JPH0824592B2 - α−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法 - Google Patents
α−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法Info
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- JPH0824592B2 JPH0824592B2 JP19098588A JP19098588A JPH0824592B2 JP H0824592 B2 JPH0824592 B2 JP H0824592B2 JP 19098588 A JP19098588 A JP 19098588A JP 19098588 A JP19098588 A JP 19098588A JP H0824592 B2 JPH0824592 B2 JP H0824592B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はα−ガラクトシダーゼの脱水縮合反応によっ
て生じたα−ガラクトシル基を含む化合物をα−ガラク
トシダーゼの基質に用いることにより効率よく安価にα
−ガラクトシル基を含む有用オリゴ糖あるいは配糖体を
製造する方法に関するものである。
て生じたα−ガラクトシル基を含む化合物をα−ガラク
トシダーゼの基質に用いることにより効率よく安価にα
−ガラクトシル基を含む有用オリゴ糖あるいは配糖体を
製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 近年、ラフィノース、スターキオースなどの非還元末
端にα−ガラクトシル基を有するオリゴ糖が腸内有用細
菌であるビフィズス菌の増殖因子として有効であると認
められ、これらオリゴ糖を甘味料として用いることが検
討されている。ラフィノース、スターキオースの供給源
としては、大豆オリゴ糖またはビート中のラフィノース
がある。しかしながら、上記ラフィノース、スターキオ
ースの原料として考えられる大豆オリゴ糖は量的に少な
いため大量供給が難しく、また、価格も高い。ビート中
のラフィノースも、供給時期が10月〜3月と限定される
こと、および、現在のところ価格が高いという欠点をも
っている。
端にα−ガラクトシル基を有するオリゴ糖が腸内有用細
菌であるビフィズス菌の増殖因子として有効であると認
められ、これらオリゴ糖を甘味料として用いることが検
討されている。ラフィノース、スターキオースの供給源
としては、大豆オリゴ糖またはビート中のラフィノース
がある。しかしながら、上記ラフィノース、スターキオ
ースの原料として考えられる大豆オリゴ糖は量的に少な
いため大量供給が難しく、また、価格も高い。ビート中
のラフィノースも、供給時期が10月〜3月と限定される
こと、および、現在のところ価格が高いという欠点をも
っている。
一方、オリゴ糖あるいは配糖体の合成法としては糖転
移酵素または加水分解酵素の糖転移作用を利用する方法
が開発されている。この方法は、縮合反応によるオリゴ
糖あるいは配糖体の合成とは違い特定の結合様式を持っ
たオリゴ糖あるいは配糖体のみを特異的に合成できる。
例えばβ−フラクトフラノシダーゼによるフラクトオリ
ゴ糖、β−ガラクトシダーゼによるβ−ガラクトオリゴ
糖の製造がある。同様にα−ガラクトシダーゼの糖転移
作用を利用してα−ガラクトシル基を持ったオリゴ糖、
配糖体等の有用化合物を製造する方法が考えられるが、
この場合、α−ガラクトシル基を供給する安価な原料が
必要である。しかしながら、現在のところα結合したガ
ラクトースを含むオリゴ糖、多糖は天然界に少なく、ラ
フィノース、スターキオース、ベルバスコースなどのラ
フィノース族オリゴ糖やプランテオースあるいはそれら
の誘導体しか存在せず、どれも大量供給が難しい。
移酵素または加水分解酵素の糖転移作用を利用する方法
が開発されている。この方法は、縮合反応によるオリゴ
糖あるいは配糖体の合成とは違い特定の結合様式を持っ
たオリゴ糖あるいは配糖体のみを特異的に合成できる。
例えばβ−フラクトフラノシダーゼによるフラクトオリ
ゴ糖、β−ガラクトシダーゼによるβ−ガラクトオリゴ
糖の製造がある。同様にα−ガラクトシダーゼの糖転移
作用を利用してα−ガラクトシル基を持ったオリゴ糖、
配糖体等の有用化合物を製造する方法が考えられるが、
