JPH08245561A - 殺有害生物活性チオアミド誘導体、イソチアゾール誘導体、それらの用途 - Google Patents

殺有害生物活性チオアミド誘導体、イソチアゾール誘導体、それらの用途

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JPH08245561A
JPH08245561A JP7050204A JP5020495A JPH08245561A JP H08245561 A JPH08245561 A JP H08245561A JP 7050204 A JP7050204 A JP 7050204A JP 5020495 A JP5020495 A JP 5020495A JP H08245561 A JPH08245561 A JP H08245561A
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JP
Japan
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formula
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optionally substituted
hydrocarbon residue
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Withdrawn
Application number
JP7050204A
Other languages
English (en)
Inventor
Satonori Tabuchi
学典 田淵
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
Tetsuo Okauchi
哲夫 岡内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規チオアミド誘導体,イソチアゾール誘導体
またはそれらの塩、それらの製造方法、および該チオア
ミド誘導体,イソチアゾール誘導体またはそれらの塩を
含有してなる殺虫,殺菌もしくは除草組成物を提供する 【構成】式 【化1】 で表される部分構造式を有し、殺有害生物活性を有する
化合物またはその塩、一般式 【化3】 で表される化合物またはその塩、およびこれらの化合物
またはその塩を含有してなる殺虫、殺菌または除草組成
物。 【効果】本発明のチオアミド誘導体(I)およびその
塩、イソチアゾール誘導体(II)およびその塩は、従来
にない優れた有害生物防除作用を有し、該誘導体を含有
してなる殺虫、殺菌または除草組成物は農業に貢献する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チオアミド誘導体,イ
ソチアゾール誘導体またはそれらの塩、および該チオア
ミド誘導体,イソチアゾール誘導体またはそれらの塩を
含有してなる殺虫,殺菌もしくは除草組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から多数の殺有害生物作用を有する
化合物が合成され、農薬として使用されている。しか
し、限られた範囲の化合物が多用されてきたため、薬剤
抵抗性の有害生物が発生し問題となっていることは周知
の通りである。このため、新規な殺有害生物活性を有す
る化合物が探索されている。ある種のクロトン酸アミド
誘導体が殺虫活性を示すことが既に報告されている(特
開平3−95150、特開平4−95073)。また、
ある種のイソチアゾール誘導体が殺菌活性を示すことが
報告されている(WO 93/19054、特開平6−
247947、ドイツ特許第1814249、フランス
特許第1555414)。しかし、これらの中には人畜
毒性が高かったり、土壌等への残留性が強すぎるなど、
実用上は必ずしも満足できる効果が得られていないもの
があるのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状において、人畜、天敵に対する毒性が低く、安全
で、抵抗性有害生物に対しても優れた防除効果を有する
チオアミド誘導体,イソチアゾール誘導体またはそれら
の塩、それらの製造方法、および該チオアミド誘導体,
イソチアゾール誘導体またはそれらの塩を含有してなる
殺虫,殺菌もしくは除草組成物を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】この出願発明者らは、上
記課題を解決すべく、新規な殺有害生物活性を有する新
規化合物を見いだすために、長年鋭意研究を続けてき
た。その結果、一般式(I)
【化4】 〔式中、R1は置換されていてもよい炭化水素残基を、
Xはニトロ、または炭素,硫黄もしくはリン原子を介す
る基を、Yは式−NX1−(式中、X1は水素、または炭
素,硫黄もしくはリン原子を介する基を示す)で表され
る基または式−NX1−NX2−(式中、X1およびX2
同一または異なって水素、または炭素,硫黄もしくはリ
ン原子を介する基を示す)で表される基を、Zは置換さ
れていてもよい芳香族炭化水素残基または置換されてい
てもよい芳香族複素環基を示す〕で表される化合物また
はその塩が、意外にも非常に強い殺有害生物作用を有す
ることを見いだし、しかも人畜、天敵に対する毒性が低
いことも見いだした。そして一般式(I)で表される化
合物(I)またはその塩を例えば臭素で処理して容易に
得られるイソチアゾール誘導体またはその塩も同様に殺
有害生物作用を有し、人畜、天敵に対する毒性が低いこ
とを見いだした。これらの知見に基づいてさらに鋭意研
究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)式(Ia)
【化5】 で表される部分構造式を有し、殺有害生物活性を有する
化合物またはその塩、(2)化合物が一般式(I)
【化6】 〔式中、R1は置換されていてもよい炭化水素残基を、
Xはニトロ、または炭素,硫黄もしくはリン原子を介す
る基を、Yは式−NX1−(式中、X1は水素、または炭
素,硫黄もしくはリン原子を介する基を示す)で表され
る基または式−NX1−NX2−(式中、X1およびX2
同一または異なって水素、または炭素,硫黄もしくはリ
ン原子を介する基を示す)で表される基を、Zは置換さ
れていてもよい芳香族炭化水素残基または置換されてい
てもよい芳香族複素環基を示す〕で表されるチオアミド
誘導体(I)である上記(1)記載の化合物またはその
塩、(3)R1が置換されていてもよいハロゲン化アル
キル基である上記(2)記載の化合物、(4)Xが炭素
もしくは硫黄原子を介する基である上記(2)記載の化
合物、(5)Yが式−NXa−(式中、Xaは水素、置換
されていてもよい脂肪族炭化水素残基または置換されて
いてもよいアルキルスルホニル基を示す)で表される基
である上記(2)記載の化合物、(6)Yが式−NXa
−NXb−(式中、XaおよびXbは水素、置換されてい
てもよい脂肪族炭化水素残基または置換されていてもよ
いアルキルスルホニル基を示す)で表される基である上
記(2)記載の化合物、(7)Zが置換されていてもよ
い芳香族炭化水素残基である上記(2)記載の化合物、
(8)Zが置換されていてもよいC6-14アリール基であ
る上記(2)記載の化合物、(9)一般式(II)
【化7】 〔式中、R1'は置換されていてもよいハロゲン化脂肪族
炭化水素残基を、X'はニトロ、または炭素,硫黄もし
くはリン原子を介する基を、Y'は式−NX1'−(式
中、X1'は水素、または炭素,硫黄もしくはリン原子を
介する基を示す)で表される基または式−NX1'−NX
2'−(式中、X1'およびX2'は同一または異なって水
素、または炭素,硫黄もしくはリン原子を介する基を示
す)で表される基を、Z'は置換されていてもよい芳香
族炭化水素残基または置換されていてもよい芳香族複素
環基を示す〕で表されるイソチアゾール誘導体(II)ま
たはその塩、(10)R1'が置換されていてもよいハロ
ゲン化アルキル基である上記(9)記載の化合物、(1
1)X'が炭素もしくは硫黄原子を介する基である上記
(9)記載の化合物、(12)Y'が式−NXa'−(式
中、Xa'は水素、置換されていてもよい脂肪族炭化水素
残基または置換されていてもよいアルキルスルホニル基
を示す)で表される基である上記(9)記載の化合物、
(13)Y'が式−NXa'−NXb'−(式中、Xa'およ
びXb'は水素、置換されていてもよい脂肪族炭化水素残
基または置換されていてもよいアルキルスルホニル基を
示す)で表される基である上記(9)記載の化合物、
(14)Z'が置換されていてもよい芳香族炭化水素残
基である上記(9)記載の化合物、(15)Z'が置換
されていてもよいC6-14アリール基である上記(9)記
載の化合物、(16)上記(1)記載の化合物またはそ
の塩を含有してなる殺虫、殺菌または除草組成物、およ
び(17)上記(9)記載の化合物またはその塩を含有
してなる殺虫、殺菌または除草組成物に関する。
【0006】式(Ia)で表される部分構造式、一般式
(I)で表されるチオアミド誘導体またはその塩は二重
結合に関してシス、トランスの異性体が存在する場合が
あるが、本発明にはそのいずれの異性体も含まれる。式
(Ia)で表される部分構造式を有し、殺有害生物活性を
有する化合物またはその塩としては、例えば式(Ia)で
表される部分構造式を分子内に有する鎖状,単環状ある
いは縮合二環状化合物で、殺虫,殺菌もしくは除草活性
を有する化合物が挙げられる。具体的には、例えば一般
式(I)で表される化合物などの殺虫,殺菌もしくは除
草活性を有する鎖状化合物またはその塩が挙げられる。
上記殺有害生物活性としては、例えば殺虫活性、殺菌活
性または除草活性が挙げられる。当該化合物が殺有害生
物活性を有することは、農薬分野で一般的に用いられる
自体公知の方法により確認することができる。該方法と
しては、例えば公述の試験例1〜5に記載した方法が挙
げられる。上記R1で表される置換されていてもよい炭
化水素残基における炭化水素残基としては、脂肪族炭化
水素残基または芳香族炭化水素残基が挙げられる。該脂
肪族炭化水素残基としては、例えばアルキル(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t-ブチ
ル,ペンチル,ヘキシル等のC1-6アルキル)、シクロ
アルキル(例、シクロプロピル,シクロペンチル,シク
ロヘキシル等のC3-6シルロアルキル)、アルコキシア
ルキル(例、メトキシメチル,エトキシメチル,エトキ
シブチル,プロポキシメチル,プロポキシヘキシル等の
1-3アルコキシC1-6アルキル)、ヒドロキシアルキル
(例、ヒドロキシメチル,ヒドロキシエチル,ヒドロキ
シブチル,ヒドロキシプロピル等のC1-6アルキル)、
アルケニル(例、ビニル,ブタジエニル,ヘキサトリエ
ニル等のC2-6アルケニル等)、ホルミル、シアノ、カ
ルボキシル、アルコキシカルボニル(例、メトキシカル
ボニル,エトキシカルボニル,t-ブトキシカルボニル等
のC1-6アルコキシカルボニル)などが挙げられる。該
芳香族炭化水素残基としては、例えばアリール(例、フ
ェニル,ナフチル,アントラセニル等のC6-14アリー
ル)、アラルキル(例、ベンジル,ベンツヒドリール,
トリチル等のC7-20アラルキル)などが挙げられる。該
置換基としては、例えば(a)ヒドロキシル、(b)アミノ、
(c)モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ(例、メチル
アミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ等)、(d)C1-6アルコキシ(例、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、ヘキシルオキシ等)お
よび(e)ハロゲン(フッ素,塩素,臭素, よう素)等か
ら選ばれた1ないし4個で置換されていてもよいC6-14
アリール(例、フェニル,ナフチル等);モノ−または
ジ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチル
アミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ等);C1-4アシルアミノ(例、ホルミルアミノ,
アセチルアミノ等);ヒドロキシル;カルボキシル;ニ
トロ;シアノ;チオシアノ;C1-6アルコキシ(例、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ等);C1-6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチ
ルチオ、イソプロピルチオ等);C1-6アルキル-カルボ
ニルオキシ(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ
等)及びハロゲン(例、フッ素,塩素,臭素,よう素)
などが挙げられる。置換の数は1ないし7、好ましくは
1ないし5である。
【0007】上記X,X1,X1',X2またはX2'で表さ
れる炭素原子を介する基としては、例えばそれぞれ置換
されていてもよい、脂肪族炭化水素基〔例、アルキル
(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチ
ル,t-ブチル,ペンチル,ヘキシル等のC1-6アルキ
ル)、シクロアルキル(例、シクロプロピル,シクロペ
ンチル,シクロヘキシル等のC3-6シルロアルキル)、
アルコキシアルキル(例、メトキシメチル,エトキシメ
チル,エトキシブチル,プロポキシメチル,プロポキシ
ヘキシル等のC1-3アルコキシC1-6アルキル)、ヒドロ
キシアルキル(例、ヒドロキシメチル,ヒドロキシエチ
ル,ヒドロキシブチル,ヒドロキシプロピル等のC1-6
アルキル)、アルケニル(例、ビニル,ブタジエニル,
ヘキサトリエニル等のC2-6アルケニル等)、ホルミ
ル、カルボキシル、アルコキシカルボニル(例、メトキ
シカルボニル,エトキシカルボニル,t-ブトキシカルボ
ニル等のC1-6アルコキシカルボニル)フェノキシカル
ボニル、アシル(例、アセチル、プロピオニル、ピバロ
イル等のC2-6アシル)ベンゾイルなど〕、シアノ、カ
ルバモイル、チオカルバモイル、モノまたはジアルキル
カルバモイル(例、メチルカルバモイル,エチルカルバ
モイル,ヘキシルカルバモイル,ジメチルカルバモイ
ル,メチルエチルカルバモイル等のモノ,ジC1-6アル
キルカルバモイル)、モノまたはジアルキルチオカルバ
モイル(例、メチルチオカルバモイル、エチルカルバモ
