JPH08249617A - スピンバルブ磁気抵抗効果素子 - Google Patents

スピンバルブ磁気抵抗効果素子

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JPH08249617A
JPH08249617A JP7047603A JP4760395A JPH08249617A JP H08249617 A JPH08249617 A JP H08249617A JP 7047603 A JP7047603 A JP 7047603A JP 4760395 A JP4760395 A JP 4760395A JP H08249617 A JPH08249617 A JP H08249617A
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layer
soft magnetic
magnetic layer
sense region
spin valve
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JP7047603A
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English (en)
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Hitoshi Kanai
均 金井
Masaaki Kanamine
理明 金峰
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スピンバルブ磁気抵抗効果素子に関し、信号磁
界を読み出すセンス領域の幅を精度良くに画定し、かつ
再生用電気信号にノイズが混入することを抑制するこ
と。 【構成】第1の軟磁性層12と、前記第1の軟磁性層1
2表面において外部からの信号磁界を検出するセンス領
域Sにのみ重ねられた非磁性金属層13と、前記第1の
軟磁性層12及び前記非磁性金属層13に重ねて形成さ
れた第2の軟磁性層14と、前記第2の軟磁性層14に
重ねて形成された反強磁性層15と、センス領域Sの両
側で前記反強磁性層15又は前記第1の軟磁性層12に
重ねて形成された一対の引出電極16A,16Bを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピンバルブ磁気抵抗
効果素子に関し、より詳しくは、磁気記録媒体からの情
報信号を読み出すに際し、スピンバルブ磁気抵抗効果を
利用して磁気記録媒体からの磁界の変化を電気抵抗率の
変化に変換して信号情報を読み取るスピンバルブ磁気抵
抗効果素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク、磁気カード、磁気テー
プ等の磁気記録媒体から情報信号を読み出す素子とし
て、スピンバルブ磁気抵抗効果を利用したスピンバルブ
磁気抵抗効果素子が特開平4−358310号公報にお
いて提案されている。そのスピンバルブ磁気抵抗効果素
子は、例えば図7(a),(b) に示すような構造を有してい
る。図において、非磁性金属層3、上側の磁性層4、反
強磁性層5が順に形成され、下側の磁性層2から反強磁
性層5までの各層は平面が長方形となっている。また、
反強磁性層5上には、その長手方向に間隔をおいて一対
の引出電極6a,6bが形成され、これによりスピンバ
ルブ磁気抵抗効果素子が構成される。それらの層を構成
する材料として例えば第一及び上側の磁性層2,4には
鉄ニッケル(NiFe)、非磁性金属層3には銅(Cu)、反
強磁性層5には鉄マンガン(FeMn)が使用される。な
お、図中z軸は膜厚方向を示す。上側の磁性層4は反強
磁性層5と交換結合することにより磁化され、その磁化
方向は幅方向(図中x軸方向)となっている。また、下
側の磁性層2は、長手方向(図中y軸方向)に磁化さ
れ、外部磁界Hが零の場合に上側の磁性層4の磁化方向
