JPH10163544A - 磁気抵抗効果素子及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子及びその製造方法

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JPH10163544A
JPH10163544A JP8319255A JP31925596A JPH10163544A JP H10163544 A JPH10163544 A JP H10163544A JP 8319255 A JP8319255 A JP 8319255A JP 31925596 A JP31925596 A JP 31925596A JP H10163544 A JPH10163544 A JP H10163544A
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JP
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layer
magnetic
film
magnetoresistive
electrode layer
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Application number
JP8319255A
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English (en)
Inventor
Toshio Tanuma
俊雄 田沼
Minoru Kume
実 久米
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果膜10の膜厚方向に電流を流す
ことができ、かつ磁気抵抗効果膜10の側部における電
気的な短絡を生じることなく製造することができ、磁気
抵抗効果膜10の磁界検出領域Dの狭小化を図ることが
できる磁気抵抗効果素子及びその製造方法を得る。 【解決手段】 上部磁性層6と下部磁性層4,3の間に
非磁性層5を介在させた積層構造を有する磁気抵抗効果
膜10を、上部電極層7と下部電極層2の間の磁界検出
領域Dに設けた磁気抵抗効果素子であり、上部磁性層6
または上部磁性層6と非磁性層5が磁界検出領域Dに残
るようにその他の領域をエッチングすることによって限
定的に形成されていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果素子
及びその製造方法に関するものであり、特に巨大磁気抵
抗(GMR)を示す磁気抵抗効果素子及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果素子(MR素子)は、磁場
印加による磁気抵抗効果膜の磁気抵抗の変化を検出する
ことにより、磁界強度及びその変化を測定するための素
子である。このような磁気抵抗効果素子を組み込んだ再
生ヘッド(MRヘッド)は、従来の誘導型ヘッドに比べ
磁気感度が高いので、ハード・ディスク装置の再生ヘッ
ドとして検討されている。このようなMRヘッドの感度
を高めることにより、ハード・ディスク装置の面記録密
度を向上させることが可能になる。従って、感度に対応
するMR比の高い磁気抵抗効果膜の開発が近年盛んに進
められている。
【0003】大きなMR比を示す素子として、巨大磁気
抵抗効果素子(GMR素子)が知られている。このよう
なGMR素子として、強磁性層/非磁性導電層/強磁
性層/反強磁性層を基本構成単位とするスピンバルブ型
の積層膜、強磁性層/非磁性導電層/強磁性層を基本
構成単位とし強磁性層が互いに保磁力の異なる保磁力差
型の積層膜、及び強磁性層/非磁性導電層を多数回繰
り返し積層した人工格子型の積層膜などが知られてい
る。
【0004】これらの積層膜において、電流は主に非磁
性導電層中を流れると考えられており、非磁性導電層と
強磁性層の界面における電子の散乱状態が磁界強度の変
化によって変化し、これによって電気抵抗が変化するも
のと考えられている。これらの積層膜を用いたMR素子
においては、積層膜の膜面方向に沿って一対の電極を対
向して設け、これらの電極間の領域を磁界検出領域とし
ている。従って、磁界検出領域の幅は電極間の距離によ
って定められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気記