この場合、α−ガラクトシル基を供給する安価な原料が
必要である。しかしながら、現在のところα結合したガ
ラクトースを含むオリゴ糖、多糖は天然界に少なく、ラ
フィノース、スターキオース、ベルバスコースなどのラ
フィノース族オリゴ糖やプランテオースあるいはそれら
の誘導体しか存在せず、どれも大量供給が難しい。
[発明が解決しようとする問題点] そこで、本発明の目的はα−ガラクトシル基を有する
安価な原料を大量供給することにあり、更にこの基質を
使用してα−ガラクトシダーゼの転移反応を利用しα−
ガラクトシル基を持ったオリゴ糖、配糖体の合成法を提
供することにある。
安価な原料を大量供給することにあり、更にこの基質を
使用してα−ガラクトシダーゼの転移反応を利用しα−
ガラクトシル基を持ったオリゴ糖、配糖体の合成法を提
供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは種々研究を重ねた結果、α−ガラクトシ
ダーゼの脱水縮合反応によって生じたα−ガラクトシル
基を含む化合物がα−ガラクトシダーゼの糖転移作用に
おけるガラクトシル基の供与体として使えることを見い
出し本発明に至った。すなわち、本発明はガラクトース
あるいはガラクトースを含む化合物(例えば、ラクトー
スの加水分解物)などにα−ガラクトシダーゼを作用さ
せ脱水縮合反応によって生じるα−ガラクトシル基を含
む化合物を基質としてα−ガラクトシダーゼの転移作用
によってα−ガラクトシル基を転移させα−ガラクトシ
ル基を含む有用なオリゴ糖、配糖体あるいは多糖を合成
することを特徴とするものである。
ダーゼの脱水縮合反応によって生じたα−ガラクトシル
基を含む化合物がα−ガラクトシダーゼの糖転移作用に
おけるガラクトシル基の供与体として使えることを見い
出し本発明に至った。すなわち、本発明はガラクトース
あるいはガラクトースを含む化合物(例えば、ラクトー
スの加水分解物)などにα−ガラクトシダーゼを作用さ
せ脱水縮合反応によって生じるα−ガラクトシル基を含
む化合物を基質としてα−ガラクトシダーゼの転移作用
によってα−ガラクトシル基を転移させα−ガラクトシ
ル基を含む有用なオリゴ糖、配糖体あるいは多糖を合成
することを特徴とするものである。
以下に、本発明について詳述する。
α−ガラクトシダーゼの脱水縮合反応に供する原料と
して使用しうるガラクトースとしては、市販のガラクト
ースはもちろん、α−ガラクトシル基あるいはβ−ガラ
クトシル基を含む天然のオリゴ糖、配糖体あるいは多糖
から酵素(β−ガラクタナーゼ、β−ガラクトシダー
ゼ、α−ガラクトシダーゼなど)あるいは酸を使用して
加水分解することにより調製したガラクトースあるいは
ガラクトース溶液も使用できる。
して使用しうるガラクトースとしては、市販のガラクト
ースはもちろん、α−ガラクトシル基あるいはβ−ガラ
クトシル基を含む天然のオリゴ糖、配糖体あるいは多糖
から酵素(β−ガラクタナーゼ、β−ガラクトシダー
ゼ、α−ガラクトシダーゼなど)あるいは酸を使用して
加水分解することにより調製したガラクトースあるいは
ガラクトース溶液も使用できる。
α−ガラクトシダーゼは本来加水分解酵素であるが、
原料のガラクトース濃度を高めると加水分解反応の逆反
応として脱水縮合反応も触媒するようになる。従って、
高濃度のガラクトースにα−ガラクトシダーゼを作用さ
せた場合、α−1,6結合を主体としたガラクトビオース
を生成する。この場合、反応系に他の水酸基を持つ化合
物(例えば、単糖やオリゴ糖)も存在すれば、これらの
化合物とガラクトースがα結合で結合した化合物も合成
される。この生成した化合物のガラクトースの結合位
置、あるいは、これらの化合物の比率は用いた酵素の由
来や反応形式により影響を受ける。このようなα−ガラ
クトシル基を持つ化合物を効率よく合成するには原料の
ガラクトースの濃度は高い程良く、通常10%以上の濃度
を用いる方が好ましい。また、溶解度の点から反応温度
は高い方が望ましい。α−ガラクトシダーゼの作用条件
は用いる酵素によって異なるが、pH3.0〜10.0、好まし
くは5.0〜8.0の範囲で、反応温度は20〜80℃、好ましく
は40〜70℃の範囲である。反応時間は、酵素の使用量に
よって異なるが、通常1〜48時間である。しかしなが
ら、本発明は以上の条件、あるいは反応形態のみに限定
されるものではない。
原料のガラクトース濃度を高めると加水分解反応の逆反