イル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等
のモノ、ジC1-6アルキルチオカルバモイル)、アミジ
ノ、芳香族炭化水素残基〔例、アリール(例、フェニ
ル,ナフチル,アントラセニル等のC6-14アリール)、
アラルキル(例、ベンジル,ベンツヒドリール,トリチ
ル等のC7-20アラルキル)など〕、炭素原子に結合手を
有する複素環基{例、2−または3−チエニル,2−ま
たは3−フリル,2−または3−ピロリル,2−、4−
または5−オキサゾリル,2−,4−または5−チアゾ
リル,3−,4−または5−ピラゾリル,2−,4−ま
たは5−イミダゾリル,3−,4−または5−イソオキ
サゾリル,3−,4−または5−イソチアゾリル,3−
または5−(1,2,4−オキサジアゾリル),1,3,4−
オキサジアゾリル,3−または5−(1,2,4−チアジ
アゾリル),1,3,4−チアジアゾリル,4−または5
−(1,2,3−チアジアゾリル),1,2,5−チアジアゾ
リル,1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル,1H−または2H−テトラゾリル、ピロリジニル、
2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニル、2−チアゾリ
ニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル等
の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から
選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員環基;2
−,3−または4−ピリジルもしくはそのN−オキシ
ド,2−,4−または5−ピリミジニル,N−オキシド
−2−,4−または5−ピリミジニル,2−または3−
チオモルホリニル,2−または3−モルホリニル,ジオ
キソトリアジニル,ピペリジニル,ピラニル,チオピラ
ニル,1,4−オキサジニル,1,4−チアジニル,1,
3−チアジニル,2−または3−ピペラジニル,トリア
ジニル,オキソトリアジニル,3−または4−ピリダジ
ニル,ピラジニル,N−オキシド−3−または4−ピリ
ダジニル、テトラヒドロピリミジニル等の炭素原子以外
に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘテロ
原子を1ないし4個含む6員環基;ベンゾフリル,ベン
ゾチアゾリル,ベンゾオキサゾリル,テトラゾロ〔1,
5−b〕ピリダジニル,トリアゾロ〔4,5−b〕ピリ
ダジニル,ベンゾイミダゾリル,キノリル,イソキノリ
ル,シンノリニル,フタラジニル,キナゾリニル,キノ
キサリニル,インドリジニル,キノリジニル,1,8−
ナフチリジニル,プリニル,プテリジニル,ジベンゾフ
ラニル,カルバゾリル,アクリジニル,フェナントリジ
ニル,クロマニル,ベンゾオキサジニル,フェナジニ
ル,フェノチアジニル,フェノキサジニル等の炭素原子
以外に酸素原子、硫黄原子、窒素原子等から選ばれたヘ
テロ原子を1ないし4個含む2環性または3環性縮合環
基等の炭素原子以外に例えば酸素原子、硫黄原子、窒素
原子などのヘテロ原子を1ないし4個含む5ないし8員
環またはその縮合環基等}などが挙げられる。
【0008】該置換基としては、例えば(a)ヒドロキシ
ル、(b)アミノ、(c)モノ−またはジ−C1-6アルキルア
ミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミ
ノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、(d)C1-6
ルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ヘキ
シルオキシ等)および(e)ハロゲン(フッ素,塩素,臭
素, よう素)等から選ばれた1ないし4個で置換され
ていてもよいC6-14アリール(例、フェニル,ナフチル
等);C1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル等のC1-6アル
キル);C1-6ハロアルキル(例、フルオロメチル、ク
ロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、トリフ
ルオロメチル、ペンタフルオロエチル等のC1-6ハロア
ルキル);モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ
(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等);C1-4アシルア
ミノ(例、ホルミルアミノ,アセチルアミノ等);ヒド
ロキシル;カルボキシル;ニトロ;シアノ;チオシア
ノ;C1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ等);C1-6アルキ
ルチオ(例、メチルチオ,エチルチオ、プロピルチオ、
イソプロピルチオ、ブチルチオ等);C1-6ハロアルコ
キシ(例、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキ
シ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1,2,
2−テトラフルオロエトキシ等のC1-6ハロアルコキ
シ);C1-6ハロアルキルチオ(例、ジフルオロメチル
チオ、トリフルオロメチルチオ、2,2,2−トリフル
オロエチルチオ等のC1-6ハロアルキルチオ);C1-6
ルキル-カルボニルオキシ(例、アセトキシ、エチルカ
ルボニルオキシ等);オキソ;チオキソ及びハロゲン
(例、フッ素,塩素,臭素,よう素)などが挙げられ
る。置換の数は1ないし6、好ましくは1ないし3であ
る。
【0009】上記X,X1,X1',X2またはX2'で表さ
れる硫黄原子を介する基としては、例えばメルカプト、
それぞれ置換されていてもよい、アルキルチオ、シクロ
アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、複素環
チオ基およびこれらの各基において硫黄原子が1または
2個の酸素原子で酸化された基などが挙げられる。該そ
れぞれ置換されていてもよい、アルキルチオ、シクロア
ルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、複素環チ
オ基におけるアルキル、シクロアルキル、アリール、ア
ラルキル、複素環基は上記と同意義を有する。該置換基
は、上記炭素原子を介する基における置換基と同意義を
有する。
【0010】上記X,X1,X1',X2またはX2'で表さ
れるリン原子を介する基としては、例えばリン原子を含
有する基でリン原子上に結合手を有する基が挙げられ
る。リン原子を介する基の好ましい例としては、例えば
ジアルキルホスフィノ基(例、ジメチルホスフィノ,ジ
エチルホスフィノ,ジイソプロピルホスフィノ等)、ジ
アリールホスフィノ基(例、ジフェニルホスフィノ,ジ
ナフチルホスフィノ等)、ジアリールホフフィノイル基
(例、ジフェニルホスフィノイル等)、テトラアリール
ホスホラニル基(例、テトラフェニルホスホラニル
等)、ジアルキルホスホノ基(例、ジメチルホスホノ,
ジエチルホスホノ等)、ジアリールホスホノ基(例、ジ
フェニルホスホノ等)、ジアリールチオホスフィノイル
基(例、ジフェニルチオホスフィノイル等)などが挙げ
られる。このようなリン原子を介する基は置換可能な位
置に置換基を有していてもよい。該置換基としては、例
えばニトロ、水酸基、オキソ、チオキソ、シアノ、カル
バモイル、カルボキシル、C1-4アルコキシ−カルボニ
ル(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル
等)、スルホ、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素)、C1-6アルコキシ(例、メトキシ,エトキシ,プ
ロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,
s−ブトキシ,t−ブトキシ等)、フェノキシ、ハロゲノ
フェノキシ(例、o−、m−またはp−クロロフェノキ
シ,o−、m−またはp−ブロモフェノキシ等)、C
1-6アルキルチオ(例、メチルチオ,エチルチオ,n−
プロピルチオ,イソプロピルチオ,n−ブチルチオ,t
−ブチルチオ等)、C6-12アリールチオ(例、フェニル
チオ等)、C1-4アルキルスルフィニル(例、メチルス
ルフィニル,エチルスルフィニル等)、C1-4アルキル
スルホニル(例、メチルスルホニル,エチルスルホニル
等)、アミノ、C1-6アルカノイルアミノ(例、アセチ
ルアミノ,プロピオニルアミノ等)、モノ-またはジ-C
1-4アルキルアミノ(例、メチルアミノ,エチルアミ
ノ,n−プロピルアミノ,イソプロピルアミノ,n−ブ
チルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ等)、C
1-6アルカノイル(例、ホルミル,アセチル,プロピオ
ニ等)、ベンゾイル、ハロゲン(フッ素,臭素,塩素,
よう素);C1-6アルキル(例、メチル,エチル,プロ
ピル,イソプロピル等)およびハロゲノフェノキシ
(例、o−、m−またはp−クロロフェノキシ,o−、
m−またはp−ブロモフェノキシ等)から選ばれる1な
いし4個の置換基を有していてもよい炭素原子以外に酸
素,硫黄,窒素原子等から選ばれるヘテロ原子を1ない
し4個含む5または6員複素環基またはそれらが縮合し
た複素環基(例、2−または3−チエニル,2−または
3−フリル,3−、4−または5−ピラゾリル,2−、
4−または5−チアゾリル,3−、4−または5−イソ
チアゾリル,2−、4−または5−オキサゾリル,3
−、4−または5−イソオキサゾリル,2−、4−また
は5−イミダゾリル,1,2,3−または1,2,4−トリ
アゾリル,1Hまたは2H−テトラゾリル,2−、3−
または4−ピリジル,2−、4−または5−ピリミジ
ル,3−または4−ピリダニジル,キノリル,イソキノ
リル,インドリル等)、およびC1-10ハロアルキル
(例、ジフルオロメチル,トリフルオロメチル,トリフ
ルオロエチル,トリクロロエチル等)などが挙げられ
る。置換の数は、置換可能な数の範囲内で、1ないし
6、好ましくは1ないし3である。
【0011】上記Zで表される置換されていてもよい芳
香族炭化水素残基における、芳香族炭化水素残基として
は、例えば前記のアリールおよびアラルキルが挙げられ
る。置換基は、前記の炭素原子を介する基が有していて
もよい置換基と同意義を有する。上記Zで表される置換
されていてもよい芳香族複素環基における、芳香族複素
環基としては、例えば前述の炭素原子以外に例えば酸素
原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を1ないし
4個含む5ないし8員環またはその縮合環基で芳香性を
有する基が挙げられる。置換基は、前記の炭素原子を介
する基が有していてもよい置換基と同意義を有する。
【0012】上記R1'で表される置換されていてもよい
ハロゲン化脂肪族炭化水素残基における脂肪族炭化水素
残基としては、例えばアルキル(例、メチル,エチル,
プロピル,イソプロピル,ブチル,t-ブチル,ペンチ
ル,ヘキシル等のC1-6アルキル)、シクロアルキル
(例、シクロプロピル,シクロペンチル,シクロヘキシ
ル等のC3-6シルロアルキル)、アルコキシアルキル
(例、メトキシメチル,エトキシメチル,エトキシブチ
ル,プロポキシメチル,プロポキシヘキシル等のC1-3
アルコキシC1-6アルキル)、ヒドロキシアルキル
(例、ヒドロキシメチル,ヒドロキシエチル,ヒドロキ
シブチル,ヒドロキシプロピル等のC1-6アルキル)、
アルケニル(例、ビニル,ブタジエニル,ヘキサトリエ
ニル等のC2-6アルケニル等)、ホルミル、カルボキシ
ル、アルコキシカルボニル(例、メトキシカルボニル,
エトキシカルボニル,t-ブトキシカルボニル等のC1-6
アルコキシカルボニル)などが挙げられる。該置換基と
しては、モノ−またはジ−C1-6アルキルアミノ(例、
メチルアミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,ジメチ
ルアミノ,ジエチルアミノ等)、C 1-4アシルアミノ
(例、ホルミルアミノ,アセチルアミノ等)、ヒドロキ
シル、カルボキシル、ニトロ、C1-6アルコキシ(例、
メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブ
トキシ等)、C1-6アルキルチオ(例、メチルチオ,エ
チルチオ,プロピルチオ,イソプロポルチオ,ブチルチ
オ等)、C1-6アルキル-カルボニルオキシ(例、アセト
キシ,エチルカルボニルオキシ等)、オキソ、チオキソ
などが挙げられる。置換の数は置換可能な数の範囲内
で、1ないし6、好ましくは1ないし3である。
【0013】R1は置換されていてもよいハロゲン化ア
ルキル基であることが好ましい。該ハロゲン化アルキル
基としては、例えばハロゲン(フッ素,臭素,塩素,ヨ
ウ素)で1から置換可能な数まで、好ましくは1ないし
10、特にこのましくは1ないし8まで置換されたC
1-6アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,ブチ
ル,ヘキシル等)が挙げられる。該ハロゲン化アルキル
基が有していてもよい置換基としては、上記置換されて
いてもよい炭化水素残基が有していてもよい置換基と同
意義を有する。Xは炭素もしくは硫黄原子を介する基で
あることが好ましい。該炭素原子を介する基および硫黄
原子を介する基は前記と同意義を有する。
【0014】Yは式−NXa−(式中、Xaは水素、置
換されていてもよい脂肪族炭化水素残基または置換され
ていてもよいアルキルスルホニル基を示す);または式
−NXa−NXb−(式中、XaおよびXbはそれぞれ
水素、置換されていてもよい脂肪族炭化水素残基または
置換されていてもよいアルキルスルホニル基を示す)で
表される基であることが好ましい。上記置換されていて
もよい脂肪族炭化水素残基における脂肪族炭化水素残基
としては、例えばアルキル(例、メチル,エチル,プロ
ピル,イソプロピル,ブチル,t-ブチル,ペンチル,ヘ
キシル等のC1-6アルキル)、シクロアルキル(例、シ
クロプロピル,シクロペンチル,シクロヘキシル等のC
3-6シルロアルキル)、アルコキシアルキル(例、メト