と直交することが理想的である。なお、外部磁界Hは磁
気記録媒体からの磁界であり、各層の幅方向(x軸方
向)に発生する。上側の磁性層4の磁化方向は磁気記録
媒体の面に対して垂直方向であり、下側の磁性層2の磁
化方向は磁気記録媒体の面に沿った方向である。
【0003】そのようなスピンバルブ磁気抵抗効果素子
に外部磁界Hがかかると、その外部磁界の強さ、方向に
応じた大きさに下側の磁性層の磁化方向が傾く。下側の
磁性層2の磁化方向のうち上側の磁性層4の磁化方向と
反対向きの成分は、それらの層を通る電子を散乱させる
要因となり、層全体の電気抵抗を増加させる。これに対
して、下側の磁性層2の磁化方向のうち上側の磁性層4
の磁化方向と同じ向きの成分は、層全体を通る電子を散
乱させない要因となり、層全体の電気抵抗を減少させ
る。
【0004】下側の磁性層2の磁化方向と上側の磁性層
4の磁化方向の角度差θの余弦値、即ち cosθに比例し
てセンス電流領域の電気抵抗が変化する。なお、外部磁
界Hが零の状態で、下側の磁性層2の磁化方向を上側の
磁性層4の磁化方向に直交させる目的は、磁気記録媒体
からの信号磁界に対する抵抗変化を線形に変化させるた
めである。この信号磁界Hは上側の磁性層4の磁化方
向、即ち固定磁化方向と同じか逆の方向に印加される。
【0005】これにより、図7(c) に示すような外部磁
界Hと電気抵抗ΔRの関係が得られる。磁気記録媒体か
らの信号磁界を電気信号に変換する場合には、一対の引
出電極6a,6bの間に定電流を流すことにより、信号
磁界による電気抵抗の変化を電圧の変化に変える。その
電圧の変化が再生用電気信号となる。上記のスピンバル
ブ磁気抵抗効果素子では、スピンバルブ磁気抵抗効果に
よって信号磁界を読み出す領域であるセンス領域の幅
を、引出電極の間隔によって決定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な層構造によれば、図7(b) に示すように引出電極6a
の下にある、磁気記録媒体の隣のトラックの信号磁界H
t が、引出電極6a,6b直下の軟磁性層2,4を介し
てセンス領域Sに漏れ、これが原因で再生用電気信号に
ノイズが混入するという問題が生じていた。
【0007】また、センス領域Sは2つの引出電極6
a,6bの間隔で本来決定されるべきだが、実際には引
出電極6a,6bの間よりも広い領域でスピンバルブ磁
気抵抗効果が生じるため、信号磁界を読み出すセンス領
域がぼやけてその領域を明確に確定すること難しかっ
た。本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであ
って、信号磁界を読み出すセンス領域の幅を精度良く画
定し、かつ再生用電気信号へのノイズの混入を抑制する
スピンバルブ磁気抵抗効果素子を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、図1
(a),(b) に例示するように、第1の軟磁性層12と、前
記第1の軟磁性層12表面において外部からの信号磁界
を検出するセンス領域Sにのみ重ねられた非磁性金属層
13と、前記第1の軟磁性層12及び前記非磁性金属層
13に重ねて形成された第2の軟磁性層14と、前記第
2の軟磁性層14に重ねて形成された反強磁性層15
と、センス領域Sの両側で前記反強磁性層15又は前記
第1の軟磁性層12に重ねて形成された一対の引出電極
16A,16Bを有することを特徴とするスピンバルブ
磁気抵抗効果素子により解決する。
【0009】または、図2(a),(b) 、図3(a),(b) に例
示するように、第1の軟磁性層22と、前記第1の軟磁
性層22に重ねて形成され、且つ外部からの信号磁界を
検出するセンス領域Sよりもその周囲の膜厚が厚い非磁
性金属層23と、前記第1の軟磁性層22及び前記非磁
性金属層22に重ねて形成された第2の軟磁性層24
と、前記第2の軟磁性層24に重ねて形成された反強磁