応として脱水縮合反応も触媒するようになる。従って、
高濃度のガラクトースにα−ガラクトシダーゼを作用さ
せた場合、α−1,6結合を主体としたガラクトビオース
を生成する。この場合、反応系に他の水酸基を持つ化合
物(例えば、単糖やオリゴ糖)も存在すれば、これらの
化合物とガラクトースがα結合で結合した化合物も合成
される。この生成した化合物のガラクトースの結合位
置、あるいは、これらの化合物の比率は用いた酵素の由
来や反応形式により影響を受ける。このようなα−ガラ
クトシル基を持つ化合物を効率よく合成するには原料の
ガラクトースの濃度は高い程良く、通常10%以上の濃度
を用いる方が好ましい。また、溶解度の点から反応温度
は高い方が望ましい。α−ガラクトシダーゼの作用条件
は用いる酵素によって異なるが、pH3.0〜10.0、好まし
くは5.0〜8.0の範囲で、反応温度は20〜80℃、好ましく
は40〜70℃の範囲である。反応時間は、酵素の使用量に
よって異なるが、通常1〜48時間である。しかしなが
ら、本発明は以上の条件、あるいは反応形態のみに限定
されるものではない。
また、α−ガラクトシダーゼは、基質濃度を高めると
糖転移作用を触媒するようになる。従って、α−ガラク
トシダーゼの糖転移作用を利用しα−ガラクトシダーゼ
の脱水縮合反応によって生じたα−ガラクトシル基を含
む化合物を供与体に用いて、ラフィノース、スターキオ
ース、ガラクトビオース、α−ガラクトシルグリセリン
などを合成する場合、基質濃度は高い方が良い。また、
受容体となるシュークロース、ラフィノース、ガラクト
ース、グリセリンなどの濃度も高い方が良い。通常10〜
50%濃度を用いる方が好ましい。α−ガラクトシダーゼ
の作用条件は用いる酵素によって異なるが、pH3.0〜10.
0、好ましくは5.0〜8.0の範囲で、反応温度は20〜80
℃、好ましくは40〜70℃の範囲である。反応時間は、酵
素の使用量によって異なるが、基質のα−ガラクトシル
基を含む化合物が約90%程度分解されるまで行うことが
好ましく通常1〜48時間である。しかしながら、本発明
は以上の条件、あるいは反応形態のみに限定されるもの
ではない。本発明の前段で用いるα−ガラクトシダーゼ
は、ガラクトースあるいはガラクトースを含む溶液に作
用させた場合、脱水縮合反応によってα−ガラクトシル
基を含む化合物を合成するものであれば良い。また、後
段で用いるα−ガラクトシダーゼは、ガラクトビオース
やメリビオースのようなα−ガラクトシル基を含むオリ
ゴ糖や配糖体を分解し、糖転移作用を触媒する酵素であ
れば良い。両酵素は、起源・種類に限定されない。例え
ば、ピクノポラス・シナバリス(Pycnoporus cinnabari
nus)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus b
ovis)、デプロコッカス・ニューモニア(Diplococcus
pneumoniae)、モルティエレラ・ビナセ(Mortierella
vinacea)などの微生物やビシア・サティバ(Vicia sat
iva)、緑色コーヒー豆(Green coffee bean)などの植
物が生産するα−ガラクトシダーゼが使用できる。これ
らの微生物からα−ガラクトシダーゼを生産する方法
は、通常液体培養もしくは固体培養が用いられる。液体
培養の場合はその培養上澄液を、固体培養の場合はその
抽出液を、そのまま酵素剤として利用できる。また、場
合によっては菌体をそのまま酵素剤として利用すること
も可能である。また、必要に応じて既知の方法で精製し
た酵素も使用できる。これら酵素あるいは酵素を生産す
る菌体は固定化してカラムに詰めたり膜に固定化して連
続式であるいはバッチ式で繰り返し反応に利用すること
も可能である。
糖転移作用を触媒するようになる。従って、α−ガラク
トシダーゼの糖転移作用を利用しα−ガラクトシダーゼ
の脱水縮合反応によって生じたα−ガラクトシル基を含
む化合物を供与体に用いて、ラフィノース、スターキオ
ース、ガラクトビオース、α−ガラクトシルグリセリン
などを合成する場合、基質濃度は高い方が良い。また、
受容体となるシュークロース、ラフィノース、ガラクト
ース、グリセリンなどの濃度も高い方が良い。通常10〜
50%濃度を用いる方が好ましい。α−ガラクトシダーゼ
の作用条件は用いる酵素によって異なるが、pH3.0〜10.