キシメチル,エトキシメチル,エトキシブチル,プロポ
キシメチル,プロポキシヘキシル等のC1-3アルコキシ
1-6アルキル)、ヒドロキシアルキル(例、ヒドロキ
シメチル,ヒドロキシエチル,ヒドロキシブチル,ヒド
ロキシプロピル等のC1-6アルキル)、アルケニル
(例、ビニル,ブタジエニル,ヘキサトリエニル等のC
2-6アルケニル等)、ホルミル、カルボキシル、アルコ
キシカルボニル(例、メトキシカルボニル,エトキシカ
ルボニル,t-ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ
カルボニル)などが挙げられる。該脂肪族炭化水素残基
が有していてもよい置換基は、上記置換されていてもよ
い炭化水素残基が有していてもよい置換基と同意義を有
する。上記置換されていてもよいアルキルスルホニル基
としては、例えばC1-6アルキル(例、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,se
c-ブチル,t-ブチル,ペンチル,ヘキシル等)スルホニ
ル基が挙げられる。該アルキルスルホニル基が有してい
てもよい置換基は、上記置換されていてもよい炭化水素
残基が有していてもよい置換基と同意義を有する。
【0015】Zは置換されていてもよい芳香族炭化水素
残基であることが好ましい。該芳香族炭化水素残基とし
は、例えばアリール(例、フェニル,ナフチル,アント
ラセニル等のC6-14アリール)、アラルキル(例、ベン
ジル,ベンツヒドリール,トリチル等のC7-20アラルキ
ル)などが挙げらる。さらにZは、置換されていてもよ
いC6-14アリール基であることが特に好ましい。上記芳
香族炭化水素残基またはC6-14アリール基が有していて
もよい置換基は、前記置換されていてもよい炭化水素残
基が有していてもよい置換基と同意義を有する。
【0016】R1'は置換されていてもよいハロゲン化ア
ルキル基であることが好ましい。該ハロゲン化アルキル
基としては、例えばハロゲン(フッ素,臭素,塩素,ヨ
ウ素)で1から置換可能な数まで、好ましくは1ないし
12、特に好ましくは1ないし8まで置換されたC1-6
アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,ブチル,ヘ
キシル等)が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基が有
していてもよい置換基としては、上記置換されていても
よい炭化水素残基が有していてもよい置換基と同意義を
有する。X'は炭素もしくは硫黄原子を介する基である
ことが好ましい。該炭素原子を介する基および硫黄原子
を介する基は前記と同意義を有する。
【0017】Y'は式−NXa'−(式中、Xa'は水
素、置換されていてもよい脂肪族炭化水素残基または置
換されていてもよいアルキルスルホニル基を示す);ま
たは式−NXa'−NXb'−(式中、Xa'およびXb'
はそれぞれ水素、置換されていてもよい脂肪族炭化水素
残基または置換されていてもよいアルキルスルホニル基
を示す)で表される基であることが好ましい。上記置換
されていてもよい脂肪族炭化水素残基における脂肪族炭
化水素残基としては、例えばアルキル(例、メチル,エ
チル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t-ブチル,ペ
ンチル,ヘキシル等のC1-6アルキル)、シクロアルキ
ル(例、シクロプロピル,シクロペンチル,シクロヘキ
シル等のC3-6シルロアルキル)、アルコキシアルキル
(例、メトキシメチル,エトキシメチル,エトキシブチ
ル,プロポキシメチル,プロポキシヘキシル等のC1-3
アルコキシC1-6アルキル)、ヒドロキシアルキル
(例、ヒドロキシメチル,ヒドロキシエチル,ヒドロキ
シブチル,ヒドロキシプロピル等のC1-6アルキル)、
アルケニル(例、ビニル,ブタジエニル,ヘキサトリエ
ニル等のC2-6アルケニル等)、ホルミル、カルボキシ
ル、アルコキシカルボニル(例、メトキシカルボニル,
エトキシカルボニル,t-ブトキシカルボニル等のC1-6
アルコキシカルボニル)などが挙げられる。該脂肪族炭
化水素残基が有していてもよい置換基は、上記置換され
ていてもよい炭化水素残基が有していてもよい置換基と
同意義を有する。上記置換されていてもよいアルキルス
ルホニル基としては、例えばC1-6アルキル(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブ
チル,sec-ブチル,t-ブチル,ペンチル,ヘキシル等)
スルホニル基が挙げられる。該アルキルスルホニル基が
有していてもよい置換基は、上記置換されていてもよい
炭化水素残基が有していてもよい置換基と同意義を有す
る。
【0018】Z'は置換されていてもよい芳香族炭化水
素残基であることが好ましい。該芳香族炭化水素残基と
しは、例えばアリール(例、フェニル,ナフチル,アン
トラセニル等のC6-14アリール)、アラルキル(例、ベ
ンジル,ベンツヒドリール,トリチル等のC7-20アラル
キル)などが挙げらる。さらにZは、置換されていても
よいC6-14アリール基であることが特に好ましい。上記
芳香族炭化水素残基またはC6-14アリール基が有してい
てもよい置換基は、前記置換されていてもよい炭化水素
残基が有していてもよい置換基と同意義を有する。
【0019】チオアミド誘導体(I)の塩、またはイソ
チアゾール誘導体(II)の塩としては、農薬化学上許容
可能な塩であればよい。例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ
化水素酸、リン酸、硫酸、過塩素酸等の無機酸の塩また
は、例えばギ酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、
シュウ酸、コハク酸、安息香酸、ピクリン酸、メタンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸の塩など
が用いられてもよい。また、式(Ia)で表される部分構
造式を有し、殺有害生物活性を有する化合物の塩も同様
な塩が用いられる。
【0020】本発明化合物またはその塩を有害生物防除
剤(例、殺虫,殺菌,除草剤)として使用するにあたっ
ては、一般の農薬組成物の取り得る自体公知の形態とし
て使用する。即ち、式(Ia)で表される部分構造式を有
し、殺有害生物活性を有する化合物またはその塩、化合
物(I)またはその塩、または化合物(II)またはその
塩の一種または二種以上を有効成分として使用目的によ
って適当な液体の担体に溶解させるか分散させ、または
適当な固体担体と混合させるか吸着させ、乳剤、油剤、
水和剤、粉剤、粒剤、錠剤、噴霧剤、軟膏等の剤型とし
て使用する。これらの製剤は必要ならば例えば乳化剤、
懸濁剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、粘漿剤、安定剤等を
添加してもよく、自体公知の方法で調製することができ
る。有害生物防除剤中の有効成分の含有割合は使用目的
によって異なるが、通常、乳剤、水和剤等は1〜90重
量%程度、好ましくは5〜70重量%程度が適当であ
り、油剤、粉剤等としては0.1〜10重量%程度が適
当であり、粒剤としては0.1〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%が適当であるが、使用目的によっ
ては、これらの濃度を適宜変更してもよい。乳剤、水和
剤等は使用に際して、水などで適宜希釈増量(例えば1
00〜100,000倍)して散布する。使用する液体
担体(溶剤)としては、例えば水、例えばメタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレ
ングリコール等のアルコール類、例えばアセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類、例えばジオキサン、テト
ラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、例
えばケロシン、灯油、燃料油、機械油等の脂肪族炭化水
素類、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベン
トナフサ、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、例
えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハ
ロゲン化炭化水素類、例えばN,N-ジメチルホルムアミ
ド、N,N-ジメチルアセトアミド等の酸アミド類、例え
ば酢酸エチル、酢酸ブチル、脂肪酸グリセリンエステル
等のエステル類、例えばアセトニトリル、プロピオニト
リル等のニトリル類等の溶媒が適当であり、これらは一
種または二種以上を適当な割合で混合して適宜使用する
ことができる。
【0021】固体担体(希釈・増量剤)としては、例え
ば大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉等の植物性粉末、例
えばカオリン、ベントナイト、酸性白土等のクレイ類、
滑石粉、ロウ石粉等のタルク類、珪藻土、雲母粉等のシ
リカ類等の鉱物性粉末、炭酸カルシウム、アルミナ、硫
黄粉末、活性炭等が用いられ、これらは一種または二種
以上を適当な割合で混合して適宜使用することができ
る。また軟膏基剤としては、例えばポリエチレングリコ
ール、ペクチン、例えばモノステアリン酸グリセリンエ
ステル等の高級脂肪酸の多価アルコールエステル、例え
ばメチルセルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸
ナトリウム、ベントナイト、高級アルコール、例えばグ
リセリン等の多価アルコール、ワセリン、白色ワセリ
ン、流動パラフィン、豚脂、各種植物油、ラノリン、脱
水ラノリン、硬化油、樹脂類等の一種または二種以上、
あるいはこれらに下記に示す各種界面活性剤を添加した
もの等が適宜使用される。乳化剤、展着剤、浸透剤、分
散剤等として使用される界面活性剤としては、必要に応
じて石鹸類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエー
テル類〔例、ノイゲンTM、イー・エー142(E・A1
42TM,TMは登録商標であることを示す。以下同
様);第一工業製薬(株)製、ノナールTM;東邦化学
(株)製〕、アルキル硫酸塩類〔例、エマール10TM
エマール40TM;花王(株)製〕、アルキルスルホン酸
塩類〔例、ネオゲンTM、ネオゲンTTM;第一工業製薬
(株)製、ネオペレックス;花王(株)製〕、ポリエチ
レングリコールエーテル類〔例、ノニポール85TM、ノ
ニポール100TM、ノニポール160TM;三洋化成
(株)製〕、多価アルコールエステル類〔例、トゥイー
ン20TM、トゥイーン80TM;花王(株)製〕等の非イ
オン系およびアニオン系界面活性剤が適宜用いられる。
また、本発明化合物またはその塩と、例えば他種の殺虫
剤(ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、カルバ
メート系殺虫剤、天然殺虫剤等)、殺ダニ剤、殺線虫
剤、除草剤、植物ホルモン剤、植物発育調節物質、殺菌
剤(例えば銅系殺菌剤、有機塩素系殺菌剤、有機硫黄系
殺菌剤、フェノール系殺菌剤など)、共力剤、誘引剤、
忌避剤、色素、肥料等とを配合し、適宜使用することも
可能である。
【0022】本発明化合物またはその塩と混合して使用
できる殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤の代表例を以下に示
す。プロポクスル(propoxur)、イソプロカルブ(isoproc
arb)、BPMC、キシリルカルブ(xylylcarb)、メトル
カルブ(metolcarb)、XMC、エチオフェンカルブ(ethi
ofencarb)、カルバリル(carbaryl)、ピリミカーブ(piri
micarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、カルボフラン
(carbofuran)、フラチオカルブ(furathiocarb)、カルボ
スルファン(carbosulfan)、アミノスルフラン(aminosul
fulan)、メソミル(methomyl)、フェンチオン(fenthio
n)、フェニトロチオン(fenitrothion)、プロパホス(pro
paphos)、シアノホス(cyanophos)、プロチオホス(proth
iofos)、スルプロホス(sulprofos)、プロフェノホス(pr
ofenofos)、EPN、シアノフェンホス(cyanofenpho
s)、アセフェート(acephate)、オキシデプロホス(oxyde
profos)、ジスルホトン(disulfoton)、チオメトン(thio
meton)、フェントエート(phenthoate)、マラソン(malat
hion)、ジメトエート(dimethoate)、バミドチオン(vami
dothion)、メカルバム(mecarbam)、トリクロルホン(tri
chlorphon)、ネイルド(naled)、ジクロルホス(dichlorv
os)、クロロフェンビンホス(chlorofenvinphos)、テト
ラクロルビンホス(tetrachlorvihphos)、モノクロトホ
ス(monocrotophos)、ホサロン(phosalone)、ジアリホス
(dialifos)、クロルピリホス−メチル(chlorpyrifos-me
thyl)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、ピリミホス−
メチル(pirimiphos-methyl)、ダイアジノン(diazino
n)、エトリムホス(etrimfos)、ピリダフェンチオン(pyr
idaphenthion)、キナルホス(quinalphos)、イソキサチ
オン(isoxathion)、メチダチオン(methidathion)、サリ
チオン(salithion)、シフルスリン(cyfluthrin)、パー
メスリン(permethrin)、サイパーメスリン(cypermethri
n)、デルタメスリン(deltamethrin)、シハロスリン(cyh
alothrin)、フェンプロパスリン(fenpropathrin)、フェ
ンバレレート(fenvalerate)、フルシスリネート(flucyt
hrinate)、フルバリネート(flubalinate)、カルタップ