性層25とを有することを特徴とするスピンバルブ磁気
抵抗効果素子により解決する。
【0010】さらに、図2(a),(b) に例示するように、
前記センス領域Sの両側にある前記反強磁性層25と前
記第2の軟磁性層22のいずれかに前記引出電極26
A,26Bが形成されていることを特徴とするスピンバ
ルブ磁気抵抗効果素子により解決する。また図4、図6
(b) に例示するように、外部からの信号磁界を検出する
センス領域Sにのみ形成された第1の軟磁性層32と、
前記第1の軟磁性層32に重ねて形成され、且つセンス
領域Sの周囲に延在して形成された非磁性金属層33
と、前記非磁性金属層33に重ねて形成された第2の軟
磁性層34と、前記第2の軟磁性層に重ねて形成された
反強磁性層35と、センス領域Sの両側の領域にある前
記反強磁性層35又は前記第1の軟磁性層32のいずれ
かに重ねて形成された一対の引出電極36A,36Bを
有することを特徴とするスピンバルブ磁気抵抗効果素子
により解決する。
【0011】
【作 用】本発明に係る第1のスピンバルブ磁気抵抗効
果素子によれば、第1の軟磁性層と第2の軟磁性層の間
に形成される非磁性金属層をセンス領域にのみ形成して
いる。このため、スピンバルブ磁気抵抗効果が生じる領
域がその非磁性金属層の形成範囲によって決まり、セン
ス領域が精度良く画定され、この結果、センス領域の周
囲に入ってくる磁界によるノイズが低減される。
【0012】本発明に係る第2のスピンバルブ磁気抵抗
効果素子によれば、第1の軟磁性層と第2の軟磁性層の
間に形成される非磁性金属層のうちセンス領域の両側の
膜厚を厚くしている。このため、センス領域の両側でス
ピンバルブ磁気抵抗効果が生じ難くなるので、膜厚の薄
い非磁性金属層の形成範囲によってセンス領域が決ま
り、センス領域が精度良く画定され、この結果、センス
領域の周囲に入ってくる磁界によるノイズが低減され
る。
【0013】また、センス領域の両側の非磁性金属層
を、引出電極として使用できるように厚く形成すること
により、素子全体の薄層化が図れる。本発明に係る第3
のスピンバルブ磁気抵抗効果素子によれば、非磁性金属
層の上下に形成される第1及び第2の軟磁性層のうち反
強磁性層が形成されない側の第1の軟磁性層をセンス領
域にのみに形成している。このため、センス領域の両側
ではスピンバルブ磁気抵抗効果が生じないので、その第
1の軟磁性層の形成範囲によって決まり、センス領域が
精度良く画定され、この結果、センス領域の周囲に入っ
てくる磁界によるノイズが低減される。
【0014】
【実施例】そこで、以下に本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。 (第1実施例)以下で本発明の第1実施例に係るスピン
バルブ磁気抵抗効果素子について説明する。図1(a)
は、本発明の第1実施例のスピンバルブ磁気抵抗効果素
子を示すものである。
【0015】図1(a) において11はアルミナ(Al
2O3 )からなる基板であって、12はNiFeからなる第1
の軟磁性層である。この膜は、スパッタリングあるいは
蒸着等により基板11上に20〜50Å程度の厚さに成
膜される。13は、第1の軟磁性層12の上に形成され
たCu又はAuからなる非磁性金属層で、スパッタリングあ
るいは蒸着等により20〜50Å程度の厚さに形成され
ている。この非磁性金属層13は、センス領域をレジス
トマスク(不図示)で覆った状態でイオンミリング法で
非磁性金属層13をパターニングして、後の工程で形成
される2つの引出電極16A,16Bの間に20μm程
度の幅(図中Y方向)で残す。
【0016】14は、第1の軟磁性層12及び非磁性金
属層13の上に形成されたNiFeからなる第2の軟磁性層
であり、スパッタリングあるいは蒸着等により20〜5
0Å程度の膜厚に形成されている。また、15は、第2
の軟磁性層14の上に形成されたFeMn膜からなる反強磁
