JPH08247877A - 静電容量型圧力センサとその製造方法 - Google Patents

静電容量型圧力センサとその製造方法

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JPH08247877A
JPH08247877A JP5077195A JP5077195A JPH08247877A JP H08247877 A JPH08247877 A JP H08247877A JP 5077195 A JP5077195 A JP 5077195A JP 5077195 A JP5077195 A JP 5077195A JP H08247877 A JPH08247877 A JP H08247877A
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silicon substrate
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ダイアフラムを構成するシリコン層の絶縁分離
と応力緩和を図り、シリコン層に信号処理回路を形成
し、低コストで圧力センサを製造する。 【構成】シリコン基板1の表面にシリコンとほぼ熱膨張
率が等しい絶縁膜2を形成し、その上にシリコン層3を
形成する。シリコン層3の上面に底面が平坦な凹部4を
形成し、上面に下部電極5、信号処理回路部6、接続配
線7を形成する。シリコン基板1を選択エッチングして
薄肉部8と厚肉部9を形成する。薄肉部8は感圧部を構
成する。上部ガラス板11の下面に上部電極12を形成
する。上部ガラス板11とシリコン層3を陽極接合法に
より貼合わせる。シリコン層3は絶縁膜2で絶縁分離さ
れるので、応力が緩和され、信号処理回路を形成するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン基板を用いた
静電容量型圧力センサとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンを用いた圧力センサは、シリコ
ン基板の一部をエッチングして感圧ダイアフラムとし、
感圧部に向い合う部分に電極を有するガラス板を設けて
ダイアフラムと電極との間にコンデンサを形成し、圧力
変化に伴う容量の変化を検出するように構成されてい
る。シリコンを用いた圧力センサの技術については、例
えば特開平4−9727に開示されている。
【0003】図4は従来の静電容量型圧力センサの一例
の断面図である。
【0004】図4(a)に示すように、圧力センサ40
のダイアフラムは、単結晶のシリコン基板41を両面か
らエッチングして底面が平坦な凹部42,43,44を
形成して薄肉部45を形成する。上面に不純物を拡散し
て下部電極46と拡散リード47を設ける。シリコン基
板41の下面にSiO2 膜48、Si3 4 膜49をC
VD法で形成する。
【0005】上部ガラス板51は、ダイアフラムの凹部
43に向い合う位置に円錐台形の貫通孔52が設けら
れ、貫通孔52の底面に導電体の蓋部材53が設けられ
る。上部ガラス板51の下面にスパッタ法等により上部
電極54を形成し、上部電極54の一部は蓋部材53を
覆って電気的に接続する。上部ガラス板51の上面に金
属配線55a,55bを、金属配線55aは貫通孔52
の内面、底面を通って導電体の蓋部材53に電気的に接
触した後再び上面に出るように、形成する。上部ガラス
板51の上面に容量検出用ICチップ56を固着し、I
Cチップ56の電極57を金属線58で金属配線55
a,55bに接続する。これにより上部電極54は蓋部
材53、金属配線55aを介して容量検出用ICチップ
56と接続する。
【0006】上部ガラス板51とシリコン基板41と
は、例えば、約400℃に加熱して600〜1000V
の直流電圧を印加する陽極接合法で貼り合わされる。図
示されていないが、この貼り合わで下部電極はICチッ
プ56の電極の他の電極と接続される。シリコン基板4
1の凹部43は、この貼り合わせで蓋部材53の表面に
設けられた上部電極54が下部電極46と接触しないよ
うにするために設けられるものである。このようにし
て、圧力センサ40が製造される。
【0007】図4(b)に示すように、金属製基台61
にはガラス63で絶縁され気密封止された2本の端子6
2が設けられ、中央に貫通孔64があけられている。基
台61の上面に貫通孔66を有するガラス製の台座65
を、貫通孔64と貫通孔66とを位置合わせして、ろう
材67で固着する。台座65の上面に、図4(a)に示
