御に適用される基礎方程式である。
について説明するが、この特性関数は、同じく前述した
ように、温度T、圧力Pおよび比容積比VCからなる樹
脂特性を有し、そしてこの樹脂特性は、生産対象金型1
0による成形製品18の重量Wを計測することにより求
められる。すなわち、今キャビティ12aの容量をQと
すると、比容積はQ/Wで表されるので、これを前記式
(1)に代入すると、次式
ると、次式
本発明の比容積比特性関数を規定する基礎方程式であ
り、そして前記式(3)は、重量Wの逆数Mが温度Tに
比例しかつ圧力Pに反比例する一次関数である。従っ
て、制御線図上の制御線、すなわち圧力Pをパラメータ
とする重量Wの逆数M−温度T線図は、直線に設定され
ることを示している。因みに、P−V−T制御線図上の
制御線は双曲線となるが、このことは前述した通りであ
る。そこで、前記式(3)において圧力Pを一定Pcと
すると、次式
ラメータとする複数の直線群として、次式
た、或る基準の温度Tc、圧力Pcの時の値として、次
式
式(5)が、本発明の等圧比容積比直線を表わす特性関
数である。そして、この直線群を使用することにより、
温度変動を保圧力で補正することができる。
樹脂特性を温度Tからその相当値、すなわち圧力差ΔP
(図2参照)へ代替されることができる。すなわち、図
2を参照して、溶融樹脂12の粘度ηと圧力差ΔPとの
関係は、等温かつニュートン流体の場合、次式
て、K=8LQ/(πR4 )とおくと、次式
体の粘度ηと温度Tとの関係は、次式
速度γも一定になる。
との関係は、温度Tの変動幅が良品が生産される微小範
囲内で、C*Tの絶対値が1より小さい場合では一次式
であると見做されるので、前記特性関数式(5)は、そ
の温度Tを圧力差ΔPに置換することにより、次式
明は、圧力差ΔPに係る関数式(8)を用いて、言換え
れば、温度変動をノズル部16における圧力差変動とし
て検出しても、温度Tに係る前記関数式(5)を用いる
場合と同様に、保圧制御を達成することが可能である。
に、各種樹脂特性データの計測もしくは演算処理が行わ
れる。そこで、以下に、これらに関して、次の項目、す
なわち成形製品の平均重量の測定、比容積比の設定、等
圧比容積比直線(特性関数)の作成、良品成形時の等圧
比容積比直線の作成および温度変動に対する補正保圧力
の設定の各項目に従って、順次説明する。なお、この説
明において、溶融樹脂の温度Tと、その相当値(圧力
差)ΔPに関しては、温度Tを主体的に圧力差ΔPを従
属的に説明する。
は、良品を成形できる基準成形条件(圧力P0 および基
準温度T0 )を設定して、成形した複数の製品の平均重
量W00を求め、その後前記基準成形条件(P0 、T0 )
を変更して、各成形条件(P1 ,T1 )、(P1 ,
T2 ) … (P2 ,T1 )、(P2 ,T2 )におけ
る、それぞれに対応する平均重量,W11、W12 … W
21、W22を求める。
定することができ、また基準成形条件からの前記変更
は、良品が成形される範囲内で行われる。
形機内への充填開始から保圧切換えまでの間をn分割し
て測定したn個の測定値の平均値とする。なお、温度T
が圧力差ΔPに代替される場合は、前記説明における温
度およびその符号Tが、圧力差およびその符号ΔPに置
換される。なお、この場合、前記各圧力差ΔPは、前記
各温度Tに対応してそれぞれ計測される。
たように、キャビティ12aの容量をQとすると、比容
積はQ/Wで表されるので、基準および各成形条件下に
おけるそれぞれの比容積は、V00=Q/W00、V11=Q
/W11、V12=Q/W12、…として求めることにより、
比容積比VCすなわち基準比容積に対する各成形条件下
の比容積の比を、VC11=V11/V00、VC12=V12/
V00、…として求めることができる(表1参照)。な
お、この場合にも、温度Tを圧力差ΔPに代替すると、
温度およびその符号Tは、圧力差およびその符号ΔPに
置換され、また表1は表2に変更される。
は、先ず溶融樹脂の等圧温度上昇における熱膨張率(等
圧熱膨張率)および等温加圧における圧縮率(等温圧縮
率)を計測演算し、次いでこの計測演算データから、基
準の温度、圧力における比容積に対する任意の温度、圧
力における比容積の比を、圧力をパラメータとする複数
の直線(すなわち、等圧比容積比直線)群として作成す
る。ところで、前記直線群(特性関数)は、前述したよ
うに、近似的には前記の一次式(5)
いて、例えば圧力PjにおけるPOINTの略として示
す点群POj1(T1 ,VCPj,T1 )、POj2(T2 ,V
CPj,T 2 )、…POjm(Tm ,VCPj,Tm )から、最少
二乗法を用いて、設定すべき一次式VC(T)P=P1=a
Pj+bPj・Tにおける、その係数aPj、bPj、すなわち
次式
容積比直線)を作成することができる。
には、温度およびその符号Tが圧力差およびその符号Δ
Pに置換されると共に、前記式(5)が前記式(8)に
変更される。
次式(8)
いて、例えば圧力Pjにおける点群POj1 (ΔP1 ,V
C Pj,ΔP1)、POj2 (ΔP2 ,VC Pj,ΔP2)、…P
Ojm(ΔPm ,VC Pj,ΔPm)から、最少二乗法を用い