性層であって、スパッタリング、蒸着等によって20〜
50Å程度の膜厚に形成される。
【0017】第2の軟磁性層14の磁化は、反強磁性層
15と交換結合して図中X軸方向に固定されている。ま
た、第1の軟磁性層12は、外部磁界が無い状態で第2
の軟磁性層14の磁化方向と直交する方向(図中Y軸方
向)に磁化されている。X軸は、Z軸(膜厚方向)とY
軸に直交している。第1の軟磁性層12から反強磁性層
15は、イオンミリングを用いてパターニングされ、矩
形状の領域に残される。
【0018】さらに、非磁性金属層13の両側の領域の
反強磁性層15の上には、Auからなる一対の引出電極1
6A,16Bが1000〜2000Å程度の膜厚に形成
されている。上述のスピンバルブ磁気抵抗効果素子を用
いて磁気記録媒体からの信号磁界を電気信号に変換する
場合には、一対の引出電極16A,16Bの間に定電流
を流すことにより、信号磁界の変動に応じて生じる電気
抵抗の変化を電圧の変化に変える。その電圧の変化が再
生用電気信号として取り出される。
【0019】本実施例に係るスピンバルブ磁気抵抗効果
素子によれば、図1(a) に示すように、非磁性金属層1
3が引出電極16A,16Bの形成領域の間にのみ形成
されているので、引出電極16A,16Bの下では非磁
性金属層13が存在せずに第1の軟磁性層12と第2の
軟磁性層14が直に接触している。これにより、引出電
極16A,16Bの直下にある第1の軟磁性層12の磁
化は、反強磁性層15によって第2の軟磁性層14の磁
化と同方向(X方向)に固定され、この領域ではスピン
バルブ磁気抵抗効果が生じないので、センス領域Sは引
出電極16A,16Bの間の領域のみに画定される。
【0020】したがって、上記スピンバルブ磁気抵抗効
果素子によれば磁気記録媒体(不図示)の本来読み出さ
れるべきトラックの隣のトラックの信号磁界が引出電極
16A,16B直下の領域に入ったとしても、そこでス
ピンバルブ磁気抵抗効果が生じることがないので、再生
電気信号へのノイズの混入が抑止される。本実施例に係
るスピンバルブ磁気抵抗効果素子の構造の変形例として
図1(b)に示すようなものがある。この例は図1(a) の
構造とは逆の積層構造となっている。
【0021】図1(b) において、アルミナからなる基板
11の上にNiO からなる膜厚20〜50Åの反強磁性層
15、NiFeからなる膜厚20〜50Åの第2の軟磁性層
14が順次形成されている。また、センス領域Sにある
第2の軟磁性層14の上には、膜厚20〜50ÅのCu又
はAuからなる非磁性金属層13が形成されている。さら
に、非磁性金属層13及び第2の軟磁性層14の上に
は、20〜50Åの厚さの第1の軟磁性層12が形成さ
れ、この第1の軟磁性層12の上であってセンス領域S
の両側にはAuよりなる引出電極16A,16Bが形成さ
れている。
【0022】図1(b) に示すスピンバルブ磁気抵抗効果
素子においても、引出電極16A,16Bの下にある第
1の軟磁性層12の磁化は、反強磁性層15によって第
2の軟磁性層14と同じX軸方向に固定されるので、セ
ンス領域Sの両側ではスピンバルブ磁気抵抗効果が生じ
ない。即ち、センス領域Sは非磁性金属層13が形成さ
れている領域で画定され、この結果、センス領域Sの周
囲の外部磁化によるノイズが低減する。
【0023】なお、非磁性金属層13のY方向の幅と2
つの引出電極16A,16Bの間隔は必ずしも一致する
必要はなく、引出電極16A,16Bの間隔をセンス領
域Sよりも広くしてもよい。しかし、非磁性金属層13
の無い領域の第1及び第2の軟磁性層12,14と反強
磁性層15からなる積層構造は電気抵抗が高くなり、こ
の積層構造に電流を流すと発熱するおそれがあるので、
非磁性金属層13のY方向の幅と2つの引出電極16
A,16Bの間隔を等しくするのが望ましい。
【0024】なお、図1(b) に示すスピンバルブ磁気抵
抗効果素子では、反強磁性層15の材料としてNiO を用