す圧力センサ40を、その凹部44が貫通孔66と通気
するように位置合わせしてろう材68で固着する。そし
て、金属線69で圧力センサ40の電極を2本の端子6
2にそれぞれボンディング接続する。基台61にキャッ
プ70を被せて溶接により封止する。そして、基台61
の下面に圧力導入パイプ71を取り付ける。これによ
り、実用に供される圧力センサが製造される。
【0008】上記圧力センサにおいて、ガラス製の台座
65は、圧力センサ40のダイアフラムを構成している
シリコン基板41と金属製基台61とを電気的に絶縁す
るためと、シリコン基板41と金属製基台61との間の
熱膨張率の差に起因する応力を緩和するために設けられ
るものである。シリコン基板41を金属製基台61には
んだ等で直接ろう付けすると、下部電極46が金属製基
台61に短絡して静電容量値が狂うので、シリコン基板
41と金属製基台61とを絶縁するのである。また、シ
リコンの熱膨張率は4.2×10-6/℃、基台61が鉄
とすると熱膨張率は13.2×10-6/℃で3倍以上も
異なるので、その中間の熱膨張率をもったガラス、例え
ば熱膨張率8.9×10-6/℃の鉛カリソーダガラス、
熱膨張率9.3×10-6/℃のソーダライムガラス等を
台座65に用いて応力を緩和しているのである。シリコ
ンの熱膨張率に近い熱膨張率をもったガラスとして熱膨
張率(4.6〜4.7)×10-6/℃のホウ珪酸ガラス
やカリガラス等の硬質ガラスがあるが、硬質ガラスは鉄
と熱膨張率が違い過ぎて、封着すると割れてしまうの
で、台座65には使用できない。
【0009】上述のように、台座65を用いてシリコン
基板にかかる応力を緩和しても、熱膨張率が2倍以上も
異なるので、シリコン基板にはかなり大きな歪みが生ず
る。この歪みがあると、シリコン基板に容量検出用集積
回路や圧力算出用集積回路を形成しても良好な特性をも
った集積回路を作ることができないという問題がある。
このため、図4に示した従来例ではシリコン基板に容量
検出用集積回路や圧力算出用集積回路を設けず、容量検
出用ICチップ56を別個に作り、上部ガラス板51の
上に設けているのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、台座65
を用いて絶縁と応力緩和を図り、容量検出用ICチップ
56を別個に作る従来の構造では、台座とICチップの
部品コストと、この部品を組み立てる工数が余分にかか
り、圧力センサ全体のコストが高くなるという問題があ
った。
【0011】本発明の目的は、ガラス台座を用いなくて
も絶縁と応力緩和を図ることができ、ダイアフラムを構
成するシリコン層に容量検出用の信号処理回路を形成す
ることができ、簡単な構造を有し低コストで製造できる
静電容量型圧力センサとその製造方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の静電容量型圧力
センサは、シリコン基板の上にシリコンと熱膨張率のほ
ぼ等しい絶縁膜を介して設けられた一導電型で単結晶の
シリコン層と、このシリコン層の上面に設けられ底面が
平坦な凹部と、この凹部の底面に形成された反対導電型
領域からなる下部電極と、この下部電極に向かい合う前
記シリコン基板の領域を前記絶縁膜が露出するまで選択
除去して形成される薄肉部とを有するダイアフラムと、
前記ダイアフラムの上面に取付けられ前記下部電極に間
隔をおいて対向する上部電極を有する上部ガラス板と、
前記シリコン層の表面に設けられ前記下部電極と前記上
部電極からの信号を受けて圧力値を算出する信号処理回
路とを備えたことを特徴とする。
【0013】本発明は、前記薄肉部が前記絶縁膜と前記
シリコン層とから成ることを特徴とする。
【0014】本発明は、前記薄肉部が前記シリコン層の
みから成ることを特徴とする。
【0015】本発明は、前記薄肉部の中央部分に前記シ
リコン基板の一部で構成され前記薄肉部よりも厚い厚肉
部を有することを特徴とする。
【0016】本発明は、前記厚肉部が前記絶縁膜を介し
て前記シリコン層と接していることを特徴とする請求項
4記載の静電容量型圧力センサ。
【0017】本発明は、前記信号処理回路が反対導電型
領域で形成される接続配線で前記下部電極に接続するこ
とを特徴とする。
【0018】本発明の静電容量型圧力センサの製造方法
は、(A)シリコン基板の表面に所定の厚さでかつシリ
コンと熱膨張率のほぼ等しい絶縁膜を形成する工程と、
この絶縁膜の上に一導電型で単結晶のシリコン層を貼り
付ける工程と、このシリコン層を所定の厚さに調整する