録の分野においては、高密度化が望まれており、このた
め磁気記録のトラック幅を狭小化することが要望されて
いる。このようなトラック幅の狭小化に伴い、MR素子
においても磁界検出領域を狭小化することが検討されて
いる。
【0006】また、上述のように巨大磁気抵抗を示す積
層膜では、非磁性導電層と強磁性層の界面の電子の散乱
状態がMR比の変化に寄与する。従来のGMR素子で
は、電流が膜面方向に沿って非磁性導電層中を流れてい
るため、界面領域における電子の散乱状態の影響が磁気
抵抗の変化に十分に反映されていないと考えられる。こ
のような観点からは、積層膜の上方及び下方に電極層を
設け、積層膜の膜面方向に対し略垂直方向に電流を流す
構成が考えられる。このような構成にすることにより、
積層膜を流れる電流はより多くの界面領域における電子
の散乱状態の影響を受け、MR比が向上することが期待
される。
【0007】本発明の目的は、磁界検出領域の狭小化に
対応することができ、かつMR比を向上させることがで
きる新規なMR素子の構造及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気抵抗効果素
子は、上部電極層と下部電極層の間に非磁性層を介在さ
せた積層構造を有する磁気抵抗効果膜を、上部電極層と
下部電極層の間の磁界検出領域に設けた磁気抵抗効果素
子であり、上部磁性層または上部電極層と非磁性層が磁
界検出領域に残るようにその他の領域をエッチングする
ことによって限定的に形成されていることを特徴として
いる。
【0009】本発明に従えば、上部磁性層または上部磁
性層と非磁性層の磁界検出領域以外の領域をエッチング
することにより、磁気抵抗効果膜の磁界検出領域を限定
的に形成している。このため、従来の電極間の領域によ
り磁界検出領域を定める場合に比べ、磁界検出領域の狭
小化を図ることができる。従って、MRヘッドに適応し
た場合に、トラック幅の狭小化が可能となり、高密度記
録に対応することができる。
【0010】また、本発明の磁気抵抗効果素子において
は、上部電極層と下部電極層を設け、磁気抵抗効果膜の
膜厚方向に電流を流しているため、磁性層と非磁性層の
境界における電子の散乱状態の影響を大きく受けること
ができ、より大きなMR比を発揮することが可能であ
る。
【0011】また本発明に従えば、上部磁性層または上
部磁性層と非磁性層の磁界検出領域以外の領域をエッチ
ングすることによって磁気抵抗効果膜の磁界検出領域を
限定的に形成している。従って、磁気抵抗効果膜の下方
の下部電極層はエッチング加工されず、エッチング加工
によって下部電極層材料が磁気抵抗効果膜の側部に付着
し、電気的な短絡等を生じることはない。従って、良好
な品質状態で安定して効率よく製造することができる。
【0012】本発明の磁気抵抗効果素子における磁気抵
抗効果膜としては、例えば、上述のスピンバルブ型積層
膜や保磁力差型積層膜を用いることができる。この場
合、上部磁性層及び下部磁性層のうち上部磁性層が磁界
検出領域に限定的に形成される。従って、MR素子とし
て磁界を検出する際、外部磁界によって磁化方向が変化
する方の磁性層を上部磁性層とするのが一般的である。
従って、スピンバルブ型積層膜の場合、ピン留めされな
い強磁性層を上部磁性層とし、反強磁性層との磁気的結
合によってピン留めされる強磁性層を下部磁性層とする
ことが好ましい。
【0013】従って、磁気抵抗効果膜としてスピンバル
ブ型積層膜を用いる場合、上部磁性層を第1の強磁性層
とし、下部強磁性層を第2の強磁性層の下方に反強磁性
層が設けられる積層膜とし、非磁性層を非磁性導電層と
する。
【0014】また、磁気抵抗効果膜として、上述の保磁
力差型積層膜を用いる場合には、一対の強磁性層のうち
保磁力の小さい強磁性層を上部磁性層とし、保磁力の大
きい磁性層を下部磁性層とする。従って、上部磁性層が
相対的に保磁力の小さい第1の強磁性層であり、下部磁
性層が相対的に保磁力の大きい第2の強磁性層であり、
非磁性層が非磁性導電層となる。
【0015】また、本発明の磁気抵抗効果素子の磁気抵
抗効果膜として、一対の強磁性層の間に非磁性絶縁層を
備えた積層構造を有する強磁性トンネル接合型磁気抵抗
効果膜を用いることができる。この場合も、外部磁界に
よって磁化方向が変化する強磁性層を上部磁性層となる
ように形成する。一対の強磁性層が同種の強磁性層から
なる場合には、何れか一方の強磁性層を上部磁性層とし