0、好ましくは5.0〜8.0の範囲で、反応温度は20〜80
℃、好ましくは40〜70℃の範囲である。反応時間は、酵
素の使用量によって異なるが、基質のα−ガラクトシル
基を含む化合物が約90%程度分解されるまで行うことが
好ましく通常1〜48時間である。しかしながら、本発明
は以上の条件、あるいは反応形態のみに限定されるもの
ではない。本発明の前段で用いるα−ガラクトシダーゼ
は、ガラクトースあるいはガラクトースを含む溶液に作
用させた場合、脱水縮合反応によってα−ガラクトシル
基を含む化合物を合成するものであれば良い。また、後
段で用いるα−ガラクトシダーゼは、ガラクトビオース
やメリビオースのようなα−ガラクトシル基を含むオリ
ゴ糖や配糖体を分解し、糖転移作用を触媒する酵素であ
れば良い。両酵素は、起源・種類に限定されない。例え
ば、ピクノポラス・シナバリス(Pycnoporus cinnabari
nus)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus b
ovis)、デプロコッカス・ニューモニア(Diplococcus
pneumoniae)、モルティエレラ・ビナセ(Mortierella
vinacea)などの微生物やビシア・サティバ(Vicia sat
iva)、緑色コーヒー豆(Green coffee bean)などの植
物が生産するα−ガラクトシダーゼが使用できる。これ
らの微生物からα−ガラクトシダーゼを生産する方法
は、通常液体培養もしくは固体培養が用いられる。液体
培養の場合はその培養上澄液を、固体培養の場合はその
抽出液を、そのまま酵素剤として利用できる。また、場
合によっては菌体をそのまま酵素剤として利用すること
も可能である。また、必要に応じて既知の方法で精製し
た酵素も使用できる。これら酵素あるいは酵素を生産す
る菌体は固定化してカラムに詰めたり膜に固定化して連
続式であるいはバッチ式で繰り返し反応に利用すること
も可能である。
[発明の効果] 現在、α−ガラクトシル基を含む有用なオリゴ糖や配
糖体を酵素的に合成する場合、安価で大量に存在するα
−ガラクトシル基の供給源は天然界では知られていな
い。本発明のα−ガラクトシル基を含む化合物は、ガラ
クトースあるいはガラクトースを含む溶液からα−ガラ
クトシダーゼによって大量に合成できる。このα−ガラ
クトシル基を含む化合物を供与体に用いることにより、
α−ガラクトシダーゼの糖転移作用によってα−ガラク
トシル基を含む有用なオリゴ糖や配糖体を酵素的に安価
かつ大量に合成できる。
糖体を酵素的に合成する場合、安価で大量に存在するα
−ガラクトシル基の供給源は天然界では知られていな
い。本発明のα−ガラクトシル基を含む化合物は、ガラ
クトースあるいはガラクトースを含む溶液からα−ガラ
クトシダーゼによって大量に合成できる。このα−ガラ
クトシル基を含む化合物を供与体に用いることにより、
α−ガラクトシダーゼの糖転移作用によってα−ガラク
トシル基を含む有用なオリゴ糖や配糖体を酵素的に安価
かつ大量に合成できる。
次に本発明の詳細を実施例を挙げて説明する。
[実施例] 酵素の活性 α−ガラクトシダーゼの活性測定法 10mMパラニトロフェニル−α−ガラクトシド0.2mlと1
00mM酢酸緩衝液(pH5.5)0.2mlにα−ガラクトシダーゼ
溶液0.05mlを加えて40℃10分間反応させる。反応後、0.
2M Na2CO30.5mlを加えて反応を止め、遊離してくるパラ
ニトロフェノール量を分光光度計にて400nmの吸光度を
計ることにより測定した。酵素活性1単位は、この条件
下で1分間に1μmoleのパラニトロフェノールを生成す
る酵素量と定義した。
00mM酢酸緩衝液(pH5.5)0.2mlにα−ガラクトシダーゼ
溶液0.05mlを加えて40℃10分間反応させる。反応後、0.
