JPH08240403A - コイルのインピーダンスにより変位を測る方法および装置 - Google Patents
コイルのインピーダンスにより変位を測る方法および装置Info
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Abstract
形状、導電率、透磁率の影響を受けずに、変位を測定す
る方法および装置を提供する。 【構成】 複数のコイルに交流電流を流し、磁界を発生
させる。被測定物に渦電流が発生し、コイルのインピー
ダンスが変化する。この変化は、被測定物とコイルとの
変位、被測定物の厚さや穴などの形状、導電率、透磁率
に影響される。しかし、それぞれのコイルのインピーダ
ンスをベクトルとした座標において、被測定物の如何に
関わらず、変位のみによって定まる軌跡が得られる。よ
って、あらかじめ二つ以上の被測定物を用いて変位ごと
にこの軌跡を求め、実際の変位を測定する時は、測定し
た複数のコイルのインピーダンスより軌跡をたどって、
変位を得る。但し、この軌跡は被測定物が磁性体の場合
と非磁性体の場合で異なるため、磁性体と非磁性体と
で、別々に軌跡をあらかじめ求めておく。
Description
を非接触で計る方法および装置に関する。
計る場合、一つのコイルを用いる方法、二つのコイルを
用いる方法、三つのコイルを用いる方法、コイルと磁気
センサを用いる方法がある。
交流電流を流して磁界を発生させる。その磁界によっ
て、被測定物に渦電流が生じ、コイルのインピーダンス
がコイルと被測定物との変位に関連して変化する。この
インピーダンスの変化量をブリッジ回路を用いて測定
し、変位に換算する。
コイルで変位を測定し、二つ目のコイルを一つ目のコイ
ルの温度補償用にもちいる場合と、一つ目のコイルを励
磁用にして二つ目のコイルに生じる誘導電圧を変位に換
算する場合とがある。。
コイルを励磁用にして二つ目のコイルに生じる誘導電圧
を変位に換算し、三つ目のコイルを温度補償用に用いる
場合と、一つ目のコイルを励磁用にして、二つ目と三つ
目のコイルの誘導電圧の差を用いる差動形の場合と、公
開特許公報平4−95802等のように三つのコイルの
インピーダンス間の関係から変位を求める場合とがあ
る。
は、コイルに交流電流を流して磁界を作り、被測定物に
生じる渦電流からの磁界の変化を磁気センサで測定して
変位に換算する。
を計るこの方法は、基本的に、コイルを用いて磁界を発
生させ、被測定物に渦電流を作り、その渦電流によって
磁界の強さを変化させ、この変化する量が変位に関係す
ることから、磁界の変化を計って、その変化を変位へ換
算する。
どまらず、被測定物の厚さ、穴などの形状、導電率、透
磁率によって変動する。
02等を除いて、被測定物の穴などの形状、導電率、透
磁率が随時変動する場合を考慮していない。あるいは、
これら形状や材質の変化によって生じる測定変位の誤差
が許される範囲の使い方をしている。
に被測定物の形状や材質の変化が無いことを前提にし
て、あらかじめ、被測定物ごとに変化の特性を記録して
おき、被測定物の材質に合わせて変位の補正を行ない、
従来の技術を使用している。
状が随時変わる場合、被工作物を被測定物とすること
は、従来の技術では不可能であった。
よって透磁率が変わる。したがって、プラズマ熔断のよ
うに発熱を伴う工作機械において、鉄鋼を被工作部、か
つ被測定物とする場合、被測定物の透磁率が変わり、測
定したインピーダンスの値が変動して、従来の技術では
変位の測定が出来なかった。
響を軽減するため、電流の表皮効果を利用して、渦電流
を被測定物の表面に集めている。この表皮効果を利用す
るためには、コイルに流す交流電流を1メガヘルツ程度
の高い周波数にしなければならない。
流は小さく制限され、コイルが作り出す磁界の強さも小