工程と、このシリコン層の上面を選択エッチングして底
面が平坦な凹部を形成する工程と、この凹部に反対導電
型不純物を導入して反対導電型の下部電極を形成する工
程と、この下部電極の隣の前記シリコン層に不純物を導
入して信号処理回路とこの信号処理回路を前記下部電極
に接続する反対導電型領域の接続配線を形成する工程
と、前記下部電極に向かい合う前記シリコン基板の領域
を選択除去して薄肉部を形成する工程とを備えたダイア
フラム形成工程、(B)ガラス板の下面に前記下部電極
に向い合う上部電極を形成する工程と、この上部電極を
前記信号処理回路に接続するための接続配線を形成する
工程とを備えた上部ガラス板形成工程、(C)前記ダイ
アフラムの上面に前記上部ガラス板を前記下部電極と前
記上部電極とが向い合うように位置合わせして貼合わせ
ると同時に前記接続配線を前記信号処理回路に接続する
工程とを備えたことを特徴とする。
【0019】本発明は、前記薄肉部を形成する工程が、
前記シリコン基板のみを選択除去して形成する工程であ
ることを特徴とする。
【0020】本発明は、前記薄肉部を形成する工程が、
前記シリコン基板と前記絶縁膜とを選択除去して形成す
る工程であることを特徴とする。
【0021】本発明は、前記薄肉部の中央部分に前記シ
リコン基板の一部を選択除去して厚肉部を形成する工程
を含むことを特徴とする。
【0022】
【作用】本発明では、シリコン層を絶縁膜でシリコン基
板と絶縁分離したので、シリコン基板にかかる応力に起
因する歪みがシリコン層に直接伝わらなくなり、シリコ
ン層に下部電極、信号処理回路を設け、従って台座を必
要としなくなり、また、圧力算出回路を別個に作って取
り付ける必要がなくなり、圧力センサを低コストで製造
することができる。
【0023】前記薄肉部は、シリコン層に凹部を形成す
るときの選択エッチングとシリコン基板の選択エッチン
グとで形成されるが、シリコン基板の選択エッチングの
とき絶縁膜はエッチ・ストッパの役目をしている。それ
故、絶縁膜が露出するようにエッチングすれば、薄肉部
の厚さは凹部の下のシリコン層の厚さと絶縁膜の厚さで
決まり、シリコン基板の過剰エッチングにより薄肉部の
厚さがばらつくというようなことは起こらない。
【0024】圧力センサの感度を高めるためには薄肉部
の厚さは薄い方がよい。このため、絶縁膜を除去して、
薄肉部をシリコン層のみで構成して薄肉部の厚さを薄く
すると、圧力センサの感度を高めることができる。絶縁
膜はエッチ・ストッパの役目をしているから、絶縁膜の
除去はシリコン基板の選択エッチングが終了した後にす
る。薄肉部の厚さの制御は、凹部の下のシリコン層の厚
さの制御のみ行えばよいことになる。
【0025】圧力センサの感圧部は、薄肉部のみで構成
することができるが、大きな圧力がかかったとき、薄肉
部が円弧状に撓み、上部電極とダイアフラムとが平行に
ならず、圧力−容量変換が複雑になる。これを防ぎ、上
部電極とダイアフラムとの平行度を保つために、薄肉部
の中央部分に厚肉部を設ける。厚肉部は、薄肉部よりも
厚く、シリコン基板よりも薄くするのが普通であるが、
シリコン基板と同じ厚さにしても良い。
【0026】前記厚肉部は、シリコン基板の一部を選択
エッチングして作られるので、厚肉部は絶縁膜を介して
前記シリコン層と接している。
【0027】信号処理回路をシリコン層に形成したの
で、信号処理回路を下部電極に接続するため、下部電極
と同導電型の反対導電型領域で接続配線を形成して下部
電極に接続する。
【0028】この発明では、シリコン基板の表面に絶縁
膜を形成し、この絶縁膜の上にシリコン層を貼り付ける
ことにより絶縁膜で分離されたシリコン層を形成してい
る。この方法でシリコン層がシリコン基板から分離さ
れ、歪みのないシリコン層を形成することができ、シリ
コン層に下部電極、信号処理回路を設けることができる
ようになり、台座と圧力算出回路を別個に作って取り付
ける必要がなくなり、圧力センサを低コストで製造する
ことができるようになる。
【0029】上述のように、感圧部となる薄肉部を絶縁
膜とシリコン層とで構成するときは、シリコン基板のみ
を選択除去する工程で薄肉部を形成することができる。
【0030】圧力センサの感度を高めるためには薄肉部
の厚さは薄い方がよい。このため、薄肉部をシリコン層
のみで構成し、絶縁膜を除去する。絶縁膜はエッチ・ス
トッパの役目をしているから、シリコン基板の選択エッ
チングが終了した後に絶縁膜を除去する。
【0031】薄肉部が円弧状に撓むのを防ぎ、上部電極
