JPH08243061A - 電気掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 掃除機本体に対する集塵袋の着脱を容易にす
る。 【構成】 掃除機本体内壁１３に吸引口１４を挟んでそ
の両側に配設した左右一対のガイドレール１５，１６
が、集塵袋５の鍔部６を所定の装着位置まで案内する通
路を画成し、この通路の上端ほぼ中間位置に該通路内に
進退可能に配設したストッパ１７が、集塵袋装着時に鍔
部６に押されて後退し鍔部６の通過を許容し、鍔部６が
通過した後は弾性復帰して通路を閉塞するとともに鍔部
６の上端に係止し、集塵袋５の脱着時には鍔部６に押さ
れて後退し鍔部６の通過を許容する。これにより、集塵
袋５は片手で簡単に着脱することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、掃除機本体内への集塵
袋の脱着を容易にした電気掃除機に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４に示す従来の電気掃除機１は、車輪
２ａに支持されて床面を自由に移動する掃除機本体２
に、フレキシブルホースや先端に吸い込みユニットの付
いたパイプなどを接続して使用する主として家庭向けの
電気掃除機である。掃除機本体２には、フレキシブルホ
ースの末端部が挿入される吸引口３が開口しており、こ
の吸引口３の内部開口端と電動吸引機４との間に集塵袋
５を装着するための空間が画成されている。集塵袋５
は、掃除機本体２の吸引口３の内部開口端に合致する集
塵孔６ａを中央に穿設した鍔部６と、鍔部６の背面に伸
縮自在に合体させた折り畳み式の袋部７とからなり、一
度切りの使い捨て式であるため補充交換用の集塵袋５が
各種市販されている。

【０００３】掃除機本体２内部の集塵袋装着空間は、蓋
２ｂを開けた状態で上から覗き込むことができ、後方か
ら見たときに、図５に示したように、掃除機本体内壁２
ｃに開口する吸引口３を挟んでその両側に左右一対のガ
イドレール８，９が配設してあるのがよく分かる。これ
ら一対のガイドレール８，９は、集塵袋５の鍔部６を所
定の装着位置まで案内する通路を画成するためのもので
あり、この通路の幅すなわち左右一対のガイドレール
８，９の間隔は、鍔部６の横幅と同じか或いは若干大と
してある。また、左右一対のガイドレール８，９の上端
ほぼ中間位置には、鍔部６を抜け止めするためのラチェ
ット１０が配設してあり、集塵袋５を装着するさいに指
で操作して通路から後退させ、鍔部６を所定位置まで差
し込んだ状態で戻せば鍔部６が抜け止めされるようにな
っている。

【０００４】本例に示したラチェット１０は、先端に爪
が付いた係止部１０ａと指先で前方に押し込むための操
作部１０ｂとが互いにほぼ直角に組合わさって一体成形
されており、係止部１０ａと操作部１０ｂの結合部分の
両端をガイドレール８，９の各上端近傍に軸支してあ
る。なお、軸支部分には捩りばね（図示せず）が組み付
けてあり、そのばね力によって係止部１０ａは通路を遮
断する図示の状態に常時付勢されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の電気掃除機
１は、集塵袋５を装着するさいに、まず掃除機本体２の
蓋２ｂを開け、集塵袋５の鍔部６を一方の手例えば右手
で把持するとともに、空いている他方の手すなわちこの
場合は左手でラチェット１０の操作部１０ｂを押し、係
止部１０ａを通路から後退させる。これにより、それま
で係止部１０ａによって閉塞されていた通路が空き、鍔
部６が挿入できる状態となる。そこで、この状態を保っ
たまま、鍔部６をガイドレール８，９に沿って最下部ま
で押し下げ、鍔部６が下動限界位置まで達したことを確
認した後、ラチェット１０の操作部１０ｂから手を離
す。これにより、ラチェット１０は捩りばねの力で元の
状態に復帰し、係止部１０ａ先端の爪が上端に係止して
抜け止めされた状態に至り、この段階で初めて鍔部６の
装着が完了する。従って、従来の電気掃除機１は、集塵
袋５の装着を必ず両手を使って行う必要があり、また狭
い空間に両手を差し込んで行う作業だけに、慣れない人
にとっては装着に手間取るケースが多く、さらにまた集
塵袋５を交換するにしても、ラチェット１０を引き上げ
て鍔部６に対する係止を一旦解除し、そのまま空いてい
る方の手で鍔部６を引き上げなければならず、装着作業
に劣らず作業が容易でない等の課題があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決したものであり、集塵口を有する鍔部に袋部が伸縮自
在に連結された集塵袋を、掃除機本体内壁に開口する吸
引口に該集塵口を合致させて該掃除機本体内に装着し、
電動吸引機が空気とともに吸引する塵埃を前記集塵袋に
集塵する電気掃除機において、前記掃除機本体内壁に前
記吸引口を挟んでその両側に配設され、前記集塵袋の鍔
部を所定の装着位置まで案内する通路を画成する左右一
対のガイドレールと、該左右一対のガイドレール間の通
路の上端ほぼ中間位置に該通路内に進退可能に配設さ
れ、前記集塵袋の装着時に前記鍔部に押されて後退し該
鍔部の通過を許容し、該鍔部が通過した後は弾性復帰し
て通路を閉塞するとともに該鍔部の上端に係止し、前記
集塵袋の脱着時には前記鍔部に押されて後退し該鍔部の
通過を許容するストッパとを具備したことを特徴とする
ものである。