さくなる。したがって、被測定物の厚さを考慮した場
合、従来技術では、コイルの作る磁界が弱く、測定可能
な変位の幅は小さい。
95802等は被測定物の材質や形状の変化に対処して
いるが、三つのコイルが必要であり、使用できる変位の
範囲は狭く、近似式を使用しているため高い計算精度が
要求され、要求される高い計算精度の割に求められる測
定変位の精度が低い。また、対応できる材質や形状は限
定される。
形状や材質の変化に対して幅広く、精度良く対応できな
いという問題点があった。
関わらず、広い範囲にわたって変位を精度良く測定する
方法および装置を提供することを目的とする。
に、本発明は、複数のコイルを用いて、その複数のコイ
ルのインピーダンスを測定し、その複数のインピーダン
スがたどる変位の軌跡をあらかじめ求めて表に作成して
おき、その表を基に変位を計算して求める。
合を例にして説明する。
定物4と垂直になるように配置する。コイル1、コイル
2および純抵抗3を直列につなぎ、一定周期の交流電流
を発振器5より流すと、磁力線10が生じる。
波、又はこれらを合成した波形が可能である。
で、コイル2の電圧を端子12および端子13で、純抵
抗3の電圧を端子14および端子15で測定する。
の電圧を測定する目的は、コイルに流れる電流値を知る
ためである。
を測定し、コイル1のピーク電圧を抵抗3のピーク電圧
で、コイル2のピーク電圧を抵抗3のピーク電圧で割算
して、それぞれのコイルのインピーダンスを算出する。
コア7を含むボビン6に巻かれて、被測定物4に相対す
る。コイルの断面図を図3に示す。切断面は、図2のA
−Aである。
ンピーダンスはそれぞれ異なる変化を示す。コイル1と
コイル2のそれぞれのインピーダンスと変位との関係の
一例を図4に示す。
のステンレス鋼板とした時のコイル1およびコイル2の
インピーダンスをそれぞれ曲線21と曲線22で、被測
定物を厚さ1mmのアルミニウム板とした時のコイル1
およびコイル2のインピーダンスをそれぞれ曲線23と
曲線24で、被測定物を厚さ3mmのアルミニウム板と
した時のコイル1およびコイル2のインピーダンスをそ
れぞれ曲線25と曲線26で示す。
限大の変位において、それぞれのインピーダンスを1と
する。以降、図面、表、文章において、インピーダンス
の値を示すときは同様である。
被測定物の材質や厚さ等によって異なる。したがって、
工作中の被工作物のように随時変形するような被測定物
や、材質が変動する被測定物に対して、インピーダンス
から変位を直接換算することは出来ない。
し、縦軸にコイル2のインピーダンスをZ2とする直交
座標を取る。以降、横軸Z1と縦軸Z2の意味は同様で
ある。この座標に用いて、コイル1とコイル2とのイン
ピーダンス間の関係を明らかにする。一例を図5に示
す。
は、厚さ0.5mmと1mmのステンレス鋼板、厚さ2
mmと1mmのアルミニウム板、厚さ1.6mmの鋼
板、厚さ2mmと0.7mmの銅板、および厚さ1mm
の真鍮板であり、変位は約5mmから20mmの間であ
る。
ンピーダンス間の関係は、被測定物の材質や厚さ等に関
わらず、巨視的には、直線であり、拡散しない。
ピーダンス間の関係は、わずかにカーブを描くもののほ
ぼ直線の形を維持しながら、被測定物の材質や形状によ
って変動する。すなわち、図5の座標(1,1)の近傍
を拡大すると図6のようになる。
磁性体を、線34、線35、線36は非磁性体を被測定
物とした時の、二つのインピーダンス間の関係を示す。
みなした場合、図6で示すように、被測定物によって直
線の傾きが異なる。一例として、被測定物を厚さ1mm
の真鍮板とした時にその直線の傾きは0.7841、厚
さ1mmのアルミニウム板とした時に0.7833、厚
さ0.7mmの銅版とした時に0.7826、厚さ1.