2M Na2CO30.5mlを加えて反応を止め、遊離してくるパラ
ニトロフェノール量を分光光度計にて400nmの吸光度を
計ることにより測定した。酵素活性1単位は、この条件
下で1分間に1μmoleのパラニトロフェノールを生成す
る酵素量と定義した。
実施例1 ガラクトビオースの作成 ガラクトース70gを含むpH5.0の酢酸緩衝液100mlに市販
のモルティエレラ・ビナセ由来のα−ガラクトシダーゼ
(生化学工業(株))20単位を加え、50℃にて48時間反
応させた。反応液を活性炭カラムクロマトグラフィーに
かけ、オリゴ糖類を吸着させた後、エチルアルコール0
%〜20%の濃度勾配により溶出させた。溶出液を濃縮乾
燥して脱水縮合生成物20gを得た。この化合物は、酸で
加水分解するとガラクトースのみを生成し、ペーパーク
ロマトグラフィーの移動度からガラクトビオースと同定
した。
のモルティエレラ・ビナセ由来のα−ガラクトシダーゼ
(生化学工業(株))20単位を加え、50℃にて48時間反
応させた。反応液を活性炭カラムクロマトグラフィーに
かけ、オリゴ糖類を吸着させた後、エチルアルコール0
%〜20%の濃度勾配により溶出させた。溶出液を濃縮乾
燥して脱水縮合生成物20gを得た。この化合物は、酸で
加水分解するとガラクトースのみを生成し、ペーパーク
ロマトグラフィーの移動度からガラクトビオースと同定
した。
α−ガラクトシダーゼによるオリゴ糖の作成 前述の縮合反応によって生成したガラクトビオース1gと
シュークロース1gを含むpH5.0の酢酸緩衝液5mlに、実施
例1−で使用したのと同種のα−ガラクトシダーゼ4
単位を加えて50℃24時間反応させた。反応液を10分間煮
沸加熱し酸素を失活させた後、反応液1μlを紙にス
ポットしn-ブタノール:ピリジン:水=6:4:3の組成の
溶媒系で4重展開後、フロログルシン法によるケトース
呈色を行うと、ラフィノースに相当する位置にスポット
が検出された。この反応液を活性炭カラムクロマトグラ
フィーにかけ、オリゴ糖類を吸着させた後、エチルアル
コールの濃度勾配により溶出させた。この3量体画分を
集め、濃縮し凍結乾燥標品1.1gを得た。
シュークロース1gを含むpH5.0の酢酸緩衝液5mlに、実施
例1−で使用したのと同種のα−ガラクトシダーゼ4
単位を加えて50℃24時間反応させた。反応液を10分間煮
沸加熱し酸素を失活させた後、反応液1μlを紙にス
ポットしn-ブタノール:ピリジン:水=6:4:3の組成の
溶媒系で4重展開後、フロログルシン法によるケトース
呈色を行うと、ラフィノースに相当する位置にスポット
が検出された。この反応液を活性炭カラムクロマトグラ
フィーにかけ、オリゴ糖類を吸着させた後、エチルアル
コールの濃度勾配により溶出させた。この3量体画分を
集め、濃縮し凍結乾燥標品1.1gを得た。
本標品は、(a)α−ガラクトシダーゼで加水分解す
るとガラクトースとシュークロースを等モル生成するこ
と、(b)β−フラクトシダーゼで加水分解すると、等
モルのメリビオースとフラクトースを生成すること、
(c)α−ガラクトシダーゼとβ−フラクトシダーゼと
で加水分解するとガラクトース、グルコース、フラクト
ースを1モルずつ生成すること、(d)ペーパークロマ
トグラフィーの移動度がラフィノースと一致する。以上
のことからラフィノースであると同定した。
るとガラクトースとシュークロースを等モル生成するこ
と、(b)β−フラクトシダーゼで加水分解すると、等
モルのメリビオースとフラクトースを生成すること、
(c)α−ガラクトシダーゼとβ−フラクトシダーゼと
で加水分解するとガラクトース、グルコース、フラクト
ースを1モルずつ生成すること、(d)ペーパークロマ
トグラフィーの移動度がラフィノースと一致する。以上
のことからラフィノースであると同定した。
実施例2(α−ガラクトシル基を有するオリゴ糖の作
成) ガラクトース3.5gを含むpH6.0酢酸緩衝液5mlに市販の緑
色コーヒー豆由来のα−ガラクトシダーゼ溶液(ベーリ
ンガー・マンハイム山之内(株))1単位を加え、40℃
にて48時間反応させた。さらに、シュークロース1gを加
え、さらに40℃24時間反応させた。
成) ガラクトース3.5gを含むpH6.0酢酸緩衝液5mlに市販の緑
色コーヒー豆由来のα−ガラクトシダーゼ溶液(ベーリ
ンガー・マンハイム山之内(株))1単位を加え、40℃
にて48時間反応させた。さらに、シュークロース1gを加
え、さらに40℃24時間反応させた。
反応液1μlを紙にスポットし、ペーパークロマトグ
ラフィーにより反応生成物をケトース呈色で調べた結
果、ラフィノースと思われるスポットが確認された。実
施例1−の場合と同様に活性炭カラムクロマトグラフ
ィーにより3量体区分を単離し、酵素法により構造を確
認した結果ラフィノースであることが明らかとなった。
ラフィーにより反応生成物をケトース呈色で調べた結
果、ラフィノースと思われるスポットが確認された。実
施例1−の場合と同様に活性炭カラムクロマトグラフ
ィーにより3量体区分を単離し、酵素法により構造を確