とダイアフラムとの平行度を保つために、薄肉部の中央
部分に厚肉部を設けるが、厚肉部はシリコン基板の一部
を選択除去して形成する。
【0032】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例の断面図であ
る。
【0033】シリコン基板1は、結晶方位が〔100〕
である主面を有する単結晶のシリコン板から成る。この
シリコン基板1の表面に絶縁膜2を形成する。絶縁膜2
としてSiO2 にAl2 3 22%,ZnO10%,M
gO5%が含まれた物が選ばれる。絶縁膜2の上に一導
電型で単結晶のシリコン層3を形成する。シリコン層3
の上面に底面が平坦な凹部4を形成し、凹部4を含むシ
リコン層3の上面から反対導電型の不純物を高濃度に拡
散して高伝導度の下部電極5を形成する。凹部4の隣の
領域に信号処理回路6を形成し、反対導電型不純物の拡
散により接続配線7、ボンディングパッド13を形成
し、下部電極5と信号処理回路6とを接続する。シリコ
ン基板1を選択エッチングして凹部26を形成すること
により薄肉部8と厚肉部9を形成する。薄肉部8は、絶
縁膜2とシリコン層3とからなり、感圧部を構成する。
シリコン基板1の底面にはんだ付け用Ni膜10を形成
する。これによりダイアフラムが構成される。
【0034】上部ガラス板11は、下部電極5に向い合
う領域に上部電極12を形成し、この上部電極12を信
号処理回路6に接続する接続配線(図示せず)を形成す
ることにより作られる。
【0035】シリコン層3の上面に上部ガラス板11を
置き、下部電極5と上部電極12とが向い合うように位
置合わせして、陽極接合法により貼合わせると同時に接
続配線を信号処理回路6に接続する。ボンディングパッ
ド13に金属線14を熱圧着法で取り付ける。
【0036】厚肉部9は、必ずしも必要ではないが、大
きな圧力がかかったとき、薄肉部8が円弧状に撓むのを
防ぎ、上部電極12とダイアフラムとの平行度を安定に
保つ効果があるので、厚肉部9を設けた方が良い。厚肉
部9は、薄肉部8よりも厚く、シリコン基板1よりも薄
くするのが普通であるが、シリコン基板1と同じ厚さに
しても良い。
【0037】図2は本発明の第2の実施例の断面図であ
る。
【0038】第2の実施例においては、薄肉部8の絶縁
膜2を除去して、シリコン層3のみで薄肉部8を形成し
ている。厚肉部9は絶縁膜2を介してシリコン層3に接
している。このようにすると、小さな圧力でも薄肉部8
が撓み易くなり、検出感度が高くなるという効果が得ら
れる。絶縁膜2を除去するエッチング剤ではシリコン層
3は殆ど侵されないので、薄肉部8の厚さはシリコン層
3の厚さに維持される。それ以外は第1の実施例と同じ
である。
【0039】第1および第2の実施例においては、シリ
コン層3は、絶縁膜2によりシリコン基板1と完全に絶
縁されていて電気信号はすべてシリコン層3から取り出
すことができる。このことは、シリコン基板1をどこに
取付けてもシリコン層3は常に絶縁されていて取付場所
の影響を受けないという大きな利点を有していることを
示す。
【0040】また、シリコン層3は、絶縁膜2によりシ
リコン基板1から完全に分離されているから、シリコン
基板1の歪みはシリコン層3に直接伝わらない。絶縁膜
2を構成しているシリコンとほぼ等しい熱膨張率の膜
(SiO2 59%,Al2 322%,ZnO10%,
MgO5%)の熱膨張率は約(2〜3)×10-6/℃で
あり、シリコンの熱膨張率4.2×10-6/℃に近く、
シリコン層3にそれ程大きな応力を及ぼさない。従っ
て、シリコン層3には歪みが余り発生せず、シリコン層
3に信号処理回路6を形成することができる。それ故、
従来例のように、容量検出用ICチップを別個に作る必
要はなく、部品コスト、組み立て工数が節減でき、コス
トダウンがはかれる。
【0041】図3は図1のダイアフラムの製造方法を説
明するための工程順に示した断面図である。
【0042】まず、図3(a)に示すように、結晶方位
が〔100〕である主面を有する単結晶のシリコン基板
1の表面にシリコンと熱膨張率がほぼ等しい絶縁膜2
(SiO2 59%,Al2 3 22%,ZnO10%,
MgO5%)をスパッタにより約0.5〜1μmの厚さ
に設ける。絶縁膜2は、相当正確に形成することがで
き、±0.5μm以下の精度で所望の厚さにすることが
できる。一導電型の単結晶のシリコン板21を別に用意
し、シリコン基板1の絶縁膜2の上に置く。
【0043】次に、図3(b)に示すように、シリコン
板21を絶縁膜2の上に重ね合わせ、約900℃〜10