て形成する。また、この場合非磁性層は、非磁性絶縁層
となる。
【0016】本発明における磁気抵抗効果膜に用いられ
る強磁性層は、キューリー温度が素子使用温度を超えた
温度である強磁性体から形成された層であれば特に限定
されるものではない。具体的には、NiFe層とCo層
の積層膜や、NiFe層、Co層、これらの合金等から
なる強磁性層などが挙げられる。強磁性層の膜厚は、一
般に1〜10nm程度である。
【0017】本発明における磁気抵抗効果膜に用いられ
る非磁性導電層は、素子使用温度において非磁性体であ
り、導電性に優れたものであれば特に限定されるもので
はなく、例えば、Cu層、Ag層などが挙げられる。非
磁性導電層の膜厚は、一般に1〜5nm程度である。
【0018】本発明における磁気抵抗効果膜に用いられ
る反強磁性層は、ネール温度が素子使用温度を超えた温
度である反強磁性体から形成された層であれば特に限定
されるものではない。具体的には、FeMn層、NiO
層、及びNiMn層などが挙げられる。反強磁性層の膜
厚は、一般に5〜25nm程度である。
【0019】本発明における磁気抵抗効果膜の非磁性絶
縁層は、素子使用温度において非磁性体であり、絶縁性
を有するものであれば特に限定されるものではなく、例
えば、Al2 3 層、SiO2 層などが挙げられる。非
磁性絶縁層の膜厚は、一般に1〜5nm程度である。
【0020】本発明の磁気抵抗効果素子は、一般に基板
上に形成されるが、基板の材質は非磁性であれば特に限
定されるものではなく、例えば、Si、TiC、Al2
3、及びガラスなどの基板が用いられる。
【0021】本発明の製造方法は、上部磁性層と下部磁
性層の間に非磁性層を介在させた積層構造を有する磁気
抵抗効果膜を、上部電極層と下部電極層の間の磁界検出
領域に設けた磁気抵抗効果素子を製造する方法であり、
下部電極層の上に磁気抵抗効果膜を形成する工程と、上
部磁性層より下方の磁気抵抗効果膜内の層に達するま
で、磁界検出領域以外の領域をエッチングすることによ
り、磁気抵抗効果膜の磁界検出領域を定める工程とを備
えている。磁気抵抗効果膜としては、上記本発明の磁気
抵抗効果素子における磁気抵抗効果膜と同様のものを形
成することができる。
【0022】本発明の製造方法によれば、上部磁性層よ
り下方の磁気抵抗効果膜内の層に達するまで磁界検出領
域以外の領域をエッチングすることにより、磁気抵抗効
果膜の磁界検出領域を定めている。従って、エッチング
工程において、磁気抵抗効果膜より下方に位置する下部
電極層がエッチングされることはなく、下部電極層材料
が磁気抵抗効果膜の側部に付着するのを防止することが
できる。従って、製造工程において電気的短絡を生じる
ことなく磁気抵抗効果素子を製造することができる。
【0023】本発明の製造方法において、上部電極層
は、エッチング工程前の磁気抵抗効果膜の上に形成し、
エッチング工程において磁気抵抗効果膜と共に所定の形
状に、すなわち磁界検出領域の形状となるようにパター
ニングしてもよい。また、磁気抵抗効果膜をエッチング
した後に、上部電極層を選択的に形成してもよい。この
ような場合、例えば、上部電極層形成領域以外の領域を
マスクし、上部電極層を形成した後にマスクを除去す
る、いわゆるリフトオフ法により形成することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に従う一実施例の
磁気抵抗効果素子を示す断面図であり、図2は平面図で
ある。
【0025】図1に示す磁気抵抗効果素子においては、
磁気抵抗効果膜としてスピンバルブ型の積層膜が用いら
れている。図1を参照して、基板1の上には下部電極層
2が形成されている。基板1の材質は、例えば、Al2
3 −TiCなどの材料から形成されている。下部電極
層2は、電気抵抗の低い材料が用いられ、例えば、Cu
などの材料が用いられる。本実施例では、下部電極層2
の厚みは100nmとなるように形成されている。
【0026】下部電極層2の上には、反強磁性層3が形
成されている。反強磁性層3上の磁界検出領域Dには、
強磁性層4、非磁性導電層5、及び強磁性層6が形成さ
れている。反強磁性層3、強磁性層4、非磁性導電層
5、及び強磁性層6から磁気抵抗効果膜10が構成され
ている。本実施例では、反強磁性層3としてFeMn層
(膜厚20nm)、強磁性層4としてNiFe層(膜厚