【０００７】また、本発明は、前記ストッパが、前記掃
除機本体内壁に切り起こし形成され、前記通路の内外に
弾性的に進退可能とされた切り起こし部と、該切り起こ
し部に折り返し形成され、前記鍔部に上から押されて前
記切り起こし部となす角度を拡開しつつ前記通路から後
退する折り返し部とを具備することを特徴とするもので
ある。

【０００８】

【作用】本発明の電気掃除機は、掃除機本体内壁に前記
吸引口を挟んでその両側に配設した左右一対のガイドレ
ールが、集塵袋の鍔部を所定の装着位置まで案内する通
路を画成し、この通路の上端ほぼ中間位置に該通路内に
進退可能に配設したストッパが、集塵袋の装着時に前記
鍔部に押されて後退し該鍔部の通過を許容し、鍔部が通
過した後は弾性復帰して通路を閉塞するとともに該鍔部
の上端に係止し、集塵袋の脱着時には鍔部に押されて後
退し鍔部の通過を許容することにより、片手で簡単に集
塵袋が脱着できるようにする。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図１ないし
図３を参照して説明する。図１は、本発明の電気掃除機
の一実施例の掃除機本体を示す斜視図、図２は、図１に
示した掃除機本体の要部斜視図、図３は、図２に示した
集塵袋の装着手順を説明するための要部縦断側面図であ
る。

【００１０】図１に示す電気掃除機１１は、掃除機本体
１２の集塵袋装着空間を画成する掃除機本体内壁１３
に、吸引口１４の内部開口端を挟んで鍔部用通路を画成
する右一対のガイドレール１５，１６を配設するととも
に、集塵袋５の鍔部６の脱着操作に応答して通路内外を
進退するストッパ１７が設けてある。ガイドレール１
５，１６は、Ｌ字形断面を有するレール部材からなり、
集塵袋５の鍔部６を所定の装着位置まで案内する通路を
画成している。ストッパ１７は、左右一対のガイドレー
ル１５，１６間の通路上端ほぼ中間位置に通路内に進退
可能に配設してあり、集塵袋５の装着時に鍔部６に押さ
れて後退し鍔部６の通過を許容し、鍔部６が通過した後
は弾性復帰して通路を閉塞する一方鍔部６の上端に係止
し、集塵袋５の脱着時には鍔部６に押されて後退し鍔部
６の通過を許容する働きをする。

【００１１】なお、集塵袋５は従来品と同じ構成のもの
が用いられる。すなわち、鍔部６は、四角形状の厚紙か
らなり、そのほぼ中央に掃除機本体１２の吸引口１４の
内部開口端に合致される集塵孔６ａが穿設されている。
また、袋部７は、鍔部６の背面側に伸縮自在に合体され
た空気透過型紙袋からなり、使用時には最大容積まで膨
張して塵埃等を収容する。

