JPH0825260B2 - 多層フィルム - Google Patents

多層フィルム

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JPH0825260B2
JPH0825260B2 JP1276112A JP27611289A JPH0825260B2 JP H0825260 B2 JPH0825260 B2 JP H0825260B2 JP 1276112 A JP1276112 A JP 1276112A JP 27611289 A JP27611289 A JP 27611289A JP H0825260 B2 JPH0825260 B2 JP H0825260B2
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徹 田中
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、収縮包装等に適したエチレン系樹脂からな
る多層フィルムに関する。
[従来の技術] 従来、エチレンα−オレフィン共重合体およびそのブ
レンド物は、各種フィルムに用いられている。エチレン
α−オレフィン共重合体とは、チーグラー・ナッタ触媒
等を用いて、エチレンとブテン、ヘキセン、オクテン等
のα−オレフィンをイオン共重合したものであり、その
密度により高密度・中密度・低密度に分類される。低密
度のものは、直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと
称す)と、より低密度の直鎖状超低密度ポリエチレン
(以下VLDPEと称す)に分類され、通称されている。こ
れらのLLDPE,VLDPEは従来の高圧法低密度ポリエチレン
(以下、単にLDPEと称す)に比べて、引張強度・引裂強
度・衝撃強度等の機械的特性や耐熱性に優れているが、
一方、溶融押出時の負荷が大きい、有機系添加剤の基材
表面へのブリード性に劣る等の欠点を有している。
このようなエチレンα−オレフィン共重合体の組成物
としては、特開昭58−120654号公報に、LLDPEと少量の
エチレン酢酸ビニル共重合体(以下EVAと称す)とから
なる組成物により、ホットタック性・機械的強度等を改
良しようとするものが、開示されている。しかし、この
組成物により得られるフィルムは透明性が十分ではな
く、又、防曇剤等を添加した際にその効果を発揮しづら
いという欠点を有している。
また、特開昭58−113237号公報には、EVAと少量のLLD
PEからなる組成物により、ヒートシール性・剛性等を改
良しようとするものが、開示されている。しかし、この
組成物より得られるフィルムは溶断シール性が十分では
なく、機械包装に対する適性も低いものである。
エチレンα−オレフィン共重合体の組成物及びフィル
ムとしては、米国特許第4425268号明細書に、EVAと少量
のLLDPEと粘着付与剤からなる組成物およびフィルムに
より、柔軟性・機械的強度・クリング性の優れたストレ
ッチフィルムを得ようとするものが、開示されている。
しかし、このフィルムは収縮性フィルムとして用いた場
合には溶断シール性に劣るものである。
収縮包装に適した多層フィルムにエチレンα−オレフ
ィン共重合体を用いる例としては、特開昭60−240451号
公報に、LLDPEと直鎖状中密度ポリエチレン(以下LMDPE
と称す)とEVAからなる2表面層とLLDPEからなる芯層を
有する架橋フィルムにより、ヒートシール性の優れた、
収縮−温度曲線のゆるやかな収縮フィルムを得ようとす
るものが、開示されている。しかし、このフィルムは透
明性、特に収縮後に透明性が劣化する欠点を有してお
り、又、防曇剤のブリード性に劣り、防曇性を付与しづ
らいものである。
また、特開昭62−80043号公報には、VLDPEを含む熱シ
ール性層を有するフィルムにより、収縮性と各種のシー
ル性の優れたフィルムを得ようとするものが、開示され
ている。しかし、このフィルムは透明性・添加剤ブリー
ド性・機械包装特性をトータルに満たすことができない