て、設定すべき一次式VC(ΔP)P=P1=aPj+bPj・
ΔPにおける、その係数aPj、bPjは、次式
容積比直線)を作成することができると置換変更され
る。
成においては、前述した等圧比容積比直線群から、良品
成形時(圧力Ps、温度Ts)の一次式の係数as、b
sを既知の係数から比例配分により求める(図4参
照)。すなわち、求める圧力Psの前後の既知の圧力
を、Pj 、Pj+1 ;但し、Pj ≦Ps≦Pj+1 とし、そ
して係数αを、α=(Ps−Pj )/(Pj+1 −Pj )
とおくと、良品成形時の保圧力に対する等圧比容積比直
線は、次式
P=Ps、T=Tsの時の比容積比は、次式
積比直線が作成される。なお、温度Tを圧力差ΔPに代
替する場合には、温度およびその符号Tが圧力差および
その符号ΔPに置換されることは明らかである。
定、すなわち温度が基準温度Tsから基準外温度Ts′
へ変動した場合に、比容積比を一定に維持するよう保圧
力を基準圧力Psから補正圧力Ps′へ変更する補正
は、下記のように行われる。すなわち、圧力(保圧力)
がPs′の時の比容積比は、下記のように係数aPs' 、
bPs' を設定すれば、式(9)の場合と同様に、次式
容積比は、次式
s)、(Ps′、Ts′)の時の比容積比を一定にする
には、
0)、(11)から、次式
解くことにより、所要の前記係数aPs ' 、bPs' を設定
することができる。なお、この場合、前記解には、解析
的手法は適用できないので、繰返し計算を行う。すなわ
ち、比容積比の初期値を或る手順で求め、この初期値
と、圧力、温度がPs、Tsである時の目標比容積比V
C(Ts)P=Psとの間の差を、許容値以内とするように
繰返し計算を行う。例えば、図5を参照して、基準圧力
Psにおける等圧比容積比直線と、もう1つの既知圧力
Pkにおける等圧比容積比直線とから、温度Ts′にお
ける比容積比がVC(Ts)P=Psと等しくなる圧力s′
を求める。そこで、前記既知圧力Pkでの等圧比容積比
直線を選定するために、PkをPs近傍の圧力で、 Ts′>Tsの時 Pk>Ps Ts′<Tsの時 Pk<Ps の温度と比容積比の関係式が、既知の圧力(Pjまたは
Pj+1)とする。このようにして、求めるPs′はP
sとPkの間の圧力となるので、範囲を1/2ずつ狭め
ながら目標の圧力を求めることができる。すなわち、 (1) 補正圧力(保圧力)の初期値を求める。
温度Ts′の時の比容積比VC(Ts′)P=Piを演算す
る。
圧力Ps温度Tsの時の比容積比VC(Ts)P=Psとを
比較し、そしてこの時両者の差が許容値以内ならば (5)
へ VC(Ts′)P=Pi<VC(Ts)P=Psならば、ΔPi
=1/2・ΔPi、Pi=Pi−ΔPi VC(Ts′)P=Pi>VC(Ts)P=Psならば、ΔPi
=1/2・ΔPi、Pi=Pi+ΔPi (3)へ、そしてこれにより、 (5) Piを補正保圧力として設定することができる。
合、すなわち樹脂温度変動に伴う圧力差変動に対する補
正保圧力の設定において、圧力差が基準圧力差ΔPから
基準外圧力差ΔP′へ変動した場合に、比容積比を一定
に維持するよう保圧力を基準圧力Psから補正圧力P
s′へ変更する場合には、前述と同様に、温度およびそ
の符号Tが圧力差およびその符号ΔPに置換されること
は明らかである。
の保圧に適用される溶融樹脂特性関数は、その溶融樹脂
データが温度、圧力および比容積比から構成されてい
る。言い換えれば、従来のこの種の制御方法における比
容積が比容積比(比容積の変化割合)に変更されてい
る。従って、本発明の溶融樹脂特性関数は、その制御線
図上の制御線が従来の比容積双曲線から比容積比直線へ
と変更されることにより、簡単(一次式)に構成される
ことは明らかである。また、本発明においては、溶融樹
脂特性関数およびこれに対する補正保圧力は、その設定
に係る重量計測に関する製品成形が、射出成形機の生産
対象金型自体を用いて行われるよう構成されている。従
って、本発明の溶融樹脂特性関数および補正保圧力は、
実生産運転において、仮に前記生産対象金型が成形中に
微小な型開きをするようなことがあっても、正確に適応
されることは明らかである。
成形機の保圧制御方法は、金型内へ充填した溶融樹脂を
加圧してその冷却固化に伴う収縮を補充する射出成形機
の保圧制御方法において、予め射出成形機の事前試験運
転において溶融樹脂の温度および/またはその相当値、
保圧力およびこれら各条件下における生産対象金型によ
る成形製品の重量を繰返し計測することにより、これら
の計測データから溶融樹脂の温度、保圧力および比容積
比からなる比容積比特性関数と、この比容積比特性関数
に対する異常温度時の良品生産のための補正保圧力とを
演算設定し、射出成形機の実生産運転においてその保圧
力を前記比容積比特性関数および前記補正保圧力を介し
て制御するよう構成されている。
の保圧に適用される溶融樹脂特性関数は、その溶融樹脂
データが温度、圧力および比容積比から構成されてい
る。しかも、従来のこの種の制御方法における比容積
が、比容積比(比容積の変化割合)に変更されている。
従って、本発明の溶融樹脂特性関数は、その制御線図上