(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、ブプロフェジン
(buprofezin)、ジフルベンズロン(difulbenzuron)、エ
トフェンプロックス(ethofenprox)、フサライド(fthal
ide)、バリダマイシンA(validamycinA)、メプロニ
ル(mepronil)、フルトラニル(flutolanil)、モンガード
(商品名monguard)、ペンシクロン(pencycuron)、エジ
フェンホス(edifenphos)、イソプロチオラン(isoprothi
olane)、トリシクラゾール(tricyclazole)、プロベナゾ
ール(probenazole)、カスガマイシン(kasugamycin)、I
BP、ベンスルタップ(bensultap)、ピラクロホス(pyra
clophos)、フェリムゾン(ferimzon)、イミダクロプリド
(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、シグマ−
サイパーメスリン(sigma-cypermethrin)、フィプロニ
ル(fipronil)、シラノファン(silanophane)、ノバリ
ュロン(novaluron)、ハイドロプレン(hydroprene)、フ
ルフェンプロックス(flufenprox)、フェンピラドまたは
テブフェンピラド(fenpyrad or tebufenpyrad)、フェノ
キシカーブ(fenoxycarb)、フェナザキン(fenazaquin)、
クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ノーモルト(nom
olt)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、フルフェノク
スロン(flufenoxuron)、アラニカルブ(alanycarb)、ジ
アフェンチウロン(diafenthiuron)、クロフェンテジン
(clofentezine)、フェンプロパトリン(fenpropathri
n)、トラロメトリン(tralomethrin)、メトキサジアゾン
(methoxadiazone)、フルアジナム(fluazinam)、オキメ
ラノルア(okimeranolure)、クロルチオホス(chlorthiop
hos)、フォートレス(fortress)、レバミゾール(levamis
ol)、ジエノクロル(dienochlor)、クロエトカルブ(cloe
thocarb)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、ベンフ
ラカルブ(benfuracarb)、イソフェンホス(isofenpho
s)、アベルメクチン(avermectin)、ミルベマイシン(mil
bemycin)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、シロマジ
ン(cyromazine)、フルシクロクスロン(flucycloxuro
n)、ブタチオホス(butathiofos)、フェンピロキシメー
ト(fenpyroximate)、アクリナスリン(acrinathrin)、ベ
ンフルスリン(benfluthrin)、ピリダベン(pyridaben)、
ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ヘキシチアゾクス
(hexythiazox)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、チ
ェリトルア(cherrytlure)、スルフラミド(sulflurami
d)、ダイアモルアー(diamolure)、チオジカルブ(thiodi
carb)、フェンプロパスリン(fenpropathrin)、ディアフ
ェンチウロン(diafenthiuron)、フェナリモール(fenari
mol)、フルピリミドール(flurprimidol)、フルオトリマ
ゾール(fluotrimazole)、トリアジメホン(triadimafo
n)、トリアジメノール(triadimenol)、ジクロブタゾー
ル(diclobutazol)、パクロブタゾール(paclobutazol)、
ジニコナゾール(diniconazole)、ウニコナゾール(unico
nazole)、トリフルミゾール(triflumizole)、プロピコ
ナゾール(propiconazole)、フルトリアホル(flutriafo
l)、フルシラゾール(flusilazole)、ペンコナゾール(pe
nconazole)、ブチオベート(butiobate)、プロクロラズ
(prochloraz)、トリアペンセノール(triapenthenol)、
EDDP、ピロキュロン(pyroquilon)、クロベンチアゾ
ン(chlobenthiazone)、ジネブ(zineb)、マネブ(mane
b)、TPN、キャプタン(captan)、キャプタフォル(cap
tafol)、ホルペット(folpet)、ジクロルフルアニド(dic
hlorfluanid)、カルボキシン(carboxin)、オキシカルボ
キシン(oxycarboxin)、ピラカルボリド(pyracarboli
d)、メベニル(mebenil)、フルカルバニル(furcarbani
l)、シクラフラミド(cyclafuramid)、ベノダニル(benod
anil)、グラノバックス(granovax)、チアベンダゾール
(thiabendazole)、フベリダゾール(fuberidazole)、ベ
ノミル(benomyl)、チオファネート−メチル(thiptanate
-methyl)、サイペンダゾール(cypendazole)、カーベン
ダジン(carbendazin)、ジクロゾリン(dichlozoline)、
イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozoli
n)、プロシミドン(procymidone)、ミクロゾリン(mycloz
olin)、フタラキシル(ftalaxyl)、メタラキシル(metala
xyl)、オフレース(ofrace)、ベナラキシル(benalaxy
l)、オキサデキシル(oxadixyl)、シプロフラム(cyprofu
ram)、トリデモルフ(tridemorph)、フェンプロピモルフ
(fenpropimorph)、トリフォリン(triforine)、トリアリ
モル(triarimol)、ビイテタノール(bitetanol)、イマザ
リル(imazalil)、エタコナゾール(etaconazole)、パク
ロブトラゾール(paclobutrazol)、フェナプロニル(phen
apronil)、ビニコナゾール(viniconazole)、エチリモル
(ehtirimol)、ジメチルモル(dimethirimol)、フルオロ
イミド(fluoroimide)、ヒメキサゾール(hymexazol)、エ
タゾール(ethazol)、プロキシクロル(proxychlor)、ピ
ラゾホス(pyrazophos)、プロチオカーブ(prothiocar
b)、アリエッティ(aliette)、フェンプロピディン(fenp
ropidin)、フラペナゾール(flapenazole)、ピリフェノ
ックス(pyrifenox)、ジエトフェンカルブ(diethofencar
b)、ピパニピリム(pipanipirim)、クロジラコン(clozyl
acon)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジメト
モルフ(dimethomorph)、フェンピクロニル(fenpicloni
l)、チシオフェン(thicyofen)、ブロムコナゾール(brom
uconazole)、オプス(商品名、opus)、イプコナゾール(i
pconazole)、ジメトコナゾール(dimetconazole)、ミク
ロブタニル(myclobutanil)、ミソチアゾール(myxothiaz
ol)、チオイミコナゾール(thioimiconazole)、ザリラ
ミド(zarilamid)、メトスルホバックス(metsulfovax)、
ヘキサコナゾール(hexaconazole)、クインコナゾール(q
uinconazole)、テクロフタラム(tecloftalam)、トリク
ロホスメチル(tolclofos-methyl)、トリクラミド(tricl
amide)、フルスルファミド(flusulfamide)、ベフラン(b
efran)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テクロフ
タラム(tecloftalam)、フルコナゾール−シス(furconaz
ole-cis)、フェネサニル(fenethanil)、ジメフルアゾー
ル(dimefluazole)、エチルトリアノール(ethyltriano
l)、テブコナゾール(tebuconazole)、オキソリニック酸
(oxolinic acid)等。
【0023】本発明化合物またはその塩で防除効果が認
められる害虫としては、例えばナガメ(Eurydema rugosu
m)、イネクロカメムシ(Scotinophara lurida)、ホソヘ
リカメムシ(Riptortus clavatus)、ナシグンバイ(Steph
anitis nashi)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatell
us)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、ツマグロ
ヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、ヤノネカイガラム
シ(Unaspis yanonensis)、ダイズアブラムシ(Aphis gly
cines)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、
ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、ワタア
ブラムシ(Aphisgossypii)等の半翅目害虫、例えばハス
モンヨトウ(Spodoptera litura)、コナガ(Plutella xyl
ostella)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)、
ニカメイガ(Chilo supppressalis)、タマナギンウワバ
(Autographa nigrisigna)、タバコガ(Helicoverpa assu
lta)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(M
amestra brassicae)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxoph
yes orana fasciata)、ワタノメイガ(Notarcha derogat
a)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ジャガ
イモガ(Phthorimaea operculella)等の鱗翅目害虫、例
えばニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopu
nctata)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジ
ノミハムシ(Phyllotreta striolata)、イモドロオイム
シ(Oulema oryzae)、イネゾウムシ(Echinocnemus squam
eus)等の甲虫目害虫、例えばイエバエ(Musca domestic
a)、アカイエカ(Culex pipiens pallens)、ウシアブ(Ta
banus trigonus)、タマネギバエ(Delia antiqua)、タネ
バエ(Delia platura)等の双翅目害虫、例えばトノサマ
バッタ(Locusta migratoria)、ケラ(Gryllotalpa afric
ana)等の直翅目害虫、例えばチャバネゴキブリ(Blattel
la germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginos
a)等のゴキブリ科害虫、例えばナミハダニ(Tetranychus
urticae)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、カンザ
ワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ニセナミハダニ(Tet
ranychus cinnabarinus)、リンゴハダニ(Panonychus ul
mi)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)等のダニ目害
虫、例えばイネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides be
sseyi)等の線虫類、イエシロアリ(Coptotermes formosa
nus)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)等の
シロアリ目害虫等が挙げられ、防除効果が認められる病
害としては、例えばイモチ病(Pyricularia oryzae)、ご
ま葉枯病(Helminthosporium oryzae)、馬鹿苗病(Gibber
ella fujikuroi)、白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、苗
立枯病(Rhizopus oryzae)、紋枯病(Pellicularia sasak
ii, Rhizoctonia solani)等の稲の病害、例えばうどん
粉病(Erysiphe graminis)、班葉病(Helminthosporium g
ramineum, Pyrenophore gramineum)、裸黒穂病(Ustilag
o nuda)等の大麦の病害、例えばうどん粉病(Erysiphe g
raminis)、黒さび病(Puccinia graminis)、赤さび病(Pu
ccinia recondita)、網腥黒穂病(Tilletia caries)等の
小麦の病害、例えばうどん粉病(Sphaerotheca fuligine