いているが、CoMn或いはNiMnであっても同様の効果を奏
する。 (第2実施例)以下で本発明の第2実施例に係るスピン
バルブ磁気抵抗効果素子について説明する。図2,図3
は、本発明の第2実施例のスピンバルブ磁気抵抗効果素
子を示すものである。
【0025】図2において、アルミナからなる基板21
の上にはNiFeからなる第1の軟磁性層22が形成されて
いる。この第1の軟磁性層22は、スパッタリングある
いは蒸着等により20〜50Å程度の厚さに形成され
る。第1の軟磁性層22の上には、Cuからなる非磁性金
属層23がスパッタ又は蒸着によって形成されている。
この非磁性金属層23は、センス領域Sの両側では膜厚
が200〜500Å程度と厚く、センス領域Sでは膜厚
が10〜50Å程度と薄く形成されている。
【0026】非磁性金属層23を形成する場合には、ス
パッタリングあるいは蒸着等により第1の軟磁性層12
上の全体に10〜50Å程度の厚さにCu膜23Aを形成
した後に、リフトオフ法によりセンス領域Sの両側に再
びCu膜23Bを200〜500Åの厚さに形成する。非
磁性金属層23の上には、NiFeからなる第2の軟磁性層
24とFeMnからなる反強磁性層25がスパッタリング、
蒸着等により順に形成され、それらの膜厚は20〜50
Å程度となっている。
【0027】第2の軟磁性層24の磁化は、反強磁性層
25と交換結合して図中X軸方向に固定されている。ま
た、第1の軟磁性層22は、外部磁界が無い状態で第2
の軟磁性層24の磁化方向と直交する方向(図中Y軸方
向)に磁化されている。X軸は、Z軸(膜厚方向)とY
軸に直交している。第1の軟磁性層22から反強磁性層
25までの各層は、イオンミリングを用いてパターニン
グされ、矩形状の領域に残される。
【0028】さらに、センス領域Sの両側の反強磁性層
25の上には、Auからなる一対の引出電極26A,26
Bが1000〜2000Åの膜厚に形成されている。こ
のスピンバルブ磁気抵抗効果素子も第1実施例と同様な
方法によって磁気記録媒体からの信号磁界を電気信号に
変換する。本実施例によれば、図2(a) に示すように、
非磁性金属層23は、一対の引出電極26A、26Bの
下では200〜500Å程度と厚いCu膜23Bからな
り、また、2つの引出電極26A,26Bの間のセンス
領域Sでは膜厚が10〜50Å程度と薄く形成されてい
る。
【0029】このため、センス領域Sの両側の非磁性金
属層23Bの膜厚は厚いので、引出電極26A、26B
の間に流れる電流は、引出電極26A、26Bの下の領
域では主に厚い非磁性金属層23を流れるのでスピンバ
ルブ磁気抵抗効果が生じ難くなる。しかも、その引出電
極26A、26Bの下の領域では、第1の軟磁性層22
と第2の軟磁性層24の間隔が大きくなるので、第1及
び第2の軟磁性層22,24の間での磁化の相互作用が
ほとんど生じなくなり、スピンバルブ磁気抵抗効果が大
幅に低減する。
【0030】これにより、センス領域Sは、一対の引出
電極26A,26Bの間にある非磁性金属層23Bの幅
によって精度良く画定される。本実施例の変形例として
図2(b) に示すようなものがある。この例は図2(a)の
構造とは逆の積層構造となっている。図2(b) におい
て、アルミナからなる基板21の上に、NiO からなる膜
厚20〜50Åの反強磁性層25、NiFeからなり膜厚2
0〜50Åの第2の軟磁性層24が順次形成されてい
る。また、第2の軟磁性層24の上には非磁性金属層2
3が形成され、この非磁性金属層23は、センス領域S
に形成された膜厚10〜50Å程度のCu膜23Aとセン
ス領域Sの両側に形成された膜厚200〜500Å程度
のCu膜23Bから構成されている。さらに、非磁性金属
層23の上には第1の軟磁性層22が形成され、センス
領域Sの両側にはAuからなる一対の引出電極26A,2
6Bが形成されている。
【0031】この例でも図2(a) に示すスピンバルブ磁