認した結果ラフィノースであることが明らかとなった。
実施例3(α−ガラクトシル基を有する配糖体の作成) ラクトース2gを塩酸で加水分解し、水酸化ナトリウムで
中和後ガラクトースとグルコースの等量混合物を得た。
この溶液を濃縮乾燥後、pH5.0の酢酸緩衝液1.5mlに溶解
し実施例1−で使用したのと同種のα−ガラクトシダ
ーゼを同様に作用させ、活性炭カラムクロマトグラフィ
ーによりα−ガラクトシル基を含む2糖を得た。この化
合物500mgとグリセリン1gを含むpH5.0の酢酸緩衝液3ml
に前述のα−ガラクトシダーゼ3単位を加え、50℃で48
時間反応させた。その後、反応液を10分間加熱し酵素を
熱失活させた。
中和後ガラクトースとグルコースの等量混合物を得た。
この溶液を濃縮乾燥後、pH5.0の酢酸緩衝液1.5mlに溶解
し実施例1−で使用したのと同種のα−ガラクトシダ
ーゼを同様に作用させ、活性炭カラムクロマトグラフィ
ーによりα−ガラクトシル基を含む2糖を得た。この化
合物500mgとグリセリン1gを含むpH5.0の酢酸緩衝液3ml
に前述のα−ガラクトシダーゼ3単位を加え、50℃で48
時間反応させた。その後、反応液を10分間加熱し酵素を
熱失活させた。
反応液に1N NaOH溶液0.3mlを加え、60分間加熱して還元
糖を分解し、次いでイオン交換樹脂で処理した後、ペー
パークロマトグラフィーにより反応生成物を調べた結
果、グルコースに相当する位置にスポットが確認され
た。このグルコースに相当する区分をペーパーから抽出
し、性質を調べた。(a)この標品は還元力を有しない
(b)α−ガラクトシダーゼにより加水分解するとガラ
クトースとグリセリンを等モル生成する。以上のことよ
りこの標品はα−ガラクトシルグリセリンであると同定
した。
糖を分解し、次いでイオン交換樹脂で処理した後、ペー
パークロマトグラフィーにより反応生成物を調べた結
果、グルコースに相当する位置にスポットが確認され
た。このグルコースに相当する区分をペーパーから抽出
し、性質を調べた。(a)この標品は還元力を有しない
(b)α−ガラクトシダーゼにより加水分解するとガラ
クトースとグリセリンを等モル生成する。以上のことよ
りこの標品はα−ガラクトシルグリセリンであると同定
した。
Claims (1)
- 【請求項1】α−ガラクトシダーゼの脱水縮合反応によ
って生じたα−ガラクトシル基を含む化合物を供与体に
用いα−ガラクトシダーゼの糖転移作用を利用すること
を特徴とするα−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるい
は配糖体の製造法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19098588A JPH0824592B2 (ja) | 1988-07-29 | 1988-07-29 | α−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19098588A JPH0824592B2 (ja) | 1988-07-29 | 1988-07-29 | α−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0284191A JPH0284191A (ja) | 1990-03-26 |
JPH0824592B2 true JPH0824592B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=16266943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19098588A Expired - Fee Related JPH0824592B2 (ja) | 1988-07-29 | 1988-07-29 | α−ガラクトシル基を含むオリゴ糖あるいは配糖体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0824592B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7491518B2 (en) * | 2000-08-30 | 2009-02-17 | Amano Enzyme Inc. | Method of elevating yield of oligosaccharides containing α-galactosyl and anti-candida compositions |
JP4328490B2 (ja) * | 2002-03-01 | 2009-09-09 | 天野エンザイム株式会社 | 飲食品の風味改善剤及びこれが添加された食品並びに飲食品の風味改善方法 |
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1988
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