a)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、灰色かび病
(Botrytis cinerea)、炭そ病(Colletotrichum lagenari
um)等のキュウリの病害、例えば萎凋病(Fusarium oxysp
orum)、疫病(Phytophthora infestans)、黒班病(Altern
aria tomato)等のトマトの病害、例えばべと病(Plasmop
ara viticola)、灰色かび病(Botrytis cinerea)等のぶ
どうの病害、例えば黒星病(Venturia inaequalis)、赤
星病(Gymnosporangium yamadae)、斑点落葉病(Alternar
ia mali)等のリンゴの病害、その他、トウモロコシ、ラ
イ麦、ジャガイモ、タバコ、テンサイ、トウガラシ、パ
プリカ、インゲン、ソラマメ、ラッカセイ、キャベツ、
コマツナ、セロリ、ダイコン、ナス、ハクサイ、ピーマ
ン、レタス、カンキツ類、ナシ、モモ等の穀物果樹そ菜
の病害が挙げられる。
【0024】このようにして得られる本発明化合物は、
殺虫、殺菌または除草作用を有し、毒性が極めて少なく
安全で、優れた殺虫、殺菌または除草組成物として使用
することができる。本発明の殺虫、殺菌または除草組成
物は、有害生物防除剤として従来の殺虫、殺菌または除
草組成物と同様の方法で用いることができ、その結果従
来品に比べ優れた効果を発揮することができる。例えば
本発明の有害生物防除剤は、例えば育苗箱処理、作物の
茎葉散布、虫体散布、水田の水中施用、種子処理あるい
は土壌処理などにより使用することができる。そしてそ
の施用量は、施用時期、施用場所、施用方法等に応じて
広範囲に変えることができるが、一般的にはヘクタール
当たり有効成分(本発明化合物またはその塩)が0.3
g〜3,000g好ましくは50g〜1,000gとなる
ように施用することが望ましい。また本発明の有害生物
防除剤が水和剤である場合には、有効成分の最終濃度が
0.1〜1,000ppm好ましくは10〜500ppmの範囲
となるように希釈して使用すればよい。本発明の組成物
中の化合物(I)、(II)またはその塩の含有割合は、
製剤全量に対して、通常約0.1〜80重量%、好まし
くは約1〜20重量%程度である。具体的には、乳剤、
液剤、水和剤(例えば、顆粒水和剤)などで用いる場合
は、通常約1〜80重量%程度、好ましくは約1〜20
重量%程度が適当である、油剤、粉剤などで用いる場合
は、通常約0.1〜50重量%程度、好ましくは約1〜
20重量%程度が適当である。粒剤などで用いる場合
は、通常約5〜50重量%程度、好ましくは約1〜20
重量%程度が適当である。本発明の組成物において配合
される他の農薬活性成分(例、殺虫剤、除草剤、殺ダニ
剤および(または)殺菌剤)は製剤全量に対して、通常
約1〜80重量%程度、好ましくは約1〜20重量%程
度の範囲で使用される。上記有効成分以外の添加剤の含
量は、農薬活性成分の種類または含量、あるいは製剤の
剤形などによって異なるが、通常約0.001〜99.
9重量%程度、好ましくは約1〜99重量%程度であ
る。より具体的には、組成物全量に対して、界面活性剤
を通常約1〜20重量%程度、好ましくは約1〜15重
量%、流動助剤を約1〜20重量%程度、担体を約1〜
90重量%、好ましくは約1〜70重量%を添加するの
が好ましい。具体的には、液剤を製造する場合は、界面
活性剤を通常約1〜20重量%程度、好ましくは1〜1
0重量%程度と、水を約20〜90重量%添加するのが
好ましい。乳剤、水和剤(例えば、顆粒水和剤)などは
使用に際して、水などで敵宜希釈増量(例えば、約10
0〜5,000倍)して散布するのがよい。
【0025】一般式(I)で表されるチオアミド誘導体
は、Xが電子吸引基である場合、活性メチレン化合物
(IV)と例えばニトリル類〔例、化合物(III)〕、イ
ミドイルハライド類〔例、化合物(V)でAが塩素,臭
素またはヨウ素の化合物〕、イミデート類〔例、化合物
(V)でAがアルコキシ、アリールオキシまたはアルキ
ルチオである化合物〕とを塩基または酸の存在下、好ま
しくは塩基の存在下、反応させることによって製造する
ことができる。
【化8】 〔式中、Aは、塩素、臭素、ヨウ素、アルコキシ、アリ
ールオキシまたはアルキルチオを示し、R1、X、Y、
Zは前記と同意義を有する〕 反応は無溶媒で行ってもよいが、通常は反応に悪影響を
及ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒としては例えば
水、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール等のアルコール類、例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、例えばジクロ
ロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四
塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、例えばヘキサン、
ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素類、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(以下THFと
略称する。)、ジオキサン等のエーテル類、例えばアセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、例えばアセト
ニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、例えばジ
メチルスルホキシド(以下DMSOと略称する。)等の
スルホキシド等、例えばN,N−ジメチルホルムアミド
(以下DMFと略称する。)、N,N−ジメチルアセト
アミド等の酸アミド類、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル類、例えば酢酸、プロピオン酸等のカルボ
ン酸類等が用いられる。これらの溶媒は単独で用いるこ
ともできるし、また必要に応じて二種またはそれ以上の
多種類を適当な割合、例えば1:1〜1:10の割合で
混合して用いてもよい。反応混合物が均一でない場合に
は例えばトリエチルベンジルアンモニウムクロリド、ト
リ−n−オクチルメチルアンモニウムクロリド、トリメ
チルデシルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモ
ニウムブロミド等の四級アンモニウム塩やクラウンエー
テル類等の相間移動溶媒の存在下に反応を行ってもよ
い。反応で用いてもよい塩基としては、例えば炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸ナトリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム、フェニルリチウム、ブチルリ
チウム、リチウム ジソプロピルアミド(LDA)、水
素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、金属ナトリウム、金属カリ
ウム等の無機塩基、例えばトリエチルアミン、トリブチ
ルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、ルチ
ジン、コリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、
1,8−アザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン等の有機
塩基が約0〜20当量用いられる。上記有機塩基はそれ
自体溶媒として用いることもできる。反応温度は通常約
−100〜100℃、好ましくは約−78〜50℃であ
る。反応時間は通常約1分〜100時間、好ましくは約
10分〜24時間である。また、一般式(I)で表され
るチオアミド誘導体は、活性メチレン化合物(IV)とオ
ルトエステル類〔例、化合物(VI)〕との反応で得られ
た中間体(VII)を、アンモニアと反応させることによ
っても製造することができる。
【化9】 〔式中、R''はアルキル基を示し、R1,X,Yおよび
Zは前記と同意義を有する〕 反応は無溶媒で行ってもよいが、通常は反応に悪影響を
及ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒としては前記した
化合物(III)または化合物(V)と活性メチレン化合物
(IV)から化合物(I)を合成する際用いられるような
溶媒が用いられる。中間体(VII)の製造において塩基
または酸を、好ましくは酸を添加してもよい。該酸とし
ては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、安
息香酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸、例えばメタンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸等のスルホン酸、例えば塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、
過塩素酸、ミフッ化ホウ素、四塩化チタン、塩化亜鉛、
四塩化スズ等の無機酸が0〜20当量用いられる。中間
体(VII)とアンモニアとの反応は通常約−20〜10
0℃,好ましくは約0〜70℃の温度で行われる。反応
時間は、通常約1分〜100時間、好ましくは約10分
〜24時間である。アンモニアは、通常中間体(VII)
に対し約0.5〜100当量、好ましくは約1〜10当
量が用いられる。アンモニアは気体、溶液の状態で用い
ることができる。好ましくは水溶液、アルコール(例、
メタノール,エタノール等)溶液として用いる。
【0026】Xが電子吸引基でない一般式(I)で表さ
れるチオアミド誘導体は、Xが電子吸引基であるチオア
ミド誘導体(I)の官能基変換により製造することがで
きる。官能基変換の方法としては、通常の有機合成反応
に用いられる自体公知の方法が挙げられる。該方法の具
体例としては、例えば、オルガニック・ファンクショナ
ル・グループ・プレパレーションズ(Organic Function
al Group Preparations)I, II, III巻およびコンペン
デイウム・オブ・オルガニック・シンセテイック・メソ
ッズ(Compendium of Organic Synthetic Methods)1
〜7巻等に記載された方法が挙げられる。このようにし
て得られるチオアミド誘導体(I)またはその塩は公知
の手段、例えば濃縮、減圧濃縮、蒸留、分留、溶媒抽
出、液性変換、転溶、クロマトグラフィー、結晶化、再
結晶等により単離精製することができる。
【0027】この反応で用いられるニトリル類(III)
は公知の方法、例えばジャーナル・オブ・ズィ・アメリ
カン・ケミカル・ソサエティ(J. Amer. Chem. Soc.),
65,1458-1460(1943)に記載の方法、またはそれに準じ
た方法等により容易に合成することができる。もう一方
の出発物質(IV)は公知の方法、例えば特開平3−95
150、特開平4−95073に記載の方法、またはそ
れに準じた方法等により合成されたアミド結合を有する
化合物を五硫化リンやローソン試薬〔2,4−ビス(4
−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホス
フェタン−2,4−ジスルフィド〕等のチオ化剤で処理
することにより得ることができる。チオ化反応の公知文
献として例えばビュレタン・デス・ソシエテス・ヒミケ
ス・ベルギー(Bull. Soc. Chim. Belg.), 87, 223(19
78)、およびオルガニック・スインセセス(Org. Sy
n.), Coll. Vol.III, 332(1955)等を挙げることがで
きる。
【化10】 〔式中、X,YおよびZは前記と同意義を有する〕 また(IV)で表される化合物は、Y=N−X1〔X1は前
記の定義と同意義を示す。〕の場合、α−X−酢酸エス
テル類(X−CH2COOR5)(VIII)を塩基性条件
下、イソチオシアン酸エステル類(Z−N=C=S)
(IX)または塩化チオカルバモイル類
【化11】 〔式中、ZおよびX1は前記の定義と同意義を有する〕
と反応させた後、加水分解、脱炭酸を行っても得ること
ができる。
【化12】 〔式中、R5は、アルキル基,ケイ素原子を介する基を
示し、X,X1およびZは前記と同意義を有する〕 上記R5で表されるアルキル基としては例えばメチル、
エチル、プロピル、t−ブチル等が挙げられる。上記R
5で表されるケイ素原子を介する基としては、例えばト
リメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチ
ルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。加水分
解の反応条件の温和さからシリル基が好ましい。塩基と
しては化合物(I)の製造で用いられるような塩基を用
いることができる。
【0028】一般式(II)で表されるイソチアゾール誘
導体は下式の方法に従って合成することができる。
【化13】 〔式中、R1、X、Yは前記と同意義を有する〕 即ち、一般式(II)で表されるイソチアゾール誘導体
は、一般式(I)で表されるチオアミド誘導体を、溶媒
中、臭素で処理することによって得られる。反応は無溶
媒で行ってもよいが、通常は適当な溶媒中で行われる。
このような溶媒として、チオアミド誘導体(I)の合成
で用いられるような溶媒が挙げられる。臭素はチオアミ
ド誘導体(I)に対し約0〜10当量、好ましくは約
0.5〜2当量用いる。反応温度は通常約−100〜1
00℃、好ましくは約−30〜50℃である。反応時間
は通常約10秒〜50時間、好ましくは約1分〜3時間
の範囲である。このようにして得られるイソチアゾール
誘導体(II)またはその塩は公知の手段で単離精製する
ことができる。
【0029】作用 チオアミド誘導体(I)およびイソチアゾール誘導体
(II)は優れた殺有害生物作用を有しており、このこと
は次の試験例からも明らかである。 試験例1 ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)に対
する効果 ダイズ幼植物(単葉展開期)に、供試化合物(下記実施
例で得られる化合物のNo.で示す。)5mgをトウィー
ン(tween)20(商品名)を含む0.5mlのアセトンで