ものであった。
[発明が解決しようとする課題] 収縮包装に適したフィルムには、優れた収縮特性が要
求されることは当然であるが、他に以下に示すような特
性も必要とされる。
(i)透明性(特に収縮後の透明性)が優れている。
(ii)防曇剤・帯電防止剤等の添加剤のブリードが良
く、十分に特性が発揮される。
(iii)溶断シール性に優れ、機械包装が高速で安定し
て行える。
(iv)引張強度・衝撃強度等の強度に優れている。
しかしながら、エチレンα−オレフィン共重合体は一
般に上記(iv)の強度は優れているものの、上記(i)
〜(iii)の特性は十分とはいえない。
前述の如く、エチレンα−オレフィン共重合体を用い
たフィルムで、上述の収縮包装に必要とされる特性をす
べて満足するようなものは得られていないのが現状であ
る。
本発明の目的は、透明性・添加剤のブリード性・機械
包装適性・フィルム強度という特性をすべて満足する多
層フィルムを提供することである。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、密度0.900〜0.925g/cm3のエチ
レンα−オレフィン共重合体80〜35wt%と酢酸ビニル含
有量5〜20wt%のエチレン酢酸ビニル共重合体20〜65wt
%との混合共重合体に対し非イオン性界面活性剤0.2〜5
wt%の混合物からなる2表面層と、高圧ラジカル法低密
度ポリエチレンを主体とする樹脂からなる内層とを有す
る多層フィルムに関する。
本発明において表面層に用いられるエチレンα−オレ
フィン共重合体とは、エチレンと、例えば、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン
−1、オクテン−1等から選ばれる少なくとも1種のα
−オレフィンを共重合したもので、ヘキセン−1、4−
メチルペンテン−1、オクテン−1が好ましく、4−メ
チルペンテン−1が、より好ましい。その共重合比率
は、共重合体のペンダントメチル基数により示され、炭
素数1000C当り10〜50個のものが好ましく、20〜40個/10
00Cのものがより好ましく、30〜40個/1000Cのものがも
っとも好ましい。このエチレンα−オレフィン共重合体
の密度は0.900〜0.925g/cm3であり、好ましくは0.905〜
0.915g/cm3である。密度0.900g/cm3未満のものはフィル
ム表面がべたつき、密度0.925g/cm3より大きいものは透
明性が低下する。
本発明の表面層に用いられるEVAとは酢酸ビニル含有
量が5〜20wt%、好ましくは10〜17wt%の範囲のもので
ある。酢酸ビニル含有量5wt%未満のものは透明性に劣
り、20wt%より大きいものは押出成形性に劣り、酢酸臭
が強い。
本発明の表面層のエチレンα−オレフィン共重合体と
EVAの比率は、エチレンα−オレフィン共重合体80〜35w
t%に対しEVA20〜65wt%である。EVA比率が、20wt%未
満だと、非イオン性界面活性剤との混練性、ブリード性
に劣るため、防曇性が悪い。EVA比率が65wt%より多い
と溶断シール性に劣る。
本発明の内層に用いる樹脂は高圧ラジカル法低密度ポ
リエチレンを主体とするものである。高圧ラジカル法低
密度ポリエチレンとは従来から市販されている長鎖分岐
を有するエチレンの単独重合体と、エチレン系共重合体
とを意味する。エチレン系共重合体とはエチレンと10wt
%以下の共重合可能なコモノマーを共重合したもの、例
えば、酢酸ビニル含有量10wt%以下のEVA等である。主
体とするとは、上述の高圧ラジカル法低密度ポリエチレ
ンが少なくとも50wt%以上の比率を有することを表わ
し、例えば、高密度ポリエチレン、LLDPE、エチレンプ
ロピレンラバー、ポリプロピレン等のオレフィン系ポリ
マーを50wt%を下まわる範囲で混合してもかまわない。
本発明に用いられる非イオン性界面活性剤とは、例え
ば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコー
ル脂肪酸エステル及びそのエチレンオキサイド付加物、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド、N,
N′−ビスヒドロキシエチルアルキルアミン誘導体から
選ばれる1種又は2種以上の混合物である。この非イオ
ン性界面活性剤は表面層に0.2〜5wt%の範囲で、好まし
くは0.5〜4wt%の範囲で用いられる。0.2wt%未満では
防曇性・帯電防止性等の効果が十分ではなく、5wt%よ
り多いと混練性が不安定となりフィルム製膜性が低下す
るとともに、フィルム表面に汚染がみられる。さらに本
発明の非イオン性界面活性剤を内層にも添加することが
好ましい。内層の樹脂の主体となる高圧ラジカル法低密
度ポリエチレンはフィルムの腰を高める、溶断シール性
を改良する効果があるので、該添加剤を用いることは必
須ではない。しかし、高圧ラジカル法低密度ポリエチレ
ンは、該添加剤との混練性・ブリード性にも優れている
ので、防曇性・帯電防止性等の性質を早期に発揮し、さ
らに、その持続性を改良するために、該添加剤を表面層
より内層に多量に添加することが、より好ましい。この
際、内層に添加する非イオン性界面活性剤の量としては
0.5〜6wt%とすることが好ましい。
本発明のフィルムは、3層以上のフィルムであるが、
例えば3層フィルムの場合、好ましい各層の厚み比率は
表面層/内層/表面層が1/1/1ないし1/20/1の範囲で選
ばれる。また、ガスバリアー性の付与、フィルム弾性率
の向上、層間の接着性の改良等の目的で他の内層をもう
けてもよく、その場合は他の内層の厚みをフィルム全体
の30%以下とすることが好ましい。この際の多層化の方
法としては特に制限がなく、従来慣用されている方法、
例えば共押出法、ラミネート法、コーティング法等の中
から任意の方法を選択して使用できるが、特に共押出法
が好ましい。
上述の如く多層化されたフィルムは延伸せずにそのま
ま用いてもよく、必要に応じて延伸配向させてもよい。
特に熱収縮性フィルムを得ようとする場合、延伸配向さ
せることが好ましく、通常用いられている方法に従い、
要求される収縮性に応じて、1軸又は2軸に方向当り2
〜10倍程度延伸することが好ましい。
さらに、熱収縮性フィルムを得ようとする場合は、延
伸前に架橋処理を行うことが好ましい。例えば、α線、
β線、γ線、中性子線、加速電子線等の電離性放射線を
照射することにより、フィルムのゲル分率を5〜50%に
架橋させることが好ましい。
また本発明のフィルムは、本発明の目的を損わない範
囲で、通常プラスチックフィルムに用いられる各種添加
剤、例えば酸化防止剤・ブロッキング防止剤・スリップ
剤等を所望に応じて含有せしめてもよい。
[実施例] 以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明す
るが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるも
のではない。
なお、実施例中の測定方法、評価方法は、以下の通り
である。
(1)収縮後ヘイズ 150℃の熱風を用い、フィルムを面積収縮率で30%収
縮させた後、ASTM−D−1003法にて測定した。
(2)引張弾性率 ASTM−D−882−81法に準じて測定した。
(3)メルトインデックス(MI) ASTM−D−1238法(E条件)にて測定した。
(4)ゲル分率 沸騰p−キシレンで試料を抽出し、不溶解部分の割合
を次式により示したものである。
(5)ペンダントメチル基 マクロモレキュラー ケミストリー ラピッド コミ
ュニケーション(Makromol.Chem.Rapid Commun.)9(1
988)記載の方法に準じてIR法にて測定した。
(6)初期防曇性 製膜後3日経過したフィルムで、20℃の水のはいった
ビーカーをおおい、冷蔵庫にて、5℃で1時間放置後、
フィルムに付着した水の状態を以下の規準により判定し
て評価した。
5:鏡面状に水膜が形成されたもの 4:ややムラのある水膜となったもの 3:広がった水滴の付着したもの 2:小さい水滴の付着したもの 1:白く曇り、内容物が確認できないもの (7)繰返し防曇性 初期防曇性を測定した後、ビーカー内の水でフィルム