5nm)、非磁性導電層5としてCu層(膜厚3n
m)、及び強磁性層6としてNiFe層(膜厚10n
m)が形成されている。
【0027】磁気抵抗効果膜10の最上層である強磁性
層6の上には、上部電極層7が形成されている。本実施
例では、上部電極層7として、Cu層(膜厚100n
m)が形成されている。
【0028】図2を参照して、基板1上に形成されてい
る下部電極層2及び反強磁性層3は、基板1の端部1a
に接する領域において、端部1aに沿う方向に形成され
ている。MRヘッドの場合、基板1の端部1aは、ヘッ
ド摺動面となる部分である。下部電極層2及び反強磁性
層3の中央の磁界検出領域Dにおいて略垂直方向に交差
するように上部電極層7が設けられている。本実施例で
は、上部電極層7の下の磁気抵抗効果膜10は、上部電
極層7と同様のパターン形状となるように形成されてい
る。上部電極層7の端部には、Cuなどからなる電極リ
ード層11が接続されている。また下部電極層2の端部
にも、Cuからなる電極リード層12が接続されてい
る。なお、電極リード層12が直接下部電極層2と接触
するように、その接続部において反強磁性層3の一部が
除去されていてもよい。
【0029】本実施例の磁気抵抗効果素子においては、
上部電極層7と下部電極層2の間で電流が流され、上部
電極層7と下部電極層2の重なり部分がMR素子として
機能する。上部電極層7と下部電極層2の間で電流が流
れるので、電流が磁気抵抗効果膜10の膜面方向に対し
略垂直方向、すなわち膜厚方向に流れる。
【0030】本実施例の磁気抵抗効果膜10は、スピン
バルブ型積層膜であるので、強磁性層4の磁化方向が反
強磁性層3によってピン留めされており、強磁性層6の
磁化方向が外部磁界の影響で変化することにより強磁性
層6と非磁性導電層5の境界領域における電子の散乱状
態が影響を受ける。本実施例では、磁気抵抗効果膜10
の膜厚方向に電流が流れるので、上記境界領域における
電子の散乱状態の変化の影響をより大きく受けることが
でき、より大きなMR比を示すことができる。
【0031】図3は、図1及び図2に示す実施例の磁気
抵抗効果素子を製造する工程を説明するための断面図で
ある。図3を参照して、基板1の上に下部電極層2が積
層されている。この下部電極層2の上に強磁性層3が積
層されている。これらの薄膜は、例えば、イオンビーム
スパッタリング法により形成することができる。次に、
図2に示すように、基板1上の端部1aに接する所定の
領域にのみ下部電極層2及び反強磁性層3が残されるよ
うにフォトリソグラフィ法によりパターニングする。
【0032】次に、図3に示すように、強磁性層4、非
磁性導電層5、及び強磁性層6をこの順序で全面に形成
する。さらに、強磁性層6の上に、上部電極層7を全面
に形成する。これらの各層は、例えばイオンビームスパ
ッタリング法により形成することができる。次に、図3
に示すように、上部電極層7上の磁界検出領域Dにレジ
スト膜9を形成する。このレジスト膜9をマスクとし
て、上部電極層7及び磁気抵抗効果膜10のうちの強磁
性層6、非磁性導電層5、及び強磁性層4の各層を、例
えばスパッタリングによりエッチング除去する。このエ
ッチングを、反強磁性層3内に到達するまで行う。次
に、レジスト膜9を除去することにより、図1に示すよ
うな断面の構造を得ることができる。
【0033】次に、図2に示すように、上部電極層7と
接続する電極リード層11を形成し、下部電極層2と接
続する電極リード層12を形成する。これらの電極層1
1及び12は、例えば、形成領域以外をマスクしてお
き、形成後にマスクを除去するリフトオフ法により形成
することができる。
【0034】以上のように、本実施例では、上部電極層
7及び磁気抵抗効果膜10の一部を磁界検出領域Dにの
み残すようにエッチングする。このエッチングは、下部
電極層2に達する前に終了する。従って、下部電極層2
はエッチングされず、下部電極層材料が磁気抵抗効果膜
10の側部に付着することがない。従って、本発明に従
う磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜の側部における
電気的な短絡を生じることなく、製造することができ
る。
【0035】また、本発明に従う磁気抵抗効果素子は、
磁界検出領域Dの形成後、磁気抵抗効果膜のエッチング
によるパターニングで形成することができる。従って、
従来の電極間距離で形成される磁界検出領域よりも狭小