6mmの鋼板とした時に0.487、厚さ0.5mmの
ステンレス鋼板とした時に0.7289となる。
に関わらず、同じ変位の点をプロットしていくと、一つ
の変位にたいして一つの軌跡が描ける。その変位の軌跡
はほぼ直線となり、その傾きは変位ごとに異なる。但
し、磁性体と非磁性体とでは別々の軌跡が得られる。こ
の変位の軌跡の一例を図7に示す。
よび直線43は、被測定物を磁性体とした場合の、直線
44、直線45および直線46は、被測定物を非磁性体
とした場合の変位の軌跡の一例を示す。図7の線31、
線32、線33、線34、線35、線36は図6で示し
た線と同一とする。
磁性体それぞれについて、二つづつの被測定物を用い
て、変位とコイル1のインピーダンス、コイル2のイン
ピーダンスを測定し、その測定値を用いて、変位の軌跡
を求めておく。その後、実際の変位を測定するにあたっ
ては、二つのインピーダンスの値より、あらかじめ求め
た変位の軌跡をたどって、求めようとする変位を得るこ
とが出来る。
性体それぞれについて、二つづつの被測定物を用いて、
いくつかの変位ごとに変位の軌跡を直線とみなして変位
の軌跡の式を求め、その式の係数を表1の形でまとめて
おく。表1は非磁性体および磁性体それぞれ別に作られ
る。表1では、この変位の軌跡を示す直線の式の傾きと
定数項の値を、それぞれpの欄とqの欄に記録する。表
1に示される数値は一例である。
した変位を表し、Z1とZ2の欄はそれぞれコイル1と
コイル2のインピーダンスを表す。このZ1とZ2の欄
に、あらかじめ用いた二つの被測定物のうちの一つを選
び、そのコイル1とコイル2のインピーダンスを、変位
に対応づけて、記録しておく。
の幾何学的な交点の座標を記録する。この幾何学的な交
点については、後で記述する。
一例を図8に示す。
よび点(c,d)を結んだ直線である。点(a,b)
は、あらかじめある一つの被測定物を用いて、コイル1
とコイル2とのインピーダンスを測定し、そのインピー
ダンスをaとbした場合の座標上の点である。また、同
じ被測定物を用いて、わずかに異なる変位において測定
したコイル1とコイル2のインピーダンスをcとdとし
た場合の座標上の点が点(c,d)である。
二つの変位に対して、直線51の時とは異なるある被測
定物を用いて、あらかじめコイル1とコイル2とのイン
ピーダンスを測定し、そのインピーダンスを座標上で表
した点が点(e,f)および点(g,h)である。直線
52は点(e,f)および点(g,h)を結んだ直線で
ある。点(a,b)と点(e,f)が、また点(c,
d)と点(g,h)がそれぞれ同一の変位におけるイン
ピーダンスの点を示す。
点(e,f)を結んだ直線で、直線62は点(c,d)
と点(g,h)を結んだ直線である。すなわち、直線6
1と直線62は、被測定物の材質や形状に関わらず、そ
れぞれある一つの変位を示す軌跡である。
b)や点(c,d)のa、b、c、dの値を、変位に対
応づけて、表1のインピーダンスZ1とZ2の欄にあら
かじめ記録する。
2の傾きをpの欄に、その直線の式の定数項の値をqの
欄に記録する。
インピーダンスの点が存在する領域において、変位の軌
跡は交差しないし、重ならない。しかし、図8で示すよ
うに、ある狭い範囲を取ると、その範囲の中において変
位の軌跡は直線とみなせる。また、その直線の傾きは変
位ごとに異なる。したがって、変位の軌跡を直線として
幾何学的に延長すれば、どこかで二つの変位の軌跡は交
差する。この交差する点を幾何学的な交点とここでは便
宜上呼ぶ。
のすぐ下の行の変位の軌跡との幾何学的な交点を、pの
欄とqの欄の値より計算であらかじめもとめて、その座
標を(i,j)とし、表のiの欄とjの欄にそれぞれの
値を記録する。この交点とは、図8において、直線61