表面を洗い流し、1時間放置した後、5℃の冷蔵庫にて
1時間放置したフィルムを(6)と同様の規準により判
定した。
(8)溶断シール強度 センチネルヒートシーラーに、0.5R×280の溶断刃
を取り付け、150℃、30psi、0.5秒の条件で2枚重ねの1
5mm巾のフィルムを溶断シールし、その直後にフィルム
の1端を固定し、他端に荷重を加えて、シールを剥した
際の荷重を強度とした。
(9)溶断シール温度 センチネルヒートシーラーに0.5R×280の溶断刃を
取り付け、30psi、0.5秒の条件で250mm巾の2枚重ねの
フィルムを溶断シールし、以下の観点で溶断シール下限
温度を評価した。
◎:150℃で完全に溶断できたもの ○:150℃で巾方向に80%以上溶断できたもの △:180℃で完全に溶断できたもの ×:180℃で溶断シールできないもの (10)製膜安定性 フィルムをインフレーション製膜した際の安定性をフ
ィルムの偏肉の大小により、下記の規準で評価した。
◎:偏肉10%未満でバブルのゆれのないもの ○:偏肉10〜20%でややバブルのゆれるもの △:偏肉20%より大で、バブルのゆれの大きいもの ×:インフレーション不能のもの 実施例に使用した樹脂のリストを以下に記す。
VLDPE−a:(密度=0.910g/cm3,MI=3.6g/10分,コモノ
マー=4−メチルペンテン−1、ペンダントメチル基=
34個/1000C) VLDPE−b:(密度=0.912g/cm3,MI=3.3g/10分,コモノ
マー=オクテン−1、ペンダントメチル基=18個/1000
C) VLDPE−c:(密度=0.915g/cm3,MI=2.0g/10分,コモノ
マー=4−メチルペンテン−1、ペンダントメチル基=
29個/1000C) VLDPE−d:(密度=0.905g/cm3,MI=0.8g/10分,コモノ
マー=オクテン−1、ペンダントメチル基=23個/1000
C) LLDPE−a:(密度=0.920g/cm3,MI=1.0g/10分,コモノ
マー=オクテン−1、ペンダントメチル基=14個/1000
C) LMDPE−a:(密度=0.935g/cm3,MI=2.5g/10分,コモノ
マー=オクテン−1、ペンダントメチル基=7個/1000
C) EVA−a:(酢酸ビニル含有量=15wt%,MI=2.3g/10分) EVA−b:(酢酸ビニル含有量=25wt%,MI=2.0g/10分) EVA−c:(酢酸ビニル含有量=5wt%,MI=2.0g/10分) EVA−d:(酢酸ビニル含有量=6wt%,MI=0.3g/10分) LDPE−a:(密度=0.919g/cm3,MI=2.0g/10分) LDPE−b:(密度=0.928g/cm3,MI=0.5g/10分) まず、本発明の表面層のエチレンα−オレフィン共重
合体とEVAの比率を単層フィルムを用いて検討し、その
結果に基き、実施例、比較例を行った。
実験例1 EVA−aを押出機に供給し、さらに、非イオン性界面
活性剤としてジグリセリンモノオレエートを2wt%、押
出機に注入し、混練し、200℃で環状ダイから押出し、
急冷することにより、600μ厚みのチューブ状フィルム
を成形した。このチューブ状フィルムをフラットにし、
電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製)でゲル分率
20%となるよう架橋させ、次にチューブを130℃に加熱
し、MD7倍、TD5.7倍にインフレーションし、15μ厚みの
フィルムを得た。これを実験No.1とする。
また、第1表に示す組成を用いて実験No.1と同様の方
法でフィルムを得た。これを実験No.2〜8とする。実験
No.1〜8のフィルムの物性を第1表に併せて記し、更
に、第1図〜第3図にグラフとして示した。
第1図〜第3図の横軸は原料樹脂組成の比率を表わ
し、左端はエチレンα−オレフィン共重合体100%でEVA
0%の点であり、右へ行くほどEVAの比率が増し、右端は