化を図ることができ、MRヘッドにおけるトラック幅の
狭小化を図り磁気記録における高密度化に対応すること
ができる。
【0036】図4は、図1に示す実施例において、バイ
アス層などの磁区制御層を形成した場合の構造を示す断
面図である。図4に示すように、CoPtなどからなる
磁区制御層13を形成する場合には、磁界検出の際、磁
化方向が変化する強磁性層6と接するように設けること
が好ましい。図4に示す実施例では、磁区制御層13の
上面が強磁性層6の上面とほぼ一致するような高さで磁
区制御層13が設けられている。この磁区制御層は以下
の各実施例においても同様にして設けることができる。
【0037】図5は、本発明に従う他の実施例の磁気抵
抗効果素子を示す断面図である。図5に示す実施例にお
いては、磁気抵抗効果膜として、図1に示す実施例と同
様にスピンバルブ型の積層膜が形成されている。図5に
示す実施例では、強磁性層4も下部電極層2及び反強磁
性層3と同様に図2に示すパターン形状に形成されてい
る。従って、強磁性層4の上に、非磁性導電層5、強磁
性層6、及び上部電極層7を全面に形成した後、これら
の層を図3を参照して説明した方法と同様の方法で磁界
検出領域D以外の領域をエッチング除去することによ
り、図2に示す上部電極層7と同じパターン形状に加工
している。
【0038】図5に示す実施例においても、図1に示す
実施例と同様に、磁気抵抗効果膜10の膜厚方向に電流
を流すことができ、より大きなMR比を得ることができ
る。また、磁気抵抗効果膜10の磁界検出領域Dを形成
するためのスパッタリングも、下部電極層2の上方で止
められるので、下部電極層材料が磁気抵抗効果膜10の
側部に付着することがなく、電気的な短絡を生じること
なく製造することができる。また磁気抵抗効果膜10の
磁界検出領域Dをエッチングによるパターニングで形成
することができるので、磁界検出領域Dの狭小化を図る
ことができる。
【0039】図6は、本発明に従うさらに他の実施例の
磁気抵抗効果素子を示す断面図である。図6に示す実施
例においては、磁気抵抗効果膜として、図1に示す実施
例と同様にスピンバルブ型の積層膜が形成されている。
図6に示す実施例では、非磁性導電層5及び強磁性層4
を、下部電極層2及び反強磁性層3と同様に図2に示す
パターン形状に形成した後、その上に強磁性層6及び上
部電極層7を全面に形成し、その後、図3を参照して説
明した製造プロセスにより、図2に示す上部電極層7の
パターン形状にパターニングしている。
【0040】図6に示す実施例も、図5に示す実施例と
同様に、大きなMR比を得ることができ、磁気抵抗効果
膜10の側部に下部電極層材料が付着することなく製造
することができ、かつ磁界検出領域Dの狭小化を図るこ
とができる。
【0041】図7は、本発明に従うさらに他の実施例の
磁気抵抗効果素子を示す断面図である。図7に示す実施
例においては、磁気抵抗効果膜として、保磁力差型の積
層膜が形成されている。磁気抵抗効果膜20は、下部電
極層2の上に強磁性層14、非磁性導電層15、及び強
磁性層16をこの順序で積層することにより形成されて
いる。上方の強磁性層16は、下方の強磁性層14より
も保磁力が小さくなるように構成されている。本実施例
では、強磁性層14としてCo層(膜厚5nm)、非磁
性導電層15としてCu層(膜厚3nm)、強磁性層1
6としてNiFe層(膜厚10nm)が形成されてい
る。
【0042】図7に示す実施例では、下部電極層2及び
強磁性層14を、図2に示す下部電極層2と同様のパタ
ーン形状にパターニングした後、非磁性導電層15、強
磁性層16、及び上部電極層7を全面に形成し、図3を
参照して説明した製造プロセスによりパターニングし
て、図2に示す上部電極層7と同様のパターン形状にパ
ターニングしている。
【0043】本実施例でも、磁気抵抗効果膜20の膜厚
方向に電流が流れるので大きなMR比を得ることができ
る。また、製造工程において、下部電極層2をエッチン
グしないので、下部電極層材料が磁気抵抗効果膜20の
側部に付着することなく製造することができる。また、
磁気抵抗効果膜20の磁界検出領域Dをエッチングによ
るパターニングで形成しているので、従来のMR素子に
比べ磁界検出領域の狭小化を図ることができる。
【0044】図8は、本発明に従うさらに他の実施例の
磁気抵抗効果素子を示す断面図である。図8に示す実施