気抵抗効果素子と同様に、引出電極26A,26Bの下
の領域では、スピンバルブ磁気抵抗効果を生じ難くなっ
ているので、引出電極26A,26Bの間にある薄い非
磁性金属層23の幅によってセンス領域Sが精度良く画
定される。ところで、非磁性金属層23は、センス領域
Sの両側で膜厚が厚くなっているので、その膜厚が厚い
部分を引出電極として兼用することもできる。即ち、図
2(a),(b) に示すような構造から引出電極26A,26
Bを省略して図3(a),(b)に示すような構造を採用して
もよい。この場合、引出電極となる部分は、第1及び第
2の軟磁性層22,24及び非磁性金属層23は矩形状
領域から引き出される。
【0032】これにより、スピンバルブ磁気抵抗効果素
子を小規模に作製することが可能になる。なお、図2
(b) に示す素子では、反強磁性層25の材料としてNiO
を用いているが、CoMn或いはNiMnであっても同様の効果
を奏する。また、非磁性金属層23の材料としてはCuの
他にAuがある。 (第3実施例)以下で本発明の第3実施例に係るスピン
バルブ磁気抵抗効果素子について説明する。図4は、本
発明の第3実施例のスピンバルブ磁気抵抗効果素子を示
すものである。
【0033】図4において、アルミナからなる基板31
の上には、NiFeからなる第1の軟磁性層32がセンス領
域Sに20〜50Å程度の厚さに形成されている。この
第1の軟磁性層32は、スパッタリング、蒸着等により
基板11上に形成され、イオンミリングとレジストマス
クを使用するフォトリソグラフィーによってパターニン
グされる。この第1の軟磁性層32は、図中Y軸方向に
20μmの幅を有している。
【0034】第1の軟磁性層32と基板31の上には、
Cuからなる非磁性金属層33と、NiFeからなる第2の軟
磁性層34と、FeMnからなる反強磁性層35がスパッタ
リング、蒸着等によりそれぞれ20〜50Å程度の厚さ
に順に形成されている。第2の軟磁性層34の磁化は、
反強磁性層35と交換結合して図中X軸方向に固定され
ている。また、第1の軟磁性層32は、外部磁界が無い
状態で第2の軟磁性層34の磁化方向と直交する方向
(図中Y軸方向)に磁化されている。X軸は、Z軸(膜
厚方向)とY軸に直交している。
【0035】第1の軟磁性層32から反強磁性層35
は、イオンミリングを用いてパターニングされ、矩形状
の領域に残される。さらに、第2の軟磁性層34表面の
うちセンス領域Sの両側には、Auからなる一対の引出電
極36A,36Bがリフトオフにより形成され、これら
の引出電極36A,36の間の領域に第1の軟磁性層3
2が存在する状態となっている。
【0036】磁気記録媒体からの信号磁界を上述のスピ
ンバルブ磁気抵抗効果素子を用いて電気信号に変換する
場合には、一対の引出電極36A,36Bの間に定電流
を流すことにより、信号磁界の変動に応じて生じる電気
抵抗の変化を電圧の変化に変える。その電圧の変化が再
生用電気信号として取り出される。本実施例によれば、
図4に示すように、第1の軟磁性層32が引出電極36
A,36Bの形成領域の間にのみ形成されている。
【0037】このスピンバルブ磁気抵抗効果素子も第1
実施例と同様な方法によって磁気記録媒体からの信号磁
界を電気信号に変換する。この素子においてスピンバル
ブ磁気抵抗効果が生じるのは第1の軟磁性層32が形成
されている領域だけなので、引出電極36A,36Bの
下ではスピンバルブ磁気抵抗効果が全く生じない。これ
により、センス領域Sは引出電極36A,36Bの間の
第1の軟磁性層32により高精度に画定される。
【0038】これにより、磁気記録媒体の本来読み出さ
れるべきトラックに隣接するトラックの信号磁界がノイ
ズとして再生用電気信号に取り込まれ難くなる。なお、
図4に示すスピンバルブ磁気抵抗効果素子では、非磁性
金属層33としてCuを用いているが本発明はこれに限ら
ず、例えばAuのように非磁性の金属層であればどのよう
な膜であっても同様の効果を奏し、また、反強磁性層3