00℃のN2 雰囲気中で約1時間加熱して貼り合わせ
る。シリコン基板1とシリコン板21との間に圧力をか
けたり、電圧をかけたりするようなことはしない。
【0044】次に、図3(c)に示すように、シリコン
板21を研磨して厚さ約15〜25μmの薄いシリコン
層3に調整する。この調整は、薄肉部8の厚さを決定す
るものであるから重要である。この研磨は相当正確に行
うことができ、±0.5μm以内の精度で所望の厚さに
することができる。シリコン板21の研磨は、シリコン
層3と絶縁膜2の厚さの和が20μm程度となるように
するのが望ましい。
【0045】次に、図3(d)に示すように、シリコン
層3の表面とシリコン基板1の裏面にSiO2 膜を形成
し、ホトリソグラフィ技術によって凹部4を形成する領
域のSiO2 膜を選択エッチングして窓あけしてマスク
22,23を形成する。TMAH(テトラメチルアンモ
ニウムハイドロオキサイド、(CH3 4 NOH)を用
いてエッチングを行い、凹部4を形成する。TMAH
は、SiO2 を殆どエッチせずにシリコンをエッチする
ので、SiO2 をマスクとして使用する場合のシリコン
のエッチングにはKOHより優れている。エッチング終
了後、マスク22,23を除去する。
【0046】次に、図3(e)に示すように、マスク
(図示せず)を新しく付け直し、熱拡散またはイオン注
入により下部電極5、信号処理回路6、接続配線7、ボ
ンディングパッド13を形成する。これらは、通常の集
積回路製造技術を用いて形成される。
【0047】次に、図3(f)に示すように、シリコン
基板1の裏面にSiO2 膜でマスク24を形成し、シリ
コン層3の表面にホトレジストのマスク25を形成し、
薄肉部8を形成する領域のマスク24を選択除去して窓
あけし、TMAHで異方性エッチングを行い絶縁膜2に
達する凹部26を形成する。これにより薄肉部8と厚肉
部9が形成される。絶縁膜2はエッチング剤に対するス
トッパとなっており、絶縁膜2とシリコン層3からなる
薄肉部8の厚さが図3(d)で設定した厚さに維持され
るという大きな効果を有している。従来は薄肉部8の厚
さの制御をエッチング液の組成とエッチング時間の制御
で行っていたので薄肉部7の厚さを狭い許容範囲に収め
ることが難しかったが、本発明では絶縁膜2がストッパ
となっていてそれ以上はエッチングされないので、薄肉
部8の厚さを精度良く制御できる。
【0048】次に、図3(g)に示すように、エッチン
グ終了後レジストマスク24,25を除去する。マスク
(図示せず)とめっき法またはスパッタ法を用いてシリ
コン基板1の底面にはんだ付け用Ni膜10を形成す
る。これにより図1に示すダイアフラムが製造される。
【0049】上部ガラス板11は、凹部4に向い合う領
域に上部電極12を形成し、この上部電極12を信号処
理回路6に接続する接続配線(図示せず)を形成するこ
とにより作られる。
【0050】シリコン層3の上面に上部ガラス板11を
置き、下部電極5と上部電極12とが向い合うように位
置合わせして、約400℃に加熱して600〜1000
Vの直流電圧を印加する陽極接合法により貼合わせると
同時に接続配線を信号処理回路6に接続する。ボンディ
ングパッド13に金属線14を熱圧着法で取り付ける。
これにより図1に示す圧力センサが製造される。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、シリ
コン層を絶縁膜でシリコン基板と絶縁分離したので、シ
リコン基板にかかる応力に起因する歪みがシリコン層に
直接伝わらなくなり、シリコン層に下部電極、信号処理
回路を設けることができるようになり、従って台座が不
要となり、圧力センサを低コストで製造することができ
る。
【0052】また、本発明では、シリコン層を絶縁膜で
シリコン基板と絶縁分離してシリコン基板にかかる応力
に起因する歪みがシリコン層に発生しないようにしたの
で、シリコン層に信号処理回路を集積形成することがで
き、圧力算出回路を別個に作って取り付ける必要がなく
なり、圧力センサを低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例の断面図である。
【図3】図1のダイアフラムの製造方法を説明するため
の工程順に示した断面図である。