例においては、磁気抵抗効果膜として、図7に示す実施
例と同様に保磁力差型の積層膜が形成されている。図8
に示す実施例では、非磁性導電層15も、下部電極層2
及び強磁性層14と同様に、図2に示す下部電極層2の
パターン形状に形成し、この非磁性導電層15の上に強
磁性層16及び上部電極層7を形成した後、図3を参照
して説明した製造プロセスによりパターニングして、図
2に示す上部電極層7のパターン形状にパターニングし
ている。
【0045】図8に示す実施例も、図7に示す実施例と
同様に、大きなMR比を得ることができ、磁気抵抗効果
膜20の側部に下部電極層材料が付着することなく製造
することができ、かつ磁気抵抗効果膜20の磁界検出領
域の狭小化を図ることができる。
【0046】図9は、本発明に従うさらに他の実施例の
磁気抵抗効果素子を示す断面図である。図9に示す実施
例においては、磁気抵抗効果膜として、強磁性トンネル
接合型の磁気抵抗効果膜が用いられている。図9に示す
実施例の磁気抵抗効果膜30は、強磁性層24、非磁性
絶縁層25、及び強磁性層26をこの順序で積層するこ
とにより構成されている。本実施例では、強磁性層24
としてCo層(膜厚5nm)、非磁性絶縁層25として
Al2 3 層(膜厚2nm)、強磁性層26としてNi
Fe層(膜厚10nm)が形成されている。本実施例に
おいて用いるトンネル接合型磁気抵抗効果膜30は、も
ともと膜厚方向に電流を流すことにより磁気抵抗変化を
検出する磁気抵抗効果膜である。
【0047】図9に示す実施例においても、下部電極層
2をエッチング除去することなく、磁気抵抗効果膜30
の磁界検出領域を形成することができるので、磁気抵抗
効果膜30の側部に下部電極層材料を付着させることな
く製造することができる。また磁気抵抗効果膜30の磁
界検出領域をエッチングによるパターニングで形成して
いるので、従来のMR素子に比べ狭小化を図ることがで
きる。
【0048】図10は、本発明に従うさらに他の実施例
の磁気抵抗効果素子を示す断面図である。図10に示す
実施例においては、磁気抵抗効果膜として、図9に示す
実施例と同様にトンネル接合型の磁気抵抗効果膜が形成
されている。図10に示す実施例では、非磁性絶縁層2
5も、下部電極層2及び強磁性層24と同様に、図2に
示す下部電極層2と同様のパターン形状に形成されてい
る。この非磁性絶縁層25の上に、強磁性層26及び上
部電極層7を形成した後、図3を参照して説明した製造
プロセスによりパターニングしている。
【0049】図10に示す実施例も、図9に示す実施例
と同様に、磁気抵抗効果膜30の側部に下部電極層材料
が付着することなく製造することができ、かつ磁気抵抗
効果膜30の磁界検出領域の狭小化を図ることができ
る。
【0050】上記各実施例では、磁気抵抗効果膜の上に
上部電極層を形成した後、磁気抵抗効果膜と共に上部電
極層をパターニングしているが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。例えば、上部電極層を形成する前に
磁気抵抗効果膜の磁界検出領域の上にレジスト膜を形成
し、これをマスクとしてスパッタリングなどによりエッ
チングし、図2に示す上部電極層7と下部電極層2の重
なり領域のみに磁気抵抗効果膜の所定部分が残るように
パターニングし、この後、磁気抵抗効果膜の上に上部電
極層7を形成してもよい。この場合、上部電極層7は選
択的に形成されるように、例えば形成領域以外の部分を
マスクで覆うリフトオフ法により、所定領域にのみ上部
電極層7を形成する。その後、図2に示すように、上部
電極層7及び下部電極層2に接続する電極リード層11
及び12を形成する。
【0051】また、上記各実施例においては、下部電極
層2の上に直接磁気抵抗効果膜10を形成しているが、
Ta層及びZr層のように、その上に形成する強磁性層
に対し結晶性を高める下地層を下部電極層2の上に形成
し、この下地層の上に磁気抵抗効果膜を形成してもよ
い。
【0052】本発明の磁気抵抗効果素子は、以上の各実
施例において説明した各層の具体的材料に限定されるも
のではなく、その他の材料を広範に用いることができる
ものである。また、各層に要求される特性を備える限り
においてアモルファス材料から構成されてもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、磁気抵抗効果膜の膜厚
方向に電流を流すことができ、従来より高いMR比を得