溶解し、3000倍希釈のダイン水で所定濃度(100
ppm)としてスプレーガンで薬液20ml/ポットを散布
した。薬液が乾いた後、ダイズの単葉2枚を切り取り、
アイスクリームカップに収め、ハスモンヨトウの3齢幼
虫10頭を放ち、放虫後カップを室内(25℃)に置
き、5日後の死亡虫数を数えた。死亡率は次式に示した
式より計算し、結果を〔表1〕に示した。
【数1】
【表1】
【0030】試験例2 ニカメイガ(Chilo suppressal
is)に対する効果 育苗箱で育てた3〜4葉期イネ稚苗(6,7本/株植
え)の茎葉に、供試化合物(下記実施例で得られる化合
物のNo.で示す。)5mgをトウィーン(tween)20
(商品名)を含む0.5mlのアセトンで溶解し、300
0倍希釈のダイン水で所定濃度(100ppm)としてス
プレーガンで薬液20ml/ポットを散布した。薬液が乾
いた後、イネ稚苗を試験管(φ:3cm,h:20cm)に
水道水5mlと共に入れ、ニカメイガの3令幼虫10頭を
放飼し、インキュベータ(27℃)中に置き、5日後に
死亡虫数を数え食害程度を観察した。死亡率は試験例1
に示した式より計算し、食害程度は以下の基準に従って
判定し、結果を〔表2〕に示した。 食害程度 0:ほとんど食害が認められない 1:ごく僅かに(無処理区の約1/10以下)食害が認
められる 2:無処理区の約1/2未満の食害が認められる 3:無処理区の約1/2以上の食害が認められる 4:無処理区と同レベルの食害が認められる
【表2】
【0031】試験例3 ワタアブラムシ(Aphis gossyp
ii)に対する効果 散布1日前にワタアブラムシ雌成虫10頭を放飼した本
葉第1葉展開期のキュウリの茎葉に、供試化合物(下記
実施例で得られる化合物のNo.で示す。)5mgをト
ウィーン(tween)20(商品名)を含む0.5mlのアセ
トンで溶解し、3000倍希釈のダイン水で所定濃度
(100ppm)としてスプレーガンで薬液20ml/ポッ
トを散布した。供試植物を27℃のガラス恒温室に収容
し、処理2日後に生存雌成虫を数えた。死亡率は試験例
1に示した式より計算し、結果を〔表3〕に示した。
【表3】 対照化合物として、特開平3−95150記載の次に示
す化合物を用いた。
【化14】
【0032】試験例4 トマト疫病(Phytophthora inf
estans)に対する予防効果 供試化合物(下記実施例で得られる化合物のNo.で示
す。)をジメチルホルムアミド(最終濃度1重量%)に
溶解し、さらに、キシレン(最終濃度0.02重量
%)、トウィーン20(商品名)(最終濃度0.02重
量%)を加え、所定の有効成分濃度になるように水で希
釈した。この液に展着剤ダイン(商品名、武田薬品工業
(株)製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
20重量%とリグニンスルホン酸カルシウム12重量%
を含む)を0.05重量%(最終濃度)の割合で添加し
て散布液を調製し、トマト幼苗(約4週苗)にしたたり
落ちる程度に噴霧した。風乾後、トマト疫病菌の遊走子
のう懸濁液(濃度約105個/ml)を噴霧接種した。接
種後5日間17℃の湿室に保ったのち、個体に占める病
斑の面積率を調査し、以下の防除価を用いて、結果を
〔表4〕に示した。 防除価3:病斑面積 0〜5% 防除価2:病斑面積 6〜15% 防除価1:病斑面積16〜30% 防除価0:病斑面積31%以上
【表4】
【0033】試験例5 イネ紋枯病(Rhizoctonia sola
ni)に対する予防効果 試験例4と同様の方法で所定の有効成分濃度(200pp
m)になるように調製した散布液を、イネ(約5週苗)
にしたたり落ちる程度に噴霧した。風乾後、イネ紋枯病
菌の直径10mmの菌叢ブロックを1株当たり1個の割合
で地際部に接種した。接種後7日間25〜30℃に保っ
たのち、個体に占める病斑の面積率を調査し、試験例4
に示した防除価を用いて、結果を〔表5〕に示した。
【表5】
【0034】
【実施例】次に実施例および参考例を挙げて、この出願
発明をさらに詳しく説明するが、この出願発明はこれら
の実施例に限定解釈されるべきものではない。実施例お
よび参考例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出
は、TLC(Thin Layer Chromatograph、薄層クロマト
グラフィー)による観察下に行われた。TLC観察にお
いては、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製の
キーゼルゲル60F254(70〜230メッシュ)
を、展開溶媒としてはカラムクロマトグラフィーで溶出
溶媒として用いた溶媒を、検出法としてUV検出器を採
用した。カラム用シリカゲルは同じくメルク社製のキー
ゼルゲル60(70〜230メッシュ)を用いた。NM
RスペクトルはプロトンNMRを示し、内部基準として
テトラメチルシランを用いて、ブルカーAC−200P
(200MHz)型スペクトロメーターで測定し、全δ値をpp
mで示した。展開溶媒として混合溶媒を用いる場合に
( )内に示した数値は各溶媒の容量混合比である。な
お、下記実施例、参考例および表で用いる略号は、次の
ような意義を有する。Me:メチル基、Et:エチル
基、Ph:フェニル基、s:シングレット、br:ブロ
ード(幅広い)、d:ダブレット、t:トリプレット、
q:クワルテット、m:マルチプレット、dd:ダブル
ダブレット、J:カップリング定数、Hz:ヘルツ、C
DCl3:重クロロホルム、DMSO−d6:重DMS
O、%:重量%、mp:融点、また室温とあるのは約15
〜25℃を意味する。 参考例1 3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2
−(シアノ)チオアセトアニリド(化合物No.IV−
1)の合成 3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−シアノア
セトアニリド1.00g(3.38mmol)とローソン試薬
〔2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチ
ア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド〕
1.40g(3.46mmol)をトルエン20ml中、100
℃で3時間加熱撹拌した。溶媒を減圧下に留去した後、
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
CHCl3−EtOH(20:1)で溶離することによ
り、標記化合物0.45g(43%)を淡黄色結晶とし
て得た。 mp 127-129℃ NMR(DMSO−d6)δ: 4.33(2H,s), 8.03(1H,s), 8.55(2
H,s),11.5 - 12.5(1H,br) 参考例2 3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2
−(シアノ)チオアセトアニリド(化合物No.IV−
1)の合成 カリウム t−ブトキシド29.0g(258mmol)の
無水ジエチルエーテル300ml懸濁液を−50℃で撹拌
しながらシアノ酢酸トリメチルシリルエステル40.0
g(254mmol)の無水ジエチルエーテル100ml溶液
を滴下した。−50℃で30分間撹拌後、−78℃まで
冷却し、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル
イソチオシアネート35.0g(129mmol)の無水ジ
エチルエーテル100ml溶液を滴下し、−78℃で2時
間撹拌した。0℃まで昇温させた後、希塩酸でpH4に
調節し、室温に戻した。室温で1時間撹拌した後、分液
し有機層をMgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下留去
し、析出した結晶を濾取し、冷ジイソプロピルエーテル
で洗浄することにより、標記化合物35.7g(89
%)を淡黄色結晶として得た。 参考例3 2−シアノ−4'−ジフルオロメトキシ−3'
−(フルオロ)チオアセトアニリド(化合物No.IV−
2)の合成 2−シアノ−4'−ジフルオロメトキシ−3'−フルオロ
アセトアニリド4.00g(16.4mmol)とローソン試
薬4.12g(10.2mmol)を1,4−ジオキサン 10
0ml中、100℃で2.5時間加熱撹拌した。溶媒を減
圧下に留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、CHCl3−EtOH(20:1)
で溶離することにより、標記化合物2.20g(52
%)を淡黄色結晶として得た。 mp 94-96℃ NMR(DMSO−d6)δ: 4.24(2H,s), 7.20(1H,t,J=73.0H
z), 7.41(1H,t,J=8.8Hz),7.56(1H,m), 8.08(1H,dd,J=1
2.5 & 2.5Hz), 12.06(1H,s) 参考例1、2または3と同様な方法を用いて合成された
一般式〔IV〕 (X=CN,Y=NX1)の化合物を
〔表6〕に示す。
【表6】
【0035】参考例4 3',5'−ビス(トリフルオロ
メチル)−2−(メタンスルホニル)チオアセトアニリ
ド(化合物No.IV−19)の合成 (1)3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−ブ
ロモアセトアニリド7.00g(20.0mmol)をアセト
ニトリル50mlに溶解し、15%メチルメルカプタンナ
トリウム水溶液9.50g(20.3mmol)を氷冷下滴下
した。室温で30分間撹拌した後、溶媒を留去した。残
留物をジエチルエーテルに溶かして水洗後、MgSO4
で乾燥し濃縮した。析出した結晶を濾取し、ヘキサンで
洗浄することにより、3',5'−ビス(トリフルオロメ
チル)−2−(メチルチオ)アセトアニリド6.23g
(98%)を白色結晶として得た。 mp 92-94℃ NMR(CDCl3)δ: 2.22(3H,s), 3.39(2H,s), 7.64(1H,
s), 8.10(2H,s),8.8 - 9.2(1H,br) (2)3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−
(メチルチオ)アセトアニリド3.17g(10.0mmo
l)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶解し、70%メ
タクロロ過安息香酸(mCPBA)4.93g(20.0
mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、溶媒を留去
した。残留物を酢酸エチルに溶かし飽和NaHCO3
で3回、Na223水で1回洗浄した後、MgSO4
乾燥し濃縮した。析出した結晶を濾取し、ジイソプロピ
ルエーテルで洗浄して、3',5'−ビス(トリフルオロ
メチル)−2−(メタンスルホニル)アセトアニリド
3.23g(93%)を無色鱗片状結晶として得た。 mp 181-182℃ NMR(CDCl3)δ: 3.20(3H,s), 4.15(2H,s), 7.64(1H,
s), 8.05(2H,s),9.05(1H,brs) (3)3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−
(メタンスルホニル)アセトアニリド1.40g(4.0
1mmol)とローソン試薬1.20g(2.97mmol)を
1,4−ジオキサン 30ml中、100℃で10時間加
熱撹拌した。溶媒を減圧下に留去した後、残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、エーテル−ヘ
キサン(5:2)で溶離することにより、標記化合物
1.10g(75%)を黄色結晶として得た。 mp 160-161℃ NMR(CDCl3)δ: 3.20(3H,s), 4.59(2H,s), 7.78(1H,
s), 8.33(2H,s),10.12(1H,brs) 参考例5 3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2
−(ジフルオロメタンスルホニル)チオアセトアニリド
(化合物No.IV−20)の合成 (1)3',5'−ビス(トリフルオロメチル)アニリン
11.0g(48.0mmol)とトリエチルアミン6.10
g(60.3mmol)を150ml酢酸エチルに溶解し、氷
冷下ジフルオロメチルチオアセチル クロリド9.50
g(56.3mmol)の10ml酢酸エチル溶液を滴下し
た。氷冷下1時間、室温で1時間撹拌した後、NaHC
3水で洗浄した。MgSO4で乾燥し濃縮後、残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホ
ルムで溶離することにより、白色結晶の3',5'−ビス
(トリフルオロメチル)−2−(ジフルオロメチルチ
オ)アセトアニリド7.55g(45%)を得た。 mp 126-127℃ NMR(CDCl3)δ: 3.71(2H,s), 6.96(1H,t,J=55.5Hz),
7.66(1H,s), 8.04(2H,s), 8.46(1H,brs) (2)3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−
(ジフルオロメチルチオ)アセトアニリド3.98g
(11.3mmol)を1,2−ジクロロエタン80mlに溶解
して室温撹拌下、70%メタクロロ過安息香酸(mCP
BA)5.60g(22.7mmol)を加えた。15時間撹
拌した後、溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルに溶かし
飽和NaHCO3水で2回洗浄した。酢酸エチル溶液を
MgSO4で乾燥し濃縮すると、白色結晶の3',5'−ビ
ス(トリフルオロメチル)−2−(ジフルオロメタンス
ルホニル)アセトアニリドが3.20g(74%)得ら
れた。 mp 114.5-115.5℃ NMR(CDCl3)δ: 4.27(2H,t,J=1.2Hz), 6.47(1H,t,J=5
3.0Hz), 7.70(1H,s),8.02(2H,s), 8.50(1H,brs) (3)3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−
(ジフルオロメタンスルホニル)アセトアニリド3.8
5g(10.0mmol)とローソン試薬4.04g(10.0
mmol)を70mlジオキサンに溶かし、100℃で24時