【００１２】ところで、実施例に示したストッパ１７
は、吸引口１４を画成する掃除機本体内壁１３を加工
し、切り起こし部１８と折り返し部１９と立ち上げ部２
０とを九十九折りして形成した３部構成をなし、各部が
肉厚の半分程度の切り込み線を介して区画されている。
切り起こし部１７は、掃除機本体内壁１３に切り起こし
形成され、その付け根部分の弾力により通路内に弾性的
に進退可能とされている。また、折り返し部１８は、切
り起こし部１８とは逆方向に折り返し形成され、鍔部６
に上から押されて切り起こし部１８となす角度を拡開し
つつ通路から後退する。立ち上げ部２０は、折り返し部
１９から上に延びていて、通常の状態でもその上端は左
右のガイドレール１５，１６の上端よりも高い位置にあ
り、必要に応じて指先で摘まみ上げられるようになって
いる。

【００１３】ここで、集塵袋５を装着する場合、まず図
３（Ａ）に示したように、集塵袋５の鍔部６の下端を左
右のガイドレール１５，１６の上端間に宛てがい、折り
返し部１８を押し込むようにして鍔部６を下方に押し下
げる。このとき、鍔部６により下方に押された折り返し
部１９は、図３（Ｂ）に示したように、切り起こし部１
８となす角度を多少拡開するようにして後退し、切り起
こし部１８が通路に沿って寝ることにより鍔部６のため
の通路が開放される。その結果、鍔部６は切り起こし部
１８を押しのけながら下方に押し込まれる。鍔部６の上
端が切り起こし部１８と折り返し部１９の境界を通過し
てしまうと、図３（Ｃ）に示したように、切り起こし部
１８は弾性復帰し、再び通路を閉塞する。その結果、最
終的に鍔部６は、両側面が左右のガイドレール１５，１
６間に挟持され、かつ上端が切り起こし部１８に係止す
る状態で所定の装着状態に保持される。また、このとき
に、鍔部６に形成された集塵口６ａが掃除機本体内壁１
３に開口する吸引口１４に合致する。

【００１４】一方、集塵袋５を交換する場合は、掃除機
本体１２の蓋を開けた後、集塵袋５を片手で把持してそ
のまま上方に引き上げる。このとき、鍔部６は切り起こ
し部１８をその弾性に抗して上方に起立させながら引き
上げられる。このため、切り起こし部１８は集塵袋装着
時と同様、後退しながら通路を開放する。このため、集
塵袋５は、無理に引っ張らなくとも僅かな力で上方に引
き抜くことができる。

【００１５】このように、上記電気掃除機１１は、片手
で簡単に集塵袋５が脱着できるよう構成したので、集塵
袋５の鍔部６を両手を使って装着する必要はなく、しか
も一旦装着された集塵袋５は鍔部６を指先で把持して引
き上げない限り装着状態から脱落することはなく、また
集塵袋５の交換にさいしても、集塵袋５を切り起こし部
１８の弾性に抗して引き上げるだけで、片手で簡単に引
き抜くことができ、きわめて簡単に集塵袋５の交換が可
能である。

【００１６】また、ストッパ１７は、普段は切り起こし
部１８と折り返し部１９とが逆Ｖ字状になって鍔部６の
通路内にあるが、鍔部６をガイドレール１５，１６に沿
って装着位置まで案内したときに、切り折り返し部１９
が倒れ込むような形で通路外に後退し、同時にまた切り
起こし部１８も通路外に後退するため、僅かな力をもっ
て鍔部６を所定の装着位置まで押し込むことができ、ま
た鍔部６が所定の装着位置に達した時点で、切り起こし
部１８が自らの弾性で元の状態に復帰するため、鍔部６
の抜け止めが自動的に完了する。さらに、切り起こし部
１８も折り返し部１９も掃除機本体内壁１３に一体形成
でき、特殊なばね等は不要であるから、製造コストを低
く押さえることができる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気掃除
機は、掃除機本体内壁に前記吸引口を挟んでその両側に
配設した左右一対のガイドレールが、集塵袋の鍔部を所
定の装着位置まで案内する通路を画成し、この通路の上
端ほぼ中間位置に該通路内に進退可能に配設したストッ
パが、集塵袋の装着時に前記鍔部に押されて後退し該鍔
部の通過を許容し、鍔部が通過した後は弾性復帰して通
路を閉塞するとともに該鍔部の上端に係止し、集塵袋の
脱着時には鍔部に押されて後退し鍔部の通過を許容する
ことにより、片手で簡単に集塵袋が脱着できるよう構成
したから、集塵袋の鍔部を両手を使わずに所要の位置に
装着することができ、しかも一旦装着された集塵袋は鍔
部を指先で把持して引き上げない限り装着状態から脱落
することはなく、また集塵袋の交換にさいしても、集塵
袋を切り起こし部の弾性に抗して引き上げるだけで、片
手で簡単に引き抜くことができ、きわめて簡単に集塵袋
の交換が可能である等の優れた効果を奏する。