ることが可能となる。また、磁気抵抗効果膜の側部にお
ける電気的短絡を生じるなく製造することができる。さ
らに、電極間距離により磁界検出領域を形成する従来の
MR素子に比べ、磁界検出領域の狭小化を図ることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気抵抗効果素子を示す断
面図。
【図2】図1に示す実施例の磁気抵抗効果素子を示す平
面図。
【図3】図1に示す実施例の製造工程を説明するための
断面図。
【図4】図1に示す実施例において磁区制御層を設けた
構造を示す断面図。
【図5】本発明の他の実施例の磁気抵抗効果素子を示す
断面図。
【図6】本発明のさらに他の実施例の磁気抵抗効果素子
を示す断面図。
【図7】本発明のさらに他の実施例の磁気抵抗効果素子
を示す断面図。
【図8】本発明のさらに他の実施例の磁気抵抗効果素子
を示す断面図。
【図9】本発明のさらに他の実施例の磁気抵抗効果素子
を示す断面図。
【図10】本発明のさらに他の実施例の磁気抵抗効果素
子を示す断面図。
【符号の説明】
1…基板 2…下部電極層 3…反強磁性層 4,6…強磁性層 5…非磁性導電層 7…上部電極層 9…レジスト膜 10…磁気抵抗効果膜 11,12…電極リード層 13…磁区制御層 14,16…強磁性層 15…非磁性導電層 20…磁気抵抗効果膜 24,26…強磁性層 25…非磁性絶縁層 30…磁気抵抗効果膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部磁性層と下部磁性層の間に非磁性層
    を介在させた積層構造を有する磁気抵抗効果膜を、上部
    電極層と下部電極層の間の磁界検出領域に設けた磁気抵
    抗効果素子において、 前記上部磁性層または前記上部磁性層と前記非磁性層が
    前記磁界検出領域に残るようにその他の領域をエッチン
    グすることによって限定的に形成されていることを特徴
    とする磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 前記上部磁性層が第1の強磁性層であ
    り、前記下部磁性層が第2の強磁性層の下方に反強磁性
    層を設けた積層膜であり、前記非磁性層が非磁性導電層
    である請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記上部磁性層が第1の強磁性層であ
    り、前記下部磁性層が前記第1の強磁性層よりも保磁力
    の大きい第2の強磁性層であり、前記非磁性層が非磁性
    導電層である請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 前記上部磁性層が第1の強磁性層であ
    り、前記下部磁性層が第2の強磁性層であり、前記非磁
    性層が非磁性絶縁層である請求項1に記載の磁気抵抗効
    果素子。
  5. 【請求項5】 上部磁性層と下部磁性層の間に非磁性層
    を介在させた積層構造を有する磁気抵抗効果膜を、上部
    電極層と下部電極層の間の磁界検出領域に設けた磁気抵
    抗効果素子を製造する方法であって、 前記下部電極層の上に前記磁気抵抗効果膜を形成する工
    程と、 前記上部磁性層より下方の前記磁気抵抗効果膜内の層に
    達するまで、前記磁界検出領域以外の領域をエッチング
    することにより、前記磁気抵抗効果膜の前記磁界検出領
    域を定める工程とを備える磁気抵抗効果素子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記エッチング工程前の磁気抵抗効果膜
    の上に前記上部電極層を形成する工程をさらに備え、前
    記エッチング工程において前記上部電極層と前記磁気抵
    抗効果膜を前記所定の層に達するまでエッチングする請
    求項5に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチング工程後の磁気抵抗効果膜
    の上に前記上部電極層を選択的に形成する工程をさらに
    備える請求項5に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
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