間加熱した。溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付し、クロロホルム−エタノール
(30:1)で溶離することにより、標記化合物3.7
8g(94%)を黄色結晶として得た。 mp 86-89℃ NMR(CDCl3)δ: 4.73(2H,s), 6.49(1H,t,J=52.5Hz),
7.81(1H,s),8.24(2H,s), 9.83(1H,brs)
【0036】参考例6 3',5'−ビス(トリフルオロ
メチル)−2−(トリフルオロメチルチオ)チオアセト
アニリド(化合物No.IV−21)の合成 (1)3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−ブ
ロモアセトアニリド10.5g(30.0mmol)の100
mlアセトニトリル溶液にCF3SCu 18.0g(10
9mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。溶媒留去
後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、酢酸エチル−ヘキサン(1:2)で溶離することに
より、3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−
(トリフルオロメチルチオ)アセトアニリド7.80g
(70%)を白色結晶として得た。 mp 112.5-113.5℃ NMR(CDCl3)δ: 3.80(2H,s), 7.68(1H,s), 8.05(2H,
s), 8.35(1H,brs) (2)3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−
(トリフルオロメチルチオ)アセトアニリド2.98g
(8.03mmol)とローソン試薬3.30g(8.16mmo
l)を50mlジオキサン中、100℃で3時間加熱撹拌
した。溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、クロロホルム−ヘキサン(1:1)
で溶離することにより、標記化合物2.92g(94
%)を白色結晶として得た。 mp 71-72.5℃ NMR(CDCl3)δ: 4.34(2H,s), 7.82(1H,s), 8.26(2H,
s), 9.75(1H,brs)
【0037】実施例1 3−アミノ−N−〔3,5−ビ
ス(トリフルオロメチル)フェニル〕−2−シアノ−
4,4,4−トリフルオロクロトンチオアミド(化合物N
o.I−1)の合成 3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−(シア
ノ)チオアセトアニリド(化合物No.IV−1)0.4
5g(1.44mmol)と酢酸ナトリウム0.12g(1.4
6mmol)のエタノール−1,2−ジメトキシエタン
(1:1)20ml溶液に−78℃で、8当量のトリフル
オロアセトニトリルガスを吹き込んだ。−78℃で1時
間、室温で14時間撹拌した後、溶媒を留去し、残渣を
酢酸エチルに溶かし水洗した。酢酸エチル溶液をMgS
4で乾燥した後濃縮し、残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:
4)で溶離することにより、粗結晶を得た。この結晶を
ヘキサンから再結晶して黄色針状結晶の標記化合物0.
40g(68%)を得た。 mp 140-143℃ NMR(CDCl3)δ: 6.20 - 6.95(1H,br), 7.83(1H,s),
7.98(2H,s), 9.24(1H,s),12.0 - 13.0(1H,br)
【0038】実施例2 3−アミノ−N−〔3−クロロ
−4−(ジフルオロメトキシ)フェニル〕−2−シアノ
−4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−2−ペンテンチオ
アミド(化合物No.I−8)の合成 3'−クロロ−2−シアノ−4'−(ジフルオロメトキ
シ)チオアセトアニリド(化合物No.IV−5)0.5
4g(1.95mmol)と酢酸ナトリウム0.16g(1.9
5mmol)のエタノール−1,2−ジメトキシエタン
(1:1)28ml溶液に−78℃で、8当量のペンタフ
ルオロプロピオニトリルガスを吹き込んだ。−78℃で
1時間、室温で15時間撹拌した後、溶媒を留去し、残
渣を酢酸エチルに溶かし水洗した。酢酸エチル溶液をM
gSO4で乾燥した後濃縮し、残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン
(1:3)で溶離することにより、黄色結晶の標記化合
物を0.70g(85%)得た。 mp 121-123℃ NMR(CDCl3)δ: 5.90 - 6.90(1H,br), 6.57(1H,t,J=7
3.0Hz),7.25 - 7.40(2H,m), 7.62(1H,d,J=1.5Hz), 7.62
(1H,d,J=1.5Hz),9.09(1H,brs), 12.1 - 13.2(1H,br)
【0039】実施例3 実施例1または2と同様な方法を用いて合成した化合物
を〔表7〕に示す。
【表7】
【0040】実施例4 3−アミノ−N−〔3,5−ビ
ス(トリフルオロメチル)フェニル〕−2−(メタンス
ルホニル)−4,4,4−トリフルオロクロトンチオアミ
ド(化合物No.I−26)の合成 60%水素化ナトリウム0.10g(2.50mmol)の1
0ml DMF懸濁液に氷冷下3',5'−ビス(トリフルオ
ロメチル)−2−(メタンスルホニル)チオアセトアニ
リド(化合物No.IV−19)0.85g(2.33mmo
l)を加えて1時間撹拌した。THF 10mlを追加した
後、−78℃に冷却し8当量のトリフルオロアセトニト
リルガスを吹き込み−78℃で1時間、−20℃で48
時間反応させた。水700mlに注ぎ、エーテルで3回抽
出し、抽出液を合わせて、MgSO4で乾燥後濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム−エタノール(20:1)で溶離する
ことにより、黄色結晶の標記化合物0.34g(32
%)を得た。 mp 157-159℃ NMR(CDCl3)δ: 3.37(3H,s), 6.17(2H,brs), 7.71(1
H,s), 8.29(2H,s),9.82(1H,brs)
【0041】実施例5 実施例4と同様にして3−アミノ−N−〔3,5−ビス
(トリフルオロメチル)フェニル〕−2−(トリフルオ
ロメチルチオ)−4,4,4−トリフルオロクロトンチオ
アミド(化合物No.I−27)を淡黄色結晶として得
た。 mp 70-71℃ NMR(CDCl3)δ: 5.50 - 6.70(1H,br), 7.82(1H,s),
7.94(2H,s),10.10(1H,s), 12.0 - 13.1(1H,br)
【0042】実施例6 3−アミノ−N−〔3,5−ビ
ス(トリフルオロメチル)フェニル〕−2−シアノクロ
トンチオアミド(化合物No.I−30)の合成 (1)3',5'−ビス(トリフルオロメチル)−2−
(シアノ)チオアセトアニリド(化合物No.IV−1)
1.70g(5.44mmol)のオルトギ酸トリメチル1
0.0ml溶液を100℃で撹拌しながら、10分間隔で
酢酸を1滴ずつ合計4滴加えた。100℃で10分間撹
拌した後、過剰のオルトギ酸トリメチルを減圧下留去し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム−エタノール(20:1)で溶出する
ことにより精製し、N−〔3,5−ビス(トリフルオロ
メチル)フェニル〕−2−シアノ−3−メトキシクロト
ンチオアミド0.75g(37%)を黄色結晶として得
た。 mp 139-142℃ NMR(CDCl3)δ: 2.58(3H,s), 4.17(3H,s), 7.74(1H,
s), 8.11(2H,s),8.16(1H,s) (2)上記で得たN−〔3,5−ビス(トリフルオロメ
チル)フェニル〕−2−シアノ−3−メトキシクロトン
チオアミド0.55g(1.49mmol)のアセトニトリ
ル10ml溶液に、1.2当量のアンモニア水を加えた。
室温で3時間撹拌した後、濃縮して残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン
(1:2)で溶出して精製することにより、標記化合物
0.51g(97%)を微黄色結晶として得た。 mp 136-138℃ NMR(CDCl3)δ: 2.45(3H,s), 6.00-6.35(1H,br), 7.7
6(1H,s), 7.80(2H,s),8.83(1H,br s), 11.9-12.3(1H,b
r)
【0043】実施例7 5−〔3,5−ビス(トリフル
オロメチル)フェニル〕アミノ−4−シアノ−3−トリ
フルオロメチルイソチアゾール(化合物No.II−1)
の合成 3−アミノ−N−〔3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル〕−2−シアノ−4,4,4−トリフルオロ
クロトンチオアミド(化合物No.I−1)14.8g
(36.4mmol)を無水エーテル400mlに溶解し、氷
冷下撹拌しながら臭素5.89g(36.9mmol)を滴下
した。氷冷下30分間撹拌した後、飽和NaHCO
3水、Na223水で洗浄した。MgSO4で乾燥後、
濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
に付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:3)で溶離するこ
とにより、標記化合物13.8g(94%)を白色結晶
として得た。 mp 155-157℃ NMR(DMSO−d6)δ: 7.86(1H,s), 8.03(2H,s), 11.51
(1H,s)
【0044】実施例8 5−〔3,5−ビス(トリフル
オロメチル)フェニル〕アミノ−4−ジフルオロメタン
スルホニル−3−トリフルオロメチルイソチアゾール
(化合物No.II−22)の合成 3−アミノ−N−〔3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル〕−2−ジフルオロメタンスルホニル−
4,4,4−トリフルオロクロトンチオアミド(化合物N
o.I−28)0.70g(1.41mmol)を1,2−ジ
クロロエタン20mlに溶解し、氷冷下撹拌しながら臭素
0.23g(1.44mmol)を滴下した。氷冷下10分間
撹拌した後、飽和NaHCO3水で洗浄した。MgSO4
で乾燥後、濃縮し、析出した結晶を濾取して1,2−ジ
クロロエタン−ヘキサン(1:5)で洗浄して、標記化
合物0.57g(82%)を微黄色結晶として得た。 mp 108-110℃ NMR(CDCl3)δ: 6.35(1H,t,J=53.5Hz), 7.74(2H,s),
7.83(1H,s), 9.43(1H,s)
【0045】実施例9 実施例7または8と同様な方法を用いて合成した化合物
を〔表8〕に示す。
【表8】
【0046】実施例10 5−〔N−アセチル−3,5
−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕アミノ−4−
シアノ−3−トリフルオロメチルイソチアゾール(化合
物No.II−6)の合成 60%水素化ナトリウム60mg(1.50mmol)を無水
THF 10mlに懸濁させ、氷冷下5−〔3,5−ビス
(トリフルオロメチル)フェニル〕アミノ−4−シアノ
−3−トリフルオロメチルイソチアゾール(化合物N
o.II−1)0.40g(0.99mmol)を添加した。1
0分間撹拌した後、無水酢酸120μl(1.28mmol)
を滴下し、室温で14.5時間撹拌した。反応液を濃縮
後、残留物をエーテルに溶かして水洗した。MgSO4
で乾燥後、濃縮し、析出結晶をヘキサンで洗浄すること
により、標記化合物0.42g(95%)を白色結晶と
して得た。 mp 126-127℃ NMR(DMSO−d6)δ: 2.17(3H,s), 8.45(1H,s), 8.69(2
H,s)
【0047】実施例11 実施例10と同様な方法を用いて合成した化合物を〔表
9〕に示す。
【表9】
【0048】実施例12 5−〔3,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)フェニル−N−メタンスルフィニルメチ
ル〕アミノ−4−シアノ−3−トリフルオロメチルイソ
チアゾール(化合物No.II−5)の合成 5−〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル−
N−メチルチオメチル〕アミノ−4−シアノ−3−トリ
フルオロメチルイソチアゾール(化合物No.II−4)
267mg(0.57mmol)の10ml 1,2−ジクロロエ
タン溶液に、氷冷下75%メタクロロ過安息香酸(mC
PBA)132mg(0.57mmol)を添加した。室温に
戻し、15時間撹拌した後、反応液を飽和NaHCO3
水で洗浄し、MgSO4で乾燥して濃縮した。残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチ
ル−ヘキサン(1:1)で溶離することにより、標記化
合物170mg(62%)を白色結晶として得た。 mp 152-153℃ NMR(DMSO−d6)δ:2.73(3H,s), 5.19(1H,d,J=14.4H
z),5.39(1H,d,J=14.4Hz), 8.16(1H,s), 8.44(2H,s)
【0049】実施例13 5−〔3,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)フェニル−N−ジメチルカルバモイル〕
アミノ−4−シアノ−3−トリフルオロメチルイソチア
ゾール(化合物No.II−10)の合成 60%水素化ナトリウム80mg(2.00mmol)を無水
THF 10mlに懸濁させ、氷冷下5−〔3,5−ビス
(トリフルオロメチル)フェニル〕アミノ−4−シアノ
−3−トリフルオロメチルイソチアゾール(化合物N
o.II−1)0.40g(0.99mmol)を添加した。氷
冷下10分間撹拌した後、クロロギ酸トリクロロメチル
1.2ml(1.00mmol)を滴下した。室温に戻し、23
時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。残留物をジ
イソプロピルエーテルに溶かし、不溶物を濾別して除い
た後再び濃縮した。得られた油状物をアセトニトリル1
0mlに溶解し、氷冷下50%ジメチルアミン水溶液0.