と62の交点(i,j)に相当する。
時、コイル1とコイル2のインピーダンスの値がそれぞ
れv、wとして、図8の点(v、w)で示すような位置
にあったとする。すなわち、点(v,w)にもっとも近
い二つの変位の軌跡が直線61と直線62であるとす
る。
を表1で求める。
(v,w)を通る変位の軌跡は直線とみなせる。また、
その直線の傾きは直線61と直線62の傾きを点(v,
w)で内分した値とみなせる。すなわち、求める変位の
軌跡は点(v,w)と点(i,j)を通る。その直線は
図8において直線60である。
との交点(x,y)のxの値を求める。xの値は数1の
計算で求まる。数1で使われる記号a、i、w等の意味
は図8で示される点の座標と同じであり、数値はv、w
を除き表1より得られる。vとwは測定されたインピー
ダンスの値である。
インピーダンスが記録されているから、逆に、直線51
上の点(a,b)と点(c,d)に対応する変位を表1
より取り出し、その二つの変位の値を数1で求めたxの
値で内分し、未知の被測定物の変位として算出する。す
なわち、点(a,b)および点(c,d)に対応する変
位をそれぞれmおよびnとすれば、最終的に求める変位
をDとして、変位Dは数2で求まる。数2で使われる記
号のうち、xは数1の計算結果であり、a、c、m、n
は表1より求められる。
あらかじめ変位の軌跡を求める時に、変位をより細かく
分けて、その細分された変位ごとに、インピーダンス、
変位の軌跡の式の係数、変位の軌跡の幾何学的交点を求
めて、表1に記録しておく。
く調べると、変位の軌跡はわずかに緩やかなカーブを描
いている。したがって、直線に代り、対数、指数、べき
乗などでも軌跡の式を近似できる。
三つあるいは四つ以上に増やして、変位の軌跡を分割し
ておけば、変位の軌跡が直線でないために、より高い精
度で変位を求めることが出来る。その一例を図9に示
す。
を三つとした時の例である。直線51、直線52、直線
61、直線62は、図8の時と同じで、2種類の被測定
物を用いたときに作られた直線とする。
つ目の被測定物を使って求められたインピーダンス間の
関係を示す線である。
入されたため、変位の軌跡は直線51と直線53との関
係から、また直線53と直線52の関係から、それぞれ
求められる。したがって、被測定物の種類を増やすと、
変位の軌跡は分割される。図9において、直線63、直
線64、直線65、直線66が分割されて作られた変位
の軌跡である。
5から、ただ二つの被測定物を使った時と同様に、表1
を一つ作る。また、直線53、直線64、直線66か
ら、同様に、表1を一つ作る。
際に変位を測定するにあたっては、測定したコイル1と
コイル2のインピーダンスが示す点の位置によって、使
用する表を選ぶ。例えば、図9において、その点が直線
53より左側に位置するならば直線51を使って作られ
た表を、その点が直線53より右側にあれば直線53を
使って作られた表を用いる。表の用い方は、ただ2種類
の被測定物を使って測定する時と同様である。
外のコイルのインピーダンスを無視して二つの時と同様
に変位を求めるか、あるいは、各コイルのインピーダン
スをベクトルとして、あらかじめそのベクトルの空間に
おいて変位の軌跡を求めておき、二つのコイルの時と同
様に、その変位の軌跡をたどって、実際の変位を測定す
る。
の電子回路、およびマイクロコンピュータから構成され
る。
の、本発明の装置の全体構成を図10で示す。
電流をコイル1、コイル2、抵抗3に流す。
抗3に生じる電圧をそれぞれ高入力抵抗のインスツルメ
ントアンプ(IA)72、73、74によって読み込
む。
2、73、74の出力をそれぞれピークホールド回路
(PH)75、76、77へ入力する。
6、77のリセットは、インスツルメントアンプ(I