5としてFeMnを用いているが本発明はこれに限らず、例
えばCoMnやNiMnやNiO などのような反強磁性材料であれ
ばよい。 (第4実施例)以下に、本発明の第4実施例に係るスピ
ンバルブ磁気抵抗効果素子を製造工程に沿って説明す
る。
【0039】まず、図5(a) に示すように、アルミナか
らなる基板41の上にNiO からなる反強磁性層42,Ni
Feからなる第2の軟磁性層43,Cuからなる非磁性金属
層44,NiFeからなる第1の軟磁性層45をそれぞれ2
0〜50Åの厚さに順に形成する。そして、それらの層
をパターニングしてセンス領域Sを含む矩形状の領域に
残した後に、第1の軟磁性層45表面のうちセンス領域
Sにレジスト46を選択的に形成する。
【0040】次に、図5(b) に示すように、レジスト膜
46をマスクにしてイオンミリングによってレジスト4
6に覆われない領域の第1の軟磁性層45を除去し、第
1の軟磁性層45Aをセンス領域Sだけに残す。続い
て、図6(a) に示すように、全面にスパッタで1000
〜2000Å程度の厚さにAu膜47A〜47Cを堆積
し、その後、レジスト膜46を溶剤で除去すると、図6
(b) に示すように、第1の軟磁性層45Aの両側に隣接
して一対の引出電極47A,47Bが形成され、これに
よりスピンバルブ磁気抵抗効果素子が完成する。
【0041】このようにして形成されたスピンバルブ磁
気抵抗効果素子は、図6(b) に示すように、一対の引出
電極47A,47Bの間の領域にのみ第1の軟磁性層4
5Aが形成されている。スピンバルブ磁気抵抗効果素子
でスピンバルブ磁気抵抗効果が生じるのは、非磁性金属
層44を挟む第1及び第2の軟磁性層43,45Aから
なる積層構造が形成されている領域であって、そのよう
な積層構造を有しない引出電極47A,47Bの直下の
領域ではスピンバルブ磁気抵抗効果が全く生じない。
【0042】これにより、第3実施例と同様にセンス領
域Sを引出電極47A,47Bの間で精度良く画定でき
るので、センス領域S以外に入る磁気ノイズの影響を受
け難くなる。また、図5及び図6に示す工程によれば、
本実施例のスピンバルブ磁気抵抗効果素子を製造する際
に、第1の軟磁性層45Aをイオンミリングで選択形成
する際のマスクとなるレジスト膜46を、同時に引出電
極47A,47Bを選択形成する際のリフトオフ用のマ
スクとして用いているので、製造工程を短縮することが
可能になる。
【0043】なお、図6(b) に示す素子では、非磁性金
属層43の材料としてCuを用いているが、Auなどの非磁
性の導電性金属材料を用いてもよい。また、反強磁性層
41の材料としてNiO を用いているが、例えばCoMnやNi
MnやFeMnを用いてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る第1のス
ピンバルブ磁気抵抗効果素子によれば、第1の軟磁性層
と第2の軟磁性層の間に形成される非磁性金属層をセン
ス領域にのみ形成しているので、スピンバルブ磁気抵抗
効果が生じるセンス領域をその非磁性金属層の形成範囲
によって精度良く画定でき、この結果、センス領域の周
囲に入ってくる磁界によるノイズを低減できる。
【0045】また、本発明に係る第2のスピンバルブ磁
気抵抗効果素子によれば、第1の軟磁性層と第2の軟磁
性層の間に形成される非磁性金属層のうちセンス領域の
両側の膜厚を厚くしているので、センス領域の両側でス
ピンバルブ磁気抵抗効果が生じ難くなり、膜厚の薄い非
磁性金属層の形成範囲によってセンス領域を精度良く画
定でき、この結果、センス領域の周囲に入ってくる磁界
によるノイズを低減できる。
【0046】この素子において、センス領域の両側の非
磁性金属層を、引出電極として使用できるように厚く形
成することにより、素子全体の薄層化が図れる。さら
に、本発明に係る第3のスピンバルブ磁気抵抗効果素子
によれば、非磁性金属層の上下に形成される第1及び第