54g(5.99mmol)を滴下した。室温で3時間撹拌
した後、残留物に水を注ぎ、エーテルで抽出した。抽出
液をMgSO4で乾燥後、濃縮し、析出結晶を濾取しヘ
キサン−ジイソプロピルエーテル(1:1)で洗浄し
て、標記化合物0.28g(59%)を白色結晶として
得た。 mp 121.5-123.5℃ NMR(DMSO−d6)δ:2.75(6H,s), 8.34(1H,s), 8.60(2
H,s)
【0050】実施例14 5−〔3,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)フェニル〕アミノ−4−カルバモイル−
3−トリフルオロメチルイソチアゾール(化合物No.
II−17)の合成 5−〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕
アミノ−4−シアノ−3−トリフルオロメチルイソチア
ゾール(化合物No.II−1)2.00g(4.94mmo
l)を90%硫酸20ml中48時間撹拌した。反応液を
氷に注ぎ、エーテルで抽出した後、MgSO4で乾燥し
濃縮した。析出した結晶を濾取しエーテル−ヘキサン
(1:5)で洗浄して、標記化合物1.48g(70.8
%)を白色結晶として得た。 mp 154-155℃ NMR(CDCl3)δ: 5.50 - 6.65(2H,br), 7.63(2H,s),
7.65(1H,s), 11.52(1H,s)
【0051】実施例15 5−〔3,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)フェニル〕アミノ−4−チオカルバモイ
ル−3−トリフルオロメチルイソチアゾール(化合物N
o.II−18)の合成 5−〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕
アミノ−4−カルバモイル−3−トリフルオロメチルイ
ソチアゾール(化合物No.II−17)0.70g(1.
65mmol)とローソン試薬0.70g(1.73mmol)を
1,4−ジオキサン中100℃で4時間加熱撹拌した。
溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルムで溶離することにより、標記化合物
0.63g(83%)を淡黄色結晶として得た。 mp 156-159℃ NMR(CDCl3)δ: 7.10 - 7.45(1H,br), 7.66(3H,s),
7.45 - 7.75(1H,br),11.34(1H,s)
【0052】実施例16 5−〔3,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)フェニル〕アミノ−3−トリフルオロメ
チル−4−(4−トリフルオロメチル−2−チアゾリ
ル)イソチアゾール(化合物No.II−19)および5
−〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ア
ミノ−3−トリフルオロメチル−4−(5−ヒドロキシ
−5−トリフルオロメチル−2−チアゾリン−2−イ
ル)イソチアゾール(化合物No.II−20)の合成 5−〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕
アミノ−4−チオカルバモイル−3−トリフルオロメチ
ルイソチアゾール(化合物No.II−18)0.40g
(0.91mmol)をアセトニトリルに溶解し、ブロモト
リフルオロアセトン100μl(0.96mmol)を滴下し
た。70℃で30分間撹拌した後、反応液を水に注ぎエ
ーテルで抽出した。抽出液をMgSO4で乾燥した後、
溶媒を留去し残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:10)で溶離
して淡黄色結晶の化合物II−19を0.12g(25
%)、白色結晶の化合物II−20を0.14g(28
%)得た。 化合物II−19:mp 138-141℃ NMR(CDCl3)δ: 7.62(2H,s), 7.67(1H,s), 7.86(1H,
s), 12.10(1H,s) 化合物II−20:mp 143-144℃ NMR(CDCl3)δ: 2.70 - 3.50(1H,br), 3.60(1H,d,J=1
2.6Hz),3.80(1H,d,J=12.6Hz), 7.57(2H,s), 7.69(1H,
s), 12.40(1H,brs)
【0053】実施例17 化合物No.I−1(20重量%)、キシレン(75重
量%)、ポリオキシエチレングリコールエーテル(ノニ
ポール85TM)(5重量%)をよく混合して、乳剤を製
造した。 実施例18 化合物No.II−1(30重量%)、リグニンスルホン
酸ナトリウム(5重量%)、ポリオキシエチレングリコ
ールエーテル(ノニポール85TM)(5重量%)、ホワ
イトカーボン(30重量%)、クレー(30重量%)を
よく混合して、水和剤を製造した。 実施例19 化合物No.II−3(3重量%)、ホワイトカーボン
(3重量%)、クレー(94重量%)をよく混合して、
粉剤を製造した。 実施例20 化合物No.I−5(10重量%)、リグニンスルホン
酸ナトリウム(5重量%)、クレー(85重量%)をよ
く粉砕混合し、水を加えてよく練り合わせた後、造粒乾
燥して粒剤を製造した。 実施例21 化合物No.I−29(1.275重量%)、カルタッ
プ(2.2重量%)、ホワイトカーボン(0.5重量
%)、クレー(96.025重量%)をよく混合して、
混合粉剤を製造した。
【0054】
【発明の効果】チオアミド誘導体(I)およびその塩、
イソチアゾール誘導体(II)およびその塩は、従来にな
かった優れた有害生物防除作用を有し、該誘導体を含有
してなる殺虫、殺菌または除草組成物は農業に貢献する
ことができる。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 で表される部分構造式を有し、殺有害生物活性を有する
    化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】化合物が一般式 【化2】 〔式中、R1は置換されていてもよい炭化水素残基を、
    Xはニトロ、または炭素,硫黄もしくはリン原子を介す
    る基を、Yは式−NX1−(式中、X1は水素、または炭
    素,硫黄もしくはリン原子を介する基を示す)で表され
    る基または式−NX1−NX2−(式中、X1およびX2
    同一または異なって水素、または炭素,硫黄もしくはリ
    ン原子を介する基を示す)で表される基を、Zは置換さ
    れていてもよい芳香族炭化水素残基または置換されてい
    てもよい芳香族複素環基を示す〕で表される請求項1記
    載の化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】R1が置換されていてもよいハロゲン化ア
    ルキル基である請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】Xが炭素もしくは硫黄原子を介する基であ
    る請求項2記載の化合物。
  5. 【請求項5】Yが式−NXa−(式中、Xaは水素、置換
    されていてもよい脂肪族炭化水素残基または置換されて
    いてもよいアルキルスルホニル基を示す)で表される基
    である請求項2記載の化合物。
  6. 【請求項6】Yが式−NXa−NXb−(式中、Xaおよ
    びXbは水素、置換されていてもよい脂肪族炭化水素残
    基または置換されていてもよいアルキルスルホニル基を
    示す)で表される基である請求項2記載の化合物。
  7. 【請求項7】Zが置換されていてもよい芳香族炭化水素
    残基である請求項2記載の化合物。
  8. 【請求項8】Zが置換されていてもよいC6-14アリール
    基である請求項2記載の化合物。
  9. 【請求項9】一般式 【化3】 〔式中、R1'は置換されていてもよいハロゲン化脂肪族
    炭化水素残基を、X'はニトロ、または炭素,硫黄もし
    くはリン原子を介する基を、Y'は式−NX1'−(式
    中、X1'は水素、または炭素,硫黄もしくはリン原子を
    介する基を示す)で表される基または式−NX1'−NX
    2'−(式中、X1'およびX2'は同一または異なって水
    素、または炭素,硫黄もしくはリン原子を介する基を示
    す)で表される基を、Z'は置換されていてもよい芳香
    族炭化水素残基または置換されていてもよい芳香族複素
    環基を示す〕で表される化合物またはその塩。
  10. 【請求項10】R1'が置換されていてもよいハロゲン化
    アルキル基である請求項9記載の化合物。
  11. 【請求項11】X'が炭素もしくは硫黄原子を介する基
    である請求項9記載の化合物。
  12. 【請求項12】Y'が式−NXa'−(式中、Xa'は水
    素、置換されていてもよい脂肪族炭化水素残基または置
    換されていてもよいアルキルスルホニル基を示す)で表
    される基である請求項9記載の化合物。
  13. 【請求項13】Y'が式−NXa'−NXb'−(式中、X
    a'およびXb'は水素、置換されていてもよい脂肪族炭化
    水素残基または置換されていてもよいアルキルスルホニ
    ル基を示す)で表される基である請求項9記載の化合
    物。
  14. 【請求項14】Z'が置換されていてもよい芳香族炭化
    水素残基である請求項9記載の化合物。
  15. 【請求項15】Z'が置換されていてもよいC6-14アリ
    ール基である請求項9記載の化合物。
  16. 【請求項16】請求項1記載の化合物またはその塩を含
    有してなる殺虫、殺菌または除草組成物。
  17. 【請求項17】請求項9記載の化合物またはその塩を含
    有してなる殺虫、殺菌または除草組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998002424A1 (de) * 1996-07-16 1998-01-22 Bayer Aktiengesellschaft Substituierte n-(5-isothiazolyl)-thioamide

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