A)72の交流出力信号がマイナスからプラスに移動す
るとき毎回行なわれる。
A)72の信号をゼロクロスコンパレータ(ZC)78
へ入力して、ゼロクロスコンパレータ78の出力を微分
し、その微分値のプラス側だけを取り出した信号をワン
ショトマルチバイプレータ回路へ入力し、ワンショト信
号を作り出す。このワンショット信号をピークホールド
回路(PH)75、76、77のリセット端子へ入力す
る。図10のリセットパルス回路(RP)79がこのリ
セット信号を作り出す回路にあたる。
77の出力をそれぞれサンプルホールド回路(SH)8
1、82、83へ入力する。
プ(IA)72の交流出力信号がプラスからマイナスに
変わる時点より後で、かつピークホールド回路(PH)
のリセット信号が出力される時点より前で、この二つの
時点の中間点とする。サンプルパルス信号を発生する回
路(SP)84は、ゼロクロスコンパレータ(ZC)7
8の出力の微分値のマイナス側を読み込む回路、そのマ
イナス側の信号をトリガとして、位相を遅らせてワンシ
ョットパルスを出力するワンショトマルチバイブレータ
から成る。サンプルパルス信号が各サンプルホールド回
路(SH)に入力された時に、サンプルホールド回路
(SH)でサンプルは行なわれる。
(SH)81、82、83の出力は、常時それぞれイン
スツルメントアンプ(IA)72、73、74の交流出
力のピーク値を示す。すなわち、サンプルホールド回路
(SH)81、82、83の出力は、コイル1、コイル
2、抵抗3の交流電圧をそのピーク電圧で直流電圧に変
換した信号になる。
2、83の出力をそれぞれアンプ(AP)85、86、
87に入力する。アンプの増幅度は可変抵抗で調整でき
るようにしておく。
P)87の出力を引算回路(SB)91へ入力し、アン
プ(AP)85の出力からアンプ(AP)87の出力を
引く。また、アンプ(AP)86の出力とアンプ(A
P)87の出力を引算回路(SB)92へ入力し、アン
プ(AP)86の出力からアンプ(AP)87の出力を
引く。
無限大の時に、引算回路(SB)91、92の出力が共
に0ボルトとなるように、アンプ(AP)の増幅度を調
整する。
B)91、92の出力を、それぞれマイクロコンピュー
タ110のAD変換回路(ADC)95、96、97へ
入力する。
路(ADC)95、96、97の出力値を読み込み、数
3の計算を行なってコイル1の、数4の計算を行なって
コイル2のインピーダンスに比例した値を算出する。こ
の数3および数4の計算結果L1およびL2は、それぞ
れコイル1およびコイル2のインピーダンスに比例した
値となる。数3および数4において、sとtはそれぞれ
AD変換回路(ADC)95、96の出力値である。r
はAD変換回路(ADC)97の出力値である。
る数値はインピーダンスそのものではないが、インピー
ダンスに比例した値であり、変位を求めるうえで、この
計算結果をインピーダンスとみなすことが出来る。よっ
て、以降、マイクロコンピュータの中では、この値をイ
ンピーダンスとして扱う。
体のそれぞれにつき、2種類以上の被測定物を用いて、
あらかじめ変位とインピーダンスを測定し、変位と数3
および数4で求めたインピーダンスの値を、表1の形で
記憶しておく。
時にあたっては、数3および数4で求めたインピーダン
スの値にもっとも近い二つの変位の軌跡を表1の中から
マイクロコンピュータで選びだし、表1に記載される変
位、二つのインピーダンス、変位の軌跡の式の係数、お
よび変位の幾何学的交点の値と、数1および数2とより
変位を算出する。
によってアナログ信号に変換し、変位の表示を表示器
(DS)100で行なうとともに、絶縁回路(IS)9
9を通して、そのアナログ信号を外部に出力する。
プログラムはCPU101で実行される。プログラムや