【００１８】また、本発明は、ストッパが、前記前記掃
除機本体内壁に切り起こし形成され、前記通路の内外に
弾性的に進退可能とされた切り起こし部と、該切り起こ
し部に折り返し形成され、前記鍔部に上から押されて前
記切り起こし部となす角度を拡開しつつ前記通路から後
退する折り返し部とを具備するため、普段は切り起こし
部と折り返し部が逆Ｖ字状に鍔部の通路内にあるが、鍔
部をガイドレールに沿って装着位置まで案内したとき
に、切り折り返し部が平坦な姿勢をとるよう倒れ込むよ
うな形で通路外に後退し、同時にまた切り起こし部も通
路外に後退するため、僅かな力をもって鍔部を所定の装
着位置まで押し込むことができ、また鍔部が所定の装着
位置に達した時点で、切り起こし部が自らの弾性で元の
状態に復帰するため、鍔部の抜け止めが自動的に完了
し、さらに切り起こし部も折り返し部も掃除機本体に一
体形成でき、しかも特殊なばね等は不要であるから、製
造コストを低く押さえることができる等の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の電気掃除機の一実施例の掃除機本体
を示す斜視図である。

【図２】図１に示した掃除機本体の要部斜視図である。

【図３】図２に示した集塵袋の装着手順を説明するため
の要部縦断側面図である。

【図４】従来の電気掃除機の掃除機本体の一例を示す斜
視図である。

【図５】図４に示した掃除機本体の要部斜視図である。

【符号の説明】

５ 集塵袋 ６ 鍔部 ７ 袋部 １１ 電気掃除機 １２ 掃除機本体 １３ 掃除機本体内壁 １４ 吸引口 １５，１６ ガイドレール １７ ストッパ １８ 切り起こし部 １９ 折り返し部 ２０ 立ち上げ部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 集塵口を有する鍔部に袋部が伸縮自在に
   連結された集塵袋を、掃除機本体内壁に開口する吸引口
   に該集塵口を合致させて該掃除機本体内に装着し、電動
   吸引機が空気とともに吸引する塵埃を前記集塵袋に集塵
   する電気掃除機において、前記掃除機本体内壁に前記吸
   引口を挟んでその両側に配設され、前記集塵袋の鍔部を
   所定の装着位置まで案内する通路を画成する左右一対の
   ガイドレールと、該左右一対のガイドレール間の通路の
   上端ほぼ中間位置に該通路内に進退可能に配設され、前
   記集塵袋の装着時に前記鍔部に押されて後退し該鍔部の
   通過を許容し、該鍔部が通過した後は弾性復帰して通路
   を閉塞するとともに該鍔部の上端に係止し、前記集塵袋
   の脱着時には前記鍔部に押されて後退し該鍔部の通過を
   許容するストッパとを具備したことを特徴とする電気掃
   除機。
2. 【請求項２】 前記ストッパは、前記掃除機本体内壁に
   切り起こし形成され、前記通路の内外に弾性的に進退可
   能とされた切り起こし部と、該切り起こし部に折り返し
   形成され、前記鍔部に上から押されて前記切り起こし部
   となす角度を拡開しつつ前記通路から後退する折り返し
   部とを具備することを特徴とする請求項１記載の電気掃
   除機。