EVA100%の点である。縦軸は第1図においては初期防曇
性・第2図においては溶断シール強度・第3図において
は収縮後のヘイズを表わす。
第1図より明らかなように、実験No.6(従来技術、特
開昭58−120654号公報の組成物を用いたフィルムに対
応)は防曇性・溶断シール性はまずまずだが、収縮後の
フィルムが白化し、透明性に劣るものであった。実験N
o.7(従来技術特開昭58−113237号公報、または、米国
特許第4425268号明細書の組成物を用いたフィルムに対
応)は溶断シール性に劣るものであった。実験No.8(従
来技術、特開昭60−240451号公報の表面層の組成を用い
たフィルムに対応)は非イオン性界面活性剤との混練性
が低く、ブリードしづらいため、防曇性が劣悪となり、
又、収縮後の透明性にも劣るというものであった。
VLDPEとEVAの混合系、つまり実験No.1〜5において
も、その両端の実験No.1は溶断シール性に劣り、実験N
o.5(従来技術、特開昭62−80043号公報に対応)は非イ
オン性界面活性剤との混練性・ブリード性に劣るため、
防曇性の悪いものである。
第1図より好ましい範囲を検討すると、初期防曇性
(第1図)からはEVA比率が30〜100%、溶断シール性
(第2図)からはEVA比率が0〜50%となり、透明性
(第3図)は全範囲において良好であることにより、EV
A比率30〜50%の範囲において、3つの観点からの評価
をすべて満足したバランスの良い単層フィルムが得られ
ると認められる。
実施例1〜3・比較例1〜4 表面層用押出機にVLDPE−a40wt%とEVA−a60wt%の混
合物を、内層用押出機にLDPE−aを供給し、多層ダイを
用いて押出し、急冷することにより、表面層/内層/表
面層=90μ/420μ/90μ、トータル600μのチューブ状フ
ィルムを成形した。この際、非イオン性界面活性剤とし
て、ジグリセリンモノオレエートを表面層に対して2wt
%、内層に対して3wt%を押出機に注入し、混練した。
このチューブ状フィルムをフラットにし、電子線照射装
置によりゲル分率20%に架橋した後、135℃でMD7倍、TD
6.6倍に延伸し、13μ厚みのフィルムを得た。これを実
施例1とする。
また第2表に示す樹脂・非イオン性界面活性剤の比率
に従って、実施例1と同様にフィルムを得た。これを実
施例2,3、比較例1〜4とする。
第2表に掲げたフィルムについて説明すると、比較例
1〜3はEVAとVLDPEの混合比率の異なる樹脂からなる単
層フィルムであり、実施例1〜3はそれぞれ比較例1〜
3と同一樹脂組成からなる表面層を有する多層フィルム
である。比較例4は従来技術、特開昭60−240451号公報
に対応するフィルムである。第2表に、これらのフィル
ムについて、製膜安定性、防曇性、機械包装を行う際に
重要となる特性値である引張弾性率と溶断シール温度を
評価した結果を併せて記した。
第2表から明らかなように、実施例3と比較例3を比
較すると、VLDPEの比率の多い単層の比較例3では溶断
シール性は良好なものの、防曇性が劣悪でフィルムとし
て使用し難いものであったが、LDPEを内層に用いること
により、初期、繰返し防曇性が飛躍的に向上している。
また、実施例1と比較例1を比較すると、EVAの比率の
多い単層の比較例1は防曇性はまずまずだが、溶断シー
ル強度をはじめとする機械包装適性に関する特性にやや
難点があったのに対して、多層化によりフィルムの腰を
示す引張弾性率および溶断シール温度が改善されてい
る。次に、実施例2と比較例2を比較すると、単層の比
較例2は比較的バランスのとれたフィルムであったが、
製膜安定性、繰返し防曇性、引張弾性率の特性が十分と
はいえなかったのに対して、多層フィルムの実施例2は
製膜安定性に優れ、防曇性能が高く、フィルムの腰があ
り、溶断シール強度・温度が良好な、極めて優秀なフィ
ルムである。
このように単層では欠点を有し使用できなかった樹脂
組成のものを表面層に用い、多層化することにより高い
性能を有するフィルムが得られるようになった。