【図4】従来の静電容量型圧力センサの一例の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 絶縁膜 3 シリコン層 4 凹部 5 下部電極 6 信号処理回路 7 接続配線 8 薄肉部 9 厚肉部 10 Ni膜 11 上部ガラス板 12 上部電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板の上にシリコンと熱膨張率
    のほぼ等しい絶縁膜を介して設けられた一導電型で単結
    晶のシリコン層と、このシリコン層の上面に設けられ底
    面が平坦な凹部と、この凹部の底面に形成された反対導
    電型領域からなる下部電極と、この下部電極に向かい合
    う前記シリコン基板の領域を前記絶縁膜が露出するまで
    選択除去して形成される薄肉部とを有するダイアフラム
    と、 前記ダイアフラムの上面に取付けられ前記下部電極に間
    隔をおいて対向する上部電極を有する上部ガラス板と、 前記シリコン層の表面に設けられ前記下部電極と前記上
    部電極からの信号を受けて圧力値を算出する信号処理回
    路とを備えたことを特徴とする静電容量型圧力センサ。
  2. 【請求項2】 前記薄肉部が前記絶縁膜と前記シリコン
    層とから成ることを特徴とする請求項1記載の静電容量
    型圧力センサ。
  3. 【請求項3】 前記薄肉部が前記シリコン層のみから成
    ることを特徴とする請求項1記載の静電容量型圧力セン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記薄肉部の中央部分に前記シリコン基
    板の一部で構成され前記薄肉部よりも厚い厚肉部を有す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2または請求
    項3記載の静電容量型圧力センサ。
  5. 【請求項5】 前記厚肉部が前記絶縁膜を介して前記シ
    リコン層と接していることを特徴とする請求項4記載の
    静電容量型圧力センサ。
  6. 【請求項6】 前記信号処理回路が反対導電型領域で形
    成される接続配線で前記下部電極に接続することを特徴
    とする請求項1記載の静電容量型圧力センサ。
  7. 【請求項7】 (A)シリコン基板の表面に所定の厚さ
    でかつシリコンと熱膨張率のほぼ等しい絶縁膜を形成す
    る工程と、この絶縁膜の上に一導電型で単結晶のシリコ
    ン層を貼り付ける工程と、このシリコン層を所定の厚さ
    に調整する工程と、このシリコン層の上面を選択エッチ
    ングして底面が平坦な凹部4を形成する工程と、この凹
    部に反対導電型不純物を導入して反対導電型の下部電極
    を形成する工程と、この下部電極の隣の前記シリコン層
    に不純物を導入して信号処理回路とこの信号処理回路を
    前記下部電極に接続する反対導電型領域の接続配線を形
    成する工程と、前記下部電極に向かい合う前記シリコン
    基板の領域を選択除去して薄肉部を形成する工程とを備
    えたダイアフラム形成工程、 (B)ガラス板の下面に前記下部電極に向い合う上部電
    極を形成する工程と、この上部電極を前記信号処理回路
    に接続するための接続配線を形成する工程とを備えた上
    部ガラス板形成工程、 (C)前記ダイアフラムの上面に前記上部ガラス板を前
    記下部電極と前記上部電極とが向い合うように位置合わ
    せして貼合わせると同時に前記接続配線を前記信号処理
    回路に接続する工程とを備えたことを特徴とする静電容
    量型圧力センサの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記薄肉部を形成する工程が、前記シリ
    コン基板のみを選択除去して形成する工程であることを
    特徴とする請求項7記載の静電容量型圧力センサの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記薄肉部を形成する工程が、前記シリ
    コン基板と前記絶縁膜2とを選択除去して形成する工程
    であることを特徴とする請求項7記載の静電容量型圧力
    センサの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記薄肉部の中央部分に前記シリコン
    基板の一部を選択除去して厚肉部を形成する工程を含む
    ことを特徴とする請求項7または求項8または求項9記
    載の静電容量型圧力センサの製造方法。
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