表1の数値はROM102に記憶される。測定中にAD
変換回路(ADC)から読み込んだコイルのインピーダ
ンスはRAM103に記憶される。マイクロコンピュー
タのバスラインを図10の111で示す。
つのコイルを直列につなぎ、図10におけるインスツル
メントアンプ(IA)からAD変換回路(ADC)まで
の回路を一組追加して、変位の軌跡を三次元の座標で求
める。
の、いずれか一つを無視して二つのコイルとみなし、二
つのコイルを用いたときと同様に、変位を求める。
二つ以外のコイルを無視するか、あるいは、コイルの数
と同じ数のベクトルを座標としてあらかじめ変位の軌跡
を定めて、その変位の軌跡をたどり、変位を求める。
物に渦電流を発生させると、渦電流によって磁界が作ら
れ、その磁界がコイル周辺の磁界に影響を与える。その
ため、コイルのインピーダンスが変化する。
は、渦電流によって作られる磁界の強さと変位の影響を
受ける。
は、コイルが作る磁界の強さと被測定物の形状や材質に
影響される。
強さは距離におおじて減衰し、その減衰する比は、磁界
の発生源の材質に影響されない。また、空気中において
も、空気の影響は実質無視できる範囲であるから、磁界
の強さの減衰する比は距離のみに影響される。
場合、磁界の強さの減衰する比と変位との関係を知った
うえで、磁界の強さの減衰する比を測定すれば、被測定
物の材質に影響されずに変位を測れる。
合、磁界の発生源がコイルと被測定物の二個所であるか
ら、磁界の強さが減衰する比は、磁界の発生源が一つの
場合より複雑に変化する。
測定物に対して位置を違えておけば、コイル間のインピ
ーダンスの比は、磁界の強さが減衰する比に対応した値
となる。
した座標において、被測定物に対して位置を違えて配置
した複数のコイルのインピーダンスが示す一つの点と変
位との関係を明らかにしておけば、すなわち変位の軌跡
を明らかにしておけば、その点から変位を求めることが
出来る。
ナログ回路、およびマイクロコンピュータを用いた実施
例である。
圧とコイルに流れる電流をそれぞれ測定して、各電圧を
各電流で割算してインピーダンスを求め、そのインピー
ダンスに用いて、変位の軌跡を求め、コイルを直列につ
ないだ時と同じように変位を求める。
いない片端に、例えば、図2において被測定物側とは逆
のコイル最上端に、被測定物と平行になるように、導体
を固定した場合は、あるいは、コイルとコイルの間に導
体を固定した場合は、各コイルのインピーダンスを求
め、そのインピーダンスに基づいて変位の軌跡を求め、
導体を固定しない場合と同様に、変位を求める。
る多種類の被測定物に対して、厚さや穴等の形状、透磁
率、導電率に影響されずに精度良く変位を測定する。
キロヘルツの低い周波数の交流でも可能であるため、大
きな電流を使用できる。この大きな電流によって磁界の
強さを高め、測定可能な変位の範囲を広げる。
す。但し、本図では一例として二つのコイルを用いてい
る。
との物理的な位置関係を示す。
A−Aである。
を示す。特に、その関係が被測定物の材質や厚さによっ
て異なることを示す。
ンピーダンスZ2との関係の一例を示す。特に、被測定
物の材質や変位に関わらず、この二つのインピーダンス
間の関係がおおむね一つの直線に近く、拡散しないこと
を示す。
る。特に、コイル1のインピーダンスZ1とコイル2の
インピーダンスZ2との詳細な関係は、点(1,1)を
起点にして、被測定物ごとに異なることを示す。
ず、変位の等しい点を結んだ線を表す。すなわち、変位
の軌跡を示す。
やして、変位の軌跡を分割した図である。
装置の構成を示す。
場合の線 22 厚さ0.5mmのステンレス鋼板で、コイル2の
場合の線 23 厚さ1mmのアルミニウム板で、コイル1の場合
の線 24 厚さ1mmのアルミニウム板で、コイル2の場合