実施例4〜6・比較例5 実施例1と同様の方法を用いて、第3表記載の構成で
フィルムを得た。第3表にこれらのフィルム及び、実施
例2を物性と機械包装適性を評価した結果を併記した。
本発明の多層フィルムの有用性の評価としての機械包装
テスト及び評価は以下に示す方法で行った。
(有用性の評価) ピローシュリンク包装機(FP−280型:茨木精機製)
を用いて、内容物としてキュウリ2本を使い、包装速度
30個/分の条件で包装テストを行った。この包装機はフ
ィルムを円筒状に成形した後に円筒の中に内容物を挿入
し、前後を溶断シールし、ラフな包装を行った後に、熱
風によりフィルムを収縮させ、タイトに包装を完了する
という方式のものである。包装適性の評価は以下の規準
で行った。
(1)走行安定性(走行不良は溶断シール間隔のバラツ
キとして発現するので、これを評価規準とした。) ◎:溶断シール間隔が一定で安定しているもの ○:溶断シール間隔がややバラツクもの △:溶断シール間隔のバラツキ大なもの ×:包装途中にフィルム破れの発生するもの (2)滑り性 ◎:フィルムが機械、内容物と滑りの良好なもの ○:フィルムが機械にひっかかり、異音のするもの △:フィルムが機械にひっかかり、包装ロスが5%以上
発生するもの ×:同上ロスが10%以上のもの (3)シールパンク(熱風加熱時にシールが開くこと) ◎:シールパンクの発生のないもの ○:熱風加熱時にシール開きが1%未満のもの △:熱風加熱時にシール開きが1%以上3%未満のもの ×:溶断シール後、シールの開くもの (4)シワ ◎:シワのないタイトな包装が行えるもの ○:ややユルミのある包装がまれに起るもの △:包装体にややシワのあるもの ×:包装体がシワだらけのもの 第3表から明らかなように、本発明の多層フィルム、
実施例2,4〜6は、製膜安定性に優れ、つまり、生産性
が高く、フィルム厚みのバラツキが少なく、透明性・防
曇性が優れており、包装時のディスプレー効果の高いも
のである。さらに機械包装時に重要となる溶断シール
性、引張弾性率等の特性値にも優れ、実際に包装テスト
を行った結果、フィルムの腰があり、滑り剤としての効
果も有する非イオン性界面活性剤が適度にブリードして
おり、走行安定性・滑り性が良好であり、溶断シールも
強固にまた安定して行え、シワのないタイトな包装が成
し遂げられた。これに対して、比較例5の単層フィルム
は、上述の諸特性に劣り、包装テストの結果、フィルム
の腰の不足等から、安定な包装が行えず、溶断シールや
収縮のバラツキが大きい、実用性の低いフィルムであっ
た。
[発明の効果] 本発明の多層フィルムは、その使用目的に応じて、表
面層組成を幅広く選択し、優れた特性を得ることを可能
とし、さらに表面層と内層の相乗効果により、透明性、
添加剤ブリード性、フィルム強度が優れており、また高
度の機械包装適性を有するとともに、仕上りの美しい包
装物を与えるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、フィルムの原料樹脂比率と初期防曇性の関係
を示すグラフ、第2図は、フィルムの原料樹脂比率と溶
断シール強度の関係を示すグラフ、第3図は、フィルム
の原料樹脂比率と収縮後ヘイズの関係を示すグラフであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度0.900〜0.925g/cm3のエチレンα−オ
    レフィン共重合体80〜35wt%と酢酸ビニル含有量5〜20
    wt%のエチレン酢酸ビニル共重合体20〜65wt%との混合
    共重合体に対し非イオン性界面活性剤0.2〜5wt%の混合
    物からなる2表面層と、高圧ラジカル法低密度ポリエチ
    レンを主体とする樹脂からなる内層とを有する多層フィ
    ルム。
JP1276112A 1989-10-25 1989-10-25 多層フィルム Expired - Lifetime JPH0825260B2 (ja)

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