2の軟磁性層のうち反強磁性層が形成されない側の第1
の軟磁性層をセンス領域にのみに形成しているので、セ
ンス領域の両側ではスピンバルブ磁気抵抗効果が生じな
いので、その第1の軟磁性層の形成範囲によってセンス
領域を精度良く画定でき、この結果、センス領域の周囲
に入ってくる磁界によるノイズを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のスピンバルブ磁気抵抗効
果素子を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例のスピンバルブ磁気抵抗効
果素子を示す断面図(その1)である。
【図3】本発明の第2実施例のスピンバルブ磁気抵抗効
果素子を示す断面図(その2)である。
【図4】本発明の第3実施例のスピンバルブ磁気抵抗効
果素子を示す断面図である。
【図5】本発明の第4実施例のスピンバルブ磁気抵抗効
果素子の製造方法を示す断面図(その1)である。
【図6】本発明の第4実施例のスピンバルブ磁気抵抗効
果素子の製造方法を示す断面図(その3)である。
【図7】従来例に係るスピンバルブ磁気抵抗効果素子を
説明する図である。
【符号の説明】
11 基板 12 第1の軟磁性層 13 非磁性金属層 14 第2の軟磁性層 15 反強磁性層 16A,16B 引出電極 21 基板 22 第1の軟磁性層 23 非磁性金属層 24 第2の軟磁性層 25 反強磁性層 26A,26B 引出電極 31 基板 32 第1の軟磁性層 33 非磁性金属層 34 第2の軟磁性層 35 反強磁性層 36A,36B 引出電極 41 基板 42 反強磁性層 43 第2の軟磁性層 44 非磁性金属層 45,45A 第1の軟磁性層 46 レジスト膜 47A,47B 引出電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の軟磁性層と、 前記第1の軟磁性層表面において外部からの信号磁界を
    検出するセンス領域にのみ重ねられた非磁性金属層と、 前記第1の軟磁性層及び前記非磁性金属層に重ねて形成
    された第2の軟磁性層と、 前記第2の軟磁性層に重ねて形成された反強磁性層と、 センス領域の両側で前記反強磁性層又は前記第1の軟磁
    性層に重ねて形成された一対の引出電極とを有すること
    を特徴とするスピンバルブ磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】第1の軟磁性層と、 前記第1の軟磁性層に重ねて形成され、且つ外部からの
    信号磁界を検出するセンス領域よりもその周囲の膜厚が
    厚い非磁性金属層と、 前記第1の軟磁性層及び前記非磁性金属層に重ねて形成
    された第2の軟磁性層と、 前記第2の軟磁性層に重ねて形成された反強磁性層とを
    有することを特徴とするスピンバルブ磁気抵抗効果素
    子。
  3. 【請求項3】前記センス領域の両側にある前記反強磁性
    層又は前記第2の軟磁性層のいずれかに前記引出電極が
    形成されていることを特徴とする請求項2記載のスピン
    バルブ磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】外部からの信号磁界を検出するセンス領域
    にのみ形成された第1の軟磁性層と、 前記第1の軟磁性層に重ねて形成され、且つセンス領域
    の周囲に延在する非磁性金属層と、 前記非磁性金属層に重ねて形成された第2の軟磁性層
    と、 前記第2の軟磁性層に重ねて形成された反強磁性層と、 センス領域の両側の領域にある前記反強磁性層又は前記
    第1の軟磁性層のいずれかに重ねて形成された一対の引
    出電極とを有することを特徴とするスピンバルブ磁気抵
    抗効果素子。
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