の線 25 厚さ3mmのアルミニウム板で、コイル1の場合
の線 26 厚さ3mmのアルミニウム板で、コイル2の場合
の線 31 磁性体を被測定物とした場合の線 32 磁性体を被測定物とした場合の線 33 磁性体を被測定物とした場合の線 34 非磁性体を被測定物とした場合の線 35 非磁性体を被測定物とした場合の線 36 非磁性体を被測定物とした場合の線 41 変位の等しい点を結んだ線 42 変位の等しい点を結んだ線 43 変位の等しい点を結んだ線 44 変位の等しい点を結んだ線 45 変位の等しい点を結んだ線 46 変位の等しい点を結んだ線 51 ある導体を被測定物としたインピーダンスの線 52 ある導体を被測定物としたインピーダンスの線 53 ある導体を被測定物としたインピーダンスの線 60 点(v,w)と点(i,j)を結んだ直線 61 点(a,b)と点(e,f)を結んだ直線で、変
位の軌跡 62 点(c,d)と点(g,h)を結んだ直線で、変
位の軌跡 63 分割した変位の軌跡 64 分割した変位の軌跡 65 分割した変位の軌跡 66 分割した変位の軌跡 72 インスツルメントアンプ(IA) 73 インスツルメントアンプ(IA) 74 インスツルメントアンプ(IA) 75 ピークホールド回路(PH) 76 ピークホールド回路(PH) 77 ピークホールド回路(PH) 78 ゼロクロスコンパレータ(ZC) 79 リセットパルス回路(RP) 81 サンプルホールド回路(SH) 82 サンプルホールド回路(SH) 83 サンプルホールド回路(SH) 84 サンプルパルス回路(SP) 85 アンプ(AP) 86 アンプ(AP) 87 アンプ(AP) 91 引算回路(SB) 92 引算回路(SB) 95 AD変換回路(ADC) 96 AD変換回路(ADC) 97 AD変換回路(ADC) 98 DA変換回路(DAC) 99 絶縁回路(IS) 100 表示器(DS) 101 マイクロコンピュータ・プロセッサ(CPU) 102 リード・オンリー・メモリ(ROM) 103 ランダム・アクセス・メモリ(RAM) 110 マイクロコンピュータ 111 バスライン
Claims (2)
- 【請求項1】 被測定物に対して距離を違えて配置した
複数のコイルに交流電流を流して磁界を発生させ、コイ
ルのインピーダンスがたどる変位の軌跡を基に、被測定
物とコイルとの変位を測る方法。 - 【請求項2】 被測定物に対して距離を違えて配置した
複数のコイルに交流電流を流して磁界を発生させ、コイ
ルのインピーダンスがたどる変位の軌跡を基に、被測定
物とコイルとの変位を測る装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007263981A (ja) * | 2003-10-20 | 2007-10-11 | Ebara Corp | 渦電流センサ |
JP2010164431A (ja) * | 2009-01-15 | 2010-07-29 | Nippon Steel Corp | 表面状態測定装置及び表面状態測定方法 |
JP4852667B1 (ja) * | 2011-03-04 | 2012-01-11 | 株式会社マコメ研究所 | 近接センサ |
JP2012188018A (ja) * | 2011-03-10 | 2012-10-04 | Tokai Rika Co Ltd | 車両変速機用操作装置 |
-
1995
- 1995-03-06 JP JP08305795A patent/JP3899477B2/ja not_active Expired - Fee Related
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