の制御線が、従来の比容積双曲線から比容積比直線へと
変更されることにより、簡単(一次式)に構成されるこ
とは明らかである。また、本発明においては、溶融樹脂
特性関数およびこれに対する補正保圧力は、その設定に
係る重量計測に関する製品成形が、射出成形機の生産対
象金型自体を用いて行われるよう構成されている。従っ
て、本発明の溶融樹脂特性関数および補正保圧力は、実
生産運転において、仮に前記生産対象金型が成形中に微
小な型開きがあっても、正確に適応し得ることは明らか
である。
施例を示すシステムブロック図である。
大図である。
数と目標比容積比の特性を示すグラフである。
を演算する手順を示すフローチャート図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 金型内へ充填した溶融樹脂を加圧してそ
の冷却固化に伴う収縮を補充する射出成形機の保圧制御
方法からなり、射出成形機の事前試験運転において溶融
樹脂の温度および/またはその相当値、保圧力およびこ
れら各条件下における生産対象金型による成形製品の重
量を繰返し計測することにより、これらの計測データか
ら溶融樹脂の温度、保圧力および比容積比からなる比容
積比特性関数と、この比容積比特性関数に対する異常温
度時の良品生産のための補正保圧力とを演算設定し、射
出成形機の実生産運転においてその保圧力を前記比容積
比特性関数および前記補正保圧力を介して制御すること
を特徴とする射出成形機の保圧制御方法。 - 【請求項2】 溶融樹脂の温度相当値は、射出成形機内
のノズル部を流動する溶融樹脂の前記ノズル部の2点間
における圧力差である請求項1記載の射出成形機の保圧
制御方法。 - 【請求項3】 溶融樹脂の温度および/またはその相当
値は、溶融樹脂の射出成形機内への充填開始から保圧切
換えまでの間を分割して測定した複数の測定値の平均値
である請求項1記載の射出成形機の保圧制御方法。 - 【請求項4】 成形製品の重量は、溶融樹脂のそれぞれ
温度および/またはその相当値および保圧力の各条件毎
にそれぞれ成形した複数の製品の測定値の平均値である
請求項1記載の射出成形機の保圧制御方法。 - 【請求項5】 溶融樹脂比容積比特性関数は、溶融樹脂
の温度、保圧力および比容積比から溶融樹脂の等圧温度
上昇における熱膨張率および等温加圧における圧縮率を
演算設定することにより、特定の基準温度、圧力におけ
る比容積に対する任意の温度、圧力における比容積の比
を、圧力をパラメータとする複数の等圧比容積比直線群
から表示してなる請求項1記載の射出成形機の保圧制御
方法。 - 【請求項6】 比容積比特性関数に対する補正保圧力
は、良品生産中の溶融樹脂の温度および圧力を計測して
等圧比容積比直線群における良品生産時の保圧力に対す
る等圧比容積比直線および比容積比を演算設定しておく
ことにより、前記良品生産時の比容積比と等しくなるよ
うな保圧力に設定する請求項5記載の射出成形機の保圧
制御方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16849694A JP3240841B2 (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 射出成形機の保圧制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP16849694A JP3240841B2 (ja) | 1994-07-20 | 1994-07-20 | 射出成形機の保圧制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0825442A true JPH0825442A (ja) | 1996-01-30 |
JP3240841B2 JP3240841B2 (ja) | 2001-12-25 |
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Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3240841B2 (ja) |
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JP2007190827A (ja) * | 2006-01-19 | 2007-08-02 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 粘弾性流体の流動シミュレーション方法 |
JP2019181921A (ja) * | 2018-04-10 | 2019-10-24 | 中原大學 | 射出成形装置および射出成形方法 |
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1994
- 1994-07-20 JP JP16849694A patent/JP3240841B2/ja not_active Expired - Fee Related
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